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祕 本 玉く しげ の草稿
下 卷 の始 め第 三段 のう ち の 一節。 (四 三 二頁 第 四 行 以 下滲 照 。) 本 文
と 比較 し て、 推敲 のあ とが 知 られ る。︹
本 居 清 蓬 氏 藏︺
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凡 例 ノ
一、第 十 三冊 に は ,古 道 に關 す る論 考 類 と し て、 馭 戎 慨 言 . くず 花 、眞 暦 考 , 眞 暦 不審 考 辨 酒 玉
く しげ 、祕 本 玉 く しげ 、 國 號 考 ↓ 玉 鉾 百 首 、 天 祗都 城辨 辨 、 臣 道 及び 鉗 狂人 の十 轡蔀 を 牧 め た。
一、 そ れλざ\ 用 ゐ た底 本 に つい て蝕 ﹂煽
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にゆ つ る。
一、 匈凶
讃、 變鱒⋮
假 字 等 に つい て の用 意 は、 ふ
リベ て本全 鱒
集 の岾
醐例 に よ る。
一,諸 書 申 、 宣 長 自 筆 の稿 本 の、鈴 屋遺 跡 保存 會 に保 管 せら れ るも の に つ い℃ は 、閲 覺 や 比 校 に 、
同 會 の百 北誠 一氏 を煩 し たと こ ろ が尠 く な い 。 記 し て謝 意 を 蓑す る。
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﹃馭 戎 慨 言 ﹄
癒書 名 は 、.
刊 本 渡 邊 重 名 の序 申 に 、 か ら を さ め の う れ た み ご と (戎 馭慨 言 と傍 書 。)と あ る が 、 他 方 、
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(
寛 政 七 年) 十 月 廿 三 日 付 春 庭 宛 の宣 長 の 書 歌 中 、 特 に ギ ョジ ウ ガ イ ゲ ン と 音 讀 が 附 し て あ る の に
よ る べ き で あ るρ (
後 出 のー ず 花 に關す る 碑申 道麿 の九 月六 日付 宣 長 宛 の書 歌 に竜 、假 字 で、ギ 劉ジ ウ がイ
ゲ ンと 出づ 。) 初 め は ﹁待 異 論 ﹂ と 稱 し 、 淨 書 の 際 改 名ざ れ、
た ので あ る。 成 稿 は安 永 六年 、宣 長 四
十 八 歳 の暮 、 淨 書 は奥 書 で 、 安 永 七 年 戊 戌 二 月 晦 日 と 知 ら れ る 。 脱 稿 後 、 荒 木 田 瓠 形 、 葉 田 土 滿 、
荒 木 田 經 雅 、 荒 禾 田 久 老 等 、 門 弟 知 己 の間 に 、 或 は 寫 し 傳 へ、 或 は 貸 借 し て 讀 ま れ た ご と は 、 人 噂
人 の書 歌 が 傳 へ る 。 板 行 は 成 稿 後 約 廿 年 の寛 政 八 年 (六 十 八歳 }で 、 そ の 經 緯 ば 、 本 居 宀
豕所 藏 の 宣
長 自 筆 の ﹁著 述 書 上 木 覺 ﹂ に よ る と 、 草 稿 を 書 肆 山 形 屋 傳 右 衞 門 へ遣 し た の が 、 寛 政 六 年 寅 の 正
ヤ
月 、 全 四 冊 に っ い て 、 つぎ ノ \ に 校 合 し 、 金 部 二 番 校 合 を 遣 し た の が 、 同 七 `
年 卯十 二月 十 八 日 、
解 題 ' . 一 三
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嘱
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解 題 四
一
ご番 校 合 濟 遣 し た の が 同 八 年 辰 三 月 ナ 三 日 で 、 板 行 ま で 二 箇 年 三 月 を 費 し て 広
48る 。 版 下 も 宣 長 の
自 筆 で あ る。 板 本 に は 、 卷 首 に 寛 政 二 年 初 夏 付 の藤 原 (
渡塰 重 名 の和 文 の序 、寛 政 四年 + 二 月 付
鈴 木 朖 の漢 文 の序 を 添 ふ 。 而 し て奥 付 に は 、﹁鈴 之 屋 藏 板 。寛 政 八 丙 辰 歳 四 月 。 製 本 所 勢 州 津 山 形
屋 傳 右 衞 門 ゆし. と あ る 。吾 人 が 底 本 と し た の は こ の 板 本 で あ る が , な ほ 宣 長 自 筆 の 稿 本 が 、 鈴 屋
遺 蹟 保 存 會 に 保 管 さ れ る の で 、 板 本 申 明 ら か に 誤 刻 若 く は 彫 崩 れ と 思 は れ る數 箇 所 (例 へば 上 之土
十 一表 三行 、 界 は 叉 の誤 、 同 十 四裏 四行 、 掖 は掖 の誕 、 同 二十 ご裏 二行 呉媛 は 兄媛 の談、 下 之 下 二十 六 表 九/
槻
行、 以 は 此 の誤 、 同 三十 六 裏 四行 、 二國 の の のは衍 の類 ひ) は 、 い つ れ も 稿 本 に 徴 し て 之 を 改 め た 。 へ本
全 集 一八頁 一行 、 二 鴎頁 ご行 、 二 八責三 行 、 一・
四 六買 九行 、 及 び 一五 五頁 一〇 行。)
。本 書 は 、 太 古 か ら 豐 臣 秀 吉 の 朝 鮮 征 伐 に 至 る ま で の 、 我 國 の 支 那 朝 鮮 を 封 象 乏 し て の 外 交 史 論
と も稱 す べき も の で、本 旨 は、 あ く ま で竜皇 國 中 心 の自 圭 的 見 地 に立 つて 、内 外 の別 を明 ら か に
し 、 名 分 を正 し 、稱 謂 を嚴 にす ぺき こと を論 く に あ り、 かく て古 來.
の外交 的 交 渉 や 、 そ の文 書 に、
鋭 い批 判 を 加 へ、 單 に 支 那 や 朝 鮮 に 封 し て 皇 國 を 卑 う す る態 度 を 斥 け る の み な ら ず 、 我 を 算 び 彼
を 卑 う す べ き を い ひ 、 、支 那 の 國 主 を 天 子 、 そ の妻 を 皇 后 、 そ の 死 を 崩 と い ふ 如 き は 不 可 と ま で な
し た 。 而 し て か く の 如 き は 、 當 時 儒 學 者 の支 那 文 化 ζ 尊 び 、 聖 人 を 重 ん ず る 餘 り 、 或 は 意 識 的 に ・
ノ
一
だ
或 は 不 意識 的 に 、凡 て支 那 を中 心 とす る見 地 に立 つ てゐ た こと 、ま た鎖 國 を政 策 と し て、實 際 の國
際 的 交 渉 が 殆ん ど 存 在 し な か つた こ と等 の、 時 勢 的背 景 に於 いて 、考 ふ べき であ るが 、 な ほ 一暦
注 意 す べ き は 、彼 を し て か 玉る見 地 を と ら し め た根 柢 と な うた も のが 、彼 が古 典 學 にょ つて ,そ
の奪 嚴 無 比 な る所 以 を 明 ら か に し得 た國 體 觀 であ つたと いふ 蝸事 で、 彼 のこ の見解 は 、 ま さ し く
、
現 下非 常 時 局 に 際 b て 唱 へら れ る 、 所謂 日本 的 世界 觀 の薀 と い ふ べき であ る。 而 し てか 忍る本 書
の圭皆 は 、 重 名 の序 文 が よく 述 べ てゐる が 、 さ ら に ま た、 本 文 申 、 上之 下 の絡 り近 く 、 栗 山 潛 鋒
が ﹁保建 大 記﹂ の言 を 、﹁誠 に さ る ことそ か し 。
﹂ と た Σ へて以 下 、 數 葉 に蓮 べ た と ころ に、 最 も
賜 ら か に.
され て ゐ る の を見 る。 而 し て本 書 は 、古 道 の積 極 的 圭 張 とし ては 、或 は 宣長 の全 著書 中
でも箜 位 に推 す べ 炬 、夲 田篤 胤 門 下 の録 斉 隆 正 は 、學 統 辨 論 萎 政四震 )に 、直 毘 靈 、、
嘉
記 傳 、詞 の 翁緒 と とも に・ 特 に本書 を擧 励 、﹁護 國げ 心 を顯 は し﹂た代 表 的著 作 と し た・ し かも ま
海、史 學 的 見 地 から し ても , 諸 全の漢 籍 に い でた我 國 に關 ・
ヲる記 事 に つ いて ,輕 々 しく 債 ぜ ず 、
、
十分 に愼 重 な檢 討 を加 へて ゐ る態 度 は 、頗 る推 蠶す べき で、 爲 に 、 こ の種 の所論 に往 々見 る察 疎
な大 言 壯 語 感 は、 さす が 本書 に 存在 し な い。 され ば ﹁ま が のぴ れ﹂ を著 し て 、宣 長 の ﹁直靈 ﹂ を 、
.駁 し た儒 者市 河 匡 (次項 に いつ。) も 、 こ の書 に つい て は、 扁讀 し て 、 そ の見 識 に服 し 、 ﹁我 常 に
解 題 ・
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,郁 題 .
、
六 癌,
此 事 を 思 ふ 。 此 事 を 今 の江 戸 の御 老 中 、 又 其 外 の 役 人 に も エ ト ク せ し め た き 事 。h
江 戸衆 常 に朝 餅
,
を 恐 レ入り 、 から 國 を うや ま ふ心 あ b 。 あ さ ま しき 哉 。
L と 言 つ た よ し 、 田 中 道 麿 が 宣 長 宛 の (安
永 九 年) 九 月 六 日 付 の 手 紙 に 見 え る 。 .
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一
﹃く す ∴花 ﹄
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宣 長 は ト 明 和初 年古 事 記 の註"
釋 に着 手 し、 八 年 (四十 二歳︺の暮 に 倣, 傳 卷 五 を脱 稿 し た。 古﹄
事
記 の本文 では 、漸 く 二神 國 生 み の段 に は ぴ つた く ら ゐ であ る が、 こ の時 はや く 竜總 論 的 の古 道 觀
を構 成 し て 、 傳 のは じ め に掲 げ たひ これ が 名著 ﹁直毘 靈﹂ であ る。 而 し て現 行 古 事 記傳 所載 の同
書 は、傳 初帙 が 板 行 され た寛 政 二年 (六十 副歳)⋮
富時 ま で の、幾 度 か の推 敲 の結果 であ つて 、 そ の
ま Σに明 和 八年 當 時 のも のと は言 へな い。 而 し てそ の初度 ⋮1 -必ず しも 最初 と い はず ー⋮ の も の
ナポビノミクマ
は、 題 名 も 、或 は ﹁道 云 事之 論 ﹂ 或 は ﹁直 靈 ﹂ と され 、 と も に 原本 は 、鈴 屋 逶 蹟 保 存會 に保 管
さ 紅 て ゐ る。併 し ご の二 種 の稿 本 と 現 行 の直 毘 靈 と の本 文 の異 同 は 、甚 しく 言 ふ に足 ら な い程 度
で、 これら の點 は、 別 の機 會 に ゆつ るが 、 と に かく 明 和 八雇,宣長 が 直靈 を著 す や 、,
そ は彼 の古 溢
の圭張 、 も しく は宣 言 と し て、頗 る學 界 の注 意 を惹 き 、 知 己門 弟 の闇 に盛 ん に寫 され 、 ま た讀 豪
れ 夜 。宣 長 を中 心と し て人 々 の間 の往 復 の文 書 は、 こ 分事 を語 つて ゐ る。 而 し て本 書 が 學界 の轟
意 を惹 い た重 な理 由 の ; はt明 ら かに 本書 の圭旨 と し た、 徹 底 し た儒歡 や儒 意 の排 除 と 攻 撃 と
が、特 に儒者側 を刺戟す ると ころ大き かつた點 にあ つた。果 して之に對して、名古屋在住 の儒者
解 魃 申
七
、
■
解 題 ・
八
市 河 多門 はま が のぴ れ の 一著 をも のし て反 駁 し た 。 多門 は相 應 の學 者 で,.か つ前 項 に記 し た如 ぐ ,
か ね て駅 戎 慨 言 を讀 ん で、 宣 長 の卓 見 に服 し 、 つ冥 いて古 事 記 傳 を覽 て、 いよ/ 丶 そ の學 識 に驚
い た が、 し かも 直靈 の道 之 論 に對 し て は、儒 者 と し て固 り準 ち かな ら ず 踊安 永 九年 四 月 の頃 、友
と し 海宣 長 門 の田 中 道麿 の た め に、 こ の書 を著し 、 か つ宣 長 にも 見 せ てほ し いと て 、 逍麿 のも と
に寄 せ た。 よ つ て道麿 は、 同 年 九 月 六 日付 の書 状 に そ へて、 之 を宣 長 に逡 つた。丶ま が の ひ れ の所
諡 は、 直 靈 の本 文に つい て、 ぼ 穿順序 を 追 つて駁 し た も の であ つ潅 。 宣長 は直 ち に 一讀 し て、 反
駁 の ため特 に著 し た のが、 く ず 花 であ つた や書 名 の由 來 は、 本 文 中 に 見 え る如 く 、漢 意 の酢 を さ
・ま さ せ る爲 に 、 こ の藥 草 Φ 一片 を 提 供す ると い ふ にあ る。脱 稿 ば 、 安 永 九年 (麗+ 一歳)の十 一丹
卦 二 日夜 であ る。 そ の後 人 々 の問 に寫 し傳 へら れ て ゐ た の を, 宣 長 の歿後 、享 和 三年 に、 名 古 屋
の門 弟 市岡 多氣 彦 (猛 彦 ) が 跋 文 を附 し て板 行 し た。 板 元 は永 樂 屋東 四 郎。 本 書 の 喊般 の普 及 は、
こ の板 本 に よ づ て であ る。 な ほ宣 長 自 筆 の稿 本 は、 鈴 屋 潰⋮
蹟 保 存 會 に 保管 され て ゐ る が 、、兩 者 を
比較 す る と言 立 て るほ ど の差 違 は なく 、板 本 も 殆 ん ど誤 り が な い。 (まが のひれからの引用女が、板
、
本では片 假字交 りであるのを、稿本 のは軍假字交りで、 か っ丁付があ る のを はじ め噂書式が少 しく異る位 で
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ある。なほ宣長 が本書 のために見たまが のひれ は、勿論道麿 を經 て お く ち れ た稿本 で、 そは後年永樂屋 かゐ
■
帚
瀞
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板 行 され た 。 但 し板 本 が、 ﹁兄弟 ノ婚 ハ紳 代 ノ古 事二一シモ見 エヌヲ ヤ﹂ を、 ﹁兄弟 ノ婚 ハ紳 代 ・
〆古 事 ユ シ モ見
ユヲ ヤ﹂ と し たな ど は 誤 で あ る。) 本 全 集 は 、 猛 彦 の勞 を 奪 露 し 、、 板 本 を 底 本 と し 海 。 ・
本 書 の 論 旨 は 、 既 に 述 べ た 如 く であ る が 、 そ の宣 長 の著 作 甲 に お け る 特 色 は 、 後 出 の ﹁鉗 狂
し 人 ﹂ な ど と と も に 、 特 に 一編 に ま と め ら れ た 破 邪 書 で あ る こ と で あ る 。 両 し て筆 激 や 機 鋒 の 峻 烈
な る 、、温 厚 な る う ち に 藏 せ ら れ た 宣 長 の鋭 い 畑面 は 、 本 書 に も ﹁ ー 或 ぱ 最 も よ ぐ 、 現 さ れ て ゐ る 。
・ 非 難 あ り 、 逆 襲 あ り 、 追 撃 あ り 、 古 道 の 信 念 の 前 提 に 立 つ て 試 み ら れ 驚 論 瑳 の徹 底 ば 、 極 め て 鮮
・か な も の が あ る 。 か つ譬 喩 を 使 用 せ る も の 頗 る 多 く 、 凡 て 廿 餘 も 數 へ え よ う が 、 そ は 概 ね 適 切 又 ・
甲
巧 妙 で あ る 。 ま が の ぴ れ が 、﹁
易 の陰 陽 の 遘 理 と 日 紳 の 女 紳 で め る ζ と と の 關 係 に つ い て 、﹁離 ノ 卦
ハ a 二象 リ テ ﹂ 云 々 と し て 、
、日 ノ 紳 ハ女 棘 ナ レド モ、陽 ノ 日 菰配 へ、 月 ノ 神 ハ男 紳 ナ レド モ陰 ソ .
ツ ナラ カケ
月 噌一配 タ ル ハ、 實 こ陰 陽 ノ 理 晶合 タ リ 予 云 ベ シ 。 L と せ る に 豹 し て 、 ﹁的 を 二 東 西 と 並 べ 掛 て 、 左
-
の的 に 馨 ん と い ぴ て射 た る 矢 ・ あ や ま た ず 東 な る 的 に あ た れる 時 に 、 そ の射 た る 者 の い は く 、(中
略 ) も し か く の 如 く い ふ と き は 師 い か な る 妄 言 も あ た ら ず と い ふ こ と な き を や 、﹂ハ本 全集 輔
一二 .頁)
と せ る 如 き 、 そ の 一例 で あ る 。 し か も 之 と と も に 、 自 分 の表 現 が + 分 で な く て 、 爲 に 論 者 に 與 へ
た 誤 解 な ど に つ い て は 、 よ く 反 省 す る こ と を 忘 れ ず 、 夙 へ は兄 弟 相 婚 の論 の條 に 於 い て 、 州
、然れ
解 題 九
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共 此 所 は. 本書 を今 よく 見 るに 、 ま こと に讀 ん人 の 心に は 、御 みつ から始 て 兄弟 婚 し給 ぴけ ん や
ノ う に心 得 急 き も のと ・余 も 思 は れ て ・支 の が きざ ま のぎ ら ば しけ れ ば ・ 難 券 顰 るも さ る
こ と に な ん 有 け る 。L (同 上 二三 六頁 ) と な し た 如 き 、、以 て 宣 長 の學 者 的 態 度 を 見 る べ き で あ る 。
■
(
隨 つて この 諦 は 、後 年 の直 毘 靈 には、 雰 に護 め てあ る。 ん ま た 、 直毘 讐 定稿 とす べ き ; の欝
を なす 。 な ほ同樣 の例 は 、 次出 の虞 暦 考 の場 合 にも 見 え る こと、 後 述 の如 くで あ る。
)
本 書 の後 代 に 與 へた 影 響 に つ い て は 、 直 毘 靈 の解 題 に ゆ つ る 、
﹃眞 暦 考﹄ 、
・
論
鯨
Ψ
◇
本 害 は奥 書 の如 く 、 天 明 二 年 (五+ 三歳 )九 月 十 二 日 の 成 稿 で 、 板 行 は寛 政 元 年 (六 十 戯)の 四 月 、
板 元 は 松 坂 の柏 屋 兵 助 で あ る 。 翻 ち 上 木 覺 に よ る と 、 天 明 七 年 未 の 六 月 十 日 板 下 を 渡 し 、 同 年 の
暮 に 初 稿 、 翌 八 年 申 七 月 に 再 校 が いつ れ も 來 り 、 寛 政 元 年 酉 の 四 月 十 九 日 、 板 本 の 配 布 を う け て
ゐ る。 わつ か卅 六 丁 の小冊 子 に、 か く約 二箇 年 を費 し た に つ いてば 、彫 刻 は早 く 出 來 た が、 折 柄
京 都 に 大 火 が あ つ た (天 明 八年 正 月卅 日 ) 爲 な ど で , 賣 弘 め が 延 々 に な つ た 故 で あ つ た ゆ 本 書 も 稿
本 が 本 居 家 に傳 は り 、 鈴 屋 遺 蹟 保 存 龠 に 保 管 さ れ て ゐ る が 、 本 文 中 次 出 の ﹁眞 暦 不 審 考 ﹂ の識 を
腰
}
、
〆
參 照 し て 、 板 本 に 於 い て 改 め た 箇 所 が 三 つ あ る 。 一 つ に は 、 板 本 ニ ゥ の 八 行 (全集 二 五 八頁 一〇行 )
メ
の 、﹁今 の立 春 め 程 を 春 の 始 ど い ぴ て﹂ 云 々 ば 、 稿 本 に は ﹁今 の 正 月 を む つき 乏 云 て ﹂ 云 々 と あ る 。
二 つ に は 、 縦 本 十 ニ オ の八 行 、﹁た と へば 親 な ど のみ' 衷 かり 免 ら む後 な ど
,
もし に始 ま り 、 同 十 三枚
シタ
ォ の 五 、 ﹁親 し く な む 有 け る 、
し に か た る 箇 所 (全集 二亠ハ五⋮ 二亠ハ亠ハ百ハ
) は 、稿 本 に は な く 、符 箋 し て
ハ
ジメ
きヲカアマ
リきカイツカ
補 つ た も の 。 三 つ に は 、板 本 十 七 オ の 四 行 、﹁月 立 の初 よ り 十 四 五 H に 訪 た る 日 ﹂ (全集 ご六 九頂 ﹀
は ・蘂 に は 葺 立 の初 よ 砺甥 メ .U .
雌 とあ る・ これ ら いつ れ も ・著 者 自 む の訂 正 で 脅 ・そ
・ \
の結 果 た る 板 本 が 、 定 本 と す べ き こ と は 、 言 ふ を 俟 た な い 。 隨 つ て 本 全 集 も 之 を 底 本 と し た 。 な
ほ 本 書 本 文 の 最 絡 は 、﹁書 紀 を よ 翫 む 人 は 、 か な ら ず こ の こ -
・ろ を え て し と あ り 畠
、書 き さ し のま 鼠
で絡 つ て ゐ る が 、 稿 本 竜 亦 同 樣 で あ る 。 (こ の事 に っ いて は後 述 。)
木 書 に 述 べ た と こ ろ は 漸 支 那 文 化 渡 來 前 の我 國 の 太 古 に 娃 、 自 然 の變 化 に よ つ て 、 一年 に 春 夏
秋 冬 の 四 季 が あ り 、 各 季 を き ざ ん で 、 初 , な か ば 、・宋 と 三 り に さ れ る こ と 、 ま た 別 忙 、 大 室 の 月
の 滿 缺 を 標 準 と し て 、 月 を 定 あ 、 そ の 月 の各 を 、 っ か た ち 、 も ち 、 つ ご も り と 三 つ に ぎ ざ む こ と
ぐ ら ゐ が 知 ら れ て ゐ た 薄 而 し て こ の 兩 つ が そ れ み 丶 お く れ 先 立 ち つ 乂、 何 等 の 關 係 と て は な く 、
別 々に 行 は れ て を り 、 し か 臨 そ の いつ れ に 於 い て も 、 そ れ 以 上 、 何 日 何 H と い ふ 日 次 は な ぐ 、 す
解
騨 . ・
一 {、
羅
、
、
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題 ・
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べ て大 ら か であ つ距。 これ が皇 組榊 か ら授 け ら れ 疫 自 然 の暦 法 、帥 ち 眞 暦 であ つた 。 そ の後 、 三
韓 と 交通 し て支 那 の國 書 が渡 るや う に な つ てか ら 、始 め て 一年 を十 二 月 と し 、 そ の月 々に名 を負
ふ せ た。 灣
}は雄 略 仁 徳 の御 代 の頃 の事 であ る。 (甲子を用 ゐ始 めた のも恫時 であ る。
)續 い て さ ら に御
代 々 汝を經 て、 推 古 の御 代 の頃 に 、百 濟 が暦 本 を 奉 るこ と あ り、 こ 分時 か ら 、 いよ く 暦 法 を用
ゐ 、 か く て 月 次 の 月 と 天 の月 に よ る 月 と を 一 つ に 合 せ て 、 何 日 何 日 と い ふ 日 次 、 一年 回月 の 臼 數
も 定 ま り 、 今 日 の如 く に な つ た 云 々 と い ふ の で あ り 、 こ の見 地 か ら 、,さ ま み 丶 の古 書 に い で た 暦
ミ マキ
U の 觀 念 を 明 ら か に し う 更 に ま 驚 、 書 紀 に論 じ 及 ん で ・
は 、﹁然 る に 書 紀 に は 、神 武 の 御 卷 に 、 是 年
也 太 歳 甲 寅 、 冬 十 月 丁 巳 朔 辛 酉 云 々な ど あ る を は じ め て 、 す べ て 上 つ 代 の事 に も 、 皆 年 月 を し る
セ ナミ
し 、又甲 子 に} つし て 、 日次 ま でを し るさ れ た㌧
る は、 い とも く 心 得 が 海 し﹂ と な し 、書 紀 の紀
年 の信ず べ か ら ぬ事 を霄 つ た。 (
前 記の本書 の末 の書 きさしは、或は幾分憚 るところがあ った爲か。) 宣
長 の離間 の,古 代 の客冖
觀 的 闡 明 を あ ざ し た文 獻⋮
學 的 性 質 と 、 彼 の科學 者 的方 面 と は 、本 書 に よく
代 表 さ れ て を り 、之 を李 狛 篤 胤 の ﹁天朝 無 窮 暦 ﹂忙 比較 し て 、宣 長 の學 風 の特 色 は 、 い よ/ \ 明
ら か にざ れ る9 ' 、
一
呶 邑
﹃眞暦 不審考 辨﹄
本 書 は翼 唇 考 に封 す る名 古屋 の學 者 川邊 百彌 信 一(舞津老隱)の駁論 を 、 同 地 の門 入 新 井 在 雄 (
寛
政尢年入門)が ,宣 長 の許 へ逡 つて來 た のを讀 ん で 、辨 じ たも の。著 作 年 代 は 、年 譜 寛 政 十 二 年 の
藤 に 、﹄
既 成 と あ るが 3.
本 文 に よ つて 、眞 暦 考 刊 行 前 のも の であ る こと が知 られ る。 恐 らく は,寛 ・
な
政 元 年 (六十歳︾ にや 玉先 立 つ頃 であ ら う 。 (碕し て川邊某 の { .嚇臼書肆 二迄リ テ閲 シタし と いふ虞暦考
は,勿論板行前 ρ寫本 であ つた。
) さ て本 書 の板 行 は、 宣 長 の歿後 、文 政 議年 十 二 月 で 噛 そ の・
事 に疊田
つた のは 、 ぐず 花 の揚 合 と 同 じ市 岡 猛彦 で、板 元 は名 児 屋 の菱 屋 金兵 衞 であ る。 猛 彦 が 用 ゐ た 原
・
本 は 、宣 長 が在 雄 に寄 せ 完答 書 と の事 であ る。 ・
本全 集 本 は、前 記 の・
文 致 の板 本 を底 本 と し た が 、 峯
本 全 集 に於 け る他 の例 に よ らず 、句 讀 點 を新 だ に施 し、 濁 蠍を 補 ぴ 、加 之 本 父 申 、 明 ら か に誤 脱
と 思 はれ る而
數 箇 所 は 之 を 正す こと を 敢 へて し た。 (
例 へば 霊 一
,四頁 鴎行 ツィタチ﹂ツゴモ、
リ の問 に屯チ
ち
を捕 ひ、 三四四冒︽一〇行 ヨシナ シト のシを補 つ売﹂類 ひ。
)
本 書 の内 容 は ﹂眞 暦 考 全部 に わ た る約 卅七 條 の不 {
番莠 の縫押
を擧 げ て 、 画々論 辨冖
し たも の で、論
鋒 の峻 烈 な と こ ろ は、前 出 のくず 花 と似 、.讐 喩 の好 み 用 ゐら れ た のも 同 じ い。 最 後 の第 卅 七條 の
、、
魅
解 邀 , 一二 , ・
℃
一r凹 囁m喫
呻
ム げ
ら
解、 題 ﹁ .
、 嚇四
.灘 の暦 法 に鸚 す る所論 な ど 、最 も 袋 的 とす べ く 、 之 髭 較 t て、 い・
か に宣 長 と讐 と の古 代
0
に對 す る理解 が 、而 し て叉 農 識 や 頭 腦 が 段違 ひ であ る か 貸 わ か る。 そ の他 難 者 の.
、單 に支 那 在來
の暦法 に のみ な つ備 で、 却 つて暦 法 の奎 知 ら な い の をそ レ り 、阿 蘭 陀 の暦 法 ξ 笈
した 如 き ・
注 意 に價す .
兮. さら にま た 、本 書 に於 い て、宣 長 の難 者 の言 に よ つて覺 ? x惷 ぴ違 ひや 言 ざ ま ,
心
の不 備 を 、 卒 直 に 認 め た のも 、 く ず 花 の場 合 に 唹 け る と 伺 じ い 。 (術 寿て件 砂三四箇 所 は ・ いグ わも
、極 歪 於 い て改 め毳 三 る こ と 、前 項 に 述 べ た 墾 で あ る ・) . ∼ .
鹽 、
﹃玉 ぐ し げ ﹄ ㌃
著 作年 代 は、 次 出 の 踊
、祕 本 玉く しげ﹂ を、 天 明 七年 十 二月 領 圭 紀 伊 侯 の 下 問 に 答 ぺ て 上 つ た
際 に 添 へた と い ふ こ と .
、 ま た祕 本 中 に別 卷 と し て鴦 及 し てあ る とと な ど か ら 、祕 本 成 稿 前 に屬す
と さ れ 、.年 譜 に も 天 明 六 年 の 條 ・
に銑 ・
灰 と あ る が 、 或 は 祕 本 と 同 時 か と も 思 は れ る 。 いつ れ に せ よ
天 明 六 七 年 (五+ 七 八歳 ) の 頃 の著 で あ る 。 而 し て 本 書 は ﹂ 成 稿 に つ ゴ い て 、 七 年 申 二 月 に 板 下 を
ね
童 臼店 に渡 し 、 二 年 間 を 經 て 、 寛 政 二 年 戊 三 丹 に 配 本 さ れ て ゐ る。 奥 付 は 寛 政 沁 年 十 一月 ・ 枇 元 は
ザ
名 皃 屋 越 智 廣 海 で あ 喝 。 蒲 し て 板 本 に 依 、名 兒 屋 の門 人 横 井 千 秘 の 序 が あ る 。(滑あ 序 が・ 宣 長 の筆
國
一
にな つた ことは、寛政元年四月十六研付 の宣長 の千秋宛 の書歌 にあ る。
) 然 る に本書 ﹂
には、﹁玉 匣 別 卷﹂ と
、題 し た稿 本 が 、鈴 屋 遺 蹟 保 存 會 に保 管 さ れ て ゐ る。 兩 者 の本 又 を比較 す ると、 大 體 は 同 じく 、板
、本 が 少 し く 詳細 と な つ て をり 、例 の板 行 に當 つて推 敲 され 、 補 正 さ れ た こと を 示・
ず。 千秋 の序 に、
﹁下 書 の名 に負 ふ 匣 の底 に の これ るを﹂ と あ る に よ つて、
.板 本 の方 をば 、 稿 本 以 前 の・
未 定稿 と見
る論 もあ る が 、首 肯 し が た い. 玉 匣 別卷 に な く し て、玉く しげ の卷 頭 に あ る 、.
﹁身 にそ は ぬしつ が
し わざ も 玉 匣 あけ てだ に見 よ 中 の心 を﹂ の歌 が 、﹁此 書 は あ る御方 に 道 の大 む ね﹂云 々 の詞 書 を そ
へて 、板 本 の卷 頭 にあ る こと も 、 こ の事 を示 す 。 かや う にし ⊂ 、本 全 集 ではb こ の揚 合 もま た 、
蝉
當 然 板 本 を ば底 本 と し た 。
本 書 は、 ﹁祕 本 玉 く し げ﹂ の實 際 的治 道 策 の爲 に、粮 本 原 理 を論 き 、古 道論 と し て は 、宣 長 の
著 書 申 最 も 代 表 的 のも の であ る。 直 毘靈 に比 し て さ ら に詳 細 に、﹁玉 鉾 百首 ﹂に 比 し て 禰暦 系統 的
で 、彼 の古 道読 の全 貌 は 、極 め て要 頷 よく ま と め ら れ て ゐ る︽
タ
縛
﹃祕 本 玉 く し げ ﹄
本 書 が 、 ζ の名 を負 う て板 行 さ れ た のは、 嘉 永 四年 五 月 で、座 摩 宮 祝 部 薑 園藏 版 、 活字 版 で 二
解 鬻 '
隔
}五
ρ
,
解 題 . ・ ・ 喝
工ハ
ぱ
冊 に も の さ れ 、 初 め に 同 就 就 務 渡 邊 近 江 守 資 政 の序 が あ り 、 と の 書 の寫 本 の傳 は ゐ ヒ と の 稀 な の 、
を嘆 い て 、 佐 久 良 東 雄 が 出 版 し た よ し が 記 さ れ て ゐ る。 本 書 は 一般 に ヒ の板 本 に よ つ て 普 及 さ れ
ρ
た が 、 外 に本 書 に は 、 單 に ﹁玉 く し げ ﹂ と 題 し た 寫 本 が 傳 へ ら れ ﹂ さ ら に 又 、 明 治 三 年 本 居 豐 頴
が 出 版 し た ﹁玉 匣 別 本 ﹂ 二 冊 が あ り 沸 瀧 本 誠 一の 日 本 經 濟 叢 書 卷 十 六 (大 正 四 年 刊)所 牧 本 は 之 に
、
よ つた 。,豐 頴 本 は 前 記 の 寫 本 の系 統 に 屬 し 、さ ら に 遡 つ て 本 居 家 所 藏 の 自 筆 砂 原 本 忙 よ る も の で
あ る 。 而 し て 活 字 本 と 原 本 と の比 較 に 於 い て は 、 こ の暢 合 は 、 明 ら か に原 本 (叉 それ を 傳 へた寫 参
や豐 頴 本 )が 勝 れ て を り 、 活 字 本 に は 、 乏 こ ろ ム 丶 に 字 句 の 間 違 ぴ が あ る の み か 、 二 箇 所 の脱 交 さ
へあ る 。 随 つ.
て 本 杢 集 も 、 本 書 の場 合 は 、 活 字 本 を 採 ら な か つ た ゆ た 里 名 稱 は 、 活 字 本 を襲 つ て 、
﹁祕 本 し を 活 か し た 。 け だ し 祕 本 の 名 は 、 果 し て 宣 長 が 用 ゐ た か 否 か 拭 定 か て 激 い が 、 宣 長 が 、
本 書 を公 け に しな い意 志 で あ つた こと は 、寛 政 十年 某 月 某 日付 本 居 大 季 が渡 邊 重 名 に宛 て た書 歌
・
騨
の中 に 、 コ 、 玉 匣 の義 上 木 無 之 候 。 國 君 へ指 上 候 品 に て 、 上 木 は 不 相 成 候 。 其 内 別 卷 と 申 す 一
唱
.
、
卷 は 、 上 木 相 成 候 。﹂ と 為 る 如 く で 一 か く て い つ し か 、 ﹁祕 本 玉 く し げ ﹂ と 七 て 知
め
ら れ て來 た ので
あ る 。 今 更 之 を 改 め る 必 要 を 見 な い と 思 ふ 。㌃
聯
本 書 は 、"
既 に 述 べ た 如 く 前 項 の玉 く し げ と 二 部 作 で 、 領 主 徳 川 治 貞 の下 問 に 答 へた も の で あ る。 ・
場
、
け だ し天 明 五 六年 以 來 、世 相 險 悪 に趣 き、 米 價 高 直 天 下 を舉 げ て人 民 大 困窮 を爲 し、 紀 州侯 の治
卞 、和 歌 山 を は じ め諸 地方 も ま た、 そ の歌勢 を 同 じ う し た。 こ の時 に際 し て 、 和歌 山勘 定 方 に勤
め た門 人 の 一人 から 、そ の旨 を承 け て記 し た のが本 書 であ る。 隨 つて そ の開 陳 じ たと ころ はL 左
こま でも賢 際 の經 世 策 で あ るが 、 まつ そ の根 本 と し て 、敬 瀞 と 奪 皇 と の二 つを擧 げ 、 政 治 舟 はす
べ て簡 素 自 然 を第 一
、とす る立揚 か ら し て 、或 は奢 侈 を減 め て儉 約 を論 き 、或 ば租 視 を輕 減 し て貧 げ
富 の懸 隔 避少 くす べ き を言 ぴ 、或 は金 銀 の通 屠 を少 く し て、 む し ろ 正物 取 引 を行 ふ べ き こと 、或
は 冗
員 の
淘 汰
す べ き こへと を圭 張 し、 種 々時 弊 に對 す る適 切 た救 濟 策 を述 ぺ、
ると と も に 、 あく ま で
竜 急激 の革 新 は之 を さけ て、 む し ろ漸進 的 、 保 守 的 を 圭義 と し 、人 爲 を斥 け て自 然 を 圭ん ず る を、
、
紳隨 のま こと の道 で あ る と し て、 唱 道 し た 。 そ の他武 士 の切腹 の習 慣 の輕 々し くす ぺ から ざ るを 隔
戒 め 、家 老 た るも のの塞 位 を擁 す るヒ と な く 、本 務 を盡 す べ き を切 言 し 、 賄 賂行 使 の惡 風 の 一掃
・
す ぺ き を蓄 へるな ど 、 いつ れ嵐
も傾 聽 に價 す べ き で、惣 じ て儔 者 の所論 に 此 し て清 新 味 あり 、 徳 川
時 代 諸 家 の治 道策 中 の異 色 を 爲す 。 而 し て本 書 の本 文 が領 主 への上申 と い ふ點 から も ,少 な から 喰
ず 推 敲 され た結 果 であ る こと は當 然 で、 口繪 に擧 げ た草 稿 の 一葉 は 、 正 しく 之 を證 明す る。
、
解
㌧
題
一七
労
解 題 一八
﹃國 號 考 ﹄
本 書 は 、 天 明 七 年 (五+ 八歳) に 既 に 成 り 、 三 月 板 行 に 取 か ﹄り 、 + 月 卅 日 に 配 本 さ れ た 。 版 元 ゴ
は 松 坂 の柏 屋 で あ る 。 本 書 も 亦 、 稿 本 は 鈴 屋 遺 蹟 保 存 會 に 保 管 さ れ る が 、 板 本 の定 本 と す べ き ア
㌔
と は 他 と同 じ く、 本 全 集 ま た之 を底 本 と し た。
ニ ヤ
ム
本 書 の 内 容 は 、 そ の 名 の 示 す が 如 く 、 大 八 洲 國 、 葦 原 中 國 、 夜 麻 登 噛 倭 の字 , 和 の 字 、 臼 木 、
豐 ま た 大 て ふ 稱 辭 等 、 諸 項 目 に つ い て の考 證 で あ る 。 そ の 試 み が 、 夙 に ﹁石 上 私 淑 冒 ﹂ に 見 え た
ノ
と と は 、 同 書 の 解 題 に も 記 し 海 (而 し て遡 れ ば、 京 都遊 學 時 代 の抄 録 中 に端 緒 を求 め得 る。)が 、 一暦 精
細 に さ れ た の が 本 書 で あ る 。 而 し て 本 書 に 於 け る 考 證 の 態 度 は 、 極 め て 學 問 的 で 、 例 へば 日 木 に
ナ ノ ミ テラ アレ
つ い て 、﹁日 本 と し も つ け た ま へ る號 の意 は 、萬 國 を 御 照 し ま し ま す 、 日 の 大 御 紳 の 生 ま せ ゐ 御 國
ニシノモロく ノミヤツコクニ
と いふ意 か、 夊 は 西 蕃 諸 國 よ り、 日 の出 お方 に あ た れ る意 か、 此 二 つ の中 忙、 は じ め のは
殊 に こ と わ り に か な へれ ど 竜 、 そ の か み のす べ て の 趣 を 思 ふ に な ほ 後 の意 に て ぞ 名 つ け ら れ た り
ノ
け む 。 か の推 古 天 皇 の御 世 に 、 日 出 處 天 子 と の た ま ぴ つ か は し 玉 こ と も 、 同 じ こ ﹄ろ ば へな り 。}⋮
の ◎
と あ る如 き で あ る 。 (な ほ こ の説 に つ いて、 鹿持 雅 澄 は、萬葉 集 古 義 三 の巻詠 不盡 山 撒 璽條 の、﹁日本 之 山 跡
へ
國 乃 ﹂ の解 の う ち に 、 何 故 か 思 ひ 違 ひ し ザ
丶 宣 長 を 非 難 し な が ち 却 つ て 、 そ の 詭 を 組 違 し て ゐ る 。)
丶
.
﹃玉 鉾 頁 首 ﹄
,
玉﹂
鉾 は 道 の枕 詞 、 ・
や が て古 遘 を詠 ん だ 胃 首 で、ほ か に阿 廓 貍歌 と し て湘 卅 二首 が添 ふ。 天 明 六
年 (五十 七歳 )既 に 成 つ た と さ れ る 。 宣 長 の 編 年 體 の 短 歌 全 集 、 ﹁石 上 稿 ﹂ (
本 全集 第 廿 五冊 、第 廿 六 冊)
に つ い て 見 る と 、 翼 淵 に 入 門 レ 鞄 竇 暦 十 三 年 (瀞 四歳 ) の頃 か ら 、・古 風 も し く は 古 躰 と 稱 し て 、 本
來 の古 今 - 薪 古 今 風 に 封 し て 、 萬 葉 振 を 年 毎 に 些 か つ 玉 詠 み 試 み て ゐ る が 、 そ れ が 天 明 六 年 に は ︾
四 十 二 首 芝 い ふ 前 後 に 例 の 癒 い 多 數 を 示 し て ゐ る。 こ の百 首 は 、,石 上 稿 に は 出 でず 、 全 く 別 種 と
し て 取 扱 は れ て ゐ 惹 と は い へ、 恐 ら く は ま 海 、 か 玉る 勢 ぴ に 乘 じ て 詠 成 さ れ た も の で あ ら う 。 、
な
吼
一
ほ
置
石 上 稿 申 に も 、﹂そ の 後 の 作 中 に は 、 例 へば 寛 政 五 年 癸 丑 詠 草 の 三の た N へ歌 、
冑、 ノ∫
よ も や 竜 に國 は多 け ど 敷 し ま の倭 し ま根 ぞ 八 十 のお や國 鴫 ・
國 ご と に 君 は あ れ ど も 高 び か る 吾 日 の 御 子 そ や も の大 き み
國 々に 道 は レあ れど 天照 す 神 の授 け し 道 ぞ ま さ 道 広
の O
独
如 き同 種 の作 が、 た まノ \ 詠 ま れ た の を見 る。而 し て本 書 は同 年 十 月 四 日 板 下 を書 い て逸 ら、 れ ,・
解 題 ' 、 噛 曽 。 一九
'
、野
ぬ
解 、 題 ・ . .
'
二〇 '
同 十 二 月 上 旬 に 校 合 摺 り 全 部 出 來 、 翌 年 二 月 四 日 板 本 始 而 參 る と 記 さ れ る 。 板 元 は 松 坂 の柏 屋 兵
助 で、題 簽 、 内 題 と も に玉 鉾 百 首 と し 、 本 文 は萬 葉 假 名體 に振 假 名 をし 、 凡 て 十 七枚 に 牧 め て ゐ
る 。 こ れ が 原 刻 本 で 、 や が て 本 全 集 の底 本 と し た と こ ろ 。 し か 惹 に 本 書 に は 、 鈴 屋 遺 蹟 保 存 會 保
管 の 稿 本 が あ る 。 玉 桙 百 首 と 題 す 。 (宣長 は桙 、 矛 ま た鉾 さま ム丶 に 記 し た。) 之 を 板 本 と 比 較 す る と }
内 容 は全 く 同 じ で、 た ゴ坐 (
板本)が 麻須 (
稿 本 )、 皇 図 (板 本) が 御 國 .
(稿 本) と あ る た ぐ ぴ の文
字 の異 同 が あ る の み であ り 、 そ れ ら と て も 、 特 に 一定 の方 針 が あ つ て の こ と と も 見 え ぬ 。 表 だ そ .
の問 忙 最 も 著 し い も の と し て 、 第 三 十 番 の 歌 、 板 本 に は 一
ヵ ノコヘロ
ナシ ト オモヘ
ド フミジ ヨ
ム ヒトノ ゴヘロハナホゾ カラナ ル
漢 意 那斯 登 思 閉杼 書 等 余 牟 人 乃 心 者 獪 敍戎 那流
、
が 、 稿 本 で 健 、 .
㍉ ド
・ 、
フミラ ヨ ム
ヒトノ ぴヘロバ カラゴへにナシ ト オモヘドナホゾカラ ナ ル
.・書 等 余 牟 人 乃 心 者 戎 意 那 志 登 雖 思 獪 敍 漢 那 流 .
と あ り 、第 五十 一
.︼番 の歌 、 板 本 に は 、 、
く ノナリヅ ル モよ カミム ス ビタカミ ム ノ カミノ ムスビ ゾ
諸 之 成 出 疏 本 者 神 産 欒 日高 御 産 日之 紳 之 産靈 敍
が稿 本 で は、
モー2ノ
\ハヘ ズ。ビノカミノ ムスピ a リ ナリヅルモノヲ ヒトハ
イ カ.ニ
シ ル
/
諸者産⋮ 巣 日神 之 産靈 用 理 成出 物 袁 人 者伊 加 爾 斯 琉 , 眠
グ
一・砥
∼
副
と あ る、 而 し て こ の揚 合 、
・爾 者 を 讀 み 比 べ て 、 板 本 の方 が 、 歌 と し て の推 敲 の結 果 を 示 す に 外 な
ら な い こ と は 明 白 で あ る。 板 本 の定 本 と す べ き は け だ し 言 ぶ を ま た ぬ 。
ま た 本 書 は 、 天 明 七 年 の漂 板 以 後 、 し ば フ ∼
V複 刻 さ れ 、 そ の 間 に 、 若 干 の異 刻 本 を も 見 た 。 最
アヅマテルミカミタフトシ
も 著 し い の は 、 阿 痲 理 歌 の最 絡 の ﹁東 照 御 神 貴 志 ﹂ 以 下 家 康 を た Σ へた 三 首 を 省 い た も の で あ る。.
そ の 最 初 の板 本 は 、 字 體 も 丁 數 も 原 刻 本 と 同 様 で 、 た 穿 絡 り の 第 十 七 丁 の表 を 、 六 行 三 首 と し ,
トヨクニノ カミノ ミ イ ツ ハ
﹁豐 國 乃 神 之 御 稜 威 者 ﹂ 云 々 の 作 で と お め 、 あ と を 餘 白 と し て 、 玉 鉾 百 首 絡 と し た 一本 で あ ら う 。.
(原版 本 には 、 つ 穿 いて例 の 三首 が あ サ、 同 丁 の裏 四行 に及 ぶ 。
) そ の何 人 の 手 に 出 で た か は 未 だ 明 ら か
で な い。 而 し て 恐 ら く は そ れ よ り 後 、 朋 治 三 年 、 青 柳 高 鞆 が 井 上 頼 囲 巴 と も に 板 行 し た 白 文 の本
は 、別 に本 末 の歌 を添 へ海が 、 同 じ く 件 の三首 を省 い て ゐ る。特 に 思 ふ と ころあ つて爲 され た こ
と は明 ら か であ る。
本 書 は 天 照 大 神 の 道 か ら 始 め て 、 專 ら 紳 代 俾 諡 に よ つ て 、 國 體 觀 そ の 他 古 神 道 の觀 念 や 思 想 を
敍 べ 、 罪 悪 觀 に 終 つ て ゐ る 。 歌 と し て 各 首 命 題 的 に 述 べ ら れ る と と も に 、 自 ら 幾 首 づ Lか の蓮 作 .
の群 を な し 、、
そ の間 自 ら組 織 や 體 系 も あ り 、 正 しく 宣 長 の占 道觀⋮
の全貌 を明 ら かな ら し め て ゐ る9
附 録 の あ ま り 歌 は 、 主 と し て 國 史 上 の 事 件 に つ い て 、 大 義 名 分 を論 い た も の で、 秋 霜 烈 日 の概 、
鴨
解 , 題 ・
二 瀧
馬
艶
解
' ' .題 . 、 、 ド . p" 顧 =一
馭戎 慨 言 と 相 通ず る趣 が あ る。 要す るに本 書 は 、決 し て單 な る百首 では な く 、否歌 の表 現 を と れ
るだけ に特 に 明 白 に威 彼 の杢 思 想 を表 現 し得 た古 道 の圭 著 の 一つ であ る。
本書 に は, 大 亭 の ﹁玉鉾 百 首 解 ﹂ (
寛政七年六月初稿、 八年九月成稿)は じ め曝 青 柳 高 鞆 の ﹁玉鉾
確
百 首俚 言 解 し (明治九年刊) など の註釋 が あ り 、ま た同 じ く 、大 李 の ﹁倭 心 三百 首し(丈政五年成)を
は じ め 、 生 田這 滿 の眞 澄鏡 百 首 等 之 に な ら つたも の幾 種 か が あ る。
﹃天租 都 城辨辨 ﹄
本 書 は寛 政 八年 辰 九 月 膏 七 日 板 下 を 遣 し 、校 合 の上 、 翌 九年 巳 六十 八 歳 の五 月 に 板 行 、板 元 は
名 見 屋 の永 樂屋 であ る。 本 全集 に底 本 と し た の は こ の板 本 であ るが、、本 書 の原 稿 は、 本居 家 に は
完 全 に は傳 は ら ぬ よ し であ る。・
本 書 は、 宣 長 が夙 に同 國 一身 田 の儒 者 、川 北 十藏 景 槙 の著 し た ﹁天 祗 都 城 辨﹂ (明和四年+月成)
を讀 み 、 そ の非 を論 じ た の を、 後年 書 改 め た も のであ る。 初 め て稿 し た のは 、彼 が安 永 元 年 (四
ρ
+三歳)瀞 無 月 骨 一日付 谷 川 士清 宛 の手 紙 に、 ﹁川 北 氏 都 城 辨 、 甚 ダ論 ズ ベ キ事 多 シ。 追 而 書 付 入
φ
御 覽 可申 候 。今 し ば ちく 御借 可被 下候 。し と あり 、 さ ら に 翌 二年 二月 五 日付 同 人宛 の手 紙 に、コ 、
川 北 氏 都 城 辨 御 見 セ被 下 ﹂ ゆ る / \ 披 閲 仕 候 。 是 も 儒 見 一
一而 、 ぴ が 事 二御 座 候 。 す べ て 天 照 大 紳
ヲ , 此 國 土 二ま し ノ \ し や う 二存 じ 候 は 、 み な 儒 二お ぼ れ かる ひ が 事 轟而 、 御 國 ノ意 二候 は ず 、
右 都 城 辨 ノ 叉 辨 ヲ か き 申 候 故 、 入 御 覽 申 候 。 川 北 氏 へも 御 見 せ 被 下 、 返 答 承 度 候 。
﹂ と あ る に よ
つ で 、 推 測 し 得 る 。 と の時 の稿 本 に つ い て は 、 未 だ 知 る を 得 な い が 、 天 明 八 年 の 頃 、 青 柳 種 信 が
小篠 敏 の 本 を 寫 し た も の と 比 較 す る と 、 板 本 に 於 い て 、 は う か に 整 へら れ た 跡 が 見 え る.
よし であ
る 。 (斯 道 丈庫 報 、 昭 和十 八年 第 十 四 號 所載 、笹 月 涛 美 氏 、﹁青 柳 種 信 とそ の手寫 ぜ る 天阻 都 城辨 々 の稿 本 κ
つ い て﹂・
參 照。) 、 榔
オ
ノ
本 書 の 所 論 は 、辨 が ﹁聯 別 本 紀 ﹂ に 、天 照 大 紳 の都 は豐 前 の中 津 也 と あ る の を 破 し て 、 大 倭 國 で
、/
毒 る と 爲 し た の に 封 し て 、 い つ れ も誤 り で古 典 に そ む い た 鰍 言 と し 、 古 事 記 は じ め 古 典 の傅 へ る
と ころ に よ れ ば、 大 紳 は今 遇 眼 前 に仰 ぎ 見 る天津 日 に ま しノ \ て、 永 久 に高 天原 を知 うし めす 故
ア ズ
に 、 そ の大 宮 所 は 天 上 に あ る こ と は言 ふ を ま た ぬ 。 後 世 の 人 の 、 此 大 御 神 は 天 皇 の 大 御 組 に ま し
獅
ま し て 、 天 つ 日 に は ま し ま さ ず 、 此 國 土 に ま し ノ\ し 紳 人 な るべ し と い ふ の は 、 結 局 漢 意 に よ る
⋮
推 測 で 、 さ ま λ一
丶 の邪 論 の源 であ ると な し た も のであ る。 而 し て 瀕
)の 所 諡 の 根 柢 と し て 、 紳 典 の
と と は人 知 を以 で推 測 る べき でな いと いふ 不可 知 論 的 神 祕 読 の存 し た こと は 、明 ら か であ る が 、
解
'F
題 〇 二三
、
丶
●
解 題 ■ ・ 府 隔 〇 二四
. 噂
か く の 如 き は や が て 、 古 典 に よ る古 代 入 の 天 照 大 紳 觀 の あ め の ま 猿 の 闡 明 に 外 な ら ず 、 古 事 記 傳 、
そ の 他 に 述 べ ら れ た 、 宣 長 の絡 始 一貰 し た 見 解 で あ る 。 而 し て こ Σに も 宣 長 學 の古 代 人 の 意 識 の
再 現 を めざ し た文 獻 學 的 性 格 の、 最 も著 しく 發 揮 さ れ てゐ る のを見 る。
陶
﹃臣 道 ﹄ ' .
が
ボ或 入 の 問 に 答 へて 、 現時 臣 、 離 ち 役 人 た る も の 呈、 古 道 の 立 場 か ら し て 、 國 君 に 仕 へ、 民 を 治
ぬ る 心 ば へ如 何 を 喩 し た 短 編 で 、 慶 應 三 年 に 、 尾 張 藩 士 岡 田 豐 秋 が 板 行 し た 。 そ の 後 明 治 廿 六 年
噛の交 、﹁や ま と 叢 誌 ﹂ の第 二 冊 等 に も 收 め ら れ た 。 而 し て こ れ ら の諸 本 、いつ れ も 間 者 を 、單 に ﹁或
入﹂ と し て ゐ るが 、 井 上頼 囲 の
一
﹁本 居 宣 長 翕 著 書 解 題 ﹂ (
國 學 院 雜 誌 第 七 卷) に よ る と 、 之 を ﹁千 麿
圭 ﹂ と せ る 本 が あ るσ 果 し て 然 ら ば 、 問 者 は 、 宣 長 の 名 兒 屋 に 於 け る有 力 な 門 人 横 井 千 秋 で あ る 。
而 し て 元 來 本 書 に つ い て は 、 年 譜 享 和 元 年 の條 に ∵ 既 成 と あ る の み で あ る が 、 干 秋 が 天 明 五 年 冬
ノ
ノ
ノ
宣 長 へ逸 つ た ︼書 歌 (本居 宣 長 稿 本 全集 ニ ノ 四 九四) を 見 る と 、・ コ 、 君 意 、 臣 意 、、萬民意等之事 に
付 、 獪 ま た御 細 書 ヲ 以 、 御 導 キ被 仰 下 候 趣 ど も 委 細 承 知 仕 候 。 覗 ら か な る 御 事 ど も 、 重 々彜 敬 感
ノ
ノ
伏 仕 候 コ 忝 仕 合 奉 存 候 。 被 仰 聞 被 下 候 通 、 此 度 之 御 草 稿 ニテ 、 君 意 臣 意 等 、 よ く / \ 相 分 り 、 此
喉
上可 申 上 儀 無御 座 候 處 、 軍 而 相 願 ぴ候旨 趣 は 、兼 々同 様 之 儀 ,御 心 掛被 置 候 御 趣 も被 在 之候 よ しー
御 物 語御 座 候 段 、 承 鄭 仕 候 に付 、 左 候 は 夐、誠 に幸 之 儀 、此 度 ノ御 草 稿 、御 文 意 ヲ モ右 御 心掛 量
か れ候御 著 述物 ノ中 へ、 も し御 加 述 可 相 成御 事 に も候 は ぐ、 宜御 加 合 さ れ、 獪 委敷 御 事 ど も 、御
著 述被 添候 両 、 一卷 ノ御 書 に御 仕 立 被 成 下 、何 卒ノ 丶御 授 被 下 置候 様 、仕 度 旨 趣 を以 、 重而 御 願
'
ひ申 上候 儀 に御 座 候 。L 云 々と あ る のが 、 少 く と も本 書 と關 係 が あ るら し い の で、本 書 は 、宣 長
の相 應 に早 い時 代 の作 に擬 し て 、 差 支 へな い と 思 は朮 る。 而 し て本 書 の趣 旨 は、 卷 末 にそ へた、
し ま らく も直 日 の紳 を忘 ら す な 君 と た み と のみ申 と る臂
の 一首 に明 瞭 であ る。な ほ ま た石 上 稿 寛 政 四年 壬 子 詠草 中 に ,﹁横 井 干秋 の 心 さし深 き 事 を め て エ、
・
よ み てお く り け る。 君 を お も ひ世 を思 ふ と て道 を思 ふ 君 か顧 び はむ な し から め や﹂ と あ る のも注 訐
意 され る。
な ぼ本 全集 に は前 記 刊 本 を底 本 とし て、 他 を參 照 し た。
﹃鉗 狂 人 ﹄
け ん き や う じん と訓 む 。 鉗 は首 か せす る意 。 本 書{は 天 明 五 ・
年 (五十 六歳 ) の 十 二 月 に 成 つ た の
'
を塾
解 髓 二充
■
@
﹂解﹃
鰍嶋
'
p
嘔
二亠
ハ
歿 後 文 政 四年 五月 に.
、 同 二年 三 月付 度 會 正 兌 の序 を付 し て 、京 都 堺 屋 そ の他 が板 元 と な つて板 行
し た。 和 歌 山 の書店 高 市某 が思 ぴ 立 つて、 大 干 に乞 う て板 行 す る に至 つたと ば 、件 の序 文 の記 す
ノ
と ころ であ る。 而 し て 本 書 の原 稿 は、 鈴 屋 遺 蹟 保 存會 に 保管 さ れ、
鉗 狂人 衡ロ發辨
と題 さ れ て ゐ る。 (板本、稿本と竜に、終 りに ﹁水草 のう への物語﹂ の 一丈 を附す。) 本 全 集 本 は、 板 本
を底 本 と し て 、稿 本 を參 照 し た 。、
本 書 は 、宣 長 と同時 代 で少 しぐ 年 長 であ つた 京都 の考 古 學 者 藤 井 貞 幹 が 、 天 明元 年 七 月 に著 し
た ﹁衡 口發 ﹂ の所 読 に憤 慨 し て 、論 駁 し たも の であ る。衡 口發 は支 那 申 心 の史 觀 か ら し て、 紳 代
・の年 數 の信 ず べ から ざ る こと、 素 戔 雄 尊 は薪 羅 人 で、 そ の君 長 であ る こと 、神 武 帝元 年 辛 酉 は六
百 年 繰 下 げ て正當 な る こと等 を序 と し て、皇 統 、言 語 、姓 氏 ↓ 國號 、 紳 璽 、年 號 、 容 飾 、 衣服 、
O
喪 葬 、 祭 祀 、 拍 手 、 和歌 、詩 賦 、國 史 、制 度 の十 五項 目 に わ た つて、 凡 て わ が古 代 文 化 の支 那 朝
鮮 に 由 來す る こと を述 べ、﹁こ れ ら の事 は、書 を讀 む人 の眼 高 から ざ れ ば 共 に談 じ が たく , 癡 入 の
前 に夢 を と く が 如 し。﹂ と な し たも の であ 6ρ 所論 嶄薪 なも のな い で臓 な い が、 概 ね 思 付 き を 出
でず 、古 書 を讀 む こと精 し からず 、 か つ假 托 の書 にょ る作僞 さ へあ る。 加之 そ の諡 中 、國 體 の愈・
◎
巌 を 冒 漬 す る 嫌 あ る も の 、 ま た な し と し な い。 さ れ ば こ の書 が 出 る や 、 當 時 在 京 の渡 邊 重 名 は 之
を 讀 ん で 穴 い に怒 り 、 直 ち に 宣 長 に お く つ て 論 破 を 求 め た 。 之 を 容 れ て も の し 海 の が 本 書 で あ る 。
貞 幹 の 所 説 の 無 稽 を 朋 ら か に し 、 前 記 の如 き 學 問 的 缺 陷 を 抉 捌 し 、 之 に 封 し て 、 そ の 古 道 の見 地
を 宣 揚 し た 竜 の で あ る 。 さ れ ば 最 後 の 一節 に 、前 に 引 用 し た 貞 幹 の嘗 を 擧 げ て 、﹁ぴ 悔 す ら 強 て 皇
國 を いや し め お とす を、 眼 高 し と 心得 た る は、 返 つて 眼 も 心も 卑 しく し て 、漢 籍 に お ぼれ 惑 へる 毎
'故 也 。 今 輔暦 眼 を 高 く し て 見 よ 。 そ の 非 を さ と る べ し 。﹂ と し ﹂﹁わ が 古 學 の眼 を 以 て 見 れ ば ﹂、外
國 こ そ す べ て わ が 少 名 毘 古 那 大 紳 の 始 め 給 へ る も の 、 伏 羲 以卞 支 那 の い ふ 聖 人 も 、 も と は 此 紳 よ
り 出 海 巴 い び 、 後 年 の 夲 田 篤 胤 の ﹁三 五 本 國 考 ﹂ の論 の源 を 爲 す 言 を な し て ゐ る 。 な ほ 宣 長 が 、
天 明 六 年 十 二 月 十 九 日 付 で 荒 木 田 術 賢 に 途 つ た 書 歌 で 、﹁一、 衡 ロ 發⋮
、鉗 狂 入 爾 冊 御 返 却 被 下 牧 領
、
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仕 候 。 愚 辨 之 趣 、 御 同 意 に 思 召 候 由 、 大 悗 仕 候 。 三 才 圖 會 レ℃
髮 長 之 形 を画 て 、 日 本 人 と せ る 事 、
誠 に 笑 ふ べ き 事 に御 座 候 。 彼 狂 人 が 證 と す る 書 共 、 皆 此 類 に て 候 也 。し と いび 、 叉 石 上 稿 天 明 七
拶
年 の詠 草 の う ち に 、﹁鹿 島 元 長 に 鉗 狂 人 を か し た る か へす と て 、作 り て お く り た る ふ み のす ゑ の 句
に 、 應 驚 元 有 日東 春 と い へ る に つ き て 、 か へし 。 も ろ ヒ し の よ し 野 の 山 は と ぴ 竜 児 じ 櫻 を 花 の 口
の本 の春 ﹂ と あ る な ど 、 いつ れ も 參 照 す べ き で あ る 。
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附 載 の ﹁水草 のう への物語 ﹂ は、 儒 歡 や 儒 教 的言 説 に封 し て、 一見物 は か なげ に見 え る古 道 が ,
か へつて眞 理 で あ る こと を読 い た寓 意 談 であ る。'こ の書 は、 天 保 十五 年 に本 居 内 遠 の標 註 を そ へ
ゆ
で 、 單 獨 に板 行 し て ゐ る。 (昭和十 九年 四月五日記す。 ) L
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馭戎 慨 言序
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天 地 の 中 に . 八 百 國 千 國 と 。 國 は お ほ け ど 。 吾 皇 御 國 ぞ 、 よ う つ の 國 の お や 國 。 本 つ御 國 に し て 。
えヱ
あ だ し 國 々は 皆 。 朱 つ國 の い や し 國 に な 竜 あ り け る 。 さ る は 此 皇 御 國 は し も 。 ぴ さ か た の
'
。天津
ミ マノ ヲスクニ ユト
紳 代 の.い に し へよ り 。 玉 泥 す き 。 ⋮掛 ま く も み や に か し ヒ き 。 天 照 大 御 紳 の 。'御 孫 命 の食 國 と 。 事
サ
依 し 定 め給 へる 。 天 津 日嗣 の。 天 地 の む た 。 い や 乏 ほ 長 に 俾 ば り 坐 て 。 紳 な が ら 。 安 國 と た ぴ ら
カラモなシ
げ く 。 11
)う し め す ゆ う ま こ り の 。 あ や に 彜 鳶 御 國 に し て 。 も ろ ノ \ の 戎 夷 の 國 々 の 。 ぴ と し た ぐ
ツコ ゑト
ぴ に あ ら ず 。 は る か 忙 す ぐ れ て あ れ ば ぞ か し 。 然 あ る に 。 三 栗 の、 申 つ代 よ り 。 書 さ へぐ . か も
マナビ
コ なな
ユ
閣 學 の。 世 に ぴ ろ ご り て 。 こ 竜 枕 。 高 き み じ か き 。 そ の か ら ぶ み の耆 よ き に 。 ま ど は ぬ 入 な く 。
みラ ヨ
の タ
し つ た ま き 。 いや し き 戎 國 を し も 。 眞 玉 な す 。 た ふ と き 物 に 。 あ が ま へ思 ふ は 。 い で や い か な る
マガツ ビ ゼ
禍 津 日 の まが ことそ も や 。 も ろ ノY のか ら國 の中 に 。 ほう し が と も は、 てむ ぢ く と ゐ國 を し 竜。
あが 佛 の御 國 と し 。奪 み あ へれ ど 。 そ は さ か ぴ は る か に へなり て" 古 へより 。 丹 生 の崩 。 こ と通
ぴ し跡 も なく 。 そ の霞 ⋮鬆 は た 。 黒 髪 の。す ち こ と な れ ば。 殊 に世 の入 の。 國 の位 を 思 ぴ あや ま る。
馭 戎 漑 言 序 .
晦
煮
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贈 ,
奪 '
駅 戎 漑 督
鳥 、
ゐ
㌦ る霞
つぴ え は し亀 。 聞 え ざ め る を。 も 詮 し 砂國 は・ こま の國 に 驚 ぴ 海 るあ レ が き の毒 か き霧 に
ミ クニ 年ナ 替
て . 古 へよ り 。 皇 幽 に 用 る も じ も 。 共 も ろ こ し の國 も じ 。 學 ぶ 書 も 。 其 も ろ こ し の國 ふ み に し 有
ハ も
げ、れ ば . お のつ か ら に其 國 人 の心 詞 に。
師し み な ら ひ て 。 皇 國 人 の 思 ふ ま じ き 心 を .思 ひ て 。 よ し な
の
.
