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マラウイ国 初等教育環境改善プログラム

「セント・ジョーンズ小学校現職教員研修」

実施報告書

平成17年 3月 15日
マラウイ共和国教育科学技術省 計画局
教育行政アドバイザー
中山 嘉人
派遣期間:2002 年 6 月 24 日~2005 年 6 月 23 日
専門家番号:B-02-44027
―目次―

1. 実施背景 __________________________________________________________________ 2
2. 課題と実施目的 ____________________________________________________________ 3
3. 計画段階で設定した成果目標_________________________________________________ 3
4. 実施日程案 ________________________________________________________________ 4
1) 日時: __________________________________________________________________________ 4

2) 場所: __________________________________________________________________________ 4

3) プログラム案(別添1参照) _________________________________________________________ 4

5. 実施と評価 ________________________________________________________________ 4
1)プログラムの実施 __________________________________________________________________ 4
a) 効果的な教室運営_______________________________________________________________________ 4
b) 音楽教育 ______________________________________________________________________________ 5

2)参加者の出席状況_________________________________________________________________ 5

3)ファシリテイターの運営能力-成果と課題― ____________________________________________ 6

4) 期待した成果の達成状況 ___________________________________________________________ 7

5) 課題・今後のための留意点__________________________________________________________ 8

別添
1:学校側運営委員及びファシリテイター作成のプログラム案
2:
「効果的な教室運営」各セッションのファシリテイター・レポート
3:
「音楽教育」各セッションのファシリテイター・レポート
4:
「効果的な教室運営」ワークショップに関する参加者による評価表
5:
「音楽教育」ワークショップに関する参加者の評価表
6:INSET 運営ガイドライン:Management Guideline and Terms of References for Planning
and Implementation of INSET at St. John’s Primary School

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1. 実施背景
リロングウェ市内から南西約 10 キロに位置するセント・ジョーンズ小学校は、1960 年代初頭、ミッ
ション系のデモンストレーション・スクール(モデル校としての役割)として設立された。隣接する中
学校との一貫教育で当時は質の高い教育を提供し、周辺でも有数の学校であった。しかし、70 年代後半、
学校運営が教会から政府の管轄下になるとともに、教室や机・椅子等の学校施設の補修、改善が定期的
に為されないまま施設の劣化が進み、また、1994 年の初等教育の無償化政策により、生徒数の爆発的
な増大による施設の絶対的不足が、初等教育を執行する上で最低限の学習環境を確保する上でも困難な
状況に直面していた。
このような状況の下、2002 年 12 月、当校の学校運営委員会(SMC)から、教室増設支援の申請書(当
初は、「草の根無償資金協力」)が JICA マラウイ事務所に出された。それを受けて、学校の現状及び SMC
をはじめとする学校運営状況の調査を行い、支援の妥当性、及び必要性の高さとともに、特に、支援の
緊急性が確認されたことから、当初申請のあった「草の根無償資金協力」よりも更に迅速性のある専門
家現地適用化費(現地業務費)を活用し、7 ブロック(14 教室)の建設及び生徒用二人掛机・椅子 180
セット、教員用机・椅子 15 セットの供与支援を行った(2003 年度)。この協力により、教室数が既存
の 8 教室から 22 教室に増加するとともに、生徒用机・椅子セットは、80 セットから 260 セットに増加
した。教育環境も、過去に雨季の時期には授業が中断せざるを得ない状況であったが、通年で授業を実
施できるようになるとともに、一クラス当りの生徒数も協力前の約 419 人から 152 人へと改善し、より
効果的な授業が実施できるようになった。
一方、当校に対する先の施設面での支援を検討する際、
1) 当校は、周辺地域の就学児童を多く収容し、教育機会の拡充に大きく寄与している小学校の学
習環境改善を目的としており、施設面の協力を超えて専門家業務の中心である「基礎教育向上」
のための技術支援との関連性が非常に高い
2) マ国においては行政の地方分権化政策が推進されており、その中でも、初等教育は最も地方分
権化を奨励しているサブ・セクターである。教育の地方分権化の最終的な目標は、学校レベルで
の学校運営マネジメント能力の強化であることから、施設改善支援とその後の専門家による学校
運営のモニタリングや教員再訓練の技術的支援を組み合わせれば、学校レベルでの効果的な協力
が可能になる
ことを指摘1し(次ページ、支援コンセプト参照)、それに基づいて、定期的に学校長や SMC との協議
や学校運営モニタリングを実施し、学校教育の質の向上に向けたニーズ調査及びプロポーザル作成支援
等のキャパシティ・ディベロップメントを行ってきた。
このような背景の下、本申請は、教員と SMC からの要望が強い、1)音楽教育に関する教授法指導、
2)一クラス 100 名を超える大クラスの教室運営向上、を目的とした現職教員研修の支援を行った。

