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2006 年 08 月 01 日 

動向センター横断的調査研究活動
NISTEP-MEXT  

総合政策マニフェストの比較調査研究
- NISTEP 動向センターにおける
文理融合的視点から見た研究政策推進-

文科省科学技術政策研究所
科学技術動向センター総括ユニット
浜田真悟(客員研究官)
コンテンツ:比較調査研究の各項目
 1.研究目的とリサーチクエスチョン(別スライド参照)
 1.1  科学技術の現代社会におかれた位置
 1.2  文理分離と文理融合の問題性
 1.3  総合政策マニフェストのあり方
 2.欧州科学財団( ESF) による ESOF2004,2006 (別資料参照)
 2.1  科学技術と社会のブダペスト宣言(1999)
 2.2   EU における文理融合・科学技術と社会の総合政策
 2.3   ESOF2004,2006 と学術総合政策
 3.日本における科学技術と社会( STS)
 3.1  日本 STS フォーラム(2004,5,6)
 3.2   STS 研究と横断・融合的アプローチ
 4.具体的アプローチの比較検討
 4.1  文理融合推進スキームとフォーサイト研究(デルファイ・社会経済ニーズ)
 4.2   EU における人文社会学 SSH-RTD の横断的活用
 4.3  世界水フォーラムにおける問題解決の横断・融合的アプローチ
 5.結論へむけて
 融合研究のビジョンとブレークダウンはどのようになされるか
3. 日本における科学技術と社会( STS)  インタビュー内

 1.日本における科学技術と社会( STS)
 1.1  日本 STS フォーラム
 1.2  グローバル・イノベーション・エコシステム
 1.3  アジア科学技術フォーラム
 1.4  科学技術と産業国際シンポジウム 今回の
 2. STS 研究と横断・融合的アプローチ 調査研究
 2.1  研究センター( JST-RISTEX )の存在
該当
 2.2  学会活動
 2.2.1  科学技術社会論学会
 2.2.2  研究技術計画学会
 3.学術運営としての科学技術と社会( STS)
 3.1  日本学術会議 SCJ における横断・融合的アプローチ
 3.2  科学研究費における横断・融合研究
 3.3  科学技術振興調整費における横断・融合研究の推進例
 4.マニフェスト分析の具体的アプローチ
 4.1  文理融合推進スキームとフォーサイト研究(デルファイ・社会経済ニーズ)
 4.2   EU における人文社会学 SSH-RTD の横断的活用
 4.3  世界水フォーラムにおける問題解決の横断・融合的アプローチ
 5.調査研究の具体的ステップ
 マニフェスト運営に関するインタビュー調査研究
 フォーサイトビジョンの有無と課題のブレイクダウンの様子
調査研究プロトコル 
 1.インタビュー内容
 1.1  上記スライド
 1.2  このファイル中、スライド5以降の資料
 1.3  添付資料 ESOF 2006開催記事
 1.4  付属資料 ESOF 2004
 2.日時・時間
 2.1   8 月に一度 :  2 時間 /1 回
 2.2  マニフェスト終了後
 2.2.1  総括的評価において
 2.2.2  専門家ネットワークにおいて
 3.結果の利用方法
 3.1   NISTEP 融合研究チームにおける調査研究課題
 3.1.1  文理融合的視点からみた政策推進
 3.1.2  科学技術と社会の問題解決型アプローチと融合研究推進政策
 4.公表手段
 4.1   NISTEP ディスカッションペーパー
 4.2   NISTEP 科学技術動向月報
 学会発表など
 科学技術社会論学会、研究計画学会
 5.インタビュー
 ヴォイスレコーディング
 調査研究後のレジュメ送付
2005 年 10 月 23 日午前 9:00-10:30  
ホットイッシュー「次の学際・融合研究に向けて」
研究技術計画学会 於:政策研究大学院大学 