ぬ
カラ
凌 そ のか ら國 を。 み だり にた ふと く 思 ひ 。皇 図 人 の つか ふ まじ き 詞 を つが ひ て。 よ し な きそ の域
閣 の事 を . み だ り に あ が ま へ い ふ な ら ぴ と な も な れ り け る 。 そ も そ も か の 國 ぶ み の 慧 詞 に な ら ふ
ミ ヤ アダシクあ
と な ら ば 。 皇 図 人 は コ 竜 ろ こ し の事 を ば 。 か の 國 人 の 伽 他 臥 の事 を い へ る ご と く に い は む こ そ 、
よ く な ら へ る に は 有 べ け れ 。 も ろ こ し の 書 に 。 竜 う と し の 事 い へ る 詞 は 。 そ の國 人 の詞 ぞ と い ふ
ミぬ フミコトパ
と と を 。 え わ き ま へず て 刃 皇 図 人 し も 噂 そ の 詞 に あ し く な ら ぴ て 、 昔 よ り 。 む つ び の聞 の 書 詞 は 、
さら に も いはず 。 何 と なく う ち いふ詞 に も。 か のいや し國 を。 大 明 よ串華 よ な ど いぴ はや し 。業
牋 蚤主 を し も 。 天 子 よ 皇 帝 よ な ど い ひ の ぼ す な る ば 。 を こ 也 と も つ た な し と も 。 い は む か た ぞ な
かり け ・
る。 さ る ぴが こと を のみ。 聞 な れ思 ぴ な れ た る から 。 天 地 のあ ひ だ に てり か 繋や く べ き。
お や 國 本 つ御 國 の 光 は 。 か へり て い や し き 末 つ か ら 因 に お ぼ は れ て 。 世 に あ ら は れ ず な 竜 有 け る ・
ざ れ ど か 義る こ と の こ 乂ろ を 竜 。 わ き ま へ し ら ぬ か ぎ り の者 は 。 い か 黛 は せ む 。 鰹 ⋮
蓼 菰ど は・ さ
ウチト
る内 ,
外 の 詞 のわ き た め な ど を ば 。 し ら ず し も あ ら ざ め る を 。、
此 光 を か 丶げ む 物 と は 。 思 ひ 竜 か け
ず て 。 こ と さ ら に み つ か ら お ほ ひ け 允 む と 罫 へす る 心 は . か へす ノ \ も い か な る ま が つ び の. 豪
が 心 ぞ も や 。 た と ぴ ぴ と し な み の 國 な ら む に 竜 。 己 が 國 を お き て 。 あ だ し 國 を た ふ と ま む は .郵己
が 君 に は 。 ま め な ら ず て ② よ そ の 君 に へ つ ら ぴ つ か へ。 己 が 親 を す て エ。 入 の 親 を い つ か む が .
胤
ノ
と し 。 さ る こと わり あ るべ き 物 か は。 か れ わ が本 居 大 人 。 と し ご ろ 此ま が こと の。き か さ ま ご と
を 。 い た く い き ど ほ り な げ か し て 。 雲 ゐ な す 。 は る け き い に し へ の御 代 よ り 臓 じ め て 。 ち か、
の嶋 .
ノ ミ イ ツ
近 き 文 祿 慶 長 の ヒ ろ 。 豐 臣 大 臣 の。 い み し き 御 稜 威 を か 璽 や か し 給 ヘサ .
し ほ と ま で 。 ヒ 乂と か し
ヵギ
こ と の.聞 に。 有 り と 有 し 事 ど 竜. か きと 書 し ふみ ど も 。 いひ と いび し詞 共 の。 よ さ あ し さ。 又 か 、
の 竜 ろ こ し ぶ み ど も の。 み だ 鯵 ご と そ ら ご と の 多 か る な ど , あ さ ち は ら 。 つ ば ら ノ\ に あ げ つら ・
ぴ・山菅 の粮 の・ ね豊 ろぐ にわきため定め三 赫 ら勤 めの彊れたみき 茗 ・
つけ給 へ詫
5
書 よ 。 ま つ 馭 戎 と あ る 。 う は ぶ み を 見 る よ 夢 . こ れ ぞ こ の。 紳 直 日 大 直 日 の聯 の光 と 。 て り あ か
ヲ
ノ
ら ひ て 。 雄 々 し く た け く 。 た ふ と く め で た き ほ ど は 。 あ ふ が る Σ を 。 世▼ 中 のぴ が こ 玉う え した る
と も がら は た。 此 二竜 じ をみ て竜 、 た ち ま ち に驚 き さ とら ざ ら め や は。 お のれ此 大 人 を ぱ。學 び
の道 の奪 と なも ・ た のみ て あ れ ば ・親 の 隔 さ を は・ 蓄 ざきはひも よ うぎ の磯 の・ 或 ノ毒
ぴ 思 ふ あ ま り に 。 子 の を ち な き は 、 親 の は ち と 。 雨 づ Σみ , つ 墨 ま し き 物 か ら 。 は ふ つ た の、 つ
ダ
馭 戎慨 言 序
・ ・ 霊
、
馭 戎 慨 言 、 メ
た 旗 き言 の葉 を つ讐り て。 お ふ け な ぐ は し が きと な も な せ る。 か く い ふ時 は。寛 激 二 と せ と いふ
がノ
年 の。' 夏 のは じ め こ ろ。 豐 國 の道 の 口な る。 吹 出 の高 濱 八 幡 古 表瓧 の紳 圭。 從 五位 下 ⊥ 野介 藤 原
朝臣 重 名
伊 勢 人 白 子 昌 李 書・
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、
馬
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㌧
馭 戎 慨 言序
遭
臨 中寓 馭 百戎 者 コ
天皇 之 事也 。 本 居 先 生 。 以 布 衣 之身 。慨 禰言 之 。可 乎 。吾 將 解 之 。 以仲 尼之 言 。 臼、 知 我者 。
其 唯 春 秋 乎 。 罪 我 者 。煽
其 唯 春 秋 乎 。春 秋奪 内 。而 疑 外 。 仲 尼 日 。 必 也 正 名乎 。 世 之 學 孔 恥 者 。 無
不聞 此 。 間 服 其義 。 則 蔑 如 也 。彼 襲 其 迹 。術 不尋 其 意 。 耳 目 漸漬 詩 書 。 而 忘 身乏 安 在 也 。夷 跖 犬
吠丘 。 儻 獪 爲 徳 。 堯 狗 戀 桀 。
。何 其 謬 也 。劉 安 有 冒 日 。 越 人學 遽射 。參 天而 發 。適 在 五歩 。 亟 不易
其儀 ゆ 其 斯 之 謂 歟 。 夫
天位 之 高 。 不可 及 也 。 則 大 邦 之奪 。 孰 能 匹 焉 。 是義 一立 。而 蠶物 成 定 。 是 義 繍不 立 。両 衆 弊
隨 生 。 蓋 其 潭沒 隱 晦 也 。自 中古 巳 然 。有 識 之 士 。 能 無慨 乎 。仲 尼 日。 天 下 有 道 。 庶 人 不議 。今 天
下道 。 有 其質 矣 。文 亦漸 彰 矣 。獨 其 鬱 蒲 未 暢 。雜 而 無 統 。使 志 道 脩 辭 者 。 紛 然 錯 謬 。茫 然迷 乎 圭
客 本 宋 。 高 下 之辨 。是 則 學 之 未 明。 両 文 之 彰 於 下 者 。有 未 理也 。 夫 名 之 不 正 。 霄 之 不順 。其 究 或
至於 不 君 其 君 ゆ而 君他 人 。 不父 其 父 。 而 父 他 人 。 如是 。則 君 不君 。 臣 不 臣 。 父 不 父 。子 不 子 也 。
馭戎 慨 雷 序
嗣 .
七
'
馭 戎 慨 言 、 八
、
可 不 懼 歟 夫 。探 穴顯隱 。釐 紊 亂 反 諸 正 。 用 以潤 色 鴻 業 。 而冀 人 心之 復 古 。 治 李 之 彌 久者 。
先生
之志 巳 。 又 何 難 焉 。余 固 甞 日。 先 生 之 道 。異 仲 尼。 而 共 志 有同 也 。是 以 引 而 序 之 。 至於 事遠 而
旨 近 。考 覈 之 勤 。討 論 之 破 的 。
霞則觀 書 可睹 焉 。
寛 敏 四年 十 二月
尾 張 鈴 木 朖 謹 撰 .
一
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魂
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馭戎 慨.
言上 之卷 上
翻
伊 勢 國 本 居 宣 長 著
罷 灘 禊 の箏 の礬 膽懇 ・鬚 御匡 に・鬱 もろー の鞠つろ娠まゐ奉 の飆 をたつ ぬれ
ば。 まつ
シ キ ノミヅ ガキ ノ ミヤ ニア メノ シク シ ロシメ シ 、, ス メラ ミ 讐ト オホ ミ 毳
師木瑞 籬 宮 御 宇 ︹崇 紳 ︺ 天 皇 の大 御 代 の 七 年 に 。
オポミ ュメ オホモノヌシノオよカミ クミ ピト
天 皇 の 大 御 夢 に 。 大 嫉 圭 大 紳 の み さ と し ご と 有 て 。 同 き 十 蝋年 に 。 あ だ し 凾 人 あ ま た 參 り・き つ る
よ し 見 え た る は 。 いつ れ の國 々 と も し ら れ ね 共 。 今 思 ふ に ◎ よ も の ほ と り の ち ひ さ き 國 ど 竜
のそ のか み は ・ お のー ひと り だ ち た る蠶 の あり け む が・ 此 御 代 よ 暴 象 ぴ まう き 三 、
委 ラミカド 奉 正 朔
皇 朝 の み の り を ば う け 給 は り 始 め け ん ゆ そ は た 璽 何 の 嶋 く れ の嶋 な ど い ぴ て 。 後 に は 國 々 に つ
シマぐ ・ シ ノ
け る 嶋 々 な る べ し 。 次 に 同 き 御 代 六 十 五 年 の秋 。 任 郷 の 國 と い ふ よ り 。 使 ま ゐ り て 。み つぎ
ツクシ
物 を 奉 り き 。 そ は 筑 紫 を は な れ て 。 二 千 餘 里 北 の方 に あ る 國 也 と 見 え た り 。 此 國 は . 悉 う と
0
フミ 戎 ・ トツク轟
σし の 書 ど も に も の せ て 。 後 の 世 ま で か ら な れ ば 。 と れ を ぞ ま さ し く 外 國 の ま ゐ り し 始 と は い
馭 戎慨 言 上 之 卷 上
九
、
駅 戎 慨 鬢 、
.
一〇
ふ べき 。 か く て
翳 叢.
.螂,
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鶴...
噺 .、
︹垂右 .
鷙募 二年 ・梦 習 いふになん・か の使御 いと窰 給 はり 三
國 にか へり砦 。譯 靉 寔 を・茎 に賜 ひ つかはしき・同 ﹃
二轟 齪 皇 の子罷 騨
ゐ る。 そ の後 蜘
麟髴 .
嫐.奪 ︹甥 議 の爨 にしたがぴ三 .
禦 つから懇 の國を聾 むけに潅 薯 ムヤ
に。韮 やがて春 艨 のまへにか り三 垂 ー の始か辭をたて㌔ ぎ 劉 し凝り・つ
ヤ ソ
フネ
レ
イ
ほ マ クダラ
ね に 八 十 艘 の み つぎ を 奉 る例 と は な れ り け り 。 此 時 高 麗 百 濟 の ふ た く に ・
も。 同 じ さ ま にま つ
ミツ カン 戎
ろ ぴ 參 り て よ り こ な だ 。 こ の 三 の韓 の か ら 國 。 ま た そ の わ た り の國 々 竜 。 ぴ た ぶ 駈 に
.
皇,韓
の鞠 のり にし た が ひ て・ 黔 へま 争 し事はぜ の人 も よぐ しれ るが 如 し ・ さ て き ∼ も
オコ
ナ
ち を つかな し お き て なん 。 其 く にゐ丶 の事 は と り行 は せ給 ひ し。 書 紀 に日 本府 と あ る これ 也・
然 る を か の 韓 の國 の。 三 國 史 記 東 國 通 鑑 な ど い ふ ふ み ど も に 。 一言 も か 乂 る ヒ と を ば し る さ
O
ず して。な 鬱 の鬱 ば.よそげ に・お のが嘱としなみの國 の如く い へるは・斎 かみ
や
穐⋮つ 臣 ・ ナヵムカシ 亀
こ と し て 。 つ か へ ま つ り し と と を き ら ひ て 。 は ぶ け る物 也 。 さ れ ど 申 昔 ま で 鷲 。 ま さ し
く 使 を さ し で 。 み つ ぎ 物 奉 り し こ と 絶 ず 。 又 も ろ て し の 國 の隋 書 と い ふ ふ み に 竜 、 薪 羅 百 濟
ぜ
ア ヲシデ
シもひ
ジ
ぜダ
も ッ
ニ
ヲ
ス
のミン
皆 以 レ倭 爲 啾二大 國 鼻 二珍 物 鱒 並 敬 仰 レ之 。 恒 通 レ使 往 來 と い ぴ 。 近 き 明 の 世 の 世 法 録 と い ふ に 。
ノ コ ルマ ニ
御 國 の事 を し る せ る に も 。 其 屬 國 有 一主 + 餘 崎 薪 羅 百 濟 莫 レ非 一
屬 國 弔 と い へるな ど を見 て 込。
ツ ロ
クダラ
か の ふ み 共 の ま こ と な ら ぬ は し る べ き 也 。 さ て 此 三 の韓 國 の 中 に 竜 。 百 濟 は 。 か の ノ
かゆ
メミ コト ゥチッミヤケノクニ ミアガタ コト ミウツクニミ
姫 奪 の 御 時 よ り 。 内 官 家 臨 と 定 め 給 ぴ て 。 皇 國 の内 の御 縣 に 竜 こ と な ら ず 。 殊 に あ つ き 御 恩 を か
・ ・ 忠㎝ 誠 キ シラギ
け 給 ひ て 。 鰤 代 ノ 入 を へ て 。 ま め や か に つ か へま つ り 來 に し を 。 薪 羅 ぞ ま め な ら ず し て . と
入 寇
も ナ れ ばそ む き ま つり て 。 西 のほ と り の國 に あ だ せ し事 など 込 。 をいく 有 し を。 つひ に
響 諺 奮 、.衛 シ..階.
鵠 、︹天 智︺.蠢 劉 世に至り三 藩 は・薪 羅鵬 の勲 ど彪 ほ ろぼ され ・
コ マ
亠咼麗 はた 程 も な く ほ ろ び にた り 。 さ て後 、
ナ夢ノミヤニアメノシタシロヅメシ・ 霊 マ .
ボ カイ 表
寧 樂 宮 御 宇 聖 武 天 皇 の御 世 に。 又高 麗 より 出 し渤 海 と い ふ國 よ り 。使 をさ し。 ふみ を臨 み
頒ぎも のをも奉りはじめ三 蜑 み ころ迄籍 ず つか へま つε を・そ の後程な㍉ 高麗 の
王 建 と 炉 ひ し 竜 の 。 三 韓 の 劇 た り の國 共 を 。 み な ぴ と つ に あ は せ と り て 。 又 高 麑 と な ん な の
・ り ゐ た り し を 。 蒐
、
ノ
後 小 松 天 皇 の御時 に ほ ろ び て 。 其臣 に李 成 桂 と い ひ 七 を のこ 。・
か は り 立 て。 國 の名 を も 、 朝 鮮 吉
穩
な ん あ ら た め け る 。昔 を 思 く
、ば 。 此 朝 鮮 は 。 今 も 琉 球 な ど 玉 ひ と し な み に 。 大 御 國 紅 識 . み
馭戎 慨 言 上之 卷 上 ,
・ 、叫一
堯 ゲ" 、 、 鱒
丶
、
)
馭 戎 慨 言 、 ﹂ = .
臣
や つ こ と 申 て 。 つ か へま つ る べ き國 な る ぞ か し 。 次 に も ろ こ し の國 は 。 筑 紫 の は る か に 西 の
海 中 戎 戎 夷
お き な か に 在 て 。 こ れ は た か ら 國 と も い へり 冷 か ら と は 。 東 の方 な る を え み し と い ふ .
こを く。
・
酉 の方 のも ろ ー の鬱 をなぺてい耄 秀 ・ さ てこ のも ろ こ し と い 嘉 ら は・ 轄 の越 ら の
西 南 の か だ に つ 璽 き て 。 い と 大 ぎ な る 國 に て 。 胡 の國 天 竺 な ど い ふ ら ん 國 迄 も 皆 つ ぼ け る 。
洲 , . 君 長
一 つ の し ま な る な か に 。 東 南 の方 に な ん よ れ り け る 。 國 の を さ は 。 捨 べ て 外 國 の な ら び に で 。
へ ゆ
鴇 古 よ り 定 れ る は な く て 。 た 璽 そ の 時 為。 い き ほ ぴ つ よ く か し こ き も のぞ な れ り け る 。
ノ 爲レ長
後 宇 多 天 皇 の御 世 .の ご ろ に な り て は 。 そ の北 の 方 な る 。 蒙 古 と い ふ 國 よ り 出 し も の も な り て 。 九
十 年 ば かり た も ち。 叉 其 後 。
ヒ 、 ' 唐
後 光 明 天 皇 の 御 代 正 保 の こ ろ . そ の東 北 な る 韃 鞄 と い ふ 國 の 者 。 こ の國 を も う ち 取 て 。 百 辮 年 あ
丶
.ま り 今 に た も ズ り 。 か く の灘 く 常 の ぬ し な き が 故 に 。 其 國 に て は 。 定 れ る國 の名 竜 癒 く で 。
君 長 封
そ の時 々 を さ に な れ る 竜 の 丶本 つ 國 。 ま た は は じ め に よ さ 製 れ し と こ ろ の 名 な ど を よ び 。 あ
る は あ ら た に ま う け な ど 適 す め り 。 其 中 に 。 む か し 漢 と い ひ 唐 と い ひ し が 。 や Σ久 L く た も
ミ クユ
ち け る 故 に 。 其 す ぢ ほ ろ び て の後 の世 に も 。 な ほ 漢 と も 唐 と も い へり 。 さ れ ば皇 幽 に て 悉 。
か ら こ と ば に は 。 今 に 此 二 つ の 銭 を よ び て 。 や が て そ の唐 の宇 を 。 も ろ こ し 共 か ら 共 よ め り 。
侮
●
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長 へ
か く て 其 を さ 噂 古 周 と い.
ぴ し 代 な ど に は 。 王 と な のり し を 。
クルダノイポトノミヤ ユアメノシタシロシオシぬ スメラミ コト ヨ
ノ
黒
田廬 戸 宮 御 宇 ︹孝靈 ︺ 天 皇 の御 世 にあ た り て。 秦 始 皇 と いひ し 王 。周 を ほろ ぼ し 。 其.
ツ 制度
國 をと り てよ り 。 あ ら た め て皇 情乏 いふ 。 此時 に萬 のさだ め をも あ 疹 お め始 め つる を。 お ほ
く は今 に至 るま でも も ち ふ め り 。 又其 國 のな ら は し は。 かく 君 を ほ ろ ぼ し て。 そ の國 を う ば
ふが つね な る故 に。 いに し へよ り 。警 るも の は・ 上 のぴ ま を う 奪 ひ てと ら ん と し ・蓄
カミ シモ
るも のは 。 人 にと ら れ じ と か ま ふ るか ら。 上と 下 と し た の心 や は ら がず 。 かた み にと ち た き
思 ひ は か り ご と す る あ ま り に。 よ う つ の事 ま こ と は い と す く な く て 。 た 買 い つ は り か ざ り の
み ぞ お ほ か る 。 そ も ・ビ丶 君 の國 を う ば ふ にり け て は 。 そ の い み し き 罪 を ま ぎ ら 拭 さ ん が た め
サ
ヅケ 文 辭
に。 あ るひ は 天 よ り授 給 ふ な ど やう の 亀 い つ は り ご と を 。 く さ ノ煙
\ か ま へ。 ふ み こ と ば を う る
は ℃ く か ざ り て 。・
民 をあ ざむ きつ 又 よう つ のさ だ め を く は し く し て。 た ふと 鳶 事 に思 は せな
曁 ど 。 す べ て う は ぺ は いと め で た け れ ど 。 し た の 心 な ん わ ろ く き 海 な き 國 な り け る。 さ れ ど か .
く よ う つ に 心 し て 。 思 ぴ は か り の す ぐ れ た る故 に 。 よ ㌧ に か し こ き 人 も お ぼ く い で き 。 何 事
も た ら ぴ て。 あ か ぬ 宅と な きが う へに。 國 も い巴廣 く て。 い き ほ ひ つよ け れ ば。 か た はら な
まト タフト
る ち ぴ さ き國 の 王共 を竜 。
;
あ ま た な つ け し た が へ・て 。 み つ か ら は 天 子 と な の り 。 き は 奪 げ
馭 戎慨 言 上 之 卷 上 イ =轟
馭 戎 慨 嘗 一四
, 触
、 に 為 て な し 。 お の が 國 を ば 申 國 と い ひ 。か た へ の國 共 を ば 。 夷 狄 な ど お と し め あ な づ り て .
タカ 長
天 地 の あ ひ だ に な ら ぶ 竜 の な き が ご と 。 み だ り に お ご.
り高 ぶ り をり 。 これ み な ζ の を さ のお
のが わ た く し ごと な る を。 か の した が ぴ お ち た るか た はら の國 王ど も は。 そ の さ だ め をう け
へ
て. 天子 と あ が め。 中 國 と あ ふ ぐ め り 。 さ るは古 よ り今 に至 る まで 。 たれ もノ\ か の う は べ
・ , 信
の め で允 く。 ふ み こと ば のう るは し き には か ら れ て。誠 に さ るべ き こ と わ り と のみ。 深 く し
・
ん じ を るな りけ り 噂 さ て此 も ろ こし のか ら も 。 か の
麟蒹 .
媾.礬 御時 より・轍 の醐らどもと同し窰 に・・
薙鏤 へは勢 靜 奉 り て・ぎ ろぴ継
ゐ る べ か り し こ と わ り な る を 。"よ エ に さ ば か り お ご り お か ぶ り を る 王 な り し か ば に や 。 さ る
こ之 も なく て御 代 く を へけ る に。
ワハサダ
ノミ
ヤまアメ
ノシ
タシ
ロシ
メシ
ぬ ス
メラ
ミコ
ト カホゐ
もツカを
な
小 治 田 宮 御 字 ︹推 古 ︺ 天 皇 の 御 代 に 。 か へり て こ な 疫 よ り ぞ 大 御 使 つ か は し け る 。 十 五 年
ノ ヲス ニ テ ノ タ ス ト
秋 七 月 戊 申 朔 庚 戌 大 ー禮 小 野 臣 妹 子 遣 二於 大 唐 鱒 以 二鞍 ー作 幅 ー利 黼
爲 二通 事 殉 と 書 紀 に 見 え た る
・奉 造
是 也 。 そ も ノ 丶 か の國 王 よ り 。 い ま だ 使 を も ま だ さ ざ る に 。 か た じ け な く
スズ ラミナ ガロ
レ オ ホミ ツカ ヒ
皇 朝 よ 砂 。 か く ふ り は へて 大 御 使 を つ か は し ぐ ば コ い か な る故 に か と た つ ぬ る に 。 扶 桑 畧 紀 に ,
メ ク カ ス
エ ノ スル ニ ムラクハ
此 御 使 の事 し る せ る 所 に 。 太 子 奏 日 9 臣 之 先 -身 修 調行 漢 土 殉 所 レ持 之 經 。 今 在 二衡 山 幻 望
シテ タ シ センノ ル レ
造 ン使 將 噂來 。 比 司校 所 レ誤 之 本 麟云 々と 見 え 。 叉 か の國 ぶ み 隋 書 と い ふ に も 、
鹽此度 ま かれ る御
ク ノ スト ヲ ユ シテドヲ ス ノミコノミゴト
使 の 詞 と て 。 聞 三海 西 菩 薩 天 子 軍 訓興 佛 法 嶋
故 。 遣 レ使 朝 拜 と し る せ る 如 く 。 聖 ー徳 皇 太 子 の 。
オよミマツサむト マ ゴ わ
大 御 政 き こ し め す 御 代 な り け れ ば 。 お ほ く は 佛 の道 の た め に つ か は し Σ御 使 な り け り 。 又
そ の か み は つ 韓 國 の 人 共 お ほ く 參 り ゐ て 。 し た も く つ か へま つ れ り け れ ば 。 其 人 ど も の。 か
の もろ こし の こと を 。 め で た き國 也 と。 つね に ほ め申 せ る を。 き ζし め し 。 又 そ の こと ば か
ミ コき
し こ き 書 共 を 見 そ な は す に つけ て も 。 い か で 御 言 か よ は し て 。 萬 の 事 共 を ま ね び と ら ば や と
あ
・お も ほ す 御 心 も ま し ノ 丶 け る な る ぺ し 。 同 じ き 御 世 三 十 嘲年 の紀 に 。 竜 ろ こ し の國 に 。 物 な
シ カノ ノ ハ ハリ テメ
ヂタキクニ也 轟
ら ひ に つ か は し Σ 人 共 の 。 か へり 參 り て 申 け る 詞 に 。 其 大 t唐 國 者 。 法 コ式 備 ー定 珍 國 也 。 常
ベシ カヨフ
須 レ 達 と い へ る に て も 。 さ き み \ 韓 人 共 な ど も 。 か く さ ま に そ 蕊 の が し申 せ し た ぐ ぴ 有 け ん
戎
こ と し る べ し 。 さ て か く 此 も ろ こ し の か ら 國 へ。
xメラ電カド 才ポミツ勇ヒ 親 ・
皇 朝 の 大 御 使 つ が は し て 。 む つ び 給 ひ し は 。 此 御 時 ぞ は じ め な り け る を 。 か の國 の 書 共 に は 。
ノ ユリ テ も ヂ ジ チ ストケ リ
ま つ 前 漢 書 の 地 理 志 に 。 樂 浪 海 申 有 二倭 人 殉 分 爲 二百 餘 國 殉 以 嘉歳 時 鱒來 獻 ー見 云 と い ぴ ゆ 次 に
リ ノ セシ ヲ . ノ スル 鶚 ノ 也 ' ガき轟 λ ト フ
後 漢 書 に。 倭 凡 百 餘 國 。 自 三武 帝 讖 二朝 鮮 ゆ 使 ー譯 通 二於 漢 輔 者 。 三 十 許 國 。 國 皆 稱 レ王 。 世 々傳
シ ノ ゆ(ヤ マ ト 呂 ノ . . 訊 ラ ス ト
レ統 。 其 大 倭 王 。 居 二邪 馬 蘯 國 }云 々。 光 武 申 元 二 年 。 倭 奴 國 奉 ー貢 朝 -賀 。 使 人 自 稱 ご大 夫 殉 倭
馭戎 漑 嘗 土之 卷 上 .
、 .
. 幅五
、
騨
睡
藪甲
戎 慨 言 、 ﹁
﹄
"
麒亠ハ
國 之 極南 界 也 。 光 武 蠍 壕亀印 紙署 安 噺 氷初 元 年 ◎倭 國 王帥 升竿 。 軌 二生 ロ百 六十 ん 鱒 鵬 二請 島 噂
ト ノ リ スルノ ド ノ スル じ
と い ひ 。 次 に 魏 志 に 。 倭 人 舊 百 餘 國 。 漢 時 有 二朝 見 者 鱒 今 使 譯 所 レ通 三 十 國 。 な ど い へ・る に
垂
よ り て 。 其 後 の よ 丶 の 書 ど も に も み な 。 漢 の時 よ り 通 ぴ 始 め た り と の み い ぴ 。 叉 皇 図 に て も ・
〆
/
み な 。 誠 に し か 有 け ん と のみ 心 得 ゐ て い さ 丶 か う た が ふ 人 も な し 。 今 つ ち ノ 丶 考 る に 。 そ φ
ミ皇 化 . . クユノミヤッ蠶ワケイナギ
か み 御 お 畝 む け の い ま だ 天 の下 に あ ま ね か ら ざ り し 程 。 い と ノ 丶 か た ほ と り の 区 逹 勢 稻 釐
ヒト ㌣ ザ展 、 . . 通 交
な ど や う の 。 一← 吏 一郷 をう し は き ゐ た り け ん 人 共 な ど の 。 わ た く し に か の國 へ こ と か よ は
し レ事 な ど は 。 お のつ か ら 有 も や し け ん 。 そ れ だ に 獪 う た が は し き を 。 ま し て
ぶメ きミみ ド ロ オ ホ ミツカ ヒ
皇 朝 よ り。 大 餐 候 など つか はす べ き よ し さ ら に な し。 其 ゆゑ は。 まつ か の漢 の武 帝 が朝 鮮を ほ
ろぼ し Σと いふ はo
ゴカ スガ ノイ ナカ バノ ミヤ ユア メノ シタ シ ロシズ シ マ スメ ラミ コト
春 日峯
'河 宮 御 宇 ︹開 化 ︺ 天 皇 の御 代 な れ ば 。 い ま だ 三 韓 の國 だ に 。 あ る こ と を さ だ か に
は し ろ し め さ ぬ程 な る に 。 ま し て は る か に 西 な る も ろ こ し の 國 の あ る こ と を ば 。 い か で か し
ろ し め し て 。 御 使 は つ か は す べ き 。 そ れ よ り は る か に後 。 、
ック
シノ
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ジヒ あ
ノミヤ アメ シ ロ
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委ぎ・
・ト シデキ 、 少シヘ
筑 紫 橿 日 宮 御. 字 ︹仲 哀︺ 天皇 の御 世 に。 勢 羅 り國 を う ち給 へと。 榊 の御 歡 色有 し時 す ら .
天皇 う 奈 ひ ま し て・高 き督 のぼ り て。 は る か に譲 鰐 を見 そ な は しけ 毳 。 さ ら に覺 えざ
り し か ば。 紳 のそ ら ご と な らん と お竜 ぼ し。 次 に
、
飜鬆 .
嫐.舞 。か 編 の轡 し へのまにー ・そ の難 の轡 }
とむ繕 はんとせし時 も まつ 響
ペ へ
瓮 の あ ま 烏 庶 呂 と い ぴ し も の を 。 西 の海 に つ か は し て 。 國 あ る や と 見 せ 給 ひ し に 。 見 え侍 ら
シ カ
ず と申 け る故 に 。 又 し 番 磯 鹿 のあ ま 名 草 と い ふ 竜 の を 逡 し て 見 せ 給 ふ に 。 日 を へ て か へり 參
ジ
り て申 け る は 。 西 北 の か た く も ゐ は る か に 。 山 の 見 え 侍 る は 。 國 侍 る に や と申 き 。 そ も ノ\
神 代 に はや く。
露 葬 募 。灘 の國 に天差 りましけ るよしは見えたれど も・ 餮 そ の名 のみ撃 て虞 ま
だ誠 に其 國 のあ り や な し や は 。 さ だ か に し る人 竜 な かり け ん ゆ ゑ に。 此御 世 に虱 ても 。獪 か
ミ マナ
6
く の 如 く な り け り 。 さ れ ば こ れ よ り さ き に 。 か の 任 那 の 國 人 の參 り し も 。 い つ か た に あ る國 .
と 竜 。 そ の か み は い ま だ さ だ か な ら ざ り け ん こ と し る べ く 。 ま し て そ れ よ り さ き み 丶 の世 は 、
思
ひ や
クニゴトも ス ト
る べ し 。 さ て か の漢 書 後 漢 書 の 言 を よ く 考 る に 。 百 餘 國 と い ぴ 。 國 皆 稱 レ王 と い ヘ
ク まノ
ミ
ヤツ
コ ワケイナキ
る は 。 國 々 の 國 造 ま た 別 稻 置 な ど の 志 竜 が ら の 。 お のノ 丶 其 所 々 を う し は き ゐ た り し を 。
主
とトクニ
とトシマ
と は い へ る 也 。 す べ て か ら ぶ み に 臓 。 大 き な る ち ひ さ き を い はず 。 一國 一嶋 に ま れ 。 う 七
は ぎ て 。 獨 だ ち た る を ば 。。み な そ こ の 王 と い へり 。 韓 の國 の う ち に て も 。 薪 羅 百 濟 高 麗 な ど
驫
馭 戎慨 誉 上之 巷 上 一七
、
馬
馭・戎 慨 言 ・ ・ 一八
ク イ
の 外 に も 。 な に 王 く れ 王 と て 。.い と お ほ か り し に て も し る べ く 。 叉 此 下 に 引 魏 志 の詞 に 。 伊
ト ヨヘ リ ス イ ト ノ イ トノ ヨへ
都 國 世 有 ヒ王 。 皆 統 均屬 女 王 國 蝋と い へ る。 伊 都 國 は 。 筑 前 図 の怡 土 郡 を い ひ 。 世 有 γ王 と は 。
イトノアガタヌシ 證
仲 哀 紀 に 見 え た る 。 筑 紫 の伊 覩 縣 圭 な る べ け れ ば 。 こ れ さ る と も が ら を も 。 王 と い ぴ し し る
し 也 。 近 き 世 の か ら ぶ み に は 。 今 の 嶋 津 氏 を も 。 薩 麾 主 と い ぴ 。 毛 利 氏 を安 藝 王 。 大 友 氏 を
ナまミ クニ
豊 後 王 と い へる たぐ ひ を も 思 ふ べ しゅ そ も ノ \ 大 御國 には 。祚 代 より 今 に至 る 迄。
ゴト ス ト
夫 皇 の 御 末 な ら で 。 王 と い ふ 例 は 。 さ ら に な き こ と な る を 。 三 十 許 國 。 々 皆 稱 レ王 と い へ る は 。
ま こ と に は 王 に は あ ら で 。 次 に大 倭 王 と い へ る そ 。 ま さ し く
天 皇 をさ し て申 せ る に は有 磨 ・か 読 ば そ のかみ漢 に瀕 と かよ ひ し は・
ズ メラミカド モト ノ ニ
皇 朝 の 御 使 に は あ ら ざ り し こ と 。,炉 よ ノ \ い ち じ る き 物 を や ゆ か の 魏 志 に 。 舊 百 餘 國 漢 時 有 ニ
セル ノ
朝 見 者 一と い へる も 。 百 餘 國 の 王 ど も の 申 に 。 朝 見 せ し が 有 し と い ふ 詞 な る を も 思 へ。 次 に
ズ
後 漢 の 光 武 が 時 に 。 倭 奴 國 奉 貢 と い へる は 。 倭 奴 國 は 。 い つ れ の國 を い へ る に か 。 さ だ か な
ノ ホ
ヂリ へ
ら ね ど 。 こ れ も 凡 百 餘 國 と い へ る 中 の 一 つ に て 。 倭 ー國 之 極 南 界 也 と あ れ ば 。 つく し な ど の
邊 垂 ヘ ノ
南 の か た つ か た な る べ し 。 然 る を 此 後 漢 書 の 註 に も 倭 と い ぴ 。 唐 書 な ど に。 日 本 古 倭 奴 也 と
。 モト
い へ る は 。 い か に そ や 。 こ は 本 の 詞 を よ く も わ き ま へず 。 な ほ ざ り に見 て 。 ま ぎ ら は し つ る
ぴ が こ と な る を 。 御 國 の人 す ら な ほ わ き ま へず 倭 奴 を も 。 た Ψ 倭 と ひ と つ こ と 乂心 得 を る か
ノ ナリ ゾ ド ク ナリ ヘ ヨメ
し 。 さ る か ら か へり て 。 か の倭 ー國 之 極 ー南 星界 也 と あ る を も 。 倭 は 國 の 極 鑑南 重界 也 と し も 訓
フミコトバ
るは 。 い み し き し ひご と也 。 さ るつ た な き 文 詞 あ らん や は。 次 に安 帝 永 初 元年 云々と い へる
も 。 か の 國 ご と に 王 と 稱 す と い へ る 。 其 申 の 王 ど も 也 。 帥 升 等 と い へ る等 の 宇 も て 知 る べ し 。
ス ヲ
ヒ れ を 杜 佑 が 通 典 に は 永 初 元 年 。 倭 面 土 地 王 師 升 等 献 二生 ロ 哺と い へり 。 面 土 地 の 三 字 。 い か
ツ げ
に い へ る に か 。 さ だ か な ら ね ど 。 何 と か や 一 のち ぴ さ き 國 の 王 め き て も 闘 え 。 叉 面 土 地 と 王
師 升 と 。 か し こ へま か れ り し 二 人 の 名 の ご と く も 聞 え た り 。 叉 隋 書 北 史 な ど に は 。 此 安 帝 が
タ ,諜 テ 黷鰻く
時 に ま か れ り し 使 を も 。倭 奴 國 のと い へり 。 次 に ま た 後 漢 書 に .桓 靈 闇 。 倭 國 大 氤 。 更 相 攻 ー
シ テ ヲシ コ リ ヲフ ト メ セ トシ ノ ヲ ケ テ ヲ ハス タ テ ニ
伐 。 歴 レ年 無 ヒ主 。、有 二一女 子 噂 名 日 二卑 彌 呼 叩 年 長 不 レ嫁 。 事 二鬼 紳 道 鱒 能 以 レ妖 惑 p衆 コ 於 レ是 ・
ニ
テヘ
ト ノ
'共 立 爲 レ王 云 々 乏 い へる 。 桓 靈 間 と は 。 か の國 後 漢 の桓 帝 靈 帝 が 時 を い へ れ ば 。 い 遷 ﹄ か時
は た が へれ ど 。 有 ご 一女 子 一云 々と は 。 ま さ し く
オギ ナガ タ ラシ ヒ メノミ コト
息 長 帶 姫 奪 の 御 事 を 。 三 韓 な ど よ り 。 ぴ が こ と ま じ り に 傅 へ聞 奉 り て 。 か け る も の 也 。 卑 彌 呼 贈
ヒ
メゴ
ヒノト バタヒメコ ≠{ヒメノミコ ト 、
書 ヅ(タヒメ夛 婁 リヒメノミ蒙 ヒメ
は 。姫 兒 と申 す 事 に て 。紳 代 卷 に 。火 之 戸 幡 姫 兒 千 々姫 命 。ま た 萬 幡 姫 兇 玉 依 姫 命 な ど あ る 姫
コ ヒメ ヒ ミ フル ヘミ クニヒト
兒 に 同 じ 。 姫 を 比 彌 と い へ る例 も 。 古 き ふ み に 見 え た り 。 さ れ ば こ は た ふ と み て 御 國 人 の つ
馭 戎慨 言 上 之 卷 上 ・
.
.
{九
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、
馭 戎 慨 鷺 筆
二Q
カ ンビ
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ね に か く 申 せ し を 。 韓 人 な ど の聞 て 傳 へし を 。 御 名 と 心 得 し な る べ し。 以 レ妖 熟 レ衆 な ど い へ
戎 人 オポミ クニ , 漫 鬢
る は。 か ら び と大 御 國 の神 の道 を しら ざ るが故 に。 か Σるみ だり ご と はす る な り。 ま た魏 志
ハ ヲ ノ ノ ノ お リ ル ユ チ ニ シ テテ ヲ チ シ チ シノ ルて
に 。 倭 人 。 在 二帶 方 東 南 大 海 之 申 噂云 々。 從 レ郡 至 レ倭 。 循 二海 岸 剛水 行 。歴 韓 國 一
乍 南 乍 東 。到 蝋
ノ 識 也 テ ル守 ヲ ユノ ル 昌 ルコ ヲ 黒ソ 聴
其 北 岸 狗 邪韓 國 殉 七 千餘 里。 始 度 縞
二 海 "千 餘 里 。 至 ご封 馬 國 一云 々 。 又 南 渡 二 一海 鱒千 餘 里 。 至 二
ま ニデ ュ ニ ム ル ヲ ニメ ル ニ まルゴ
一支 國 一 支 本 誤 作 レ大 。 今 依 二北 史 一改 。 云 々 。 又 渡 二 一海 一千 餘 里 。 至 二末 盧 國 鵬云 々 。 東 南 陸 行 五
甘 塁 卵 凱 二伊 都 亂 叫云 亀 響 有 レ王 。 皆 統 周鳳 ⋮女 王 亂 一云 々 。 東 南 羹 悸奴 亂 一百 里 云 々。 東 得 諏 ぎ
ニ ロ
ヘ
ルマの
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ニ ルマぜ
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お スル
彌 國 鰰百 里 云 々 。 南 至 投 馬 國 鱒 水 行 二 十 日 去 々 。 南 至 二邪 馬 蘯 國 女 王 之 所 ウ都 。 水 行 十 日 。 陸
リ ノ シ スルつヲ ノ ノ ハ ニソ こスルマリ マ
行 一 月 云 々 。 自 二女 王 國 叫以 北 。 其 戸 數 道 里 。 可 レ得 二畧 載 殉 其 餘 旁 國 。 遠 絶 不 レ可 レ得 レ詳 。 次
ニ ニ ユ
ニ ホ
有 二斯 馬 國 噌 次 有 ご已 百 支 國 ↓ 次 有 二不 呼 國 鱒 次 府 二姐 奴 國 ゆ 次 有 二野 蘇 國 弔 次 有 =蘇 奴 國 弔 次 有 醜
あ ニ
ニ
ニ
ニ
お
呼 邑 國 殉 次 有 二華 奴 蘇 奴 國 鱒 次 有 二鬼 國 鱒 次 有 二爲 吾 國 幻 次 有 軸戦 鬼 奴 國 殉 次 有 二邪 馬 國 噸 次 蜜 躬
識 ユ ニ ニ レ ノ 也 ル ノ ニ
臣 國 鱒 次 有 二巴 利 國 幻 次 有 =支 惟 國 殉 次 有 二烏 奴 國 鱒 次 有 二奴 國 幻 此 女 王 境 界 所 レ霊 。 其 南 有 貰狗
ヲ セ エ ノ ルコ ヲ どソ タ リ ナリ
奴 國 殉 男 子 爲 レ王 云 々 。 不 レ屬 二女 手 云 々。 女 王 國 東 。 渡 レ海 干 餘 里 。 復 有 レ國 皆 倭 種 去 々 。 參 鈎
スル轟 ノ ヲ デ テ ノ 轟. ハ ェ ハ ル ハヵリ也 ノ ハシテ
問 倭 地 喝 縄 在 二海 中 洲 島 之 よ 輔 或 絶 或 蓮 。 周 旋 可 二五 千 餘 里 叩 景 初 一
、一年 六 月 。 倭 女 王 。 遣 二大
ン テ あ ム テヘ ニ センコヲ ハシ ヲ ソ ラシム ミ ノ ス ノ
夫 難 升 米 等 鱒 詣 レ郡 求 下詣 ご天 子 鴎
朝 献 加 太 守 劉 夏 遣 レ吏 將 ﹃逶 詣 二京 都 噌 其 年 十 二 月 。 詔 書 報 二倭
の
お
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女 王 蝋云 々。 正 始 元 年 。 太 守 弓 遒 。 遣 二建 串 校 尉 梯 傭 等 鴨 奉 二詔 書 印 綬 鱒 詣 ご倭 國 輔拜 淵假 倭 主 嗣
ヘ テ エ シ ス ヲ コ タ ハ シテ い
ヲ ス
去 々。 倭 王 因 F使 上 表 。 答 調謝 恩 詔 鱒 其 四 年 。 倭 王 復 遣 二使 大 夫 伊 聲 耆 掖 邪 狗 等 八 人 一上 献 云噂 。
ル ノ き ノ ヨリ セ ハシテ ノ
其 八 年 、太 守 王傾 到 レ 官 。 倭 女 王 卑 彌 呼 。 輿 二狗 奴 國 男 王 卑 彌 弓 呼 鱒 素 不 レ和 。遣 二倭 載 斯 鳥 越
鹸等 誨 レ羅 。 鑽 晶樵 攻 襲 罵 殉泓 鞄靂 曹 掾 三 張 政 鴒 叩臨 鶸 ご詔 書 黄 幡 崎 拜 笥儡 難 升 鴻 鱒 爲 レ槻 告 調臨 ゐ 幻
プ
ス ツ ヲ も ス タ ツ ノ ヲ
卑 彌 呼 以 死 云 々. 更 立 繭 勇 王 叩 國 申 不 レ服 。 更 、相 誅 殺 。 復 立 ご卑 彌 呼 宗 女 壹 與 殉壹 北 史 梁書 杜佑 、
ニ ス ︾ 識.マル テ ヲ ・ ス ・ 叫 ハシ ノ
蓮 典 皆 作 レ蠱 年 十 三 爲 レ王 。 國 申 途 定 。 致 等 以 レ檄 。 告 謌喩 壹 與 憩 壹 與 遣 二倭 大 夫 峯 善 中 郎 將 掖
'
ヲ
テ
ヲ
ラシム
テ テヘ
ニ
ス
邪 狗一等 二 十・ 人殉 逡 二政 箏 .洩遅。 因 勃醐レ蔓 献⋮ ・
上 云 々 と い へ り 。 鼠兄初 正 始 は 。 と も に か の、
國一 魏 の年
號 に て。 ま こ と に か の
ヒメ ミ コき
ヒ
姫 彜 の御 世 に は あ た れ り。 然 れど 竜 此時 に か の國 へ使 を つ かは し た る よ し し る せ るは 皆 ま ご と の
、皇 朝 の御 使 に は あ らずゆ 筑 紫 の南 の かた にて いき ぼ ぴ あ る 。熊 襲 な ど の たぐ ぴ な ゆ し も の Σ。
興メラミカド ・
ノ ク マソ .
、
戎
女 王 の御 名 のも ろノ \ のか らく に ま で高 く か ゴや き ま せ るを も て。 そ の御 使 と い つは つ て。
私 に つか は し た り し使 也 。 其 故 は まつ 右 の文 に。 か の國 の帶 方 鄭 より 。 女 王 の都 に い た る ま
での國 窰 しる薯 は・ 募 かと の使 の・濕 飜 京 へまゐ ると て◎ 箸 き つる道 の程 ま
ナ オホヤマト
へ る如 く に 聞 ゆ め れ ど 。 よ く 見 れ ば 。 ま こ と は 大 和 の京 に ば あ ら ず 。 い か に と 駆 ふ に。 ま つ
馭∵
戎慨 言 上 之 卷 上 二 一
馭 戎 慨 言 二ご
ツ シ マ イ キ マツ ラ イ ト
封 馬 一支 末 廬 伊 都 ま で は 。 し る せ る 如 く に て。 た が は ざ る を 。 其 次 に奴 國 不 彌 國 投 馬 國 な ど
い へる は 。 漢 呉 音 は さ ら に も い は ず 。 今 の唐 晉 を も ℃ あ て Nも 。 大 和 へ の 道 に は 。 さ る 所 の
名 共 あ る こ と な し 。 叉 不 彌 國 よ り 女 王 の都 ま で 。 南 を さ し て 物 せ し さ ま に い へ る も か な は ず ^
.
り
大 和 は つ く し よ り は す べ て東 を さ し て く る 所 に こ そ あ れ 。 ま た 自 二女 王 國 一以 北 と い へ る も た
が へり 。 以 西 と こ そ い ふ べ け れ 。 み つ か ら 來 た ら ん に 。 か く 北 南 と 西 東 と を わ き ま ふ ま じ き
り
よ し な き を や 。 叉 投 馬 國 よ り 女 王 の 都 ま で 。 水 行 十 日 陸 行 一月 と い へ る 。 水 行 十 日 は さ も 有
ぬ べ し 。 陸 行 一月 は い と 心 得 ず 。 月 の 字 は 日 の誤 な る べ し 。 さ て 一日 と し て は 。 い つ こ の海
噸
クヌ
邊 よ り 竜 。 大 和 の 京 へは い た り が た く 。 又 一月 な ら ん に は 。 山 陽 道 の な か ら の ほ ど よ り 。 陸
ガヂ へ
路 を の ぼ り し と せ ん か 。 さ る こ と 有 べ く も あ ら ず 。 古 西 の國 よ り や ま と へ の ぼ る に は 。 す べ
ナニへ 櫛
て 難 波 の 津 ま で は 。 船 よ り 物 す る ぞ 。 定 れ る こ と な り け る。 か く あ ま た た が へる 事 共 の あ る
は 。 大 和 の 京 に あ ら ざ り し し る 七 に て 。 誠 に は か の筑 紫 な り し も の 丶。 お の れ 姫 奪 也 と い つ
評 . ・ 歴
は り て 。 魏 王 が 使 を も 受 つ る に 。 あ ざ む か れ つ る も の な れ ば 。 其 使 の へて き た り け ん 國 々も .
彎
女 王 の 都 と 思 ぴ し も つ 皆 筑 紫 のう ち な り け り 。 さ れ ば 不 鶸 國 と い ふ よ り 。 投 馬 國 な ど い へ る
ウミ
も み な 。 つく し の し ま の東 べ た を 。 南 を さ し て 物 せ し 。 海 つ路 に て 。 そ の過 し 方 を 以 北 と い
の バカリ シひ も
へるも 此 故 な り 。 ま た周 旋 可 一 一五 干 餘 里 一と い へ る も 。 筑 紫 の洲 に て 。 ぼ と り の嶋 々 か け た る
ノ ル、 ヲ タ リ 也 ㍉ か
程 に よ く か な へり 。 さ て 女 王 國 東 。 渡 レ海 千 餘 里 。 復 有 レ國 皆 倭 種 と い へ る も 。 大 和 に し て は
か な は ず 。 こ れ も つ く し よ り 海 を へだ て Σ東 な る 。 四 國 を い へ る な り 。 後 漢 書 に は 是 を 。
臥二
奎 輿 東・幽 鸛干飴 里・轟 一
狗奴璽 雖 皆倭轄 ト
栗 嵐 ご皇 叫
とい へるも。か の纂
の ノ ノ カフノヘサト
の い つは れ るも の に し た が は ぬ を い へる にて 。 狗 奴國 と は 。伊 豫 國 風 早 郡 に河野 郷 あ れ ば。
そ れ な ど を い へる か 。 魏 志 に 狗 奴 國 の 男 王 と い へ る も 。 す な は ち 此 河 野 の わ た り を う し は き
イ ト. , ナノアガタ
ゐ た り し も の を い ふ な る べ し 。 さ て 思 ふ に 。 か の 伊 都 國 の次 に い へ る 奴 國 は 。 仲 哀 紀 に 儺 縣 9
ナノツ
宣 化 紀 に 那 津 と あ る と こ ろ に て筑 前 。 不 彌 國 も 同 じ き 國 に て 。
瞬.
.麟 ニァ.衛 タ...賓 、︹應 聾 .耋 鋭 れま し 聶 を ・藩 と な づ け し よ し あ れ ば。 そ れ な るべ し9
ぴ ユノ ツ マノ
投 蔚 國 は 。 そ れ よ り 南 水 行 二 十 日 と い へ る に つ き て尋 ぬ る につ 日 向 國 兒 湯 郡 に 。 都 萬 紳 瓧 有
て 。續 且本 後 紀 三 代實 録 延喜 式 など にみ ゆ 。 此 所 に ても あ らん か。 さ て其 餘 の旁國 と は。 此
ノ
道 す ぢ に は あ ら ぬ國 々を い ぴ て。 其 名 共 の中 に。斯 馬國 鬼 國 爲 吾國 など い ふが あ るを。 志 摩
ノ ノ
國 紀 の國 伊 賀 國 に て 。 大 和 の か た は ら の國 也 と 思 へる 人 あ れ ど 。 よ く 思 へば 。 斯 馬 は 筑 前 國
爵 郡か・或は喬 國罷 郡の鬱 郷かなるべし・鬼國は肥前國鵡 郡也・爲吾は.筑後國
、
馭戎慨言 上之卷上 二三
季
馭 戎 慨 言 脚 二 四
も
の
に鬱 郡あ% 然 れぜ 耗 らも髪 9 丶し也け り。 その鎧 奴國 は、葎 畿 氈 郡 に麗 郷
あり・對 蘇國 は土佐 をいふか・邪馬國 は・豊 肋國嚢 鮒 に齷 あり・又景行紀 撫 蘇 志
ノ ヨ シキノ ず ヌノ
ふ も 見 ゆ 。・鳥 奴 國 は 。 周 防 國 吉 覈 郡 に 宇 努 郷 あ り 。夊 大 野 と い ふ 所 も 。 西 の國 々 に ご 玉 か し
こ見 え た り ,・
さ て後 漢 書 ま た 此 魏 志 に 。 か の
リ リシ シ ルコ ル ノ テ ヲ ラ セシム テ ぎ
姫 奪 の御 事 を 申 せ る 申 に 。 自 レ爲 レ王 以 來 。 少 レ有 二見 者 幻 以 ご婢 干 人 瞞
自 侍 。 唯 有 二男 子 一人 鴨 給 二飲
ヲ ヘテ ヲ シ ル
食 議傳 レ辭 出 入 と い へ る も 。 あ ら ぬ こ と 也 。 今 思 ふ に 。 こ れ も か の つく し に て い つ は り し も の
' . 不 ﹂ 肯 面 見
の。 お の れ ま こ と に は 男 に て 。 女 王 に あ ら ざ る が 故 に 。 か の魏 の使 に 。 た 璽 に は え あ は で 、
ト パリ
隔 相 見
・帳 な ど た れ て 。 物 こ し に ぞ あ へ り げ ん 。 其 時 に い つ は り て 。 女 王 は を さ ノ \ 人 に 見 え 給 ふ ご、
と な し 。 此國 人 にあ ひ給 ふ も。 つね に かく のみ こそ あ れ 。 な ど いは せ し そ らご と を。 其 使 は
/
テ ニ
ス
誠 と 思 ひ て 。 國 に か へり て も 。 し か 語 り し 也 。 叉 倭 王 因 レ使 上 表 と い へ る 竜 。 い み し き ひ が
カラ ォ
こ と 也 。 そ の か み 御 國 に い ま だ 漢 も じ を し る こ と な し 。 さ れ ば こ は 使 に 來 し も の 翼。 い つ は
ス
.り 作 り て 。 か の 王 に 見 せ け る か、 又 み だ り に そ へて い へ る に も 有 な ん か し 。 ま た 卑 彌 呼 以 死
ツ ノ ヲ ト
云 凌。 立 ご卑 彌 呼 宗 女 壹 與 殉 年 十 三 爲 レ王 と い へる 。
餓メラミカド 、
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皇 朝
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か の張 政 と いぴ し者 の き つる
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を り は・ さ き の度 の使 を う け し を ? ﹄は・ 誠 旨 にけ る かノ さ らず 共 ・ 卑 彌 呼 は.膨 葺ぎ
女 童
て。 そ の宗 女 也 と いひ な し て 。 此度 は 十 三 に な れ るめ の わら は を。 王 に い ρはゆ し た て 製。
あ は せ し な るべ し。 さ るは か の
姫 奪 の御 名 の高 く ま し ノV し によ り て 。 此度 も し か女 王 に は作 り し なり け り 。 も し 此時 も。 か の
張 政 ま こと に 大 和 の
ゆ
へみ ラ ぷエ
ヤヤ な
皇 京 にま ゐ り た ら ま し かば 。
騨.
.鶴 、
.舞 ."鍛 .、
︹應 紳 ︺.螽 劉 袋 る物 を ・何 のよ レ に か は・ 女 王 と 伎 ぴきか萋 し・ こ
へ
れ ら す べ て 。 ま こ.
と に あ ら ざ り し こ と し る し 。 そ も ノ \ 古 に た ぼ 入 の 。、か し こ く 竜
ス メ ラ ぐヘコ も
天 皇 と い つは ゆ し た め し は。 これ より さ き に も。
シギノミヅガキノミヤニアメノシタシ弼シメシ、 スメラミコト オ 廓 カ ラ ツ 霽 蒼 ア ラ シ も
師 木
水 垣 宮 御
宇 ︹崇 紳 ︺ 天 皇 の御 世 に 。 意 富 加 羅 図 の 王 の 子 。 都 怒 我 阿 羅 斯 等 と い ぴ し
禦
ノ イ ツ ヘ ヒ コ
・が 参 り て 。 長 門 図 に つ き し に 。 そ こ な る 伊 都 々比 古 と い ふ 人 。 我 ぞ 此 國 の 王 な る 。 我 を お き
て 叉 王 は な し と い ひ し こ と有 。 叉 後 に は。
シキ
シマ
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メシ
、
ス
メラ
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瓢
マノ 、
藻蹄 まシノ
師木
島 宮 御 宇 ︹欽 明 ︺ 天 皇 の 御 代 三 十 剛年 に 。 高 麗 國 よ り ま ゐ り し 使 の。 た 窪 よ ひ て 越 國
アガタヅカサ ミツギモノ
に つ き け る を 。 そ の國 の 郡 司 な り し 人 の 。 わ れ 天 皇 也 と て 。 そ の 御 調 を よ こ さ ま に と れ り し
駅 戎慨 言 上 之 巻 上 .
二五
馭 戎 構瓲 言 二六
を。
.
皇饕
はしろしめミ り レ を・ ほ か より あ ら は し申 芒 事 も有 き・そ の かみ つね にゆ き か 裁 .
グニ
、 國 の 使 を す ら 。 か く あ ざ む く も の 玉 有 し か ば 。 ま し て そ れ よ り 上 つ代 に 。 い ま だ お ほ や け よ
ミ 書
り 御 こ と か よ は し 給 ふ こ と も な き 國 へは 。 私 に い
㌔つは り て通 ぴ し たぐ ひ。 これ かれ お ぼ かり
け ん ヒ と 。 思 ひ や る べ し 。 む げ に 近 く こ ﹄ の こ.
と も か し こ の こと 竜 。 た が ひ 忙よ く し り ぬ ベ
ミン ノ
き 世 に な り てす ら 。 か の 明 の 太 祺 が 。 征 西 將 軍 宮 を 。 ま こ と の 天 皇 巴 心 得 て 。 い と ね ん ご ろ
シ モ ノ
に こ と か よ 臓 し 奉 り し を も ゆ 思 ぴ あ は す べ し 。.そ の 事 は 。 下 つ卷 に い ふ べ し 。 か 丶れ ば こ の
驚 駕.
嫐 .礬 御 代 のほど ・ 魏 國 と ゆ き かよ ぴ し も・ み な い つはり ご と に 三 、
.
皇.輾,
には さ ら にし ろ し め さ ぎ し こと な れ ば ・古 事記 に も書 紀 に も ・ し る せ る こと も な し・ 然
ノ
ニ
ク ニ
ク ニ ク
る を 書 紀 の今 本 に 。 三 十 九 年 魏 志 云 云 々。 四 十 年 魏 志 云 云 々。 四 十 三 年 魏 志 云 云 々 と あ る は 。・
コトバ
唱後 の 人 の 魏 志 を よ み て 。 そ の 語 を 。 か た は ら へか き い れ お き し を 。 叉 後 に う つ す 人 の 。 あ や
ま ち て 正 し く 本 文 のご と か き な し た.
る物 に て 。 さ ら に も と よ り の 文 に は あ ら ざ る こ と 。 そ の
コ ガキ
か き ざ ま を も て も さ と る べ し 。 す べ て書 紀 に は 。 小 書 に 。 あ だ し 國 .
のふ み を 引 て。 本 文 と の
異 ソノ .
ク 一
丶
かは り を こと わ り など せ る例 こそ は あ れ 共。 た 璽某 年 と の み い ぴ て。 か ら ぶ み を引 こと は。
例 も こ と わ り も 。 さ ら に な き こ と 也 。 叉 か の 三 十 九 年 の所 に コ 是 年 也 大 歳 己 未 と あ る 竜 。 もご
と よ り の交 に あ ら ざ る し る し 也 。 す べ て 大 歳 云 々と は 。 御 代 ノ \ の は じ め の 年 の 所 に の み こ
そ し るせ る例 な 巾 。 龜 玉 ると ヒ う に はぴ さら に例 なき物 を や 。 さ て四 十 三年 の か たは ら に。
シ
清 本 一向 无 レ之 と か け る は 。 三 十 九 年 云 々四 十 年 云 々 を も あ は せ て。 す べ て な し と に や 。 又 ・
四
十 三
年 タず ホン
の み を い へ る に や 。 い つ れ に ま れ 。 な き が 正 し き 本 な る こと は さ ら 也 。 次 に晋 書 に ?
宣
噺 之
駒 筋
公
孫 馬
一也 。
鵠 女
王 趣
け
憐 。
虱 二帶
九 リ
一朝 鬼 。燕 後 貢 聘 不 レ繕 。鴆 二文 帝 侮 い掲 ・丈 數 -虱
ノ メ ハシ ヲ テ
ヲ ス
と い へ る は 。 か の 魏 の 時 の 事 也 。 次 に 。 泰 始 初 遣 レ使 重 レ譯 入 貢 と い へ る 。 泰 始 は 。 晋 め 武 帝
8
が年 ⋮
號 に て 。 そ の・ 元 年 は。
才 キ デガ タラ シヒ ズノ ミ コト
旨息 長 帶 姫 奪 の 六 十 五 年 に あ た れ り 。勝こ の 入 貢 と い へ る も 。 ま た さ き のた ぐ ひ と し る べ し 。 書 紀
ノ
ノ
の今 の本 に 。 六 十 六 年 。 是 年 晋 武 帝 泰 始 二 年 云 々と あ る も 。 前 に あ げ つ ら へ る が ご と し 。 次
に
ナ ユハノタカツノミヤニアメノシタシロシメシヘ ノ ノ
難波喬津 宮
﹁御 字 ︹仁 徳 ︺ 天 皇 の御 世 五 十 八 年 に 。 呉 國 高 麗 國 並 朝 貢 。 と 書 紀 に 見 え た る?
ノ ほ
ノ
呉 國 の朝 貢 せ し 事 い ぶ か レ 。 .癒 ほ 呉 國 の事 は 。 下 に い ふ べ し 。 次 に
羃 瞿 .
醗 .
磯 ...
響.、
羅 遇 天皇 の御世八年に・髭 聾 謦 榔釁 纓 轡 を・齒 無
馭戎慨言 上之卷上
. 二七
、
馭 戎 慨 言 二八
ノ ノ ノ
し 、 阿 十 年 に か へり 參 る 。 叉 同 御 世 十 二 年 に も 此 二 人 を 呉 國 に 遣 し 玉を 。 同 十 四 年 に 。 呉 國
ノ タナスヱノテビトアヤハトリクレハトリ ヒキヌヘヒエ ビメオトとメ ぜ
使 と 共 に か へり 參 れ る 。 此 時 に呉 國 よ り 献 れ る。 手 末 才 伎 漢 織 呉 織 。 及 衣 縫 兄 媛 弟 媛 等 を 將
ノ ア ゆ チノセ ミ ツ
て 參 れ り と コ 書 紀 に 見 え た り 。 こ れ よ り さ き に 。 明 宮 の銜 代 に 竜 。 三 十 七 年 に 。 陶 知 彼 圭 都
赫 衡ぎ ・晃國 に遣 して・緻 妻 を求ぬしむ・ まつ高麗 に渡り・高麗人 を鬱 響 して・量
に至り しか噌 呉 王・蠧 舞 嫐剃釁 繍灯緯四ん女をあ た へたるを將 三 同 罕 羣 に聯
プ ・ ツタヘ ゴト ノ
參 れ る 事 見 え た れ ど 竜 。 そ れ は 此 朝 倉 宮 の 御 世 の 一 つ 事 の。 ま ぎ れ 距 る 傭 読 に し て。 實 は 明
ワキマ ロ
宮 の御 世 に。 さ る事 は な かり し也 。 そ の よし は 古 事 記傳 o 卅 三 の卷 に委 く 辨 へた るが ご と し。
ノ
さ て 朝 倉 宮 の 御 世 に 。 八 年 と 十 二 年 と コ,二 度 遣 し た り と あ る 竜 。 ま こ と は M度 な り し が 、 ま
が ひ 海 る に は あ ら ざ る に や 。 そ も ノ 丶 そ の こ ろ も ろ こ し の國 は 。 南 朝 北 朝 と て 。 二 つ に分 れ
た り し ほど に て。 そ のか み臭 と いふ國 は な かり し かど も 。 三韓 のあ た り に て は心 はや く より
い ぴ な れ し ま 丶 に 。 か の南 朝 を 。 な ほ 呉 と い ぴ し 也 。 む か し の 呉 の 地 な れ ば ぞ か し 。 か く て デ
ノ
ヤ
朝 倉 宮 の八 年 は 。 か の南 朝 は 宋 と い ぴ し 代 に て σ 世 租 孝 武 帝 が 大 明 八 年 と い ふ に あ た り .十
ノ
ニ 年 は 。 明 帝 が 泰 始 四 年 と い ふ に あ た れ り 。 然 る を か の 國 の 宋 書 ま た 南 史た 。 高 租 永 初 二 年 .
