You are on page 1of 3

勤医協中央病院看護技術マニュアル 2008 版

2.緊急時看護手順 1/3

2.緊急時看護手順

Ⅰ.救命の基本と救急の基礎知識
1) 救急蘇生法は、
“このままでは生命が危険”という患者に対して緊急に行う一連の処置で
ある。
2) 呼吸停止していても、心停止がなければ酸素の補給、人工呼吸などで蘇生可能である。
3) 心停止しに際しては、人工呼吸と心臓マッサージをあわせて行う必要がある。
4) 血行が4~5分以上停止すると、中枢神経はもとにもどらない障害を受けるので、心停
止後3分以内に、救急蘇生法を行う。
5) 救急蘇生法の成否は、心停止から処置開始までの時間と処置技術の適否によって決まる。
6)救急蘇生法の基本手技と、その組み合わせの判断の適否が救命につながる。

Ⅱ.救急蘇生時の初動手順
1)救急時、医師到着までの初動手順の基本
◎ 発見者の役割
① 意識の確認を行う
→呼びかけに反応しないと判断したらドクターコール、救急カート・除細動
(AED)を他のNSに依頼。発見者はけして患者の側を離れない。
② 呼吸確認を行う
→『頭部後屈あご先挙上』で気道確保をする
10秒以内で呼吸の有無を確認する
→呼吸がなければ人工呼吸を開始
バックマスクで2回⇒胸郭が挙上することを確認
③ 循環の確認を行う
→頚動脈を触知しながら 10 秒以内で『脈の確認』を行う
脈がなければ心臓マッサージ1分間に100回のペースで、30回ごとに2回の
人工呼吸を行う
*この動作を5回繰り返す
④ 循環の評価を行う
→『脈の確認(頚動脈で確認)』
→脈がなければ心臓マッサージ、人工呼吸を1分間に100回のペースで、3
0回ごとに2回の人工呼吸を続ける

勤医協中央病院ACLSチーム監修 2008 年 3 月改訂


勤医協中央病院看護技術マニュアル 2008 版
2.緊急時看護手順 2/3

◎ 第1応援者の役割
① 応援依頼を受けたら医師及び他の応援依頼をする。近くに医師が不在の場合、
総務課へ連絡し、Drコールを依頼する。
② 緊急用カート・除細動器(AED)を持って現場に直行する。
(除細動器がない
場合はモニターも用意する。)
③ 救急必要物品を整え、医師到着時、次の手順の準備を行う。
→背板・気道確保挿管用具・マスク・リザーバー付アンビューバック・モニタ

④ もっとも確保しやすい場所で静脈確保を行う。
(肘正中皮静脈から 18G・生食
500ml でルートを取るのが望ましい)
<発見者>

意識の確認 <第1応援者>
<第2応援者>

その場を離れずナースコール 応援依頼を受けたら医師 師長・主任などの責任者


などで応援依頼 及び他の応援依頼 などへの対応依頼
(救急カート、除細動・AED、
ドクターコールまで依頼) 現場に直行し必要物品
の確認

①気道確保をする。 緊急用カート、除細動・A 救急薬品、吸引器、点滴


ED、モニターを持って現 セットなど救急用具を
場に直行 そろえ現場に運ぶ

②呼吸の確認
器材及び血管確保の準備
③人工呼吸 2 回 をする

④循環の確認

CPR記録用紙に状況を
⑤心臓マッサージ開始 背板の挿入に協力する
記録する

心臓マッサージを続けな 心肺蘇生を発見者ととも
がら人工呼吸 に行なう

その後はその場のリーダー(第 1 発見者もしくは心肺蘇生開始者)等の指示に従う。

勤医協中央病院ACLSチーム監修 2008 年 3 月改訂


勤医協中央病院看護技術マニュアル 2008 版
2.緊急時看護手順 3/3

2)救急事態はいつでもどこでも起こり得る。
誰が発見者になっても、迅速・的確な救命の対応ができるように、日頃からの教育・訓
練が必要である。
3)師長、主任、の役割
① 救急事態対応への組織づくりと体制つくり。
・ 当該救急患者への適切な対応のできる救命メンバーの編成
当院認定ACLSコース受講
・ 発見者が未熟な場合は直ちにメンバーを交替させる
未熟である事を自ら認識し、自分からリーダーの交替のお願いをする
② 他患者のケアに支障をきたさぬ体制つくり
・ 救急患者の発生により、他患者の観察がおろそかになると事故の原因になるた
め人員の適切な配置は大切である
・ 準夜勤務帯へ引継ぎそうなときは、早めに時間外勤務要員を手配すること
③ 家族への連絡と家族に対する励ましと勇気つけ
4)救命過程は常に冷静な観察と適切な分析・判断が必要である。
人員がそろってからも、1名は観察・測定を行い、救命のリーダー(医師)に情報を提
供する。
5)夜勤中のチーム体制。
① 2人夜勤と3人夜勤では体制のあり方は異なるが、ともかく最も熟練したものが救
急蘇生の実施のあたること。
② 補助的役割の看護師は、速やかに PHS で当直医と当直師長に連絡し必要物品を整え
て現場に運ぶ。その後は他患者の安全のために、病棟全体について対応すること。

勤医協中央病院ACLSチーム監修 2008 年 3 月改訂

You might also like