You are on page 1of 18

くるみちゃんの特別な日

 くまのくぅちゃん、たぬきのポン吉くん、きつねのコン太くん、うさぎの白

ちゃん、そしてりすのくるみちゃんは、森の愉快な音楽隊、フォーレスト5の

仲間です。朝日ヶ丘の向こう、昼が原を越えたそのまた向こうにある、夕が森

の人気者。いつもにぎやかに歌ったり、踊ったり、演奏したり、森のみんなを

楽しませています。くまのくぅちゃんがリーダーでキーボード担当。他の4に

んがダンスを踊る時は、くぅちゃんが1人で演奏を担当します。たぬきのポン

吉くんがドラム担当。きつねのコン太くんとうさぎの白ちゃんはギタリスト。

この4にんは同い年。4にんとも楽器を演奏しながら歌うことが多いです。り

すのくるみちゃんは楽器は苦手で、主にボーカル担当。くるみちゃんだけ、他

のメンバーより3つ年下で、まだ学校に通っています。5にんは小さい頃から

のお友だちで、一緒に遊んでいるうちに、音楽隊を作ることにしたのでした。

定期的に行う小さな演奏会に加え、年に3回、森の大広場で開く大コンサート

はいつも満員。ファンのみんなのために、フォーレスト5は毎日練習にはげん

でいます。フォーレスト5のおけいこ場はせせらぎ滝の横の小さな空き地です

ここを練習場所にしているのは、5にんが小さい頃よく遊んだ、思い出の場所

だからです。

 フォーレスト5の練習はお昼前からはじまります。でもまだ学校があるくる

みちゃんは、夕方から参加します。なのでくるみちゃんが来るまでは、4にん
で主に楽器の練習をします。それから、新しい曲を考えたり、コンサートの構

成・演出を考えたりします。5にんそろったあとは、ダンスの練習とボーカル

の練習を主にします。今日は3月11日です。次のコンサートは3月21日。

あと10日に迫ったコンサートのため、いつもよりさらに、練習に力が入って

います。

 「じゃあ歌詞が完成した新曲、もう1回最初から練習しようね。」

くぅちゃんは、練習をうまく進めて行きます。

 「白ちゃん、キー途中で間違えてない?くぅちゃん、キーボードの音、少し

変え た方がいいんじゃないかな?」

楽器が一番得意なコン太くんは、みんなの演奏に気を配ります。

 「くるみちゃん、回る方向が逆だよ。」

ダンスの得意な白ちゃんは、みんなの動きをしっかり確認します。

「ポン吉くん、手の振りが間違ってるよ。左、右、左、右じゃなくて左、右 、

右、左だよ。」ポン吉くんはよくダンスを間違えるので、白ちゃんは特によく

見張っています。

「コン太くん、歌い出しの音がずれてるよ。白ちゃん、サビのテンポが1人

だけ遅れてるかも。」ポン吉くんは、みんなの音程に敏感です。ほんとうはく

るみちゃんも、歌が得意なのですが、年下だし、他のメンバーより練習時間も

少ないので、なかなか言い出せません。お互いの間違いを言い合いながらも、

練習は和気あいあいとしています。
練習が終わったあとは、それぞれの家に帰ります。ポン吉くんとコン太くん 、

くぅちゃんはせせらぎ滝の反対側に、白ちゃんとくるみちゃんはこちら側にお

うちがあります。

「また明日ね。明日までに新曲の歌詞、完全に覚えてきてね。」

滝の反対側からくぅちゃんが言います。

「うん、また明日。新曲のサビの振り、完ぺきにしてきてね。」

白ちゃんがこちら側から言い返します。そしてお互い手を振って帰ります。

 白ちゃんとくるみちゃんのおうちはお隣同士です。なので、いつも2人で

一緒に帰ります。年下のくるみちゃんが他の4人と仲良くなったのは、そもそ

も白ちゃんが紹介したからです。

「くるみちゃん、今日の練習はどうだった?」

くるみちゃんのことを妹のように特にかわいがっている白ちゃんは、いつもく

るみちゃんに聞きます。

 「気になることとかあった?」

5にんそろっていると、あまり発言しないくるみちゃんを気づかって、白ちゃ

んはいつも確認します。

 「ううん、特にないよ。音の気になるところは、ポン太くんが言ってくれた

から大丈夫。新曲の歌詞、やっと完成してよかったね。」

とくるみちゃんは答えました。