。
謎 既 ・ 倭 讚 萬 里 修 島 云 々。 太 畆 元 嘉 二 年 。 讚 叉 懣 罷可 馬 曹 憲 剛
黐 レあ 献 噸
櫛方 物 殉 讚 残 ・ 弟 珍 ち ・ '
剛
"
ハシテ シ ス ラ プ
ハ マ さ メ
逡 レ使 貢 獻 。 自 稱 蠶使 持 節 都 督 。 倭 百 濟 漸 羅 任 那 秦 韓 慕 韓 六 國 諸 軍 事 。 安 東 大 將 軍 倭 國 王 緯 表
ムじ センコヲ あ メ ス ェ テ ヲ ス タ テ
・ 求 レ除 レ 正 。 詔 除 こ安 東 將 軍 倭 國 王 蹴云 々。 二 十 年 。 倭 國 王 濟 遣 レ使 奉 献 。 復 以 爲 二安 東 將 軍 倭
ド ト フ ヲ
ス
國 王鴫 二十 八 年 。 加 繭 嚇
使 持 節 都 督 。 倭 薪 羅 任 那 加 羅 秦 韓 慕 韓 六 國 將 軍 事 殉 云 々濟 死 。 世 子 興
チ ヲ ス ノ ノ ク ク ク ヲ ス み
遐 レ使 貢 献 。 織 組 大 明 六
年 。 詔 臼 。 倭 王
世 子 興 云 々
。 宜シレ授 二欝 號 殉 可 =安 東 將 軍 倭 國 王 殉 興 死 。
ツ ラ ス
弟 武 立 。 自 穩 二使 摶 節 都 督 。 倭 百 濟 新 羅 任 那 加 羅 秦 韓 慕 韓 七 國 諸 軍 事 。 安 東 大 將 軍 倭 國 王 嚇、
ノ シ ヲ ノ ク 噛 ト ク テ テ シ ヲ ル ス 轟 テ
順 帝 昇 明 二 年 遣 レ使 上 裹 日 暈 々。 臣 雖 二下 愚 殉 忝 胤 二先 緒 鱒 驅 調率 所 ジ統 。 歸 急 ホ天 極 相 道 逕 二百
瀛町 裝 罰淪 船 筋 刈 砿 缸 麗 無 溢 卵 甌 仇 F見 レ呑 。 掠 罰携 邊 鶸 殉 虔 劉 不 レ巳 。 毎 跳 ご稽 鵬 殉 坊 妬 二良 風 櫛
ト ムト ニ ハ ウロハ ラス カ ニ テ ノ スルコヲ ヲ ス ゑ
雖 レ日 レ進 レ路 。 或 通 或 不 。 臣 亡 考 濟 。 實 忿 三寇 讎 壅 コ塞 天 路 叩 擦 弦 百 萬 。 義 聲 感 激 云 々。 ・
今欲叢
霤 ヲ メテ ヲ、 ント ノ ヲ ・ ノ ス ヲ
練 レ甲 治 レ兵 。 申 二父 兄 之 志 叫云 々。 詔 除 ご武 使 持 節 都 督 。 倭 新 羅 任 那 加 羅 秦 韓 慕 韓 六 圃 諸 軍 箏
ね
安 東 大 將 軍 倭 王 輔と い へる 。 高 祗 永 初 二 年 。 ま た 太 祗 元 嘉 廿 八 年 と い へる み な 。
やホヅアスカノミヤ ユアメノシタシロシメシヘ スメラミ コト メ
遠 飛 鳥 宮 御 字 ︹允 恭 ∪ 天 皇 の 御 代 の ほ ど な る を コ 此 間 に 。 倭 讚 梁 書 作 レ賛 と い ひ 。 讚 死
エ ツ
ハ ニ
ミ へ
弟 珍 梁書 作レ彌 立 と い ぴ 。 ま た 倭 國 王 濟 南 史或 作 二綏 濟 一 と い ぴ て 。 三 御 代 と し 。 次 に 世 祺 大
ノ
ノ
明 六 年 。 順 帝 昇﹁ 明 二年・ と い へ る は 。 と も に 朝 倉 宮 の御 世 な る を 。 此 闇 に 。 倭 王 世 子 興 と い び 。
ノ ツ ラタミ ゑ
興 死 弟 武 立 と いひ て 。 二 御 代 と し た る な ど 。 み な た が へり 。 又 此 あ ひ だ の御 代 ノ \ の
へ
駁 戎慨 書 上 之 卷 上 . 二九
誼
\
3
馭 戎 慨 言 尸 三 〇
{
天 皇 に 。 讚 珍 濟 興 武 な ど ㌦申 す 御 名 あ る こ と な し 。 但 し か の し る せ る お も む き 。
イ ハレノワヵサクラノミヤニアメノシタシロシメシ、 スメラミコト ,ミ ツギ ミ オト
磐 余 若 櫻 宮 。御 宇 ︹履 中 ) 天 皇 の御 次 に。 そ の御 弟
ク ヂ ヒノ シバガ キノ ミヤ ニア メ ノシタ シ ロシ メシ 、 ス メラ ミ コト. ミ ツギ
多治 比柴 垣 宮 御 宇 ︹反 正︺ 天 皇 。 そ の御 次 に。
あ ホツ ア スカ ノミヤ ニア メ ノシタ シ ロシメ シ ヘ ス メラ ミ はト ミ ツギ ミ コ
遠 飛 鳥 宮 御 , 宇 ︹允恭 Ψ.天皇 。 そ の御 次 に。 御 子
イソノガミノアナホノミヤ ニアメノシタシロシメシヘ スメラミコト ミ オト
石 上 穴 穗宮 御 宇 ︹安 康 ︺ 天 皇 。 そ の御 つぎ に。 御 弟 、
羃 輾鬱 .、
徹ー 、
.犠.、
︹雄畧︺.
蠡 ど馨 レうしめレ 養 葬 にあ へる故 に・梺 氏・此
丶
天 皇 た ち の御 名く を。 お のく か の讃 な ど い へる名 共 にあ て た れ ど も。 さら に かな はず 。 いさ
ヲ ヌノイモコノオミ
さ か も 似 つ か ぬ し ぴ ご と 也 。 但 し か の 小 野 妹 子 臣 竜 。 唐 の國 に て に 。 蘇 因 高 と な の り し が ご
と く に・ 觜 世ー の御 名 を も・ 響 に から め か しく作 り か へて・葵 な ど の傳 へし 事 儒
卵 あ る ま じ き に あ ら ず 。 叉 こ N の 御 代 と 。、か し こ の し る せ る年 と 。 や 漫 た が へ る 。 こ れ は た さ
ツ ノ ノ
る た め し お ほ か れ ば 。 と が む べ き に あ ら ず ② 然 は あ れ ど も 。 遠 飛 鳥 宮 よ り 穴 穗 宮 ま で の御 代
御 代 に 。 も ろ こ し へ御 使 つ か は し て コ む つび 給 ぴ し と い ふ こ と 。 さ ら に
ズメラミカド .
爵 號
皇 朝 に は し ろ し め さ 璽 り し 事 共 に て 。 か の國 の つ.か さ など う け給 ひ し よ し な ど し るせ る は。 ま
して か た じ け なく ・ かけ ても あ るま じ き わ ざ也 つ す べ て 読 ら は ・ そ のか み轍 の職 ら國 へま ・
居 マツリて マヘッギミ 。 り
か り ゐ て。 其 國 々の 敷 と、 り け る。 日本 府 の 卿 など の。 わ た く し の し わざ にな ん有 し。 さ
る は そ の こ ろ ほ ひ 。 韓 の國 々 み だ れ て 。
ヌヘツギミ
皇 朝 に そ む き 奉 り し も の な ど 竜 有 し か ば 。・か の 卿 た ち 。 わ た く し に
蚕 の御 使 と 訟 な し て・ も ろ こし の王 と こと か よは し・物 な ど を 毛 ・ かり ζ ての鵡 嵳 匸
ケ トナリ 威 雫
受 な ど も し て 。 隣 の 大 き な る國 の い き ほ ぴ を か り て 。 寄 る 者 共 を ま つ ろ へし づ め ん と て の。
。 ノ キビノカンツミチノ才ミタケ
は か り ご と な ど に て あ り け ん も し り が た く 。 又 朝 倉 宮 の 御 世 の 七 年 に。 吉 備 上 道 臣 田 狹 を 。 ・
勢
ミマナ 宰 ψ タ サ
任 那 の國 の み こ と も ち と し て つ か は し け る に 。 よ し あ り て 此 田 狹 。 漸 羅 と ひ と つ に な り て 。
征
皇 朝 に そ む き奉 り し 事 あ り 。
.又 同 き 九 年 に は 。 新 羅 の國 の そ む け る を 。 こ と む け に つ か は し た り
続 翼 だ ち ・ か し こ に て・ お の がじ ホ き ほ ぴ を あら そ ぴ し こと も 翻 。 ま た
遁.飛 麟 樫 ..徹 タ.. 鍛 .、︹顯 宗︺.蠢 劉 代 に は・ 緲 髴 綴 ・ 覈 の國 にあ り て・ 高 麗 と 轤 つび・
ナキ
三韓 の 王 に なら ん と し て。 みつ か ら祚 聖 と な のり し事 も 有 き。 か ﹂る た ぐ ぴ。 な ぼ前 にも後
に も有 けん 。 然 れ ば さ る人 共 の。 お のが いき ほ ぴ を か 貸や かさ ん がた め のゆ い つはり ご と に
て も有 け ん か し。 さ れ ば こそ "倭 百濟 新 羅 任那 秦 韓 慕 韓 六國 諸 軍 事 な ど ﹄な のり 。 ま た さ る
つか さ を賜 は らん と も こぴ たり け め。 か の昇 明 二年 遣 レ使 上 レ表 と いひ て。 のせ た る詞 を見 る
馭戎慨 言上之卷上 ご二
馭 戎 慨 嘗
・ '
三ニ
ミ 〃回
をト 女 辭
に。 さ ら にそ のヒ ろ の御 國 人 の かけ るふ み こと ば のさ ま に あら ず 。韓 國 に て あ ひ は か り て。
令 書
そ の 國 人 に か Σせ し 物 也 。 句 麗 無 道 云 々と い ぴ て 。 高 麗 を い た く あ し さ ま に い へる を 思 へぼ 。
.
ク サ
か の薪 羅 と ぴ と つ に な れ り し 。 田 狹 が し わ ざ に や 有 け ん 。配か の 御 代 の 事 を た つ ぬ る に . 七 年
に 田 狹 が 事 有 て 。 そ の 又 の と し 。 薪 羅 の 國 王 。 タ
皇 朝 を お それ 奉 り て 。窩 麗 と む つばむ と せ し を。 高 麗 か つ はり う げ が ぴ て。 薪 羅 をま も ら す るま
ね し て。 ま と と は其國 をと ら ん と し て。 軍 を出 しけ る時 に。 薪 羅 王 任那 王 に か たら ぴ て 。 R
丶、
カシバ ヂノオミイカルガギビノオミヲ タ掌 ・
本 府 の元 帥 た ち の す く ぴ を こ ぴ け る に 。 任 那 王 や が て 。 日 本 府 な る 膳 臣 斑 鳩 吉 備 臣 小 梨 難
ハ ノキ シ アヵメ ヨ ロリ
波 吉 士 赤 目 子 な ど を す 玉め て 。 新 羅 を す く は せ 。 窩 麗 と た Σ か ぴ し 事 有 。 此 と き 新 羅 は 。
黨
皇 朝 に そ む け る國 な る を 。 日 本 府 元 帥 ど も の。 か へり て ヒ れ を す く ひ し は 。 み な か の 田 狹 が と 亀
敵 "
が ら な り け ら し 。 高 麗 を ば 。 か く か た き と し て 。 戰 ひ し こ ろ な る が 故 に。 い た く あ し さ ま に ㌦
は い ひ な せ し也 。 そ もノ\ 此 時 に。 高麗 の
轡
無 禮
皇 朝 へゐ や な か り し こ と は 見 え ず 。 新羅 ぞ か に か く に ゐ や な か り し か ば 。
天皇 御 みつ から 評 に いで ま さ ん と さ へおも ほ し た り き、 さ れ轟 の いさ め給 ひ し に よ り て・ 御
ギ
ノ
コユ
ミノ
スクネ
ソ寿ノカ儲
フコノスクネォホトモノカタリノムラジヲカヒノスクネ 愛ホミ コト
み つ か ら は い で ま さ で。 紀 小 弓 宿 彌 蘇 我 韓 子 宿 禰 大 俘 談 逕 小 鹿 火 宿 禰 な ど に 。 大 御 雷 お ふ せ
﹄
舞
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靉卜
夢
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ク 7惣 謙
て 。
う 海
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ふ 。 其 時 の 大
御 詔 と て
。 斯 羅 自
レ居 畿
西 土 殉累 レ葉 稱 レ臣
。 朝
聘 無 レ蓮 っ 貴 職 允
ヘ
リ テ カ クルム ユ ヲ ノ ニ シテ ジ ノ も ミ ノ ヲ ム ノ ヲ ヤ
濟 。 逮 蠢乎 験 之 王 二天 下 鱒 投 二刃對 馬 之 外 憩 竄 二跡 匝 羅 之 表 殉 阻 三、同麗 之 寅⑩ 呑 二百 濟 之 、城弔 況 復
ニ み
ヤ シ ルコ ケハ と レバク チ ヲ ノ ご ト ク ゐ
グ ノ ヲ エ ヂ
朝 聘 既 蕨 。 貢 磯 莫 レ修 。 狼 子 野 心 。 餽 飛 飢 附 。 以 二汝 四 卿 ⑩ 拜 爲 二大 將 ④ 宜 下以 二王 師 憩 薄 伐 天
シ 反
罫 襲 行切 と 書 紀 に あ り' 。 然 る に か の宋 書 に の せ た る 書 の お も む き は 。 こ れ と か へさ ま な る に
て も ◎ か の書 あ 。 .
.
∼
ロ オホミコらゆ
畠 朝 の 大 御 心 に あ ら ざ り し こ と は 。 い ち じ る き 物 を や 、 此 事 は 。 か の昇 明 二 年 よ り は 。 十 五 六 年
ザキ ヘ
前 に あ た れ 共 。・す ぺ て 古 の こ と は ζ ﹄と か し こ と 。 し る せ る 年 の あ は ざ る た め し な 冷 い と お
ぞクサ
ほ か れ ば や ま さ し く 此 ほ ど の こ と 丶ぞ お 猷 ゆ る 。 但 し 同 じ き 御 世 廿 年 に 。 寓 麗 王 軍 を お こ し
アチノ才ミウマ
カヒノ才ミ ツナイク埜 寓 麗
て。 百濟 を せ め し に よ り て。 同 廿、 三 年 。 筑 紫 の安 致 臣 鳶 飼 臣 ら コ 船 師 を ゐ て 。、こ ま を う ち し
. こ と 見 え た るコ こ れ か の昇 明 二 年 に あ た れ 拭 。 此 時 の事 か 共 い ふ ぺ け れ ど 。 既 時 も 窩 麗 は 。 ・
ツ ヲ キ ビノカユヲ シぼ
さ ば か り 深 き 御 乏 が め 共 聞 え ず 。 そ の 同 じ 年 に も ま た 。 征 二新 羅 一將 軍 吉 備 臣 尾 代 云 々な ど 転
サ ﹁ オモ
見 え て 。﹁か 忙 か く 忙 漸 羅 ぞ 罪 は 蠶 か る に 。.
か の書 に 。 そ の あ し き 蟇 を 拭 。"つゆ 健 か り ・
も いは
ざ れ 拭 コ 獪 其 を つ の 事 に 依 あ らず な ん 。 さ て か の ・
. ・
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朝 倉 宮 ︹雄 轡︺夫 皇 の萄 世 に・ 輿凶 に御 使 つか 拭 し 丶よ し。 書 紀 に見 え た る は。 い か にと い 彪 。
価
馭戎慨欝上之懇上 ・
翼竃
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O ・馭 戎 慨 書
ノ 三 四 ・.
バ クオリギヌヘビ
欄
そ はた 璽呉 と いふ國 の有 て。 よ き服織 衣 縫 な ど あ り乏 い ふ こと を 。韓 人 の つて に き ζし めし
で 。 そ れ を め さ む と て に こ そ 有 け れ 。 さ ら に其 國 王 に 認 か よ は し て 。 む つび 給 は む と の 御 使 .
、
た は あ ら ず 。 海 と ぴ そ の つ い で に 。 か の 王 が も と に も 。 仰 せ つ か は し 玉事 は 有 け む に て も 。
か れ がさ ば か り ょ ろづ に おご り なら ひ て。 な め し き さ ま など は 。 しろ し めす べ き にあ らず .
た 璽 ミ韓 な ど の 王 ど も と ひ と し な み に お も ほ し た る べ け れ ば 。 何 事 も そ の趣 に こ そ は あ り け ・
め 。、そ の か み の・
大 か た の あ り さ ま を も て 思 ふ に。 さ ら に か の國 の 書 ど も に し る し た る 如 く な
、
る 事 に は 有 べ か ら ず ゆ ま し て 詔 書 な ど つ か は す べ 鳶 さ ま に も あ ら ず 。 さ れ ば か の宋 書 に し る
せ る は 。 み な 上 に い へ る ご と く 。 三 韓 に て 日 本 府 の卿 た ち の 。 わ た く し の し わ ざ に こ そ あ り
けれ。
ゆ コトノ
皇 朝 に は か つて し ろ し め さ ぬ事 に て。書 紀 に し る さ れた る御 使 は 。 別 事 にぞ 有 け む。ざ る故 に か
ノ
の 十 四 年 に 。 呉 図 使 の參 り 來 つ る は 。 いと た も か な る 事 な る 梶 。 が し こ .
の書 に は 。 か へり て
其 事 は す ぺ て 見 え ず 。 す べ て か れ と こ れ と 。 あ へ る 事 一 つも あ ら ず 。 こ れ に よ り て 思 ふ に ぼ 。
ノ
ノ
呉 國 の 使 と て參 り し も 。 い か な る さ ま に か 有 け ん 。 高 津 宮 の御 世 に 。 呉 國 朝 貢 と あ る と 共 に。
テ ニ 、 - ハ ハ
い と い ふ か し き こ と な り か し 。 次 に 北 巣 ま た 隋 書 に 。 至 ご開 皇 二 十 年 鱒 倭 王 姓 阿 毎 。 字 多 利
∼
サ
思比孤。鸚 陶 輩難甄 ・舞 衡詣象 至 ・王妻鸚 難 郵 秀 ・舅 太} 爲二利歌彌多弗郵 至
。 シデ ヲ ス ノ ニ ノ ス タ ノ ニ
大
業 ミ 年 。 其 王
多 利 思 比 孤 。 遣
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使 朝
貢 云
々。
其
國 書
日 。 日 出 處 天 子 。 致 二書 日 沒 處 天 子 殉
鑑 帥恙 云 々。 帝 鸚 不 レ挽 。 轟 二鴻 臚 難 一
臥 息 蠻 弗 書 。 私 ひ無 レ
禮 瀞 鴨 瓠 潜復 以 臨 櫛.明 年 上 遇 "
夊林郎
裴 世
清ヲ ノ
セシム ニ リ 毘 テ リ 識 ミ ヲ フ ︾
ヲ 、 カニリ
隔隋 書 無 垂 皐 皐 同 使 ユ倭 國 殉 度 二百 濟 鴫 行 至 ご竹 島 鱒南 望 鷲耽 羅 國 噸經 二都 斯 麻 國 湘遖 在 二
九甑 翼 東虱三 纛 麦 笋 竹斯亂夏 東乱二
秦颪 幅
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み ユ ハジ ヲ ヘ ヲ ケ ヲ シデ ヲ リ
國 齢以 東 。 皆 附 調庸 於 倭 峭 倭 王 遣 二小 徳 阿 輩 臺 鱒 從 二數 百 人 髄設 幅儀 仗 殉 鳴 こ皷 角 嚇來 迎 ゆ 後 +
日・螽 契 馨 多勞 徳三 蟇 齢 籤 ・蟹 鵜 聾 釜 磐 世塗 相見・九鷺 ・ 我畢
ヱ リト ノ ユハシテ ス レ ソ ぬ ヲ ヲ ヂ ソヒ ュ
海 西 有 二大 隋 禮 義 之 國 縛 故 逡 朝 貢 。 我 夷 人 僻 調在 海 隅 鱒 不 レ聞 二禮 義 叩 是 以 稽 調留 境 内 噸 不 識帥 粗
戛 島 流匙 飾 晦 隷 失 鰆 勤彫二
大國惟薪毒 薄 衡 ・皇帝籤 ミ一
鰆 澤流氤 準
以デノ フヲ ヲ コ ハシ 婁 テ ,
禍 セシム ラ デ ヲカシム 論 ノ ハシ ヲ テ ニ グ ニ ス
二王 慕 す化 故 。 逡 二行 入 一來 レ此 宣 鍮 。醜 而 引 レ清 就 レ館 。 其 後 清 遣 レ人 。 謂 二其 王 噴園 。 朝 命 既 逹 。
清 ヂ メント ヲ チ ュ チ ヲ ヂ ヲ ク ム ジソ チ ニ テ セ ド ヲ ノ な ツ
帥 減 レ塗 。 於 レ是 設 二宴 享 相 以 遣 レ清 。 復 令 三使 者 隨 レ清 來 。 貫 二方 物 四 此 後 途 絶 と い.へ る 。 開
皇 は。 か の國 階 の文 帝 が年號 。 そ の二 十年 は。
タハサクノミヤ
ヲ メノシタシセシメス ち ハス ヲ お
小 治 田 宮
﹁
御 宇 ︹推 古 冒 天 皇 の 御 代 八 年 忙 あ た れ り 。其 年 倭 王 遣 レ使 と い へ る ヒ と 、ま こ と の
オミ
クダ リ ツ ミ オホミ クニ
、皇 朝 の 御 使 に あ ら ず 。 そ の よ し は 下 に い ふ べ 七 。ナ ベ て 上 の 件 の 竜 ろ こ し の 書 ど も に 。 大 御 國 の
ま
馭戎 慨 賽 上 之 卷 上 .
三 五
㍉
馭 戎 慨 晶
露 、
・
三亠
ハ
耆 さま などをし るせ耄 と起 霓 るに・あるぴは濺 のつ三 叉西 のほとり の國 人 の・
み だ り に い へ る を き Σ。 あ る ぴ は 叉 か し こ の 使 な ど の ・
來 て。 み つ から 物 せ し も。 潅 買筑紫 わ
た り 、 西 の か た そ は を 見 た る の み に て 。 な べ て の さ ま く は し き 事 を ば し ら ず て い へる 故 に。
い つ れ も み だ り に て。.ぴ が こ と が ち 也 。 さ れ ば か の よ N 忙 。 倭 王 の 使 と い つ は り し た ぐ ぴ を
竜 。 深 く は 思 ぴ た ど ら で。 た 讐 み な ま こ と と 心 得 て 。 み だ り に レ る せ ル 物 也 。 さ る は 入 の國
のし た が ひ く る こと にし あ れ ば。 す こ し は い つ はり か 共 し り な が ら。 しら ず がほ にて . ま こ
セ
カサ サ ミ クあ
・と に な し て 。 國 の 光 に せ ん こ と 。 か の國 に て は 。 さ も 有 ぬ べ き わ ざ な る を 。 皐 凾 の 人 さ へ、
ゴ ト サミ
そ の い つ は り な り し こ と を。 く は し く も わ 毒 ま へ だ 讐 さ で。 か の み だ り 嘗 お ほ か る か ら 一書 を.
.
た 茎 ことと のみ儲じ をるは・ いとも彊 ア
﹄く・嘱れたぎわざなりかし・ かの國 ぶみども の
唐 も・ を 唐蓬 のみ は・艶 艶 みども にし るせ る嚢 をばとら で・た晶 哭 皇沓 鴻
岬
ト ノ ノま メチト あ ス
員 多 利 思 比 孤 殉 隋 開 皇 末 。 始 與 二中 國 一
通 と し る せ り 。 こ れ は た 開 蠱 と い へ る は た が へれ ど コ
隋 よ り は じ ま る と い へ る 。 こ れ ぞ ま こ と に て。 唐 の こ ろ 。 御 國 の 御 使 の か た り け る を 聞 し お
へ
竜 む き と お ぼ し け れ ば 。 そ の か み 御 國 の古 の傳 へも 。 た 穿 書 紀 の ご と く 。
ジ すダ 通 メ
小 治 田 の 御 代 の 御 使 を 。 麿 國 の み む つが の始 と 健 せ し 也 。 さ て 大 業 は 。 隋 の煬 帝 が 年 號 。、
そ の糞
●
年 は・ す な はち 同 じ 御代 の圭 年 に て・ 此 御 使 ぞ ま さ し く かの媛 護 を つかは し を い ぴ て.
な
ミリ
ミツる
カレ ハス み
皇 朝 の 大 征 似 の は じ め に は 有 け る 9 此 時 か の 國 は 。 隋 の 代 な り し を 。 書 紀 に . 逡 二於 大 唐 陣と し る
ほうパ
さ れ た る は 。 此 後 ほ ど 鼠りな く 隋 は ほ ろ び て 。 書 紀 撰 れ し ほ ど は 。 唐 の 代 な り し 故 に 。 そ の 時
サキ タラシコな
の名 を 。 前 へも か よ は し て い へ る 也 。 さ て 多 利 思 比 孤 と は 。 足 彦 と 申 す ヒ と エ聞 え た り 。 ζ
れ を か の唐 書 に 。
用 明 天 皇 の御 名 と せ るは。 御 代 も 允 が ぴ。 又 か の
天 皇 を し か申 せ し 事 も 見 え ず 。
タ ハぴダノ
ヒメミきき
小 治 田 ︹推 古 ︺ 天 皇 は 。 姫 奪 に ま し ま せ ば 。 も と よ り 此 御 名 お び 給 ふ べ く 竜 あ ら ず 。 叉 か の 開 皇
僧
の時 に 。 御 使 つ か は し 玉 事 も 。 書 紀 に 見 えず 。 か れ こ れ う け が た き に ょ り て 。 つ ら ノ\ 思 ふ
に 。.
か の開 皇 廿 年 に 使 を や り し は 。 か の
浄キ
ナガ
タラ
シ隻 ぐ 帚 ホトひ ハ
ハ
息 長 帶 姫 奪 の御 代 に有 し たぐ ひ に て。 西 の邊 なる 懲 の 玉し わ ざ に て。 姓 阿 毎 字 多 利 思 比 孤 と は,
イ ツ
ハ アズタラシヒコ クラシヒコ
僞 り て 天 足 彦 と な の り し な る べ し 。 そ も ノ 丶 足 彦 と申 す は 。 御 世 ノ \ の
オホミ ナ アメ
天 皇 の大 御 名 に 。 こ れ か れ あ ま た 有 て 。 た 野 入 の み だ り に つ く ま じ き に 。 天 と さ へ い へる は 。
天皇 の御使と いつはらん がためなりけんや鶲 二
阿輩難郵 とは・廣 鸛 には・端 國鸚 陶 輩 難野 華
馭戎瓶隔言上之卷上 .
,
三 七
■
馭 戎 慨 言 三八
ノ ナリ
書 天 皇 也 と い へり 。 し か れ ば こ れ ら も み な 。、僞 り て い へる な る べ し 。 然 る を か の國 には 。・ζ
㍉ ミ ク縞 、 ナ、トセ
れ を ま こ と の御 國 の 君 と 心 得 ゐ た の し 故 に 。 そ の 玉 ち 七 年 を へて 。 大 業 三年 に 。 ま こ と の御 .
〆 吏 嘗.
使 のま か り し を り 竜 。 獪 さ 懸 の 同 b 君 の 御 世 な る べ し と 思 ぴ て 。 ふ み び と の お し あ て に 。 さ
き の省 を し る し お け る物 な る べ し 。 さ て か の唐 書 に 。・開 皇 と い へ る ば 。 ・
御 國 人 は た 璽隋 の 時
搾 塗
を 始 と か た り け ん を 。 隋 書 に ょ り て 。 お し て し か 定 め て。 し る せ る な る べ し 。 さ て 日 出 處 天
ミョ
トノリノフミ
子,曇 々と あ る 詔 書 は 。'
書 紀 に は の せら れざ れ ど も ま こ と に さ ぞ有 け ん 。 か の國 に て。後 の
代 のふ み ど も にま で引 出 て。 ・名 高 言 事 也 。 そ も ノ・ \
至 霹 . オホミ ク冤 コロ ヅ ミ
天 皇 の か ぎ り な く 奪 く ま し ま す 御 事 は 。 申 す も さ ら な れ ど 、 ま つ 大 御 國 は 。 萬 の國 を あ ま ね く 御
テラ
照 し ま し ま す 。.■
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ヒ 柔 ミ を 建 ζ アメツチ アヒダ . h
臼 の大 御 紳 の御 國 に し て 。 天 地 の聞 に 及 ぶ 國 な き を 。 や が て そ の
オホミ カミ ミ スヱ アマツ セ ツギ ミ クコ
大 御 紳 の 御 宋 を 。 つ ぎ ノ 丶 に 傅 へま し た 丶 て 。 天 津 日 嗣 と 申 し て ∫ 其 御 國 し ろ し め し 。 萬 代 の 末
ミクラヰ
ま で も。 うご き な き御 位 にな ん ま し ま せ ば。 か の よし も な く み だ り に た か ぶ妙 を るゆ も ろ こ
し の國 の 王 な ど の 。 か け て 電 及 び 奉 る べ き 物 に あ ら ず 。 ぱ る か にす ぐ 剋 て 。・魯 く ま し ま せ ば 。
ミカ
あノリノまツミ
も し か の國 王 な ど へ。 詔 ・ 書 た ま ば ん に は 。 ー ..
・・
天皇整 隋里 嚇
など こそ套 きに・ 此度 糠れをし竜・天子と のたミ るは・ダ ま 給 へるを ・
こ と わり に過 た り 鳶 。 も かは あ れ共 。 か れ は た し かす が に大 き な 惹國 に て。.か だぺ の國 共 を
へ
し た が へて。古 よ り お ご り な ら へ る王 に しあ れ ば。 し か隋 國 王 など ジの. た ま ひ つかは さ ん に
は。 いと 黛 いみ し も はら た ち ぬべ き を。 こ な た に は深 く のぞ み給 ふ事 し 有 てゆ つか はす 御 使
冖、 蕊 ば ・ し ば し 心 を や ぶ るべ き に 鯵 あ らざ れ ば・ 心 よ から ぬ わざ な がら・ 此詔 鵞 は・醐
り に季 とあが真 つか 讐 を と・ さ 巻 ぬべ し・ 然 る をな 象 撫 しと三 よう ヒば ざ
レ し は・ か のか た 管 の夢 國 の 王 ど も の・ し た がひ萼 グ㌔ へ書 ぴく 詮 のみ な ら ひ
て。 お の れ より は
天 皇 の こ よ な ぐ た ふ と く ま レ ま す こ と わ り を し ら ざ る が 故 な り 。,も し 此 こ と わ り を し ら ば 。 有 ベ
ス ' 轟 〆 才水ミ 認ト ヲガ .
き ま ﹄ に勅 二隋 國 王 軸 ・
と あ らん に て も。 悦 び か し ζま り て。 か た じ け な き大御 詔 を。う け 拜 み
奉 る べ き わ ざ な る を や 。 さ て そ の明 年 文 林 郎 裴 世 清 と かふ も の。 か の國 王 が 使 乏 し て 參 り てゐ O
そ の八 月 に 京 に め さ れ 。
皇 朝 を を が み 奉 り し 事 も 9 書 紀 と あ へ り 。 又 そ れ が 經 て來 つ る 道 の國 々 を し る せ る 竜 。 た が へる
こと なぐ て。 か の ・
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馭戎 慨
言 上 之 卷
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撰 駕 郷 餐 御世 に。 いつはれ るもの 譱 へ麗 の來たりしをり の・道 の國 窰 い へるさまと
.ば い た く こ と 也 。脅こ れ に て 庵 。・か の時 φ は ηコい つば 紅 な り し ζ と い ち じ る し 。 但 し 此 度 も 竹
,
斯 シ やコほノナ
國 よ り 東 秦 王 國 ど い へ る の み は 。 山 陽 道 の西 べ た の 國 の 地 名 を 。 聞 あ や ま れ る 物 と 見 え て 。
ギ リ
ノ お テ ス ヲ
さ だ か なら ず 。
・さ て北 史 に は ゆ 其 王 盥ぎ世 溝 鱒
來 貢 二方 物 麟と い へり 。 こ に 隋 書 と あ は せ 見 る に 。
攣 の芝 ・毒 み ζとば摯 三 いみしきひがごど也・、
隋鵞 9 興 レ
霜 見と いひ三
ム ヲノテ 昌 ラ ノ 晦脚
﹁下 に 復 令 二使 ー者 隨 レ
清 來 鵜と あ れ ば 。 此 二 つ の清 字 を 見 ま が へ て 。 其 あ ひ だ の こ と ば 共 を 。 お
ゴ ケ
と せ る な り げ り 。 さ れ ば 今 は そ の 隋 書 の ま 丶に 引 り 。 さ て
ゆ ミ コト レ ソ こ
天 皇 の,
か の 使 に の た ま 依 せ し 御 言 と て 。・我 夷 人 僻 謌在 海 隅 髄云.
々 な ど し る せ る は 。 い み し き つく り
ぼト
ヒ ノ
言 也 。、日 出 處 天 子 ど σ た ま ひ つ か は し 玉 .
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・
天 皇 の か ﹄ る こ と の給 ふ べ き 物 か は 。 か の 詔 書 と あ ひ か な は ぬ を 愚 て 。 使 の そ ら こ と な り し ほ ど
テ ク
は 。 お し は か り っ ぺ し 。 す べ て 此 詞 も 。 清 答 日 云々 の 詞 竜 。 み な 國 に か へり て 。 か の主 が 撹
イみ
ぶ ぺ 鳶 さ ま につ わ れ だ け く つ く り て ぴそ ら ご と せ し を 。其 ま エに し る せ し 物 ぞ 。 さ て 此 と き 妹
黙ノ矛ミ ミ駆タヘ フミ .百 濟
子 臣 。冖か の図 王 が 御 答 の 書 を も て こ し を 噂 道 に し て く だ ら 人 に か す め と 、られ しよ し。書 紀 に
見えたり・叉かの使輩 滴 奪 て參りし謬 ・皇帝陽一
倭 艶 笑 長吏大禮蘇因嵩簔 長 辱
デ テ ヲ ス ヲ フ ウシ ヲ 倉シ3シメン養 轟 .
ノ シ ルコ ヲ ヌ メ
験 欽 ,承 二寶 命 憩 臨 ⇒御 區 宇 鴫 思 下弘 二徳 化 憩 蕈 劇被 含 驫琵 愛 育 之 情 。 無 レ隔 二遐 、
遡 殉,
知 皇 介 判居 海
ユ シ ヲ ス ク ス ヲ ドノ デル リ スルコ
表 鴨 撫 斗寧 民 "庶 叩 境 内 安 樂 。 風 俗 融 和 。 深 氣 至 誠 。 遠 修 =朝 藁 ゆ 丹 歓 之 扶。 験 有 レ嘉 焉 云 々。
ノ 別
と 書 紀 に の れ り 。 こ れ は か の 妹 子 臣 が も て ヒ し と は σ こ と な つ し に や 。 此 書 に 倭 皇 と申 せ る ・
へ
タブト
こ と う た が は し 。 其 故 は刃 す べ て か の國 の 王 は 。 古 よ 駐 お ご レ な ら ひ て 、 奪 き も の は た 冨 お
のれ ひ とり 患 ひ を る から ・ 転 だ し國 の君 を ば・ み ぢ にあ な つり いや し め てゆ お し て套
や つ こ の如 く に あ へし ら ふ な ら ひ に 。 い ま だ ・
.
.齢
至 算 ,
莞 禮
天 皇 のか ぎ り なく 奪 く ま しま す 御 事 を ば 。 し ら ざ るがゆ ゑ に。 此 書 の詞 。す べ て い と な め しき に
び ヲハリタノミなトノ
あ は す れ ば 。 皇 と 申 せ る こ と あ ぴ か な はず 。 さ れ ば こ れ は 經 籍 後 傳 記 に。 小 治 田 朝 + 二 年 。
ノ
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カラ
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メ
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チ
ス
ノ
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ニ髄
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歳 次 甲 子 。 是 時 國 家 書 籍 未 レ多 。 爰 遣 二小 野 臣 因 高 於 隋 図 殉 習 調求 書 絆 殉 覈 聘 ご隋 天 子 殉 其 書 日 。、
ズ
ノ スト ヲ ノ ニ ノ テ ヲ テ ノ ノ ナルヲ シ ヲ
日 出 處 天 皇 致 二書 日 沒 處 天 子 殉 隋 煬 帝 覽 レ之 不 レ挽 。 .獪 怪 ご其 意 氣 嵩 遠 鴫 遣 こ裴 世 清 等 十 三 入 刈
拳 因轟 螽 酵 辱 共蘇 ・皇翫 畠
塁 薹 徳李 茜.
懇髭 .
劉 罫乏聾 簿 篁 認
・ヲ 階 貶 ノ
、
不 レ賞 二其 使 幻 と あ る ぞ ま と と な り け ん を 。 書 紀 に は 。 王 と お と し 申 せ る こ と を き ら ぴ て 。 皇
ノ
字 κ は改 め て の せら れ し な る べ し。 然 る を李 氏 の翌 徳 太 子傳 贋 に。 銑隋 王 が書 の事 を いか に
と 。 ㌧
馭 戎慨 嘗 上 之卷 上 .
鴎 鰰
ノ O
、
駅 戒 慨 言 '
凶二
■
天皇 の周せ給 へる・李 の難 に・季 腸藷 皇 圃
熟 也・簍 帝峯 ・天} .
聖 葡 劇 警
レ リ ノ ツク
彼 有 二其 櫨 叩 と 申 給 へ る よ し し る せ る は 。 書 紀 の 皇 字 に つ き て 。 ・
造 れ る こと 玉聞 え た り 。 す
べ て こ の纏 に鷹 か 玉る たぐ ぴ の つく り こ と お ほく て聡 ザ がた し ◎ さ て そ の九 丹 に・ か
紲
の集 簒 り か へるにたぐ へて。叉 しも嫩 讓 を。か の國 へ遣 し屠 。共度 の詔書 は、癸 專
デ
ス
昌 .
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ニ ケヌ ン フ凱 ナラン胃、靴モ
皇 敬 白 二西 皇 帝 殉、
使 人 鴻 臚 寺 掌 客 裴 世 清 等 至 。久 憶 方 解 。季 秋 薄 冷 。奪 候 何 ﹁如 。想 清 念 。 此
ゆシ ノネ
帥如レ 常 云 々と 。 書 紀 に の れ り 。 今 つ ら ノ 丶 此 二 度 のゆ き 製 の あ ぴ だ の 事 を 考 る に。 ま つ は
ゆ
じ め の た び つ か 臓 し Σ詔 書 を。 か の 王 よ ろ こ ぱ で 。 今 よ り 後 か く ゐ や な か ら ん を ば 。 な う け
い れ そ と い ぴ つ け な が ら 。 其 御 使 の か へる に た ぐ へ て 4 や が て 使 を 海 て ま つり し は い か に そ
や 。 か の 後 傳 記 に 。、獪 笛 二其 意 癩 高 癌 嚇ど あ る 。 さ も あ り ぬ べ し 。 叉 思 ふ に 。 濕 御 瞠 の 事 は 。
カンノ シタ
さ きみ丶 より ゅ韓國 の つ て など にも聞 わ た り て。 下 に は いか でむ つび奉 ら ん と思 ふ心 竜 。 し
ヒツギノミむ
か す が に 有 け ん か し 。 又 後 傳 記 に " か の 王 が書 に 。、倭 王 と申 せ る 事 を 。 皇 太 子 の い 海 く に く
G
み給 ひ しと あ るも 。 ま こ と に し か有 べ き わざ 也コ こな た よ り。 か れ を天 子 と のだ ま ぴ し た に。
タフト スク ミ コト
奪 み 遞 し 給 へ一
る 御 言 な る に 。 み つ か ら 皇 帝 と な の り て 。・
か へり て
天皇 を・かと くも鑾 なゼ おも 申奉 れるな。
隻譲 ん かたなみ 撫 叢 れ ば・蕁 さらに
丶
丶
氷 知 名 分 シ , 詰 簀
さら に受 入 れ給 ふ ぺき にあ ら ず 。 ほ ど しち ぬ申 さ ま ぞと 。 きび しく と が め て。 使 を もす みや
か に おひ か へし て。:か たく 御 む つび を た ち給 ふ べ き わざ な る に。 そ の書 を もう け いれ給 ぴ て麟
嚇
使を暴 舗しa 給ぴρふを ぴ御使警 つかぼヤ 塊 獪かの粤 のぞ み給ふ事の・あな
が ち な り し が 故 に 。 御 い か り を ば 。 お さ へし の ば し け る な る べ し 。 但 し 書 紀 に 。 か し こ の使 ..
ナニハ
ル
六月 十 五 日 に難 波 に つき て。 八 月、三,
日 に京 に 入 と あ れ ば。 おほ よ そ 五 十 日 ば か り。 いたづ ら
に難碆 さ められし也・かくし て離 に京 へめ套 り しば・ゆ ゑ套 し・妹雷 ・ かの國
王が書 をうしなひしとがによりて・流 さるべきかなと 芸 き 燭 めも有 しかば・婁 るさわぎ
な蓬 より て・最 経 しか・蕁 もぐた欠 にとられ しと いふ はこ 評 つけ謝 にて・ 垂 ひ
オホミコヘタ
と は 書 の さ ま のゐ や な か り し 故 に 。 こ な 冷 の大 御 心 に か な ふ 衷 じ き こ と を は 薗 か り て 。 こ と
ざ ら に う し な ひ し に も 有 べ く 。 又 ガ の 王 が 悦 ば ざ り し こと な ど 。 何 ぐ れ の 有 さ ま の 。ヤ診 のづ
レ
か ら 聞 え し 故 に 、 ゐ や な ぐ お ぼ し め し て 。 か の 使 を も 。 京 へは 入 ら る ま じ き よ し な ど の さ 渥
め も有 し にや 。 い かさ ま に も 久 し く と 璽 こ ほい し は。 か﹄ る事 共 の ゆ ゑ にぞ あ り け ん かし。、
然 るをかの隋書に・我夷 人僻誌 海聡 不レ
聞二禮義 鳥 蓄 翫 境蒔 不臨 相見隔
と・
'
天畠 の の たま ぴ しま し し る せ る は。.とみ に京 にめ ざれ ず て。'久 し く難 波 にと 寮 めら れ し 。 お のが
馭戎慨 言上之.
卷上 四三 、
'
雫
ボ
馭 戎 慨 言 .
.
西四
暃 を かく さ ん た め に葺裝 世清 が。 國 へか へり て僞 り いひ し。 例 の つく り ζ と也 。 さ て後 の度 .
の詔鵞 は。日出處天耄 。東 天皇、身 沒處天子 を。酋 皇帝 と驚 給 ひし は。 貘 を。 かの
票 悦ばざりしこと のQ聞 え餐 し故 に・ いさ ふ 加 へて・毳 窒 ひ給ひも也・されど獪
か の華 ・餐 に幕 毒 の套 はずσ東 暴 か へて西 ど のたまぴ・ こなた にはた・倭髦
王 共 あ ら た め給 は で。獪 天 畠 と のだ ま へ溶 にて 。 か.
の王 が書 に。 倭 王 と申 せ る ゐや な さ を に
く み て。 それ に は し たが ぴ給 は ざ り し ほ ど し ら勉 悔 りゅ 又す べ て の御 詞 も。 か し こよ り申 せ
オモムキ
る 趣 を 。 う け 給 へる さ ま に は あ ら ず 。 よ く 心 を づ け て 見 る ぺ し 。 し か 依 あ れ 共 。 あ な が ち に
の ぞ み 給 ふ 事 ま し ま す が 故 に 。 前 に は致 書 と 有 し を 竜 。 敬 白 と お ら た め 給 ひ 。 又 愈 候 な ど と
找 、
.
甚
のた ま へるは。 いと も/ 丶 か たじ け な く 。 か ら 王 ど も へは。 いた く、 遇 た る御 調 な り か し 。 奪 、
候 の 候 の字 は 。 書 紀 の今 の本 に は お ち 泡 る を 。 善 隣 國 寶 記 に。
引 た る に 。あ る に よ り て 引 つ。
ノ
ほ
か く て 妹 子 臣 は 。 ま だ の と し の 九 月 に か へり 參 れ り し よ し 見 ゆ 。 其 度 隋 王 よ り 搴 り し 御 返 事
は。 物 に見 えず 。 叉 同 じ き御 世 廿 一
.一年 六 月 に σ 彊 濃 慰 鶴 畷 鑵 莞 剛 鶴 瓣 菊 ダ 。 も ろ ヒ し へ御 使
e に つ か は し 。 廿 三 年 七 月 に か へり 參 砂 き 。 ・
秘
馭戎慨織
臠上 之 卷 下
次 に
噂
ジ分避脳ノ.
嵐ヤ蔓 メノシタシロシメシ、 瓦翼髫芸塾 イヌカミノギ・
ミタ 鑑華 クスリシ潟 甑チ
岡 本
宮 御 、 宇 ︹詩 明 ︺ 天 皇 の 御 世 二 年 八 月 に 。 大 仁 犬 上 君 御 田 鍬 大 仁 藥 師 惠 日 巻 御 使 と し
ヤ
ミ タ スキ
て つ か ば し け る に 。 同 四 年 八 且 に 。 か の國 よ り 、 高 衷 仁 と い ぴ し も の を 使 と し て 。・御 田 鍬 を
タな
が
お く り き て 。 對 尚に つ き た り と 。 書 紀 に み ゆ 。 此 時 は も ろ ζ し の國 。 は や く 唐 の代 に な り つ
ノ ヂ ヲ ス ワハ レぽ
チ キタ
シ ホ
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ゐハ ル
つ ニ ジ
る 程 な り き 。 唐 書 に 。 太 宗 貞 觀 五 年 。 逡 二便鷙 嚇入 朝 。 帝 矜 ご其 遠 殉 詔 二有 司 痴母 レ拘 農歳 貢 殉遣 鋤
ノ 丶
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サ泓 ム
ト ビ ヲ
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薪 州刺 史 高 仁 表 叫 往 誌 。 與 レ王 爭 レ禮 。天不 李 不 滋肯 宜 二天 子 命 噸而 邏 。 と い へ る。 ヒ のと き 也 ゆ 太
宗 は 。 高 麗 と い ひ し が 子 に て 。・
唐 の第 二世 の王 。貞 觀 五年 は。 す な は ち こ の岡 本 の御 世 の蕪
年 に あ た れ り 。 さ て 此 時 の使 表 仁 を 。. 新 唐 書 叉 丈獻⋮ 通 考 に 。 右 の如 く 仁 表 と あ れ ど も 。 舊 轡
ト ヲ
書 に は 。 書 紀 と 同 じ く 表 仁 と そ あ る 。 與 レ王 爭 レ禮 云 々 の事 。 書 紀 に は 見 えず 。 但 し 盲 き の
ジ ハリダ ミ ゐピ オホミヤノ
小治 田 の朝 廷 の御 時 の如 く 。 此度 の使 も 。大 宮 内 に め さ れ て。
天 皇 靆 . 台 ぎ
を拜 み奉 り し 事 も 。 し るさ るぺ き に。 さ る事 は なく て。 た 璽冬 十 月 に。 難 波 津 の館 に入 て。
馭戎漑 鴛上之卷下 .
四竃
馭 戎 慨 書 . 四六
.
衛 暦 を 賜 拭 り 。 ま た の年 の 正 月 に 。 か へり ま か り し よ し を の み b る さ れ た る は 。 よ し 有 て 。
リ ロ
京 に は め さ § り し に や 。 又 め し つれ ど 。 か の唐 書 忙 い へる ご と く 。 ゐ や ご と を あ ら そ ひ 奉 り
㌣ 掌 事 りし故 に・ しるされざり 糸 ・ざだか馨 ず・ そもー か の太宗と いひしは。
い と か し こ き 王 に て 。 そ の國 を ま く を さ め て 。 さ き み 丶 よ り も 。 い き ほ ひ す ぐ れ た る こ ろ ほ
ぴ にて・い よー おご れ る 心 に は 。衛 囲 よ り の御 使 の趣 も 。 さ こそ し た が ぴ おち た ら め と お
の
も ぴ ゐ た り つ ら ん に 。 さ は あ ら で。 よ う つ い と 高 か り け ん を 。 思 ぴ の ほ か に ゐ や な し と 思 ひ
み
て 。 又 御 使 つ か は さ ん に は 。 か な ら ず 倭 王 粟 と な の り て コ鬻ゐ や ノ \ し く 有 べ し と や 姦・に。 い
ぴ し ら せ申 さ ん と て ぞ 。 こ の高 表 仁 を ば お こ せ け ん 。 さ れ ば 表 仁 も つ い と 貸 み だ り に お ご り
た か ぶ り つ 玉。 い と 竜 か し こ く ・ 匙
夫 皇を洗 ろめ奉り て・ かの國 にしたがひを る・発 は ら の國喜 夐 。ぴとし募 にあ ヘレら
ぴ奉 ら ん と せ し故 に。
嶄 凭 す べてさ る磐 鮮 あ へしらぴ は・ さら に野 まはで・ 零 つ㌻ び詐 けんγ
}と・
ウ テ ニ ニ ス シクメ ニ
さ も 有 ぬ べ し 。 建 れ ば 杜 佑 が 通 典 に は 。由 レ是 途 繕 と い へ り 。 さ て 唐 書 の 右 の つ 雲 き に 。久 レ之
ニ テ
ノ ニ
ス
、
更 附
二漸 羅 使 者 嫡上 書 と .
い へり 。 舊 唐 書 に は こ れ を 。 頁 觀 二 + 二 年 の ζ と エせ り 。 書 紀 に は 此
ノ メ デ ニ テ ヲ ン き ス サ ノ
事 は 見 え ず 。 次 に 同 唐 書 に 。 永 徽 初 。 其 王 孝 徳 即 〆位 。↑改 レ元 日 一
蝋白 雉 鱒 獻 三虎 魄 大 如 レ斗 。 粥
ナルヲ . ノ 塾 メニ ノ ル ビ ア ム シテ ヲ ハ 7
碯 若 二五 升 器 喝 時 薪 羅 爲 畿高 麗 百 濟 一所 レ暴 。 高 宗 賜 島璽 書 叩 令 糞出 レ兵 援 二薪 羅 uと い へる 。 永 徽
は 。 か の國 高 宗 が 年 號 。 そ の 元 年 は コ.
チ ニハノミ ヤ ニァメ ノシタ シ ロシ メシ ヘ ス メヲ ミ コト
難 波 宮 御 宇 ︹孝 徳 ︺ 天 皇 の 御 代 。 白 雉 元 年 に あ た れ り 。 書 紀 に い は く 。 白 雉 四年 夏 五 月 。
ス ヲ へ
辛 亥 朔圭 戌 。發 一 鞴
遺 大 唐 大 使 小 山 上 吉 士 長 丹 。 副 使 小 乙 上 吉 土 駒 。 學 問 僣 云 々。 百 二 十 踊人 リ
ニ ル ユ ノ 、 ノ テ
轟
倶乘" 二 艙 殉 又 大 使 大 山 下 高 田 首 根 麻 呂 。 副 使 小 乙 上 掃 部 蓮 小 痲 呂 。 學 問 僭 云 々。 並 一百 ニ
ニ ル 呂 ル、 ハ ニ ノ コ ゾリテ ヌ 、
十 人 。 倶乘 "醐一船 崎 秋 七 月 。 被 レ遣 二大 唐 隠使 入。 高 田根 痲 呂 等 。 合 レ 船 沒 死 云 々。 同 五 年 二 月 。
遣大唐押笶 錦上高向史玄理・大使小錦下河嘗 痲呂蔔 使大山下藥師惠日云亀 盆 貞
三聾
スルコ テ ノ ヲ リ ご ニ リ ニ ス ユ ノ ス ニ
・ 留 蓮 數 月 。 取 二新 羅 道 輔.泊 麟手 莢 州 鱒 途 到 畿于 京 噂 奉 笥覲 天 子 唱云 々。 押 使 高 向 玄 理 卒 二於 大 唐 触
ゆ じ
ノ ト ル ニ ス
︹
云 々。 秋 七 月 甲 戌 朔 丁 酉 。 西 海 使 吉 士 長 丹 等 。 共 ご百 濟 薪 羅 途 使 鱒 泊 幟 手 筑 紫 殉 是 月 。 褒 下美
リ シ ノ ニ クタルフヲ ヲ
西 海 使 等 。 奉 レ對 二唐 國 天 子 殉 多 得 肛文 書 寶 物 上云 々と い へり 。 此 白 雉 四 年 の度 。.大 使 副 使 な ど 。
㌃お の ノ\ 二 人 づ 丶。 二 つ に 分 て つ か は し x は 。 い か な る ゆ ゑ に か。 又 そ の使 の い ま だ か へリ
ノ
リ
參 ら ざ る 程 に。 引 つ 璽 き て 叉 高 向 玄 理 な ど を つ か は し 玉 も 。 い と い ふ か し 。 さ て か の唐 書 に 。
献 虎 魄 云 々 と は 。 こ れ ら の時 に や 有 け ん 。-か く て
馭 戎 慨 言 上之 卷 下
﹁ 四七
馭 戎 慨 言 四八
ノチノヲカモトノミヤ ニアメノシタシゆシメシ サ
スメうミ コト ノ ノかミ
後 岡 本 .筥 綯 宇 ︹齊 明 ︺ 天 皇 の 御 世 元 年 八 月 に 。 か の河 邊 廉 呂 臣 な ど は か へり 參 り き 。
ノ
ノ
、 次 に同 じ き 御 代 五 年 七 月 に 。,小 錦 下 坂 合 部 蓮 石 布 。 大 山 下 津 守 連 吉 鮮 を 竜 ろ こ し に つ か は す 。
テ テ ミ チノクノ ヲ ス ノ ユ
仍 以輔 陸 鍾 奥 蝦 夷 男 女 二 人 ↓ 示 瓣唐 天 子 噺と 。 書 紀 に 見 え た り 。 此 度 の ζ と は 。 す な は ち 其 時
ノ び 吻
滲 耀 まかり% 葉 .
毒 徳琴 つからしる諾 書を型 。獪潔 謎 し薯 麩 り。璽
合 部 石 布 蓮 は 。ゆ く さ ま に南 の海 に た 讐 よ ぴ て 。 み う せ ぬ れ ば 。 津 守 害 鮮 連 ぞ か の國 に い 海
り て 。 唐 王 に は 枦 魂 り け る。 然 る に 唐 新 羅 と か た ら ひ て 。 來 年 百 濟 を ほ ろ ぼ さ ん と す る こ き
に よ り て 。 御 図 の 御 便 を も と ら へお き て 。 久 し く か へ さ ざ り き 。 此 度 め 事 を 唐 書 に 。 天 智 立 。
ノ
ニ ス
明 年 使 者 與 二蝉夷 入 囎 偕 朝 と。' 蝿
天 智 天 皇 の御 世 に かけ て い へる は9 ぴ が こと 也。 か く て其 叉 のと し新 羅 と唐 と し て。 百濟 をぱ ほ
.
ろ ぼ し た り き 。 か の 唐 書 に 。 斜 三出 レ兵 援 二新 藕 輪と い へ る は 。 か な ら ず 此 時 の覊 な るべ き を 。
一 , シ
孝 徳 天 皇 の御 世 に かけ た るも 。 ひ が こと 也 。 さ て か く唐 王 が もと よ り は。薪 羅 を・ ず く ぴ 給 へと 申
舐
し か 共 。 薪 羅 をす く は せ 給 ふ べ き よ し な け れ ば 。 さ ら に き ζ し め し い れ ず し て 。 こ と わ り の
ま 丶 に6一百 .濟 をナ く は せ 給 は ん が た め に 。 か た じ け な く
皇
天
み つ
か イ礎薄シ カムアガ
'
ら筑 紫 に 鬢乞 て。 そ こに し て崩 り ま し き 。 ヒ Σ に
セツギノミぴ ノ ミ クは
皇 汰 子 ま つ り ご と き こ し め し 。 筑 紫 の長 津 宮 に ま し ノ\ て 。 百 濟 の 王 子 豐 璋 が 。 御 國 に さ ぶ ら
オリモノヘカムリ オホノオミコモシキ メ
ひけ る を 。 百 濟 國 王 に な し て 。 織 冠 を 賜 ひ 。 又 多 臣 蒋 敷 が 妹 を 。 妻 に賜 ぴ て 。 あ ま た の 兵
クテ
逢 そ へて 。 お く り つ か は し て 。 其 國 を 建 し め給 ひ き 。 さ て 百 濟 高 麗 を す く ひ給 は ん が た め 忙 ,
ミイクサ ッカ クウ アタ タ・ カビ 官 軍 不 勝
、夊 し も 御 軍 を 遣 は し て 。 新 羅 唐 の賊 ど も と 戰 し を 。 み い く さ え か た で 。
アッ
なヘヘノオホツノミヤニアメノシタシロシメシ ヘ スメラミ コト ビ
ゑ
近 江 大 津 宮 御 宇 ︹天 智 ︺ 天 皇 の御 代 二年 九 月 に 。・百 濟 は つ ぴ に ほ ろ ぼ さ れ に き 。 同 三 年
が
五 月 に 。 唐 の 百 濟 鎭 將 劉 仁 願 と い ふも の 玉竜 と よ り 。 郭 務 棕 と い へ る も の。 使 と し て參 れ り ,
も
善 隣國 寶 記 に。 海 外國 記 を引 て。 此 事 を し る せ る を見 るに。 ま つ 此 使。 四月 に封 馬 に來 れ る
リ
ニ
時 。 智 辨 と い ふ ほ う し を つ か は し て 。 事 の趣 を と は せ 給 ぴ し に 。 有 二將 軍 牒 書 一凾 井 獻 物 嚇と
ノ
ヒ
ノ
申 て 。 す な は ち 智 辨 に わ た せ り 。 そ の 九 月 に。 津 守 蓮 吉 祚 伊 岐 蓮 博 徳 僭 智 辨 ら に 仰 せ て 。 筑
ツゲ レハ 勇 レルヲ ス レ ノ ニ 、 厂. カ ノ 也
紫 太 宰 の 詞 と い ひ て 。 か の 使 に 告 け ら く 。今 見 二客 等 來 歌 一者 。非 二是 天 子 使 人 殉 百 濟 鎭 將 私 使 。 、
ノ モ リ ル ニ ノ、也 ヲ テ ニ モ ラ 呂 蕊 ヲガミッカラノ3トハ
亦 復 所 レ賚 交 牒 。 逸 謁上 執 事 一私 辭 。 是 以 使 人 不 レ得 レ入 レ國 。 書 赤 木 レ上 二朝 廷 殉 故 客 等 自 事 者 。
承ぜ デ . ヲ センノミ
畧 以 二言 辭 暗奏 上 耳 と い へり 。 か く て 十 一月 に 。 か の 牒 書 の こ た へを つ か は す 。 其 詞 は 。 日 本
ス ル ユ ニ ち リ シ ヲ
鎭 西 筑 紫 大 將 軍 。 牒 下在 二百 濟 國 幅大 唐 行軍 總 管加 使 人朝 散 大 夫 郭 務 棕 等 至 。略 披 均覽 來 牒 鴨 尋 凋
スルニ ヲ ニス ノニ シ ノ レ ノ也 チ メニ ノ ス レ ノ也 ヘシ ス
省 意 趣 殉 既 非 ご天 子 使 殉 叉 無 二天 子 書 幻 唯 是 總 管 使 。乃 爲 二執 事 輔
牒 。牒 是 私 意 。唯 須 二口奏 幻 人
馭戎 慨 言 上之 卷 下 、 ・四 九
駕
.
馭 戎 慨 雷 . ㌦ 、 蕊◎
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に ロ
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む ド
非 二公 使 噌 不 レ令 レ入 レ京 と あ り 。 か 丶 れ ば こ に唐 王 が 使 に は あ ら ず 。 さ れ 共 ま こ と は 。 そ の い
び つけ をう け て・ お こせ レ に 箸 べし・韋 にか の國 より ・ 難 をす く ひ給 へ串 せ し を・
奉 逡
き こ し め し い れ ず し て ﹃ か へり て 百 濟 を し も す く ひ て 。 戰 は し め 給 ひ し に。 今 此 使 を ま だ せ
し は 。 か の 王 死 度 。 .
・
ミイクサ
皇 朝 の 御 軍 に た む か ひ 奉 り 。 百 濟 の國 を う ち ほ ろ ぼ も っ れ ば 。
オポユコっタ ミ クぬ
天 皇 の 御 い か り ふ か 丶ら ん こど を お そ れ て 。 そ の 大 御 心 を た こ め 奉 ら ん が た め 。 か つ ば 御 幽 のあ 霧
り さ ま を も う か 璽 は せん と な る べ し。 然 れ ど も 今 御 いき ど ほ り深 く ま しま す をり か ら と申 し。
.
殊 にそ の王 が使 に もあ ら ざ るがゆ ゑ に。 京ぺ る め し 入 れず し て。 對 馬 よ り か へされ し なり け
り 。 そ もく か の百濟 の國 は刃
かギタガタラシヒメノミコト 羲ヤケノク& ウ .
.
息 長 帶 姫 奪 の御 代 よ り 。 官 家 函 と し て 。 御 世 ノ 丶 に お こ た ら ず 。 ま め や か に つ か へま つり き つ
ホつぶ
る を。 今 か くう ち 滅 し つれ ば。 唐 は い み し き
アタ 卑 辭
皇 朝 の賊 な れ ば 。 海 と ひ 此 使 の む ね ゐ や ノ 丶 、
し く と 竜 。 さ ら にう け い れ さ せ給 ふ ぺ き に ば あ ら ぬ
を 。 ま し て さ も あ ら ざ れ ば 。 ま こ と に す み や か に お ひ か へさ る べ き こ と わ り ぞ か し 。 さ れ ど
ゆミアヘ ノ
獪 御 う つく し み を も て。 饗 な ど をも賜 ひ し ヒと 。 書 紀 に見 え た り。 さて 共 こ ろ。對 馬 登 岐嶋
.
籬 覆 蓬 。鷹 響 ど嘉 き給 ぴ・ 叉筑紫 に蕪 して・凝 ぎ 髫三 水をたくは へなど
せ
クウ
さ せ給 逓 。 叉 長 門 冖
筑 紫 に 城 を つ か せ 給 ひ し な ど を 思 へば 。 か の 劉 仁 願 が 牒 書 に。 も し 唐 に
御
使 犯
を つ か は し て 。 む つ び 給 は ず は 。 軍 を・ お こし て 。 お か し奉 ら ん とや う の おも む き を 。 ほ
の め か し て 。 お ど し申 せ し こ と な ど も や 有 け む 。 さ ら ず 共 。 か の 使 を 京 へも い・
れ ず て。 か へ
し給 ひ し か ば 。 か の國 の 心 。 は か り が た け れ ば 。 か ね て し か そ な へ給 ぴ け む こ と 。 さ 竜 梅 ぬ 、
べ し 。 か く て 同 四 年 の九 月 に 。 又 か の國 よ り 。 劉 徳 高 と い ふ 者 に 。 か の 郭 務 棕 な ど も あ ぴ そ
ぴ て 、 す べ て 二 百 五 + 四 人 。 筑 紫 に 來 て 。 蓑 凾 を 奉 れ り 。 と れ 竜 京 へ は い れ ら れず 。 み あ ヘ
ノ
ノ
を賜 ぴ 。 物 など を竜 給 ひ て 。筑 紫 より か へされ し よし 見 え た り。 此時 守 君大 石 坂 合 部蓮 石積
馨 を。唐 につかはす 看 て。懃 臨 便ん 勢 と い衾 あり・ 牽 の使 を・.
つしまよりか
へ
寇
さ れ し か ば 。 か の 王.
いか り て。 軍 を お こし あ 驚 な ぴ奉 る やう も有 べ き に。 さ も あ ら で。 叉
し 攀 逡
も か く 人 を か へて 。 使 を ま だ せ し は 。 い よ / \ ね ん ご ろ に申 し て 、 な ご め 奉 ら ん と な る ベ
サタで
し 。 た 讐 し ヒ れ も 。 主 が 使 と は な く て。 獪 か の 百 臨 鎭 將 が 所 よ り 奉 れ る よ し と 聞 え た り 。 さ
ノ ロ
ノ
れ ば ヒ な た より 。 守 君 など を つか はし 蕊も。 筑紫⋮ の 太 宰 よ サ 。 百 濟 鎭 將 が も と への 使 と 聞 ゆ ウ
さ れ ど それ も。 唐 よ撫 け耄 の喬 ば・ 躄 挙 と・ 書 紀 に は し る され た るな ゑ し・ 此
駁 戎慨壱織上 之 卷 下 谺 五 鰰
p 牽
︺
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丶
鰍 戎 慨 霄 ㌧
軍ゴ
度 此 使 に のたま ぴ つか は し Σは。 い か な る おも む き な りけ ん 。 しら れず 。 朝 鮮 の東 國 通 鑑 と
い ふ轡 に ・ 施 レ匙 仁 願 。 筑 二新 羅 瓦 百 濟 耽 羅 倭 人 四 陽 憐 殉 浩 レ漱 西 飄 と い へ る。 倭 人 の使 は と
ユ ル ナ ノ
れ な る べ し 。 西 還 と は 。 新 羅 よ り 唐 國 へ か へり し 也 。 か く て 同 き 六年 + 一月 。 叉 か の 百 濟 鎭
ノ
將 が 竜 と よ り . 旬 馬 法 聰 と い へる も め を ま だ し て。 か の 坂 合 部 蓮 石 積 な ど を 。 筑 紫 の都 督 府
に 途 れ り ゅ い に し 四 年 十 二 月 に ま か り し 使 の 。 か し ヒ に 久 し く と ど ま り て 。 い ま 六 年 十 一月
ノ
に か へり し も ゆ 、
ゑ 有 け ん か し 。 か く て 此 度 ま た。 伊 吉 蓮 博 徳 な ど を 使 と し て 。 か の法 聰 を お
く ら せ ら れ し を患 へば 。 法 聰 が 參 り し も 。 距 璽 に こ な た の 使 を 逡 れ る の み に は あ ら で 。 叉 し
∵ も申 お こ せ し む ね 有 し 故 に 。 こ な た よ り 竜 。 叉 御 之 た へ の む ね 有 け る な る ぺ し 。 此 月 對 馬 の
ノ ツカ あ
金 田 城 な ど を 筑 れ も 事 も あ れ ば 。 そ の御 じ た へ の お も む き も 。ヤ
おし
.
は か ら る 。.
同 七 年 九月 に。
.
ノ. 甲 ミツギモノ
黷羅 國 使 を さ し て。御 調 を奉 れ り 。薪 羅 は
ノヂ ノタ ああ
トノ ボア
ミヤ メノ
シ タ
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スメうミニ
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後 岡 本 宮 御 宇 (齊 明 Ψ 天 皇 の 御 世 。 唐 に へ つ ら ひ づ か`
へて。
、
夕革 闘 朝
皇朝 にそ む
'
き 奉 り 。 つ ぴ に唐 と か た ら ぴ て 。・百 濟 め 國 を う ち ほ ろ ぼ せ し よ レ こ な た 。 維 て ま ゐ ら
詐 し に・.
衾 く ま ゐ れ る は・ 右 のご と く唐 よ慶 々使 叢 だ し て・ ねん ご ろ 讐 こ め奉 り ・
叉薪 羅 の事 をも 。 し ばノ\ こぴ申 せ し によ 導 て 。
な
ノ
ン
天 蠱 御 い き ど ほ り 。 や う や く に と け 給 て 。 か の罪 は ゆ る さ れ し な る べ し 。 こ れ に て 唐 よ レ 度 々中
お こ せ し 趣 。 ま た 唐 を い き ど ぼ り お も ほ し め し つ る鷙 鶴 嚇 も 。 や う や く と げ 給 ひ し ぼ ど ◎ お '
ノや ミッギ ノ ノ クヂう
.し は か ら れ た り 。 さ て 後 薪 羅 よ り は 。 と し み 丶 に 絶 ず 。 御 調 奉 り き 。 同 八 年 に 。 河 内 直 鯨 を 。
ぬシデ
ヲ
ス
クルマヲ
ヲ
唐 の 図 に つ か は す 。 唐 書 に。 成 享 完 年 。 邉 レ使 賀 レ夲 二高 麗 一と い へ る は 。 此 使 を い ふ か 。 同 じ
焦,
。 叉唐 國 よ り 。郭 務 棕 など 叫
、囀干 餘 低 參 る と 見 え た り 。 さ れ ど こ れ は う た が は し き よ し 有 。
同 じ き 十年 正 月 。 ま た か の百濟 鎭 將 が 竜 と より 。 李 守 眞 と いふ も のをま だし て。 表 を奉 り。
そ の 十 一月 に 。 又 郭 務 棕 ら 二 千 人 。 四 十 七 艘 の船 に の り て參 れ り 。 此 を り し も 。 臨
崩 . サブ蓄 孝 ζ 息 ミネタζ ッリ
天 皇 か む あ が り ま し ノ \ し か ば 。 郭 務 棕 ら 筑 紫 に 侍 て 。 喪 服 を き て 。 三 た び 擧 哀 、 東 の方 にむ
フミバン グあ ツモノ
き て を が み 奉 る と あ り 。 さ て 書 凾 ま た 信 物 を 奉 り 。 こ な た よ り も 物 た び て 。 か へし や り 給 ぴ
き・此度 も例 の窪 はいれ毳 ず・ さてガ 時唐 王より奉リレ書 に・大唐帝鰍 二呆 國 天多 ◎
去 々Q ま た ﹂ 、
、
ノ チン ノ ノ カンガヘザミ
天 武 天 皇 元 年 に 奉 り し 書 に は 。 大 唐 皇 帚 敬 問 二倭 王 幅
と 有 し よ し 。 元 永 元 年 菅 原 在 良 朝 臣 の勘 文 に
見 え た り 。 さ れ ど ヒ の勘 へは 。 ぴ が ζ と あ.