2
学校長を中心とした
「授業運営」能力向上

学校
学校運営委員会
父兄を中心とした
「学校モニタリング」
能力向上 コミュニティー

地域住民を中心とした
「教育参加」意識向上

専門家の技術的支援 ニーズに即応した学校施設の改善
(ソフト面) (ハード面)

▲ 初等教育環境改善プログラム:セント・ジョーンズ小学校支援コンセプト

2. 課題と実施目的
課題 実施目的
y マ国初等教育カリキュラムにおいて音楽教
育が導入され、生徒たちにとっても「楽しい
教員に対して音楽教育のカリキュラムと
科目」の一つであるにも関わらず、教員に対
教授法についての指導を行う。
する右教科のカリキュラム指導及び教授法
が周知されていない。

y 都市部周辺の人口増加の激しい地域に位置
室内、屋外でのそれぞれの教室運営方法
する当校において、特に低学年における就学
について学ぶとともに、学習障害児も含
者数増加から一クラス 100 人を超える生徒に
んだ多様な学習レベルの生徒たちに対す
対するより効果的な指導方法向上が必要で
る指導方法を研修する。
ある。

3. 計画段階で設定した成果目標
本研修によって、以下の成果達成を目標として設定した。
① 音楽教育カリキュラムが教員間で周知される。
② 簡単な楽器を活用した音楽教育指導法が向上する。
③ 大きな生徒数を抱える室内、屋外それぞれの教室運営手法が向上する。
④ 多様な学習レベルに対する生徒指導方法が向上する。

1 『セント・ジョーンズ小学校施設改善計画申請書』(2003 年 2 月 15 日)参照

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4. 実施日程案
1) 日時:
8:00-16:00、2005 年 2 月から 3 月にかけての週末 2 日間を連続 3 週間で実施した(2 日間×3 週=6
日間)。 2005 年 2 月 26 日(土)、27 日(日)、3 月 5 日(土)、6 日(日)、12 日(土)、13 日(日)
2) 場所:
セント・ジョーンズ小学校(Lilongwe Urban District)

3) プログラム案(別添1参照)
毎週土曜日は、「教室運営」に関する研修、毎週日曜日は、「音楽教育」に関する研修実施を予定した。
① 効果的な教室運営:
ファシリテイター:リロングウェ地方教育事務所(DEO)
Mr. Banda (Primary Education Advisor), Mr. Chipepa(Coordinating Primary
Education Advisor)
第 1 日目<2 月 26 日(土)> 1)教室運営についての概論
2)効果的な教室運営アプローチ
3)効果的学習環境を作り上げる方法
4)ケース・スタディ
第 2 回目<3 月 5 日(土)> 1)教室運営における教員と生徒、各自の役割
2)室内と屋外における教室運営
3)大教室における教室運営
4)ケース・スタディ
第 3 回目<3 月 12 日(土)> 1)様々な学習レベルの生徒に対する指導方法
2)教材の効果的な活用方法
3)全体のプログラム評価

② 音楽教育:
ファシリテイター:リロングウェ初等教員養成大学 Mr. Kamochi (Lecturer, Music)
第 1 日目<2 月 27 日(日)> 1)カリキュラム1(声楽)
2)カリキュラム2(リズム)
第 2 回目<3 月 6 日(日)> 1)カリキュラム3(ダンス)
2)カリキュラム3(キーボードを活用した授業)
第 3 回目<3 月 13 日(日)> 模擬授業、全体プログラム評価

5. 実施と評価
1)プログラムの実施
a) 効果的な教室運営
実際のワークショップでは以下のトピックをカバーした。各セッションの詳細は別添2、3のファ
シリテイター、地方教育事務所 初等教育アドバイザー(PEA)及び学校長のレポートを参照。
(最終日 3 月 13 日の分は 15 日現在で未提出。提出次第、添付に加える)
トピックに内容的には、計画したものを全て網羅したといえる。

