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utte interview vol.

世界に絵で笑顔を広めたい

アーティスト RIE インタビュー
RIE, an artist,
utte interview
The Painting spreads smile in the
world
October 2008
世界に絵で笑顔を広めたい

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世界に絵で笑顔を広めたい

この冊子は、クリエイター作品の販売ウエブサイト
「utte」に掲載するクリエイター×ウッテリエ・イン
タビューです。気鋭のクリエイターの創作世界観を、
ウッテリエ(utte+sommelier=クリエイティブ界
のソムリエの造語)が 2000 字から 2500 字でぎゅ
っと伝えます。

2008 年 10 月にとりまとめた画家 RIE さんとのクリ


エイティブなインタビューです。彼女がどうして笑顔
を広めたいか、なぜ絵を描くのかを伝える一文になり
ました。お楽しみください。

皆さまからのコメントが励みになります。お手紙は
utte の電子メールアドレスまでお願いいたします。
utte@utte.co.jp

utte ブックレット制作責任者 郷好文
同 村山桜子

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世界に絵で笑顔を広めたい

RIE utte ウエブサイト
http://www.utte.co.jp/joomla/content/view/816/54
/
utte ウエブサイト
www.utte.co.jp
RIE ウエブサイト&ブログ
http://www.mongara-art.com/

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世界に絵で笑顔を広めたい

RIE(りえ)画家/アーティスト
自己紹介

2005 年、私はインドネシアのボルネオ島にホームステ
イに行きました。

野生のオラウータンの生息する地域で収入は主にパー
ムヤシというヤシの木を育てて木から採れる油を売っ
て生活しています。コンビニもアスファルトの道も信号
も看板も無い。日本では当たり前のものが何もない。

お風呂はドラム缶に雨水を溜めて桶ですくって水を浴
びます。電気は自家発電(発電するのは大変)なので暗
くなったら寝て、朝日と共に起きる生活。

そんなある日、ステイ先の少女が私にこう言いました。
「1度でいいから日本へ行ってみたいわ。私の家は貧し
くて、私の生きている間にその夢は叶わないの。でもね、
あなた達がこうしてここへ来てくれることが私の宝物
なの。本当にありがとう。」と満面の笑顔で話してくれ た。

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世界に絵で笑顔を広めたい

少女を前に涙が止まらなかった。どんなに小さな事にも
感謝し、
「ありがとう」の気持ちを忘れないこの村の人 達。
私は日本という恵まれた国に居ながらも、不平不満を言
い何でもあって当たり前の生き方をしていた。そんな 自
分がとてもちっぽけで恥ずかしかった。彼女に感謝して
いる。それから私は、
「私に何ができるだろう?」と考 え
るようになりました。そうだ、私は絵を描く 事ができる。
そして決めました!絵を描き続けることを。絵を通して
彼女の笑顔を広げよう。それが唯一私に出来る事だから。
   2006.10

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世界に絵で笑顔を広めたい

RIE(りえ)経歴

1982 大阪府生まれ
2002 京都嵯峨芸術短期大学 陶芸学科卒業 
2003 オーストラリア・バリ島放浪 2004 帰国後上京
2005 マレーシア.ボルネオ島へホームステイ(絵を描
き続けることを決める)
2006 ハワイ・バリ島放浪
2007 東京の自宅兼アトリエで制作を始める
・個展デビュー「Present 展」(golden child cafe 名古
屋)
・壁画(西麻布 BAR TOTOTO)
・第 2 回ニッケ pure Heart イラスト大賞 優秀賞受賞

2008 volvic「1Lfor10L」のプロジェクトに参加
・その他、個展等幅広いジャンルで活躍している。
2009 NTV『おしゃれイズム』に作品が選出・展示される。

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世界に絵で笑顔を広めたい

世界に絵で笑顔を広めたい。

絵で世界中に笑顔を広めたい。クレヨン画にも、アクリ
ルや水彩絵の具の絵にも、にっこりやうふふ、アハハや
ほほほの笑いがあふれる。笑顔の人、笑顔の母や子、笑顔
の家と町、笑顔の動物や魚や植物や森や海。地球が笑顔
でいっぱい。それが笑顔のアーティスト RIE さんの作品。

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世界に絵で笑顔を広めたい

笑顔を失った国の人びともいる。彼らを笑顔いっぱいに
機体ペイントしたジェット機に乗せて、“笑顔共和国”に
連れていきたい。そこで思いっきり笑って、自分の笑顔
をとりもどしてほしい。帰って笑顔を広めて、笑顔の国
にしてほしい。これが彼女の夢。