「文理融合研究の政策推進の試み
-科学技術政策にみる過去の事例・問題整理と
現代の科学技術政策研究上の要請をふまえて 」

文科省科学技術政策研究所
科学技術動向センター
○ 浜田真悟、刀川真、横田慎二
発表の内容
 1.研究目的とリサーチクエスチョン
 1.1  科学技術の現代社会におかれた位置
 1.2  文理分離と文理融合の問題性
 1.3  研究調査に際してのリソース
 2.科学技術と社会の文脈
 2.1  文理融合推進の歴史的文脈
 2.2  文理融合・科学技術社会研究の現代的要請
 3.提言
 3.1  概念形成
 3.2  科学技術政策研究上の意義
 4.具体的政策
 4.1  文理融合推進スキーム
 4.2  科学技術の社会的影響調査研究
 5.結論
1.  研究目的とリサーチクエスチョン( RQ)

 文理融合研究の政策推進の試みは如何におこなわれ
る(た)か?
-科学技術政策にみる過去の事例・問題整理と
現代の科学技術政策研究上の要請をふまえたうえで-

 RQⅠ :現代的要請と歴史的裏づけの関係は?
 RQⅡ :どのような問題提起がなされ、どのようなアプロ
ーチがなされているか?
 RQⅢ :私たちはどのようなアプローチを提案するか?
1.1  科学技術の現代社会におかれた位置

科学技術の発展

豊かな社会の実現 社会的課題の発生
・経済的豊かさの向上 ・地球環境問題
・生活の便利さの向上 ・情報格差
・健康の増進 など ・生命倫理問題 など

社会の質的変化 社会の安心・安全へのニーズの高まり
・グローバリゼーションの進展 ・BSE、SARS、鳥インフルエンザ等流行
・世界大競争時代 ・阪神・淡路大震災
・IT革命 ・国際的なテロの発生 など
・知識基盤社会 など
1.2  文理分離と文理融合の問題性
 理系 v.s. 文系 科学者自身の興味主導
 わが国固有の教育文化  ( 科学観?)
社会と隔絶した「孤独」な科学
 受験制度を前提とした中等教育システム
 大学における教養課程の消長
 わが国の産業・イノベーションのあり方
政府、企業主導(経済、政治)
 「二つの文化」  C.P. スノーの指摘
 知識社会の世界的・普遍的な問題 科学技術と一般市民社会の「対立」
 研究開発と社会との界面に生じる問題
 文理分離と文理融合
 分離による弊害、融合による調和 科学技術と一般市民社会の融合
 社会のための科学、持続可能な発展
科学技術と社会の「共進化」
1.3  研究調査に際してのリソース
 日本国内の科学技術政策史
 1.日本科学技術史体系1-25、日本科学史学会、 1964-67 、第一法規出版
 2 . 通史・日本の科学技術1-5 1945-95、 1995  学陽書房
 3.岩波講座・科学技術と人間1-11、 1999  岩波書店
 国内外の今日の科学技術政策動向
 科学技術第一・二期基本計画
 欧州委員会研究イノベーション総局「科学と社会」部局動向
 欧州連合フレームワークプログラム  FP4,5,6
 欧州連合ユーロサイエンスオープンフォーラム動向
 科学技術と社会
 科学技術社会論学会における研究動向 
 世界経済フォーラム(ダボス会議)動向 日本における STS フォーラム 2004,2005  
 世界社会フォーラム(ポルトアレーグル会議)動向 
 方法論
 デルファイ調査-科学技術の科学技術の中長期的発展にかかわる俯瞰的予測調査 
No.97  2005、科学技術政策研究所
 科学技術振興による経済・社会・国民生活への寄与の定性的評価・分析  No.89  20
05、科学技術政策研究所
 主要国における施策動向調査および達成効果にかかわる国際比較分析  No.81  20
04、科学技術政策研究所
 科学技術の中長期的発展にかかわる俯瞰的予測調査 調査資料105 2004、科学
技術政策研究所
2.  科学技術と社会の文脈
図1 科学技術と社会の関係
政治
・安全・安心とそのための科学技術動員
・価値志向的な社会・市民運動の台頭
・NGOなど新しい政治アクターの出現
産業・経済 ・「公共」の概念の変化:新しい公共性・公共空間・ガバナン
ス(経済的利害をめぐる紛争ではなく「どのような生き方を望むか」
・公共ニーズへの対応 というような価値観が公的意義を持つようになった)
・シーズ主導からニーズ主導へ 「生活と文化の政治」
・資源循環型 環境(自然/人工物)
・グリーン化 ・自然との共生・
・地域化 ・アメニティとしての
自然
・経済のグローバル化 科学技術 ・人工物と自然との調和
・キャッチアップからフロントランナーへ ・人間・社会・自然との調和を重視 ・天然資源の持続利用
・国際標準化・デファクトスタンダード ・総合安全保障・社会的意思決定への寄与
競争への対応 ・科学技術の自己言及性、フィールドの科学
・産業・雇用の空洞化への対応
「レギュラトリ・サイエンス」、「モード2サイエンス」
・地球的課題への対応
・社会的ニーズに基づく問題設定
・知財問題への対応
・科学的合理性と社会的合理性の対立と調整
・産学協同の促進
・分野横断的・学際研究
・技術経営(MOT)の重視 ・知識生産の拠点の分散:アクターの多元化
・社会的責任投資(SRI)・ ・専門家間・専門家ー非専門家間のコミュニケーションの
企業の社会的 責任(CSR) 重視 生活
・ライフスタイル・価値観の変化
・研究開発マネージメントとそれを担う人材育成の重視
・総合的な視点からの研究開発投資と →価値の多様化
アカウンタビリティの必要性 ・安全・環境・健康が基幹価値化
・グリーン・コンシュマリズム
文化
・消費者主権(e.g. PL法)
・自然観・死生観の変化
・人間・社会ー自然との共生、エコロジー思想の台頭 ・少子・高齢化社会への対応
教育
・環境教育・生涯教育の重視一般市民の高学歴化
社会 健康
・医療見直し:治療ではなく、終末医療
・伝統的・地域的な知識や技能の価値見直し のような「ケア」や「癒し」を重視
芸術
・エンターテイメントとしての科学技術