り 。 書 紀 を考 る に 。 ま つ 此 度 郭 務 棕 が 參 毎,
し は。
右 に い へる ご と く 。 十 年 十 贓月 に て 。 十 二 月 に .
、.丶
馭 戎慨 言 上 之 巻 下
. ・五 三 .
\
馭 戎 慨 書 五四 一
蚕 偽むあがりま しー ・談 を奉 りし巉 叉 のとし の膏 にて・すな はち
ダ
駕 .獻 .
瀚 .徹 .鵬 .霞 .碗 .鍛 ︹天武 Ψ.湾 募 元無 れ ば。 奉 り し書 はぴ と つな る を。 部 き鵞 .あ
るぴ は 事
天 智 天 皇 の十年 と も し る し。 あ るぴ は
天武董 の元 年 と 記 せ る書 も有 し を・ これ かれ を 見 てき と度 の轡 ◎ 心得 あ や ま ら れ し物 也 ・
もト
さ れ ば 倭 王 と あ る は 本 の ま Σ。 目 本 図 天 畠 と あ る は ρ か の
ド溜 彫 ︹推 古 Ψ 輜 建 の 時 の 。 倭 皇 の蠱 の字 6 ご と く 。 ζ Σ に て あ ら だ め て 。 し る せ し 物 な る ぺ し 。
さてこ の
ギ望ミバラノミヤニ
アメノシタシロシメシ・ スメリミ潔
算 '
溝 御 原 宮 御 宇 ︹天 武 ) 天 皇
鵬 ハラ躍 ヤ鼠寓 .シ衛 .シ弱 、
︹持結 ︺ス鷺鬱 ど 潟御 侮 。 継 て竜 ろ こ し の國 に御 使 クか はす 事 のな かり し は。
診
す でに
な メヲミ カ
ド オ ホミ コヘロ
皇 朝 の大 御 心と け 給 て。 薪 羅 の罪 な ど 竜ゆ る され 。 夊 御 使 を も つか は し 壕故 に。 麿主 いま は し
濯
し ば ゆ 傲 慢 莞 禮 脚
え
た の と 思 ひ て
。 叉
其 後 し も
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丶 使 を
ま ゐ ら せ て9
い よノ 丶
ゐや な
く 。 お ご り た る ご、
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と を のみ 申 おと せ し によ り て。 叉 し もや す から ず お も ほし め し て。 む つび を 完ち給 ひ した や 。
融
■
フクミ ヨ
'文 さ ら ず 共 。 此 二 御 代 は 。 か の國 と む つび 給 は ん の 御 心 ま し ま さ 里 り し に や 。 乏 ま れ か く 柔
れ。 御 使 つか はす 御 事 のや み に し は。 よ うつ より も め でた く 。 たけ き わざ 也か し。 かく℃ 籠
、
十 年 あ ま り 過 し 程 に。 叉 し 竜
畷 .尿 .讃 。.鶴 ..寓 、
︹文 武︺冖无 眞 宗 豐 憂 天 皇 の御 世 大 寶 元 年 に・粟 乱朝 臣 爵 パ を・.
邊唐 執節 使
フナヂ
と し給 ふ。 や が て其 年 鶴 出 せ し を。 波 風 あ らく て。 え渡 ら ず 。 叉 のと し の六月 に。 ま か レ渡
・ ノ 、 ツ テ ヲ ツ ト
り て 。 慶 冥.
元 年 七 月 に 。 か へり ま ゐ り き 。 唐 書 に 。 長 安 元 年 。 其 王 文 武 立 。 改 レ元 日 二大 寶 噸
ハシテ ヲ ス ヲ クウノ シに ロ メ
邉 二朝 臣 眞 人 粟 田 輔貢 二方 物 鰄云 々。 と い へる こ れ 也 。 庇 時 唐 函 は 。 ・
高 宗 死 け る後 。 そ の妻 武 后 ﹁
が 王 と な り て 。 國 の 名 を も 。周 と 改 め た り し こ ろ に て 。 長 安 は そ れ が 年 號 。 そ の 元 年 は 。 す
な は ち 大 寶 元 年 に あ た れ り 。 舊 唐 瞽 に は 。 長 安 三 年 と あ U 。 ま こ と に か の 王 が 所 へ至 り し は 。
唱忠
そ の 三 年 な る べ し 。 次 に . 、 .
鴨
チ由7ノミヤ ニアメノシタシかシズシ ・
ノ .
ノ
寧 樂 宮 御 宇 高 瑞 淨 足 姫 ︹元 明 ︺ 天 皇 の 御 世 。 靈 覊 二 年 八 月 に 。 多 治 比 眞 人 縣 守 を 。 遣 唐 押
使 と し 給 ひ 。 ま た の と し 養 老 元 年 に ま か り 渡 り て 。 同 二 年 十 二 月 に 。 が へり 參 り き 。 こ れ を
ッ ロ フ ト ノ メサ タ ス フ テ エ ヲントヲ ノ
唐 書 に 。 聖 武 ヱ 。 改 レ元 臼 ご白 鷂 殉 開 元 初 。 粟 田 復 朝 。 請 下從 二諸 儒 輔
授 う經 。 詔 二四 門 助 歡 趙 玄
ユ テ お
ラシム ノ ヲ ス ト ツクシテ
ヲ チ ヲ テ ル ノ
默 舶 印 二鴻 臚 寺 噂爲 レ師 。 嶽 二大 幅 布 一
爲 レ贅 。 悉三賞 物 相 貿 レ書 以 歸 と い へ る 。 開 元 は 、 か の 國 唐 、
馭 戎 慨 言 上之 恐 下 ・ 五竃
、
馭 戎 慨 一
葺 五六
玄 宗 が 年號 にて。 そ の 五年 ぞ 。養 老 元年 に はあ た れ る 。 白 龜 は靈 龜 をあ や ま れ るな るべ し 。
叉そ れ を。
聖武天皇 の御代にかけたるは。覊 とまがハう るなるべし・粟田衡軛 とは・ 職ら 鰍と轟 の誤
賞が ど いふか貯 をしらざ る故 に露 度 の稷 のかばね の黒 と纛 の嚢 の夥 禊 の
マ ピト ド ゆ
名 の 藁 入 と を 。 ぴ と つ に ま ぎ ら は し て。 同 じ 人 と 心 得 し 也 。 舊 唐 書 に は 名 を い は で 。 た 宴 又
ハシテヲ ス
遣 レ使 夾げ
朝 と の み い へり 。 次 に
ノ ノ
天
璽 國 押 開 豐 櫻 彦 ︹聖 武 ︺ 天 皇 の 御 世 。 天 弔 四 年 八 月 に 。 多 治 比 眞 人 廣 成 を 。 遣 唐 大 使 と し 給 ひ。
同
五 年
四 シモッミチノ
月 に 。 ま か り 渡 り て 。 同 七 年 三 月 に 。 か へり 參 り き 。 入 唐 留 學 生 下 道 朝 臣 眞 備 臨 。
此 御 使 に た ぐ ぴ て 。 か へり 參 り て 9 唐 禮 百 卅 卷 。 太 衍 暦 經 一卷 。 太 衍 歴 立 成 十 二 卷 。 樂 書 要
エ キタ
録 十 卷 。 そ の ほ か く さ ム \ の 物 を得 來 り て。 た て ま つり き 。 此 人 は 。 さ き の養 老 の 度 の 御 使
ド な
に た ぐ ぴ て 。 か の國 に ま か り 渡 り て 有 け る が 。 こ と し 十 九 年 と い ふ に か へり 參 れ る な り け り 。
後 に 吉キ備ビノ朝
、 カバネ キ ビノ
臣 と い ふ 姓 を た ま は り 。 右 大 臣 ま で の ぼ り 給 ひ て 。 世 に吉 備 大 臣 と 申 す は ζ れ 也 。
かの唐書 に。静 徭 二
諸聾 釁 繿 云々と い へるは・ 套さしく此蘿 朝臣 の妻 りけ んをσ霧
マ ビト アハタノマ ビト 、 々
と 眞 人 と を まぎ
ら は
し て。 こ れ を 竜 粟 凪 眞 人 の事 と し ゅ 又 此 天 夲 の度 の大 使 の か ば ね も 。 多 .
、
㍉
ヂ ヒ
ンマ ぜト
治 比 眞 人 な る故 に 。 養 老 の度 の 御 使 と 。 つ に し て し る せ る。 み な あ や ま り な り 。 さ て 此 度
の御 使 た ち の か へ る さ ま に 。 波 風 に た 璽 よ は さ れ し 事 に つ き て 。 か の 國 王 玄 宗 が も と よ り 。
ノ
ト
タまリ
副 使 申 臣 朝 臣 名 代 が か へ る便 に つけ て 。
ノセ
天 皇 に奉 り し 書 を 。 張 九 齡 と い ふ も の 援か き た り し を 。 交 苑 英 華 と い ふ ふ み に 載 た る を 見 る に .
ス リ ニ ニ リ ニヲルハ 嘉 也
勅 二日 本 國 王 圭 明 樂 美 御 徳 黝云
々 張 九齡 丈集 圭作 レ王 御 作 レ街 皆 誤 と い へり 。 か く 申 せ る は 。 此 度
御 使 の 入 に 、 紳
天皇 の響 をいかにとと ぴしに・撫名 亀 奉ん は・ かしこけ農 ・ぎ畢 蕎 響 申す よし・隷
ぱク カラプミ ミ クニコトバ ミ
て答 へけ ん 。 そ は す な は ち 漢 文 に 天 皇 と 申 す 事 な る を 。 か ら 人 は 。 皇 図 言 葉 を し ら ね ば 。銜
みハネミナ
毎
姓 御 名 と 心 得 て 。 そ の ま L に 書 て奉 り し 物 也 。 然 る を 近 き 世 。 薪 井 氏 の殊 號 事 畧 と い ふ 物 に 。
アゲツラ
此 事 を 論 ぴ て 。 大 國 の 天 子 と し て 。 外 國 の君 を 。 天 皇 と 稱 せ ら れ ん も 。 然 る べ か らず 。 夂 國
ロ に サ
王 と のみ し る さ ば。 本 朝 の君 臣 。相 悦 ざ る と こ ろ な る故 に。本 朝 に て天 皇 の御 事 を申 す 詞 に
ヒ
ヒ
ヨ
靉 用 て。 か く し る され しと 見 え た り。 こ れ大 國 の体 をも う し な はず 。 隣 國 の禮 をも失 はず し
ノ
て 。 ふ た つ な が ら あ ぴ え だ る書 法 な り と い へ る は 。 ひ が ヒ と 也 。 す べ て 此 奉 り し 書 の中 に 。
タフト
い さ 玉かも 奪 み た る詞 は ま じ ら ぬ申 に。 か し こく も
亀
馭 戎慨 霄 上之 卷 下 .
,
﹁
、
五七
帰
〆
'
馭 戎 慨 雷 、
堺
五.
八
ヶイ じ
天 皇 を卿 と さ へ申 せ り 。 卿 と は 。 か の 國 に て 。 下 ざ ま に た つも の を さ し て い ふ こ と ば 也 。 本 朝 の
♂君 も 臣 も 悦 ば じ と て 。 國 王 と 申 夷 を だ に は § か ら ん も の ﹄。 か 乂 る ゐ や な き 詞 は つ か ふ べ き
物 か は 。 叉 伊 藤 氏 は 。 圭 明 樂 美 御 徳 と は 。 も と こ な た の 詔 書 に し る し て つ か は し た り し を見
て
。 か
し ぶ メ ラ ミ コ
もゴ
こ よ り も し か 申 せ る な る べ し と い へり 。 儀 制 令 の義 解 な ど に 竜 。 須 明 樂 美 御 徳 と 申
'
り
奉 るよ し見 えた れ ば 。 此読 は さ も有 ぬ べく 聞 ゆ れ ど。 か の國 唐 の代 と な レ て は。 こ な た﹁
よ
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拠 藹.
割.ぎ かは苳 りし禦 仙ること・藤 暑 野痲呂 の書 に見え三 智 にくはし藷 ぎ ご
と く なれ ば。 さ る こと に もあ ら ず 。 叉 た と ぴ こな た より のた ま ひ つか は し エにも あ れ 。 か し
ミヵバネミ ナ
こ ま り は 。 そ れ も 獪 御 姓 御 名 と 心 得 て申 せ し 也 。 然 れ 共 こ れ は 。 天 皇 と 申 す と 同 じ 御 事 な れ
ば。蠡 にて鐘 警 を・すぺての詞いが 梦 く・夢 り集 ご膿叡 ぶりて・谿 どと
ざ へ申 せ る な ど 。
ら
天皇 をは じ め奉 り て。 ま へつ穿 ち ま でも ・ 御 心 には いみ し く 昏 汐 銘% に く き娜 と お 遷 しつ
ら ん 物 を。 な ほ かし こに あ な がち に のぞ み給 重 共 の有故 につ 御 いか り を し のば し 三 蕁
をも 弥 ん さ ぜ給 ひ。 な ほ御 む つび をか は し給 ひ し など 。 ナ ベ て いとく 嘱 れ た く療 う き わ ざ
に なん 有 け る。次 に .
'
◎
ゆ ノ
孝 謙 天 皇 の 御 代 。 天 李 勝 寶 二年 九 月 に 。 藤 原 朝 臣 清 河 を 。 逡 唐 大 使 と し 給 ぴ 。 同 四年 に。 ま か わ
ノ
、・
渡 り て 。 同 六年 正 月 に 。 副 使 大 俘 宿 禰 古 麻 呂 。 吉 備 朝 臣 眞 備 な ど は 。 歸 り 參 り し を 。 大 使 な
ノ
リ し清 河 朝 距 は か の國 に と 蜜 ま り て つ え か へら ず な り ぬ 。 此 度 か の' 國 の天竇 + 二年 と いふ 正
ド シモ
月 朔 日 に 。 唐 王 が あ ふ 時 。 彿 使 た ち を 。 斯 羅 の図 の使 よ り は 。 下 ざ ま に お き け る を 。 古 麻 驫
.
,れ た み て 。 然 る べ か ら ざ る よ し 。 か た く い ぴ け る に よ り て 。 つ ひ に 斯 羅 の つ か ひ を ば く だ
イヂ
ゆ
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し て 。 御 使 を 東 づ ら の 一の く ら ゐ に つ け 二 る よ し 。 古 痲 呂 申 き 。 た と ひ 一の 位 に ま れ 。 薪 羅
の 使 な ど Σ ひ と し な み に あ へし ら ひ し は 。
ス
皇メ彡、
毒 ド 空5
ミッカヒ 不 ﹁滿
朝 の大 御 彼 に は 。 獪 い と あ か ぬ わ ざ な り か し 。 か の 天 寶 十 二 年 は 。 天 夲 勝 寶 五 年 に あ た れ り 。
唐
ク ス
書 に 。 天 簧 十 二 載 。 朝 衡 復 朝 と い へる は 。 此 度 の 事 捻 る を 。 大 使 副 使 な ど の 名 を ば い だ さ
ず し て 。 た 思 朝 衡 と し 竜 い へる は 。 此 人 は 。 さ き に 竜 ま か り 渡 り て 。 久 し く と 窒 ま り ゐ た り
し か
ば。 か
のし
國 人 ノ メ シテ タ ス
ど 竜 よ べ し れ り し 故 に や 。 但 し 舊 唐 書 に は 。 開 尤 初 。 叉 遒 レ使 夾 朝 云吃。
窃
其ノ偏 使 朝 ヒ ノ ヲ リテ ラ チ ヲ ス ト ルコ ニ
臣 仲 滿 。 慕 二中 國 之 風 呻 留 不 レ去 。 改 二姓 名 囃
爲 二朝 衡 嚇云 々。 留 三垠師 "五 十 年 云 々。 逗
ノ
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留 不 レ去 。 天 贊 十 二 年 。 叉 邊 レ使 貢 。 上 元 中 。 擢 レ衡 爲 二左 澂 騎 常 侍 鎭 萵 都 護 哺 と い へ る を 竜 て ・
.
,見殺 .か の崟 +韋 のころ も・無 銃 の國 にあり し程也・然 るを漸籌 に・畿 とい
馭戎慨嘗上之巻下 気九
、
、
㍉ 馭 戎 構馳 轟
爵 亠
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ハシチヲ ス リ
蚤 へる は 。 叉 遣 レ使 貢 と い ふ こ と を 鳴 。 と 竜 に 此 仲 滿 が 事 と 思 ひ ま が へし 誤 な り け り 。 次 に
ノ
廢 帝 の御 代 。 天 夲寶 字 五年 十 月 。仲 眞 人 石俘 を 。 遣 唐大 使 と し。 副 使 な ど をも 定 め ら れ し かど 。
副晦'鞄
此 程 も ろ こ し の國 。 み だ れ た る よ し を 。 き こ し め し け る が 故 に 。 つ か は さ ず な り ぬ 。 次 に
ノ フナ
光 仁 天 皇 の御 世 。竇 龜 六年 六月 に。 佐 伯 宿禰 今 毛 人 を。 遣 唐 大 使 と し 。同 七年 四月 に。 船 のり し
つ れ 共 。 風 あ し く て か へり て。 同 八 年 四 月 に 。 叉 京 を だ ち し に 。 病 お こり て 。 又 え ま か ら ず 。
オ ホセ
ツナ
ミシルシ
副 使 小野 朝 臣 石 根 に仰 て。 まつ 船 のり し。 節 を持 て。 大 使 の事 を お こな は しむ 。 同 九 年 の春 。
か の國 王 が 所 に い た り つ き て 。 王 に あ ひ 。 そ の と し の 冬 。.第 三 の 船 第 四 の船 第 二 の 船 と 。 ラ
ノ
ぎく に か へり つき ぬ。 此 か へるさ ま に。あ し き波 風 にあ ぴ て 。第 一の船 は破 れ て。 石 根 朝
ゆ ノ
臣 を は じ め 。 六 十 三 人 海 に お ち い り て 。 う せ ぬ る よ し 。 其 船 に在 し 。 判 官 大 俘 宿 禰 繼 人始 か
● ら く し て 命 た す か り 。 か へり 參 り て 。 か た り 申 き 。 此 度 か へ る 般 の た よ り に 。 唐 國 よ 殀 も 使
を ま だ せ し 。 そ の 使 ざ ね 。`趙 寶 英 と い ひ し 者 は 。 此 第 一の船 に 在 て 。 う せ に け り 。 其 外 判 宵
無 慈
孫 興 進 秦 憊 期 な ど い ふ 竜 の ど 碆 。 こ と な く 參 り 來 そ 。 同 十年 五 月 に 。
スメラミカド ・ 山 万物 .、
ミ アへ
・
皇 朝 を 拜 み 奉 り て 。 か ④ 王 が 書 。.ま た く に つ物 な ど を さ ∼ げ 。 御 饗 な ど た ま は り て か へり つ。
. 拜 朝
、 文 同 じ き 判 官 高 鶴 林 と い ふ も の は 。 お く れ て 參 り て 。 十 酬年 正 月 に 。 み か ど を が み せ り 。 さ
. ノ
て か の第 三 の船 。 判 官 小 野 朝 臣 滋 野 が か へり つ き し 時 。 此 度 のゆ き 玉 の あ ぴ だ の 事 共 を 。 つ
シ ヂ ね
ス ム セ
ぷ サエ ノ ゆ
ぶ さ に筑 紫 よ り 京 に 申 け る 申 に。 今 唐 客 隨 ゲ臣 入 朝 。 迎 接 祗 供 。 令 レ飼 二蕃 例 4 臣 具 牒 二太 宰 府 覗
チ ム セ ノ ク にデ ヲ リ ルコ ヲ
仰 令 二准 擬 りと い ひ 。 叉 此 度 領 唐 客 使 の申 せ る 文 に 。 唐 使 之 行 。 左 右 建 レ
旗 。 亦有 レ
帶 レ仗 。 行
ツ ヲ ニ ルニ ヲ ニ タ ノ ァ センヤヤノ チ フ ヲ
宮 立 二旗 前 後 殉 臣 等 稽 ご之 古 例 相 未 レ見 軸輪
斯 儀 殉禁 不之 旨 。 伏 請 處 分 噛 と 申 け る に 。 た 璽 仗 を帶
ス
タ シ
ノ
る こと を ゆ る さ れ て 。 旗 た つ る 事 は 。 ゆ るさ れ ざ り き 。 又 申 け る は 。 新 羅 朝 貢 使 。 王 子 泰 廉 ,
ルノ こ
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ノ ユ セム
入 レ京 之 日 云 々。 但 渤 海 國 使 云 々ρ 今 領 二唐 客 喝 准 訓據 何 例 鱒 進 ⇒退 之 M と申 せ り。 これ ら をも て
む
遇 同 例
・見 れ ば . そ の か み 唐 王 の使 を あ へ し ら ぴ 給 ぴ し 竜 。 た 買 三 韓 な ど の と ぴ と し な み な り し 事 し
ら れ 。 ま た筑 紫 よ り京 ま で の ぼ る。 道 の ほど のよ そ ぴ な ど竜 。 かれ が す る ま 瓦に はゆ るし給
詣 鵬
は ず . ζ な た よ り は か ら ぴ 給 へり し 事 も し ら れ た り 。 叉 こ の 使 ど も の 。 み か ど を が み し て 。
主 が書を奪 け る時 の譱 屠 使幽 鸛・覧 多 夢 ・ 建 御響給ひける時 の諱ピ・客舞
テ 墨 , セム コ ノエヱニ ケ ヲ シ タ テ フ ヲ ク
、在 二舘 中 鱒 族 情 愁 欝 。、所 以 聊 設 二宴 饗 喝 加 二授 位 階 弔 兼 賜 二祿 物 つ 卿 等・宜 レ知 レ之 と あ り 。 又 ま か
ラ 監今 ヲ 轟 チ ィ 讃 野 轟
・り ま う し ﹄け る と き の詞 に。 臣等 多・ 幸 。 得 嫉謁 ﹃ 天 闕 鱒 今 乍 拜 辭 。 不 レ勝 二悵 戀⋮輸と申 せ り 。 獪 、
ス
ヲ
く は し く は。績 紀 に し る され た りっ・
さ て唐 書 に。 建 中 元 年 。 使 者眞 入 興能 獻 幅
方 物 麟と い へる。
建中 は。 か の王徳 宗 が年 號 。 そ の元年 は β寶 龜 十 一年 にあ た れ ば 。 此度 の御 使 の か しこ に い
馭戎慨嘗上之卷下 一
,
・
六 姻
、
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馭 戎 慨 曾 ・
六 二
允り し・
年 と 。 二年 兇 が ぴ。 叉 御 使 の名 も。 次 の 延暦 の慶 とま が ぴた り。 次 に
タぜうノミヤェアメノシダシレシゑ シも ノ
李 安 富 御 寧 (桓 武 冒 天 蠱 の御 世 。一延 暦 廿年 八 月 に。 藤 原 朝 臣 葛 野 師 呂 を。 逡 唐 大 使 と し
フナぴ ご
て。 同 廿 二離 四月 に。 船 出 せ し がど。 浪 風 あ ら く て。 船 や ぶれ つれ ば 。 え ま か り渡 ら で。 ま
巻 年 茎 釜 月 に渡 りて。を の多。か の王徳宗にあひ・廿 四年正月朔是 も・叉類 りし
セめ
アか シ
に, 其 月 徳 鋒 死・ て。 そ の 子 跡 を つぎ け る よ し 。 六 月 に 。 ⋮
對 馬 に か へり つ き て申 た り 。 そ は か
の國 の東 兄 廿 願年 に て 。 順 宗 が か は り 立 で 。 永 貞 と 改 め し 年 な り け り 。 此 度 副 使 石 垢 朝 臣 瀁
釜 サ ノ む ツ トジ ハシ チ ダ ス ノ
は。
﹁か の國 に し て 身 ま か 妙 に き 。 さ て 唐 書 に。 貞 元 宋 。 其 王 日 二桓 武 暗 遣 謡使 者 嘱
朝。其學
薦 菟勢。淨璧 海。鵬驚 聽 。肇 手 餘無 薯 高陜眞人應・誨二
免熱 鐘 認 藤 とい
瓦 る。 此度 の事也 。 然 る を か の寶 覇 の度 の御 使 を しも 。眞 人興 壟 と し る せ るに。 誤 れ ゆ。 興
能
ノ マ
と は 。 此 度 の大 使 葛 野 麻 呂 の 事 に て 。 む か し か の 小 野 妹 子 竜 。 因 高 と い ひ し 如 く 。 か の國
に て 。 葛 野,を ざ は 名 の り ル 也 。 日 本 紀 畧 叉 室 海 の か け る 文 な ど に は 。 賀 能 と も 見 え た.
り 。眞
ノマ ぽト
入 と は 。 こ れ 竜 此 度 の 判 官 高 階 眞 人 遶 成 を 。 ま ぎ ら は し つ る 也 。 遑 成 の事 は 。 類 聚 國 吏 に 。
大同元年+ 二皇 車 。 遒唐 判官正 六位上高陶眞人遠脚。 拠旋 五位 身 還成卒羸 翫 働・不
レ
塰 治籍 慧 ㌦覲 。 臨復命密 ・隻 焉と葛 ・ζれ笑 同旡年に蚤 したるにはあら ・
㌔
、
ず . 此 延 暦 の度 の制 官 四 人 の 中 の 輔人 也 。 其 故 は、 大 同 発 年 に 遣 唐 使 の 事 。 物 に 見 え た る こ
と な し 。 然 れ ば 大 使 副 使 な ど な く し て 。 た 璽 制 官 の み つ か は す べ き よ し も な く 。 夊 右 の文 の
ツカバ
サキ
ま へに 。 此 遠 成 を 遣 し ﹄事 も わ き て 見 え ず 。 又 わ つ か に こ ぞ の 六 月 に 。 前 の御 使 の か へり 參
り し に・ こと し の+ 二月 に軌 薐 の御 使 の・ す で に か顯 脳 と申 す べ き に もあ ら ず・ 大 同 元
年 三 月 に◎
崩
桓武 天皇 か む あ がり ま しノ丶 て。
李 城 天 皇 は 。 も の 五 月 に 御 位 に つ か せ 給 へれ ば 。 い ま だ 遣 唐 使 あ る べ き あ ぴ だ も な き 物 を や 。 か
か れ ば 此 遠 威 は 。 延 暦 廿 四 年 に 。 か の 大 使 な ど 製 と も に は か へら ず 。 ゆ ゑ 有 て 。 か の 國 に と
ど ま り ゐ て 。 又 の 年 大 同 元年 に 。 お く れ て か へり 參 り し な り け り 。 朝 野 群 球 に。 此 時 唐 王 が .
ノ
ノ
ノ
遠 成 に あ た へた る 位 記 を の ぜ た り 。 日 本 同 使 判 官 正 五 晶 上 戴 行 鎭 西 府 大 監 高 階 眞 人 遠 成 。 右
ス お ハ
可 二中 大 失 試 太 子 中 允 殉 餘 如 レ元 蟄 々。 発 和 元 年 正 月 廿 八 臼 と あ り 。 か の 國 の 充 和 元 年 は 。 す
ハシテヲ ス ム ヲ
な は ち 大 同 元 年 也 。 舊 唐 書 に ◎ 貞 元 二 十 年 。 遐 レ使 來 朝 。 留 等學 生 橘 免 勢 。 墨 問 僭 杢 海 輔 元 和
ノ メウク ノ ル ヲ ンつヲ ニ チ フ ト ク ヲント フ
元 年 。 臼 本 國 使 判 官 高 階 茣 人 上 ぜ 国。 前 件 學 生 。 藝 羹 稍 成 。 願 レ歸 二本 國 殉 便 請 興 ゼ臣 同 歸 。 從
ニ ノ
レ之 と い へり 。 此 文 の趣 も 。 高 階 茣 人 そ の年 に か し ζ へま か り し よ し に は あ ら ず 。 免 勢 。 室
馭 戎慨 需 上之 卷 下 六 蠶 ,
、
O
馭 戎 慨 言 、
凡
六 四
海 な ど エ と も に 貞 元 廿 年 よ り ふ た と せ 。 か の画 に と 攣 ま り ゐ た り し が 。 元 和 元 年 に 。 み な と
請 テ ヲ デ
も な ぴ て か へら ん と こ ぴ し よ し 也 。然 る を か の薪 唐 書 に 。歴 二二 十 餘 年 弔 使 者 高 階 眞 人 來 云 々
ハ
ヤナリ
と い へ るは。 いみ し き あ や まり なり 。 叉 逾勢 を ば。 と も に琵 勢 と あ や ま れ り。 さ て
李 城 天 皇 ・
嵯峨 天皇
ミ ミ き ナ ラノミヤ メ
淳 和 天 皇 の 三 御 代 は 。 遣 唐 使 の さ だ な か り き 。 奈 良 宮 の始 の御 世 の こ ろ よ り し て 。 延 暦 ま で は 。
御 世 ノ \ ご と に 一た び は 。 定 れ る 例 の ご と く に て 。 か な ら ず 此 事 有 し に 。 今 か く 絶 た り し は 。
勢
繁
又 いと め でた し。 そ も く か の國 に せち に のぞ み お 竜 ほ し め しけ ん 事 共 の有 し ほ ど だ に。 か
カラ
ナご
ホミ
のす ぢ も な く いや し き 戎 王 と 。 む つび 給 ひ し は 。 大 皇 図 の あ か ぬ わ ざ な り し を 。 今 は ま し て 。
ナむ
か たじ け な く大 御 使 っか は し て。何 に か は し給 はん 。 と も す れ ば。 あ しき 浪 風 の わざ はぴ に
. 臣 、 舞
さ へあ ひ て 。 あ た ち お み た ち の 。 い た づ ら に な る 。 い と あ ぢ き な く ゆ か な、
し き わざ なら ず や 、
そ れ 竜 か の國 王 。 冗 ・ .
クフト ・ 恭 順
天 皇 の か ぎ い な く 奪 く ま し ま す こ と わ り を わ き ま へ て 。 ゐ や ゐ や し く あ へし ら ぴ 奉 ち ば こ そ あ ら
め 。 か れ よ り は 。 ぴ た ぶ る に お と し め 奉 り て 。・
か だじ け な く 日本 國 王 な ど エの みぞ申 す め れ
N
・
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ば 。 か へす ノ \ 竜 此 御 む つ び は 。 な く て あ ら ま ほ し き わ ざ に な ん 。 然 る に 又 し も 。
仁哭 皇 の御 世。 承 和元 年 正 月 に・ 藤 霧 臣常 嗣 を ・ 遣霧 節 大 使 にめ さ れ・ 同 一
韋 五 臥 に・ 艦
の り せ し を 。 例 の波 風 あ ら く て 。 船 共 も そ こ な ひ て 。 たゾ よ ひ か へり し か ば 。 船 な ど つ く ろ
フナヂ
ぴ て。 同 四年 三月 に。 又 船 出, せ し に 。 ま た し も え 渡 ら ず 。 た 蠻 よ ぴ て 。 太 宰 府 に か へり き 。
ノ
か く て 同 五 年 六 月 に 。 大 使 は 太 宰 府 よ り 叉 ふ な で せ し に 。 副 使 小 野 朝 臣 篁 はゆ い か れ る こ と
シ
有 て。 病 のよ し申 て ま か らず 。
嵯 ノ ノ
峨 太 上 天 皇 いか り ま し て。 隱 岐 國 に な がし給 ぴ てき 。 同 六年 八 月 に。 大 使 を は じ め。 み な か ヘ
ニ
アタリテ
ニ タ ス
り つき て。 九 月 に京 に ま ゐり ぬ。 唐 書 に 。 次 仁 明 。 . 仁 明 直 二開 成 四年 殉 復 入 貢 と い へ る 。 此
度 の 事 也 。 開 成 は 。 か の 王 文 宗 が年 號 。 そ の 四 年 は 。 す な は ち 承 和 六 年 に あ た れ り 。 さ て 此
フミ
へ へ
度 も 。 唐 王 よ り 奉 り し 書 有 し 事 。昌續 後 紀 に 見 え た り 。 さ れ ど 共 詞 は し る さ れ ず 。 そ も ヅ \ 御
ヨ
づ
ノ
世 ノ\ の紀 ど も に。 渤 海 國ま、 り 使 を ま だ せ し度 ご ど に 。 其 王 よ り 奉 り し ふ み 共 。 又 其 王 に 賜 ,
ひ し 詔 書 な ど 竜 。 つ ぶ さ に の せ ら れ た る に 。 唐 王 よ り 奉 り し 書 の詞 と て 馬 か のボ溜 彫 の御
・ 世 の後 は。 ひ と つも載 ら れ た る董 馨 は・ 例 の いと 恥 輾あ み有 し故 に・ いみ は ぶ 嵳
る も の、
な るべ し。 又 こ な た よ り は。 か の國 唐 の代 と な サ て より は。 す べて 詔書 は つか は さ 冥
馭戎慨 言上之卷下
. ー 六 五
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轡
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巒
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馭 戎 慨 晶爵 蹄
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⑳ し 例 と 見 え た り 。 其 故 は 。 か の延 暦 の度 の 御 使 の船 の。 か の 國 の さ か び に い た レ つ き し 時 。
ゐ ス
大 使 葛 野 痲 呂 朝 臣 の 。・か の國 の幅 州 觀 察 使 と い ふ が 竜 と へお く ら れ し 書 に 。 賀 能 啓 云 々。 又
大 唐 之 愚 訪即 為 蝿也 云 々。 徐 ル堪 諏上 察 一云 々。 興 二丸 瑣 々タ謙 蕃 殉 豈 鴎 "鴎 馬 時諷 乎 。 叉 竹 符 銅 鉱 。
ト フ ニ ク . ナラバ ソ ン ノ ユ か ヨリコ ナク ニ 麦 ルニ ヲ ノ ル
本 備 二軒 詐 殉 世 淳 人 質 。 文 契 何 用 。 是 故 我 國 淳 樸 已 降 。.常 事 二 好 隣 殉 所 レ獻 信 物 。 不 レ用 二印
書規 造 使人。無 熱 驀 毒 。侮棗 塾 至 。然筑 使喪 ご
毒 幡
云々、 檢鉱 船♪
ノ .ニ レ シ ル .庵 ト ヨリ ノ ノ 必
云 々 。 官 吏 之 道 。 實 是 可 レ然 、 雖 レ然 云 々 。 ・
建 中 以 往 。 入 朝 使 船 。 州 -縣 諸 司 云 々 。 不 レ檢 二船
ヲ チ ト 也 シテクハテ ノ ヲ ン マ ヲ
物 殉 今 則 事 與 レ昔 異 云 々。 伏 願 顧 二好 隣 之 義 幻 不 レ怪 二常 風 一云 々と あ り 。 此 書 は 。 そ の を り た
ぐ ぴ て 物 せ し 。 學 問 僣 室 海 が か け る に て 。 性 靈 集 忙 の れ り 。 も し 唐 の代 に な り て 。 詔 書 つ か
ば し Σ例 あ ら ん に は 。 え 竜 か く は い ふ ま じ け れ ば 也 。
﹁さ て つ か は さ ぬ は 。 使 の い つ は り な き
故 と 。 こ の書 に は か け れ ど 。"そ は 此 侍 に、 ふ れ て。 よ き さ ま に いぴ な せ る物 に こそ あ
`れ。 ま こ
ヲ ハ
リダ
と に は さ る こ と に あ ら ず ゐ 唐 の代 と な り て は 。 か の 小 治 田 の御 代 の ご と く 。 天 子 天 皇 な ど の
ウケ
た ま ぴ て,は 。 か の 王 受 奉 る ま じ く 。 さ り と て か れ が申 す ま エ に コ 日 本 國 王 な ど N。、お と し て
0
は た め た ま ふ べ き に あ ら ざ る が故 に 。嚠
詔 書 は つ か 依さず な り に し をコ 例 と し て。度 ご と にか
、 ・ 異
れ が せ む る に も 。 巴 か く い ぴ て 。 し た が は ざ り し 也 コ さ る は か の國 に は 。 あ だ し 國 よ り 使 を
、
書
さ し て 。 む つび く る に は 。 必 そ の 王 の ふ み 有 べ き さ だ め な る を 。 そ れ に は よ ら ず て 。 か く 後
ノ スルズ ク ヲ
迄 も 。 こ な た の御 さ だ め を な ん と ぼ し給 ぴ し 。・御 い き ほ ひ は 。 舊 唐 書 に 。 其 人 入 朝 者 。 多 自
ニス
矜・大 つ と い ぺ る に 思 ぴ あ は さ れ て 。 い と た け し か し 。 き て 承 和 の後 。
文徳 天皇 .
奪
.
溝
和天 皇
癰
陽成 天皇
サ ヨ
ミ ヨ
光 孝 天皇 の四御 世 は。 叉 た え て。 遣 唐 使 のさ だ な か り き。 次 に
テ ヲ ス
宇 多 天 皇 の 御 世 。 寛 李 六 年 五 月 に 。 唐 客 含 レ詔 入 朝 と 。 扶 桑 略 記 に 見 え た り 。 .こ は か の 承 和 の後
ミ クニ
・五 十 餘 年 。 御 使 の絶 た り し 故 に 。 皇 幽 の む つ び の絶 な ん と と を 。 心 う く 思 ぴ て 。 普 の ご と く
ぎ ノ
御 使 給 は るべ き よ し な ど を。 申 しお こ せし な るべ し。 され ば にや 。 や が て其 八 月 に。菅 原 大
ノ
臣 の。参 議 左 大 辨 に て お は しけ る を。 逡唐 大 使 。紀 朝 臣 長 谷 雄 を副 使 にめ さ れ て。 制 官 圭 典
な ど を も さ だ め ら れ し か 共 。 此 ほ ど 唐 の 世 お と ろ へ て 。 か の國 み だ れ た る よ し を き こ し め し
け る 故 に 。 つ ぴ に 其 事 は た し 給 は で や み に し 後 。 な が く た え て。 さ だ 竜 な く な り ぬ る は 。 か
ス
へ、
すノ \ め でた し。 同 七年 五 月 十 五 昼。 唐 使 入 朝 と 。 又扶 桑 畧 琵 に見 え た る竜。 さ き のお 亀
馭 戎 慨 費跨上之 卷 下 六 七 }
,
馭 戎 慨 嘗 六八
噂
む き の使な るべし。 かくて いくぽどもなく⇔
醍爨 皇轟 代延喜 のξ 驫 篷 毳 てσ彫 鍵 くみだれて、五+年あ碧 も・蓼 まらざ
■
り し。 そ のあ ぴ だ を。 五 代 と・
か いひ し を、
村 よ 天 皇 の 御 代 。 天 徳 の末 に あ ・
だ り て . 趙 羅胤 と い へる も め。画 鬢と り 箪 と なり て。宋 と いふ。
こ れ ま り も ろ ヒ し の國 9 叉 し ば ら く を 欝 ま 疹 ぬ ρ さ れ どそ の 北あ 方 に は 。 な ほ 宋 に し た が は
レ へ
ぬ 所 も亡、こ れ か れ 有 き 。 さ て が の壷 代 の ほ ど 。.呉 越 と い へる國 の主 よ り。 蒋 承 勳 と いふ 竜 の
隔 ノ 蜘 ノ ノ ノ
を。 使 に ま ゐ ら せ液 り し事 有 慧 侮 其・ 時 か の 黒 。 小 野 宮 實 蝦 火 臣 . 九 條 師 輔 大 臣 な ど へ。 書 を
奉 り て・ 慈 罫 ・本 覇 森 に のれ り・ 潔 やけ ご と なら ね ど・ そ のか へり こ と の さ ま 肇
ξ
フ ヲ ぞ ま
は 。 よ ろ し ぐ 聞 ゆ 。夊 臼 本 紀 略 に 。 承 蔕 六 年 八 月 ﹂一田 。 左 大 臣 鯣 こ書 歌 於 大 唐 呉 越 王 叫と あ る
ら り
大唐 の拳 こそ。 例 のわ うけ 鞠 賜字肇 鮟 。 よ う レ き し る しざ ま 也 。 こ、
の呉 越 と い 潅 。
鬮
錢 茂 に て。 五代 の ころ よ り。 宋 の始 つか た 象 で。 奮 ろ ζし の潛 江 と い ふ所 にて。 王 と な のり
ゐ た り し も の也 。 そ こは皇 國 へち か き方 な る か ら。 かく と 巴遖 は せ し癒 るべ し。 も ろ こ し の
書 に竜。呉越錢民。臨二
海船 一
海二儒置 発 天榔智瀚教。五百餘卷。 胤⋮
ヒ録而 易踟。賈人篤。 日
ニソ シテ ヲ ノ ユ サ ヲ メ シチ ジ ノ ユク ム
本 膚 レ之 。 錢 俶 致 二書 於 其 國 圭 殉 奉 惑黄 金 五 百 爾 叩 求 調寫 其 本 叩 天 台 歡 大 布 二江 左 一と い へり 。 又
獅
ρ
、
\
圓 融 天 皇 の御 世。 天 元 五年 に。 裔 然 と いふ ほう し。 も ろ こし に わ た り て.
.宋 王 にあ ぴ て 。 御 國 の
の
アマツ ヒ ツギ
事 共 を 。 つ ぶ さ に か た り け る に。 宋 王 太 宗 。 祚 代 ま り 芙 津 臼 粥 の 御 位 の 。 か は ら せ 給 は ぬ 御
オミ ウヂヵド ヘ
事 。 又 も ろ ノへ の 臣 た ち 迄 も 。 御 世 ノ 丶 に つ か へ ま つ り 來 て 。 氏 門 の た え ざ る こ と な ど を 聞
も
が
て 。 い み し く う ち や み 奉・り て。 お の が國 のみ だ り な る を な げ き し こと 。 宋 史 な ど に く は しく
し る せ り 。 此 外 も 。 ほ う し の か の國 に ま か り し は 。 御 世 ノ 丶 に あ ま た 有 き 。 叉 か の 國 の 書 ど `
もに・大轟 符元鳳 呆 國怨梯飄 レ
虱・ 非童 墨 驚 為風裂 國之東・胤萪 光薮 .
其図
リ フ ノ ナルをハ スト ニ テ
素 傳 。 中 原 天 子 聖 明 。 則 此 光 現 。'眞 宗 大 喜 云 々と い へる 噂 と れ ら は 。 い つ こ の い か な る も の
のレ わ ざ な りけ ん ・ 購 でも の を得 ん がな め に・ か た嘉 き そ ら潔 を か ま ぺ出 て・ あ ざ む け る
、
物 な る を 。 か の 王 え さ と ら で 。 よ ろ こ び し 竜 。 いと を か し 。 叉
ノ ノ ぬ ド
ブ
白 河 天 皇 の 御 散 。 承 暦 二年 に 。 宋 國 の孫 吉 と い ふ 竜 の 。 ま う で き て 。 太 宰 府 に 奉 れ る 牒 に 。 賜 ニ
ノ ノ ム
日 本 國 太 宰 府 令 藤 原 經 否 鳳と し 緬 せ の 。 こ は か の國 の う ち 。 いつ れ の所 の つ か さ よ り 奉 れ る
・に鳶 飾 蝶 こ跨 鬣 んかたなし・ 宋史に・ 簍 元年働二
通藩 仲翳 窮 州叉言レ
懲其 煽
。 モノ ヲ テ ルニ ス ヲ
・國 太 寒 府 牒 殉 因 ご使 入 孫 患 還 鴫 遣 二停 囘 等 一と いぺ る 。 孫 忠 と か の 孫 吉 と ば 。 同 じ 人 な る べ し 爭
か の 國 の 元 豐 元 年 は 。 ナ♂
な は ち承 暦 二年 にあ た れ り。 叉 ザ
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馭 戎⋮
慨 言 上之 卷 下 .
六九
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馭 霽 懐 鷺 ・ 七〇
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鳥 朋 天 皇 の 御 代 。 元 永 元 年 に 。 宋 國 よ り 。 孫 俊 明 鄭 清 な ど い ふ あ き 人 に つ け て 。. 書 を奉 れ る。 共
調 幅 譏 棗 婁 ・蕪 呆 葬 ・入 思譲 鼕 辱 地齢二珍奇蠧 蠹 .修 芳肇 聾 鵬
朋墜 瓢 鶸辱 ん蜘ご壅 之聾 導 憙豐 養 敢二蕩 を 聾 などいへり。薯 。いにし
シ
への例 にがな 鋭 や い奪 と・鑾 たち をめし三 かむか へし め給 へり しかど論 径 なく
狂
・き 語,
て や み に き。 か ﹂ るた ふ れ ご と申 さん に は。 い にし へ
.の例 な ど か む か ふ る 迄 も な く 。 き び し 一
く毘 が め て 。 す み や か に お ひ か へ七 給 ふ べ き わ ざ な る を や ら。 又
ノ ノ
嵩 倉 天 皇 の 御 世 。 承 安 三年 に 。 か の國 の明 州 刺 史 な に が し が も と よ り 。 書 を そ へて 物 を奉 れ り し
ノ イレ
こ 乏 あ り 。 そ の 書 の さ ま も 。 例 の ゐ や な か り し か ば 。 大 外 記 清 原 頼 業 。 う け 入 ず て 。 か ヘレ
シ
てん と申 け れ ど 竜。 、
ミコ
タへ
法 皇 き こし め さ で。 奉 れ る物を も受 給 ぴ。 御 答 も 有 しと そ 。 近 き ころ栗 山 氏 。 此 事 を いた く う れ
﹂
たみ老 ・騨 幽 かり禁 毒 ふわざ也 と申 せる ば・誠 にさ ることそかし。そもー も ろこレ
悸 慢 .
の國 王 が 。 い に し べ よ り か く め み ゐ や な き は 。
董 の渉 な 亂 野 をわ窰 ヘレらず てこ とわり にそむけ る・みだりご となる物 をや・誉
ミイヵリ
な た よ り 。 御 使 つ か は し 浅御 代 ノ 丶 に は 。 か の國 に の ぞ み給 ひ し こ と 有 け れ ば こ そ 。 御 怒 を
'
も し の蘿 ひ てゆ む つ蘿 ぴ し か・、そ れす ら 愈 へば⇔ 瓢 ぬ御 妻 り し を・ ま し て 其後 。
ツ ー . 戎
か し し に の ぞ み 給 ふ 事 も な く 。f萬 に こ と た ら ぴ て め で た き 御 代 に 。 何 の よ し 有 て か は 。 か ら
、
王 がざ る ゐ や な 暮 ぢ 潔 をば 幕 はん ・ 丿,もき ,斎 ・静 伽 きす ち のま じ れ らん に は・ '
詰 資 ・ 却
深 く と が め て 心 そ の ふ み か へ し や り て噂 た 璽 い く た び も っ
天皇 のか淨 な夢 くまし事 禦 を・たしかにいひし望 言 三 諜 の啀秘 をか鼕 かす
べ し。 さ あ らん た か の図 王 。、なほ む つび奉 ら ん の心 あ ら ば。お のつ か ち 詞 をあら た め て。 理
崇 敬 ・
り 彼 陽 , 塒
り のま 玉に。 ゐや ま ひ奉 ゐ や う も 有 ぬべ し 。 か れ は。 う へに こそ いさ 丶か竜 ゐや ま ぴ申 せ る.
け し き を見 せ ね。熔 に し へより。 し た に は。 む つび奉 ら ま ほ しく 思 ふ 心 深 き が故 に。こ な た 鎗
よ℃ は た え て。 御 使 をぢ 0 か はさ ず な り ぬ る御 世 ハ 丶 に も。 かく度 女使 をま ゐら せ しそ か し,
す べ て か の國 脚勤 使 をま ゐら ぜん 忙 。 そ の國 王 な ら ぬ も の丶。奉 ら ん書 な ど は。 か の國 にて
も。臣 の主た 奉 奮 い衾 のさま に。天皇陛下とあがめ忠 ず は。き らに受 入べ彪 あらず,
无 禮
も ← そ の ざ ま に たが び て9 いざ 国 かも な め し か ら ん に。 獪 御 こた へな く て は。 えあ ら ぬす ち
な ど も あ乾 ん に は。 鯉 へつぎ み たち の書 に て。 奉 弓 、
蚤 鑑 誌 梟 國} など ∼・褥 としてかきや るべし・ず べてかしこより・
激 戎 慨 言 上 之 卷下 、
.
.
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、
馭 戎 慨 言
弋
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七二
天 皇 と あ が め申 さ 雪 ら ん か ぜ り は 。 こ な た よ り も 。 か の 王 を 天 子 皇 帝 な ど Σ。 あ が め い ふ べ き に
ミ クニ
あ ぢ ず 。 叉 か の國 に つ か は ず 書 の み に も あ ら ず 。 す べ て 皇 凾 のう ち に て 。 つ ね に 物 に か き。
∴ に い罸 覧 ま レてかの王を象 て・天重 帝なゼ は・ かりにも いふべ嘉 ざ にあら
一受 制 , コト
ず 。 そ は か の王 の惑 だめ を う け。 し た が ふ國 のも の ﹂ いふ言 に こ そあ れ 。
X メジミ ク 凪ビ ト . . シ
皇 御 國 人 は 。 充 璽 唐 國 王 宋 國 王 。 も し く は 唐 圭 宋 圭 な ど 乂ぞ い ふ べ き 。 叉 そ れ が 死 ぬ る を 。 崩 と
キミリ シ メ メ
い妻 題 。膝 .
}とな り 。り
奮 死ぬみまかる肇 惚 べ し 。萎 を も。 妻 と いふ べ し. 皇
后 と は い 識べ き にあ ら ず 。 其 外 の いぴざ ま 竜。 な べて γ
﹂れ ら た な す ら ふ べ し 。 か し こく も わ
が / `・ . . . 、 '・
、 彼 貳
天 皇 を お き奉 り て 。 か れ を し も 天 子 と せ ん は 。 ふ た こ 玉 う に て 。ず な は ち
り 蔑 , ..
戎 . ツ
天皇 を 馨 紫 髴 る也 。 か の から國 屹 す ら 。 天 に 二 の黒 き になず ら へて。 地 に二 人 の王 は
な し と て9 ぴ と の國 の君 をば 。 いざ ﹄か も た ふ と む こと な し。 さ れ ば か の三國 と いぴ し時 な
ゼ 。 劉 備 に、
心 び くど も がら は。後 の世 に も。 蜀 を奪 む 故 に。魏 はま さ、
し く漢 の つぎ をう け た
沿秘繞 搾 季 憲 ず.悪 { のかみ携 人 の.蜀を天子嘉 ひしこと妬さらになし.
又 北南 と 。國 のふ た つに分 れ 光 り し程 な ど も。 南 より藍
は。 北 を ば 胡虜 と あ な ど り。 北 より は。・
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、
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吾 方
南 を ば 嶋夷 と お と し め て。 た が ぴ に わ が か た なら ぬ王 を 。 天 子 と いふ こと は さら にな か り し
ツ
ロ
驚ぎ
島物 を 。 ま し て天 地 の聞 忙 こと な く 。 尊 くま し ます
戎 ジ
天 皇 を いた 璽 き奉 り な がら 。 よ し な き か ら國 の王 を。 小 さ 製か港 た 轟と み いふ べ き こと わり 有 な
ん や 。 儒 者 な ど の 心 に 。 も ろ こ し の國 に ま さ り て 尊 き 國 な く 。 そ の 王 を 天 子 と あ が む べ き は 。,
天 地 の お のつ か ら な る こ と わ り の ご と く お も ひ を る は 。 い と も ノ \ こ 曳う え ず 。 そ も ー わ
殉
が,
タテ ン 霹
天 皇 は 。 ま つ 竪 に 竜 。 紳 代 の始 よ り 。 萬 代 の末 ま でゆ き と ほ ら し て 。 御 た、 ふ と さ の。 と こ し な へ
蜜 ンクフト 無 比
に か は ら せ 給 は ぬ う へ は 。 横 に 竜 又 。 天 地 の 間 に 。 あ ま ね く わ た ら し て。 御 奪 さ の た ぐ ひ ま
♂
アキ
k し ま さ ぬ ヒ ど わ り 。 お のつ か ら 明 ら け き を 。 か の も ろ こ し の 王 な ど は 。 み つ か ら こそ 。 み だ
クフト
リ に た ふと げ にも て な せ共 。甑ま こ と に し か 尊 か る べ き し る し 有 や は 。 み な 例 の い つ は り ご と
O
.も て 。 し ぴ た る 物 に こ そ 有 け れ 。 然 る を ひ た ぶ る に 。 か れ を の み た ふ と き 物 に い ぴ 思 ふ はゆ
コ ト
ボ
み な か の國 ぶ み の い つ はり言 に な れ て。 ま こと な ら ぬを 。 え さ と ら ぬ故 のぴ が こと 也 。 そ ⑳
う へお の が國 を い や し め て 。 入 の國 を た ふ と む は 。 か べ り て か の も ろ こ し の お き て に 竜 。 そ
.
む け る 物 を や 。 但 し か の堯 舜 藕 湯 文 王 武 王 な ど い ふ ら 舟 王 を ば 。 儒 者 は 。 そ の 道 の 褊 や な れ
馭 戎一
概冖言 上之 卷 下 .
舗
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七 三
ゆ
・o、 勲
細
ら
、馭 或 慨 .書 、 ﹁ . 七四
ば。 奪 ぱむ ・
も さ る ヒ と な る を つ そ の心 よ り う つ り て 。 さ ら ぬ よ Σ の王 ど も を も 。 な ぺ て た﹂
轟
ミ クみ
と み 。 又 そ の國 を も 申 華 中 國 上 國 な ど い ぴ て ⑩ ぴ た す ら た ふ と む あ ま り に 。 か へり て 皇 國 を、
ツミビト
ぽ 。 こ と さ ら に東 夷 ぞ な ど 丶 い ぴ な す な る は。.い 乏 も か し こぐ 。 大 反 逆 に ひ と し き 罪 人 也 刃
フミ
さ れ ど 今 の 御 代 に は 。 書 のう への 詞 な ど は 。 と あ る も か Σ るも 。 さ し て と が め さ せ給 は ぬ か
狂 言
ら 。 は 璽 か.り も な く 。・口 に ま か せ 筆 に ま か せ て 。 か 玉 る た ふ れ ご と ど も を さ へ。 い ひ も し か
ン
き もす るなめ り 。 そ もλ 丶 書 と い ふ も の は。 天 の下 に ぴ ろ ごり て。 後 の世 ま でも 。 つ た は り
ゆ く 物 に し あ れ ば。 か N る よ こ さ ま ご ど せ ん と も が ら は 。 お も き 御 と が め も あ ら ま ほ し き わ
ざ に な ん 。 大 竇 の 御 さ だ め に も 。ミ都 跡 .
σ罵 に 體 れ 。 其 人 を 竜 、 蕃 客 と あ る う へ は 。 燐 そ の御
ザグメ
令 に こそ し た がふ べ き わ ざ な れ。 か し こく も
トツクェ
ロ
ツミピト
皇 朝 の御 さ だめ にそ む きて。 か の外國 のさ だ め に しも し たが ぴ いは む は。 い み し き罪 人 にあ らず ,.
発 礬 ならん から に・
ゑ こし人に籔 らず・爵 入 にして・皇図 にあらんほどは・ いか
で か 尸 ー
皇 朝 の 御 の り に そ む て 事 を 得 心 。 然 る べ ぎ 儒 者 な ど の 。 つね に か の國 を た ふ と び て 。 い ぴ % へ る
、
詞 を 聞 な ち ひ ゅ さ る書 を も 見 な れ て は 。 た 璽 そ 、
れ を よ き事 に心 得 て。 ち か き ころ は。 物 の心
、
を も し ら ぬ も の は 海 。 か ら も ろ て し と、
は い は で。
、中 國 中華 な ど いふ よ。 さ るば か な らず しも 繆
こ と さ ら に そ の図 を た ふ 乏 む 心 に は あ ら ぬ も 。 す べ て 學 問 す る 入 は 。 む ね と か の國 の ふ み を
翻
ツガ
・
の み あ け く れ よ む ゆ ゑ に 。 目 も 心 も 。 そ れ に な れ て は 。 お のつ か ら か の 王 ぞ 。 我 王 の如 く 硲'
し た し く 奪 き 物 に 思 は れ て 。 よ う つ に ま さ な き ぴ が こ と は あ るぞ か し ひ さ る 心 よ り し て 。 た
主 ・ . 誘
だ も ろ ζ も を の み む ね と 思 ふ か ら 。 何 事 に も 。 か の國 の事 に は 。 漢 と も 唐 と 竜 い は で 。 か ヘ
ミ クに
り て 御巨図 の こ と に 。・
日 本 本 朝 な ど い ぴ て 。 こ と を わ く る も 。 み な ぴ が ヒ と 也 。 た 毳 へば 汕
讃歌
歎
や
の 事 を い ふ と て 。 詩 ぼ 思 ふ 心 を い ひ いつ る も の也 。 和 哥 は 我 國 の 風 俗 に て 云 々な ど い ふ た ぐ 广
ぴ 。 ま つ 和 哥 と い ふ も 。、
う け ばら ぬ こ と 。 叉 我 國 と い ひ 。 風 俗 と い ふ 。 み な 皇 國 を 。 せ ば く -
9
ち ぴ さ く 。 か た は ら に な し た る 詞 に て 。 か な ら ず 皇 國 人 の い ふ ぺ き さ ま に あ ら ず 。、か く さ ま
め こ と を い ば ん に は 。 寄 は 思 ふ 心 を い ぴ の ぶ る わ ざ 也 。 詩 は も ろ こ し の國 哥 也 。 な ど や う に
ウチト
こ そ い ふ べ き こ と な れ 。 す べ て何 事 を い は む に も 。 此 内 外 の わ き ま へ な く 倣 あ る べ か らず 。
皇 國 は 内 也 。 も ろ こ し 拭 外 な れ ば 。 か の 國 の 事 を い は ん に は 。 分 て 唐 に は 云 々。 漢 の 云 々。
と や う に い ふ べ き 也 。 皇 國 の事 に は 。 日 本 本 朝 本 邦 吾 國 な ど い ふ べ き に あ ら ず コ 然 るを 世 の
反 . 、
人 の い ふ は 。 み な か へさ ま に て 。 皇 國 を 外 に し 。 竜 ろ こ し を 内 に し た る い ひ ざ ま な る を や ,
駅戎 慨 言 上 之 巻 下
・ 七 竃 楓 、
■
畢
〆
穿
駅 戎 癬牌 曇織 ▼
七 亠ハ
ミ クニ
儒 者 な ど の 申 に も 。 皇 國 だ ま し ひ あ る は 。 か く さ ま の心 ば へ を も ℃ 思 び わ き ま へ て 。 み だ り
ン
に い は ず 。 か の國 を 申 國 と い ふ な ど を ば 。 よ か ら ぬ こ と 玉思 ぴ い ふ も 。 ま れ く はあ めり 。
ら ヤ
さ れ ど 其 王 を。 ご ㌧ に て 。 笈 子 と い ふ 迄 を 。 ぴ が こ と 玉思 ふ 人 '
は。 いと 有 が た く て。 も は ち
趨 鼠 問 を匁 して・ 職ら國 をば・ いや しと劉 るともがらすらぎ れには獪 こ 瓦ろつか
ぬ ぞ か し 。 中 國 と い は ん が 。 ぴ が こ と な る う へは 。 そ の 王 を も 。 天 子 と は か な ら ず い ふ ま じ
或 コト
き わ ざ 也 。 こ 玉 に あ る 人'。 お のが此 言 を と が め て いびけ らく 。 そ も く 中 図 天 子 な ど いふ ご
ナ 、 , ミ クニ ヘ タず 炉{
と は。 皆 も ろ こし よ り始 まり て。 本 よ り か れ が號 也。 さ れ ば御 図 の古 の正 しき ふみ に も。 唐
ノ
鯉 天 子 な ど 玉 し る さ れ 。 叉 つ ね に 大 唐 と 。 大 の 字 を そ へて 。 た ふ と ば れ し 物 を 。 今 こ れ を ぴ 、
霽 が こと 嘉 ふ は・ 強 に ぞ・ 藩 れ鐸 らく・髫 姦 に は・ も と課 と い ふ黎 かり し を・
.
軈 藤.
の鴛 世 より 笹 ま り て。 よ の人 の學 び ょむ は。 み な 墓 ヒ し のふ み なれ ば。 いつ れ に
河 丶 ミ ζ ビト
、竜 。 其 王 を 天 子 と あ が め 。・よ う つ に た ふ と げ に か き な せ る 。 其 ふ み ど も に な れ て は 。 御 國 人
も 。 お のつ か 必 か の 王 を ば 。 天 子 と 塾 ふ も のぞ と 。 伺 心 な く 思 ぴ と り て 。 い に し へ の ふ み ど
も に も 。㍉さ は か 駈 れ し 物 な れ ど 。 ま こ と に は ぴ が こ と な り 。 叉 大 の字 を そ へて 。 大 唐 と か エ
瞳
れ た る 竜 。 同 じ 事 に て 。 か の國 の ふ み に 。 し か い へる に の み め な れ 潅 る う へに 。 叉 か の 國 。
価
、 健
周 と い ぴ し 代 迄 こ そ 。 竜 ろ ノ 丶 の と こ ろ の 名 な ど も 。 お ほ く は 唱宇 な り し か 。 秦 漢 の ほ ど よ
b し てば 。 二 字 な る が お ほ き に め な れ て は 。 た 黛 ︼宇 の図 の 名 は 。 物 に か く に 。 な に と か や
,足
こ と た ら ぬ が ご と く な る 所 の お ほ か る か ら 。 二 字 に た さ ん が た め に も 。 そ へた る 也 。 國 々 の
ミ
郡 郷 の名 共 、 か な ら ず 二 字 に か く べ き よ し 。・
御 こ と のり 有 し な ど を も 。 思 ぴ あ は す べ し 。 す
へ
史 、 蔑
べ て古 の正 し き ふみ には 。 申國 中華 巴 は。 皇 國 を のみ い ひ て。 竜 ろ こし を ば。 西 土 な ど ︾い
帆・す 乏 、
諜 藩 あ へしらぴ肇 しにあ 繁 て墨 ぱ・が の大 の字・︾ とぶ こ老 にて
そ へ た る に は あ ら ず か し 。 さ れ ど か の國 に で も 。 '
そ の代 の 程 こ そ 。 奪 び て 大 と は い ふ こ と な
ミ クニ
ビト
れ 9 そ の 代 過 て後 ま で い へる こ と は 。.例 な け れ ば 。 ま し て あ だ し 國 の名 に 。 皇 國 入 の 。 し か .
か きな ら ひ し ば 。
麁い み し き ぴ が こ と 也 。 然 る を か れ は い と 大 き な る 國 な る 故 に 。 む か し よ り
大獎 委 ど蟲 いふぞ・と心錯 る捨 隔 のも碧 けん・購 び書 に馬 か の國 をさして・
ダ じシカ
た 夐 に 大 國 と さ へい へる も あ る ぞ か し 。 叉 大 元 大 町 な ど の大 の字 は 。 も と よ り 然 づ 夐 く べ き
ナ
號 にてゆ た 冥 に た ふ 乏 べ る の み にあ ら ざ れ ば 噂 こ Σ の人 のい はむ も 。 あ し か らず 。 と いふ こ
と 竜 。 ち か き ころ き こゆ れ ど 。 獪 わ う し。 か の國 に ても 。 明 の代 に な り て。 元 を大 元 。清 の
代 に な り て。 明 を大 明 と い へる こと は 。 さ ら に なき 物 をや コ 又 も ろ こ し を中 國 申 華 な ど い ふ
馭戎慨 言上之卷下 七七
■
馭 戎"慨 言 噺 七八
と と も 。 申 む か し の 人 は 。 か の大 の 字 と 同 じ 心 ば へに て コ 必 さ は い ふ ま じき こ と わ り を も 。
ま
思 び た ど ら で 。 だ ゴ め な れ た る か ら ぶ み の ま 丶に 。 何 心 な く い へ る物 な れ ば 。 ひ が こ と な が
ら も 。罪 か ろ き を 。近 き 世 に な り て は 。學 問 の 道 あ き ら か に な り て 。儒 者 な ど は 。 か う や う の
オや
こと の心 を 竜。 いと よ く わ き ま へしり な が ら 。 こ と さ ら に い ふな れ ば 。 そ の つみ こ よ な く 蠶
き ぞ か し 。 そ れ が 中 に 。 皇 國 を 大 東 な ど 玉。 大 の字 を も て 奪 び い ふ は 。 さ る ζ と な が ら 。 東
と は。 蠡 か のゑ こし を中 に せ る妻 れば。とれは胤 まじ 喜 と 也 。 も し か の國 は。 ま
ヒ と に 天 地 のも な か也 と 思 へるか。 そ れも 。 さ るし るし さ ら に なけ れ ば 。 い乏 み だ り な る こ ・
と 也 。文 世 に天 竺 も ろ こし 日 本 と な ら べ て。 三國 と いふ な れ ば。 も ろ こし は 中 也 と 心得 る人
オロカ
適 あ り な ん か。 そ は こと に愚 也。 か・
の 三 図 と い ふ ヒ と も 。 も と ほ う し の と 竜 が ち の。 い ぴ そ
め し こと と聞 え た れば。 佛法 の事 な ど を い はん に。 三國 傳 來 な ど は。 い ぴも す べ け れ ど 。 う
囓
場 ま か せ て は。 天 竺 も ろ 茅︺し に へ つ ら ぴ 悔 る さ だ に γ︺そ あ れ 。 天 竺 の西 に 竜 。 國 依 な ほ あ ま
ツ
た有 て。 い と廣 け れ ば。 三 にか ぎ り て いふ べ き にあ らず 。 ま し て も ろ こし を申 と ば。 いか で
か 定 め む 。 こ 乏 に も ろと し は 。 天 竺 な ど と び と つ 璽 き の國 汝 る中 に 。 天 竺 は 。 西 南 北 か け て 。
ヒロ
.獪 い と 大 き に 。 辰 き 國 に て 。 西 域 記 乏 い ふ ふ み に は 。 そ の め ぐ り 九 萬 毘 と い へり 。 ζ れ ま こ
邊 へ 6
と な ら ば 。 も ろ こ し は 。 わ つ か に そ の東 の か た そ は な る 國 也 。 さ れ ば 其 國 の古 の 人 の 。 西 北
の 方 に は 。 海 の あ る こ と を し ら で 。 天 地 は 西 北 に あ ま り 有 て 。 東 南 に た ら ず な ど い へる も 。
冬 一 隅 偏 .
