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勤医協中央病院看護技術マニュアル 2008 版

3-9-1 輸液ポンプ・シリンジポンプ全機種共通管理項目 1/5

3-9-1.輸液ポンプ・シリンジポンプ全機種共通管理項目

Ⅰ.輸液ポンプ編

1.輸液ポンプの精度
輸液ポンプの流量精度は±10%以内。(メーカー発表値)
流量精度は、上記の数字を考慮し管理すること。

2.輸液ポンプを使用中に、アラームが発生した場合は、以下の手順で操作を行う。
① アラームが発生。
② 消音・停止ボタンを押し、アラーム音を消す。
③ 輸液ポンプと患者間にあるロールクランプを閉塞にする。
④ アラームの原因を探し、除去する。(アラーム内容に関しては、個別機種参照)
⑤ 原因を除去した後に、正しく回路がセットしてあるか再度確認。
⑥ 本体と患者間にあるロールクランプを開放にする。
⑦ 開始ボタンを押し、輸液スタート。
注意 アラームの対処時、回路交換時など輸液ポンプのドアを開ける場合は、必ず回路のロー
事項 ルクランプが閉じていることを確認する。もし開いていた場合に回路を輸液ポンプから
外すとフリーフロー(高低落差により薬液が一気に患者に投与されること)が発生する。

3.24 時間を超えて連続的に輸液が必要な場合
輸液ポンプを連続的に同一回路を使用し、輸液を行う場合(例 IVH 等)は、24 時間ごとに
輸液回路を 10cm づつずらしながら使用する。その際に、一度使用した場所が繰り返し
使用されることを防ぐ工夫をする。同一部位を長時間連続的に使用すると、輸液回路が
伸びて正しい流量が確保できなくなる。

4.落下や衝撃などが加わった場合
輸液ポンプに強い衝撃が加わった場合は、見た目になんとも無くても内部が破損してい
る場合がある。ME 機器管理センターに点検を依頼する事。外見的に異常が見当たらな
くても内部が破損している場合がある。

5.輸液セットは正しくセットしてください
輸液セットが正しくセットされていないと流量誤差やフリーフロー等、事故の原因とな
る。注意する事。

中央病院 ME 機器管理センター監修 2006 年 3 月作成


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Ⅱ.シリンジポンプ編

1.シリンジポンプの精度
シリンジポンプの注入精度は、±3%以内。(メーカー発表値)
注入精度は、上記の数字を参考に管理を行う事。

2.シリンジのセット
シリンジをシリンジポンプにセットする場合は、シリンジのフラウンジ、押し子を正し
い位置にセットする事。

中央病院 ME 機器管理センター監修 2006 年 3 月作成


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3.正しくされていないと起こりうる現象
① フラウンジのセット不良
注入開始を押しても薬液が注入されるまでに予想を超える時間がかかる。ただし、シ
リンジポンプ本体の積算は加算される。
② 押し子のセット不良
押し子が正しくセットされていない場合、サイフォニング(高低落差によりシリンジ内
の薬液が一気に患者に投与される)現象が発生。
注意 シリンジポンプ本体の正しいシリンジのセットの仕方は、それぞれの機種の項を参照。
事項 テルモ社製シリンジポンプに使用するシリンジはテルモ社製 50mL のロック式を使用し
する事。

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それ以外のサイズを使用する場合は、テルモ社製ロック式のシリンジを発注する事。
テルモ社製シリンジポンプにテルモ社製以外のシリンジの使用は、基本的に行わない事。
どうしても使用しなければならない場合は、シリンジポンプの設定を変更する必要があ
る。ME 機器管理センターまで連絡。(各社シリンジの大きさに若干の違いがあり、流量
精度が維持できない場合があり。)
4.アラーム発生時の対処法
シリンジポンプを使用中にアラームが発生した場合は、以下の手順で行う。
① 停止・消音ボタンを押し、アラーム音を消す。
② 三法活栓の患者側を OFF とし、原因を探す。
③ アラームの原因が取り除かれたら再開する。
注意 過負荷(閉塞)警報発生時は、シリンジを一度本体から外し、圧を逃がした後に再度設定し、
事項 再開する。

5.落下や衝撃などが加わった場合
輸液ポンプに強い衝撃が加わった場合は、見た目になんとも無くても内部が破損してい
る場合がある。ME 機器管理センターに点検を依頼する事。外見的に異常が見当たらな
くても内部が破損している場合がある。
6.シリンジポンプの特徴
シリンジポンプで微量注入されているラインの閉塞をシリンジポンプが検出するまでに
は相当程度時間がかかる。微量注入されている時、薬液の減り具合を定期的に確認。

例) 1mL/h でセットされた薬液で、ラインが閉塞していた場合にシリンジポンプが閉塞警報を発
するまでに 2~3 時間かかる。

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さらにシリンジポンプは、血管
外注入を検出できません。
定期的に刺入部の確認をしてく
ださい。

Ⅲ.重要!! 共通項目
ポンプ(輸液・シリンジ)を使用して投与する薬液と自然落下にて投与する薬液を同一ルートで
投与することは原則禁止。万が一抹消ルートに閉塞があってもポンプは閉塞圧を検出できな
い。同時に自然落下の薬液が先に空になった場合、エアーを送り込んでします可能性がある。
同一ルートに複数の薬液を投与する場合、一種類でもポンプで投与されている場合は、全て
ポンプを使用して投与するか、全て自然落下にて投与するかどちらかに統一する事。

全ての機能は、定期的に点検をする必要があります。輸液ポンプの中央管理化されている機器は
定期点検が実施されております。シリンジポンプ及び輸液ポンプのセクション固定機に関しては
ME 機器管理センターに定期点検を依頼し、点検を受けましょう。

中央病院 ME 機器管理センター監修 2006 年 3 月作成

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