現代の科学技術は社会と多面的に関係している (IPS資料を基に作成)
2.1  文理融合推進の歴史的文脈

 過去において科学技術政策上の文理融合検証の試みが
行われた事実を示す文献
 1.人文・社会系基礎科学の実態と要望-基礎科学研究推進のため
に-  1959  日本学術会議・長期研究計画調査委員会
 2.人間科学に関する総合研究 I,II,III (1964)科学技術庁研究調整

 3.社会システム研究国際シンポジウム-ローマクラブ研究発表会資
料-  1973  社団法人 科学技術と経済の会
 社会システムモデルの政策論的研究
 社会システムモデルの開発研究
 社会システムの事例研究 I,II -地域・社会問題解決へのシステムテ
クノロジー
 4 . 科学技術振興事業団委託調査  2001  財団法人 未来工学研
究所
 次世代研究探索プログラム(人文・社会科学と自然科学の融合)
 次世代研究探索プログラム(公共技術)
2.2  文理融合・科学技術社会研究のさまざまな
アプローチと現代的要請
文理融合のための政策研究の
一例
① 我が国製造業の国際競争力規定要
因に関する調査研究 政治
② 全国イノベーション調査
  環境
産業・
③ 知識生産システムの構造変化に関 経済 ③④ (自然/人工物)
する研究 ②
① ⑧⑤
④ 科学技術指標に関する調査研究
  科学技術
⑤ 科学技術人材
⑥ 科学技術の公衆理解に関する ⑥⑦ 生活、健康
 研究
文化、教育、
⑦ 先端生命科学技術の社会的ガバナ 芸術
ンスシステム構築のための調査研
究 一般市民社会
⑧ 地域イノベーションの成功要因及
び促進政策に関する調査研究
2.2  文理融合・科学技術社会研究の現代的要請

 「文理分離」=研究開発の蛸壺状態(人文社会も含めて)の解消
 縦割り分野に囲まれた閉塞環境を打破する必要がある
 リニアモデルから問題解決型アプローチへの転換の必要性
 R&D 投資効率の観点から、基礎研究・応用研究のエッジカット
 科学技術と社会の問題を解決しようとするアプローチ=分野融合的
 大学改革(行政法人改革)による一般教養科目への圧迫への対策
 オープンユニバーシティー
 大学間連携、高等教育の国際連携化
 知識社会の広がり(高等教育の多様化、生涯学習化)
 大規模科学技術システムと事故、説明責任
 専門家と非専門家の間の政策的重要度の乖離
 科学技術者における社会理解、一般市民における科学技術理解
 知識社会とイノベーションのあり方
 市民社会にとっての大量・高度知識へのアクセス
 知識の社会還元=産学連携
 国内産業の国際競争力、地域連携化
現実社会2.2  文理融合のマップ