 「そうだね。『希望の光を消さぬため』よりも『夢の世界を生きるため』の

方が明るいよね。」

 「うん。くるみは途中の『サラサラ流れゆく時』っていうフレーズが『キラ

キラかがやく時』に 変わってよかったと思う。」

 「タイトルが『光、キララ』だもんね。ところで、くるみちゃんは MC で話

すこととかもう考えてるの?」

白ちゃんは聞きます。いつもはおとなしいくるみちゃん、曲の合間の MC では

メンバー1よく話します。くるみちゃんのかわいいトーク、そして白ちゃんと

の漫才のような面白いトークは、コンサートに欠かせないものとなっているの

です。楽しいトークをするため、くるみちゃんはかなり前から MC を考えて、

白ちゃんに伝えるのが恒例になっています。

「うん・・・。」

そんなくるみちゃんですが、なんだか今日は様子が違います。

「ごめんね、まだあんまり思いついてないの。いつも通り、練習の時のハプニ

ングは話すつもりだけど・・・。」

「まだ時間があるから、大丈夫だよ。また一緒に考えようね。」

「うん、ありがとう。」

いつもとは違うくるみちゃんに、白ちゃんは心配そうな表情を浮かべます。

「何かあったら、私になんでも言ってね。あっ、いいにおいがしてきた。今日

はくるみちゃんのおうち、どんぐりカレーじゃない?いいな。」
ちょうどおうちの前に着いたので、白ちゃんは話題を変えようとしました。

「ねえ白ちゃん、大きくなるのってどんな気持ち?」

「えっ?」

突然のくるみちゃんの発言に、白ちゃんはなんと返事していいかわかりません

でした。

「ううん、なんでもないの。どんぐりカレーだったらいいな。じゃあまた明日

ね。」

そう言うと、くるみちゃんは木の上のおうちに向かって上って行きました。

「うん・・・。また明日ね。」

白ちゃんは、「くるみちゃんどうしちゃったのかな」と心の中で思いながら、

自分のおうちのドアをたたきました。

 その夜、白ちゃんは、新曲の歌詞を必死で覚えているうちに、くるみちゃん

の様子がおかしかったことを完全に忘れてしまいました。その頃、くるみちゃ

んは、自分のお部屋で、カレンダーにまた一つ、×印をつけました。

「くるみのお誕生日まで、あと10日。コンサート当日だけど、みんなは覚え

ていてくれるのかな?」

くるみちゃんは、そっとつぶやきました。今年の誕生日は特別な誕生日。覚え

ていたら、メンバーは3日前の通しリハの朝に「もうすぐお誕生日おめでと

う」を言ってくれるはずです。
 コンサートまでのカウントダウンが始まると、時が経つのは早いものです。

大コンサートとなると、途中で衣装を変えたり、ステージ上で位置を変えたり

と、演奏会に比べてとても複雑になります。時間も長いので、途中で息が切れ

ないようにしないといけません。メンバーが交代で休むために、間に1人で歌

うソロ曲を入れたりもします。1週間前からはスタッフとして手伝ってくれる

友だちを加え、リハーサルが始まりました。

「ポン吉くん、立ち位置ステージの反対側だよ。」

「くぅちゃん、マイクの電源入ってる?」

「くるみちゃん、ソロ曲のダンスはセンターで踊って!」

「コン太くん、衣装を変えるのは次の曲からだって。」

「白ちゃん、ドラムの音聞いて歌のリズムあわせて!」

「照明さん、スポットライトはポン太くんとくるみちゃんにお願いします。」

「音響さん、コン太くんのギターちゃんと聞こえてる?」

何回コンサートを重ねても、リハーサルのはじめはトラブルの連続です。

 3月18日。コンサートの3日前。今日が最初から最後までの通しリハーサ

ルです。フォーレスト5は、 MC も含めて、すべての流れを確認するようにし

ています。フォーレスト5のコンサート構成はだいたい、全員で歌う曲→ MC 1

回目→ソロ、もしくは2人で歌う曲→ MC 2回目→ファンのリクエスト曲と新曲

という流れになっています。今年の春の大コンサートでは『 We are the Forest

5』『朝顔』『木もれ日』『しずく』『ひだまり』『せせらぎの滝』『Dancing
in the Forest』『Jump! Jump! Jump! 』『森のひみつ』『夜風』を歌います。そ