そ の國 の位 の 正 し か ら で 。 か た す み に ょ れ る こ と を 。 し ら ぎ り し 也 。 さ る ひ が 心 共 に て は 。
.マ ナカ
ま こ と に天 地 の藁 中 な る図 ぞ と も 思 ぴ てや ゆ 中 國 と は いぴ そ めけ ん◎ と ま れ かく ま れ。 そ は
ク マチ
た 璽 み つ か ら 奪 べ る 。 そ の國 内 の わ た く し ご と な る を 。 そ の ほ と り の。 朝 鮮 な ど の ご と き は 。
外 な が ら 竜 。 し た が ぴ を る國 な れ ば 。 同 じ さ ま に 奪 び て . し か い ふ な る は 。 さ も あ る べ き わ 聖
ミ クニ
ざ な る を。 "さ る い や し き 図 共 の例 に な ら ぴ て 。 い と も た ふ乏 き 皇 . 國 の人 の 。 よ し も な ぐ い や
唐戎
・ し き か ら 國 を コ い さ 乂か も た ふ と び い は ん 臓 。 か へす ノ・ 丶 あ ぢ き な く 。 こ と の さ ま た が へる
じ お
ル
お
も
ぎ
な
わ ざ に な ん 有 け る。 さ て 又 天 子 と 申 す こ と も 。 も と も ろ ヒ し に て い ふ な を 。 こ, Nに は 海 れ る
・
、 物 な が ら 。 は や く わ が 物 と し て 。 上 つ代 よ り 晦
ミ クニ
天 皇 を し か 申 奉 り 。 御 凾 を な ん 中 國 と 定 め ら れ た る う へは 。 か の國 は 西 戎 也 。 然 れ ば
ナ
皇 朝 の み お も む き に し た が ひ を る か ぎ り の 人 は 。.
西 戎 の 王 を 。 も と よ り の か れ が 號 な ら ん か ら に。
か り そ め に も 天 子 な ど と は 。 さ ら に い ふ べ き こ と わ り な し 。 又 殊 に わ が 、
シ , 對 ,
天 皇 を 。 天 子 と 申 來 れ る こ と は 。 こ よ な く 久 し け れ ば 。 か の 唐 宋 な ど に む か へて は 。 か へり て ζ
馭戎慨言上之卷下 .
、
層
七 九 ㌦
\
、
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馭 戎 悔}言 喝 ・ 八○
ミ ナ
な た の を ぞ 。 本 よ り の御 號 と は 申 し つ べ か り け る 。 す べ て 世 の 人 の 心 に 。 も ろ こ し を 中 國 天 .
ミ
クニ
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ヂ
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チ と 。 思 ひ あ や ま る と き は 。 か へり て皇 國 を ば 。 か し こ く 竜 東 夷 の ご と 。 ぴ ガ こ ム う え す め
ツミ 征
り 。 さ て今 よ り後 。 も し か の國 に罪 あ り て 。 う ち給 ふ こ と など のあ ら ん には。 さ る人 ど 竜 の
シ タゴ へ ぽ
、 下 心 に は 。廐お の れ ら 夷 狄 の と 竜 が ら と し て 。 申 國 天 子 の軍 に た む か ぴ て 。 弓 ひ か ん は 。 い と
ミチ
も が し こ し 。 た 璽 し た が ぴ ま つら ん こ そ 道 な ら め 。 と 思 ひ あ び て 。 か な ら ず い み し き ひ が こ .
フミへ
と も し 出 な ん も の ぞ 。 か 義れ ば か の國 を つ ね に 奪 き も の 忙 い ぴ 思 ふ は 。. 売 璽 に 書 の う へ の ひ 、
クニ
が こと な る のみ には あ らず 9 あな かし こま、 こ と の國 の太 事 に も か か る い み し き ょ ご ざ ま ご と .
に な ん み ぬ れ ば 。 か へす み 丶 も 深 く い ま し む べ き わ ざ に な ん 有 け る 。
丶
'
馭 戎 慨 言下 之卷 上
伊 勢 國 岑 居 宣 長 著
ノ コ マ ツキ
鶉 山 天 皇 の 御 世 文 永 六 年 に 。 蒙 古 の國 の使 。 高 麗 の使 と 共 に 參 り て . 對 馬 に 着 て 。 其 王 の 書 を奉
・ ノ ノ オ汰ミマツリゴト シ
る 。 そ の 程 は 征 夷 大 將 軍 の。 相 模 図 鎌 倉 に ま し ノ \ て 。 天 下 の大 御 敷 は 申 給 ふ 御 代 な り け れ
ば 。 其 書 太 宰府 よ り鎌 倉 に奉 り。 か まく ら より ぞ 。
ミ カ ド ミ コタ へ
朝 廷 へ は 奉 ら れ け る。 御 答 あ ら ん か な ど い ふ さ だ も 有 し か ど も 。 か の書 の詞 。 例 の ゐ や な か り し
ノ
故 に。 な く て や み にき。 同 じ き八 年 に。 叉 そ の國 の使趙 艮 弼 と いふ者參 り て。 筑 前 國 今 津 と
へ
い ふ 所 に つ き ぬ。 そ も ∼
く ・此 時 も ろ こ し の 國 は 。 此 蒙 古 す で に 金 と い ふ國 を ほ ろ ぼ し 。 ほ と
ぼ と 宋 を も と ら ん と す る こ ろ ほ ひ に て 。 そ の 王 が 名 は 忽 必 烈 。 元 の世 祗 と い ふ 是 也 。 か た は
・
ら な る國 窰 も み な う ち し た が へて・ いみ しぐ いき ほ ぴ難 る あ まり に・ お ふ 陸 く蠡 を辱
・も う か 団 ふ 心 有 て 。 か く 度 々 僅 を ば 奉 り し な り け り 。 元 史 を考 る に 。 ま つ こ め 世 組 が 至 元 三
ノ
年 と い ふ に 。 黒 的 殷 弘 と い ふ 二 人 の者 を 使 に さ し て 書 を 奉 る 。 其 書 に い は く 。 大 蒙 古 國 皇 帝 ・
馭 戎慨 言 下之 卷 上 入 一
顧
馭 戎 慨 害 ・ ". , 八 二: '
ル ヲ ニ
議 凄 テ き 轟 シ ︾
、 テ スルコ ヲ
奉 二書
日 - 函
不 王
一 云
々。 日 本 開 図 以 來 。﹁亦 時 通 二中 國 殉至 二於 験 躬 殉而 無 三 一乘 之 便 。以 通 二和 好 輔
ヶハリ シ ヲ ヒ ヲマ セヨ チ ンつ ルニ ヲ レ レカ ナラン レ レ ヲ
﹂ 云 々。 冀 自 レ今 以 往 。 通 レ問 結 ヒ好 。 以 相 親 睦 云 々。 以 至 レ用 レ兵 。 夫 孰 所 レ好 。 王 其 圖 レ之 と い
ぺ リ コ 高 麗 國 王 に い ぴ つけ て 。 此 使 を し る べ せ さ せ げ 、
る を。高 麗 王 と か く い ぴ の がれ て。 み
レ
ち び かざ り し か ば。 む な しく て歸 り ビ を 。 同 五年 にコ 又 しも お こせ し か ど も。 御 國 に受 入 ざ
む し に よ り て 。 叉 つ し ま よ り い た つ 必 に か へり ぬ 。 か の 文 永 六年 に 參 り し 依 。 此 使 也 。 此 ほ
㌦ \触 ど 高 麗 より 竜度 々 つか ひ を奉 り な ど してゆ 此 事 を と か く は から ぴけ れ 共。 太宰 府 に て と ゴ め
て 。 う げ い れ ず 。 同 じ き 至 元 七 年 二 月 に 。 又 こ の趙 良 弼 を お こ せ て 。 書 を奉 る 。 そ の書 に は 。
シ タ セハ ヲ ト レ 亀 レ レ ラハ スル﹁ テ ラン ルニ ヲ レ 漏 レ ヲ
云々 如 帥發 レ使 。 與 レ之 偕 來 。 其 或 二獪 豫 弔 楽 チ 用 レ浜 。 王 其 審圏 レ之 と い へり。 同 八年 九 月 に。
り
高 麗 の使 。 此 使 を み ち 引 て 。 皇 國 に 來 し と い へり 。 す な は ち 文 永 八 年 に あ た れ り 。 太 宰 府 の
つ か さ 此 使 を め し て 。 蒙 古 國 王 よ り 奉 る 書 を 見 ん と い ぴ し に 。 京 に參 り て . た ぼ に
天 皇 に 奉 ら ん と い ぴ て 。 出 さ ず 。 さ れ ど 蒙 古 の 使 。 京 に 入 ぺ き に あ ち ず 。 獪 こ 玉に て 奉 れ と 。 し
ぴ て せ めけ れば 。 別 に寫 し て 出 し け る を。 鎌 倉 にお く り。 鎌 倉 より
、皇 朝 に 奉 り 給 ひ 鳶 。 之 れ を或 人 の 。 も ろ こ し よ り 。 御 國 の大 將 軍 へ書 を お く れ り と い ひ 。 又 此 時
ミ
シ
の將 軍 は 。 親 王 に ま し ま す 故 に 。 國 王 と 申 せ り と い へ る は 。 ひ が こ と 也 。 大 將 軍 の 御 政 申 給
轟 事 は 。 既 時 か の 國 に て は 。 い ま だ し ら ぬ ぼ ど な れ ば . 海 璽 御 國 の 君 へと て 奉 れ る 也 。・
さて
ミコクヘ シ
既蒙 古 が書 のお も む き。 いみし く ゐ や な し と て.御 答 菰 く し て 。 叉 か 玉る こと申 て參 ら ん に
は・ かな ら ず劔 ド け て は か へさ じ・ 此 よ レ海 し が に汝 が 王 に か た れ と い ぴ て。 お ひ か へ護 ・
上 件 , ソ
嚢 。 か く て ま か り か へり て 。 か む の く だ り か 海 り け れ ば 、 其 王 い た く 怒 て 。 軍 を お と し 。 御 ・
は
ご
國 を お か し 奉 ら ん と そ 思 ぴ か ま へけ る 。 そ 竜 ノ 丶 ヒ の趙 良 弼 が 參 り し こ と は 。 文 永 八 年 ㊥ 十
ゾ アにダ
月 に て 。 か へ し や り し は 。 同 九 年 の 冬 よ ゆ 。 爭 年 の春 ま で の 闇 な る べ し 。 元 史 の 此 良弼 が 俾
に9 墨 日タ 歳 餘 とあ れ ば 也 ◎ さ てそ の文 永 牽年 纔 蒙 古 の至 元 +年 に て・ そ の吾 にσ か
シ
一 の 國 に は か へり つ き し よ し 。 同 傳 に 見
毒 ▼
え 。 夊 僅 祺 が 本 紀 に 竜 。 十 年 六 月 に か へれ る よ し し る
のマタ ヒズ ニ
せ り 。 然 る を 同 じ 元 史 の う ち に 。 β 本 傳 に は 。 至 元 千 年 六 月 。 復 使 二臼 本 一と 。 二 度 來 し が ご
ゆ カミ
と く し る せ る ば 。 歸 れ る 事 を 誤 り て 。 叉 つ か 嫁 す ま し に し る せ る也 。 そ の 上 の 詞 覇
薫劣るにづ
は じ め 來 り て よ り 。 こ れ 迄 か へれ ゆ と は 見 え ず 噂 其 閣 は 御 國 に と 夐 ま れ り し さ ま に 闘 ゆ れ ば .
此 研 本 傳 は ぴ が こ と 也 。 又 皇 圏 の近 嚢 代 の 書 共 に 龜 。 女 永 八 年 と 十 年 と 。 二 た び 來 つ る よ し
し る ぜ る 嫉 。 か の 日 本 傳 に よ り て誤 れ る か 。 叉 は 年 を こ え て 。 久 し く 筑 紫 に と 黛 め ち れ ゐ 艶
りー
し か 擢 。 ご 度 來 つ る が ご と 。 世た に 聞 驚 し・
に 港 衝 べ し 。 さ て 同 じ き 十 一年 十 月 五 賃 に ひ 蒙
駆 幾概 書 下 之 卷 よ .
、
八三
噺
丶
衂
馭 戎 榔脚 書∴ .
八四
广.古 の船 お ほ く 必 ら が り 來 て 。,對 馬 の淺 茅 が 浦 に つ き て 。、あ た な ふ 。 其 嶋 の 込 の の ふ 共 。 ふ せ
ノ
き 戰 ひ し か 共 。 力 及 ば で あ ま た う た れ ぬ 。 同 十 三 a 。 あ た 共 登 岐 嶋 ま で 入 た ち け る を 。,そ の
じ ノ
嶋 に て も ふ せ き か ね て 。 同 十 九 揖 の 夜 。 筑 前 國 ま で せ め 來 つ る を。 あ く る 廿 日 の 日 。▼
筑紫 の
. ・賊 . シ9ゾ
白
臨 の 鼠ふ ど 竜 お ほ く 出 て 戰 ぴ け る に ぞ 。 あ た の軍 み だ れ て 退 き ぬ る。 を り し も 霜 月 甘 唄日 の
スズカミ
夜 。 雨 風 い み し く お こ り て 。.其 船 ど 竜 あ ま た や ぶ れ ぬ る は 。 も は ら 皇 雇 た ち の御 守 り 也 け り ,
へ がト
ニ ム ヲ ノ シ ヌ ユ ノ ゆ ジし ニ ス
麟代 要 記 に は 。 同 廿 日 始 二合 戰 殉 宰 府 軍 等 敗 北 了 。 爰 同 日 亥 刻 許 。 兵 舶 二 艘 出 來 。 畴 天 合 戰 。
ノ ニ エル レ ノ ノ リス
霏 二凡 慮 之 所 ワ及 。 側 知 是 神 明 之 化 儀 也 。 帥 、異 國 軍 兵 減 敷 。 と し る せ り 。 元 史 に 。 至 元 十 年
ヨ ヒ
三 月 。 忻 都 洪 茶 丘 と い ふ も の ら を 將 軍 と し て 。 大 小 九 百 艘 の 船 に 。 一萬 五 千 の つ は 竜 の を の
せ て 。 日 本 を せ あ し む 。 冬 十 月 其 國 に 入 云 々。 と い へ る こ れ 也 。 か く て あ く る と し は 。
ノ
後 宇 多 天 皇 の 御 世 、 建 治 元 年 。 其 冬 又 蒙 古 の國 よ り 。 杜 世 忠 と い ふ 者 を 使 と し て 。 書 を 奉 り け る 。
、 ' 翌 礎 軸
此 度 も 御 こ た へな ぐ 。 使 を も 京 へは 入 れ ら れ ず 。 ま た の年 の 正 月 に 。 鎌 倉 に め さ る 。 そ の と '
副 ・ 囚
愚 人 ど 竜 な ど は 。 み な 太 宰 府 に と 穿 め て。 つ か ひ ざ ね 四 人 を 。 道 の ぼ ど も た f と ら .へ人 の こ
` と く し て 。 き び し く 守 ザ つ ㌧ゐ て ゆ き て 。 九 月 六 白 に 。 か ま く ら の 龍 の 口 と い ふ 所 に て 殺 し
て・、
舁 の濱 といふに婁 欝 られき・元史 に・至元+ 二年 二月荷 世恩 何 客 著撒蔀 彎
9
9
、
.
. ベ ジ
丁 を 邊 は し 。 叉 書 を い.
た す 。 又 こ た へな し 。 同 十 七 年 二 月 。 日 本 殺 ご凶 使 杜 世 忠 等 贓と い へ る
翌
是 也 。 か の國 の至 元 十 二 年 は。帥. 建 治 元 年 に あ た れ り 。 さ て 杜 、世 忠 を殺 さ れ し は 。 そ の ま 驚
の年 な る を 。 同 十 七 年 と い へ る は 。,
か の國 に て は 。 此 事 を 久 し く し ら ざ り し が 。 始 め て 聞 え
た り し 時 也 。 然 る を 皇 凶 の近 き 代 の 書 共 に 。 建 治 二 年 九 月 に 。 蒙 古 の 使 を 殺 す と し る し て 、
夊 弘 安 三 年 二 月 に 。 杜 世 忠 を殺 せ る よ b し る せ る は 。、か の元 史 に 。 至 元 十 七 年 と ドい へる を見 ﹂
賊、
て 。 ゆ く り な く 。 其 年 の 事 と 思 ぴ誤 れ る 物 な り 。 さ て 弘 安 四 年 六 月 。 蒙 古 の あ た ど も お び 驚
た し く お し よ せ 來 つ 。 皇 回に も 。 年 ご ろ そ の 心 せ ら れ て 。 ふ せ き のま う け お ご そ か に て 。 つ
ミイクず
ツセ
コ ヘ クヌチ
く し の御 軍 。 所 夷 に し て 防 ぎ 戰 ぴ け れ ば 。 あ た の い く さ つ よ し と は い へど も 。 筑 紫 の國 内 に
入 ことあ た はず 。 閏 七月、
朔 日。
ノ
ノへ
天 皇 紳 祗 官 に 行 幸 ま し ノ \ 。 中 御 門 大 納 言 經 任 卿 を勅 使 と し て 。 發 逡 せ ら れ 此 事 を
大 紳 シ ヤシロく ヘ ミ
宮 に 新 り 申 給 ひ 。 叉 國 々 の癒 々 に も 。 御 い の り 共 有 け る に 。 そ の し る し の 御 さ と し 興 お ほ か 、
な
ぜ ノ
リ け る中 に も 。 伊 .
勢 の風 宮 の紳 の 御 さ と し な ど 。 い ち じ る か り し に 。 す な は ち そ の 閏 七 月 朔
メ 暴 風
日 の 臼 の 午 の時 ば か り 。 あ か ら し ま 風 お こ り て 。 あ た の船 三 干 五 百 艘 。 た ち ま ち に 浪 に た 讐
シニ
. ノ
よ ひ 。 う ち や ぶ ら れ て 。お ぼ れ 死 き 。殘 れ る あ た ど 毛 。鷹 嶋 と い ふ 鴫 に 有 て 。船 を つ く ろ ぴ か
酸戎慨言下之卷上
, 八五
,
躯
彊
、
广
鰻㈱ 爵捌 飆贓 饗灘 八 山
ハ
ぞ
へら ん と せ し を も σ 叉 御雷 甲お し よ せ て 、 こ と γぐ 丶く う ち た び ら げ て け り 。 元 史 に 。 至 、元 乎 八
タ コ
セ テ チ タ ズ
ご
年 正 月 。 命 二臼 本 行 省 右 丞 相 阿 刺 罕 右 丞 范 丈 虎 。 及 忻 都 洪 茶 丘 等 殉 牽 二十 萬 人 畆征 二臼 本 二調壕。
・六 月 阿 剌 罕 以 レ病 不 レ能 レ鰯 甲 命 二阿 塔 海 叩 傷 総 3蜀 鵲 殉入 月 ② 諸 將 為 レ見 レ醜 。 露 計鑿 晶 嚇 鋳鸛ウ
チ フ ジ ニ スルニント ヲ ル ヲ ら タ ナラ レ チ フ ぼ お
乃 言 。 至 寵日 本 唱欲 レ攻 ご太 宰 府 殉 暴 風 皺 レ舟 云 々σ 来 レ幾 敗 卒 干 潟 脱 麟 言 。 富 軍 六 月 入 レ海 。 七
梦 論 ル 竣 轟 ヲ ー . ヂ ノ 3
月 至 ご卒 壷 嶋 殉 移 ご五 龍 攻 噌 八 月 一昼 。 風 皺 シ舟 。 五 日 。 丈 虎 等 諸 將 。 各 自 擇 二竪 好 船 嚇乘 レ之 。
ツ さし ヲ ニ ウ ブ セクベ ノ メ
ま レカ づレル クジタ
・
棄 =士 卒 十 餘 萬 于 出 下 鳳云 々9 七 日 。 旦 本 人 來 職 . 蠱 死 。 餘 二 三 萬 。 爲 レ其 虜 去 云 々。.久 之 莫
事る 零云 ノ レ ル ノ ル ルでヲノ ノ亀
青 與 二呉 萬 五 者 刈 亦 逃 還 、 + 萬 之 衆 , 得 レ還 者 ヨ 入 耳 と い へ る 。 既 時 の 事 セ 。 夲 壷 鴪 と 観 挙
ノ
ノ
戸 嶋 を い ふ 。 五 寵 由 と に 。 か の.
慶⋮ 嶋 を い ふ な る べ し 。 鷹 嶋 は 。 い ま 玄 ー海 と い ふ 嶋、
也 箒 齷∵七
月 朔 臼 の風 を 。 八 月 一B ・
と い へる は 。 、
呈國甲と、閏 募 のた が へ る 故 也 。 然 る を 皇 図 の書 ど 亀 に 竜 。
齡 ほく ば 八 月 と し る せ る は。元 災 によ 夢 嬢誤 れ る物 ぞ。 さ て かく俄 には げ し き 風 の蕊 こ毎 て。
戴 イク疑 駕 スメカミ
驚 や す く あ た の 軍 の 櫞 ろ び う せ ぬ る は参 世 に も 語 り 傳 ふ る ご と く 。 ま こ と に 皇 酔 た ち の 御 力
戎狄
也 。 か ぐ て 此 度 の あ や ま ち に 深 く こり て 後 は 。 癒 が く か ら 國 よ り い さ 玉 か も え う か 蜜 は ず な
ミ 戴 徳 、 、
り ぬ る 。 紳 の 御 國 の 御 炉 き ほ ひ よ。 か し こ し 共 た ふ と し と も い へば さ ら 也 。 然 る を 春 ろ こ し
靈 異 襲 ζ
人 は . 此 紳 の 嶺 の く し ぴ な る ごと わ ⑳ を ば え し ら で 。 後 世 ま で 此 や ぶ れ を 。 只 あ し 蔆 風 の駿
ぺき をりを集 ら 讐 りし故意 ぴ・轍 るは鵡
彖古影 戦 ひ簿 たれ共・船 いくさにつたな か
クニ
ガタ
リ し 故 と い び 。 あ る は 御 凶 の國 形 の 。 海 を へだ て Σ。 お か し が た き こ と な ど を の み 思 ひ を る
鳩 不 懲
は。 い とも おろ かな り け り 。 さ て 此 後 も蒙 古 はσ 獪 ヒ りず ま に御 図 をう か 冥 ふ心 や まず し て。
ケナり
ぐユア
年 女 に 電 を ま う け 。 種 女手 の か ぎ り を つ ぐ し て 。 ば か り こ ち け れ ど も 。 つ ひ に え お か し 奉 ら
で 。
、
。
ノ シニ
伏 見 天 皇 の 御 世 永 仁 二 年 に 。 か の世 租 は 死 き 。 そ の孫 鉄 木 耳 あ と を グ ぎ て 。 成 宗 と い ふ 。 此 王 ま
た
後 磐 炎 皇 の御 世 正 莞 年 に。 蕾 と い ふ ほ う し を使 と し て・ 書 譱 る、 例 の駿 な し・ 蕾 を
ノ け
ば と ら へ て 。 伊 豆 図 に 流 さ れ き 。 後 に は ゆ る さ れ し か ど も 。 御 國 に と 璽 翫 り て 國 へ は か へら
ず 。
お ノ
脚
ぼ や け に も た ふ と ま れ 奉 り て 。南 禪 寺 の佳 持 に ぞ な さ れ け る 。元 史 に 。成 宗 大 徳 三年 。
ハシ ﹄ム試 ヲ ヘ ヲ 昌 テ ヒセシム 轟 ラ
遣 二僣 寧 一山 者 殉 加 二妙 慈 弘 濟 大 師 殉 附 輪
商 舶 剛往 使 。 日 本 人 滝 不 レ至 と い へ り 。 そ も / \
づ
後鳥 饗 皇 の禦 より。北驚 大壁 の篝 蘿 と詮 て・ 書 りけ る岩
4・實勢 臣か搾 籍 ひ
て後 よ り は。 び たす ら 无 下 の事 を ほ し きま へに お こな ぴ τ。 御 ぜ 鬚 を緲 け るあ ひ だ に・ 承
凱 戀 、
久 の ほ ど の さ か し ま ご と こ そ 。 い は ん か た 竜 な か り し か 。 か く て 此 と し ご ろ の蒙 古 の事 も 。
〆
馭戎慨書下之巻上 . 八 七 .
る
.
籔 戎 皿
慨 言
、 八八
メ . ミコタへ
始 よ り み な 此 北 條 氏 が は か ら ぴ な り し を 。 さ ば か り 度 々書 奉 り し に も 。 師度 だ に 御 答 せ さ せ
・
・ ゴト 惑 ' ・
奉 ら ず 。 か の 國 人 の例 の み だ り 言 に も ま よ ぱず 。 も ろ こ し の國 に は 。 こ し か た ゆ く す ゑ た ぐ
ぴ な く 。 な び か ぬ 國 も な か り し蒙 古 王 が い き ほ ぴ に も 。 い さ Y か お そ れ ず し て 。 つ ひ に こ れ
勇 ・ 威 徳
ぞ ひ が こ と 乂 お ぼ ゆ る し わ ざ,ぴ と つ も な く て 。 後 の 代 ま で 大 御 國 の ひ か り を 。 か の國 に か ゴ
け
hや か 芒 は・ 承 久 のい昏 ㍉ みを無 ふ ば かり ピ そ は あ ら ざ.
めれξ ・ 北 條 が 世 のか ぎ り
の。大 き な る い さ を にな ん 有 け る 。 さ て
。
幽 嘱
セシノヘカリミヤニアメノシタシロシメツも ノ ミヤコ
吉 野 行 宮 御 宇 後村 上 天 皇 の御 世 正 夲 の ころ。 京 師 は ノ
後 光 嚴 天 皇 の貞 治 の 末 に。 も ろ こ し の國 は 。 か の 元 ほ ろ び て 。 朱 元 璋 と い ふ 者 。 其 國 を う ば ひ て
ミン ミン
ρ
王 と な る 。 明 の 太 租 と い ふ 是 也 。 こ れ よ り 明 と い ぴ し 代 の ほ ど 。 そ め 図 の書 共 に 。 皇 図 の 事
ミ
こ
つ
ご
ホ
ナぞ
を い へる い と お ほ か る申 に 。 御 む つび の 事 を し る せ る 。 大 む ね は み な 同 じ け れ ど 。 と れ か れ
い さ ふ か た が ぴ ど も 玉あ る を 。 こ と み 丶 く 引 出 て こ と わ ら ん は 。 い と う る さ く 。 か つ は 申 々
にまぎらはしく廴 め舵 ば・今 はζ 近 登 ﹂ろ馨 まう で來 つる・盟 と い善 を り為講.
ハシ ヲ シ ユ ツ ルニ ス ノ ヲ
ふ 。 そ の 日 本 傳 に い は く 。 洪 弐 二 年 三 月 帝 遣 二行 人 楊 載 鴨 詔 コ論 其 國 幻 且 話 以 二入 寇 之 故 鴨 謂 。
'
クヘ セヨ ラズハ メ ヲ クセむ モシ スナサハ ヲ ノ ニ テ センな レ レ ヲ
廊
ヘニツ朝 則 來 ー廷 。 不 則 修 レ兵 白 固 。 個 必 爲 ご寇 盜 鴫帥 命 レ將 往 征 耳 。 王 其 鬪 レ之 。 日 本 王 良 懐 不 レ毒
キ弓 ハ
虜 ド '
〆
/
レ命 。 復 ・
冦 云 々.と い へ る 。 洪 武 は 。 か の太 祗 が 年 號 。 そ の 二年 は 正 李 廿 四 年 。 京 の應 安 二 年
ルニス ノ ヲ . ㎝ 逋 逃・之 徒
に あ た れ り 。 詰 以 二入 寇 之 故 嚇と は。 そ の ころ西 のほ とり の國 々 のあ 轟 れ も のども 。 や 丶もす
ぼ シ
れ ば か の國 へわ た り て 。 い た ぐ あ ら び け る に 。 國 人 共 い た く 苦 し み け る故 に 。 其 事 を申 お こ
せ し 也 。 日 本 王 良 懐 と は 9 ノ
ノ
ノ
後 醍 醐 天 皇 の御 子 。 式 部 卿 懐 良 親 王 。 此 こ ろ 肥 後 國 に 菊 地 肥 後 守 武 光 と い ふ 人 コ つ く し を う ち し
クダ
た が へて 。 い き ぼ ぴ つ よ く て 有 け る が も と へ申 し 下 し 奉 り て 。 征 西 將 軍 と あ ふ ぎ 奉 り て つ そ
主 シ ミンワウ
の國 に ま し ま さ せ た る を申 せ る 也 。 さ れ ば 此 親 王 を 。 御 國 の き み ぞ と 申 な し て 。 肝 王 が 使 を
砺
糞 こ隻 しを・ま こと 志 得 三 呆 王とは申 せるなりけり・御名は雙 と こ諾 せしを9
も ろ こ し の ふみ 共 に はみ な 。 良懐 と のみ あ る は。 此時 にぞ誤 り そ めけ む 。 さ て 此度 の明 王 が
ハブ 他 曲貢 シ ス サハ ヲ ニ
書 。明 史 に は言 を 客 き て し る せ り 。 こ と ふ み に く は し く の せ た る を み る に 。如 必 爲 レ寇 。験 當 下
、 ヘ
シ
γ ニ ケ ヲ シ ヲ 昌リ ニ シテ ル 鴇豼 鱒葭、
命 二舟 師 一揚 レ航 。 捕 凋絡 嶋 徒 殉直 抵 二王 都 弔生 縛 而 歸 劫 な ゼ Σ い へる た ふ れ ご と あ り 。 す べ て の
こ と ば の。 み だ り に お ご り た か ぶ れ る こ と 。 い は ん か た な し 。 そ も ム 丶 此 程 。 御 國 人 の か の
國 へ渡 り て あ ら び し は 。 か た ほ と り のあ ふ れ 竜 の Σし わ ざ な れ ば 。 お ぼ や け に は さ ら に し ろ
\
然
・し め さ 雪り し 事 な る を 。 か の王 さ と は しら ざ るか 。 叉 しり な が ら獪 かく と がめ奉 れ る か。 そ
駅或 慨 言 下之 卷 上 一
、
。
・
八九
'
●
,
馭 戎 慨 君 ⑫
九〇
は い か に ま れ 。 お の が 國 人 の こ れ に な や ま さ れ て 。 國 の さ わ ぎ な る が ρ か ら く は 。 其 よ し を・
申 て 。 御 い き ほ ぴ も て せ い し 給 は ん こ と を。 ゐ や ノ 丶 し く こ ぴ 申 す べ ぎ こ と わ り な る に 。 さ
昂
は あ ら で 。 お の れ に し た が ぴ を る 。 か た は ら の國 王 ど も へ い ふ が ご と く に 。 か し こ く も 御 國
主 无 禮 謾 言
の き み へ。 さ ば か り ゐ や な き み た り ご と 共 を申 せ る。 き こ し め し い れ ざ り し は 。 こ と わ り と
ノ ニ
も こ と わ り 也 。 命 二舟 師 一云 々 と は 。 か の蒙 古 がや う に 。 又 罪 も な き お の が國 人 お ほ く う し な
は む と に こ そ 。 さ る は か の を り の い み し き や ぶ れ に き 丶 ご り し て6 わ つ か な る あ ふ れ も の 忍.
ま か り て あ ら ぶ る に だ に 。 お ち 苦 し む も の 玉 。 誠 に 依 い か で か い さ エか も 皇 滋 を ば お か し 奉
ゴト
ん。 か Nる淺 は かな るお ど し言 し て。 お のが國 のく るし み を のが れむ と せ し こ そ。 いと ノ丶 、
は かなけれ・ を る︾ れき を申 しおこせむ餐 ・か の鞋 崇 ご とく に・ 又くび をはぬ ら
ミン
共 。 な でふ こ と かあ ら ん を。 、 此使 い のち い き て歸 り しは。 明 王 が さ い は ぴな 沿け り。 叉 明史
↑
ハシテ ノ ヲ ス ヲ チ ニ リ ニ ル ニ ル ヲ テ レ
に 。 三 年 三 月 。 叉 遣 二莱 州 府 同 知 趙 秩 り 責 孔謖 之 幻 泛 レ海 至 二析 木 崖 刈 入 二其 境 幻 守 レ關 ⋮者 拒 弗 レ納 、
ヲ ス ユ テ ヲ ラシム スニ ス ノ ヲ ルニ あ ル ノ ヲ
秩 カ
以 レ書 抵 ご良 懐 殉 良 懐 延 レ秩 入 。 諭 以 二巾 國 威 徳 幻 而 詔 書 有 下責 二其 不 臣 幡語 胡 良 懐 日 。 吾 囚 雖
ルト ニ タ テ ハ ヨハ ヲ ト ク ニノ ス ニぼセムト ヲ
カ ム
レ震 二桑 東 弔 未 下嘗 不 壱慕 二中 國 殉 惟 蒙 古 與 レ我 等 夷 。 乃 欲 レ臣 コ妾 ・我 痴 我 先 王 不 レ服 。 乃 使 三其 臣 、
ス ,
ナルヲメ サソフニ ヲ テセ ヲ ダ ス ニ ノ ヲ ニ タ
趙 姓 者 。 飜 レ我 以 二が 語 殉 語 未 レ既 。 水 軍 十 萬 列 二海 岸 輔矣 。 以 二天 之 靈 殉 雷 霆 波 濤 。 一時 軍 盡
、
ρ
ヘ
ル トメ 趣 曝 ヂル 註 ノナルカ 鵡 フユ ヲ 、ヲ ハント ヲ ジ テ ヲ
覆 。 今 薪 天 子 蒋 ご中 夏 鱒 天 使 亦 趙 姓 。 豈 蒙 古 裔 耶 。 亦 將 下謙 レ我 以 二好 語 鱒 而 襲 壱我 也 。
、 目 ご左 右 噌,
ニ
暖
ニ カ
ユ
スト ノ ユ モ ノ ノ 禺. ク
セントヲ カ ク カ
將 レ兵 レ之 。 秩 不 ご爲 勤 殉 徐 日 。 我 大 明 天 子 。 神 聖 文 武 。 非 二蒙 石 比 鱒 我 亦 非 ご蒙 吉 使 者 後 殉 能 、
紮 セヨトヲ テ リ ヲ テ ヲ ク ナリ ハシ ノ ヲ ル ヲ シ ヲ シ ヒ ヲ ツ サ
兵 兵 レ我 。 良 懐 氣 沮 下 レ堂 。 延 レ秩 禮 遇 甚 優 。 遣 二其 僭 祗 來 殉 奉 レ表 稱 レ臣 。 貢 二馬 及 方 物 や 且 逡 綴
み ノ ルも ヲ ル ニ シ ヲ ス ニ フみ ス お
逞 務 台 二 郡 被 レ掠 人 口 七 十 餘 ? 以 三四 年 十 月 蝋至 レ京 。 太 組 嘉 レ之 。 宴 ⇒賚 其 使 者 叩 念 其 俗 侫 レ佛 。
シト デ ノ ヲ フ ヲ ノ ニ リ ヲ ヘシ み つフ ニ
可 下以 =西 方 歡 一誘 壱之 也 。 乃 命 =僭 祗 闡 吏 勤 等 八 人 殉 逡 二使 者 一還 レ國 。 賜 二良 懷 大 統 暦 及 丈 綺 紗
ゆ
墾 と云り・ 三年 はか の洪武 三年也α 聾 二亂 威鋒 とは・例 のか の手 か・ かた管 の夢 .
戎'狄之國
國 王 ど も を 。 あ ざ む き な つ く る み だ り こ と 也 。 御 國 に は。 何 の よ し に か は か ら く に を お そ れ
ム ノ ヲ . 稱 臣
た ふ と ま ん 。 ま た 責 二其 不 臣 一と は 。 い み し き さ か さ ま ご と 也 。 か の 王 こ そ は 。 や つ こ と ま う
し て。 わ が
主 -
天 皇 に つ か へま つ る べ き こ と わ り な れ 。 良 懐 日 云 々。 此 親 王 今 皇 國 の き み の ま ね し て 。 此 使 を う
〆
け 給 は ん に 。 此 御 詞 ど も は 。﹂何 事 ぞ 。 か げ ま く 屯 か し こ き .
丶
分
・訳ミ カミ アマツ ヒ ツギ 主 或 狄
大 御 瀞 の 天 津 日 嗣 を う け 傳 は り 給 ひ て 。 大 御 國 の き み と ま し ま さ ん に 。・い や し き か ら 國 を 慕 ぴ給
ト シク
ふ べ き よ し あ り な ん や 。 叉 蒙 古 與 レ我 等 夷 と は 。 こ と に い み し き ひ が こ と 也 。 我 を し も 夷 と
ミン
せ るは 。 さ ら に も い はず 。 明 を中 華 と し て。蒙 古 を夷 と い はむ も ひ が じと 也 。 そ ばも ろ こし
駅 戎禍 言 下之 懇 上 .
.
九 畑
ヂ
駁 戎∵ 慨 言 九 二
丶
ノ ミン
入 のわ たく し のさだ め に こそ あ れ。 御 國 より 見 れ ば 。蒙 古 も 明も 。 た 璽同 じ 戎狄 に こそ あ れ 。
何 差 ウケ ・
のけ ち め か は あ ら ん 。 さ き に 蒙 古 の申 せ る 事 を 。 北 條 が 受 入 ざ り し は 。 も ろ こ し 人 の い は
一
ゆる墨 にあらざ るが故 に跨 らねば軈 の婆 り共・ 餅 鯉 はか き は疑 ん・す ・
へて
今 此 親 王 の の た ま へり と い へる 詞 ど も は 。 此 佼 の も の Σ。 か の 國 に か へり て 。 例 の わ れ だ け
ら
く 作 り そ へて い ぴ し言 お ほ く 見 ゆ れ ば 。 も は ら ま こ と に は あ ち ざ れ 共 コ あ ま り な る ぴ が こ と
アゲツに ノ ナル サソフニヲ ヲ
ほ 。 見 過 し が た く て 。 いさ ﹄ か 論 ひ つ。 其 臣 趙 姓 者 謙 レ我 以 二好 語 輔と は 。 か の趙 良 弼 が 事 に /
ヒ
シリ
ミン
て 。 ま こ と に 然 也 。 然 る に 其 時 に 蔀 し こ と を知 な が ら 。 今 又 朋 の 使 の 。 同 じ み だ り 言 に 飜 は
れ給 ひ し は い か にそ や・ ㍗ 素 使 を・ 天 使 と は翠 ぞ直 し これ ら も ・ か の國 人 の つね に
シル じ リ ン
、い ふ な る さ だ め の ま 乂に 記 せ る 物 に て、 ま こ と に 親 王 の か く の た ま へ る に は あ ら ざ め れ ど 。
御國 人 は さ る 心ば へを え わ き ま へしら で・ た 濕 ら離 の詞 の養 によ うつ を橡 て・ 思 ぴ
.
あ や ま るゆ ゑ に位 お ど ろ か しお く 也 。 拠大 脇 天 孔。 紳 聖 文 武 。非 輔
鰰蒙 古 比 幡と は。 例 のみ だ梦
ご と 也 。 つね に か 老 こ と のみ いぴ 三 人 を あざ む く が・ か 亂 の喜 也 ・ 鵬 の職 ら・ 髻
テ リ
と 何 か 異 な ら ん 。 良 懐 氣 沮 下 レ堂 云 々っ こ れ も 例 の ま こ と し か ち ね ど 。 も し ま こ と な ら ん に
トリケモノ
ク
'は 。 い と ノ \ つ た な し 。、
大 か た 鳥 獸 な ど も 。 あ だ も國 の は 泄 に め づ ら し が る な ら ひ な れ ば 。
か ら 人 も 。ド
す べ ても ろ こし の王 が使 にま れ 何 にま れ。 ま れλ \ に來 たら ん は。 めづ ら しけ れ
詩
ば 。 ふ み つく ら せ 物 か 丶せ な ど し て 。、も て あ そ ば む は さ る こ と な れ 共 。 も と よ り 皇 圏 人 の つ
ら にあ らず 。 、
こ よ な 弱 いや しき も の惣 る を。 迷 ば かり お そ れ た ふと み給 ぴし は。 何 事 そ や 。
ク セ ハ セ ヨ ヲ
能 兵 兵 レ我 と い は ん に は 。 此 使 う ち て す て な ん も ゆ な で ふ と と あ ら ん 。 さ れ ど 此 度 ば か り は 。
タフや
命 を ゆ るし て 。 御 國 の か ぎ り な く 奪 き 御 い き ほ ひ を よ く し め し て 。
.叉
も か エ る
ノ たふ
ゆれご と申
て 參 ら む に は 。 か な ら ず い け て は か へ さ じ と 。 た し か に い ぴ し ら せ て 。 お ひ か へす べ き わ ざ
倫
也 。 さ て 次 に參 り し ほ う し 租 闡 は 。 も ろ こ し の天 寧 寺 と い ふ 寺 の柱 持 に て 。 伸 猷 と も い ふ 。
尭
勒
侭 。
瓦 官
寺 と い
ふ 寺
の 佳
持 つ 無 逸 と も い へり 。 此 二 人 の ほ う し の 事 。 御 國 の盖q
隣國寶記
ギ 居
にし るせ るは 。 應 安六年 に渡 り ま う で來 て。 久 し く筑 紫 に と fま り をり 。 其 程 に克 勒 が "御
ハリ ノ テ ヲ トス ニ
國 の 天 台 座 ‡あ 許 へお く れ り し 書 あ り 。 其 書 に い は く 。 瓦 官 爲 二天 台 歡 寺 鴎 衆 印 推 レ某 圭 レ之 。
ーシ ソ タヒ ス ヲ ーユ ル ヲ
ヲ λ
、
蓋 前 兩 年 皇 帝 凡 三 命 二使 于 日 本 憩 關 西 親 王 皆 自 納 レ之 。 于 時 以 二組 來 軸
入 朝 稱 賀 。 帝 召 二天 寧 禪
ノ ヲ メ ク タヒス ヲ ゑ ハ ルニ ゆ ユ ノ
寺 佳 持 阻 闡 。 瓦 官 歡 寺佳 持 某 噛 命 日 。 験 三 遣 二使 于 日 本 嚇者 。 意 在 レ見 二其 持 明 天 皇 幻 今 關 西 之
知 力 = テノ ノ レハ ニ ルヲ ニ ス ノ ・ 繭 箆 カ ヲ デ ムト ヲ ク ヘ タ
來 。.非 ご験 本 意 殉 以 =其 關 禁 非 レ僭 不 サ通 故 。 欲 卞命 二汝 二 人 鱒 密 以 ご朕 意 帆往 告 占之 。 日 中 國 更 レ圭 。
デ ヲ ト ム ヲ
ト ザキ ニ .
ヲ ル ラ 昌ク ラル
亀 出 ヲ テ 昌 ラシム ノ 、
建 二號 大 明 一
改 ご元 洪 武 弔 郷 以 レ詔 來。故 界 阻二於關 西 鴨今 密 以 二我 二入 鴨 告 レ王知 レ之。 大 國 之 民 曾
馭戎砧
慨書下之卷L .
.
九三
6
●
馭 戎 慨 鬢 ・
九口 ξ 喃
リ ス ゑ ク ス ヲ セ ク ス ヲ ヒ ノ ニ スルコ ヲ クセヨ ノ メ ク
數 、寇 ご我 疆 殉 王 宜 レ禁 レ之 。商 賈 不 レ通 。王 宜 レ通 レ之 。 與 レ之 循 ご唐 宋 故 事 幻 修 レ好 如 レ初 。 又 命 日 。
シ
・
籌 韓韓 鹹
藩 畷難 離鶴 蘓総 鶴歳へ
鐘ボ讐
ク ド ル ヲ フタ ヲ ハ ユ シ ラ ルニ ヲ メ ク
と 也 ゆ.
も し ま こと に然 ら ば。 か の國 の書 共 の中 にも 。 そ の趣 を し る せ る こと のあ るべ き に。
㌻
す べ てさ る こど は見 えずゆ 此度 の二人 のぼ ゴし を竜 。 か の図 王 は。 た ゴ懐 良 親 王 の御 許 へ參
ら せ た るも のに て。 獪 此 親 王 を ま こと の きみ と 心 得 ゐた り し 趣 な れ ば。 持 明天 皇 鬮 西 親 王な
ど ス
申 事 は。砂
矯
か の國 に て は。 此時 は いま だ し らざ サ しほ ど ぞ か し 。 さ れ ば これ ら の詞 は。 ま こ
と に は か の王 が いぴ つけ し趣 に はあ ら で。 此 一
・一人 のほう し の は から ぴ て。 つく り い へる物 也 。
さ る は筑 紫 に久 し く と 璽 ま れ る ほど に。 皇國 の転 やう を見 聞 て。 か の懐 艮親 王 ばゆ ま こと な
ら ぬ こ と を、
。 始 め てし 燕る か ら。 い か でま こと の
天皇 の御 許 に參 り て・ 王 が いび つけ を つた へ書 んと・思ぴ㌘ らし三 薯 をお く り て ・騰 王
シ ミン ァ
が 意 は 。、し か ノ \ な り と 申 な せ る な り け り 。 か く て 京 に は 。 明 王 が 使 の參 り つ る こ と を 。 此
・ 時 は じ め て し ろ し め し て 。 應 安 六 年 の 六 月 に 。 め し の ぼ せ て 。 九 月 に か へ し つか は し 髫 。 明
魑 テ 釜 ノ ヲ ル ' λ レ疋 , スルコヲ
史 に 。 租 闡 等 既 至 。 爲 二其 國 願演 レ歡 。 其 國 人 頗 敬 信 。 而 王 則 傲 慢 無 禮 。 拘 レ之 二 年 。 以 ご七 年
賂
5
ヲ ル 昌 轟 ト云 ト ヒ ツコヲ ル
五月 } 還 レ京 。 時 良 懷 年 少 。 有 ご持 明 者 鱒 與 レ之 爭 レ立 。 國 内 亂 と い へ る コ これ 二 人 め ほ う し ど
竜 が か の 國 に か へり て 語 り け る を 聞 て 。 御 國 の 事 を ほ の か に し れ る 趣 也 。 こ 乂 に 王 と い へ る
ス今 ヲ ド
も 。懐 良親 王也 。 拘 レ 之 二 年 は 。 か の筑 紫 に と 買 ま り ゐ た り し を い ふ 。 洪 武 七 年 は 。 應 安 七
年 に あ た れり ゃ 持 明 と は。
天白
濡 髢 .そは 、 \
後深草天皇 と
ノ ミ スヱ ノ
ダ 輻 山天 皇 と。 御 兄 弟 の御 末 わ かれ・ て 。 か は る/ \ 天 下 し ろ し め し げ る 。 此 時 京 の み か どば 。 そ の
ノ 皇 統 ミ ヨ
.後 深 草 天 皇 の 御 末 に て 。 此 御 す ち を ば 。 御 世 ノ \ 持 明 院 殿 と な ん 申 け る を 。 か φ 使 の ほ う し 。 筑
﹂
紫 に て 傳 へ聞 て 。 天 台 座 圭 へお く れ り し ふ み に も 。 持 明 天 皇 と 申 し 。 國 へか へり て も 。 し か
ツ
・
語 り し を 聞 て 。 か く は し る せ る也 。 此 持 明 天 白年 と懐 良 親 王 と 、 立 事 を あ ら そ ぴ 給 ふ と は 。 足
利 氏 の 事 を 。 く は し く も し ら で。 か た り し ぴ が こ と な る べ し 。 さ て 此 後 か の 洪 武 七 年 。 叉 九
年 叉 十 二 年 と 。 御 國 人 の わ た く し に 使 つ か は し け る こ と な ど も 。 明 皮 に し る せ れ ど 。 いつ こ
タ ス シ . ク{.ス ノ ノ ル ニ ヲ
よ り た が 使 と も さ だ か な ら ず 。 次 に 十 三 年 復 貢 無 レ表 。 但 持 下其 征 夷 將 軍 源 覊 滿 奉 二丞 相 鞘
書蜘
レリ 乎いケ ヲ・
・
, シ ヲ シテ ヲ ス タ ス ヒ グ ヲ ノ 鵡
、シテ
メ
書 辭 叉 倨 。 乃 却 ご其 寅 殉 遐 レ使 齋 レ詔 謙 讓 。 十 四 年 復 來 貢 。 帝 再 却 レ之 。 命 二禮 官 舗移書。、責 軸嚇
其
駅戎 翫 欝 噌
ら-之︽い
﹄幽 . . ﹂
九五
ド憑
晦
、
'
馭 戎 慨 鬣 . Ψ . . 空ハ
ヲ
テ メ.
ク スニ テス スルノ セント ヲ ス夛ク .
,
テ ルコ シ ニ テ
ノ
王刈 丼 責 二其 征 夷 將 鬣 噸 示 以二欲 レ征 之 意 殉 良懐 上言 。 臣 聞 云凌。 帝得 レ表 惜 甚 。終 鑑 二蒙 古 之
堅 不レ
瓜レ番 と い∼り・ かの嚢 +三缶 ・蘚 の康暦 一
皐 にあたれり・賺 衡 大蠻 のg
ミ フミ メ ノ
も ろ こ し へ御 書 つ、か は し 丶 は 。 こ れ や 始 な り け む 。 さ て 明 太 組 が 文 集 に 。・
か の國 の禮都 術 書
ド
と い ふ 官 人 の 竜 と よ り 。 皇 図 へ.
奉 り た る 書 を の せ た り 。 禮 部 徇 書 至 薫 專 答 日 本 國 王 云 々と い
ノ
ニ
へり 。 是 を 洪 武 十 四 年 の事 と 。 あ る 書 に い へれ ば 。 か の 命 二禮 官 鱒云 々と は 。 こ れ を い ふ 。 こ
れ も 懐 良 親 王 へ奉 ら せ た る也 。、此 書 の 詞 も 。 例 の み だ り に た か ぶ り た る こ と 。 い は ん か た
ス .
な し 。 又 既時 同 じ 官 人 よ り 。 征 夷 大 將 軍 へ奉 ら せ た る書 も あ り 。 大 明 禮 部 荷 書 至 調意 日 本 征
二 、 レリ ヲ ノ ニ 、 ル
夷 大 將 軍 一云 々 と い へり 。 其 書 の中 に コ 前 年 奉 二書 我 朝 丞 相 剛と い ぴ 。 又 洪 ・ 武 宇二年 。 一將 軍奉
ヲ
ノ.
テ
ム
ノ
ヲ
レ書 。 な ど い へる 詞 あ れ ば ゆ こ れ 鹿 苑 院 大 將 軍 へ奉 れ る に て 。L井 責 二其 征 夷 將 軍 幅と い へ る は
ツカバ レリ
こ れ 也 。 庇 書 の 趣 を 見 る に 。 さ き に ζ な た よ り 遣 し ㌧御 書 の さ ま 。 明 史 に 書 辭⋮叉倨 と い へる
タフト
如 く 。 皇 圏 の尊 く 強 き こ と を の た ま ひ て 。 か れ を た ふ と み 給 へる 御 詞 な か り し と 聞 え た ゆ 。
ノ
層
シカアリ 妄 . 偲
ま こ と に 然 有 て よ ろ し き 事 也 。 然 る を か の 王 。 み つ か ら み だ り に お ご る 事 を ば 思 は ず し て皇
レリ
國 の 御 書 め 詞 を し も 倨乏 い ぴ て 。 み だ り に と が め奉 れ る は い か に そ や 。 さ る こ と さ ら に う け
レ ク テ ヲ
入 給 ふ べ き に あ ら ず 。 さ て 良 懐 上 言 と し る せ る。 そ の 御 書 に い は く 。 臣 聞 三 皇 立 レ極 。 五 帝
'
鶴
.
'
雛
爨 灘 疆鑾 灘継
鑾
ぷ
ゆ
﹁
蕪繋 響 叢 懸纛鰍
斃勲難 钁鑄
泊.
藩 和爲・
注。瀧・
戰雛 .縄鴫
蠢 之塗毳 藜 霪 峯 殉年蓬 二黌 上亂蔆 々墾
覇繙 襟 .
鑼濕飜講 繕播 獅
難 驚
漸蒲 とか書 には。.
爵 の文辭と て. 諭 せた るうち 分ぴ
と つにて・諺 王思行嚢 と騨
るせり.諺 題 蔑 とは何 事にか.い乏も いと急 得ず
丶 .
D
なん。さて此書 の痿 ・す べてい
とき ま し く. つた な き .芝 い はん かた な % まつ す べ て爵
人 の。 臓 ら 王 にむ か ひで 思
い は糀 ア
﹄と . み るベ ー も あ ら ざ るに. ま し て これ は璧 にまし
ます -べ.
につ かり そ め 璽
圃 の寡 と て. のた ま ぴ 渥 す響 な るを や. 景 れ を墨 歯 な ど い び て・ みつ か
ら夷
狄 と のた ま な せ るだ に. いみ し き ひ が こ毒 るに 。翡 倭 偏 小爵
なざ は∴ か套 こ
馭戎 概
智 下 之
卷 上
・
・
九七
丶
丶
げ
め
馭 戎 慨 曇口 . 九八
諛
ろ ぞ 竜 。 箆鱒麟 の は ち を も 思 は で 。 ぴ た ぶ る に か れ に へ つ ら は む の 心 な ら ば こ そ 。 さ も い ひ な
ソ レンヤ 飆 晒 儀 弱
ズ
す や う 竜 あ ら め 。 こ れ は さ る こ 絮う と も 聞 え ず 。柯 懼 哉 な ど 丶。 つ よ げ に い へ る に も 似 ぬ よ
●
他 國
わ さ こ そ。 い とも ノ\ 心得 ね。 か エる ひ が こと のか ぎ り を。 ひ とぐ に 玉いぴ つか は し て 。後
ナビせ クの
の 世 ま で 大 御 匡 の は ち を の こ し け る 。 み だ れ た る 代 の し わ ざ よ 。 か へす み 丶 も あ さ ま し く つ
ナニモノ ●
草
た な し 。 そ もく 此 書 。 何 者 か は うけ 給 はり て かき け む 。 そ のか み菊 地 がも と に は。 京 よ り
公 卿
か む だち べ な ど も。 あ ま たく だ り ゐ られ し か ば さ る人 々も と も に 。 あ び は かり て ζ そ は か Σ
漢
文
♂
れ け め 。 さ れ ど そ め か み 。 が く も ん の道 も ・い た く お と ろ へて 。 か ら ぶ み のす ぺ し れ る 人 竜 。
ノ .
偲
. 草
世 申 に をさ く な かり し かば . か ﹄る こと はす ぺ て ほう し に仰 せ て 。 か エせ し そ か し。 さ て
佛 書 雷 . 一
ぼ う し の と.も が ら は 。 つ ね に ほ と け ぶ み に 。 粟 散 國 な嚢 い へ る こ と に め な れ て 。 轟 幽 を み だ
り にち 脇 き國 のご とく 思 ひ い ふ を・ 聞 な れ 三 上 も下 も 奏 て さ る こと 恵 ふ にあ は せ 三
クフト
.
叉 も ろ こ し の國 を ば 。 其 國 の 書 共 に 。 い み し く 大 き に 奪 げ に か き な せ る に も め な れ て は 。 い
カレ . 小 .'
一 、
浜ー 彼 をば 大 き に。 皇 図 をば ち ぴ さ く のみ 思 ふ めり 。 太 李 詑 に。 か の弘 安 の ころ 。蒙 古 の
隔す び と のき た り し 事 を し る せ る所 に・ 木 兀 の耋 帝す で 隻 郵四蟇 州をう叢 て・ 杲
ノ
を せ めん と せ し時 のさ だ め を きけ ば。 元 の大將 軍 。 まつ 日本 の 王畿 五國 の地 に。 つは も の を.
.噸
タデ ム み
す き ま な ぐ 立 な ら べ ん に。 三 百 七 + 萬 騎 と 計 り ゅ 此 勢 を 大 船 七 萬 よ 艘 に の せ て 。 よ せ 來 つ と
賊 兵
し る せり, 今 元史 を見 る に。 其 時 のあ た の つは 竜 の。 た 攣十萬 人也 。 そ れ をし も 三百 七 十 禽
征 ミン
騎 と い へる は 。 い と も い と 竜 み だ り な ら ず や 。 叉 ち か き 丈 碌 の こ ろ 。 朝 鮮 う ち の 時 。 明 の國
よ り 朝 鮮 を す く ぴ し 軍 を 。,
太 閤 記 と い ふ 書 に 。 漢 南 の勢 百 萬 騎 に て 來 る と い へり 。 こ れ 竜 今
救
も ろ こ し の書 ど も を 以 て 考 る に 。 そ の ほ ど す く ひ に 出 せ し い く さ 。 十 萬 入 に 過 た る を り は な "
か り き 。 す ぺ て 皇 圏人 の 。 も ろ こ し を 何 事 に も い み し く 大 惷 に い ぴ 思 ふ 事 の み だ り な る ほ ど 、
こ れ ら に て お し は か る ぺ し 適 か Σ る ぴ が 心 な る か ら 。 翕 倭 な ど 丶も い へ る な り け り 。 か の國
他 華毒︾
は 。 ま こと に御國 よ り も ひ ろ き は さ る こ とな れ 共 。 又 あ だ し國 々に。 皇 國 ば かり 盛 な る國 竜
人 民
を さく 聞 戸ず 。 そ のう へお ぼ み た か ら の いや 榮 えにさ かえて 。 みち たら ぴ た る數 を は から
ん に は。 を さノ丶 も ろ こし にお と るぺく 碆 あら ず 。 又 いス さ 人 の たけ く いさ め る こと な ど ば
し 竜 。 か の 國 の か け て も 及 ば ぬ ほ ど に て 。 つ ね に 南 倭 北 虜 と い ぴ 。 又 張 大 之 國 な ど 製も い ぴ
み
竃 御國 をば いみしく羹 れ つること・ かの図 の參 港 潅 く旻 たり・を ぴ継 お畢矯
れ ず と も 。 お そ る ぺ き さ ま に ⇔ た け く つ よ べ 大 き に と そ い ひ ぎ か す ぺ き こ と わ り な る に 。・
か
ユ デ ヲ
へり て み つ か ら よ わ く も ひ さ く い ひ な し た る は 。 何 の ヒ L ろ そ や 。 終 鑑 二濛 古 之 轍 嚇不 騨加 レ兵
、
馭 戎慨 嘗 下 之 卷上 .
九九
陶
鎖
數 戎 慨 言 . 。
崗O Q
れ ぎト
也 と い へ る 。 ま こ と に さ こ そ 有 べ け れ 。 さ き ノρ丶 い み し き 事 共 い び し は 。 み な お ﹂
ξ し誉 也 け
殺 . 、
り 。 さ て 此 ほ ど 。 か の國 の 大 臣 胡 惟 庸 と い ふ も の 。 び そ か に 王 を こ ろ さ ん と は か り け る 事 有
し が。 あ ら はれ て殺 さ れ ぬ る を。 皇 凶 人 竜 か た ら は れ て。 そ れ が たす け を な せ し事 の。 後 に
ミンワウ転 勿
あ ら は れ け る に よ り て 。 明 王 いみ し ぐ い か り て ゆ 今 よ り のち は 。
末 々 に いた る迄。 日本 と な
溝 野 . ・ 禁
む つ び そ と 。 か た く い ま し め お く こ と 有 き 。 そ 竜 ノ\ 皇 図 人 の。 か の 胡 惟 庸 に か た ら は れ し
は 。 例 の鴎 の ほ と り の あ ふ れ 竜 め 共 か 。 叉 は 征 西 親 王 の御 謙 よ り お こ り し こ と に も や 有 け ん 。
ノ
し か る を さ き に 鹿 苑 院 大 將 軍 の。 か の 國 の 丞 相 へ御 書 を お く り 給 ぴ し を 。 此 事 に か け て お も
ふ は。 あ たら ぬ こと也 。 さ て其 後 ・
・
ノ
ノ
ノ
後 小 松 天 皇 の御 世 應 永 八 年 に。 鹿 苑 院 議
剛大 將 軍 よ り 。 明 王 が も と に 使 を さ し て 。 御 書 を 逡 し 距 再
コタ
へ 彼
し に。 其 答 と し て 。 か れ よ り 竜 使 を 奉 り 。 書 も 有 て 。 と も に善 隣 國 寶 記 に の れ り 。 然 る を 此
翫 シニ . .
時 か の國 はゐ 太 租 は は や く 死 て 。 孫 惠 帝 と い ふ が 世 に て 。 建 文 と い ひ し 程 な り し に 。 國 叉 し
ば齢 れて・麋 九年 に・ つびにをち の壅 國 を碑ば へり・歳 謦 い寔 也 ・さ る さ 薯
往 來
に て。 記 しも ら せし にや。 此度 のゆ. き ﹄の事 は。す べ て か の國 の書 共 に は見 えず 。 かく て其
年 に。 又 御 使 つ か はし て喝 御 書 をおく ゆ 給 ふ。書明史 に。 成 租 飭 1位 。 愚 "働 以 二登 極 購齧測讌轟
、
鄒 シ 、 ヲ カシ為 畠 ノ 轟イタル 蘇
國 岨 永 樂 元 年 。 又 遙 ご左 遖 政 趙 居 任 行 人 張 洪 偕 僣 道 成 舳往 。 將 レ行 而 其 貢 使 巳 逹 =箏 波 刈 禮 官
亀 k シテ
スモ
ラク ル団 昌 ニ デ タ ク、ヲ 轟 ク ノ 蒜 ヘシメ ヲ モPノ丶 ス ヲ ハ
李 至 剛 奏 。 故
事 番 使 入 二申 國 鱒 不 レ
得 下私 携 二
兵 器 齢
リ鬻
壱
民
。 宜 下勅 =所 司 蝸覈 ご其 舶 鱒 諸 犯 レ禁 者 。
ク く
・ク ノ ル ユ ノ ク . ヲ ミ ヲ テ ヲ ル﹁ク ス 昌 シ テ チ クル ヲ タ 也
悉 籍 途 巾京 師 ⑳ 帝 日 。 外 夷 修 レ 貢
。 履 レ險 蹲 レ
危 。 來 遠 所 レ費 贇 多 。.有 レ所 レ齎 以 助 レ資 。 亦 人 情 。
鑑襲 概掃些 禁奪 垂 費 聾 亦馮臨 墜 薦霧 ・妣レ
腆 鴎 化・+月使窒 ・臨二
王源道鶉
ヒ ヲ ク シ ヲ シテ ヲ ニ ノ ノ ルト フ ゐ ヒ ヲ
裹 及 貢 物 綿 帝 厚 禮 レ之 、 遣 レ
官 偕幽 丑ハ 使 還 綿 賚 二道 嚢 冠 服 繼 鈕 金 章 。 及 錦 綺 紗 羅 u
と い へリ コ 成
祗.は 太 祗 が 子 也 。 父 の深 費 い ま し め を そ む き て 。 叉 、し 竜皇 圏 に使 を しき り て奉 リ コ 叉國 のお
ワだ 禁 . 鬻
髫 て を も や ぶ り て 。 よ さ ま に い ぴ な し て 。 我 御 使 の 。 い ま し め の物 ひ さ く を ゆ る せ し な ど を
思ふ に・此 王皇 図を深く嘩 たひて・ いかでむず 奉 らん意 ひて・した 寒 つら へる讐
し る し か し 。 永 樂 元 年 と いび し は 。厂應 永 十 年 に あ た れ ば 。 こ れ か の 九 年 に つ か は し 玉御 便 也 ゆ
、 丶 ロ タヘ ミコタへ
國 寶 記 を 考 る に 縛 こ れ は か の 建 文 の 王 が も と よ り 答 の 使 を 奉 り し 。、そ の 夊 御 答 と し て 遣 し 乂
御 使 な り し を。 彼 國 に至 り てき け ば。 世 か はり た り し故 に。 御 使 の人 の心 し ら ぴ に て。 や が
薪
タテ
賀
.
ク ノ
て あ ら た に 立 る 王 を ほ き 給 ふ 御 使 の ご と い ぴ な し て 。 事 お こ な ひ し 也 。 御 書 に 啓 二中 興 之 洪
タ ゲ シ
業 嚇な ど いふ 詞 あ るは 。 元 を ほ ろ ぼ レ て。 明 の代 に なれ み こと を い へ る が 。 す な は 疹成 麗 が
ケ
こ と に も か な へ る ゆ ゑ に 、 そ の ま 玉用 ひ し か 。 叉 は か き 改 め て 授 し に も あ る べ し 。 か く て 此
.
馭 戎慨 言 下 之 卷 上 ・
..
㎞○ 脚
.
馭 戒 慨 言 一〇 ニ
チ ス スルツタ グ
度 か の成 組 が こ た へ の 書 ^
も。 同 轡一 に のれり 。 次 に明臾 に。 明年 十 、 一月冖。 ・來 賀 レ冊叩
訓立 真鍋太 子緯
き ぷ
ノ ム ノ ヲ テ シテ ェ ヘシム ヲ シ ヲ テ ク
時對 馬 壼 岐 諸 嶋 賊 。 掠 三濱海 居 民 幻 因 鍮 二其 王 軸
捕 レ之 。 王發 レ兵 蟄 二其魁 二 十 人鱒 以 二三年十 脚
ヲ シ エ ツ ス ヲ ス フ シ ヲ ユ ト ビ ノ ニ
月 一献 二於朝 噸 且修 レ買。 帝 盆 嘉 レ
之。'
造 二鴻 臚 寺 少 卿 潘賜 崎偕 二中官 王 進 殉 賜 二其,
王 九章 昆 服 。
瓦錢 鈔錦 穐 殉鳥 レ
臨 而 愚 。 其 肺ヒ献2 ん。 叙 二其亂 躑 治7ゐ 。 使者 善二籖浪 鱒
蠹 ク臨二其 ん 於甑 麟
為謝
践 弥.
