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国際開発とわたし
-失敗の連続から学んでいること
中山 嘉人
本日の予定
現在、取り組んでいること
1.研究(大学院)
• テーマ:『キャパシティ・ディベロップメ
ント』 そのコンセプトと実際:人が喜
んで動く・働く
組織と制度、支援アプローチとは?
• 開発途上国、アフリカ、マラウイ
• 公的セクター、教育行政(教育)、行政官
現在、取り組んでいること
2.医療法人経営:
・人事・総務
・事業戦略
・新規クリニック開業準備
現在、取り組んでいること
3.コンサルティング/調査研究:
・人材育成
・事業戦略
・医療経営
(通信でインペリアル・カレッジの
MBA )
なぜ、今、これらのことに
取り組んでいるのか?
1.研究の問題意識:
“開発途上国の優れた人材が組織や社会
で、その能力を十分に発揮できていないの
はなぜなのか?”
2.事業経営:
自分の活動拠点を作る
将来、活動を広げていくための下地作り
これまで、どのようなところに所属してきた
のか?
それぞれがどのように関連しているの
か?
なぜ、教育開発の専門家を
目指したのか?
JOCV 時に感じた疑問
=>教育現場と教育政策をつなぐ“中間者”になりた
い
専門家としての仕事
• 教育行政アドバイザー (アドバイザー型専門家:オフィス
は教育省内=他ドナーにない大きなメリット:省スタッフの
一員)
1)マラウイ教育セクター全般に関するキャパシティ・ビル
ディング支援(特に教育行政能力:教育計画、ポリシーペー
パー策定支援
援助される側の教育政策・教育計画
2) JICA 支援事業に関する実施促進、モニタリング、新規案
件形成(開発調査、技術協力、無償資金協力の各案件、専門
家現地業務費を活用した案件)
教育の現場
3)他国際機関・二国間援助機関との援助協調 / 連携
援助する側の援助政策・援助計画
どのように関連しているの
か?
なぜ、ジュニア専門員?
• 大学院終了時、民間コンサルタントが
第一志望
• 応募の問い合わせをするも経験不足で
採用可能性低
• ジュニア専門員制度にひろわれる
(南ア案件へ声をかけられ
る)
マラウイ派遣になった経緯:
ジュニア専門員
• ジュニア専門員=『無償資金協力部』に配属
• 当時、自分のスタンスとは対極にある部署だと思っ
ていたところになぜ配属・・・???
• 教育案件の事前調査(計画管理)・実施促進を担当
• 小中等学校建設案件、教科書供与案件、教員養成大
学建設案件、職業訓練学校機材供与案件など
• タンザニア、セネガル、レソト、中国、インドネシ
アなど主にアジア、アフリカ地域が中心
• 実は“中間者的役割”だった
外務省- JICA -民間のコンサルタン
ト
マラウイ派遣になった経緯:
ジュニア専門員
■ チャレンジしたこと
• 小学校建設案件—ソフトコンポーネントとローカル NGO ・
協力隊との連携
• 国際機関( UNESCO )との連携
• 技術協力(旧プロ技)との連携
• 事前調査時の「住民集会」についての考察
• 過去の無償案件のレビュー:なぜ、教員住宅は支援困難?
• 「教育ジュニア専門員・職員勉強会」の運営及びコーディ
ネート
(小さなことでもできるだけ文書記録として残す習慣)
■ 海外派遣先
• 部署的に黙っていても案件は来ない
• 案件状況を調べ、アフリカ課(現アフリカ部)の担当者に売
ジュニア専門員制度で何を学んだ
か?
■ 実務分野
• JICA の各事業及び方向性についての知識と経験
• 交渉能力
• 文書作成能力、英文作成能力
■ 専門分野
• 教育セクター全体を見るマクロな視点
• 「職業訓練教育」と「初等教育」レベルにおける実務経
験
• 地域横断的な教育開発協力の現状と課題の把握
■ コミュニケーション分野
• 語学+ α
★ 現場からの報告が本部でどのように回っていくのか(決
済・回覧)、目に留まる文書作成・報告頻度のコツ、意
志決定
どのように関連しているの
か?