文化・教育・芸術 生活・健康 環境 産業・経済 政治

技術移転,産学連携
政策評価

大学評価 標準化 技術予測

企業倫理,CSR 科学計量学
サイエンス・コミュニケーション クラスター戦略

テクノロジー・アセスメント,ELSI

技術経営・研究経営

環境政策 学
科学技術社会論研究
産業政策

リスク研究

リスク・コミュニケーション研究 法工学
生命倫理
人文・社会研究

工学倫理 法医学
技術倫理 リスク認知研究 国際安全保障論
イノベーション研究
科学哲学
科学技術史 医療社会学 環境社会学

哲学・歴史 心理学 社会学 経営 経済 法律 政治学


3.1  一般市民社会から見た科学技術政策の
概念形成の必要性
図1 科学技術と社会の関係
政治
・安全・安心とそのための科学技術動員
・価値志向的な社会・市民運動の台頭
・NGOなど新しい政治アクターの出現
産業・経済 ・「公共」の概念の変化:新しい公共性・公共空間・ガバナン
ス(経済的利害をめぐる紛争ではなく「どのような生き方を望むか」
政治
・公共ニーズへの対応 というような価値観が公的意義を持つようになった)
・シーズ主導からニーズ主導へ 「生活と文化の政治」
・資源循環型 環境(自然/人工物)
・グリーン化
・地域化
・自然との共生・
・アメニティとしての
自然
産業・ 環境
・経済のグローバル化 科学技術 ・人工物と自然との調和
経済 ③④ (自然/人工物)
・キャッチアップからフロントランナーへ
・国際標準化・デファクトスタンダード
・人間・社会・自然との調和を重視
・総合安全保障・社会的意思決定への寄与
・科学技術の自己言及性、フィールドの科学
・天然資源の持続利用

① ⑧⑤
競争への対応
・産業・雇用の空洞化への対応
「レギュラトリ・サイエンス」、「モード2サイエンス」
・地球的課題への対応
・社会的ニーズに基づく問題設定
・知財問題への対応
・産学協同の促進
・技術経営(MOT)の重視
・科学的合理性と社会的合理性の対立と調整
・分野横断的・学際研究
・知識生産の拠点の分散:アクターの多元化
科学技術
・社会的責任投資(SRI)・ ・専門家間・専門家ー非専門家間のコミュニケーションの
企業の社会的 責任(CSR) 重視 生活
・ライフスタイル・価値観の変化
・研究開発マネージメントとそれを担う人材育成の重視

⑥⑦
→価値の多様化
生活、健康
・総合的な視点からの研究開発投資と
アカウンタビリティの必要性 ・安全・環境・健康が基幹価値化
・グリーン・コンシュマリズム
文化
・自然観・死生観の変化
・人間・社会ー自然との共生、エコロジー思想の台頭
・消費者主権(e.g. PL法)
・少子・高齢化社会への対応
文化、教育、
教育
・環境教育・生涯教育の重視一般市民の高学歴化
社会 健康
・医療見直し:治療ではなく、終末医療
芸術
・伝統的・地域的な知識や技能の価値見直し
一般市民社会
のような「ケア」や「癒し」を重視
芸術
・エンターテイメントとしての科学技術