して1回目の MC、主に練習中のポン太のダンスをネタとした、くるみちゃん

のトークでリハーサルも盛り上がりました。そしてコン太がかっこよく歌い踊

る『Follow me!』、くぅちゃんと白ちゃんのしっとりとしたバラード『森の風

に吹かれて』、ポン吉のドラムソロ『たぬき太鼓』、くるみちゃんの

『Lucky!』、コン太と白ちゃんのギターセッション『風音』、くぅちゃんの弾

き語り『森のアモーレ』、くるみちゃんとポン吉の『Everybody, hey, yeah!』

と続きます。ここまではリハーサルも順調に来ました。その後、 MC 2回目→

『 Wake up 』 → 『 Twinkling Lilies 』 → 『森こそ僕らが集う場所』 → 『ナチュラ

ル』→新曲『Spring is here!』→新曲『光、キララ』→『Forest Friends』→『出

会いは始まり』→『 Mother Nature』→『Forest Life Forever』と続く予定でした。

ところが、18日のリハーサル、2回目の MC で思いがけないことが起こって

しまいました。

 「くるみちゃん、最近何か変わったことあった?」

いつも通り、くぅちゃんがくるみちゃんに聞きます。普段なら、ここでくるみ

ちゃんと白ちゃんが最近あった出来事を面白く話すのです。ところが、くるみ

ちゃんが

「今日はくるみ、特に話すことない。」

と言ってだまりこんでしまったのです。
「あっそういえばね、この間くぅちゃんとはちみつタルト食べに行ったよ

ね?」

急いで白ちゃんがフォローしたのですが、なんだか MC リハは白け気味に。く

るみちゃんがずっと浮かない顔をしているので、 MC リハは早々に切り上げと

なってしまいました。

「じゃあ、また曲行きます!Wake up 聞いてください!」

くぅちゃんは場の空気を凍らせないようにつとめます。

「ねえ、くるみちゃん、どうしたの?」

曲の準備の間に、小さい声で白ちゃんが聞きます。

「別に。年上のお姉ちゃん、お兄ちゃんたちがしゃべっとけばいいよ。」

「何でそんなこと言うの?」

「だから関係ないでしょ。くるみはまだしばらく3つも年下なんだから。」

「白ちゃん、くるみちゃん、始まるよ!」

コン太くんがささやきます。

「あっ!」

その瞬間、白ちゃんは思い出しました。そうです。3月21日、コンサート当

日はくるみちゃんの誕生日です。しかも今度の誕生日は特別な誕生日。にんげ

んの世界でいう「成人」にあたる誕生日なのです。そして特別な誕生日には、

3日前の朝に「もうすぐお誕生日おめでとう」と言う伝統があるのです。そし

て、その後の2日間は決して誕生日のことに触れてはいけないのです。
「しまった!」

白ちゃんは思いました。くるみちゃんはきっと、仲間の一生に一度の特別な誕

生日のことを、メンバーが言い出すのを待っていたのでしょう。他のメンバー

がそれぞれの「成人」を迎えた時、とても大きなお祝いをしたのですから。で

も Wake up が始まってしまったので、白ちゃんはとりあえずギターをひきます。

横目でくるみちゃんの方をうかがうと、相変わらずうかない顔ながら、いちお

う歌っています。その後気まずいながらもリハは最後まで進みました。

 通しリハ後は関係者全員で、問題点などを指摘しあいます。曲の演奏間違い

歌詞間違い、振り間違いなどは、メンバーが当日までに再練習します。照明の

間違い、音響がおかしかったところなどは全員で確認し、それぞれの担当さん

が当日までに調整します。そしてやはり会場運営係さんが「 MC は・・・?」

と言い出しました。すると白ちゃんが

「大丈夫です。ちょっと調子が今日は悪くて。本番はばっちりです」

とすぐにさえぎりました。

 反省会後、特に問題点の多かった曲をもう一度確認しました。1日の予定が

終わった頃には、空には星がまたたき始めていました。

「じゃあ、また明日ね」

と言って帰ろうとするポン吉たちに、白ちゃんは

「ちょっと待って。楽器の確認したいからちょっと残って。」

と声をかけました。
「くるみちゃん、遅くなったし先に帰ってていいよ。明日も学校だよね?」

白ちゃんがそう言うとくるみちゃんは

「あっそう。」

と言ってあっさり帰って行きました。