なぜ、大学院?
JOCV ザンビアの現場で見たもの
・ 学校として機能していない学校
・ 授業中に授業をせず、授業後に授業をす
る教師たち
*アローワンス・シンドローム
・ 学校を止めていく子供たちを止められな
い自分
・ 同僚や子供達のあまりにもあっけない死
・ 国際協力の理想と現実
JOCV 時代=感情のジェットコースター
なぜ、大学院で“ Distance Education”
についての論文をまとめたのか?
■ JOCV 時代の現地同僚教師の姿からの問題
意識
• 授業に出てこない
• 校長の顔色をうかがいながらの行動(他
人依存の行動)
■ 地方出身の自分
• 塾など無関係のど田舎
• NHK の基礎英語や英語会話などのラジオ
放送、夏休みの教育テレビ(通信教育)
どのように関連しているの
か?
なぜ、 NGO ?
• JOCV 終了時すぐに大学院に進学した
かったが、地元に帰る必要があり一度は
断念し、民間企業に勤める
• “ 仕事”を終え、もう一度、国際開発の道
に
チャレンジ
• 支援アプローチ、スタンスの考え方とし
て
ピン!ときた NGO に参加
• カンボジア派遣予定で 6 か月の研修(か
なぜ、 IDEAS ?
• 新しい場所(カンボジア)に行く前に、 JOCV の時の派
遣先ザンビアでの疑問を解決しなくては、という気持ちが
強くなった
• 専攻に関係なく経済学関連の勉強が必須
(マクロ・ミクロ、計量経済学、統計学)
• 2 年目は留学費用をカバー
• 最初の 6 ヶ月間は、アジア各国からの中堅行政官と共に机
を並べる
• IDEAS 同期メンバー(自分も含めて)の目指しているも
の(=何となく“キャリア志向”)と前の NGO (=まずは
困った人と共にいることに価値を置く)のそれとの違い
に、研修中、自分の選択が正しかったのか、かなり悩
どのように関連しているの
か?
民間企業で何を学んだか?
• ビジネスの基本
・・・まだまだ不十分ですが・・・
(あいさつ、掃除・整理整頓、ビジネス文書、
電話応対、他マナー)
• コスト意識
予算は消化するものではなく、最小限に抑え
ながら、最大限の成果を得るためのもの
• 営業
提供する商品・サービスを、シビアな目で消
費者に選んでいただけるように働きかけるとい
うこと
どのように関連しているの
か?
なぜ、 JOCV ?
• 1984 年(中学 2 年):エチオピア大飢饉
• アフリカなど途上国の子供たちに対する思い
• 単に日本に生まれたことだけで、家族を失っても
授業料免除や奨学金制度によって学校を出させて
もらえる自分とアフリカの子供たちとの違い:な
ぜ自分は学校に行くことが許されるのに、彼らに
は許されないのか?