現代の科学技術は社会と多面的に関係している (IPS資料を基に作成)
3.1  文理融合推進スキームの概念形成

図2文理融合推進スキーム
文理融合研究
サービス (研究マップ)
自然科学研究
一般市民社会
ニーズ

科学技術政策研究
自然科学系 理 科学技術政策
立案・執行

文理融合系 文理
3.2  文理融合研究推進の科学技術政策研
究上の意義
 「問題解決型アプローチ」=「文理融合」
 科学技術と社会の問題を解決することを目指す社会調和的合意の形成、その方法
論の開発
 社会のための科学、一般市民社会の意見を政策形成に取り入れる
 科学技術政策研究上の原論的変化 専門家評価=>市民参加評価
 人文社会科学の推進、レベルアップ
 「科学技術と社会」の関係において社会影響「インパクト」を科学的に定義し量
的質的観測する
 動向予測( Foresighting) 活動の重要性
 社会調査研究の広がり
 科学技術の「サービス」の定義の必要性
 科学技術知識の経済的価値(社会・政治含)の形成
 「社会ニーズ」の定義の必要性と観測
 科学技術にまつわる社会階層・集団・個人のリスク・メリット・バランス
 「シナリオ分析」の定義の必要性と観測分析スキルの向上
 Foresight 、テクノロジーアセスメント手法の必要性
 「ニーズ調査」・「シナリオ分析」=>「 R&D 施行」=>「政策課題提案」=>
「サービス」過程のシームレスな連携
4.1  文理融合推進スキーム

図3文理融合スキーム2
 1.一般市民のニーズ把握 科学技術政策
 2.ニーズに対する科学技術
の提示 ③
 3.科学技術の政策への展開 研 ‥‥
 4.先端科学技術に対する影 究
響の予測 開 ⑤

 5.予測結果の科学技術政策 分野
への反映 横断
② ④

ニーズ 影響

一般市民社会
4.2  科学技術の社会的影響調査研究
具体案    「ナノテクノロジーの社会的影響調査研究の最新動向」

問題意識
・ナノテクノロジーの社会的影響調査の必要性が指摘され、国内外で、多様な活動が開始されてい
る。しかし、ナノ技術という複雑な先端科学技術に関して、効果的に一般市民から意見聴取をして
いく手法を確立していくためには、試行錯誤が必要。
ナノ技術に関して指摘されている懸念の例)
・<安全性> DDS など意図的に体内に取り込まれる、或いは、製品、技術、プロセスより不可抗力により人体・
環境に取り込まれるナノ・マテリアルによる、人体・環境への影響
・<倫理>人体に直接働きかけることに対し医療行為を超えるのではないかという倫理的懸念、小さなセンサ
ーの発達による監視化社会など

文理融合研究の領域
・ テクノロジー・アセスメント、 ELSI 、市民参加手法、リスク認知、リスクコミュニケーショ論
・既存調査の手法を精査し、一般市民の意見を聴取する際の課題を整理する

果 <検討素材提供>
政策提言 ・ R&D と ELSI が相互に連携しながら発展
・ナノテクノロジーの研究開発に関し、効果的に するシナリオの素材提供
標目

一般市民の意見を聴取していくための手法・制 <科学技術政策への中期的示唆>
・先端的科学技術に関し一般市民を交え、
度の検討・提案 便益とコストを慎重に検討する場が必須
・他の技術分野への展開法の検討・提案 になる。制度設計上の要件を早期に検討
する必要がある。
4.2  科学技術の社会的影響調査研究

表1 科学技術の社会的影響調査:既存の議論の整理(例)
技術分野 遺伝子組み換え生物 ナノ・テクノロジー
英国 王立協会・王立工学アカデミー(2004)
英国 環境食糧地方事業省 (2003)
参照先(例) 欧州 ナノ・フォーラム(2004)
NZ 王立調査委員会(2001)
米国 科学技術財団(2000)
懸念/期待 懸念 期待 懸念 期待
生活・ (吸収による)人体へ DDSへの活用、再生
人体への長期的影響 医薬品、機能食品 医療材料の開発, etc.
健康 の長期的影響
クリーンエネルギー
農薬による環境影響
環境 生態系への影響 生態系への影響 環境浄化
の低減
社 資源の効率利用

的 文化・ 畏敬すべき自然への 人体に適用することの
影 倫理 擾乱付与(?) 是非、自己増殖
響 有機・従来農業との共
経済・ バイオ産業の経済的
存、汚染被害の損害 経済・市場の変化
産業 貢献
賠償
途上国の食糧問題へ 軍事技術への適用、
政治 管理機関への不信
の貢献 途上国への影響
・予防原則に基づきケース毎に検討(英) ・リスク評価手法確立の必要性
結論・
・汚染被害は汚染者負担(英) ・ガバナンス制度の必要性
政策への反映
・適切な情報提供、社会的議論の必要性 ・適切な情報提供、社会的議論の必要性