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第 1 日目<2 月 26 日(土)> 1)教室運営についての概論(教室、大教室の定義)、
2)運営可能な教室規模とそれを超える場合の対処の仕方
3)効果的な教室運営を達成するための環境作り
4)生徒の授業内参加を活性化させる活動
5)教室運営のためのリーダーシップ
6)教室運営における生徒の役割
7)ケース・スタディ
第 2 回目<3 月 5 日(土)> 1)教室活動のグッド・プラクティスからの教訓
2)生徒の授業内活動の効果的共有方法
3)教室運営における教員の役割
4)課外教室での効果的授業運営のための教師の役割
5)教室運営、授業における効果的テクニックとスキル
第 3 回目<3 月 12 日(土)> 1)様々な学習レベルの生徒に対する指導方法
2)参加型授業運営の方法
3)効果的な学習教材の作成とその活用及び安全な保管方法
4)全体のプログラム評価

b) 音楽教育
第 1 日目<2 月 27 日(日)> 1)カリキュラム1(声楽)
z 音と音楽の違い
z テンポに関する用語とその意味
2)カリキュラム2(リズム)
z リズムとリズム記号
z リズム・パターン
z 指揮の方法
第 2 回目<3 月 6 日(日)> 1)カリキュラム3(メロディ)
z 歌の中でのメロディの定義と役割
z メロディの創作(様々な音と声音を合わせる、様々な音を真
似てみる)
z メロディ表への書き出し
z 書き出したメロディを読み起こす
2)カリキュラム4(フォーム)
z 歌の構造
z 歌の構造の分類と見分け方
3)カリキュラム5(コード)
z 様々なメイジャー、マイナー・コード
z コードを利用した簡単なキーボード演奏
第 3 回目<3 月 13 日(日)> 1)これまでの学習内容の復習
2)レッスンプランの作成方法とグループワークによる模擬授業
3)全体プログラム評価

2)参加者の出席状況
前夜からの激しい雨が朝まで残っている日もあったが、参加者のほとんどは時間通り、遅くても開
始予定時間後 30 分以内には会場に集まっており、本ワークショップへの積極的な参加が見られた。
以下は、各セッションの出席状況を示しているが、各セッションとも平均で 90%を超える出席、ま

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た 6 日間全体でも 93.9%と高い出席率が得られた。一方、セッション内容の性格上、参加者にとって
も、より楽しめた音楽教育のセッションと比べると、教室運営の方は、若干低い出席率が見られた。
なお、善参加予定人数は 74 名。
▼各セッションの出席者数と出席率
1) 効果的な教室運営 出席者数 出席率(%)
第 1 日目<2 月 26 日(土)> 69 93.2
第 2 回目<3 月 5 日(土)> 64 86.5
第 3 回目<3 月 12 日(土)> 69 93.2
平均 91.0
2) 音楽教育
第 1 日目<2 月 27 日(日)> 74 100.00
第 2 回目<3 月 6 日(日)> 70 94.6
第 3 回目<3 月 13 日(日)> 71 95.9
平均 96.8
全体平均 93.9

3)ファシリテイターの運営能力-成果と課題―
 各セッションの最終日に行った参加者への評価(別添4,5)からは概ね高い運営能力として
評価されている。
 今回ファシリテイターを県教育事務所の PEA、CPEA(Coordinating Primary Education
Advisor)、そしてリロングウェ初等教育教員養成大学の講師が務めたわけだが、PEA について
は政府の初等教育重視の方針から、これまでドナーからの支援でこのようなワークショップの
運営手法などについて研修を受ける機会が数多くあり、また、大学講師の方も常日頃、授業を
担当していることから、今回参加者から高い評価を得るようなファシリテイト能力と教授法を
有していることを十分に示した。
 一方、準備段階での打ち合わせなどで、できるだけ各セッションの要点がまとまった参加者用
のレジュメを作成し、より効果的な研修とするように助言した。また、その旨、各自の役割と
して「INSET 運営ガイドライン」(別添6)にて説明を行い、コメントも含め合意を得ていた
のだが、実際、レジュメの準備をしてきたことはなかった。
 これまでの INSET 計画実施の経験でも同じようなことを体験してきたが、とにかく準備を十
分にして臨むというよりは、その場の状況で切り抜けているような印象を持っている。
 もちろん、豊富な経験に基づいて参加者にも満足してもらえる INSET が提供できるのは評価
すべきことである。
 しかし、各セッション自体が非常に楽しく有意義なものであるということと、それが果たして
次に述べる「期待した成果」を確実に達成したか、ということとは別次元の議論であり、なぜ
このような INSET をやるのか?そのために毎回のアプローチは十分効果的であるのか?その
ためにはどのような準備をする必要があるのか?など問うていける姿勢を作っていくことは、
今後の課題といえるだろう。