「ちょっ!」とコン太が言い出したのを、白ちゃんは目で押さえます。

くるみちゃんの姿が森の中に消えると、白ちゃんは言い出しました。

「ねえ、みんな覚えてる?3月21にちって・・・。」

「コンサート当日でしょ?」

とポン吉。

「何で今さら日づけ確認するの?」

とコン太。

「楽器の演奏、さっき確認したよね?」

とマイペースさを発揮するくぅちゃん。

「違うよ!みんな!私もさっきまで忘れてたの。あんなに寂しそうなくるみ

ちゃん見たの初めてだったから・・・。あっ!って思い出した。3月21日

は・・・」

「くるみちゃんの誕生日!!!」

と4にんが同時に言いました。そして顔を見合わせました。

「しまった!コンサートのせいで完全に忘れてた。」

とポン吉。
「ちょっと待って。くるみちゃん今度、特別な誕生日じゃない?今日3日前

だ!」

とくぅちゃん。

「そうだよ・・・。どうしよう。」

とコン太。

「あのね、くるみちゃんもコンサートでバタバタしているのはわかってると思

うよ。でもね、私たち完全に忘れてた・・・。」

と白ちゃん。

「どうしよう?今からおめでとう言いに行く?」

とくぅちゃんが提案しました。

「そうだよ。遅れちゃったけど、まだ日づけは変わってないし。」

「そうだね。」

メンバー4にんは慌ててくるみちゃんのおうちに向かいました。

 ところが、くるみちゃんのおうちに着くと、くるみちゃんはまだ帰っていな

いということです。

「えっ、私たちより先に帰ったと思うのですが。」

と言う白ちゃんに対し、くるみちゃんのお母さんは

「いえ、まだですよ。」

としか言いませんでした。

「わかりました。帰ってきたらくるみちゃんによろしくお伝えください。」
「はい、わかりました。」

そしてドアがバタンと閉められました。

 4にんは仕方なく、練習場の空き地に戻ってきました。

「ねえ、くるみちゃんまだ帰ってないって、暗いのに心配。」

とくぅちゃん。しかし、白ちゃんは別の意見を持っていました。

「たぶん、くるみちゃんは帰ってる。でも私たちに会いたくないんだと思う。

私、どうしてくるみちゃんの特別な誕生日を忘れちゃったんだろう・・・。」

そう言うと、白ちゃんはシクシク泣き出してしまいました。

「ねえ、白ちゃん、泣かないでよ。」

とコン太は困り顔。

「本当にどうしよう・・・。このままじゃコンサートうまくいかないよ・・・

くるみちゃんの MC ないと・・・。」

とポン吉も困り果てています。すると、

「そうだ!MC だよ!」

とくぅちゃんが言いました。

「えっ?」

「MC!MC でみんなでお祝いすればいいんだよ!」

「えっどういうこと?」

「あっ!」

白ちゃんは気づいたようです。
「もしかして、サプライズをするの?」

完全に泣きやんだ白ちゃんは言いました。

「そうだよ!MC 2回目で『今日は仲間のお誕生日です!』って言おうよ。」

とくぅちゃんが言いました。

「それグッドアイデア。」

「それでいこう。」

コン太とポン吉も乗り気です。

「じゃあどうする?」

 4にんはそれから長い間話し合いました。話し合いを終えて帰る頃には、あ

たりは完全に闇に包まれていました。あまりに暗くなってしまったので、白

ちゃんのおうちまで、3にんが送っていったほどです。

 次の日、その次の日、微妙な空気の中、最終調整と最終練習が行われました。

 そして3月21日。森の大広場は朝から森の仲間たちで超満員です。ステー

ジの裏でフォレスト5は準備を整えます。白ちゃんは、そっとくるみちゃんを

呼びました。

「くるみちゃん、お客さんいっぱいだし、がんばろうね。」

「うん。くるみ、お客さんは裏切らないから。」

「うん。」

「くるみちゃん、白ちゃん、準備はいい?」

すっかり準備を整えたくぅちゃんが呼びかけます。
「じゃあ楽しいコンサートにしようね!」

くぅちゃんの声にメンバーがうなずきます。いよいよフォーレスト5、春の大

コンサートの幕開けです。

 「お待たせしました!フォーレスト5です!」

オープニングの『 We are the Forest 5』に合わせ、メンバーが元気に飛び出し

ます。

「 Hey, everybody, come and join us. We are the Forest 5, we rock the entire