殺 之 蹣と い へ る。 明 年 と は 永 樂 二 年 也 。 國 寶 記 に 角 此 度 の 竜 向 三年 の も 。 こ な た よ り の 御 書
コ タ コタ
は 見 え ず し て 。 か の 王 よ り 答 へ奉 れ る書 の み の れ り 。噸三年 の答 へは 。 永 榮 四 年 正 月 十 六 日 と
し る ぜ る 是 也 っ 登 岐 封 馬 の あ ら び た り し 者 共 を 。 と ら へ て わ た せ し を 。 か れ が こ な た へま か
軌 ヤ 法
せ し はさ る こと な るを。 其 人﹁ ど 竜 を篏 に て む し 殺 せ し は 。 い か に そ や 。 た 導 皇 函 の のり の ま
まにこそ㍗ な ふぺ け れ・ 殊 に い み し鼻 にも あ 急 な るに・ さ る から き わ ざ せ し も・ み な
デ
か の 王 へお も ね り こ び た る に て 。 い と あ ぢ き な し 。 明 史 に 叉 い は く 。 明 年 正 月 。 叉 逡 二侍 郎
兪 ヲ シ ヲ ス ノ ノ ヲ シ ノ ト ノ
ヲ ツ ゑ
士 吉 崎 齎 二璽 書 一褒 嘉 。、賜 賚 優 渥 。 封 二共 國 之 山 殉 爲 二壽 饗鎭 國 之 山 殉 御 尉製 碑 丈 騨立 二其 上 鴫
タ ス フ、ヲ ヲ 一 ス ノ ヲ ノ ア ゾ
六 月 使 聚 。 謝 レ賜 廷覺 服 一と い へ る 。 明 年 と は 伺 四 年 也 。 樹 二共 國 之 山 舳と は.
.肥後 函 の阿 蘇 山
シ ヅマ マか 魏瓢.異 鹿
我
也 。 此 山 は 。 た ふ と き 神 の鎭 り 座 て 。 殊 に く し び な る山 な る に 。 か ら 王 が つ く り て お く れ る
夊 鐫 建 、
・ 磯
ふ み を し竜 。
Fゑ り て た て け ん は ゆ い と け が ら は し 。 此 い し ぶ み 今 竜 あ る に や 。 竜 し あ ら ば 。
他 勤
ば や く 打 く だ き て す つ べ き 也 。 さ て こ と 書 ど も に は 。 此 時 道 義 を 。、日本 國 王 によ さ し。 勘 合 一
ト リテ ス
い スも
と い ふ 物 奉 か し 事 な ど 竜 見 え た り ゅ 叉 明 史 に 。 五 年 六 年 頻 入 貢 云 々。 十 一月 再 頁 。 十 二 月 。
鋤
ノ テ ヲ テ ク ノ ヲ メ ニ テ ラシメ ヒ ヲ ト
ヅ ス ヲ ハシ ヲ テ 9
其 図 世 子 源 譌 持 。 遣 レ使 來 告 二父 喪 殉 命 二中 官 周 全 嶋往 祭 。 賜 二謚 恭 献 殉 且 致 レ賻 。 叉 遣 レ官 齎 レ勅 。.
ノ ヲ ト ニ タ ヘ ヲ ク ヒ シ ヲ シテ ヲ セシム
封 ご講 持 一爲 ご日 本 國 王 殉 時 海 上 復 以 二倭 警 一告。再遣 レ 官論一 一義持 凪勦 捕 と い へり 。・ 國 竇 記 に。 永
φ
ミン
樂 五 年 五 月 廿 六 日 の 。 明 王 が 書 を の せ た り 。 さ て 十 二 月 云 々と 嫁 町 應 永 十 五 年 五 月 六 日 に 。﹁
鹿苑 陽葵 顰 巉くれ給 ぴしを・懸 陽大將 軍よ愚 給 ひし御使 の・+ 二月にか の王が所 ヘ
リ
いた り し也 。 さ れど 批 事 ば 噂 信 じ がた き よ し 有。 下 に や ふ べ し、 さ て此時 か の王 より 使 を さ、
フミ ノ
し て㌔ 故 大 將 軍 を 祭 れ る 文 。 ま た 勝 定 院 大 將 軍 へと ぶ ら ぴ の書 な ど も 。 國 寶 記 に 載 た り 。 又
明史に・窟 四月・義籤 レ
鍬 魯 導献酢 欝 寇幕 嘉塚 明年二月。傷墨 憲 観
ヲ ス テ チ ヲ メ 、ラ ニ リ ニ V ノ レ ル ク セ ,
レ勅 褒 賚 。其 君 臣 謀 阻 レ進 。不 レ使 レ歸 。 進 潜 登 レ舶 。 從 二他 這 榊遁 還 。 自 レ是 久 不 〆寅 と い へり 。 義
摶 巻 レ偽 鏃 〆風 と は ◎ 日 本 國 王 に 封 と い へ る 。 そ の 都 ど な る べ し 。 さ れ ど ㌧勝 定 院 大 將 軍 は℃
ス
封 ウケ
必 明 王 が よ さ し を受給 ふべ き にあ らず 。 叉 御 使 も つ かはす ま じ き よ しあ り 。 下 に く は し く い
ふ べ し 。 但 し そ の こ ろ 。 か の 國 へわ た り て あ ら び た る あ ふ れ も の を ど ら へて 。・
お く り給び し
媚
事 な ど は あり も や しけ む 。 そ れ を ゐ て ゆ き し者 など の。 か の王 に ご ひん と て。 お のが 心 も て?
馭 戎慨 言 下 之 卷 上 .
一〇 三
壁
ノ
"-尸瓶
●
、
馭 ・戎 慨 嘗 .
. .
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一〇 國
そ
コ
ゆ ヒ
よ ぎ さ ま に い つ は り い び し な ど を や ゆ 大 將 軍 の 仰 せ と 。 か の國 に て 依 思 ひ け む . と に か く に
テ ヲ , メ ラ , `シグ・
輔 ・
此 程 の 事 は 。 物 の ま ぎ れ 有 し 也 。 阻 レ進 不 レ使 レ歸 と い へ.る竜 心得 ぬ こ と 也 。 も し は西 匳 のほ
ス ビ の リ テ
と り の も の な ど や ゆ ぜ る こ と も し け ん 。・又 い は ぐ 。・十 五 年 。 倭 寇 " 隔
松 門 金 榔 第 陽 魂.有 卞捕 二倭
寇 數 十 ん 舶 慈 レ泉 者 ⑳一
廷 臣 講 レ燈繋漓 。 噺 臨 。 励 昭嶌 鋳蛛 病。 不 レ鵜 ご優 陸薦 坊5
7ル徳 。 旬 レ
愚 レ島 。 乃
γ 、 ニ シ ヲ シ ム テ ヲ ラ ζ 、 ノ ル、 モ ム リ サ暮 ト
/ 命 二刑 部 員 外 郎 呂 淵 等 鱒 齎 レ勅 責 讓 。 合 二悔 レ罪 自 砦 殉 中 華 人 被 レ鯨 者 。 亦 令 二途 鵡
巽 明 年 四 月 。.
テ 7 テ ニ ス^ 刑
其 王 遣 レ 使 。 隨 淵 筆 來 質
云 々 と い へ り 。 か し
こ に て と ら へ た る
御 國
.人 を 。 ぐみ な はず し て。
テ タ テ
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か へし た る は 。 こ な た の 御 心 を と ら ん た め の は か り ご と 也 。二明犀 其 旡 遣 レ使 。 隨 二淵 等 轍來 貫
と い へ る も 。 又 い と 心 得 ぬ 事 也 。 其 故 は 。 國 竇 記 に 。,
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即
稱光天皇の御堆 聚 廿六年に∴欝 吉 參りた毳 のつ京へ灘 げたる書に。釐 掩 羲
多 國命愁 勦華 甎 褒 ん輔
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古幢叢 舶臥漏 聾 ︾
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テ セ ヲ カヘセザ ヲ ・ 藁 瓜 テ ヲ シテ ヲ カへ・り ニ タ フリ ハシテ
曾 審 寄詳 來 意 幻 長 老 旋 レ車 。 ・後 .
一向 信 息 不 レ聞 。
覧
似 レ此 齎 閂夢 勅 書 粕.囘 二京 師 隔曇 々 。 今 復 蒙 一ご造 ,
スルコヲ ヲ テ ル ロ
攀 捧 勅 霓 重來云允 、 永 樂 拾 漆 年 漆 月 拾參 臼 と あ り。 こ れ に よ れ ば.鼠 淵 は。 ま が書 をだ
上 . ミン 鍮
撫皆
に えた てま つら で。㌧いたづ ら に か へり ぬる 物 を や 。 ・さ て 叉 此 陣明 の使 に お低 せ 給 ふ御 書 二 つ
。 ア
ゲツ
ラフ 大 旨 /
あ り。 其 詞 は下 に引 出で 、 。論 ・べ し。 そ のお ほむ ね は 。前 大將 軍 の。 いま は の御 時 に。 仰 せ お !
,
ノ
ぐへの
いま
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タなさ
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奮 し む ね に よ り て 。 明 國 巴 の 御 む つび を 。 か た く た ち 給 ふ よ し 也 。 さ れ ば 曲 弋 酪 軍 の 御 時 に、
御 使 つ か は し て 。 し た が ひ 給 ぴ し 事 を 。 か の 國 の 書 共 に し る せ る は こ と み \ く ひ が こ と 也 。・
そ は み な ご 製 の 人 に ま れ 。 か し ζ の.
人 に ま れ 。 い つ は り ご と せ し が 。 ま ぎ れ り、る物 な ら ん か
ノ
し 。 さ て か め 御 書 の趣 を 見 る に 。 か の 國 の む つ び を た ち 給 ひ し こ と は 。 は や く 鹿 苑 院 大 將 軍
のか く れ給 ひ し と き. 讐 ぶ ら ぴ に參 り し 使 に。 いひ し ら せ で か へさ れ し 惣 。然 る隻 も去
年 呂 淵 が參 り し故 に。 等 持 寺 の古 瞳 ほう し をし て 。 叉 そ のむ ぬ を いひ し ら せ て。 か へされ し
を・ ふた 永 な が ら・ か の王 が譫 へは・ 撒 のと 騨 ら ざり し 嘉 ぼ えて ・ 又 し も今 年 使 を奉
カうブミ
れ る 故 に◎ 此 度 は た し か に か の 王 に も き か せ ん と て こ そ 。 漢 文 に て さ へ仰 せ 給 ひ け め 。 然 る
に此 御 書 のお 竜 む き も。
マ又 と ほ ち ざ り し に や 。 か の國 の書 ど も に 。 此 御 む つ び た ち 給 ひ し よ
し は 。 い さ 丶か も し る せ る こ と な し 。
﹁そ も ノ \ 此 事 。 さ ば か り 三 度 ま 梺 。 た し か に 仰 せ し に 。
、 不 到 丶
曾
つひ に かし こに と ほ らず な り に し は。 う け 給 はれ るほ う し ど も の。 心 し ら ひ し て。 か の使 ヘ
リ ・ 欝 語 他
は 有 の ま エ に は い ぴ し ら さ で 。 こ と よ く と り な ほ し て つ た へし に や 。 す べ て ひ と の國 へ言 を
り , ヒト辭
傳 ふ る に は 。 此 た ぐ ひ の み お ほ く て 。 有 の ま 玉 に は ゆ き と ほ り が た き も の な り 。 さ る は 一こ
と 毒 じ の奈 ぴに三 國 のな が 鑿 ずともな 嘉 ざ な れ ば・ 碁 し て・ よ く 人 を え らび て◎
馭戎慨 言下之卷上 一〇五
〆
勢
ズ
馭 戎 慨 ゆ言 ' や 一〇 六 ' 、
ゑ
か た く い 衷 し め つ か 依 す ぺ き こ と 也 。 但 し 此 度 欧 の仰 事 は 。 3 け 給 は れ る ほ う し 共 は 。 あ り '
のま Σ に も 傳 へけ ん を 。 か し こ の 使 の。 國 に か へり て お の が は か ち ぴ の あ し さ に 。 む つび の
や ぶ れ た る に と り な さ れ ん こ と を 思 ぴ ば か り て 。 か の 王 へは 。 こ な た の 仰 せ の お も む き を ぱ ・
り
かく して 。 た 冥 よ き さま に のみ いび ま ぎ ら は せ七 にも あ るべ し。 大 か た竜 ろ こし の使 は 。 昔
. 復 命
よ り 其 國 に か へり て は 。 わ れ た け く 作 り こ と い ひ て 。 王 が よ ろ こ ぶ べ き さ ま に か へり こ と す
セ
る 。 例 の事 ぞ か し 。夂 思 ふ に 。 此 を り の仰 事 は 。 か の 王 も 聞 な が ら 。 御 國 の む つび の た え ん ・ .
事 の く ち を し さ に 。 叉 思 ぴ な ほ し給 ふ こ と 適 や 乏 。 こ 製 う み が て ち 。 し ら ず が ほ し て 。 獪 か
く寥 使 は奉りしに箸 べし・此 矗 舞 に深 く皇図 を掛 ぴしさ乏 聞 ゆれば・ さあ るま
セ
じ き に も あ ら ず 。 も し さ も 有 け む に は 。 か の仰 事 の趣 を ば 。 深 く か く し て 。 世 に 竜 ら さ 翼 り
脱.
フ晝 ン
し 故 に。 か の 図 の 書 ど も に は も れ た る な る ぺ し 。 さ て 右 の 二 世 の 大 將 軍 の 御 ほ ど の 。 も ろ こ
ノ ン 遇 可 不 可 アゲツラ . ノ ・
し の御 あ へ し ら ひ の よ さ あ し さ を 。 獪 く は し く 論 は ん に は 。 ま つ 鹿 苑 院 大 將 軍 の 。 か の 應 永
八年につかはし轟 蠶 ・杲 准三后某・上罰糞 矍 帝陛} 呆 國鼠 裂 ・畢 礁b
遮ニ 馬
ヲ ニ ニテ ヲ ニ テ ノ ユ トシ ヲヒ ヘテ ヲ シ ヲス
聘 問 於 上 邦 ℃某 幸 秉 二國 鈞 殉海 内 無 レ虞 。 特 遒 二往 古 之 規 法 殉而 使 二肥 富 ℃ 相 判副 覦 阿 舶 通 レ好 献 二
方摯 至 ・義 惶誠 恐讐 頓首墜 一
目と あ り・ まつ轟 書・皇凶 の群 には・李 をそ へず し・
て 。 か へむ て か の 國 の 名 に 。 大 賜 と 書 給 へる こ と 。よ ろ し か ら ず 。某 と は 。國 寶 記 に 。御 名 を .
ノ
は 窒 か り て 。 か く の せ 海 る 也 。 中 原 康 富 の記 に の せ た る に は 。 す な は ち 道 義 と あ り 。 道 嚢 は
.法 、 縞 號
の り の御 名 也 。 上 書 と は 。 う や ま ひ 過 し 給 へり 。 皇 帝 陛 下 ・も 同 じ 。 皇 帝 と い ふ な は 。.し ば ら
く か り に 。 か れ が い ふ ま ふ に ゆ るす 共 。 陛 下 と は き は め て の た ま ふ ま じ き わ ざ 也 。 日 本 開 闢
" 戎 ・ 媚 ノ
以 來 云 々
と は 。 あ と も な き こと也 。 か 玉る そら 鬢 いぴ て。 から 王 に こび 給 ぴ しは 。 いか にぞ 、
とトシ
ヲ 。 ノ ミン オホ
や . か の國 を 上 邦 と あ る も わ う し 。 使 二肥 富 叩 か の 勝 定 院 大 將 軍 の 。 明 の 使 に仰 せ し 御 書 に 。.
ス ヲ
肥 富 口辯 と あ る こ れ が こ と 也 。 通 好 と は 。 よ ろ し 。 献 二方 物 鳩と は わ う し 。 方 物 と は 皇 國 を か
の國 の か た は ら に な し た る い ぴ ざ ま 叡 れ ば 也 。 終 り の 誠 惶 云 々も い た く 過 た り 。 又 年 號 を し
. 戎 、
るし給 は ぬ 竜。 か れ を は 璽 かり た るに て。 よ ろ し から ず 。 そ も ノ\ 大 御 國 の大 將 軍 は。 か ら
尊 媚 抗 禮 .
王 よ り た ふと くま し ま せ ば。 いか に こび給 ふ と も。 かな ら ず ぴ と し き ほど よ り は 。 か れ を ば
のぼ せ給 ふ まじ き わざ な る に。 か く のみ み だり にあ がめ給 へるは。 み な ひが ヒと 也 。 み だり
に か の 王 を た ふ と き 物 に 思 ぴ を る 。 世 の人 の ぴ が 心 に は 。 今 か く い ふ を 。 あ た ら ぬ 事 と も 思
ン ゴト で
コ
スメリミクぶ
ふ べ か め れ ど。 さ思 はん は。 獪 から ぶ み のみ だめ 冒 に のみ め な れ て。 皇 御 匹 のま こと に た ふ
ト
と き こ と わ り を し ら ぬ 竜 の 也 。 さ て 此 御 書 の御 答 へと し て 。 明 王 よ り 奉 り し 書 ぱ 。 奉 天 承 渾
馭戎慨言下之卷上
"
一〇 七 ▼
駅 戎 慨 養 阜 昌 .
、
飼O 八
ノク ノ る ノ キ テ ス ヘノ ヒシテ シ テ シ ヲ ゆ
皇 帝 詔 日 。 覆 載 之 聞 。 土 地 之 廣 。 不 レ可 島以 數 計 殉 古 聖 人 。 疆 而 理 レ之 。 於 下出 二貢 賦 力 役 畷 知 蕁
ヲ ズル ノ ニ ニ ソ フ ト シテ ノ レバ ク テ ヲ スルノ タ テハアラヘテ 賜
鱧 義 ℃ 逹 ご於 君 臣 父 子 大 倫 一者 加 號 日 二申 國 刈而 申 國 之 外 。 有 二能 慕 レ義 而 來 王 者 舶 未 菖嘗 不 二予 而
メ 孔 ス 蜚 也 テ ヲ ク セシムル ニ テ ゴ 、 λ ス スル
進 廿之 。 非 レ有 レ他 也 。 所 下以 牽 天 下 殉 同 歸 中 于 善 道 上也 。験 自 レ嗣 箸大 位 殉四 夷 君 長 朝 獻 者 . 以 ニ
ヲ フ モシ レハ ルエ ニ フ テ センコヲ ヲ エ ヂ ロシ エ キ スルノヲ
十 百 職 計 。,苟 非 レ戻 二於 大 義 相 皆 思 露以 撫 調柔 之 噸 茲 爾 日 本 國 王 源 道 義 。、心 存 二王 室 幻 懷 二愛, ヒ君
ヲ γ ヲ シ ヲ ス タ ズ 統サズ ノ ト 呂 リ カ 昌 シ
之 誠 叩 踰 ⇒越 波 濤 殉 遣 レ使 來 朝 云 々。 験 甚 嘉 焉 。 B 本 紊 稱 二詩 書 匪 殉 常 在 二験 心 "云 々。 ' 今 遣 二使
ヲ ノ ヲ ム を ヲ ルトキハ ヲンテ ヲ セ ノ ト シ アル
者 道 彜 一如 殉 班 訓示 大 統 暦 殉 俾 レ奉 ご正 朔 一云 々勲 . 俾 下天 下 以 二日 本 一爲 串忠 義 之 邦 ⑳ 則 可 レ名 二干 永
鰤 顧 伽 硝 へ
世 云 々。 建 文 四年 二 月 初 六 日 と い へ り つ 奉 天 承蓮 と ば 何 事 ぞ 。 古 よ り も ろ こ し の 王 が つ ね
ア ス ヨト
の な ら ぴ に て 。 明 月 ほ ろ び ん と す る け ふ ま で竜 。 か く さ ま の み だ り 耆 い ぴ て. い み し き こ と
に 思 は せ て。 入 を あ ざむ くそ か し。 日 本國 王 と は い か 璽つ こな た より の御 書 には。 准 三后 と
ゐ
あ り し を 。 し ら ず が ほ に か く い へ る は 。 す べ て 國 王 に あ ち で。 使 を さ し 。 書 を お く る は 。 私
ウケイレ
の まじ はり 也 と て 。受 入 ざ る か の國 のお き て な る ゆ ゑ に。 おし て國 王 と い ぴ な し て。 お のが
お き て を た て。 又 か み に
み
ル
天 皇 の ま し ま す を も 6 し ら ず が ほ し て 。'此 大 將 軍 を し ひ て 王 に な し て 。 御 國 を し た が へん と の 心 ・
ドすケイレ サ
也 。 か く 國 のお き て を や ぶ り な が ち 。 や ぶ ら ぬ さ ま に ま ぎ ち は し て 。 受 入 も も 。 御 國 さむ つ
,
愈
無禮
び 奉ん の心深 きが 故 ぞ か し 。 道義 と御 名 を さし た る。 いは ん か た なく ゐ や な し。 ζれ ら す べ
式 ン
て か の か た は ら な ゐ 図 王 共 へ つ か は す 書 の つね な め れ ど 。 御 國 の 大 將 軍 は ゆ か れ に し 漁 が び
・ . ヲ ヲ
を る 國 王 ど 竜 と 。 ぴ と し な み の あ へし ら ひ を 受 給 ふ べ き に あ ら ず 。 懐 二愛 レ君 之 誠 髄と は 。`み
つ か ら 君 に な り て 。 と な た を おし て 臣 と せ る 詞 。 ま た い は ん か た な し 。 來 朝 と い び 。 賀 と い
ヨリス ノ ト
へ る な ど も 。.
、
す べ て ゐ や な し。 日本 素 稱 噂 詩 書 國 噌 す ぺ て かく さ ま に 。 か れ が ぼ め 把 る を 。
戎
御 國 の び か レ に 思 ふ め れ ど 。 そ は か れ に へ つら へ る 心 に て 。 ぴ が こ と 也 。 か ら 人 に ほ め ら る
ノ ヲ ム セ ヲ スメラミクエ
る は 。 何 の た け き こ と か あ ら ん 。 班 両示 大 統 暦 叩 俾 レ
奉 二正 朔 幻 こ れ も ゐ や な し 。.一皇 彿國 の大
戎 狄
'
將 軍 の。 いや し き か ら く に の正朔 を受 て。 何 にか はし給 ふ べ き。 既 時 こな た よ り。 い ま だ臣
ヲ 審 國
と も の た ま は ず 。 だ 穿 通 レ好 と 有 し の み な る に 。 お し て か く 。 や つ こ ぐ に の ご と く 。 よ うつ
を いぴな せるζと・か ヘナぐ 磐 り也・然れ ばこれち のよしを簗 ー 騨 め攣 .
暮 耄
ゆ
使 を 竜 。 す み や か に お ぴ か へさ る 鴎 き 物 也 か し 。'か の國 の建 文 四 年 は 。 應 永 九 年 に あ た れ り 。
ス ク ヘ
ノ
か く て其 年 又 つ か は し た る 御 書 は 。 日 本 國 王 源 表 。臣 聞 云 々と あ り 。こ れ に も っ源 宇 の 下 に 道
、
一義 と あ り け ん を 。 例 のば 璽 か り て σ は ぶ き て親 た る な る べ し 。 さ て 此 御 書 は 。 さ 喜 の よ り も 。
今 扁き ば か れ を た ふ と み て 。 い よ ノ 丶 へ つ ら ぴ 給 へ る 昏 ま 。 さ ら に い は ん か た な し 。 國 寶 罷
馭戎 慨 嘗 下 之 卷 上 一
麟〇 九 .
騨
ほ
馭 戎 慨 言 豊 ・ 喇訟 ○
ア解ツ︾ ノ 翻 丈 ノ . タ Xルハ ト シ ノ 篤シ籌
に 。 瑞 溪 ほ う し 。 此 御 書 の 事 を 論 ぴ け ら く 。 彼 國 以 二吾 國 將 相 輯爲 レ王 。 蓋 推 ー奪 之 義 。 不 二必
ぜ
, ハ ヲ
ラ菟 ハ ト
レ ル也 ノ ヲ
ム シ・
ナランカ
厭 7之 。 今 表 申 自 稱 レ王 。 則 此 用 ご彼 國 之 封 輔也 。 無 乃 不 ー可 乎 と い へり 。 か し こ よ り お し て 鶏
本 國 王 と 申 せ る を 。 推 奪 と い へ る は あ 距 ら ずゐ こ は さ き に い へ る ご と く 。 し ひ て 御 國 を し 疼
ク{ .
.黜 .
、
が へん と の 心 に て ゆ 5 は べ は 奪 き が ご と く 聞 ゆ れ 共 、 か へり て お と し め た る 物 也 。 叉 み つ か
め アル
か
マ
ら 日本 國 王と のたま へるを 。 よ ろ し からず と い へるは。 ま こと にさ る こと也 。 既暴 は藪 人 の
し ぴ た る論 も あ れ ど。 ゆ ゑみ れ ば。 今 く は しく あ げ つら はず 。 近 き 世
ブ ヅマテルカムミオヤノミコト .
以 來 ミ 腰
・
東 照 紳 御 ⋮醍 ・
龠 よ り こ な 癒 御 世 ノー丶 の
シ
大 將 軍 へ。 朝 鮮 國 王 が 奉 る 書 に も 。 日 本 國 ま と 申 奉 る 轟 を ぱ 。 こ な 允 よ り と 雲 あ さ 蛭 給 ひ 。 又
其 王 に賜 ふ 御 書 に も コ さ は か 製 せ 給 は ぬ 御 事 よ 。
義 . クて・
天 塁 を は 璽 か り 奉 り 給 ふ 御 こ と わ り の 有 が た き の み な ら ず ゐ 御 國 の奪 さ を さ へお と し 給 は ぬ 御 は
か ら ぴ 。 め で た し と も め で た し 。 然 る を 太 宰 氏 な ど が 。 今 の世
大 將 軍 と申 す は。 名 正 し か らず 。 あた ら ぬ事 と申 せ るは 。 いみ し き わ疫 く し事也 。
征夷 大 將 軍 と 申 す は 。 ま さ し く .
圏 補 職 、 ' アフ 號
皇醒翻 よ 斡 よ さ し給 へる御 りかさ に て。 天 の下 しも が 下 迄 もゆ 明 ら か に 仰ぎ 奉 る御 な のり な る物 を。
あ た ら ぬ こ と ㌧は 。 い と も か し こ く 。 中 々 に 名 を み だ る 事 こ れ よ り い み し き は あ ら じ と そ 思
似
大 義
ふ 。 す ぺ て 儒 者 は 。 た 璽 も ろ こ し の 例 を の み 思 ぴ て 。 大 御 國 のゆ ㌧ し き こ と わ り を ば 思 は ぬ
つ
アゲツラ ヒタみ﹁, ノ ヲ 也 ル.寸ハ ムマヲ
'故 に 。 か 曝
る ぴ が こ と は あ る 也 。 さ て 又 か の 瑞 溪 が 論 ひ に 。 又 用 二 臣 字 鰤
非 也 。 不 レ 得 レE 。
則杲 國煢 。鶴レ
帯鮮 諜二
官鶴箕 下轟 レ
鵡砕之阯。臨二
鬻 二多 驚 乳・艶 方公蜘恒佛帥小
ヘキ
ノ スル カ ニ ノミ シ テ ク タル ニ ヲ ノ
則 臣字 解. 二於 善 皇 "而 已 。 可 下以 邏 串臣 二於 外 國 幅
之 嫌 上也 と い へ る 。 ま つ 官 位 を か き て 。 源 朝 臣
・ 式 或 人
と
﹁
か き
給 は ん は 。 御 図 の の り の
ま 蕊 な れ ば 。 ま こ と に い と よ ろ し き ζ と 也 。 但 じ か ら び と は 。
ア ソン 不 識 ・ ノ
朝 臣 な ど いふ か ぜ ね を し ら 竃 ば 。 そ の臣 字 を 竜 。 な ほ た だ か の 王 に む か ひ て の た ま ふ と 心得
置 戎 ノ
て 。 そ の お き所 つたな しと わ ら ふ ぺ し。 さ て から び と のわ ら はん は。 覊 に 竜あ らね ど 。 臣 序
を か の 王 へ か け て 心 得 ん ζ と そ 。 獪 や す か む ぬ 。 も し や む こと え ぬ を り な ど は 。 さ て ま ぎ ら
リ ド ぴ ナニ な
は す わ ざ も 有 も す べ け れ ど 。 こ な た に は 此 と き 。 何 の や む こ と え ぬ 事 か は あ ら ん 。 か の主 と ・
敗 儂 ノ
.
そ は 。 蒙 古 が 番 ぶ れ に お ち ゐ る う へに、 近 き ほ ど は 。 殊 κ か の あ ふ れ も の共 に な や ま さ れ て 。
シタゴヘロ
やのダ
い み 七 く う れ へあ へ る を り か ら な れ ば 。 下 心 に は 。 皇 国 を ば い た く お ち て 。,何 わ ざ を し て か 。
ヘ ン
此 わ ざ は ひ を ま ぬ か れん と 。 思 ひ ゐ た め れ ば。 そ こを お し は かり て 。 か れ が申 す 事 をば 。 い 、
ズ
タビ ㌢カバ 瓢
き ︾か も き こ し め し い れ ず し て 。 こ 癒 た よ り は 。 始 の度 に 征 夷 大 將 軍 と の 悔 ま ぴ 惣 し た る が 。
馭戎 慨 言 下之 卷 上
` ・
. 噛輔 嚇
簡
●
馭 戎 "慨 嘗 壽
一蝸二
號
・
いと よ ろ しけ れ ば。 た だ いく度 竜。 そ の御 な のり を と ほ し給 ひて 。 い よ く 皇 図 の潅 ふと く
威 徳
た け き御 いき ほ ひ を しめ し給 ふ べ き物 也 。 皇 図は 。萬 の図 にす ぐ れ て。
至 タフト 異
,
天 皇 は か ぎ り たく .
奪 く ま し ま せ ば 。 あ だ し 國 々 の 王 ど も な ど へは 。 大 將 軍 の 御 書 を た ま ふ ぞ 。 も
と よ り の こと わり にも かな ひ。
夫 皇 の か屮 ご碑 及 び な 轟 事 も・ 遠 き國 々迄 と ほり て・ いみ し き御 國 の ひ かり な り け る・ そ も そ
ウケ
も も ろ こし の王 な ど は。 大將 軍 の 御 書 な ら ん に は。 たや す く は受 奉 ら ぬ よし も あ るべ け れ ど ,
シル
其 國 の書 共 に。 皇 圏 の事 を記 せ る に。國 王 の上 に
他 邇 奔
天 皇 ま しく て4國 王 は御國 の内 に て は。 王 と は な のり給 は ぬ事 も ゆ 又 あ だ し國 々 のま じ ら ぴ な 丶
ど は 。 み な そ の國 王/
と 甲 す が し り 給 ふ よ し な ど も 。 つま び ら か に し る し て 。 さ る 事 と は 。、
か
タビ
れ も ま こと に は いと よ く し れ 乂ば。 獪 いく度 も お、 し て の た ま は ん に 依 。号始 の度 のま 丶 な ら ん
ケ 繦 塾
を 竜 。 つ ひ に は な ど か 受 奉 ら ざ ら む 。 も し な ほ う げ 奉 ら ず は 。 御 む つ び を た ち 給 は む に。 な
陽 シク陰
で ふ 事 か あ ら ん 。 さ れ ど か の 王 。 ・ は べ こ そ い と た け ん \ し く い へ。 下 の 心 に は 。 い み し く
お
皇 凶 を ば お そ れ て 。 い か で む つ び 奉 ら ん と 。 深 く 思 へる を り な れ ば 。 此 事 に よ り て 。 御 む つ.
び た ち 給 は ん と あ ら ば 。 いよ ノ \ お そ れ て 。 や む ζ と え ず 。 つ ぴ に は の た ま は ん ま 製 に 受 奉
夢
礎 ゆかれよ葦 臓ー 攣 ぎ 華 動 ゆ
乞・、ざは套 で・例のかの王がみだり
曇Rに ば から れ て。 か へり て .蕘 吉 。 しり よ わり に嘉 り も てゆ ぎ て・ ぴ たす 鉦 冷 がい
擁癖 建 爨 藤 籀 継
郭 黷 糞 耀 吃い
と
エ
だ
皇 朝 へ.﹄め 鍬 シ ぬ ほ ど に さ ら にも 熱 ず. も は ら蠡 をか
ら國 のや つこ にな レ て・ 末 の代 迄 ・ い
み し 爵恥 を の .
ご 給 へるは .天 地 わ か れ て のち 。 き し か たゆ 垂 きたぐひ警 わざ な り ・ か
亀 ノ
か るい 壱 き ひ が ﹀﹂と し て. はつ か し共 蕩 さ ぎ け ん は 。 お ろ か也 とゑ た芒 と も・ い
はん 鍵 ぞ な か り け る. 諮 右 の響 の簿 奉 れ る. 墅 成 禦 ふ
み・ 羮 承靉 裕 鰍 云
﹂笥.ス
諮 漕 本望 邂 溝
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籌 鳶 錫 ノ
饗 憲 蓬 鉤地窰 餐 蠢 爨 盟 ・歸嚮藻 有私
畢 二印靠 世守 驩 =笥々..
、蕘 年+ 万 +青 と 専 . 次に璽 年
+ 二月初二
日.同 澤 晋 + 六日.同 葦 芳 廿 六日毒 りしミ霙
鷺あ り・ いつ れゑ 番 勅纛 皋
璧 源婆 云重 い へり. 響 ど僖 父 ること ど も、 例 のお の訟
を・ いみ しくたふと ・
げ に鬯 なしお洲)
りた る. い書 ー 同じすち のみだ
り蔘 共也.
へ・レた が ぴ給 ふ .と を。・瓦も い はず 鬆 隆 るさ き ま でほ め奉 .又奘 漿 のつ おのが國
り て ・県 島 レ爵
亨 以來 ・無 二
駁 戎攣 口下憲 上 ﹁・ ' ∼ ・ 一
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广王 之 賢 逹 一者 G 蓋 夫三之 有 一也 な ど 鼠、い へ、り 。/ さ れど 沁 や ま ぴ 撫 る詞 嫁。 いさ、 乂か も ま ぜ 驚 る
シ 无 禮 . .
こ と な く 噂,.
いと く ゐ や な き こ と の か ぎ り な る を 。 と が め殿衛ふ心 は 。 い さ 乂か ・も な ぐ て 。 た
だ 此 ぼ め 言 に め み あ ざ む か れ ρ 乂。 い よ一 ぐ ま す ノ \ へ つら ぴ こ び 給 へり き , 大 か た か れ は 。
り
お の れ に し た が ふ を ほ む め れ ば . か れ が ほ む るす 豊 は 。 み な 彿 図 の に ち な る こ と を 。.わ 覧 ま
の
へ給 ば ぜ り
ル. F
しは畿ヲい か に そ や
黒。 さ て 此 大
將フ軍 0 ヲも ろ
こ し の 御 むノつび の.事 を 。テ或 ヲ書.忙 。・感
瓢 永 八 年ノ。
道 義 。り
、贈 二書 狆 覇 于 大 切 ド 叩、
建 文 皇 蓑 賜 ご驪 書 殉 弼 十 年 。 大 明 成 組 皇 情 。.賜 二書 予 道 羨 四 告 歳︽
ヲ 詑 漕 記 .,
・帥 位 四 な ど エ.
し る せ る は 。 か の 國 に て し る さ ん 詞 の さ ま 也 。"
皇 飼人 は。侮 のよ し に か。 か の
ハ シ ヲ エ フ ヒ ヲ ニ
王 を た ふと み て。 か く は い ふ べき 。た 薗 前 大 將 軍 源 道 義 。 邉 二便 明〆 鱒 賜 軸
書 及物 其 軍聡 共 王
テ ヲ え テ ヲ ノ ニ ク ノ ヲ
朱允攀 警 謝・
之。また明王森 。牽 二董 哭 將戛 告二蕎 箋 肇 乂.
宅 し 葱 丿べけれ。
ヒト
す べ て竜 ろ こし入
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に つ か か る 峯 は 油も じ と い へ共 み だ り に は か Σ ぬ を。 御 國 人 はウ,
物 かぐ す
ぺしらず砿繋 盆 きま へなぐ三 な か めくにぶみ忙 憲 いふ 詞に馨 ぴてゆ そ のま 丶に
酵
し るす故 に 。 ぴ が こと の み し て。 みつ﹂ か ち 皇 図 の く ら ゐ を 需 と す こ と お ほ き ぞ か し 。・訳 に か ・
義持公 ノ ミンノ 矛潟 ク
、.
恥
の 藤 永 廿 六 年 七 月 に 。 、勝 定 院
大 將 軍 の 。
・明 國 の
使 ば 仰 せ し 御 書 は 。 征 夷 ・
大 將 簿 某 。 告 二元 容
つへ
か
ヒ ゑ リ ノ じ デ ク ヲ レだ リ ミ ナル ノ モへ い レヲ
西 堂 鱒 今 有 "嚇
大 明 國 使 臣 幻 來 説 二繭 國 往 來 之 利 四 然 而 有 二大 不 可 者 幻 本 國 開 闢 以 來 。百 皆 聽 ご諸
〃
、
農
ノ ハ
ル サ ζ
い
ジ セ 、
・
頃 年
我カ先
君
・ 。 惑逡 熟
翻 力
螫 紳暫 不 レ許 。 雖 レ云繭 峯 而 丕 敢 自 施 行 嚇也。 二於左 片相不 レ
詳二肥富 口
鑰 憲 蘰 罫 外國船信蘇 藤 .
鶴.鮮 不レ
秘・ 雨曳 レ
辱 先蒙 亦姐藻 熱髪箋 際・
勢 ヲ ヒ 呂 , クタテリ ノ ヲ レカ シテ ノ , .ヲ ザンヤ 一ノ ス 藷 ノ
以 ご冊 書 一誓 二諸 榊 殉 永 繕 ご外 國 之 通 開 幻 孰 纂 二先 君 之 告 命 ℃ 而 犯 二諸 紳 憲 章 繍哉 。 去 歳 既 命 二古 幢
ヒ
、 棗 チ サシム ヲ ・ デ ルハ シ ノ タ セ ル昌チス ノ スマヲ ヲ レ 乳 力 也
、
長 老.四 往 論 二此 意 殉 今 有 レ使 而 至 。 蓋 前 論 之 未 レ達 也 。 叉 責 以 三海 嶋 小 民 。 數 侵 二 邊 國 殉 是 實 我 所
サルナラン
ル モシ フ寸・ハ ント .
ヲ 黒モ テ ムル也 ヲ シヤ 噂
崗ノ ヘチ ヱナサシムル ヲ ソ ルノ
聖 レ不 レ知 也 。 今 悄 云 レ 止 レ之 。 則 前 亦 知 而 令 レ 之 也 。 豈 有 下人 主 。 而 歡 レ民 爲 二不 善 蝸者 上乎 。 何 不
ハ シキ リト ま ハシ ヲ ノ ユ テ スル ヲ クハン ニら ノ
レ思 之 甚 矣 。 雖 ,レ然 。 逋 逃 亡 命 。 或 窟 二身 於 夐 絶 之 海 嶋 殉 時 々 出 害 邊 民 賦者 。 恐 有 レ之 。 當 下命 ニ
シ
ノ 轟 ゐ ク テ ヲ 糧 ( ク ヲ
沿 海 之吏 圃 制 上焉 。 西 堂 宜 下以 ご此 件 殉 欺 々 読 壱之 。 應 永 廿 六 年 七 月 廿 日 と あ り 。 こ の 御 書 の 趣 ゆ
シ ノ コ
す べ て い乏 よ ろ し 。 但 し 大 明 國 と あ る 大 宇 。 例 の わ ろ く 。 御 國 を 本 國 と あ る も 。 今 す こ し あ
ク レヲ ユ
か ぬ 事 也 コ 同 じ く は 矗 朝 な ど エ あ ら ま ほ し 。 百 砦 聽 ご諸 神 煽云 々 は 。 ま こ と に 皇 図 の 道 に か 葱
異 鍮
ぴ で 。 い と も ノ \ よ ろ し き 仰 せ 也 。 す ぺ'て あ だ し 國 人 に し め す 書 に は 9 殊 に 御 國 の 道 の こ 丶
ろ を η.
む ね と い ふ べ き こ と 也 。 然 る を た ぼ 窓 ろ こ し の國 の 道 の こ ﹄ う のみ を も て よ う つ を い
ノエ あ
ノ
ふ 櫨 。 へ つ む へ る わ ざ 也 。 先 君 惑 二於 左 右 嶋と は 。 衷 こ と に さ る こ と 也 。 肥 富 は 人 の 名 也 。 富
筆 覆 聾 官 嘉 け り・ 螽 纂 のあき人 に三 も ろこし へむ つび給はん ことをす あ 嘱
恥
て。 や が て應 永 八 年 の度 の御 使 に仰 つけ ら れ てま か り し者 に て。 そ の をり の御 書 に見 え たり 理
∴默鐵鸛警 下之巻 上 ・
.
・
.
鰰一五
/
麟
齦 戎 慨 鬢
、 -
脚 一大
此 者 の み な ら ず 。 す べ て か ら 國 の學 問 せ る 人 な ど 。 か の國 を し た ぴ て 。 い か で む つ ば せ 奉 ら
ば や と 思 ふ か む 。 君 の御 は ち 。 御 國 の は ち を 竜 思 ぴ た ど ら で。 と か く に そ ﹄ の か し 聞 ゆ め り 9
る
畜 て 竜 ろ こ し の く は し き 事 な ど は 。 上 に は し ろ し め さ ぬす ち な る を 。 さ る 人 ど も の み だ わ に。
シカショリノチ
め で た く 奪 き さ ま に か た り 申 せ ば 。 お のつ か ら 君 の 御 心 も ま よ ぴ 給 ・、事 也 。 自 後 紳 人 不 レ湘
ほ ノ ユ チ サシム ヲ るキ
嚢 噂、 こ れ ま こ と に さ る べ き こ と わ り 也 。 去 歳 既 命 二古 幢 長 老 崎 往 論 ご此 意 硝と は 。 筑 紫 へ牲.
ツカと
て。 か の使 椙 淵,に さ と さ し め し 事 也 。 此 事 。 此 度 叉 參 り た る 使 の奉 り た る書 に 見 え て .・上 に
引り・次 の響 に・篝 耄 とあ 蒙 ・ 此人 曾 鳩となる べ し・ 今彎 吋.
身 ゐ・則藤蒙 砺
ムル毯 ヲ , . 額 ﹁講 止
令 〆 之 也 と は 。.
文 つ た な く て 。・聞 え が た し 。 お し は か る に 。 今 も し か れ が こ ふ ま Σ に 。 と 雪
む ぺしと許 構は覧 整 りみなわが知て難 す るごとく附ゆ ぺし・さちに乏 はあら弌
コ ノ ク ひレ シ ヲ シ
タ と い ふ 意 な る べ し . さ て 同 じ 時 の 今 ぴ と つ の 御 書 ば 。 同 君 日 ゆ 夫 與 二隣 國 瞞通 レ好 。 商 質 往 來 "
ン聾7 騨 累ルハ ヲ スヤ ニ スル
ル鴻 力 ・ か 凸
テ ヤ ノ ヲ ハ レ ノ ル︾﹂ヲ
安 レ邊 利 レ民 。 非 レ所 レ欲 乎 。 然 而 余 之 所 劑以 不 露肯 接 二明 朝 便 臣 鞘者 。
匸其 亦 有 レ詮 。 先 君 之 得 レ病 也 9
髮 ・黥 餌 塾 蜂 奔走精曝 ㌫二
馬監 也・霧 託尢 臨 ・詩 鼻 芽 不下
防二外塾 聾
γ ラ 言 テ . ノ ヲ ケ ヲ チ ヲ . ク 9 レ チ 也もク タ テ 卿
鴨 齢唱 レ 参
臨 。 比 者 變 二褥 聖 王 之 爲 鱒 受 レ暦 受 レ印 噂而 不 〆却 レ之 。 是 乃 所 コ以 招 7病 也 。 於 レ是 先 君 大 懼 。 誓 ご
乎朋婆 参 無茎氤 器 氤 畢摯 辱 鑒 聾曝 薐 僭使彫 ・卿崩 朝行人急鵜
義 撫 鋳 島・砦 砦 下
多 紳毳 嚇
蘇 使昏 亦篤聾 先葺 飛翫 ・群 墜 川
蟄存 薹乎
ス
へ
ノ ルに ム ヲノメニサ ヲ り あ セ カ テ ル ム ノ ヲメ ヂ ヘ ノ
使 貶 之 歸 噂 令 三堅 申 爲 鍮 二此 意 鴫 不 レ知 未 =詳 通 榊乎 。 去 歳 使 船 重 來 コ 亦 使 一
一
奪 持 長 老 鳰 重 儻 二此
3 、 、
サ テ ユ 箪 ルヤ ク ヲ ㌦ ノ 髭 ・ カ ' ハル ゼ タ 多 ル . ダ
趣 櫓 使 臣 歸 司
到 本 國 ℃ 胡 不 下以 "
鱒
此 意 嚇逹 常
爾 圭
む耶 。 余 之 所 圃以 不 レ接 こ使 臣 喝皴 不 壱遘 二一介 輔智 。
ヂ タ. ヲ 豊 セ ビ ・ ノ 魏 メ ノ 凱 テ シ ヲノミ シ ノ ヒ タ
非 ・敢 恃 二嶮 阻 一不 壱服 也 . 順 二明 紳 之 意 鱒 奉 二先 君 之 命 殉 以 行 ツ事 耳 。 昔 元 兵 再 來 。舟 節 百 萬 。皆
O
無 功鼠 手蕗 麌 籍 鰍多 喉人盈 、
籥 蔭 跏鵡 纂 嶺ご 饑 熱 ゆ必織ご
籤 苦
カ ンヤ ル レ 也 ユ ク ェ チ ルヲ セ チ ト . テ ヲ リ ン} ムド
來 吾 國 之 齢 靈 驗 赫 。 可 レ不 レ熟 乎 。 事 詳 二國 史 殉 今 聞 將 卞以 二使 者 不 逋 爲 レ辭 。 用 レ兵 來 伐 ⑳ 使 滋
● シ
ヲメ ク クセ ヲ レニ セ クなルマヲ オ ダ セ クスルマヲ カ ヲ チ ヲ ヘム ヲノ ぜ テハ ノ みぷ
、我 高 調深 城 池 鴻 我 不 レ要 鯵高 二 轂 ,城 竡 亦 不 ゾ要 レ深 二 我 池 殉 除 レ路 而 迎 レ之 而 已 。 至 三夫 寇 判掠 邊
汐 ー ノ スル ノ 昌 イ 也 ル スレベ ント ノ如 ノ如 チ レハ ノ如 ヒ ・雄 テ
園 殉 則 逋 逃 之 徒 。 竄 二於 海 嶋 之 鬮 囀者 之 所 レ爲 也 。 欲 レ討 電 渉 飆 逝 。 師 遐 鯏 鳥 合 蟻 聚 。 而 不 レ受 鵡
鼠 魏也慮 而戮 之捨 ・綾 構粟 費・竃 変㌣ 優 至 申畢 齋 量 飆
義 鵬鵜臨
儀 ル ・レ ノどゾヤ レ 。セ 一 スル﹁ヲ ヲ '
ス レ愚 夢 レ毛 カ ン﹁ヲ ヲ カ ク ・ 墾
所 7爲 。.是 何 謂 哉 。.吾 不 レ欲 レ
拘 罰殺 使 臣 鱒只 要 三彼 不 レ
來 。此 不 レ往 。各 保 二封 疆 殉莊 子 臠 。民 至 二
老 死遍 蒲 爪 二相 街 鴨 焦 か此 之 臨 ゆ 則 至 已 不 亦 休 。 西 堂 以 二此 藩 ⑩ 識 評明 軌 行 ん 殉.湛 鳳 ひ舟 槝ド幸 甚
ミン
チンチガ リ
と あ り 。 此 御 書 の趣 も 。 す ぺ て い と ノ \ よ ろ し 。 .明 王 を 爾 圭 と の た ま へる な ど 。 蘇 に め で
有 すべてか墓 まに蕉 ふぺ嘉 書馨 ・姦敢 悔二
嶮砦 就 老 ゑ 句は・苓 てあ
三 ・ 掌
ら ま ほ し。 木 服 と い ふ ζ と。 獪 かれ を奪 ぶ 意 に な れ ば也 ゆ 此 外 も 。 も じつ か ひ の よ ろし か ら
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馭戎 慨 耆 下 之 卷 よ
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馭 戎 慨 嘗 r . 軸"八
で o 何 と な く か の國 を た ふと む ご Σう に わ た る事 など 。 所 々あ れ ど。 そ ば かけ る人 の誤 り に
夊 、 ・
て。 ふみ の つた な 鳶 に こ そみ れ Ω 仰 せ給 ふ 御 心 ば へは。、す べて いと め でた くコ あ か ぬ こと な
く 聞 え たり 。 か︽ て 此大 將 軍 の程 は。 つぴ に か の國 へ御 使 つ か はす 事 な く てや み にし かど も﹂
かれいさ ふ 暴 た敦 奉 ることもな忘 叉何 のたらばぬ事もなかりしそかし・然 るに明史
デ ・シテ リ クルコヲセ シ ゴ テ 凱
に 叉 い は く 。 宣 徳 七 年 正 月 。 帝 念 二四 方 蕃 國 皆 來 朝 。 獨 日 本 久 不 衫貢 。 命 二申 官 柴 山 鱒 往 ご琉 球 凶
メテ ヲノ セ ニ フ レ痢ヲ ・ テ ヲ ル ビ ニフ ヲ ル
冷 "ユ其 王 轉 謌論 日 ホ 刈 賜 二之 勅 崎 明 年 夏 。 王 源 義 歡 遘 レ使 來 ゆ 帝 報 レ之 賚 鱒白 金 綵 幤 崎 湫復 至 と い
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へり 。、宣 徳 は 。 か の國 宣 宗 巴 い ふ が 年 號 。 そ の 七 年 は 。 ∼
ノ 丶 ・ 、 義 教 ノ .
ミン
後 花
園 天 皇
の 御
世 。
永 享
四 年
に あ た れ
り 。
國 寶
記 に
。、
そ の
と し
普 廣
院 大 將
軍 よ拶
りや 明 王 に賜 ひ し
御 書 あり 。 明史 に明年 云々と い へる は。 此 御 使 の年 を こえ て か し こに は至 り つ き しな る べ し。 鮎
か の 王 よ り こ た へ奉 れ る 書 も あ り て 9 宣 徳 八 年 六 月 十 一日 と し る せ り 。 そ 竜 7 \ 此 大 將 軍 竜 、
ノ も ノ
・鹿 苑 院 大 將 軍 の 御 子 に て 。 勝 、定 院 大 將 軍 の御 弟 也 。 然 る に紳 た ち の御 心 に も 。﹁父 君 の 絡 り の
. ゴド
御 い ま し め に も 。 兄 弟 の 御 心 に も み な そ む き て 。'又 し竜 か の王 が例 のみ だ り言 に あざ む かれ
へ
て 。 よ ろ し か ら ぬ 御 む つ び し 給 ぴ し は の か へす ノ \ 必 ぢ き な し 。 さ れ ば 此 大 將 軍 。 よ こ さ ま
ミイノチ 触 . ルハ レ
の わ ざ は ひ に て 。 御 命 う せ 給 ひ し 竜 。.こ と ゐ 吻 あ る こ 巴 に な ん 。さ て か の 御 書 にコ 買 茆 不 レ入 。
ヨリレリ ギニ , コトバ
固 縁 二弊 邑 多 ㌻虞 な ど 丶 の た ま へ る 詰 あ る は 。 と し ご ろ 久 し く 御 使 つ か は す 事 の 。 と だ え た り
无 禮
傲 謾
し を 。 か く い ひ な し て . こ び 給 へる 也 。 明 王 が 御 こ た へ の書 。 例 の ゐ や な く み だ り な る こ と 。
叉 此 大將 軍 を い み し く ほ め聞 え た る こと な ど 。 も は ら さ きゐ\ の同 じ さ ま也 β 文 明 史 に。 ナ
テ クヲ ヲ シ ヲリ ス ル フ ヒ ゐ ヲ
年 十 月。 以鯖
蝋英 宗 嗣 サ位 。 遣 レ使 來 貢 。 正 統 元 年 二 月 。 使 者 還 。 賚 二王 及 妃 銀 幤 ㎡と い へ る 。 十 書
.
丶
年 は 。 同 じ 宣 徳 十 年 に て 。 永 享 七 年 に あ た れ り 。、國 寶 記 に 。 又 永 享 六 年 に つ か は し た る 御 書
、
ク艶 賀 参 立
を の せ た る 。 こ れ か の"
英 宗 が 立 る を ほ ぎ 給 へ る御 書 と 聞 え た り 。 然 る に 既 英 宀示が た て る は 。
同 七 年 の 事 な れ ば 。 六年 と あ る は 。 七 年 の,誤 な る べ し 。.さ て か の 王 が こ た へ奉 れ る 書 も 有 て 噂
ま ノ
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正統 元 年 二月 初 囚 日と しる せり。 永 享 八年 に あ た れ り。 次 に明 史 に。 景 泰 四年 。 入 貢 至 臨
ニ
ム ノ ヲ
清 一掠 二居 民 貨 噂云 々 と い へ る 。 景 泰 は 。 .
か の國 景 帝 が 年 號 。 そ の 四 年 は 。 亨 徳 二年 に み た れ
`
り・國 寶記 に・寶 鑾 年 に・盤 辭 謬 軍 より たま ひし響 ・又その御管 奉りし盟 が書
ボ
も あ り 。 そ れ に景 泰 五 年 正 月 初 九 日 と し る せ り 。 然 れ ば 寶 徳 三 年 の 御 使 。 二 年 過 て 。 亨 徳 ニ
ノ メ ヤ テ ノ テ ヲ ニ
年 に 。 か し こ へは い た り し に や 。 次 に 叉 明 史 に 。 天 順 初 。 其 王 源 義 政 。 以 下前 使 臣 獲 二罪 天 朝 ゆ
講 恩欝 簍 準 舞 嚢 ・栗 二
鷺 嵐殉葬 霧 鮮番 軋二籤 覇 蟹 晦 誌 勅動 繕
飄レ
辱 愈 孕 灘 壟 蠢 蚤 葬 仇。・萎 得鸛 簸 徳,
鮮 薐 亦不辱 成化四年冩
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馭戎慨 言下之卷上 .
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舞 鶴鳶 ・脚 鳥云誤 へる・天順は・ か財 蓁 がふゲ 象 てゐ齧 の年號.そ
ノ
.
の元年 。長 祿 元年 にあ たれ り。 移 斗鸛 朝 鮮 玉 輔
云 々の事。 康 正 二年 に② 同 大將 軍 より 。 朝 鮮 玉
・に賜 ひ し御 書 の申 に見 え。朝 鮮 王 よ り答 へ奉 り し書 も あ り 。威 化 は。 憲 宗 が年 號 。 そ の四年
は。 `
.
後 土 御 町 天皇 ⑭御 世 。 應 仁 二年 にあ た劇 り 。 國 寶 記 に。 寛 正 六年 に。 同 大 將 軍 よ り。.明 王 に賜 ぴ
し御書あり・此稷 ・響 ら る重 奪 ・ 三年 の後・應仁二年 にかの王が所 へはい有 し也。
ユシテヒ メ テコス ヲ
此 御 書 は 。 端 溪 ほ う し が か け る を 。 其 申 に 。乎白 日 西 照 再 中 。 以 發 二皇 明 轍
と い ふ詞 あ り 。 これ
シタゴヘカ
に わ が 日 本 の光 を 。 か の 國 に 蒙 ら し む 乏 い ふ 下 心 鷺 ふ 風 め た り と 。 み つ か ら い ぴ 。 ﹁
叉永享六 丶
、年 に・讐 ほう←がかけ る幽 きの響 鬼 秋 水長天鶴 ハ
辱 聾 聾 上} 蛮 和氣同仁。
.
謙 鼾 聾 と い へる語は・衡 どかの國㌔ 上下 の壁 め・ さだめがた憙 をを めたりと
'・
シタゴヘロ へ
い へり 。 さ れ ど こ れ ら の 詞 に 。 さ る 下 心 あ り と は 。 み つ か ら こ そ さ 思 ふ べ け れ ど 。 さ ら に 御
ギヘシル 〆
國 人 だ に え さと ら ぬ こと な れ ば 。 ま し て か の 國 人 の 。 い さ ㌧か も 聞 知 べ き に あ ら ず 。 こ と わ
へ
ゆ
シタ
マ
ヒ
し
蹟 馳
ざ に い は ゆ る 。 す の ご の 下 の 傷 に て 。 な に の か ぴ な き い た づ ら 事 也 。 す べ て さ る こ 乂ろ を。
`あ ら は に は え い .
は ヤ 。 か 礼 が き 丶 し る ま じ き さ ま に 。 ま ぜ ら は し た る は 。 'い と 心 ぎ た な く 。 、
' 、
、
笑 リ ス・ ヘテ ノ ノ ヲ 毎
中 々 に 人 わ ら へ
な る
わ ざ な る を
や 。
次 に 明 史 に 。 十 三 年 九 月 。 來 頁 云 々。 使 者 遞 ご共 王 意 噴
フ テ ノ ニ サンコヲヲ ソ フ ヲ タ ス
請 下於 二常 例 外 輔檜 占 賜 。 命 賜 二錢 五 萬 貫 鴨 ニ ナ 年 十 U月 復 頁 と い へり 。 か の國 の 成 化 十 三年 は "
文 明 九年 。 二 十年 は。 同 十 六年 にあ た れ り 。國 寶 記 に。 罔 大 將 軍 よ り 。文 明七 年 。 叉 同 十 五
犀 に つが は し Σ御 書 あ り 。 これ也 。 此後 も御 使 つか は し 丶事 は 。度 女込 ろ こ し の書 共 にし る
せ れ ど も 。 大 將 軍 の 御 い き ほ ぴ も 。 あ る か な き か に お と ろ へ給 ひ て 。 天 の 下 い み し く み だ れ
ニシクニ
つ る こ ろ ほ ひ な り し か ば 。 か の西 國 の あ ふ れ も の ど も の。 か の國 へわ た り て 。 あ ら ぶ る こ と
逋 信
も 9 いよく さ か り に て 。 御 むり び の 使 も 。 い と ま ぎ ら は し く な り つ エ。 な に く れ と み 渇 り .
が はし き事 共 のみ に て。 いと ノ\ あ さ ま し き あ り さ ま なり き。 そも ノレ さ ば かり 榔 申 み だ れ
廢 , おホ 卓
て 。 萬 の 事 す た れ た り し ほ ど 迄 も 。 か く 遠 き も ろ こ し の む つび を し も 。 や め 給 は ざ り し は 。
ヘ ホカ
い か な る 故 に か と お も へ ば 。 た 雪 か の國 の物 を む さ ぼ り 給 ふ ば か り に て 。 さ ら に 外 の こ 墨 ろ
■
は な か り き 。 然 る を か の國 に は 。 皇 國 を ば え も い は ず お そ れ た り し こ ろ な り け れ ば 。 御 使 の
. 靆 礁 飽
ま か れ る度 ご と に 。 物 は こ ふ に ま か せ て 。 お ほ く 奉 り け る か ら に 。 い よ / \ む さ ぼ り て 。 あ
ノ
く よ な か り し よ し 。 か の國 ぶ み ど も に 見 え た り 。 か の慈 照 院 大 將 軍 の 。 文 明 十 五 年 に つ か は
したりし響 の中に・卿 欝 ん馬二
焚藝 臨蕗 錢鑑地 而蠹・官庫奮 ・侮款 罵 ・金 路議
び
馭戎 慨 鬣 下之 ・
卷上 辱
・
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一二 懶
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熟
駅 戎 漑.嘗 ,
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傳鶴天 軌・所レ
讚 此耳・鰲 麋 ..
覆 臺餮 籌 隷
読 豼 ①則釁 髴 蔦.嘉
へる こ と あ り 。 、・
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皇 朝 の大 將 軍 と まし く て。 天 下 の御 政申 給 ふ 君 の、 物 こ そあ ら め。.わつ か に十 萬 貫 の錢 を し 畜
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奪て 。 入 の 國 へ か か る ま さ な き 事 の た ま ひ つ か は し け ん こ と よ 。 あ さ ま し な ど も い へ ば
も
シ
よ の つね也 。 大 か た天 地 わ か れ て より こな た 。 此足 利 の よ 義の大 將 軍 の御 敷申 給 へり し ぼ ど
ば か り。 何 事 も あ さ ま 七 かり し世 はな か り け り 。 まつ は じ め に。'
・
後 醍醐
毎
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.耽
、
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後 村 上 臼
﹁
.
・∼ 、
' .
覊 些 讐 の天皇 を・隼 まし奉り給 ひし・ 掛 しき 許 は・ さらぽ 譲 ず・そ の も いと
、も か し ヒ く。
・
、
覇 のいよ弋 穿 にお髫 へ喜 給 ひし逐 C 素 の下も。 こ菰 た行委 ぐ ひ莟 まで。
み究 にみ だれ つ 兆 謔 舒 忽 ろー の瓢 ギ 。學問 の導 。 ようつ の妻 . なべて
おとろ へにおとろ へて。よ の農 た善 山の木募 霾 しぼみて。螽 はてたるごと くに潅
ん存 る・ しかばあれ蔓 こ撫 崔 勢 あちびぢ しほ毒 。慮 しのず を に髦
働
有 け れ 。 さす が に
プマツ ヒツギ カム
ヘ ミ サあ
天 津 日嗣 の御 位 は。 いさ ﹄か も た じ ろ き給 ふ事 な く て。 紳 な がら 傳 は り ま し ま せば 。 又古 の御榮
信長公ノ '・秀吉公ノ 追 次,、
え に立 か へり給 は で。や む べ き な ら ぬ ば。 いく ほど も な ︽ 。總 見 院右 大 臣 つ 豐 毬 紳 のお ぴす
がぴ て。同 じ 尾張 幽 よ勢 出 給 ぴ て。 ー " 匪 啣 .
崇 霹 、
皇 朝 を あ が ま へた ふ と み奉 り 給 ひ て。 天 下 を はら ひ しづ め給 へる にぞ。 よ の中 は。 枯 た り し 木草
の・ 春 立 か へる めぐ み にあ へるが ご と く な り け る・.かぐ て朝 彎 國 をも こ蛾 む け給 へる 禦
き ぼ ひ に・ 萬 の璽 ・ か のも ろ こ し 舞 ら図羅 いよ く ます ー 暴 ひ艶 た り し は ・竜
ノ シヅマリマ ノ ノミッルギ ミ 徳
は ら か の尾 張 図 に 鎭 座 す 。 熱 田 大 榊 草 薙 御 劔 の 御 い さ を に な ん 有 け ら し 。冖
、
舜
、
脇
、
恥
駁戎慨言 下之卷上 一嫡
三
〆
軸
駕 .
鈴
駁 戎 漑 書 一二 四
●
馭戎 慨 言 下 之卷.
下
耄 ー あ 豊羅 の・ てうせん の國 を詐 給 ぴしは・.
幟
ノ 辱
.
後 陽 威 天 皇 の御 世 に し て 文 緑 元 年 よ り 事 始 ま り き 。 そ の 程 は は や く 關 自 の つ か さ を ば 。 秀 次 君 に
ゆ づ シ
ミ
ノ サ
ノ
ナ ゴ ヤ
り 聞 え 給 ぴ て 。 太 閤 と な ん 申 け る 。 御 み つ か ら は 肥 前 國 松 浦 郡 な る 。 那 護 屋 の御 營 に ま
"
ノ ノ
し ノ 丶 て 。 備 前 宰 相 秀 家 卿 を 。 す べ て の.
いく さ の君 と し。 加 藤 圭 計 頭 清 正 小 西攝 津 守 行長
先 鉾 そ 、 ミイクサ .
を さ き てと し て。 の外 あ ま 沌 の大 名 た ち。 お び た ﹄し き御 軍 お し わ たり て。 た やす ぐ か ρ
國 王 を ば お ぴ お ε し て 。 そ の 國 を の こ り す く な く う ち と り 。 叉 も ろ こ し の國 よ り 。.
.あ ま た 軍
爵 ・ ・ 救 ・ . 9 ミ 。
を 出 し 。 度 々 を さ を か へな ど し て 。 と か く す く ぴ し に も 。 戰 ふ た び ご と に 御 軍 の み か ち て 。
い と ノ \ い み し き 御 い き 椴 ひ な , け る こ と は 。 畠 凶 の 書 に も 。 朝 鮮 も ろ こ し の書 ど 竜 に も 。
ミン
つ ぶ さ に し る せ る が ご 乏 し ウ 雌 時 明 の國 は 。 紳 宗 と い ふ 王 が 世 に て 。 萬 暦 廿 年 と ・
い ふ年 の事
なりと ・齧 の鑑 ふ挈 響 ㌍ 藩 を馨 て・喜 梦 いぴ三 その王も難 ギ ㌔
辭 累 知 蕨 驫 周 牽 ∼
い み ㍗ く お ち を の 玉 養 つ L。 い か さ ま に せ ん と そ あ は て あ へり け る 。 朝 鮮 王 は 季 壌 と い ふ 所
葦 ◎
1 .〆
/
へ忙げ の き し を。 一 でヒ に 竜 え あ ら ず 。 ま だ に げ て 唱 義 州 と い ふ ど こ ろ に ゐ た り し が も と へ。
ノ 、 . ト 六 ヲ レ ノ 、
小 西 行 畏 の も と よ 嫉 い ひ つ か は し け る 書 に い は く 。 碍 本 輿 二穴 明 一動 二干 戈 鱒 是 九 牛 一毛 魯 大
・ 也 り・
戸 テ キヲ 亀 ス 爭ントヲ " 也 ク . ブニ ニ
海 ∼粟 也 。雖 レ然 。以 レ難 レ違 二國 命 殉 要 レ借 二路 於 朝 鮮 鱒 吾 國 輪統 以 來 。 國 富 民 豐 。 無 レ
望 レ奪 レ國 。
ルる ヲ チ ス セントヲ チ ノ ユ チ ンユ ニ
クノ ヲ ぶ
ウノソヤ
叉無 レ 意 レ掠 レ財 α 只 以 欲 レ復 ゾ怨 也 。 朝 鮮 介 畿於 爾 國 之 際 殉路 經 入 二大 明 四除 二朝 鮮 軸外 。又 何 國 乎 ・
ノ 敵
云 々乏 い.へり 。 九 牛 毛 云 々 な ど は 。 か だ き を あ 瓶 ど り て い は ん 詞 な ど に こ そ 。 か く 竜 有 べ
へ
け れ 。 か 乂 る を り に お の が國 の事 鷺 。 か く い へ る は 何 事 そ や 。 此 程 御 國 の 御 い き ほ ひ の さ ば
静勇ザ 、 文 辭
かり 盛 な り し にあ ば せ て は 。 か 丶る ふ み こと ばど も の。す べ て か く よ わく つた な か り し こ そ9
モト
い と / \ く ち を し く 。 あ か ぬ わ ざ な り し か 。 か く て そ の年 の 八 月 。 行 長 が 夲 壤 に あ ひ け る 許
プ 顎 條
へ。 朋 國 よ り 遊 撃 將 軍 沈 惟 敬 と い ふ も の 來 て 。 む つぴ を こ ぴ け る に 。 行 長 あ ひ て 。 七 く だ り
の爨 仰せ て・翳 これを許 騨 嵩 らば・馨 や めてん・.