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4) 期待した成果の達成状況
上述3のとおり、計画では、各セッションについての達成すべき成果目標を以下のとおり設定した。
では、果たして、今回の INSET が目標を達成したと言えるだろうか。

期待された成果
<効果的な教室運営>
① 大きな生徒数を抱える室内、屋外それぞれの教室運営手法が向上する。
② 多様な学習レベルに対する生徒指導方法が向上する。
<音楽教育>
③ 音楽教育カリキュラムが教員間で周知される。
④ 簡単な楽器を活用した音楽教育指導法が向上する。

結論としては、INSET が終了した直後の現段階では、③のみが「周知に貢献した」程度に評価できる
のみであろう。このように INSET の直接的な成果(OUTPUT)として、ワークショップ終了後の評価が
困難な理由としては、
① 設定した成果が、ワークショップ終了だけで測定し明らかにするのが困難な目標である。
=>例:
「~が向上する」では、何を持って向上したとするのかが不明確である。例えば①について
は「屋内、屋外での教室運営手法の違いについて 3 つのポイントが指摘できるようになり、そ
れに基づいて授業計画作成とモデルレッスンができるようになる」とすれば、より具体的とな
り、それを達成するためのより具体的なプログラムを組むことができただろう。
② 計画、設定された成果を本当に達成しようという認識が関係者間で低かった。
=>真に達成しようと考えるならば、設定された成果はワークショップ後のモニタリング等のフォ
ローアップによる評価が必要で、ワークショップ開催中のその時々の協議や終了後のコメント
の中にも具体的にいつ頃、どのようなモニタリングをしていくのかをファシリテイターのメン
バーである PEA 等から言及されるべきだったが、それが得られなかった。
③ 設定した目標とその達成のためのプログラム構成についての検討が不十分だった。
=>本研修の計画は昨年の 7 月ぐらいから少しずつ始め、基本的には学校側からのイニシアティブ
を尊重し、かつ地方教育事務所のキャパシティ・ディベロップメントのために、彼らから学校
に対して助言するように心がけた。プログラムに対しては、計画立案、プロポーザル書きとい
う作業を初めて経験する学校側関係者に対し、まず、「目的」を明確にすること、そしてそれを
実現するためにはどのようなプログラムが必要で、それを実施するためにはどのような人的、
物質的リソースが必要かを順番に考える場を設けてきた。しかし、時間的な制約もあり、必ず
しも目標とプログラムが整合性のあるものとはならないまま、かつ、関係者の中に「とにかく
実施すれば何とかなる」という認識が残ったまま実施となったことが、活動後に期待された成
果を評価できないことにつながった。