でも笑顔のアーティストになると決めるまで、才能の萌
芽があり、迷いがあり、笑顔を失う時期があった。

【深海の図書館で】

芸術家一家に生まれた。父は抽象的な表現のガラス“オ
ブジェ”のアーティスト。母は染色、祖父は油絵、祖母は
陶芸。だから自然に、高校はモダンクラフト科に進み、色
彩やデッサン、陶芸などを学んだ。その中でいつも高い
点数をとったのは“自由画”。

“宇宙の散歩”といった変わったテーマが与えられ自由
な発想で描く。“深海の図書館”というテーマでは、深海
に人間たちが展示されてお魚たちに観られている絵を
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世界に絵で笑顔を広めたい

描いた。滅多に人を褒めない先生だったが、こう言われ
た。

「君には才能がある」

自由表現の絵がますます好きになった。

【不平不満ばかりの日々】

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世界に絵で笑顔を広めたい

大学は陶芸学科に進み、卒業後、ワーキングホリデーを
利用してオーストラリア、そしてバリ島を放浪した。帰
国後、海外と日本を結ぶ仕事をしたいと考えた。 思いに
まかせて『世界ふしぎ発見!』のリポーターになろうし
た。芸能プロダクションのオーディションに合格し、女
優やアイドル、モデル、タレント志望者に まじって発声
やダンスに励んだ。でもリポーター募集は 3 年に 1 度あ
るかないかなので、結局あきらめた。

さてどうしようか。友人たちは皆社会に出ているし、仕
事をしなければと考えた。賃貸と分譲住宅の不動産営業
に就いた。初めての社会、こんな社会なのかと 思った。わ
たしにはムリだ。ストレスをためこみ、不満ばかりの毎
日が続いた。会社を辞めて悩みながらボルネオ島にホー
ムステイをした。05 年のことだ。

【ボルネオ島から見えたこと】

そこには経済大国なら当たりまえのモノ、コンビニエン
スストア、アスファルトの道、信号、広告看板など、何ひ
とつなかった。電気も自家発電。明るくなれば起きるし
暗くなれば寝る。先進国とくらべて不自由なことばかり。
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世界に絵で笑顔を広めたい

日本とひとつ、大きな違いがあった。

そこには満面の笑顔と感謝があった。

ステイ先の少女が言った。「一度でいいから日本へ行 っ
てみたいわ。私の家は貧しくて、私の生きている間にそ
の夢は叶わないの。でもね、あなた達がこうしてここへ
来てくれることが私の宝物なの。本当にありがとう。 」
(RIE さんの HP より)

ボルネオからもどり、押入れから高校時代の絵を引っぱ
りだした。私には絵がある。笑顔の絵を描こう。不平不満
を言って流れてきた自分が、すごくちっぽけだった。自
分のストレスの原因に気づいた。“誰かに気に入られた
い”とばかり想い、いつも誰かの評価を気にしていた。

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世界に絵で笑顔を広めたい

父のオブジェのアートがやっと理解できた。父は誰かに
わかってもらうために創っていない。食べるためにやっ
ていない。自分の表現を貫き通していた。父を目指そう。
ボルネオの少女の感謝のことば、純粋な笑顔を心の底に
おこう。

オーストラリアの珊瑚礁を往くモンガラカワハギは、
RIE さんの憧れの存在。ダイバーが来ても逃げもせずに
らみもせず、温かい海の底を優雅に、堂々と泳ぐ。“モン
ガラカワハギ”のように生きたい。

【もう外に向かわなくてもいいけれど】

今は絵があるから、もう外に向かわなくてもいい。でも
彼女は今年韓国に行った。それは隣の国なのに根底に未
だに消えない“日韓問題”があるから。もっと笑顔を広げ
たい。来年はアフリカにも行きたい。絵を通じて井戸や
水の支援ができないかと思う。

彼女の夢、笑顔共和国往きの機体デザインは、両手を主
翼に広げ、両足を尾翼まで伸ばし、コクピットをおっき

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世界に絵で笑顔を広めたい

な笑顔でおおう。機体に絵を描けないか、実際に大手航
空会社に掛け合った。担当者はこう言った。

「あなたと一緒にハワイに行きたい人が、何人います
か?」

酔狂でやっていない、商売です、というメッセージだっ
た。笑顔の失われた国には、笑顔のアーティスト RIE さ
んが必要なのだ。

2008 年 10 月 27 日

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世界に絵で笑顔を広めたい

文・郷 好文
写真・村山桜子

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