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科学写真 さまざまなカメラ

写真史講義 3

科学写真 さまざまなカメラ

写真は、それまで人間の眼には捉えられなかったものを記録したり、ものの見方や空間の捉え方を変えたり、科学

分野の研究の発展にも大きく貢献したりしてきました。写真技術の発展の過程のなかで作り出されてきたさまざま

なかたちのカメラに注目しながら、対象となる「もの」や「空間」について考えてみましょう。

カロタイプの発明

ウィリアム・H・F・トールボット(タルボット)(William Henry Fox Talbot, 1800-1877)が、初期の写真術であ

るカロタイプの特許を 1841 年に取得。カロタイプは、露光した銀板に画像を定着させるダゲレオタイプとは異な

り、ネガポジ法──一つのネガから複数のポジ画像を作ることができる──である。トールボットは、1844∼1846

年にかけて 6 分冊の世界最初の写真集『自然の鉛筆』を出版した。それぞれの写真集には、24 枚の写真が収められ、

それぞれの写真には、各々にタルボットによる簡潔な解説が添えられており、カロタイプで表現しうるさまざまな

芸術的表現や記録性、再現性、科学的例証などの写真の可能性が紹介されている。

サイアノタイプ

さまざまなレンズ機構の開発 → 遠くにあるもの、目に見えない程小さなものを捉える。
(天文写真・顕微鏡写真)

1840 年 アメリカの科学者ジョン・ウィリアム・ドレイパーがダゲレオタイプで月面を撮影。

1848 年 フランスの物理学者アレクサンドル=エドモン・ベクレルが太陽光線のスペクトルの記録に成功。

1862 年 フランスのルネ・プリュダン=ダグロンが顕微鏡写真を発明。

瞬間を捉える写真、連続写真

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1877 年 エドワード・マイブリッジが 12 台のスチルカメラを使い、疾走馬の脚の動きを連続撮影した。

それによって、馬は疾走中 4 本の足を同時に地面から離しているということを証明。

1879 年 フランスのエティエンヌ・ジュール・マレイが〈写真銃〉を発明。連続的な運動を記録することがで

きるようになる。クロノフォトグラフィ

1931 年 ハロルド・エジャートンがストロボ・フラッシュ機構を開発

光線による解析 → 表面からは見えないものを捉える。

1895 年 ドイツの物理学者ヴィルヘルム・ヴィルハイム・コンラート・レントゲンが X 線を発見。

オカルト思想と写真の結びつき
科学写真 さまざまなカメラ
写真史講義 3

さまざまなカメラや視覚装置 20 世紀前半まで

ステレオスコープ/ステレオ写真

1849 年 スコットランドのデイヴィッド・ブリュースター(万華鏡の発明者としても知られている)がステ

レオ・ビューア(ステレオスコープ)を発明。人の両眼の視差の分だけレンズの間が離れた二つのレンズがつ

いたカメラで撮影したステレオ写真をこの装置を通してみると、2 枚の写真が重なって立体的な一つの像とし

て見える。

http://www.geh.org/stereo.html

1870年 ウィリアム・ヘンリー・ジャクソンが地質学/地理学調査の一環としてアメリカ西部を撮影。

マンモス・カメラ

パノラマカメラ

集合写真や風景写真を撮影するために用いられた。ストレート型、首降り型(レンズ自体が動き、湾曲したフ

ィルム面にパノラマを撮る。
)サーカット・カメラ(1904 年に発明されたカメラで、歯車とゼンマイでカメラ

全体が旋回、フィルム給送する方式で、360 度をとらえることができる。)などがあった。

カメラの小型化と普及

1888 年 アメリカの発明家、実業家、ジョージ・イーストマンが、小型フォーマットのロール・フィルム式

コダック・カメラを開発。アマチュアが、スナップショットを工場に送り、現像してもらうことができるよう

になる。
「あなたはボタンを押すだけ。あとはお任せください」

→ さまざまな小型カメラ(探偵カメラ/隠しカメラ/スパイカメラ)

マグネシウム、ストロボ

航空写真

1858 年 ナダールが気球に乗ってパリの街を撮影。

1903 年 ドイツのユリウス・ノイブランナーが伝書鳩に装着するカメラを発明

http://www.papainternational.org/
ミョン・ホ・リー も
韓国の写真家、ミョン・ホ・リー(Myoung Ho Lee, b.1975)は、自然環境の中で生えて
いる木に、白い布が四角いカンバスのように見えるような方法で掲げて写真を撮影する
「Photography Act」というシリーズ作品を制作している。一連の作品は、空間の認識、
表象と現実の関係について問いを投げかけている。

http://www.lensculture.com/myoung.html

カール・カールブロスフェルト も
カール・ブロスフェルト(Karl Blossfeldt, 1865-1932)は、ドイツで1920年代に隆盛した新
即物主義を代表する写真家。植物(の部分)のクローズアップを、緻密な視線で撮影した
その写真作品は、普段気づくことのない、植物の魅力的な形態を余すところなく伝えてい
る。1928年に『芸術の原型』という写真集を刊行した。

http://www.karl-blossfeldt-archiv.de/

アンナ・アトキンス も
アンナ・アトキンス(Anna Atkins, 1799-1871)はフォトグラムの手法で海洋植物標本集
"British Algae : Cyanotype Impressions" 「イギリスの藻 : サイアノタイプの刻印」とい
う一連のポートフォリオの第一集を1843年した。サイアノの語源はギリシャ語でシアノス
「濃紺」、あるいは「青色の痕跡」を意味している。

http://en.wikipedia.org/wiki/Anna_Atkins

ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン も
ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン(Wilhelm Conrad Röntgen、1845 - 1923)ド
イツの物理学者。1895年にX線の発見を報告し、この功績により、1901年、第1回ノーベ
ル物理学賞を受賞した。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ヴィルヘルム・レントゲン

ユージン・O・ゴールドベック も
ユージン・O・ゴールドベック(Eugene Omar Goldbeck, 1891/1892 ‒1986)は、テキサス
州、サンアントニオで活動していた写真家。1920年代から1940年代にかけて数多くの集合写真──
美人コンテスト、野球の試合、軍の集合写真など──を手がける。サーカット・カメラを用いて撮影
された写真一コマの幅は最大で、7,5メートルにも及ぶ。