日本への含意・ ・リスク評価研究支援、チェック機能の構築、提言
提言の検討 ・対話、情報提供の有効な施策、手法検討、提言
4.2  科学技術の社会的影響調査研究
具体案 2   「アジア地域における日本の科学技術人材政策の広がりと新しい役割の研究」

問題意識
・日本を取り巻くアジア地域の変化は激しく、日本経済の地盤沈下、産業空洞化、人材競争力の低下が
進行
・今後30年間にわたる少子高齢化・人口低下により、減少するわが国の R&D 人材をいかに確保し、技
術力を維持向上させるか

文理融合研究
・日本・アジア地域の科学技術人材育成
・変化する経済圏(EU、APEC、ASEM、AFTA)と技術イノベーションの
共進化(共形成理論)
-欧州リスボン宣言と欧州研究枠組み・ERAとマリーキュリーアクション
・多元化社会・組織のガバナンスとラボラトリーマネージメント

果 <検討素材提供>
・国際協調と経済活性化に対す
政策提言 るシナリオの素材提供
・アジア地域での科学技術役割分業を前提とした上での <科学技術政策への中期的示唆
現状把握が必要 標目 >
・科学技術人材流動性、および労働経済分析による科学 ・日本・アジア地域の相互発展
技術人材政策に関するアジアを中心とした世界の動向 に寄与する科学技術政策の必
の紹介 要性
5.結論
当面の研究調査活動の進め方
 ユニット活動検討会の実施
 ユニットメンバーと有識者による検討会
 シリーズ型、数回/ 2-3 ヶ月(集中型)
 報告書作成、文科省内部の検討会
 専門化ネットワークの整備
 検討結果を反映する領域・分野の調査員
 ネットワーク運営方法、調査活動インセンティブの検討
 先端的有識者による講演会
 科学技術と倫理、定常化社会、文理シナジー、著作権問題
 ナノテクノロジーの社会的影響、リスクコミュニケーション
 国際社会の中での日本のナショナルイノベーション
 行政改革(省庁統合・独法化)による科学技術政策の意志決定過程の
変化
 大型科学技術研究開発システムと国際協調環境・地域間連携
2006年度活動項目 科学技術に関する融合研究推進のための政策研究調査
具体案  「欧米アジア地域における日本の科学技術政策の広がりと新しい役割の研究」

問題意識
・日本を取り巻く欧米アジア地域の変化は激しく、科学技術と社会のあり方に大きな変化がある。(日本
経済の地盤沈下、産業空洞化、人材力の低下により R & D 領域の移動変化が進行している)
・(欧州を中心とする)技術経済圏の総合戦略の活性化(大規模科学技術システムの国際的機能強化・
産学連携財団機能の統合・人材流動性とキャリアパス構築による融合研究推進)がめまぐるしく、日本
の調査( DELPHI, 社会ニーズ)で絞られた項目以外の融合研究をフォローする必要がある。
融合研究
・欧州地域の融合研究政策( IGERT ・ NEST ・ SSH の動向把握 ) (出張2回 / 年)
・変化する経済圏(EU、APEC、ASEM、AFTA)と技術イノベーションの共進化(共形成理論)
-欧州研究枠組み FP ・ERAとマリーキュリーアクションの動向把握( ESOF2006 学会 )
 -大規模科学技術システムの国際的機能強化、産学連携・財団機能の統合の動向把握 (EARMA
学会)
・多元化社会・組織の科学技術を鍵とするガバナンス( Foresight) とマネージメント( T.A. )のあり方


<検討素材提供>
政策提言 ・国際協調と経済活性化に対するシ
・欧州域の FP ・ ERA に関与する融合研究( NEST ・ SSH) ナリオの素材提供
の動向把握と基本計画とのかかわり(動向月報) 標目 <科学技術政策への中期的示唆>
・科学技術ガバナンス( Foresight 活動)、 T.A. 市民参加に ・欧州・アジア地域の相互発展に寄
よる社会経済効果の評価と予測(ワーキングペーパー) 与する科学技術政策
・これらの研究成果研究技術計画・科学技術社会論学会
2006 年 4 月 25 日 
動向センター横断的調査研究活動
NISTEP-MEXT  