forest. Don’t be late or you’ll regret. Come on!」

陽気なリズムに合わせて自己紹介です。

「やほーい。ポン吉です!今日は最後まで盛り上がって行きましょう!」

「こんにちは。白です!楽しいコンサートにしましょうね!」

「Hello!コン太です!みんな元気?」

「くるみだよ。よろしくね!」

「くぅです。がんばりまーす。」

客席のボルテージが上がるに連れて、メンバーもがんばります。白ちゃんが

時々くるみちゃんの方を見ると、くるみちゃんも精一杯歌っています。でもや

はり、寂しげな笑みを浮かべている時もあります。

「ごめんね。くるみちゃん。もうちょっと待っててね。」

白ちゃんは心の中でそう言いました。
1回目の MC はくるみちゃんの普段よりもややきつめのトーンの、練習ハプニ

ングトークで盛り上がりました。そしてソロ・デュエットも無事終了。いよい

よ MC 2回目です。

「さぁ MC 2回目始まりますよ。」

とくぅちゃん。なぜかステージ上にはくるみちゃんとくぅちゃんだけ。

「ねえ、他は?」

くるみちゃんが聞きます。

「まあいいじゃない。くるみちゃん、最近なんかいいことあった?」

「そうだね、この間新しくできた雑貨屋さんに・・・」

と話し始めたくるみちゃんですが、突然

「実はね、実はね・・・」

と言ってわっと泣き出してしまいました。これには会場も騒然。

「実はね、メンバーがね、忘れたの。くるみのね・・・。」

とくるみちゃんが言った時、会場に突然、音楽が流れ出しました。 MC 中は音

楽が流れないはずなので、くるみちゃんも言いかけていた言葉を思わず飲み込

みました。すると、音楽にのせて歌が始まりました。

「桜の香りがただよう Spring

素敵な風が吹く March

仲間がつどう Forest

幸せな日々 Happiness
  1, 2, 3, 4

一生に一度しかないかけがえのない

今日この日 3月21日

今日は何の日 特別な日

みんなのくるみの誕生日

Happy Happy Birthday!!

1, 2, 3, 4

さぁみんなで Celerate

みんなのくるみに Say it aloud

Happy Happy Birthday

お誕生日おめでとう」

「くるみちゃん!お誕生日おめでとう!」

メンバーの声と同時にステージ上には春の花々の花びらが落ちてきます。会場

からも自然と拍手が巻き起こります。

「くるみちゃん、おめでとう。」

メンバーを代表して、白ちゃんから誕生日プレゼントが渡されます。

「ありがとう!」

箱を開くと中には、先ほどの曲の歌詞と、メンバー1人1人からのメッセージ

が刻まれた、手作りの木のお皿が入っていました。
「ほんとにありがとう。くるみのためにこんなにしてくれて。それなのにくる

み、くるみの誕生日みんなが忘れてると思って怒ってた。ごめんね。みんなほ

んとに大好きだよ。」

「くるみちゃん、実は僕らも3日前まで特別な誕生日のこと、すっかりぬけ

ちゃってて・・・。こっちこそごめんな。」

コン太とポン吉も駆け寄ってきます。

「くるみちゃん、今日はお祝いだよ。」

久しぶりに見るくるみちゃんの本当の笑 顔に、くぅちゃんも白ちゃんも喜んで

います。

「みんな、大好き!ありがとう!くるみ、残りの曲もがんばるよ!」

3月21日のコンサートは、メンバー、スタッフ、会場の笑顔に包まれて、

コンサートはとても素敵なものになりました。

 コンサート終了後、ステージ裏ではくるみちゃんの誕生日会が開かれました

特別な誕生日にふさわしく、豪華な料理が並びました。そして、最後には、ど

んぐりでつくった特別なケーキが準備されました。

「ねえ、みんなにもう1コだけお願いしていい?」

とくるみちゃん。

「何?何?」

「あのね、くるみ、このケーキを食べたい場所がある。」

「わかった!」
気心知れ合った仲間どうし、どこに行きたいかはすぐにわかります。

 せせらぎ滝の横のいつもの空き地。小さい頃からずっと慣れ親しんだいつも

の空き地。これまで共に歩み続け、これからも共に歩んでいく5にんの仲間。

「今日は本当に特別の誕生日。」

おしまい

You might also like