五古 が讐 に・触 へりことせ
シ セル ノ
よ と い ひ つ け や り き 。・又 そ の と き 沈 惟 敬 が 竜 と へお く い し 書 あ り の、 H本 差 來 先 鋒 豐臣 行長 。
テ ス ノ 輪
" 。 スルツ ヲ シ メ ルト ・ヲ 轟 , セ
謹 啓 三大 明 遊 撃 將 軍 沈 公 閣 下 幻 日 本 絶 二朝 貢 軸者 久 矣 。 、
數 年 雖 レ求 コ計 和 議 於 朝 鮮 殉 朝 鮮 不 レ應 噸
ノ 激 ニ セ9 ヲ レ ニ .・ ル 鑑 鎮 スルノ 呂 力 ・ ヲ シテ
日 本 之 求 噂 故 起 レ兵 矣 。 惟 時 閣 下 來 二弔 壤 殉 實 爾 國 復 二舊 規 賄
之 起 本 乎 。 抑 閣 下 以 二轉 奏 鴫 遘 一
天 ・
ン リ
コ セ サ ハ ノ ヲ ン ナ ルコ ヨリ ヘシ レハ サ ヲ ツコ チ ヲ ン ト
使 於 日本 幻 以 爲二和 親 之驗 鴫 則 幸莫 レ大 レ焉 。若 見 レ
許 二天 使 殉 財 相 待 者 以二中 間 五 十 日 圃爲 レ期 。 。
駁戎慨 言下之卷下
' 先 網二竃
馭 戎 憐 冒 , - ` 例三 ハ
ヨシ
ラ バ
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い
シ
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フ セヨ
・若 又幌 レ期 者 。酔剣 難 レ留 二日 本 諸 將 於 朝 鮮 城 中 殉 伏 乞 亮 察 。 誠 恐 頓 首 不 宣 と い へ り 。 明 の書 ど
も に 。 宗 應 昌 鵆 籾風 鞦 訪惟 敬 ∴鸛 上と い へ る は こ れ な る べ し 。 寄 て 此 書 に 。 謹 啓 云 々と い へ る。
ス ノ ニ
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7
い と わ う し 。、た ゴ 鍮 帆
一明 遊 撃將 軍 崩と 有 べ じ 。 さ て 日 本 絡 二朝 買 鰰と は 何 事 そ や 。・
此時 か け て も
・い ふ ま じ き 詞 也 。 朝 鮮 の懲 紫 録 と い ふ 書 に 。 此 度 の 御 軍 の 事 を 。 皇 凶 め 玄 蘇 と い ふ ほ う し が 。
さきに朝鮮バ撫 そかに瀕だり窒 詞 に・ 蟲 ん緬 鯑
日蒼 不レ
墨 塑 身 霧 吉鈴 癰 憐ご
憤 恥 殉 仇 ゼ趣 勘興 嚇 幻 朝 鮮 施 篤 費 亂 9 嵐 嫡
ゴ貝路 徹 ㌻嵐 臼ヲ則 必 無 "事 と い ひ 。 叉 同 じ ほ う し が 。 又
ビる む スレた テ ヲ ノセント
ニ サ ユ レリ ユ
朝 鮮 人 に い ぴ け る 詞 に も 。・a 本 欲 三借 レ道 朝 ⇒貢 中 原 司 而 朝 鮮 不 レ許 。 故 事 至 レ此 と い へり 。 今
の書 の
趣 マ、
ζ れ ら の 詞 と も は ら 同 じ 。 も と よ り 此 に う し は 。尹
此 度 の 御 軍 の中 に あ り て 。 朝 鮮
耄 こしの書 のか隷 などを つか喜 れるも の蕊 稽 砦 長 が書 も・ これがかきつらん餮
6
朝 貢 など W ふぴ が しと は、 お のが わ た く し の心 も で 書つ るか。 叉 は行 長 も と も に か た ら ぴ て。
ヘ
膝 テ ス セントヲ
か り ご ど 鴇 か ぐ い ぴ な せ 惹 か 。 さ き に 朝 鮮 王 に お く り し 書 に は 。 只 以 欲 レ復 レ怨 也 と い へる
辱 甚 ・ 悔
と 。 い た く た が へれ ば 也 登 と ま れ か く ま れ 。 大 閤 の 御 心 に に 。 い た く そ む け る こ と 也 。 そ の
う へか Σ る 詞 依 ρ 後 の 世 ま で鋼 國 の び 輝 り を 漉 と す こ と な れ ば 。 た と ひ か り そ め の は か り ζ
と に も あ れ 。v必 い ふ ま じ き わ ざ 也 ゆ ま た 天 使 と は 。 わ が
騒
`
潤
天 皇 の
御 使 ノ さ
ハ
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な ら で は 。 い ふ ま じ き 事 也 。 こ Σ ば 足 下 轉 勾啓 明 主 殉 邉 二便 日 本 蝸云 々な ど 玉 か く べ し 。
シ メ ノ ヲ ノ ニ ノ
・
難 レ留 ご日 本 諸 將 於 朝 鮮 城 申 髄と は 。 わ が 御 軍朝 鮮 に と 冥 ま ら で。 明 図 ま でせ めゆ かん と い ふ
ン
意 な め れ ど。'文 つた な く し て 聞 と り が た し 。 誠 恐 頓 首 な ど も 。 か 瓦 る を サ の書 に は 。 あ る、
ま
ミン
リ
じ き ゐ や ま ぴ 詞 也 。 か く て 沈 惟 敬 は 明 に か へり 。 右 のく だ り の 事 共 を 其 王 に か た ら ぴ て 。 ま
紳 の舮 の盤 ひ
閉 叉來 て・か の七くだり の事義 尹 けがひ奉 りけるよし幽 へり こと申
せり。行銑 つダ お のがもと吉 ね がふことなりけれ ば・獪よきさまにとぢ く ろひて申
け るに。太閤 蒙 嘉 ぼしめして。御ゆ るし有ければ・明王 が使また沈惟敬 をも絆 三 那護
屋 の戳 に參 菰 。文隷 二年 五月 の事努 き・大 駐 の使謝 用梓徐 頁 を艦 にめしてあぴ
給 ひ・む つび の薯 かだめさ蘿 ぴ 三 ねパごろ暴 へしらひ給 ひ・物などくさぐ 賜 ひ三
六 月 に か へ し 給 ひ き 。、
此 と き さ き に い け ど り に し た り し 朝 鮮 の 竜 の溜
ど竜 . 王 が子 を はじ めみ
セ ト
な ゆ ゐ し て 歸 し 給 ひ に き 。 又 朝 鮮 に あ る 人 々 の 竜 と へ。 此 時 に仰 つけ し 御 書 に い は く 。 大 明
興二
日塗 和霜 養 々。 莢 袈 レ
鎌 者・不レ
可レ有耘 墨 と薦羹 墾 脊 大明帝書 響 ・
呆 帝薯 鐸 后鵡 被 耜 泌之亀 ㌦恥 ぎ 勘宴 儀・可恥 聾 事・、
芙 明呆 武宜 悉
蠶 可二
塾 事﹄ 肄 國之儀.鑄 懃 費 饗 臨 毳 緯輔
先 冀 百姓早 馨 之擬・
駅戎慨 冒下之卷下 ,
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甲
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、 榊二七
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、煽
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'馭 、戎 慨 曇尹 一二八
彌遣 二人甑響 可 レ被 二仰 下 "
候 。 今 度 大 明 國 へ観 ひ仰 臨 嶋
條 數 。 於 二相先 噂者 。 朝 鮮画 王之 儀 。 雖下
不二相聾 鰆 竈 にめいじ喜 られ・瓦者最前 纛 をも皇 篠 。
'朝篷 誕 衞 。 勝 被
拳 窩 墨 鬟 ・右孝 天 ・麥 彙 可二相渉 候事。 姦 墓 坐 子二人之響 。非条
下之誉 候條・相雛蟹 聾 四か 簸 ・唯今遊籍 添。爨 國 へ可憙 事。 覇 鮮國家老嚢
む ス ニ カ リ キシ ヨリ
共 。 永 代 相 違 有 間 敷 と の 誓 紙 之 事 。 右 之 趣 可 三申 周渡 大 明 之 勅 使 輔事 軸 一牧 ー使 城 取 卷 仕 寄 築 山
申傷・手負無乏 驚 二
覺蝿 鵁 何も丈夫 に街・ 天 も不 撫 可二討舉 事。 於 真 レ 潺野
翫 ・可レ
致蔵 敗 渦
事・ 弧 國成 敗之 上に而・磊 之籍 捧。 依麟
λ 數 之多少城之大身 .舞
ラヒ レ ニ
ル タ
計 夫 々可 レ被 レ持 事 。 一中 國 衆 隆 景 。 四 國 衆 船 ギ 之 者 共 之 事 。 九 州 衆 之 外 に 而 候 間 。 釜 山 浦 熊
ノ シ ニ
メ レ ク
川 浦 其 近 所 可 レ然 之 事 。、一兵 粮 藏 之 事 。.其 城 持 應 二人 數 叩 相 定 可 ご入 釐 一事 。 一竊 囀 右 同 前 之 事 ,
レ ンワピコか ヘ フ ク
一鉄 炮 玉 藥 可 レ鳳 二同 前 一之 嘉 。﹂ 自 然 大 明 國 御 佗 言 申 上 候 と 云 共 。 無 二油 斷 嶋右之通可輔 蝋
申 付 一
候・來年名護屋 へ夢 虜二在飾 可レ
被二仰付 馨 。 一魯 氣 下
蟄 相聾 占 者。鷺 宰想 暑 。
名護屋 へ可参 姦 之事・ 鐘 鑄 馬 には。 騫 響 奮 被二仰付事 。 蕕 塊鎌 毒
き ニ
レ メ
熊 谷 傘 次 水 野 玖 左 衞門 。 兩 人 被 二仰含 凶候 事 。文 祿 二年 五 月朔 日。 秀 吉 朱 印 ひ 濺 野 彈 正 殿 。黒
田勘 觧 由 殿 。 塘 田 右衞 門 尉 殿。 石 田治 部 少 輔 殿 。 大 谷 刑部 少輔 殿 とあ り 。 此 御 書 の申 に。 大
セ ノ
明 國 へ仰 出 さ る Σ條 數 と あ る 。 大 字 は 例 の 事 に て ぴ が こ と な れ 芝 。 の た ま ぴ ざ ま よ ろ し 。 朝
サ
ヲ ぜ シ ス
鮮 國 王 之 儀 。 最 前 一禮 を も 申 上候 條 。 可 ヒ被 レ遣 二四 箇 道 鴫事 。 これ も よ ろ し。 右 之 趣 可 レ 申 コ渡
ユ
大 明之 勅 使 殉 これ も よ ろし 。 但 し大 明之 勅 使 は。 いと わ う し。 明 國 之 使 者 と い ふ べし 。大 明
國御響 申 上候 共 と誓 ・豊 舞 によろし・些 言 を以 て瀧 こ突 閤 の御心 のぼど・お
も
し は か ら れ た り 。 す べ て漢 文 に か 丶 む に も 。 何 事 竜 み な 此 さ ま に こ そ い ふ べ き 事 な れ 。 大 明
ノ シテ ト 。 シ
帝 王 之 姫 宮 。 H 本 帝 王 之 爲 レ后 。 可 レ被 二相 渡 一之 由 可 レ 申 事 。 こ れ は も と 沈 惟 敬 が申 そ め し 事
も
も
ノオ
に て 。 む か し 漢 の代 に 。 公 圭 を 匈 奴 に あ は せ し 例 も て 。 あ だ し 女 を 。 明 王 が む す め と い ぴ な
ミン
し て 。 大 閤 に 奉 ら ん と 。が の國 に て ば か ら ひ け る よ し 。 明 の書 ど 竜 に 見 え た り 。 然 る を い ま
せイ ゆ
帝 王 之 后 に と あ る は 。 す べ て あ だ し 國 人 と か た ら ふ こ と は 。 詞 を つ た ふ る あ ぴ だ に 。 か 乂る た が
ひも 有 しな ら ん 。 又 は 大閤 みつ か ら は年 老給 ぴ て。 に つか は し か ら ね ば とお ぼ し て。 皇 后 に
戎 ムズメ
と さ だ め給 へ る に や 。 た は ぶ れ に も か ら 王 が 女 を 皇 后 に な ど 玉 は 。 い と け が ら は し き さ だ め
ノ 、 シテ ! ト シ ス
也 。 又 此 の た ま ぴ ざ ま も 。 よ ろ し か ら ず ゆ 明 王 之 息 女 爲 二日 本 帝 王 之 皇 后 殉 可 二相 渡 鴨 な ど 丶
ヒ そ あ ら ま ほ し け れ 。さ て 又 此 時 に 。行 長 な ど 曳 。明 の 使 の 者 と 。た が ぴ にむ つ び の 事 を ち ぎ
ザ か た め し 書 あ り て 。 大 閤 記 と い ふ ふ み に の せ た り 。 其 詞 の い と つた な き こ と は さ る 物 に て 9
馭戎 漑 言 下之 卷 下 一二九
の
●
の
馭 戎 .慨 言 。 ・ ニ ニ○ ・
ア タ ニ フト
サキハ
いとく あ るまじき事共 お ほ し。 ひとつふた つ引出 ていは璽。 日本聞二
和親之實鴫途結二屬
亂之紅 則 塊二日杢 鐸 先野 駕
雛聾 製 レ
墨 喬 之蓋 幅
乎・と 父 る}
と あり・屬 國と
は 。 朝 鮮 な ど の ご と く コ ぴ た す ら か れ に し た が ぴ を る 國 を こ そ い へ。 か た じ げ な く 皇 國 を し
も し か い へ る こ と 。 す べ て 物 か く す べ し ち ぬ も の乂 し わ ざ と は いび な が ら 。 あ ま り に つ た な
テ ノ ヲ シ ごの
き こ と そ か し 。 叉 い は くゆ 以 ご日 本 誠 心 一奏 ご天 朝 一云 々。 明 を さ し て 天 朝 と は 何 事 ぞ 。 か 玉 る
テ
た ぐ ひ は み な 。 か れ に し た が へる 朝 鮮 人 な ど の い ふ に な ら へる ひ が ℃ と 也 。,さ て 大 閤 以 二和 ・
ノ ヲ ノ リ ニ サト ニメ スルヰハ タリナミスルニ ヒ ヲ エ テ ヲ ク ヲ
親 大 概 殉 書 在 ご懐 裏 殉 雖 レ然 私 而 决 レ 之 。 則 似 レ無 鼬
天 王 及 關 白 殉 故 馳 レ使 告 レ之 と い へ る 。 此 お
も む き は い と よ ろ し 。 す べ て も ろ こ し の國 と の ま じ は り の ふ み に は 。 こ と さ ら に も
・
天皇 の卿 事をあらはし鳴 て。そ の國 人にも。 、 畠 ず
つ
皇 朝 の かぎ り な く尊 き ほど を。 し め す べ き わ ざ也 。 そ は .
,
天 皇 を た ふと み 奉 り給 ふ のみ なら ず 。 大 かた 御國 の た ふ と き事 をし め す し わ ざ也 。 其 故 は。 まつ
此 度 の 大 閤 と 明 王 と の御 む つび な ど に も 。 か れ は 皇 帝 と な の り て 。 お の が う へを い ふ 言 。 す
べて た ふ と ぐ あ か ぬ こ と な き に。 こな た は 。 う け ばり て皇 帝 と な のり給 は ん こと も。 ば 窒 か
ン が
ヘ
り 有 て 。 わ が 御 う へを の た ま ふ 雷 。 み な 一鳶 は ぴ ぎ く て 。 あ が ぬ こ と お ほ し 。 さ る は も は ら
、
天 皇 を は 璽 が り奉 研給 ふ が故 な れ ど も。 其 御 事 を。 ︼言 も あ ら は し て恥 給 は で は。 た 璽 か し こ の
ル
王 に揮 り 給 ぴて の ∼ザバ丶だ り のご と闇剛え て。 御 國 のく ち ゐ のお つる こど也 。 然 るを 上 に
等
天 皇 のま し ま す 御 事 を。 か き出 給 ふ と き はつ み つ から の御 事 を ば 。 一き ざ みく だ し て のた ま ふも。
の み な そ の
天 皇 にと ころ 爵 り擱 え給 ふ ほ どあ ら は なれ ぜ。 か の王 をは 璽 か り給 ふκ似 た ゐ きら ひ なけ れ ば也 。
さ て し か大 臣 と し て 。 か の 王 乏 む つ び 給 ふ は 。 い よ く .
天 皇 の 御 た ふ と さ は 。 か ぎ り な き 物 に て 。 皇 國 の く ら ゐ 。 一き は 高 く 聞 ゆ る わ ざ な る を や 。 さ て
此書㌣
チ ヲ ク ヲ
天 皇 の 皇 の 字 を か へ て。 天 王 と か け る は 。 い と わ う し 。 ま た 馳 レ使 告 レ之 と い へる も 。 よ ろ し か ら
ず ・ 発 レ為 と あ る べ し 。 か の 明 王 に い ふ と い ふ こ と を ば 。 誌 一
天 軌 嚇な ど 丶か き な が ら 。 わ が
天 皇 に申 す をば 。 告 と いひ てよ ろ し か ら んや は。 關 町 と は秀 蜘 君 の御 事也 。 こ は大附 の御 子 な れ
ど。 今 の關 質 にま しま せば 。 此 御 事 を申 せ うも よ ろし 。 次 に大閤 沈 惟 敬罅
に た ま へる御書 あ り,
呆 國鯖 募 吉・書大悶 篷 馨 軍沈憲 摩下・
・大明呆 籍 甑 施ご
朝齢 欝 ん二
馳前礬 皐 瓠誕二
μ 謬 費 猛犠 ・長盛吉繼三成行長四臣・具套 馨 矣・急雖レ餓 華
駁戎 慨 言 下之 卷 下 、
.
,
コ﹃ 一
σ
蔚 風
・
馭 戎 慨 言 ⋮ . ・ 二一
三
。 ヲ ス ノ ヲ ニ シ ス ヲ ニ テ カ ニ シ キャ 入 ヲ ルハ ラ
瓊 報 曲 前 年 委 ご關 白 職 於 秀 次 殉 秀 次 可 レ逹 二之 於 天 聽 隔
也 。 任 二予 思 慮 殉 ⋮
難 レ可 レ决 二大 事 噸 不 レ紊 こ
大縞老 離 也・鑒 景 對 塩 水雲違塵 黛 大器 萱 隻 ・
翳 謇 屯爺 湯
獪 觀 。 不 レ捨 二晝 拠 殉 塊 命 ご侍 臣 殉馳 ゴ朋 楓 イ 檄 書 律 ご相 憙 畷ヲ篤 レ撫 牛囘 輪 弔 餓 著 陥 二四 臣 舌 鼠 幻 書 ;
ヲ シ ノ セヨ 昌 ヲ 七リヲ
底 蘊 殉 方 物 如 二別 録 殉 領 納 。 特 長 刀 十 振 投 鱠 焉 。 以 二黄 金 圃
纏 勾裹 之 殉 不 宣 。 仲 夏 日 秀 吉 朱 印 。
ス ニ
ノ 鼕
逹 ご沈 惟 敬 遊 撃 將 軍 一と あ り 。 ま つ 例 の大 明 の大 宇 。 日 本 の 上 に う つ し お か ま ほ し 。 秀 吉 と 御
ノ
名 を か き給 へ る も 。 あ る ま じ き わ ざ 也 。 書 字 の 上 に も じ お ち た る べ し 。 麾 下 と あ る も 。 た ふ
と み 過 て わ う し 。 大 明 日 本 竜 。 日 本 明 國 と 有 べ し 。 奏 達 と は 。 大 閤 の 御 許 へ申 せ し こ と 丶聞
ノ シ ス ヲ ニ
ゆ れ ば 。 奏 字 い か 璽 。 秀 次 可 レ逹 二之 於 天 聽 一也 と は。
天 皇 へ申 給 は ん と い ふ 事 に て。 う た が ぴ な け れ ど 。 も ろ こ し 人 の聞 ん に は 。 よ く せ ず は か 曳る 詞
は 。 明 王 が も と へ い ひ や り 給 は ん と の事 と 。 心 得 た が ふ る こ と も お り ぬ べ け れ ば 。 今 す ご し
た し かに 。 わ が
天 朝 へ の事 と 聞 ゆ る さ ま に か く べ き わ ざ 也 。 王 京 は 。 帝 京 又 は皇 京 と あ ら ま ほ し 。 此 ほ か も 。 詞
カヘ
リコト
サカヘリコト
'
はす べ て例 の いと つた なけ れ ど 。 お竜 む き は いと よろ し。
轡京 の御返 事 を まち て。 御 返 事 あ る
・ べ し と の御 事 。 殊 に よ ろ し 。 此 事 ま こ と に は 。
\、
皇 朝 へ讐 かま 給 はず 共 .た と ぴ 争 つけ ご ど にも あ 町 か く のた ま へ.
るは・ ひ と の國 ∼き こ
え て。 お も/ \ しく 御 國 のぴ かり と な る こと な レ 。 さ て 此度 那 護 屋 の浦 のけ しき を見 て。 明 ・
総 ども の作れ るか嘉 たに・飛 二日本 甑 瓢 蓬 臨ご奩 軌 二聖洳鱒一
と いへる句あり・ 、
ン
姦 たをたふとめる詞は。いさ ふ もなくて。た嘉 のがかたざまをのみたふとげに。鄲詔
聖光肇 いへること。いとゐ窪 し。ま急 襲 斷 蕃 蜘二匹聾 また忽態
輩 聾 九夷楚 .
ど.
皇 園を夷にあて嘉 へる詞ミ あり・を るみだり潔をいはんには・醗 しり望 空 り
嚇.
.
レ
可レ有二
違攣 也。 欝 泓二大矍 帝之賢身 可レ
偽ご日本耆 墾 事・ 薦 塁 來僑簡 墜 勘
合近笈 斷 組奏 露 蔑 乞 .甞 盤 甜. 錘 蚕 往來嚇
事二 大朋杲 ・譚 あ 可レ 有ご變
.
吏 乏 旨。爾國羅 之大臣。 互匹 懸二
誓蟄 事・ 覇 鮮愚輔
蘇 進 撫 力奏 ・ 男 盆 往 錦 哺、
」 一
τ耐
、
「 广.
「 屮
八導 以西 鑑 國勢 弘レ
愚二朝斷 三参 。 颪 巍 拳 鑿 蕉 貯離 華 ・ 発 里
兩員.解 黌 レ有二
欝 事. 雲 年羅 王子夭 .前駈耋 抱 奪 今篤西 ん鄭 器 讐
馭戎慨言 下之霧下
、 一三﹃
職
廟
拶
、
馭 戎 概 言 ・ 学 蝸 罰 - 一三 四
職臨 舊興 事・ご朝鮮國王斎 臣・累世あ 可レ
有二違却乏 旨・誓詞匹 量
慧 ・懇 紫 鳶 ニ
◎
ト ビ ノ ニ ニ ギ ナリ 、
四 人 噌向 二大 囲 唐 使 鱒 縷 々可 レ陳 ご読 之 一 者 也 。 丈 祿 二年 癸 未 つ 六 月 廿 八 日 秀 吉 朱 印 と あ り 。 か
も へ
の 去 年 の 八 月 。 朝 鮮 の 雫 壤 に て 。 行 長 が 沈 惟 敬 に仰 せ し な 玉く だ り は 。 す な は ち 此 御 書 の を 領
ぢ /\ と。 同 じ 事 にぞ 有 け む。 此 御 書 の趣 も 。 す べ て よ ろ し。 但 しさ き に淺 野 彈 正 など 五 人
ロ ナホ
に 仰 せ し 御 書 に 。 日 本 帝 王 之 后 と 有 し を 。 今 明 の 使 に仰 す る 御 書 に し も 。 帝 王 と い ふ も じ を
㌦
も
ヴ
ン
の ぞ き 給 へる は 。 い か に そ や 。 そ も ノ∼ 此 時 。 か の國 よ り こ そ 。 皇 國 を ば い み し く お そ れ た
な れ 。 皇 國 よ り は 。 い さ 丶 か も か れ を ば お そ れ た る こ と も な き に 。 こ な た の帝 の宇 皇 の 宇 な
ど の た ぐ ぴ を 。 つ Σ み か く し 給 へる は 側 回 と ノ \ 為 ぢ き な き こ と 也 。 か の國 のう ち に て 。 わ
づ一か に か た す み な る 所 な ど を 。 た 夐 し ば し が ほ ど う し は き を る も の 製 た ぐ ぴ す ら 。 か の 王 に
へ
し た が は ぬか ぎ り は。 は 璽 からず 帝 と な のる も, 古 より めづ ら し か ら ぬ事 な る を。 ま し て う
へも な き
ヘヲ ハサクモ
天 皇 の 御 事 を 。 し か 申 さ ん こ と 。 天 地 の 間 に た れ を か は 憚 る 尺 き 。.古 小 治 田 の御 世 に 。
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日 出 處 天 子 と のた ま ぴ つかは し 丶をり にも。 か しヒ の王。 挽 ばず は有 し か 電 も。 何 事 か は有 し 。
後 の 世 に は 。 か へり て そ の を り の 認 書 を 。 た め し に 引 出 て 。 日 本 に は 今 も な ほ 。 そ の の り ぞ
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の こ り た ら ん と や う に 。 か の國 ぶ み に も い へる 物 を や 。 さ れ ば さ き に 竜 い へ る ご と く 。 す ベ
ノ
て 竜 ろ こ し 人 な ど に 見 す べ き 書 な ど に は 。 こ と さ ら に 港 帝 の字 皇 宇 な ど ρ た ぐ ぴ を コ お ほ く .
タフト コ
げ
か きあ ら は し て 。 いよく 御 國 の尊 き事 を し めす べき わ ざ な り け り。 さ て 叉此 時 に 。 檜 田右
衞 門 尉 長 盛 。 石 田 治 部 少 輔 ゴ一
成 。.
大 谷 刑部 少 輔 吉 繼 。 小 西 攝 津 守 行長 と 。 四人 に仰 ぜ つ研 し
ソ ノ ニ
キノ ス 。レ ハ ,ナリ チ .
チ 也 ク シ
御 書 に。對 繭 夫 明 勅 使 叩 可 ご告 報 ぜ之 條 目 。 一夫 日 本 者 紳 國 也 。 神 帥 天 帝 。.天 帝 帥 紳 也 。 全 無
レ羞 ¢ 僑 レ
之 風 俗 風 度 。 幾 二王 海 殉 臨毘元 貼 レ地 。 有 レ言 有 レ令 。 .雖 レ飾 厨 裼 俗 易 。 軸 ご朝 鶴 刈 英 雄 ,
ド ヒ ヲ ス カ ノ メ ニ ル ニ メテ メ テ ニ スルニ ヲ ク
爭 レ權 。 隣 國 分 崩 矣 。 予 之 慈 母 懐 胎 之 初 ¢ 夢 日 輪 入 二胎 申 殉 覺 後 驚 愕 。。
而 即 ご相 士 鴎ト レ之 。 日 。
噌 ニ シ ノ ルノ ニ ナリト ニ テ ニ ヘ ヲ テ ヲ シ ヲ ニ サント
天 無 三 一日 弔 徳 輝 彌 ご四 海 蝋之 嘉 瑞 也 。 故 及 ご壯 年 舶 夙 夜 憂 レ世 愁 レ図 。 再 會 復 二聖 明 於 神 代 殉 遺 ニ
ヲ ニ テ .ヲ マ ニ テ ヲ . ㌻ ヲ レハ ヲ ト云コカ シ ト云コセ ・
威 名 於 萬 代 幻思 レ之 不 レ止 。纔 經 二十 有 ↓年 鴨族 周滅 凶 徒 姦 黨 鱒 而 攻 レ 城 無 レ不 レ拔 。 敵 陣 無 レ不 レ廢 。
胤二
乖心蕎 身 爨 ・ 誹 國豪 蜘・民得二
其謄 .
屈 之肺レ
審 無 醇 蕃 弗㍉ 靖 元
也 クル ノ テ ニ シ ニ スト ヲ テ テ ルニ スルノ ・
之 所 レ授 也 。 一 日 本 之 賊 船 。 年 來 入 二大 明 國 ゆ 横 コ行 于 處 々 鱒 雖 レ成 ヒ冦 。 予 曾 依 レ有 卞日 光 照 コ臨
天} 之先兆視 レ
聾 馬 憲 醒 靉 嶋邊阪、
海 踏羃 ・響 郷ご
障礙翻 黎 身 胴
毒 纂
ニ フ
プ ソ ルヤ ヘ ヲ ・
シ ハ ナリ シ
ヲ ヲカ デ
ヲ ヲ ス
セント
ヲ ルニ
レ所 レ希 乎 。 何 故 不 レ伸 ご謝 詞 一耶 。 蓋 吾 朝 小 國 也 。 輕 レ之 侮 レ之 乎 。 以 レ故 將 レ兵 欲 レ征 ご大 明 叩 然
テ ヲ シ シテ ヲ フ 、
・ノ ヲ テ ルノ ヲ童 二 . ク ヲ ルノ ・
ル ヲ
朝 鮮 見 レ機 。 差 ⇒遣 三 使 殉 結 二隣 國 尤 幻 隣 丁 ご前 軍 渡 レ海 之 時 幻 不 レ可 レ塞 二粮 道 幻 不 レ可 レ遮 ご兵 路 幽
馭 戎 慨 言 下 之 卷 下 一三 五
.メ ヒ
轡
、 、
馭 戎 慨 言 . 一三 六
シテ レリ セノ リ ニ シ ヲ リ ノ ユシ フ ニ
之 旨 。 約 レ之 而 歸 矣 。 一大 明 厨 本 會 同 事 。 從 二朝 鮮 唱
至 ご大 明 殉.
啓 訓逹 之 殉 三 年 内 可 レ及 ご報 答 ℃
ノ ハ キノ ス ヲ ス ヲ ニ クト シ ノ ノ ナリ ンヤ
・約 年 之 間 者 。 可 レ偃 二干 戈 一旨 諾 レ之 。 年 期 已 雖 二相 過 殉 無 二是 非 之 告 報 刈 朝 鮮 之 妄 言 也 。 其 罪 可
b
逃 乎・各自已出怨之飾 番 ・篋 堕 田
遊紅 之辱 於寔 讌偽 築 挑・高レ
嬉陟 嚢 ご鯰 以
ヲ チ ヲ ス ブ ノ シ ニ テ ヲ ケ ヲ い
フト ヲ ルヰハヲ ス テ
レ寡 撃 レ衆 。 .多 汝 刎 二其 首 殉 疲 散 之 群 卒 伏 レ林 。 恃 二蟷 臂 鴎擧 一螢 戈 鱒 雖 レ窺 レ隙 。 交 レ鉾 則 潰 散 。 遑
ルヲ シ ヲ モ ニノヌ ト テ ノ ヲ フ ヲ レ ノ
レ北 數 干 人 討 レ之 。 國 城 亦 一炬 成 ご焦 土 一矣 。 一大 明 画 救 ご朝 鮮 急 難 賊而 失 レ利 。 ・ 是 亦鮮 反 間 之 故
テ ニ ノ チ ニ ク ノ ヲ ルニ ニ ス ヲ エタリ ニ
也 。 於 ご此 時 叫大 明 之 使 兩 人 。 來 二日 本 名 護 屋 幻 而 読 二大 明 之 綸 言 鱒 答 レ之 以 二七 件 鴫,見 u 手 別 幅 幻 ・
篤 西 が 餌 演諡 之爺 レ
胤ご婆 早臨 者・ 戴 諸軍薩 ・ 醜二遲墨 萄 ・山
ハ暑 吉 ・秀吉
朱印とあり泥 御乳 ら鈩 にで れし はコ明 の健 見 せて. か皇 にもき かせんとなるべ
し 。然 る にそ の かみ ゅ か 乂る物 かく す べ をし れ
﹁る 人 な か り し と 見 え て 。、例 の 詞 の い と つ た な
ド ツ ツ
臺 は 。 さ ら に も い は ず b い ぴ ざ ま の よ ろ し か ら ぬ こ と な ん お ほ き 。 }こ い は じ 。 國 俗 と な 。
ぴ と の國 の う へ を こ そ い ふ べ け れ 。 み つ か ら か く い ぴ て は 。・
御 國 をち ぴ さく かた はら にな す
詞 也 。 主 法 と は 。 ほ う し ど も の言 に よ り て 。 中 昔 よ り 佛 法 王 法 と つ,
ね に い ぴ な ら へり 。 い と
コノ
好 ま し から ぬ詞 也 。 ま し て これ は。 あ だ し國 入 にも 見 す べ き御 書 な れ ば。 か 乂る佛 ぶみ め き
冤 ハ 也 シ ヲ ル馳 タガ .
た る 詞 つ か ふ べ き に あ ら ず 。,
吾 朝 小國 也 ρ 輕 レ
之 侮 レ之 乎 。 こ の詞 も 。 か の懐 良 親 王 の 御 書 の
ク ノ 弘 ・ 洗フ
距∼ ぐ ぴ に て 。例 の 。
ノ
.も の い ぴ し ら ぬ も の 也 。読 二大 明 之 綸 言 圃も 。 い と わ う し 。 明 使 兩 人 來 述 ご其
ノ ヲ
王 之 意 一な ど ︾有 べ し 。 す べ て か 瓦 る を り の 書 は 。 お ほ や け 分 も わ た く し の も 。 わ が皇 國 の
霹 ・ 卑 小.
.
事 を た ふ と く 大 き に い び 。 あ だ し 國 の 事 を ば 。 ひ き く あ び さ く い ふそ よ ろ し き 。 さ て 此 御 書 。
す べ て の お も む き ば い と よ ろ し 。 紳 の御 國 な る よ し な ど を の た ま へ為 は 。.殊 に め で た き を 。
が
詞 の つ、た な さ に 。 獪 心 ゆ く 拭 か り は え あ ぢ ぬ ぞ く ち を し き や コ.さ て 此 度 か く 那 護 屋 へ參 り し 。
明 の使 の事は。朝鮮 に隠 .其時 の∵ さの梦 な る纛 昌餐 が・沈 惟彎 発 らぴ三
ぴ そ か に は か り し わざ など に てゆ か の 王 はし ら ざ り し にや 。
歡
'竜 ろ こ し の ふ み ど も に ば 。 す べ
℃ 見 手 。 そもー 此外 び の事・.
明 の國に ては・兵藩 碧 黌 いふ董 藻 巡∴ たす
.
竃
リ へ
詔
ら沈惟 敬 が い ふ こ と を信 じ て。 王 に もす 丶め て。 し ぴ て は から ぴ つれ共 。ば じ めよ り 心得 ぬ
事 に 思 べ る も の ど も Nお ほ く 。 こ な た に は た う け 窃 か ぬ 人 々 は 有 し か ど も 。 か の 沈 惟 敬 と か
广
シ
たら ぴて 。 行長 ぞ び た ふ るに申 お こ な ぴけ る。 巷 れ ど う た が は し き事 共 有 て 。 な ほ朝鮮 な る
御 軍 は。か へし給 は ざ りし故 に。 明 のす く ぴ 鷲 蛋 覧 ・ い よー う奈 ひ三 か へら で 臻
曁
有 し に。 御 軍 は仰 せ の書 に。.晉 州 の城 と 遠 を・ て い たく せめ お と し 三 そ の捕 さな る牧
使総 元 と い ふも の 竃 . う ち と り し か ば .,朋 の を異 いよ ぐ いか り てっ 催 敬 を い つは
馭戎慨言卞之卷下 、
∼.
h 一三七
馭 戎 慨'言 , , げ .一三 八
り せり と て。 いた く せ めけ れ ば。 惟 敬 小西 が いほ り に き て。 し かく のよ し いび て。 と がめ
汝 卿 、
け る に。小 西 は海 いみ しぐ い かり て。、 いま し は 我 を あざ む きけ り 。 む つび と Σ のび ぬ るに。
明 の軍 は な ど て か か へさ 璽 る 。 は や か へ し て よ 。 さ ら ず は ゆ る さ じ と い ふ に 。 あ ふ さ ぎ る さ
せ ん か た な く て 。 此 よ し か の石 星 に う れ ふ 。 石 星 も い と わ り な く て 。 王 に と か く い ぴ か た ら
踏 。 さ は いか に せん 。 わ が いく さ引 か 禽 べ し とい ぴ つけ ﹄ るに ぞ。。明 の軍 は まつ み な引
か へりぬ る を 。 御 軍 は な ほ 釜 山 と い ふ 所 に と ど ま り て 。 さ ら に か へら ず な ん 有 け る 。 此 と き
明 王 い ど み に ま け て 。 ま つ か く 軍 を か へせ る 。 此 ぴ と つ に て も 。 大 閤 の 御 い き ほ ひ の さ か り .
な り しほ ど 。 叉 か れ が いみ し く お そ れ し ほ ど など 。 よ うつ に思 ぴ わた す べ し 。 さ て こ な た よ 脅
り お ほ せ し に し た が ぴ て 。 明 の い く さ ま つ ぴ き か へし け る 故 に 。 内 藤 飛 騨 守 如 安 と い ふ 人 を 。
明 へは つ かは し た り。 され ど む ね ノ丶 し き 御 使 あ さ ま に はあ ち ず 。 た 璽む つび のし る し ば か
.
り と そ 見 え し 。 然 る に か の國 に て も 。 此 む つ び の こ と 。 獪 い と う た が は し く て 。 沈 惟 敬 が い
つ は り な ら ん と 思 ぴ い ふ も の 乂 み 。 お ぼ か り し に ど り て 。﹁
此 如 安 をも 。 久 しく 遼 東 と いふ 所
楠 不 召 . 議
に と 璽 め 置 て。 王 が と こ ろ へは よ ば ず 。 此 事 と り ん \ に さ だ し け る ほ ど に 。 朝 鮮 王 は や く 日
れ
本 の む つ び を と ﹂ の へて 。 お の が 國 を や す め ま ほ し き ょ し 。 明 王 へね が ひ け れ ば 。 石 星 よ う
こ び て 。 こ れ を と ら へ所 に し て な ん 。 し ひ て 王 に す Σ め て 。 如 安 を も 北 京 へは よ び よ せ け る 。
コ カ スルコシ ノ
/
如 安 を 竜 て な し あ へし ら ふ こ と な の め な ら ず 。 石 司 馬 優 -遇 如 ご王 公 一と 。 か の國 ぶ み に 竜 し
,
る せり 。 さ て く さん\ う た が は し き事 共 のかぎ り 。 此 如安 にせ め と ひけ るに。 ことん\ く か
諾 ・ イッハ
れ が う べ 給 ふ べ き さ ま に 。 い ぴ ま ぎ ら は し 。 よ ろ こ ぶ べ き さ ま に。 僞 り こ た へ て 。 ひ た ぶ る
に な ん し た が ぴ け る。 さ れ ば 此 時 こ の如 安 が こ た へた る趣 は 。 こと λ\ く 大 閤 の 御 心 に 竜 そ
其
む ぎ 。 皇 國 の い み し き は ち の か ぎ り に な ん 有 け る 。 そ が 中 に も い み し か り し は 。 そ こ の國 の
び
君 を.天皇 と いぴ. 螽 讐 いふ馨 は.天皇す なはち國 王なりや いか 凡 商 け る簑 に.
天 皇 す な はち 國 王 に て。
. は や く 信 長 に こ ろ さ れ 給 ひ に き と さ へ.
い へり き 。 あ な か し こ 。 か ﹄
ソラゴト
るゆ 乂し き室 言 を さ く
、せ し 故 は 。 も し あ り の ま ﹂ に 。
天 皇 上 に ま し ま す と い は 璽 。 關 白 は ま こ と の王 に あ ら ざ れ ば 。 む つ び ゆ る し が た し 。 と い ひ や せ
ん と あ や ぶ み て 。 今 は 、關 白 ぞ ま こ と の君 と 思 は せ ん と て な る べ し 。 さ れ ど 大 閤 は 。 あ だ し 國
へ竜 。 た 璽關 白 と の・ み な のり給 ぴ て 。 さら に 王乏 は の悔 ま は ね ば 。 上 に な ほ君 の ま しま す御
ゲンニ ノ
事 は 。 も ろ こ し に て も よ く し り て 。 す な は ち 此 時 の 事 を し る せ る書 共 に も 。 日 本 王 見 佳 二山
ニ リ し ノ シ ス ト ヘ カ スル メニ ノ ルト セ ニ ナリ モ ノ
城 殉 有 二文 祿 三 年 暦 幻 可 レ證 。 與 下小 西 飛 稱 粛國 王 爲 二信 長 幅所 参弑 。 互 異 と い ひ 。 あ る ぴ は 其 國
馭戎 慨 言 下 之 卷 下 .
、
= 二九
■
偽
ワ纔
、 ・書
丶
駅 戎 慨 耆 、 一四〇
蘇 レ
鳶 姓 。歴世不易 賭
駕 天蜑 罘 璽 酊 罫 不レ
轍ご兵畢 惟揮覈 國溝 拳 而巳・
ニ テ ヲ ス ニ ノ ケ ヲ ト ルマ ハ ヲ E ト トル ヲ 、ハ ノ 、,
毎 三兀 旦 四 國 王 率 二 一大 臣 剛
謁 二天 王 ゆ 其 受 二國 事 唖掌 二・兵 馬 殉 皆 國 王 與 二關 白 嚇圭 ヒ之 。!關 白 。 倭
之 大頭慨侮臨洗大將軍宰相即臨匙ぜ と いひ。 叉此時 に。大閤 を王 に封ぜんといふ事 を舒 つ
ら ひ三 呆 有二山馨 鼻 雖二蕎 獅 名分獪鶴・ .
亘 垢灸 輒封野 加乞 僭逆誕 鴨糠 .
﹁
ン・ ノ ヲ レノ ニ 一 諾 ・ スル
晶値二山 城.君 於何 地 一 と も 云 り 。 然 る に今 如 安 が そ ら 言 を う た が は で。 う べ な び し は 。
"石 星 い
か に も し て む つ び を と 玉 の へん と 。 あ な が ち に 思 へり し が 故 池 々 す べ て 此 こ た へ の こ と 共 。、
リャ
か ね て か く と は 讐 か く こ た へよ と 。軍ひ そ か に石 星 が をし ぺお き し も のぞ と も。 か のく に ぶみ
に い へり 。
'如 安 も 。 遼 東 に 久 し く と 翼 め ら れ て 。ゼ と か ら ぐ お そ ろ し き 事 に 思 へ・る か ら 。'い ﹁
カへ
か に も い ひ のが れ て 。 は や く 蘇 ら ば や と お も ひ て 。 ぴ た ぶ る に は し 距 が ぴ し な る べ し 。 そ も 、
愚、『
篭
ノ 、 唱 . 才
そ も 此 如 安 は 。 丹 波 國 の 人 に て 。 ざ え あ る き こ え の 有 け る ゆ ゑ に 。 行 長 に つけ て 朝 鮮 へ つ か
は し 。 此 使 に も さ 丶れ け る に 。 行 長 お の が 氏 を な の ら せ た り と 見 え て 。 朝 鮮 叉 明 の 書 共 に は ・ 丶
潅 く 小西 飛 と なん し る せ るひ す べ て を ると き ・ か た き の國 への使 は・ よく 人 驫 り し て つ
' 怯 翡
か は す べ き わ ざ な る を 。 こ の如 安 が ご と く な る を ち な き も の を し も や り て 。 皇 國 の はぢ 君 の
は ぢ を の こ せ る は 。 い 乏 も ノ \ く ち を し く 。 心 う き ゐ ざ な り け り 。 か く て明 に は 。 此 如 安 が
こ た 昏。 お も ふ ご と く に て 。 ぴ た ぶ る に う べ な ぴ け る故 に 。 李 宗 城 と い ふ も の を 正 使 。 楊 方
奉 邏 . ・ 、
亨 と い ふ 者 を 副 使 と し て 。 た て ま だ し け り 。 さ る は 釜 山 にあ る 御 箪 。 一人 も と 貫 ま ら で 。 み
な さ り な ん を ま ち て 。 御 國 へ は 渡 れ と な ん 。 い ぴ つけ お こ せ け る 。 沈 惟 敬 は 。 此 事 と 丶 の ひ . 鼎 ⑳
ノ
な ば 。 お のれ正 使 に て をあ ら ん と 。 か ね てし た まち ゐ たり し に 。 思 ひ のほ か に。 こと 入 ど も
を さ し て 。 副 使 に だ に い ひ つ け ざ り け る を 。 いみ し く 心 う き こ と に 思 ひ て 。 い か で 此 使 さ ま
た げ て ん と そ 思 ぴ か ま へけ る 。 か の 使 の者 共 は 。 朝 鮮 ま で き て 。 久 し く ま ち を れ 共 。 皇 図 の
'
いく さ人 獪 あ ま た 。釜 山 に と 璽 ま り ゐて 。
髦遷 あ に 引 か へ ち ざ る 故 に 。 御 軍 早 くが へし 給 へ と 。
い ぴ お こ せ け る に 。 御 軍 の か た よ り ば ま た 。 明 の 使 のも の ど も 。 ま つ 此 い ほ り へ參 れ と い ぴ
り か は せ ば 。 せ ん か た な く て 。 ま つ 釜 山 の い ほ,
り へ參 り ぬ 。 此 ぼ ど こ な た に も か な た に も 。
獪 う た が ば し く 思 は る 罫 こ と お ほ く て 。 と か く せ し ほ ど に 。 こ の 明 の 使 ば 9 文 祿 四年 の 正 月
に 。 北 京 を ば 出 た り し を 。 朝 鮮 に て 。 い た つ ち に 其 年 も く れ にけ り 。 そ のあ ぴ だ に 沈 惟 敬 は 。
大 閤 ま た 行 長 べ。 さ ま ノぐ ∼の 物 奉 り な ど 。 よ う つ に こ び へ つ ら ぴ て 。 こ な た の 御 心 を よ く と
り お き 。 叉 石 星 を も よ く あ ざ む き て 。 と に か く に ふ る ま ぴ つ 丶。 宗 妓 方 亨 が い た く 御 國 を お
そ れ て 。 故 郷 に か へら ま ほ し く の み 思 ぴ を る を 。 は か り こ ち て 。 い み し く お ど し け れ ば 。 い
馭 戎慨 言 下 之 卷 下
一 .
、、
一四 一
■
馭 戎 慨 言 可 . 一四 ニ
ズ ヘへ
よ / V お そ れ て 。 宗 城 は 。 王 が 書 を も す て 玉。 つ ひ に に げ か く れ にけ れ ば 。 方 亨 を 正 使 に ,
惟敬 を副 使 にぞ か はら し めけ る。 か く て御 軍 は獪 さ ら ざ り け れ 共 。惟 敬 と かく い ぴ まぎ らは
6
し て。 朝鮮 の使 ど も をも 。 と も にぴ 髫 ゐ て。 つぴ に船 を出 し6 皇 國 にわ たり て。 慶 長 元年 九
月 二 日 に な ん 。 伏 見 の 城 に參 レ て 。 大 欄 に ま み え 奉 り け る 。 其 時 楊 方 亨 も 沈 惟 敬 も 。 大 閤 の
御 い き ほ ひ に お そ れ 奉 り て 。 い さ 乂か か し ら を だ に え も た げ ず 。 ひ れ ふ し て 。 い み し く わ な
ミ マシ 降 ・
な き け り と な ん 。 但 し 清 正 記 と い ふ 書 に は 。 此 と き 大 閤 の 御 座 よ り 引 さ げ て 。 明 の 使 の座 を
触 ..
座
ま う げ た り け れ ば 。 む つ か り て 。 わ れ ら は 天 子 の御 使 な. る に 。.此 ゐ ど こ ろ こ そ 心 得 ね 。 關 白 .
席 恭 ・ 敬 ・ - .
し き ゐ をく だ り て 。 ゐや ノ \ しく み こと のり を受 給 瀛 べ き こと わり 也 と申 け る を 。 き こ しめ .
を を
し て 。い み し く 御 け し き あ し か り け る よ し し る せ り 9さ れ ど 此 ほ ど の 皇 國 の書 共 に も 。明 の 書
ど も に も 。 さ る ご と は さ ら に 見 え ざ れ ば ぴ が こ と な る ぺ し 。 も し さ も あ ら ん に は 。 皇 國 の書
に こ そ し る ざ ず 共 。・か の國 のふ み に ば 。 か な ら ず し る さ ぬ や う あ ら じ を 。 卆 壤 録 と い ふ 書 に
エテ ニ 〆セル リ ル ヘ フニノ セル リテカユヂ ニ ヘ リ ヲ ニ ヌ ハ
も 。.楊 沈 見 ご蘭 白 鴎卑 屈 状 。 有 ご不 レ堪 レ言 者 殉 隨 行 護 勅 官 徐 志 登 。 歸 私 對 レ人 言 レ之 。 故 知 二小 人
喬 麗 動 壁 也・と い∼る をや ・ さて期 王より奉れ る璽 の冠 き 墾 耋 り・美 名奮
カラ
オ マヘ リ ミ アへ ぴロ
の料 を も 。 五 十餘 具 奉 り ぬ。同 三 日。 御 前 にて 。 明 の使 ど も に御 饗 を給 ふ。 此 をり 大 閤 を は
話 奉 り て 。鹿 つき給 へる大 名 ㌃ みな。かと より 奉 れ る冠 さ う そ く をぞ た 穿 つりげ 隔
ゑ 事 をは り て ・ 使巷 禦 と ま給 り 三 静 ろづ み に ま かり か へり て後 ・ 相 國 寺 のほ ︾
つし承
允 キ リ
と い ふ に 。 明 王 が 奉 れ る ふ み を 。 よ ま せ 聞 給 ふ に っ 其 詞 かね て お ぼ し け る に は い た く た が ○
儷 傲 。 ノ ヲ 臨 ト
ぴ て 。 す べ て い み し ぐ お ご り 高 ぶ り 。 い は ん か た な く ゐ や な き う へ に 。 封 レ爾 爲 二日 本 國 王 鱒
と い へ る 言 あ る を き こ し め し て 。俄 に 御 か ほ の色 か ば り ひい み し く い か り 給 ぴ て 似か の 王 わ れ
を 明 の國 王 に な し 奉 ら ん と 申 す よ レ 。
、申 せし に より て こそ 。 朝鮮 の王 子 ど も をも ゆ るし 。罩 .
狂 ゴト 伊
を も釜 山 ま で しり ぞ か ぜ つれ 。 日 本図 . 王 に と は。 いか な る た ふれ 言 ぞ 。 わ れ何 のよ し にか は ,
封 爾 、 戎 一 、 ・
か れ が よ さ し を うけ ん 、 おれ 行長 。 明 王 に心 を か よ は し。 から 人 共 と か た らぴ て。 わ れ を あ
著
ざ む きけ る罪 。 い はん か た な しと て。 いみ し き御 け し き にて 。 た てま つれ る冠 さう そ く も。、
リ
此 書 も 何 も 。 ぴ ろ 庭 に な げ す て給 ひ し は 。 ま こ と に さ も 有 ぬ べ き 物 也 け り 。 さ る は 行 長 か ね
て 。承 兌 に 。 此 書 あ り の ま 玉 に よ み 給 は ん に は 。 君 か な ら ず い か り 給 は ん を 。 よ き さ ま に よ
り
み な し給 へと。 か た ら ぴけ れ ど 。 う け ぴ か で。有 のま Yに ょみ け り と そ 。 叉朝 鮮 の事 は。 此
㊥
度 明 よ り ね が へ る に よ り て 。 む つ び を ゆ る し 給 ひ 。 いけ ど り た り し も の共 を 竜 。・か へし つ か
謝 、
恩
は し つ れ ば 。、
そ の 王子 參 り て。 みつ か ら か し こ ま り を申 す べ き こと わ り な る 忙。 かろ奪 し
・
馭 戎慨 言 下 之 巻 下 耐
.
﹁
・
・
一四 三
曜
O
叡 戎 慨 書 .
、
、
.
ご四四
き使 を のみ奉 れ る こ と。 いと も ゐ や な し と て。を の使 に は。 は じ め より あ ひ給 はず なん 有 け
る。 かく て三奉 行 と てつ萬 の事 と り申 す 。 有 田 大 谷檜 田 な ど いふ人 々 をめ し て。 仰 せけ る は。 丶
明 王 がゐ や 肇 罪 は・ レ ば し ㍗ むべ㌔ 朝讐 ︺そ さ ら にゆ る され ね ・ 薐 ど も・行 長 と共
罐 ∵
に 。 か う べ を は ぬ べ し と そ の た ま ひ け る。 さ れ ど ほ う し ど も な ど 。 い と ね ん ご ろ に ご ぴ 申 せ
も
勢
し に よ り て 。 こ れ ら も 命 ば か り は た す か り に け り 。 又 明 の 使 の者 共 も 。 か 丶 る う へは 。 ぴ と
ア ス
臼 も こ 丶にと ぼむ べき にあ らず 。 明 日 つと め て。 堺 ま で おぴ や るべ し とそ の た まぴ け る。 さ
い ㍗;
れ ど 獪 い た づ ら に か へ る こ と を ば 。 あ は れ と お ぼ し て 。﹁物 な ど は 給 ひ て 。 か へし 給 ぴ に き 。
酬
}㎝ 償¶ 馴▼P
あ るふ み に。 大 閤 いみ 七 く 明 王 が書 の ゐや な き を い かり 給 ぴ てゆ 行長 が かう べ を はね ん と の
珮w一
刊
給 ひ け る を 。 い さ め奉 る と て 。 承 兌 ほ う し ガ 申 け 惹 は 。 大 明 は 中 國 と し て っ す ぐ れ た る 國 に
侍 れば ・ いに し へよ り も ろ ー の屡 ・ そ のギ し覧 侍 るぞ ・ 例 の事 に侍 る・ 衾 の禦
〆 遣 、
封 し
き ほひ 。 さ か り に ま しま す に よ り て。 か れ使 をま だ し 。 日本 國 王 にょ さ し奉 れ るは 。 い と め
でた き 日 本 のぴ か り にて 。 末 の代 ま で ま れ な る た め し に こそ侍 れ。 と申 け る よ し し るせ り。
ロへ
す べ て 古 も 今 も 。 學 問 せ る 人 は 。 も ろ こ し の 書 を の み 見 な れ た る故 に 。 み だ り に か の國 を の
.
タフト
み た ふ と き 物 に 思 ぴ て 。 わ が 御 國 め 獪 は る か に奪 き こ と を ば 思 は ず 。 た 黛 か れ に し た が ひ を
`
る 國 々と ぴ と し な み に 。 ぴ が こ こ ろ え す る こ 巴 。 み な 此 承 兌 が た ぐ ぴ に て 。 か な ら ず 君 の 御
心 を 竜 ま ど は し 奉 り 。 又 か 乂 る ぴ が 心 な る 人 共 の。 あ だ し 國 の ふ み の つ た へ を つ か さ ど る か
ら 。 其 御 いき ほ ぴ を 臨。 皇 國 のぴ かり を も お とす あや まち は い でく るぞ か し。 かく て沈 惟敬 9
.
. 隱
楊 方 亨 と か
た ら ぴ て δ 國 に
ま か り か へ り て は 。 か く事 のや ぶれ ぬる こと を ば かく し て。 た 冥
得
關 白 いみ しく 悦 び 給 ぴ しよ し いひ 。 叉 王 に膾 り給 へる物 と いぴ て 。お のが えづ る物 共 をと り
や
獻 顎
あ つ め 。 つく り ま う け て さ Nげ な ど 。 獪 よ う つ に い つ は り 共 し あ り き け る を 。 か の國 人 ど も
も 。 み な し り て わ ら ぴけ れ ど 。 王 と 石星 と は。 な ほえ さ と ら でゅ ま と と 玉のみ 思 ぴ ゐ け るこ
コタへ
そ 。 あ さ ま し う を こ な り け れ 。 叉 大 閤 御 答 の書 を も 。 お の れ よ さ ま に 作 り い で 玉 。 見 せ げ る
に。 其書 ま こと の にあ ら ぬ さま、 し るか りけ るに ょり てな ん 。 は じ め よ り の い つは レ も。 み
な あ ら は れ に け る 。 そ も ノ \ 此 大 閤 の 。 か く 朝 鮮 を う ち 給 は ん と と を 。 お ぼ し 立 け る始 め を
ノ 命 シ
彜 ぬ る に 。 む か し 總 見 院 大 臣 の お ほ せ に て 。 西 の國 を こ と む け に お はし ま し け る時 に 。 申 給
征 服
ぴ け る は 。 秀 吉 山 陰 道 山 陽 道 。 又 筑 紫 の國 々 を も 。 ま つ る へ て侍 ら ん に は 。 や が て朝 鮮 の國
に ま か り渡 り 侍 ら ま ほ し く 思 ひ侍 るを 。御 めぐ み に。 そ の朝鮮 。秀 吉 に給 はん と の。御 教 書
命争
を 給 へか し 。 あ は れ さ 竜 侍 ら ば 。 君 の み こ と を も て 。 心 や す く か の國 を こ と む け 。 猫 も ろ ζ ・
馭 戎慨 言 下 之 愚 下 ・
・
.
一四 五
'
㌦
' 馭 戎 慨 言 - . 一四 六
ギン
ヒトもコロ
し の國 を 竜 う ち と り 侍 紅 て。 君 だ ち 一所 を渡 し 奉 り て。 そ の 國 の あ る じ に な し 奉 り な ば 。 朝
ウ
ノ シ
鮮 も ろ こ し 迄 。 わ が 君 の御 手 に 入 侍 る に な ん と 。 い と た や す げ に申 給 ぴ け れ ば 。 大 臣 例 の き
. 卿
も の 大 き さ よ と 。 う ち わ ら ぴ 給 ぴ て 。 京 よ り 西 の事 は 。 いつ こ ま で も 。 ま う と が 思 は ん ま 玉
に。 とも かく も物 せ よ か しと そ の給 は せけ る 。 か ふれ ぜ そ の かみ よ り 。 拭 や く 此御 心 ざ し は
ヅ + 許 年
有
け る に こ そ 。 寄 て か の大 臣 か く れ 給 ぴ て の ち 。 と 爻 せ ば か り が ほ ど に 。 御 國 の内 を ば 。 き
ま く た ぴ ら げ は て給 ぴ て。 こ し 方 に た ぐ ぴ な き ま で 。 さ か り な る 御 い 髫 ほ ぴ な り け る か ら 。
い よノ \ か のも ろ こし の瓰 迄も 。 御 手 に いれん と は お も ほ しな り しな り 。 ま つ朝 鮮 を し た が
へで。 道 し るべ せ さ せ てん と お ぼ し て。 天 正 十 八年 に。 そ の國 よ り使 た てま,
つり し を り の御
ヘ レ ノ ル・ ・ 桝 ニ ト ヲ 。ニ ンソ ♪ ク ン ・ ヤ トセ ノ
答 の中 に 。 夫 人 生 二于 世 殉 已 雖 レ歴 二長 生 殉 古
來、不 レ滿 ご百 年 叩 焉 欝 々 久 眉 レ此 乎 。 不 レ屑 ご國 家 之
㌔
タ ル ノ ギヲ タヒ テ ニ リ ニ ヘ ノ ヲ ニ サンコ ノ ヲ ニ リ
隔 。 山 海 之 遠 幻 一超 直 入 一
一大 明 國 叩 易 二吾 朝 風 俗 於 四 百 餘 州 叩施 二帝 都 欧 化 守 億 萬 斯 年 一
者。在ニ
ノ ニ ッ テ ス テ ギ キ ノカ ル を ノ ルヘ ニ ハ
方 寸 申 殉 貴 國 先 馳 而 入 朝 。 有 二遠 慮 崗無 ご近 憂 一者 乎 。 遠 邦 小 嶋 在 ご海 申 瞬
者 。 後 レ進 輩 者 。 不 レ可
轍
ス ヲ ル ニ テ ヲ マハ ニ シト ヲ シ サン
レ作 二許 容 鵬也 。 予 入 二大 明 剛之 日 。 將 二士 卒 一
臨 二軍 營 鱒 則 稱 レ
可 レ修 二隣 盟 一
也 。 予 無 レ它 。 只 顯 ご佳
ヲ ニ ノ ミ ム
羅
名於三國 啼
而 巳 云々。 と なん の給 ぴ つか は しけ る。 叉 琉 球 王 へお ほ せ つ か ば し Σ御 書 に も。
ヤ ヤ ス セント ヲ
シ ス .ニ ル
ノ 也
クル ス ニ サ ヲ
シ
今 也 欲 レ征ご大 明 図 叩 盖非 二吾 所 r爲 。 天 所 レ授 也 云々。 來 春 可 レ營 二九 州肥 前 鴨不 レ移 ご時 日刈 可 下
セデ
ヲ、 リ ス 、
僊 二降 幡 輔而 來 服 ゑ去 々 と あ り 。 こ れ を 天 正 十 一年 の 事 と 。 あ る 書 に い へ る は 誤 也 つ 天 正 十 九
ク
年 の事 と 聞 え た り 。 叉 文 祿 元 年 六 月 。朝 鮮 に あ る 人 々 め 竜 と へ仰 せ つ か は し た る 御 書 に 。無 ニ
ギ よレ ギ ル シ ク
油 斷 嚇相 訓働 大 明 國 鱒 可 レ成 程 可 ご申 付 碗候 と 見 え 。 同 二 年 夏 。 朋 の 使 の參 り し を り 。 か の 四 人
デ ヲ ス セント ヲ .り .
の 入 々 へ仰 せ し 御 書 に も 。 將 レ 兵 欲 レ征 ご大 明 隔云 々。 と い ふ こ と 有 。 これ ら を も て見 る に 。 も
征 、 ミン 恐 命
と 明 の 國 う ち 給 は ん の御 心 な り し こ と は 。 疑 ぴ も な し 。 然 る を 朝 鮮 王 。 明 に お ち て 。 お ほ せ
答
に し た が ぴ 奉 ら ず 。 な 憾 ざ り に 思 ぴ す て 丶 。 久 し く 御 か へり こ と を も 申 さ 璽 り け る が ゆ ゑ に 。
攻
そ の 御 い か り 深 く て 。 ま つ か く 朝 鮮 を き び し く は せ め さ せ給 ぴ し な り け り 。 さ て 明 は 。 も と
朝
よ り さ ば か り の罪 も な か り け れ ば 。 使 た て ま つ り て 。 ま つ ろ ぴ 參 ら ば 。 さ て ゆ る し て も お き
た ら ん。 と お ぼす 御 心 に ぞ有 け む 。 さ れ ば こそ 。 は じ め沈 惟 敬 が ね がぴ にま ゐ り し にも 。 た
侖 ミン 滋 服 歸 順
や す く櫓は ゆ る し 給 ぴ て け め 。 さ て お ほ せ の ま 丶に 。 明 王 う け た ま は り し た が ひ 奉 り な ば 。 朝
風 俗
鮮 を もゆ る し給 ぴ て。 御 み つ から も 。 めづ ら し き も ろ こし の國 ぶり な ど見 給 ぴ に。 わた り お
は レ ま さ ん の 御 心 な り け む か し 。 さ る は 明 の 王 な ど を も 。 物 の數 と も お ぼ し た ら ず 。 た だ わ
ク ヌチ 巡 覽
が 大 名 の鴎 など ハ .お は し ま さ ま し や う の御 心 に て 。 か の 國 内 を も 見 め ぐ り 給 は ん と お ぼ し け
る。 御 心 の高 さ大 き さ こそ 。
いば ん かた な く い み し く。 御國 のた ふ と き にあ ぴ かな ひ て。
'簿
駁 茂軌腔猷ρ∴・ 餐下
. 一四 七
離
解
'
一
軸
馭 戎 慨 嘗
. .
一四 八
い と ノ \ ぬ で た か り し か 。 さ れ ど あ た ら 學 問 の 御 ざ え な く て 。 か の図 の お も む き を 。 こ ま か
9 駄 以 ・書
に え し り 給 は ず 。 朝 鮮 明 の人 共 と 。 ふ み し て い ぴ か は す す ぢ た 。 た つ さ は る 人 々も 。 み な か
の承 莞 が 如 く な る 。 つ た な き ぴ が 心 ど も に て 。 一く だ り か き て 見 す る こ と も 。 み な 御 心 に は
いた も そ む き て。 あ ら ぬぴ が こ と共 の み なり し を。え .