NISTEP 動向センターにおける
文理融合的視点から見た研究政策推進

文科省科学技術政策研究所
科学技術動向センター総括ユニット
浜田真悟(客員研究官)
内容
 今後の対応
 参考資料:融合検討チームの方法論(学会発表から)
 1.研究目的とリサーチクエスチョン
 1.1  科学技術の現代社会におかれた位置
 1.2  文理分離と文理融合の問題性
 1.3  研究調査に際してのリソース
 2.科学技術と社会の文脈
 2.1  文理融合推進の歴史的文脈
 2.2  文理融合・科学技術社会研究の現代的要請
 3.提言
 3.1  概念形成
 3.2  科学技術政策研究上の意義
 4.具体的政策
 4.1  文理融合推進スキーム
 4.2  科学技術の社会的影響調査研究
 5.結論
 補足: 2006 年度活動項目
今後の対応
5 .x チーム検討、当面の研究調査活動の進め方の続き(検証)
赤字:現在危機的状況
 ユニット活動検討会の実施
 ユニットメンバーと有識者による検討会(社会ニーズレヴュー除く)
 シリーズ型、数回/ 2-3 ヶ月(集中型)
 報告書作成、文科省内部の検討会
 専門化ネットワークの整備
 検討結果を反映する領域・分野の調査員(確保難)
 ネットワーク運営方法、調査活動インセンティブの検討(皆目検討つか
ず)
 先端的有識者による講演会
 科学技術と倫理、定常化社会、文理シナジー、著作権問題
 ナノテクノロジーの社会的影響、リスクコミュニケーション
 国際社会の中での日本のナショナルイノベーション
 行政改革(省庁統合・独法化)による科学技術政策の意志決定過程の
変化
 大型科学技術研究開発システムと国際協調環境・地域間連携
 動向センター内でのてこ入れが必要
2006年度活動項目 科学技術に関する融合研究推進のための政策研究調査
具体案  「日本の科学技術政策の広がりと新しい役割の研究」 その1

問題意識
・日本を取り巻く欧米アジア地域の変化は激しく、科学技術と社会のあり方に大きな変化がある。(日本
経済の地盤沈下、産業空洞化、人材力の低下により R & D 領域の移動変化が進行している)
・(欧州を中心とする)技術経済圏の総合戦略の活性化(大規模科学技術システムの国際的機能強化・
産学連携財団機能の統合・人材流動性とキャリアパス構築による融合研究推進)がめまぐるしく、日本
の調査( DELPHI, 社会ニーズ)で絞られた項目の融合研究をフォローする必要がある。
融合研究の基本枠
・欧州地域の融合研究政策( IGERT ・ NEST ・ SSH の動向把握 )
・変化する経済圏(EU、APEC、ASEM、AFTA)と技術イノベーションの共進化(共形成理論)
-欧州研究枠組み FP ・ERAとマリーキュリーアクションの動向把握( ESOF2006 学会 )
 -大規模科学技術システムの国際的機能強化、産学連携・財団機能の統合の動向把握 (EARMA
学会)
・多元化社会・組織の科学技術を鍵とするガバナンス( Foresight 含 ) とマネージメント( T.A. )のあり
方 成