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5) 課題・今後のための留意点
今後の課題について以下、まとめる。
① 計画
) 学校側のイニシアティブを重視し、何のためにこの種の学校ベースの活動が必要なのかを関係
者間で明確にした上で実質的な計画段階に移る。
) 学校現場と地方教育事務所の役割分担を明確にするための話し合いの場を何度か設定し、各自
の活動進捗を確認しあいながら、お互いがサポートしあう体制を考慮して実施計画を立案する。
) マネジメント・ガイドライン(別添6)や開発調査 NIPDEP で作成している NDEP 等をモデ
ルとする際、どこかで問題が発生した時の責任の所在とその対応方法についても予想し得るリ
スク・ケースを想定して予め計画段階で関係者との合意を図っておく。
② 準備
) 外部からファシリテイター等を検討する場合には、彼らの役割を明確に伝えるだけでなく、準
備段階での進捗についても学校と地方教育事務所のマネジメントの中でチェックするような
体制を作る。
) 各セッションの評価を毎回行うようにしていても、教育関係者は自分が他者に評価されるとい
う立場に最も慣れていないグループでもあるので、その認識が徹底するようにファシリテイタ
ーにも働きかける。
) 研修マニュアルの作成にかかる事務的な支援は、技術支援とともにできるだけ積極的に行い、
効果的な研修となるようにロジ面でのサポートを厭わないように心がける。
③ 実施
) PEA など地方教育事務所関係者がファシリテーションを担当しない場合でも、各セッションに
は必ず交代で出席し運営サポートとモニタリングを行うように助言する。
) 日本側の支援としては、特にセッション中に運営を手伝う必要はないが、できるだけ出席し、
モニタリングをしていくことで関係者に激励を与えるとともに規律あるプログラム運営とな
るような雰囲気作りに貢献するよう努める。
) 毎回のセッションの最後には、運営メンバーに簡易な活動レポートを提出してもらい、確実に
活動が消化できるような仕組みを作る。
④ 予算管理
) 必要資機材購入を学校側のタスクフォース・チーム等に任せる際、会計処理の方法、領収書の
取り扱い、予算として確保してある費目以外に必要経費が発生した場合の対処の仕方など、基
本的なことを既知として省略せず、一つ一つ丁寧に助言を与えていく必要がある。
) 仮に不正があった場合、関係者間でどのように問題解決方法を探るかについて予めケース・ス
タディ等を設け、協議していく時間を大切にする。
) そして、一番重要なことは、地方教育事務所長や PEA 等、本件のような学校ベース INSET を
教育行政の立場として支援する側の公金の扱いに対する認識を高める必要がある。予算項目以
外の支出必要性が発生した場合の処理の仕方、どうしても支出しなければならない場合の正当

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性確保の認識を強化していく必要がある。

4) 今後の活動と支援方向性
z まず、本研修を通しての感じた彼らの考えや感想を共有する場を設けるともに、本レポートで課
題としてあげたことも関係者と共有したいと考える。
z このような学校ベースの活動を支援していくことは、今後、地方分権化の流れで、地方政府に初
等教育権利の権限が委譲していく際、非常に意義のあることである。
z 特に、都市部周辺の学齢人口の増加の激しい地域においては、比較的他ドナーの支援も手薄にな
っており、支援の必要性と正当性は高い。実際、Lilongwe Urban 地方教育事務所の所長から他の
学校に同じような活動を広げるための支援をしてほしいという要請も既に出ている。
z 一方、JICA からの支援が必要であるという以前に、あくまでも何が目的で、そのためにどんな活
動がしたいのか、それを実現するための体制を他人任せではなく、自分たちで整えていく意志が
あるのかを今後の支援の見極めの基準にしつつ、今後も協議の場を前向きに設け、支援可能性を
検討していきたいと考えている。

以上

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MANAGEMENT GUIDELINE
AND
TERMS OF REFERENCES
FOR PLANNING AND IMPLEMENTATION OF
INSET
AT ST. JOHN’S PRIMARY SCHOOL

Ministry of Education, Malawi

Yoshihito NAKAYAMA

Education Advisor

10
▼Management Structure for INSET at St John’s Primary School
Task Force Team (TFT)
Members of Staff,
School Management

⑤ Committee

Head Teacher,
LLW TTC Management Deputy Head
lecturer, LLW Executive Members
Urban DEO ( )


LLW Urban DEO
DEM, Desk Officer
for Primary, CPEA,

INSET Advisory Team (AT) PEA
Facilitators
(IF) ②
⑦ ①
Planning
Department
MOE/JICA Education Advisor

Terms of References (TOR) of Each implementing Body


1) MOE/JICA: The responsibilities of MOE/JICA are to:
:Provide technical advice on whole management issues to Advisory Team
(AT)
:Coordinate MOE with JICA for smooth implementation of INSET

:Provide necessary advice and format for appropriate accounting to AT
:Disburse necessary budget for implementation of INSET
:Make sure the final report of the accounting sheets
:Have progress reports on preparation of INSET
② :Receive the final report on the accounting sheets by 7th of March 2005
:Receive the final report on INSET implementation from AT

2) Advisory Team (AT): The responsibilities of AT are to:


:Report about progress on preparation of INSET to MOE/JICA

:Submit the final report on the accounting sheets by 7th of March 2005
:Provide technical advice to Management Executive Members (MEM)
:Provide necessary advice on purchasing necessary materials to MEM
:Provide necessary supports for preparation of INSET to MEM, IF and
③ TFT
:Provide necessary advice on accounting sheets to MEM
:Make sure that the budget is spent appropriately by MEM and TFT
:Provide necessary support on facilitating INSET
:Have progress reports on preparation of INSET from MEM