後にセンの推進する“ケイパビリティ”のことだと
知る。
=>このあたりが国際開発・協力参加への原点
• 1993 年(大学4年):中田厚仁さんの死
日本の国際貢献
故 中田厚仁さん
これから
未来
• 一人ひとりが心身ともに健康に生活できる社会の実現
(クリニック・ネットワークの構築)
• 人が活き活きと仕事を通し生きることが出来る「場」を
創る
(援助以外のアプローチを模索=アフリカに起業家向けの
政策学校)
• 子供たち、特に親のいない子供たちに希望と夢を与える
(必要な人に必要な“機会:チャンス”を:奨学金制度)
• 公正な社会実現のためにヒト・カネ・モノ・インテリ
キャリア・マネジメントのス
1 . 現状分析
テップ
・人材市場(社会のニーズ・競合)を知る
現在だけでなく未来も見据えて
( 参考:生活総研 未来年表、 ODA 方針、予算推移など外部
環境)
・市場における自分の位置をつかむ(競争の
視点)
実力チェックシート(構想力、コミュニ
ケーション力
組織を動かす力、プレイヤーとしての力
★ ただし、「自分にこだわり過ぎない」ことも重
要= 自己分析の危うさ
資料:生活総研の未来年表 (抜粋)
http://www.seikatsusoken.jp/futuretimeline/
統計:日本の ODA 予算推
移
キャリア・マネジメントのス
テップ
2 目標の設定
・目標を定める
3 戦略の立案・実施
・キャリア・ステップを考える
・実力を高める(座学&実践)
・ねらった舞台(仕事場)を獲得する
キャリア・マネジメントにおけ
る落とし穴
1 . 目標設定における落とし穴
・もっとエキサイティングなことができる
はずなのに考えない
・やりたいと言っている仕事の具体的な
イメージが持てていない
・やりたいことの本質がつかめていない
・やりたいことと世間でよいと言われてい
ることを混同している
キャリア・マネジメントにおけ
る落とし穴
2 . 能力獲得における落とし穴
・やりたいと言っている仕事の具体的な
イメージが持てていない
・やりたいと言っている仕事をするために
必要な能力を理解していない
・必要な能力を培う方法をあまり知らない
・やりたい仕事からはずれた能力を高めて
しまう(安定や世の中の評価に流され
て)
キャリア・マネジメントにおけ
る落とし穴
3 . チャンスを獲得する際の落と
し穴
・やりたい仕事をつかむ力はあるのに自分
の売り込み方をあまり知らない
・もっと適した場を探そうと考えない
・買い手側の事情を知らない(旬・思惑)
・近視眼的に考えてしまう
・目標に近づく道をあまり考えられない
前半おわり
質疑応答
ワークショップ
• STEP 1 :自分の想いや価値観を整理し、
未来をイメージする
1.自己資源・原体験・夢・志など原点
2.その価値観を持った未来の自分をイメージ
してみる。その価値観を投影して大きくなった
自分はどんな感じなのだろう?
3.「自分のしたいこと」、「できること」、
「社会が求めていること」、の 3 つの視点か
ら、未来の自分に向かっていくために、今、何
をするべきかを考えてみる。
ワークショップ
• STEP 2:実現したい自分に近づくため
の道のり(キャリア・パス)を描く
・独立した組織 健全な財務マ 独立 (NGO /株式会社)
ル
を立ち上げてい ネジメント
る
コンサル 国際機関
プ
国際レベルの 国内コン
・海外の協力 タント
現場を中心に 能力強化 サルタン
ン
活動している ・実務能力 ト NGO
・どの組織で ・コミュニ
も通用する業 ケーション能 NGO
サ
務能力を身に 力
つけている ・専門性
UNICEF
・家族と友人 ・マネジメン 専門家/ 国内コン
に囲まれて生 ト能力 企画調査員
活している 可能な限り具 サルタン
可能な限り具体 体的に ト
的に
ジュニ専 JPO
失敗の連続から学んでいるこ
と
1. 国際協力の主役:自分・・・相手?
★ 国際協力の場では“負ける”ことが大切
4. スキル・・・モラル?
★ 権力とお金・・・誰もが逆らうことの
難しい力と国際開発・援助の問題との関連
から目をそむけない
3. 頭で理解する・・・心で理解する?
★感性・共感力、直観は現場で磨かれる。
4. 表層・・・本質?
「自分は○○で働きたいので■■をする」・・・
失敗の連続から学んでいるこ
と
6. 交渉をブレークスルーするのは
ディベート力・・・ユーモア?
7. 職務経験・専門:
・国際開発関連オンリー・・・国際開発 +α ?
・ Single-Disciplinary ・・・ Multi-
Disciplinary ?
8. キャリア形成・・・信頼形成?
15. アマチュア・・・プロフェッショナル?
(高い目標、約束を守る、万全の準備、代償を
厭わない)
10. 自分の思うようにいかないとき・・・
発表の機会をいただき、
ありがとうございました。