<検討素材提供>
政策提言 ・国際協調と経済活性化に対するシ
・欧州域の FP ・ ERA に関与する融合研究( NEST ・ SSH) ナリオの素材提供
の動向把握と基本計画とのかかわり(動向月報) 標目 <科学技術政策への中期的示唆>
・科学技術ガバナンス( Foresight 活動)、 T.A. 市民参加に ・欧州・アジア地域の相互発展に寄
よる社会経済効果の評価と予測(ワーキングペーパー) 与する科学技術政策
・これらの研究成果研究技術計画・科学技術社会論学会
2006年度活動項目 科学技術に関する融合研究推進のための政策研究調査
具体案  「日本の科学技術政策の広がりと新しい役割の研究」 その2
縦軸
・遺伝子組み換え技術
・国際熱核融合 ITER 計画
・地球気候変動( IPCC ・京都議定書・
CDM )
横軸(融合性)
・融合研究政策( IGERT ・ NEST ・ SSH )において、遺伝仕組み化技術の社会受容を促進・モラトリ
アム化させる意思決定メカニズムの探求がなされている ( T.A.  社会法学・倫理学・社会学)
・ ITER は日本・欧州における共通の計画、経緯(日本では10年越しの立地・財源問題)などからし
て、推進に向けた科学技術政策調整に関して今後の研究価値がある。
-米国 SSC 計画の例から議会動向( EU 、 JP) を多角的に分析する必要がある( EPTA 、 EURA
TOM 、 JRC)
・技術経済圏(EU、APEC、ASEM、AFTA)と CDM (クリーンデベロップメントメカニズム)の社会
技術の広がりはどのように関係しているか、を技術経営の観点から探求する。
-日本の CDM プロジェクトの技術動向に関する関心が低い
成 v.s. 途上国開発と社会基盤(開発援助


<検討素材提供>
政策提言 ・国際協調と経済活性化に対するシ
・ EU における原子力回帰政策と ITER 計画の進捗状況 ナリオの素材提供
観測(動向月報) 標目 <科学技術政策への中期的示唆>
・欧州における遺伝子組み換え技術のモラトリアム設定の ・欧州・アジア地域の相互発展に寄
背景分析(ワーキングペーパー) 与する科学技術政策
・ EU-ASEM による CDM 枠組みを活用した途上国開発
戦略の動向
UNESCO-ICSU・OECD・WFO/IAE 世界科学者会議
メタ機能エージェント
A・UNDP・WorldBank 第三世界科学者会議TWSC
EU委員会科学と社会 内閣府総合科学技術会議
公的政策機関
EU議会STOAプログラム 日本学術会議
融合的総合政策 FP6-ERA/NEST-SSH 第二次基本計画・METI/NEDO

技術分野 遺伝子組み換え技術 ITER計画 再生可能エネルギー


風力発電コンソーシアム
参照先 欧州議会テクノロジーアセスメント ITERコンソーシアム
地球環境監視団体
グローバルな政策 WTO議定書 レーガン・ゴルバチョフ合意 京都議定書
米国原子力学会・欧州原子力学会・日本
ジャーナルコミュニティー
不特定 原子力学会 不特定
技術経済と STP STP 調整
日本原子力開発機構 NEDO/AIST、欧州風力発電協会E
公的研究開発関係機関
IRD/INRA 欧州JRC/CERN/ESDF/ILL WEA
仏原子力庁CEA/EDF
立地計画と原子力事故、政策決定にお 代替可能性、環境負荷、持続可能性、
遺伝子組み換え作物の人体環境影響
過去の争点 ける地域・地方と国 経済効率

世界人口増加と飢餓対策
技術経済圏( EU/ASEM)
フォーサイト的視点 21世紀のエネルギー源枯渇 地球規模の持続可能性
農業食料対策
化石燃料・原子力への代替技術創出、
原子力技術・社会基盤技術とリスクマ
遺伝子工学と生命倫理、農業食糧経済 京都議定書の受容とその社会技術政
文理融合的視点 ネージメント

地球環境監視技術、化石燃料・原子力
ナノテクノロジー・バイオインフォマティッ プラズマ炉物理・放射線材料科学・ロボッ
への代替技術創出、エネルギーミック
新出融合研究の視点クス・プロテオミクス ト工学
ス・電力配給自由化の技術経営
デルファイ研究・社
GM応用新技術の社会的受容とその受 安全・安心と大規模イノベーションの調和 持続発展可能なエネルギー・社会ビ
会経済ニーズ研究
容推進の方法 創出、大事故の防止 ジョン
との関連

専門家/非専門家図式からの脱却、 グローバルメタ組織と市民社会・地域の イノベーションアクターの広がり、CD


科学と社会研究上
消費者傾向、知識社会の中の市民団 乖離、巨大予算・立地政策とアカウンタ Mの広がり、先進国から発展途上国
のポイント
体成長、世界農業食糧市場 ビリティー への科学技術移転

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