:Receive the second draft report on the accounting sheets from MEM by

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2nd of March 2005
:Coordinate IF with MEM
:Provide consultation about teaching materials and evaluation sheets to
⑦ IF
:Provide necessary supports to IF (transport, etc.) collaborating with MEM
:Receive the implementation report from IF

3) Management Executive Members (MEM): The responsibilities of MEM are to:


:Report about progress on preparation of INSET to AT
④ :Submit the second draft report on the accounting sheets to AT by 2nd of
March 2005
:Provide technical advice to Task Force Team (TFT)
:Provide necessary advice on purchasing necessary materials to TFT
:Provide necessary supports for preparation of INSET to TFT

:Provide necessary advice on accounting sheets to TFT
:Make sure that the budget is spent appropriately by TFT
:Provide necessary support on facilitating INSET
:Have progress reports on preparation of INSET from TFT
⑥ :Receive the first draft report on the accounting sheets from TFT by 28th of
Feb. 2005
:Record attendance of participants =>See TOR on Allowances

4) Task Force Team (TFT): The responsibilities of TFT are to:


:Purchase necessary materials for INSET
:Conduct necessary preparation for INSET with the advice from MEM and
AT
:Provide necessary support on facilitating INSET to INSET Facilitators
(IF)
:Report about progress on preparation of INSET to MEM
⑥ :Submit the first draft report on the accounting sheets to AT by 2nd of
March 2005
<Accountability of Budget>
z If MOE/JICA finds some problems with budget report by AT, all responsibilities including
compensation or any means are to be taken by MEM and AT.

5) INSET Facilitators: The responsibilities of IF are to:


:Provide dedicated detailed programmes/timetable for INSET
:Prepare necessary teaching and learning materials for INSET
⑧ :Provide facilitation services for INSET
:Prepare and provide evaluation sheets for each session
:Submit the implementation report of INSET to AT
:Have consultation about teaching materials and evaluation sheets from

MOE/JICA and AT

<Monitoring and Maintaining Quality Services>


z If MOE/JICA finds some problems with quality of facilitation services by IF, MOE/JICA
can charge any penalties like cutting facilitation fees against IF.

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Terms of References (TOR) on Allowances
1) Participants are paid the following allowances with conditions
Amount Condition When
Lunch Allowance 300 No delay and Full Before Lunch
(No delay, One Day Attendance of Morning
Full Attendance Session
=Total MK 600) Another 300 No delay and Full At the end of the
Attendance of Afternoon Day’s Session
Session
z 0.5 hour < X <1 hour = MK 100 deduction
z 1 hour < X <1.5 hour = MK 200 deduction
z 2 hour < X = 0 allowance
Travel Allowance 250 Attendance At the end of the
session
* For those who have another commitment and need to leave in the middle of the
session will be negotiable with MEM, AT and MOE/JICA. However, MOE/JICA is
responsible for assessment and the final decision.

2) Facilitator: 1 for Music Education, 2 for Management of Large Class (3×3 times)
Amount Condition When
Lunch Allowance 300 No delay and Full Before Lunch
(No delay, One Day Attendance of Morning
Full Attendance Session
=Total MK 600) Another 300 No delay and Full At the end of the
Attendance of Afternoon Day’s Session
Session
z 0.5 hour < X <1 hour = MK 100 deduction
z 1 hour < X <1.5 hour = MK 200 deduction
z 2 hour < X = 0 allowance
Facilitation 500 No delay and Full
Allowance Attendance of Morning
(No delay, One Day Session At the end of the
Full Attendance Another 500 No delay and Full Day’s Session
=Total MK 1,000) Attendance of Afternoon
Session
z 0.5 hour < X <1 hour = MK 100 deduction
z 1 hour < X <1.5 hour = MK 200 deduction
z 2 hour < X = 0 allowance
Travel Allowance 0 MEM and AT will arrange transport for the
facilitator from LLW TTCs.

MOE/JICA disburses enough budgets for Refreshments with snack (morning &
afternoon for each day session), so that TFT and MEM should make sure to provide
these for each session properly.

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We all understand about TORs for INSET at St John’s Primary School and take all necessary
responsibilities. 21st February 2005
Name Signature

14

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