わ き ま へ給 は で 。 い み し き 物 の た が ぴ
めおほかりと そ・ いと あ かず く ち を し 嘉 ざ な り しか ・ そ が 中 に ・ 熱 とあ る事 竺 .爵
彼 方
は Ψ 。 ま つ か な た へ は 。 日 本 朝 貢 と い ぴ て 。 大 閤 へは そ れ を 。 明 よ り 日 本 へ朝 貢 す る よ し に
シ
申 し 。 封 王 と い ふ こ と を も 。 明 の國 王 に な し 奉 る よ し に申 ま ぎ ら は せ し が ご と し 。 行 長 叉 一
{﹁
奉 行 の 人 々 な ど 竜 。 い か で と く 軍 を や め て。 か へら ん と 思 ふ 心 の み 深 か り し か ば 。 沈 惟 敬 が
し 和
ね が へ る を 。 さ い は ぴ と よ ろ こ び て 。 泌 な が ち に 此 む つび の ご と を 。 と 玉 の へん と 思 ぺ る か
ら 。 こ れ ら の事 の た が ぴ め は 。 此 人 々 は も と よ り し り な が ら 。 あ ざ む き 奉 れ る も の 也 。 さ て
ロ ヒ
ノ
明 の 書 共 に は 。 此 度 の む つび の 事 を 。 封 貢 事 と い へり 。 ま た 封 を ゆ る し て 。 貢 を ゆ る さ じ と
ギ ぬ
るヒし
い へ る 事 な ど あ る は 。 足 利 の時 。 末 に な り て 。 御 使 か の斷 に て い と み だ り な る 事 共 有 て 。 國
の さ わ ぎ に な ウ し 故 に 。 こ り た り し な る べ し 。 そ 竜 / \ 此 度 の事 。 か の國 の さ だ め を も て い
他
は 璽 。 大 か た あ だ し 國 の君 の。 朝 貢 も せ ぬ を 。 王 に 封 ぜ ん こ と い か ぼ 。 ま し て 屬國 と あ る 朝
鮮 を せめ て 。 そ の王 を お ぴう ち 。す く ぴ の軍 に も たむ か ひ。 お のが國 ま で いた く さ わ が し給
へ る大 閤 を 。 何 の よ し 肴 て か は 封 ぜ ん 。 此 事 は や く か の 図 に て 竜 。 そ し れ る 人 共 有 し ば 。 さ '
る こ と 也 。 も と よ り こ な た よ り む つび を のぞ み そ め し に も あ ら ず つ 双 後 に 内 藤 如 安 を つ か 臓
し つれ 共 。 そ れ 竜 うる は し 髫御 使 と いふ にも あ ら ざり し か ば。 物 おく り給 ゐ こと も なぐ 。 ま
し て 御 書 を も つ か は さ 璽 る に 。 か し こ よ り は 。 事 を と 玉 の へて 。 二 度 ま で 使 を 奉 れ り し は 。
う は べ に こ そ か な 淹 へ の封 賈 と い へれ 。 ま こ と は か し こ よ り し た が ぴ參 り て 。 こ な た へ朝 貢
せ る 也 。 さ れ ば 雌 度 の 事 は 、 い み し き 明 王 が 恥 と 。.か の國 人 も み な し り な が ら 。 皇 國 を え も
小 はず お そ れ ゐ たり し故 に。 い か さま にし て 竜 。 事 を しづ め ん と思 ふ から 。 や む こ と を えざ
り し 也 。 す べ て か の國 入 。 つね に は 國 の さ だ め を い み し げ に い び て 。 そ の 置 は 。 人 に し た が
静
タは
ぬ
チ
ウ
は ぬ 物 の ご と 。 た か ぶ り お ご れ 玉ど も 。 や む こ と え ぬ を り は 。 せ ん か た な く あ だ し 國 へむ か
以
往
ぴ て。 臣 と な のり て。 し た が ぴし た め し 竜 な き に あ らず 。 たと ぴ こ し かた に さ る た めし は な
き に て 竜 。 此 度 さ ば か めイお ち く る し め る を り か ら な れ ば 。 こ な た の は か ら ぴ に よ り て は 。 か
の 王。 臣 と な のり て。 あ ら は に し た が ぴ ま ゐ、
るま じ き にも あ ら ざ り し を。 さも え は から は ぬ
の み な あ ず 。 が へ り て 封 貢 と し も い は せ て.
。か り そ め に 竜 。 皇 國 の名 を け が せ る は 。 い と つ
丶
馭戎 慨 書 下之 霧 下
、
` .
. 一四 九
毎
罫
潔
駕馭 戎 慨 、
.
﹁ ; ∴○ ・
た な く q 大 閤 め 御 い ぎ ほ ぴ に あ は せ て 。 あ かず く ち を し か り し わ ざ 也 。 そ の か み 此 事 に か 丶
, ミク夛 マシヒ 蔦 , 掌
つ ち ひ し 人 々。 御 國 魂 つ よ く て 。 か し こ か ら 楽 し か ば 。 ま つ か し こ よ り 封 頁 た ど 曳 い ふ も じ
ゆ コ も
を い ぴ 出 ん に は 。 いで や わ が 大 閤 。 い や し き か ら 國 の 封 を な に せ ん に か は 受 給 は ん 。 か け ま
¶
亀
く ・も か し こ き ,
鹽 . ・ .
皇 朝 の御 餅 しをう繕 ぴて・う 癒 き灣 の撃 まし専 を・汝が噌
謡 ∵ 慮蒼 らず や・養
む
ア シ
ミ
と い ふ な る は 。 汝 が 國 。 わ が 御 國 へ朝 貢 せ ん と に や 。 さ 竜 あ ら ば 。 業 よ し つ 辷 へ申 て 、 御 け
・. 、 売 禮 木 當
し き う か 里 ぴ 見 ん 。 も し 又 汝 が 王 へと な ら ば 。 貢 と い ふ も じ こ そ 。 い と む 紘 し く あ た ら ぬ ま "
ぢ し ご と な れ 。 今 よ り 後 ② す べ て さ る ゐ や な 唐 事 共 な さ ら に申 し そ と 。 さ び し く と が む べ か
ゆ
り け る 物 を や 。 然 る に か の行 長 が 書 な ど に 。 か へり で こ な た よ り ぱ た 日 本 朝 貢 な ど い へ る 嫁 。
電
か へす ノ∼ つ た な し か し 。 獪 い は 璽6 す べ て 此 度 の御 い く さ よ 。 朝 鮮 ︽ 4
。︾ を ば 。。し ば し
宥 磐
の ど めお 煮 て。 お ぼ し た ちけ ん ま 乂に。 はじ め より まつ 明 の國 を こそ 。 う ち訟 ふ べ か り け れ。
鑑 朝鮮 を調 三 か の北京 へ急 んは・ たよ軌 よから農 ・南 のかぞ り物 して・まつ南京
と い ふ を と る べ き 毯 。 か の足 利 の こ ろ 。 西 の ほ と り の あ ふ れ 竜 ゆ 、
尋。 わ 乗 り ま か り て 。 あ ら
び た りし を り ー だ に 。 し づ め か ね て 。 い み し き さ わ ぎ な り し か ば 。 か の國 人 は,
。日本と・
費
醗
丶
・ 働 '
オニカミ 怖 . 匹 海 、
け ば 。 た 里 鬼 神 の ご と お も ぴ お ち た る う へ に 。、近 き ほ ど 此 大 閤 の 御 名 。 よ 竜 の う み の 外 迄 ・
ゆ
り . 鳶 . 、. 來
と 貸ろ き わ た り て盛 なゐ に 。 そ の御軍 し も お し よ せく と 、 琶 か ば 。 ば か λび丶 し く 弓 引 て 。 た む
か ひ奉 耄 のも富 じし ・ お と 隔 て も・ わ な 毳 にげ ぬ べ鈍 ば・南 京 を ぢ 給 は ん こと ・
隷 ・ いと 急 やす か ゑ し・ さ れ ば此 讐 か の國 入 も ・ これ を あ や ふが り τ盛 意 ・養 訂
シモラ 帯 ン 嵩 の シト ノ ヘ ル、 ヲ ヲ フ
必 在 や北 。 而 在 レ南 巴 い ぴ 。 叉 は 。 李 秀 害 。 不 レ可 レ謂 レ無 一
攻 伐 之 謀 鱒 薦苛造 験 艦 噂 以 ご數 千 鰰
計。
スコ ヲ ニた ヲ プ リ テ フ ンコヲ タヒ スルコヲ シト フ ヲ メシニレヲメ ハシ
徴 ご兵 諸 州 舶 以 二數 十 萬 叫計 ゆ 日 夜 圖 度 。 思 レ得 ご 一逞 殉 不 レ可 レ謂 レ無 下窺 二中 國 H之 心 加 使 下 其 遣
亀
レ臨 臨 レ聽 ¢ 菊 レ風 概 嚠レ帆響 寇 劇拠 澹 海 府 瀧 ⑳ 備 禦 兵 力 。 鷄 ⋮様 レ海 ﹄ 聖 臨 勝 負 得 失 。 匙 為 レ㍉ . 、
ル 、 、 バ リ 、 テ ヲ
リ ハ リ ソ ・
二.ク ランニモシ ラハ ナルコ ン
レ 知 也 と も 。 叉 は 一由 二朝 鮮 殉渡 二鴨 線 江 一而 上 。 一由 ご山 東 海 面 ? 乘 μ風 疾 趨 。 設 有 レ疎 レ虞 。 令 下
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長懸 .
死 震即簿 辰聾 柴 レ
亘 以喬 薦 。 とも い へる事有しを思ふ べ し。 さてしか南
京 を と り 給 ぴ な ば 。 い よ ノ \ 其 御 い き ほ ぴ に お そ れ て 。 か の 江 南 と い ふ な る程 な ど は 。 お の .
つ から の こり な く 。 御 手 に 入 な ん てと 。 う た が ぴ な し。 さ て した が ひ ま ゐ ら む 竜 の をば ゆ る
し て 。 よ ろ し く は か ら ぴ 。 い さ 玉か 遮 國 の さ ま た げ を な さ ず 。 民 を や す め て 。
'よ く ま つ り ご
虎 狼 、 葵 潔
ち な ば 。 か の國 入 共 。 と ら お ほ か み のご と 思 へり し 御 國 人 を、 ぴ き か へし た ふ や う も あ り ぬ
灘 ..
べ し 。 か く し て や う ノ \、に 。 北 のガ へお 七 竜 て ゆ き な ん に は 。 北 京 も ま た 御 手 に い り ぬ べ く η
馭 戎 概 書 下 之 卷 下 、 ー ン .
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馭 戎 礒 覧 . : ・
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よ く し た Σめな ば。朝 鮮 の王子 のご と く 。 明 王 を いけ ど ら ん こ と 竜 か た から じ 。 さ て 御 心 の
賞 ミン
ま 玉に 。 軍 び と た ち に は 。 め ぐ み の と こ ろ を も あ た へ給 ぴ 。 明 王 を ば 。 事 の さ ま に し た が ぴ
ボロボ ワケ
て 。 滅 し も し つべ く 。 叉 其 國 の 内 を 分 あ た へ て 。 ゆ る し お き 竜 し つ べ く 。 い か に も よ き は か・
り
ら ぴ 有 ぬ べ し 。 か く あ ら ば 。 い か り 給 ふ 朝 鮮 は 。 手 お ろ さ で。 お の つ か ら 御 ,
心 なら ん か し。
さ て朝 鮮 も ろ こ し 迄 。 あ ま ね く
政 化 る 播 . 、 し・
・皇 朝 の み の り を し き ぼ ど こ し て。 其 区 々 こ と ん \ く ,
巌 亭
天 皇 關 白 に つ か へま つ ら ば 。 い か に あ ら ん 。・其 御 ま つ り ご と だ に ょ う し く は 。 長 き 代 ま で も 。 さ
て たも ち給 ぴ ぬべ し 。 よ し し ば し に ても 。 さ ば かり お ご れ るも ろ こ し の國 など の。
奉 正 朔 . 功 徳
皇 朝 の み のり を う け た ま は り て 。 ま つ ろ は ん こ と は 。 こ し か た に た め し な き 。 此 君 の 御 い さ を な
る べ き 物 を . い さ 玉 か の 御 い か り を し も 、 え し の び 給 は ず 。 朝 鮮 に の み か 曳づ ら ぴ て 。 あ ま
た の 年 月 。 ち か ら を つ べ さ せ 給 ぴ し は 。 今 思 へば 。.
獪 いと あ かず 。 いふ か ひ な き わざ に な ん 。
そもー 此大閤 の・も耄 し憲 ㌔ちとり給ぴ ぬべき事を・か畜 と董 姜 げ に- わがま
う す を 。 例 の か 0風 に 心 ぴ く な る 儒 者 共 な ど は 。 い み し き み だ り 霄 と 思 ふ め れ ど 。 そ は か れ
も
セ ほ コ ク ヌチ
が 。 御國 を いみ し く おち て。 い さ へか のあ ふれ も の にも 。國 内 のさ わ ぎ ま ど ひ し事 。 又 此 た
び 朝鮮 のさ わぎ に より て。 せ ん か た な く 。す ち なき 封 王 の事 な ど は か ら ひけ む 。 つた な さ な
.ど を ば 。 く は し く 思 ぴ は か ら で。 た 璽 み だ り に か の 國 を ば 。 い と も く 大 き に て 。 軍 のす ぢ
楊
も 何 適 。 す ぐ れ た り と の み 。 ぴ た ぶ る に 思 ぴ を る 。 ぴ が 心 に ぞ あ るや 。 獪 大 閤 φ 御 心 は 。 ざ
は い へど 。 つ ぴ に 明 の國 を も こ と む け ん と お ぼ し け る を 。 行 長 叉 其 外 の人 々も 。 お ほ く は し
ら け む
ら ぬ さ か ひ に年 月 を か さ ね て 。 く る し き い く さ に い たつ 鳶 ぬ れ ば 。 國 戀 し く て 。 い か で と く
か へら ば や と 思 ふ 心 深 き に そ へ て 。 さ ば か り 大 き な り と き く 。 胴 の國 の軍 も 。 な ほ い か ば か
テ
り か 出來 な ん と 。 お そ る 丶心 も。 す と し は有 け ん 故 に。 あ るまじ き あや ま あ は引 出 し な りけ
勇 ノ
り 。 さ るを は じ め よ り 。 いさ Σか も い さ め る心 の たゆ ま ざ り し は 。加 藤 圭 計 頭溝 正 ぬ し に て。
ぴ た ぶ る に 明 の國 ま で 。 う ち た ぴ ら げ ず は か へら じ と 。 か 海 く 思 ぴ さ だ め て 。 か の ま ぎ ら は 、
O
諾
し か り け る む つ び のす ぢ を も 。 さ ら に さ ら に ラ ベ な は ず 。 大 閤 の御 た め も 。 大 か た 皇 國 の た
'
忠成
め も 。 いとく ま め な り し は。 此 ぬ し に なん 有 け る。 か かり け れ ば。 行 長 など か た 踏 、の 人 々
不 和
"には 。 そ ね み に く ま れ て。 な か よ か らざ り し かど も 。 朝鮮 明 の人 共 も。 此 人 を ば。殊 に いみ
レルコト ニ
しき 物 にお も ひ て。 李 壤 録 に も。 清 正 才 能 勝 二 行 長 一 數 倍 。 な ど Σ ぞ い へり け る 。 か く て大
閤 。 朝 鮮 を い か り 給 へる 事 。 な の め な ら ず し て 噂 又 し も こ れ を せ め さ せ 給 ふ 。 此 度 竜 加 藤 小
馭戎 慨 言 下 之 卷 下 〃
一五 三
傷
緯
駁 戎 慨 言 、 、 .
. 一五匹 、
先 鉾 ・ .
西 を なん 。 さ き て には 仰 せ け る。 小西 は しも 噂 殺ざ るべ かり し が 。 し ば ら くゆ る され し を。
此度 の いく さ のし さま に し た が ぴ て ぞ。 と も かぐ も は から ぴ給 はん と て な りけ れ ば。 叉 明 よ
り む つび を こ ぴ申 す 事 な ど あ ら ん に も。 此 度 はす べ て た 里。清 正 け か ら ぴ て よ。 行 長 は いさ
勿 知 ・ ・
さ かも な し り そ と なん 。 いま し め つか は し け る。、 慶 長 二年 の正 月 に。 御軍 す ぎ ー に お し 渡
り て。 又 し も城 共 あ ま た せ めお と して 。 いみ し き いき ほ ぴ なり け れ ば。 明 より も 又 す く び の
議 , 營
軍 ど も 來 て 。 と り ゐ 丶 に な ん さ だ し け る 。 又 沈 惟 敬 使 ど し て。 御 軍 の い ほ り に 來 て 。 早 く 引
獻
か へるべ き よ し いふ に。 こ なた よ り は 。 さ き に う ぺ な ぴ申 せ し ご とく 。此 潮 鮮 の 三道 をた て
ま つれ 。 さ らず は さ ら に軍 か へさじ と い ふ。 三 道 と は 。 忠清 道 慶術 道 全羅 道 を い ふな り け り。
獻 酋
さ れ ど ヒ れ を 日 本 に た て ま つら ば 。 我 國 の た め も 。 い と あ し か り な ん と て 。 明 の を さ ど 竜 。
つ ほ コノ ニ ント
。
さ ら にう け ぴ か ね ば。 惟 敬 は思 ぴ わび て。清 正 の許 に書 奉 り て。 邪 總 督冖 大 兵 七 十 萬 將 レ至 。
ム ノケンフヲヲ h フ ノ 条 ㌧ 力 也 フ
勸 二其 退 ジ 兵 と 。 お ど し お ヒ せ た る こ た へ匿 。 清 正 よ り 。 大 師 言 。 大 明 之 兵 沓 至 。 是 我 所 レ願
ハ ニノ シ テ ニ スルコ ノ ノ ニ ク サハ ヲ ハ ぱノ ヱ ロノ
也 。 朝 鮮 弱 兵 。 而 無 ご向 レ我 敵 圃也 。 繋 二大 明 之 兵 鴫 快 作 二 戰 鱒 期 朝 鮮 國 潜 不 レ足 レ
書 。大 明 北
モ セン丁ヲ カラ ラス ヲ ノ 也 ハ
京 。 燒 コ却 之 幻 不 レ可 レ囘 レ首 。 幸 又 幸 也 。 餘 不 具 。 と そ い ひ や ら れ た り け る 位 た け き ヒ と い .
は ん か た か し 。 す べ て か 曳 る を 莎 の書 は 。 か く さ ま に ぞ あ ら ま ほ し き 。 但 し か ば か り た け き
メ
センヲ
書 に 秀 。 な ほ 例 の 大 明 の 大 の 字 の は な れ ぬ こ そ つ た な き な ら び な り け れ 。 ま た 北 京 燒 コ却 之 嶋
チニテ ニい シ ヲ シ ヂカヲ テ
と ば か り い へる も 。 何 と か や ご と た ら ぬ こ 玉 ち す 。 こ は 直 抵 二北 京 舶 燒 罰却 殿 堂 幻縛 爾 王 幻囘
セン ニ
而 獻 二大 閤 噴耳 。 な ど N ぞ あ ら ま ほ し き 。 清 正 記 に 。 か に し 文 祿 二 年 。 行 長 が 干 壌 を や ぶ ら れ 、
ご ,
モト
て 。 し り ぞ き け る こ ろ 。此 清 正 の 。咸 鏡 道 と い ふ に 在 て 。獪 ひ と り い き ぼ ぴ つ よ か り け る 許 へ。
朝 鮮 の經 畧 と て 。 事 と り す べ け る 明 の を さ 。 宋 應 昌 と い ふ も の 。 使 を さ し て 。 い み し く お ど
ヘ
カヘリコト の
し お こ せ し と き の。 此 人 の 返 事 の お も む ぎ 。 も は ら 右 の 書 と 同 じ き は つ 乳 と ひ と つ事 な る が コ
ま が ぴ し にや あ ら ん 。 かく て沈惟 敬 は 。今 は は か り ご と つき て。 せん か た な か りけ れ ば。 明
の 軍 を に げ て 。 小 西 に し た が ぴ て 。 命 た す か ら ん と せ し を 。 え に げ あ へ備、。 と ら へら れ て 。
に ノ ノ
ぜうま
ぴと や に入 にき 。 其後 こ の清 正 ぬ し と 。淺 野 左,
京 大 夫 幸 長 ぬ しと 。尉 山 の城 と いふ に こも れ
り し を・繹 と盟 り
薩 のカ のかぎりを つくし三 最 へてせめけ襲 -払 す ご乏あ鼠
へ
ず 。 つ ぴ に 釜 出 に 有 け る 御 軍 の た す け 來 た り し に よ り て 。 い み し ∼・ぎ り や ぶ ら れ て 。 と る物
ノ
だ に と り あ へず 。 み な に げ か へり 。 又 島 津 兵 庫 頭 義 弘 ぬ し の ℃ も れ る 。 薪 寨 の 城 と い ふ を せ
め た る に も 。 え お と さ ず 。 か へり て い た く や ぶ ら れ に き 。 か く の み 明 の いく さ も 。 い と つ た
雪
も 防
な か り け れ ば 。 こ と に そ の ふ せ き に さ へち る べ き に も あ ち ず 。 ま し て 朝 鮮 の い く さ は 。 物 の
馭 戎厩 言 下之 卷 咽
、・ ・
、 "五五
龕
駅 戎 "
慨 言 ・, 一五六
數 に 竜 あ ら ざ り け れ ば 。 此 度 も そ の 王 を 海 ぴ お と さ ん こ と は 。 い と や す か る べ く 。.
獪す き ま
な く せ め 竜 て ゆ か む に は 。 明 の國 を 竜 。 い と よ く は か り つ べ か り け る に 。 此 度 は た 璽 と り つ
る城 共 を 。 か た ぐ 守 惹 わ ざ を の み む ね と は し て 。 し か す Σみ せ め ん の 心 も な く 。 い た づ ら に
. . , 敵
月 日 を お く り て 。 そ の と し も く れ 。 叉 の年 の秋 ま で も 。 さ て の み 有 し か ば 。 そ 、のあ ぴ だ に か
ノ
.
た き の 方 に は 。手 く ば り な ど は 。思 ふ ま ﹄ に せ し そ か し 。 こ れ を 開 の書 ど も に は 。か の國 の軍
薗 ♪ ・ 噂 宀
の を さ の ば か ら ひ か し こ く 。 ふ せ き け る い き ぼ ぴ の。 た け か 妙 し に よ り て 。 御 國 の軍 は え う
クビ
こ か ざ り し や う に しる せ れ 共 。 さ ら に さ る こ と に は あ ら ず 。 此 慶 長 の 度 は 。 は じ め と は か は
約
り て 。 さ き に ち ぎ り し 事 共 を だ に 。 明 王 う け が ぴ 奉 ら ば 。 朝 鮮 の 罪 を ゆ る し て 。 御 軍 か へし
ノ ナポ
給 は ん の御 心 に て 。 そ の む ね は 。 清 正 ぬ し な ん 。 う け 給 は り て 有 つ る を 。 此 人 は 直 く て 。 か
●
の 行 長 が 有 し や う に 。 あ な が ち に む つ び を と と の へん と 思 ふ 心 し な か り け れ ば 。 沈 惟 敬 な ど
卩
命 ・ . ・ 酋
に も た 璽 。. お ほ せ の 趣 め ま Σに の み い ひ つけ 玉 る 故 に 。 か の図 の を さ ど 竜 は 。 き Σ い れ ざ り
し
を、 獪 か れ がう べ な ぴ こむ 迄 と 。城 共 を いみ しく か た め て。
"
い き ほ ぴ を し め し つ 玉。 久 し
薨
く 動 か で は 有 し な り け り 。 か 乂 り し 程 に 。 そ の 八 月 十 八 日 に 。 大 閤 か く れ さ せ給 ひ ぬ る は 。
い と あ へ惣 く 。 く ぢ を し き わ ざ な り け り 。 い ま 二 と せ 三 と せ お は し ま さ ま し か ば 。、
此朝鮮 の
い た つき も 。 いたづ ら に成 て はや ま ざ ら ま し を。 七年 が ほ ど の御 いく さ に 。 こ れぞ と見 ゆ る
し るし も 。 つぴ にな く てや み ぬ るは 。 か へす ゐ丶 く ち を し。 さ るは 此事 おも ほ した た む に は,
まつ かの ・
、
農鬆 .
饗 の鸚 る警 を窿 し鷲 て・かなちず さるべ轟 たち を・ねんご ろにいつ桑 り給 '
ぴ
て 。
奇 異 助 功
く す し き 御 た す け を 。 深 く い の り 申 給 ぴ て こ そ は ゆ 殊 な る御 い さ を も た も ぬ べ か り け
、
る を 。 は じ め よ り 此 神 わ ざ を ば 。 お ぼ し も か け ず て 。 た だ み Nつ か ら の 御 い き ほ ぴ を の み 頼
ノ トラナ
コよ
ゆカミ
へ
・
み 給 ぴ し は 。 い か に そ や 。 叉 御 軍 の 人 々。 い き ほ ぴ に ま か せ て 。 心 な き 虎 狼 よ り け に い ち .
ね
は や く あ ら び つ ﹄.驥朝 鮮 靠 もな 良 港 。 いぞ そ .濠 ? る しめ さ 藷 ひ し も。 い とあ ﹁
メ
ぢ き な し 。 こ れは た始 より 深 く いま しめ つ かはす べ か り け り。 大 か た これ ら や 。紳 の御 心 に
は か な は ざ り け む 。 さ て う せ 給 ひ な ん と せ し 程 。 朝 鮮 な る いく さ 。 、
今 は そ の國 を す て Σ。 ζ
ゼ
と λび
\ く歸 る べ き よ し. .の た まぴ おき し に よ圏 り て 。 御 軍 す ぎ ノ\ に み な 引 か へり ぬ 。 然 る を
明 の書 ども に は・ そ の軍 の 聡 異 が いき ほ ぴ も 三 ま か へし つ き ど く に・ 例 の われ だ け
ぐ し る し お き た り 。 す ぺ て 明 の軍 。 此 と し ご ろ し ば ノ \ を さ を か へ。 さ ま ゐ 丶 に 心 を つ く し
ほ かり こ ち て, たむ かび し か共 。 は かぐ し き こ とは えあ ら で。 ぬ つか に た 義 評 の鐸 と
馭戎慨書下之卷下
、 一五七
'
癖
馭
戎 慨
言 へ
・
' 一玉 八
う ふた つとれ るなどを・勘 しき磐 のごとし るし・今 叉心と 交 る蟹 のし罐 にたち てが 躍
タ
功
ぴ し を さ へ。 い さ を が ま し く い ぴ な せ る は 。 い と も ノ \ を か し く な ん 。 そ も く わ が御 軍 は。
ヒ
と し ご ろ あ ま た 曳 び の戰 に も 。大 名 と あ る き は の 人 と て は 。 一,
人 庵 う た れず 。 今 は た し り ぞ
く ぎ は に 遇 。噂事 よ く お き て し か ば 。 殊 な る 訪 や ま ち も な く 。ヒみ な 人 つ 里 が な く て か へ り 來 ぬ
.
る 物 を や 。 か く の み た け く す ぐ れ た る 皇 大 御 國 の ぴ か り を か 皮 や か し お き 給 ぴ て 。 こ・
ま 竜 ろ
メ
こ し の 後 の 代 ま で 。 い み し か り け る 事 に 。 か た り ウ た へか き つ た へ た る は 。 さ は い へど 。 此
豐羅 の御艶 を㌘ ん淳 る・かく匹 . .
驀 禮諜 騒 ・天の下申給ふ御代になりてより髪 た・あぢきなきむろこしの鱗 びをば・ .
カ
ロ げ
ゆ
や
ゆか
電 よく .
奮 りは て 給 ぴ て 。 い よ ノ \ 隔
ます 广 \
軸
皇 朝 を あ が ま へ尊 み 奉 り 冖給 ひ て 。 .
い と も 有 が た き 御 め で み に 。 櫛 中 は 野 降 の木 草 の 。 の ど け き 春
の 日 に 。 立 の び 花 さ く ご と く に て 。 萬 の事 も 。 や う ノ \ に い に し へに た ち か へり つ 丶。 い と
も ノ \ め で た く 。・ さ か ゆ く 御 代 と し 成 ぬ れ ば 。 は る け き 四 方 の 國 々 よ り も 。 み つぎ 物 た て ま
方 物
つ り 。 か の も ろ こ し の 國 は た 。 む つ び 給 は ね 共 9 お の つ か ら そ の く に つ 竜 の も 。 あ ま り あ ゐ ﹂
チ フネモヘソネ ツ
迄 。 干 船 百 船 た つみ も う で 來 て 。 萬 に た ら .
は ぬ物 も な く。 大 か た
、
アメツチ の
大 將 軍 の御 い き ほ ひ 。 天 地 の あ ぴ だ に か 雲 や 避 給 へば 。 そ の國 王 に た 。 つ ひ に こ と わ り の 如 ぐ 。
稱 臣 歸 化
み や つ こ と ま う し て 。 ま つろ ぴ ま ゐ り な ん 物 ぞ 。 あ な め で た 。 あ な た ふ と 。
、
安 永 七年 戊 戌 二 月晦 日
太﹂
居 宣 長 (
花押)
馭戎慨. 一五九
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く ず ば な 上 つ卷 ノ ' .
ナポビノミタマ
或 人 ま が の ぴ れ と い ふ 書 を 作 り て 、 余 が あ ら は せ る 道 の論 此書 直 靈 ど名 づ け て 一卷 あ り を 難 じ
オポムネ
たり 、 其 書 の大旨 を考 ふ るに 、 此 人 いさ 乂か皇 朝 の學 をも 好 む と は見 え た れど も 、 儒 者 にて年
、
へ
來 た 嚼 漢 國 聖 人 の 道 を の み 奪 き も の に 思 ぴ な れ た る 故 に 、 皇 國 の古 を も 、 海 璽 そ の漢 國 の 意 を
以 て定 め ん とす る 心 に、 余 が 恥 へ
.る趣 の 、 い た ぐ 其 意 と は か は り て 、,
か の 聖 人 の悪 き 事 を 辨 じ
な ど し た る を 見 て 、 大 き に 怒 れ る 心 よ り 書 出 た る も の な り , そ 竜 ノ \ 天 下 の學 者 、 干 有 餘 .
年 か
カラブミ
ウ マ ヱヒミダレ
の漢 籍 の毒 酒 を 飮 て 、 其 の文 辭 の 口 に 甘 美 き に ふ け り て ゐ た れ 亀 皆 醉 亂 た る こ と を み つ か ら お
ナホビノ
ミ ダマ サメ レヱへ ひ
ぼ え ず 、 た ま ズ \ 直 毘 瀞 の御 靈 に よ り て 醒 た る 人 有 て 、 こ れ を さ と せ ど も 、 な ほ 我 醉 る こ と な
タフレゴト ココ サメ ヌ ノマ
し と の み い ぴ て い よ ノ \ 狂 言 を は な ち つ ﹂、 い さ 乂 か 醒 ん と す る 人 に も 、 獪 か の毒 酒 を し ぴ 飮
●
せ て 、 い よ / \ 醒 み だ れ し む る こ と の か な レ さ ・ 見 る に え た へざ る 故 に 、 鷺 て 醵 よ と 、 撚 も て
クズバナ リ
來 つ る こ の電鐸化淋 ぞ、
○ ま が の ひ れ に い は く 、 老 莊 ガ 諡 タ ル自 然 手 イ フ モ ソ ヲ ヨ シ ト 思 ヘ ル }
一ヤ 、 イ タ ク 聖 入 ヲ ソ シ リ
ー ず ば な 上 つ卷 . , .、 , 一六壽
-ず﹁
も
、
4
9
く ず 花 。 一六 四
奉 リ シヲ、
○ ま つ 此 一言 に て 難 者 の固 陋 な ゐ ほ ど お し は か ら れ た り 、 聖 人 を 議 す る も の は 、 必 老 莊 が 徒 よ り
外 に は あ る ま じ き 竜 の と 思 へる に や 、 老 莊 が 読 を 乱 し と 思 は ね ば と て 、 聖 人 あ し く は な ど か こ
魁
れ を辨 ぜ ざら ん 、 海 まく そ の辨 じ た る が同 じ け れ ば と て 、 必 そ れ が徒 のや う に思 へる は、 譬
秒
ゼクマウ バクチ
へば 、 夜 ふ け て 里 申 に 燒 亡 のあ る を 、・
近 き あ た り に 博 奕 を う ち ゐ た る輩 まつ 知 り て 、 出 て そ の 、
スク トナリ
火 を 救 ふ 、 次 に 里 人 も み な 聞 つけ て 、 出 て 同 じ さ ま に す く ふ 時 に 、 隣 の 里 人 こ れ を 見 て お も ヘ
バクチ . . ン
る や う 、 あ の 里 人 の 、 博 奕 う ち と 同 じ さ ま に 火 を 救 ふ な 為 は . み な ば く ち う ち の友 な め り と い
ナホビノミタマ
へる が 如 し 、 聖 人 の 道 は 燒 亡 也 、 老 莊 は ば く ち う ち な り 、 余 が 直 靈 の書 は 里 人 也 、 難 者 の今
ウ
の言 は 隣 の 里 人 の 思 へる 所 也 、 そ も ノ \ 老 莊 博 奕 う つ は わ う け れ 共 、 火 を 救 へ る は善 し 、 そ れ
と 同 じ さ ま に す く へば と て 、 そ の 輩 ぞ と い は ん は 、 ぴ が こ 玉 う え な ら じ や は 、 触
・
○ ス ベ テ 營ロノ 傳 ヘト イ フ モ ノ ハ、一 云々
メ クガヒ トクシツ
○ 言 を 以 て い ぴ 傳 ふ る と 、 文 字 を も て 書 傅 ふ る と を く ら べ い は ん に は 、 互 に 得 失 有 て 、 いつ れ を
マサ ヘ ントヅタ
勝 れ り 共 定 め が た き 中 に 、 古 ま り 丈 字 を 用 ぴ な れ た る 、 今 の世 の 心 を も て 見 る時 は 、 言 傳 へ の
み な ら ん に は 、 萬 の 事 お ぼ つ か な か る べ け れ ば 、 丈 字 の方 は る か に ま さ る べ し と , 誰 も 思 ふ べ .
傷
け れ ど も 、 上 古 言 傳 への み な り し 代 の 心 起 立 か へり て 見 れ ば 、 其 世 に は , 文 字 な し と て 事 た ら
ヘ ナ フ
ざ る ヒ と は な し 、 ζ れ は 文 字 の み な ら ず 、 萬 の器 竜 何 も 、 古 に は 無 か り し 物 の 、 世 々 を 經 る ま
アラタに
み
ま に 、 甎 に出 來 つ 玉、 次 第 に 事 の 便 よ き や う に な り ゆ く め る 、 そ の新 し く 出 來 始 め た る物 も 、
ヘ フ ベス ナ
年 を 經 て 用 ひ な れ て の 心 に は 、 此 物 な か り け む 昔 は 、 さ こ そ 不 便 な り つち め と 思 へど も 、 無 か
も
オ
ケ
の
り し昔 も 、 さ ら に 事 は 欠 ざ り し 也 、 文 字 の う へ に て 竜 、 皇 図 に は 漢 字 あ り 、 片 假 字 あ り 、 夲 假
ツ
宇 有 て 、 此 三 の内 一つ 竜 か け て は 、 事 に よ り て 不 便 な る を 漢 國 に は 、 片 假 字 も 李 假 字 竜 な け れ /'
コウジヤウ
ど 竜 、 さ ら に 是 な く て 不 便 な り と は 思 は ず 、 又 遠 ぎ 所 へ大 切 の儒 事 を い び や る に 、 口 羝 に て は
クガヒ ワカ
違 あ る故 に 、 書 ⋮
状 に て い ぴ や る 、是 は・
文 字 の徳 な り 、 然 れ ど も 又 、 書 駅 に て は 分 り が た き 事 竜
有 て 、 晶 に よ り て は 使 を さ し て 、 委 き 事 は 口歌 に い ぴ や り て 、 よ く 分 る 玉 事 も あ り 、 こ れ は 又
ヘ ック カラ
詈 傳 の 徳 な ら ず や 、 さ れ ば 書 は 言 を 蠱 さ ず と 漢 人 毫 い へり き 、 こ れ を も て 見 れ ば 、 上 古 の 事 も ゼ
ヘ
後 アウハシ
ま で晶霞傳 の ま 乂 な ら ば 、 返 り て 精 き 意 昧 も 傳 は る べ き が 、 申 々 に 文 字 傳 へに な ゆ て 、 失 ぬ る
、
へ
と と も あ る ま じ き に あ ら ず 、 猫 此 .得 失 を い は 璽 、 た が ぴ に く さ み \ 有 べ 蓬 を 、 今 難 者 、 言 傳 の
へ
方 に は 失 を の み 舉 て 、 得 を い は ず 、 文 字 傳 の方 に は 、 得 を の み 擧 て 、 失 を い ば ぬ は 偏 な ら ず や 、
ノコ
へ
言 徳 へは 實 な ら 激 事 の み 遐 る と い へれ 共 、 此 失 は 文 宇 傅 に て も 同 じ 事 也 、 文 字 に て 竜 虚 を 書 傳 巳
く ず ば な 上 つ卷 、
一六 五
〆
卿
く ぶ5.夢化 ・
辱・ 、 。 一亠
ハ山ハ
ロ
ノオラ 精
ふ れ ば 實 は の こ ら ず 、 言 に て 竜 、 實 を い ぴ つ た へ ば 、 な ど か 實 の遺 だ ら ん 、 叉 書 に 傳 へ の誤 り
あ り と い へ る は 、 誠 に さ る し と に て 、 文 字 は 不 朽 の 物 な れ ば 、 一た び 記 し 置 つ る 纂 は 、 い く チ
ノカ
年 を 経 て も 、 そ の ま 玉に 遣 る は 文 峯 め 徳 也 、 然 れ 共 文 字 な き 世 は 、 文 字 無 き 世 の心 な る 故 に 油
ノ メ
言 傳 へ と て 竜 、︾文 字 あ る世 の言 傳 へ と は 大 に 異 に し て 、 ヶ き た る こ と さ ら に な し 、 今 の慌 と て
ぼ ロ へ O
竜 、 文 字 知 れ る 人 は 、 萬 の事 を 文 字 に 預 く る 故 に 、 室 に は え 覺 え 居 ら ぬ 事 を も 、 文 宇 し ら ぬ 人
コトクマ
F ﹁
コトタマ サキ
O
ば 、・返 り て よ く覺 え 居 る に てさ と るべ し 、殊 に皇 國 は 、 ・書 難 の助 く る國 ゐ 言 鬣幽の崇 は ふ國 と 古 '
語 に も い ひ て 、 實 に 言 語 の 妙 な る こ と、 菖 國 に す ぐ れ た る を や 、 、
、
ミバカリ
ナラセ
○ 上 代 ノ古 事 ハ、 後 ノ 天 皇 ノ 御 慮 二令 成 ッ ル秘 事 ナ リ 、 ・
ミバカリ チラセ ロ ま ワカ
○ 御 慮 に令 成 つ る と は 、.い ぴ ざ ま あ や し く て 、 い か な る意 と も 分 り が た き を 、 難 者 の 心 を お し ば﹁
マへ
か る に 、 此 段 は 、・應 瀞 天 皇 の前 、 文 字 な か り し 世 々 の古 事 は 、 皆 そ の後 の天 皇 の御 心 も て 、 よ ,
ナ
き さ ま に 造 り∵
成 し給 べ る物 に て、實 の事 には あ らず と いふ 意 なり 、 あ な か し ヒ、 ま のあ た り に
天照大御紳 の濕 御誉 麟 蒙り奈 ら、
・で る邪読 を吐出ナベ耄 のかは、斈 なしとて、其
ウチ
. ヨリドユη
、
ミダリゴト、
鈩
世 め 喜 は 淌 ぬ る例 の中 也 と は 、 何 を 據 に い へ る 漫 言 ぞ 、,漢 國 に は 、 い ま だ 文 字 の出 來 さ り し・
以 前 の 上 古 の 事 は 、 さ だ か な る 傳 へな く し て 、 ま ろ づ し ど け な き 事 の み な る 故 に 、 そ の 例 を 思
ゆ 贈
ほ クぐ
ひ て 、 必 皇 國 の 上 代 も 同 じ く 然 る べ き 理 也 と 、 思 ぴ な づ め る ひ が 心 得 に て 、 そ れ 磯 、走し か ら ざ
シヤクシヂヤウギ
る 方 を 規 短 に し て 、 正 し き 方 を 改 め ん と す る も の に て 、 い は ゆ る 杓 子 定 木 也 、 此 事 に 限 ら ず 、儒
に ユガ
者 は す べ て 侮 事 竜 , 皇 國 の 正 し き こ と を ば え わ き ま へず し て 、 返 り て 漢 國 の 邪 め る 事 を 正 し と ■
望
ノクニブミ ナヤ タフレゴヘロ
思 ぴ て、 擦 と す る は講 み な 彼國 籍 の毒 酒 に腦 ま さ れ た る 狂心 なり 、 い で し 乂うみ に 此葛 花 を 一
エせ
かギ ビ
ワカ
ひ ら な あ て 、 醉 心 を さ ま し て 聽 け 、・ま つ 皇 國 に は 、 天 地 の 剿 れ し 姶 よ り し て 、 國 土 日 月 萬 物 の
始 な ど ま で、 其 事 の詳 に傳 はり き ぬ る に、 天 照 大 御 紳 の拶 郵 盤 る御 國 と し て 、萬 國 に膓 れ・ 人
ナポ カツ モ
コトタマ
の心 も 直 かり し ゆ ゑ 、 且 は申 古 迄 、中 々に文 字 と い ふ物 のさ かし ら な く し て﹂ 妙 な る言 靈 の傳
へなり し徳 と も いぴ つべ し、 外 國 は大 御 神 の御 國 にあ ら ず し て、萬 分事 も と より 皇 國 に及 ば ざ
る べ き こ と わ り な れ ば 、 上 古 の傳 へ事 も さ だ か な ら ざ る な り 、 然 れ ど も 、 皇 國 の 如 く 正 し く こ
シカ
そ は 傳 ら ね ど も ︾ い つ れ の 國 に も 、 か た の如 く お の / \ 傳 へ は 有 て 、 か の漢 國 と て も 然 有 つ る
を 、 聖 汰 と い ふ 癒 ま ざ か し き 竜 の 出 て 、、己 が 限 あ る 智 を 以 て 、 天 地 の 始 を も 何 事 を も 、 み 霞 り
に お し は か り 定 め て 、 上 古 よ り の 傳 を ば 、 虚 誕 六 り な ど い ぴ て 、,無 用 の も の と し て 、 ,
と り あ げ
ウセ
ぬ を か し こ き 事 に せ し 故 に 、 お の つ か ら そ の 傳 へ事 は 失 ゆ き し な り 、 中 に 竜 周 公 旦 と い ぴ し 者 .、
殊 に こざ か しき を の こ にて 、 いよノ 丶 私 智 を用 ぴ て物 を さ だ む るこ と を好 み し を、 國 内 の人 み
ー ず ば な 上 つ卷
.. 一六 七
愛
・ 齒
煽
黥
く
メツ '花 、
.
.
一亠
ハ八
な そ れ を よ き 事 に 思 ひ つ 玉、 こ と ん \ く そ の 風 俗 と な れ り し 故 に 、 周 の代 に 至 て 、 上 古 の傳 ヘ
ウセ ノコ
事 は 大 か た 失 ぬ 、 さ れ ど 獪 ま れ ノ \ に は 、 は し ん\ 遣 れ る 事 共 も 有 つ れ ど も 、 み な 例 の虚 誕 と
い ひ な し て 、 一向 に 取 あ ぐ る 人 竜 な く 成 ぬ る は 、 い と 悪 き 國 俗 に な ん 有 け る 、 そ も ノ \ か く の
如 く 、 古 へ の傳 へ を ば 用 ひ ず 、 た 璽 己 が 心 に ま か せ て 、 物 を 定 め ん に は 、 萬 の 事 は い か さ ま に
マグ クダン
も いぴ曲 べ きも の也 、 今 此難 者 も 、た 璽 か の聖 人 を のみ かた じ け な き も の に思 へる か ら、 件 の
ヤブ
悪 風 俗 を よ き 事 に 思 ひ て 、 返 り て皇 國 の 正 し き 傳 へ を い ぴ 破 ら ん と す め り 、 か の國 人 共 は , 此
正 し き 傳 へ を 知 ざ れ ば 、 た f か の國 俗 を よ き 事 に 思 ふ も , さ る こ と な る を 、 皇 國 の 人 は 、 正
し き 傳 へを ま さ し く 聞 な が ら 、 な ほ か の悪 風 俗 に ま ど へ る は 、 い か に そ や 、 か く い ひ て も な ほ
ヱヒ
醉 の さ め ず ば 、 今 一ぴ ら 此 葛 花 を な め て よ , そ も ノ \ 難 者 、 後 の 天 皇 の 上 代 の古 事 を よ く 造 り 馬
な し給 へる こ と は 、 應 神 天 皇 よ り 天 武 天 皇 ま で 三 百 年 の 闇 に 、 漢 國 の 書 籍 を よ く 讀 て 、 聖 人 の
道 を學 ひ 得 給 へ る 故 な り と い へ る,\
も し 此 説 の 如 く 、 漢 國 聖 人 の 道 を 學 び 得 給 へ る に よ㌦
り て,
上 古 の事 を よ く 造 り 給 へ る物 な ら ば 、 そ の事 を 意 も 何 も 、 み な か の 舍 人 親 子 の 書 紀 の 文 章 な ど
カラヤウ
の如 く , 漢 樣 に な ら ぴ て 、 か し こ げ に こ そ 造 り 給 ふ べ き こ と な る に 、 漢 樣 と は 大 に異 に し て ,
返 り て か の聖 人 の 道 に 虚 誕 と て 取 あ げ 融類 の 事 の み , 紳 代 に は 多 き は い か に 、 こ れ か の國 の 書
丶
9
一
ヒ ノ
に よ ら ず 、 造 り 事 に あ ら ざ る 證 な り.
、 又 天 照 大 御 神 の 、 皇 孫 命 に授 け 給 へる 御 靈 の 御 鏡 は 、 今
ノ
ノ
、も 現 に五 十鈴 宮 に ま しく 、草 薙 の御 劒 は、 熱 田宮 にま します たぐ ひ、 神 代 の遺 跡今 な ほ國 々
に存 し、 又 神 武 天 皇 よ り こな た 御 代 く の山陵 な ど も、 畿 内 の國 々 に現存 し、 朝 廷 には神 代 の
遺 事 も こ れ か れ の こ り 、 叉 申 臣 忌 部 大 俘 な ど の 氏 々 は 、 紳 代 の職 を 相 傳 へて 、 後 々ま で も 蓮 綿
せ る な ど 、 皆 そ の 古 事 の實 な り け る 明 證 な り 、 か く の如 く 諸 國 に お ほ か る 潼 跡 遺 事 、 叉 諸 家 の
系 牒 な ど ま で る 、 俄 に造 り 設 け ら る N物 に は あ ら ぬ を や 、 か の漢 國 な ど の 、 名 家 の 子 孫 も 、・
國 ・
.
郡 の制 も 何 も , あ と か た な く 代 々 に か は り ゆ く 、 薄 悪 の 國 の例 と は 、 年 を 同 じ く し て も い ぴ が
た き 物 な り 、 然 る を 難 者 な ほ 姦 智 を め ぐ ら し て 、 そ の遣 跡 遣 事 叉 子 孫 な ど の あ る に よ り て 、 そ
蓼
れ に 當 れ る 古 事 を ば 造 れ る物 な り と も い は ん か 、 さ れ ど 遺 跡 遺 事 叉 子 孫 な ど の あ り し う へは 、
其 古 事 の 有 し 事 疑 ひ な き を 、 文 字 な き 世 な り し 故 に 、 そ の實 の古 事 は 皆 偉 は ら で 、 後 に ま た 別 ﹁
カラヤウ
カナ じ
カツ
に こ れ を 造 る 乏 な ら ば 、 上 に い へる 如 く 、 漢 様 に 合 ふ や う に こ そ 造 る べ き 忙 、 曾 て さ は あ ら ね
ヤブ
ば 、 巴 に か く に難 者 の説 は 、 皇 神 の道 を し ひ て い ぴ 破 ら ん と す る妄 言 な り と 知 べ し 、
クグへ
○ 天 照 ト イ フ 御 名 ナ ド モ 、 天 津 日 に配 奉 リ タ ル義 ナ ラ ン、
○ こ れ は 近 世 儒 意 を ま ぬ か れ ぬ 紳 道 者 も い ふ こ と な れ ど , 働 の漢 意 に な づ め る も の に て 、 か の國 、
くず ば な上 つ卷 '
重
'
縛
一六九
、
・ く ノず 花
瞠 一七 〇
に 祺 宗 を 天 に 配 す る な ど い ふ み だ り ご と を 手 本 に し た る ぴ が こ と な り 、 皇 図 の い に し へ に は 心、
シヒゴト へ
さや う のまぎ ら は しき. 強 事 は な き なり 、
シヒ ノ ロ タ
○ 強 テ 日 神 ハ 帥 天 ッ 臼 ナ リ ト 々 バ 、 云 々 、 未 生 レ 給 ハ ヌ 前 モ 常 夜 ナ ル ベ シ 、 云 々 、 コ レ }
ニ ノ天 ツ
.日 ハ 天 地 え 始 ヨリ 天 ニ カ 丶 リ タ ル .コ 下 イ チ ジ ル シ ﹂
○粤 撃 とど 耄 毒 心得ず、.締 亂 天 言 にまレます御藻 ・
.古龕 嘗紀に朋らかに見
シヒ
'え て 、 疑 ひ な き を 、 今 難 者 の さ は あ ら ず と い ふ こ そ , 返 り て 強 た る に は 有 け れ 、,
そもノ\此日
ミ
テラ
ナ
リイ
デマ
シ ヂ
紳 は 、.天 地 の き は み 御 照 し ま し ま ぜ 共 、 そ の 始 拭 皇 國 に 成 出 坐 て そ の皇 統 印 皇 國 の 君 と し て 今
ゴ コモ トコヨ
に 四 海 を 統 御 し 給 へり 、 さ て 此 紳 、天 の 石 屋 戸 を さ し て 隱 り ま し X時 は 、 萬 國 常 夜 な り し に 、 い
アレマサ
ま だ 生 坐 ざ り し 前 の 、 常 夜 な ら ざ り し は い か に と い ふ こど は 、 兒 童 と い へ共 よ く 心 づ き て 、 疑
ガ こ毒 る を・今 讐 ・ めづ ら しげ じ ﹂と↑ し く いぴ た て た る こそ 鬱 れ・些 つ を以 て も・
返 て神 代 の古 事 のう眞 實 に し て盧 僞 なら ざ る こと を さ と るべ し,,も し後 の天 皇 の造 り 給 へる事
い
な らん には 、 か ぼ かり淺 は か に聞 え て、 人 の信 ず ま し き 事 を造 り給 はん や は、 此 所 に ょく 心 を
ミ シワザ ヨノツネ バカ ル
と 璽 め て 味 ぴ 見 よ 、 す べ て紳 の御 所 行 は 、 尋 常 の 理 を 竜 て 、 人 の よ く 測 り 知 と こ ろ に あ ら ず 、
リ チピサ
人 の 智 は 。 い か に か し こ き 竜 限 あ り て 、 小 き 物 に て 、 そ の 至 る限 の 外 の事 は 、 え し ら ぬ も の な
戦
,
り 、
。さ て そ の 聯 の 御 し わ ざ は 、 直 な れ ど も 、 返 て 淺 は か に聞 え 、 僞 のや う に 思 は る x は 、﹂ 人の
リ
アク
ウト キ リ
・智 の測 知 る 恨 と 、・楚 に へだ N れ る 處 な
齟
る 故 に 、 そ の詭 を 聞 入 の 心 に 疎 く 遠 く て圃 入 が た く 信 ℃
が た き な り、 隅
漢図 の 論 は 、 み な 妄 な れ ど ^
も、i竜 と 人 の智 の至 る限 を も て 、 測 り 設 け た る 物 な る
ク サ ご
故 に 、 聞 人 の心 に 測 り 思 ふ 處 と 、 親 し く 近 く て 、 入 や す く 信 じ や す き な り 、 然 る に 漢 國 の人 は 、﹂
聖 人 アマネ シリツク . . ・ p 簟
'の智 は 、 天 地 萬 物 .の 理 を 周 く 知∵蠱 せ るも のと 心得 居 るか ら、 そ の さ かし ら を 手本 と し て、
ボ リ や シヒ ヒ も
遣 が 限 あ る 小 智 を も て 一 知 か た き 事 を も , 張 て は か り し ら ん と す る故 に 、 超 の 理 の 測 り が た き
事 に 至 り て は ? こ れ を 信 せず ゐ お し て そ σ 理 な し と 定 む る は 、 か し こ げ に は 聞 ゆ れ ど も 、 返 り
て 己 が智 の腫 ぎ ど をあ ら はす も のな り 、 難 者 こ 乂う み にし 皆 く膨 な らび を亡詫 て ・よ く
おケ ノ ゑ ミノ イヂマセ クラ ヒ
思 は じ 、 今 の疑 ぴ は お のつ か ら 解 な ん 、 獅 伊 邪 郵 岐 大 瀞 、 夜 見 國 に 行 坐 る時 に は 、 闇 く て 燭 を ・
リ
トモ
ウツシグ ニ マス ヨ ミノ クラ ユ ヱ クラ ウッシグ ニ
・
燃 し 給 ひ 、 籍 國 に 坐 時 は , 然 る こ と な き を 思 へば 、 黄 泉 口 は 闇 か る べ き 所 以 有 て 闇 く 、 顯 國 は
アカ 鵡
エ アカ. . ノ アレマサ アカ 愚
そ のか み に も .朔 か る べ き 所 以 あ り て 明 か り し な り 、 さ て 臼 瀞 も い ま だ 生 坐 ざ る に 、 顯 國 の明 か `
ヘ ユ ヱ ロ
バカリ
リ し 、 そ の然 る 所 以 の 理 は 、 も と よ り こ れ 測 が た き と こ ろ な り 、 書 紀 の 纂 疏 な ど に は 、、劫 初 の
●
人 は 、 お のノ \ 身 に 光 を 帶 て 照 せ る 事 を 引 て 、 證 せ ら れ た れ 共 、 そ れ は 佛 書 の説 に こ そ あ れ 、
・
*タルナスガ寸ヤクカミ
瀞 代 に は 螢 火 光 紳 な ど は あ れ 共 、﹂
そ れ は 邪 神 の 事 な れ ば 、 な べ て の 例 に あ ら ず 、.其 外 に は 身 ∼
く ず ば な 上 つ卷 ,,
}
一七 一
筍
愚
く ず 花 ﹁ 一七 ニ
レ
ほ
アカ ロ ラ
に光 の有 し と い ふ 傳 へも な け れ ば , 何 の 朋 り に て 照 せ り と も 、 知 べ き に あ らず 、 人 の え 知 ぬ思
アヵ
ミ ゴモ
ぴ の外 の理 あ り て、 明 か り し な る べ しり 然 ら ば日神 の御 石屋 戸隱 り の時 に、 常 夜 な り し は叉 い
、
か にと い ふ に、 既 に昼神 生坐 て、 天 地 の間 は此 紳 の照 し給 ふ べ き物 と定 まり て のう へは、 そ の.
ハアカ ノ アモリ ユキへ
大 御 光 に あ ら ざ れ ば ,・
明 り を得 書 るな り 、
、これ は 皇孫 命 天 降 坐 て後 は、 なが く 天 と 國 と の往 來
三 二
絶 ぬ る と 同 じ こ エろ ば へに て 、 こ れ ら も 叉 然 る 所 以 の 理 は 、 は か り が た き と ζ う な り 、 此 外 に
クス アヤ ノ トク スベ
も 榊 代 に は 、 い と 奇 し く 異 し き 事 の み 多 か れ ど 、 皆 な ず ら へて 解 べ し 、 凡 て 上 古 の 人 は 、 神 の
御 し わざ を、 己 が 智 を も て 、私 に そ の理 など を は か る こと は な か り し を 、後 世 の人 の心 は 、 か
の漢 國 人 の な ら ぴ に う つ り て , さ か し ら を の み 好 む は 、 一わ た り は か し こ げ に 聞 ゆ れ ど も 、 實
クスシクアヤシ
は 返 り て 愚 な り 、 そ の故 は 、,擁胛偶 の事 の 奇
.巽 だき 激﹄ 人あ ・
代ぎの事 と 飼 じ か も ぎ る 故 に 、 あ や し
み疑 ふ な れ共 ・實 は 人 ⑳代 の事 も・ しな こそ かは れ み な奇 異 き を ・ そ れ は今 の瑯 寛 なれ 聞 な
丶
れ て 、 常 κ 其∵
甲 に 居 る故 に 、 奇 異 き こ と を お ぼ え さ る な り 、 ま つ 此 天 地 の あ るや う を 、 つ ら つ
ツキ
ら 思 ひ め ぐ婁 し て 見 よ 、 此 大 地 は 室 に か 玉り た ら ん か 、 物 の う へ に着 た ら ん か 、 い つ れ に し、
て
. サへ
も 、 い と ノ \ 奇 異 き 物 な り 、 も し 物 のう へ に 着 た り と せ ば 、 そ の物 の下 は 、 又 何 物 に て 支 へた
り と か せ ん 、 此 理 さ ち に 聞 え が た し 、 故 に 漢 國 に て 竜 と り ゐ 丶 の読 あ れ ど も 、 畢 竟 は み な 奇 異
襖
ツへ
き を 、 其 申 に , 地 球 は 圓 躰 に し て 、 天 中 に 包 ま れ て , 室 に か Σれ り と す る渾 天 の読 ぞ 、 ま こ と
ミチく .
し げ に 聞 ゆ れ 共 、 蕁 常 の 理 を 以 て 見 れ ば 、 い か に 天 の 氣 の 充 滿 た れ ば と て 、 此 図 土 大 海 な ど の、
室 中 に か ﹂リゼ 、 勸 か ざ る べ き 由 な け れ ば 、 畢 寛 ば こ れ も 叉 奇 異 か ら ざ る こ と あ た は ず 、 又 天
ン ・ 、
は た 璽氣 のみ に て、 形 はな き物 とす る 、 こ れ 叉 ま こと しげ に聞 ゆ れ共 ,愚 し然 ら ば 、 地 外 は み
な 氣 な る を 、 そ の 氣 は 際 限 あ り と や せ ん 、.な し と や せ ん ↓ 愚 し 際 限 な く ば 、 い つ れ の處 を 邊 と
あぐ
も 、 いつ れ の 處 を 申 と 竜 、 定 む べ き に あ 外 ざ る に 曲・ 地 球 の止 衷 る處 あ る は 心得 ず 、 かな らず 正
トぐ
中 に あ ら ず ば 止 ま る べ か ら ざ る こ と わ り な れ ば な レ 、 も し 叉 際 限 あ り と せ ば 、 そ の 氣 も 叉 ︼彈
鹹
伽鍵 蟆蜷 褫 穩聴 靉 翻
醤 聾 競ボ
議鞴 蕩黼
コ
リアツマ シカ
タ
異 き天 地 め購 に在 ・
激 が ら 、 そ6
のあ や し き を ば あや しまず し て 、 た 夐紳 代 の事 を のみ あ や しみ て、
さるこ溜 ・鬱 讐 钁 り恵 ふは・擾 あらず し て何ぞや・叉人 距 身 のう へを倉 ぴ見
・ よ 、 目 に物 を 見 、 耳 に 物 を き L, ロ に 物 を い ぴ 、 足 に て あ る き 、 手 に て萬 の わ ざ を す る た ぐ ひ
ビ ミ
も 、 皆 あ や し く 、 或 は 鳥 虫 の室 を 飛 、 草 木 の 花 さ き 實 の る な ど も 、 み な あ や し 。 又 無 心 の物 の
有 心 の鳥 虫 な ど に 化 す る た ぐ ひ 狐 狸 の か り に 人 の形 に 化 す る 究 ぐ ぴ な ど は 、 あ や し き が 中 の あ
く ず ば な 上 づ 卷 '
、
﹄七謎
、
♂
C
6
く ず 花 ・ 、 E ﹁ 一七 四 亀
や し き な り 、 さ れ ば 此 天 地 も 萬 物 も 、 い ひ も て、
ゆ け ぜ ことみ \ く奇 異 か らず と い ふ こと なぐ 、
と え 至 てば、 か の笑 と い へ共・そ の然 る所以 の鬻 ﹂ いかにと鼻 め智 島 たはず 忌
を も て 、 人 の智 は 限 あ り て 小 き こ と を さ と る べ く 、 叉 紳 の 御 し わ ざ の、 限 な く 妙 な る 物 な る 事
アギ
をも さ と るべ し 、
鳥 も 、
然
る に
、 か の
聖 人
の 、 わ
つ か
に 己
が
智 の
至
み
限斛の 内 の 事 を 明 ら め お さ た る を
アマネ リヒ タフトら ツ ヲカ シ
、
見 て、 天 地萬 物 の理 を周 ぐ 知盡 せ り と 思 ひ て. 尊 み 信ず るは 、 いと 可 笑 く こ そ、 そ もく 又か
あ ご と く 大 き に あや し美 地萬 物 の始 は、 又 い よー 大 にあ や し 耘 の御 し わ ざ溌 ら で は、
成 就 す ま ℃ き こと わり な る に、 此 始 め を し も、 漢 人 は例 の陰 陽 を以 て論 た り 、 さ れ ど 茅、の陰 陽
・
も、 又 必 然 る べき 所 以 の理 は知 ことあ 悔 は
輔ざ れ ば、 是 竜 畢 寛 は あや し か ら ざ る 事 を得ず 、 も し
ド叉 天 地 は始 も なく絡 も な き物 と いは む か、 始 なく し て此 物 のあ るは 、 又 いよく あ や し か らず
,.
や 、 難 者 上 件 の 事 共 を トケ トケし
よ く 考 へ見 ば 、 今 の疑 ひ は お のつ か ら 解 な ん 、 獪 懈 ず ば 、 殊 に 近 き 塞 を
/ イタチ アカ
も て 獪 さ と さ ん 、鼠 鼬 な ど ぼ 、闇 申 と い へ 共 、物 を 見 る 事 白 聲 に 異 な ら ず 、 こ れ は 何 の 開 り に よ
ノ
サ て 見 る と か せ ん 、 叉 夜 は よ ぺ 物 を 見 て 、 晝 は 返 り て 見 惹 こ と あ た は ざ る鳥 竜 あ り 、 と れ は い
ロオシ アカ
ら テン
'
よ ノ \ 奪 常 の 理 に て 推 が た き こ と な ら ず や 、 難 者 ,碑 代 の 明 り を ば 、 决 て 無 き 理 な り と い び て 難 .
ロ アカ イヤシ ョ
ず・
共 、 こ れ ら の 明 り を ぱ 、 無 き 理 な り と い ふ こ と あ た は じ 、 い か にく 、 か 丶 る微 き 鳥 獸 に だ
ガ
㌔
カムロ ギノ ミ ギリ
に 、 理 外 の事 あ る こ と、 か く の・
如 し 、 況 や 天 地 の 始 め 皇 紳 祺 命 の 御 う へに 於 て を や 、
ノ
○殊 }
嚢 フ ベキ ハ、紳 代 卷 夏 ノ 事 ヲ イ ハザ ル ハ イ カ ニ、 云 々
ノ カ ぐ セ ヲ ゆヘ ロナン
○ 書 紀 神 代 下 卷 に 、 星 神 香 々背 男 と い ふ あ る物 を 、 星 の事 を い は ず と は い か 忙 、 但 し 此 難 は 、 星
紳 の始 を いは ざ るは いか にと いふ意 と 見 てゆ るす べ し、 然 れ共 これ を疑 ふは 、例 .
の漢 意 に な つ
.め るも のな り 、 そ のゆ ゑ は 、異 國 に こそ 星 を も 日月 に なら べ て、 三 光 な ど いび て 、 いみ し き物
に す れ ど も 、 皇 図 の 古 へは 然 ら ず 、 星 は さ ち に 日 月 に な ら ぶ べ き 程 の物 に非 ず 、 天 に 多 く か 乂 .
り て 見 え は す れ 共 、 た 璽 雲 霧 な ど 丶同 じ 允 ぐ ぴ と し て 、 そ の 始 な ど を 語 り 傳 ふ る に も た ら ざ る
カごセヲ ミコト タフト ノ
﹂居り 、 故 に そ の 名 も た ゴ 香 々背 男 と の み い ぴ て 、 神 と も 命 と も 奪 み た る 稱 も 惣 し 、 他 星 も 大 ・
抵
イヤシ ノ コび トキ
こ れ に 准 へて 、・そ の微 賤 き 事 を 知 べ し 、 天 之 御 中 圭 紳 な ど を 、 星 に あ て 玉説 た る 論 な ど あ れ ど 、
ワククシゴト
そ は 例 の漢 意 に へ つ ら へ る 私 事 に て 、 さ ら に 由 も な き ぴ が ζ と な り 、 紳 代 の み な ら ず , 人 の代
に な り て も 、 異 國 の書 の入 來 ら ざ り し 以 前 に は 、 星 の事 を さ だ せ る 事 も な し 、 況 や こ れ を 祭 り
な ど ナ る こ と は さ ら に な か り き 、 天 皇 元 旦 に 屬 星 を 拜 み 給 ぴ 、 又 三 月 九 月 三 日 北 辰 御 燈 な ど は 、'
や 恥後 の事 な り 、 齋 内 親 王 群 行 の年 は 、 京 畿 伊 勢 近 江 路 次 の 國 、 北 辰 を 祭 る 事 を 禁 ぜ ら れ 、 叉
延暦 十 五年 に は な べて これ を禁 ぜ ら れ たる な ど、 ゆ ゑ あ る事 に こそ 、 然 乃 に⋮
難者 、 こ れ を必 日
,
く ず ば な 上 つ卷 .
.
-
・. 鹽
一七 五
唖馬
∼丶
メタ 花 曝
、
一七 亠
ハ
月 に な ら ぶ べ き 物 と 思 へる ば 、 漢 意 に な づ め る に あ ら ず や 、 獪 い は 璽 、 星 の 始 を い は ざ る は 、
シルシ
返 て 紳 代 の 傳 へ事 の 正 實 な る 徴 と す べ し 、 も し 難 者 の僻 見 の如 く 、 上 代 の 古 事 は 、 後 の天 皇 の、
み ち
へ
漢 國 聖 人 の 道 を 學 得 て 、 そ の御 心 竜 て 造 り 給 へる 物 な ら ば 、 か の國 の 如 く 、 に、 日 月 星 と な ら べ
て 、 星 紳 の始 を 竜 、 日 月 の始 の如 く 、 造 り い ふ べ き 事 な る に 。 ヒ れ を い は ざ る は 、 漢 意 に な ら
は ず , 上 古 よ り の 傳 へ の ま 丶な る 故 に あ ら ず や 、 ・
コト
○ 學 問 ス ル 人 ハ 、 云 々 異 國 ノ秘 ト ハ異 ナ ル ガ 如 ク ニゾ イ ヒ ナ シ ケ ル 蹄
ψ
○ 御 國 を 天 地 の外 に お か ん と す と い へ る と と 、 末 に も 見 え た り 、 是 は い か な る 事 を いぺ る に か 、
チ
心 得 が た き を 、 つら ノ へ 前 後 の語 を 考 へて お し は か る に 、 天 照 大 御 神 は 帥 天 津 日 に ま し ノ \ て 、,
御 國 に 生 れ さ せ 給 ふ 事 を い へる を 、 か く は 難 ぜ る に や 、 此 旨 は 古 事 記 日 本 紀 に あ き ら か に 見 え
て、 いさ 玉かも 疑 ひな き事 な る を、 余 が新 読 の如 く に いぴ な せ る は いか に、 す べて 此 ⋮
難者 の眼
は 、 漢 意 の毒 酒 に く ら 声 さ れ は て N、 古 書 の 趣 も 分 価 ざ る に や 、 但 し 此 惑 ぴ は 庇 人 の み に も あ
ら ず 、 近 代 の神 學 者 流 も 皆 か の毒 酒 に 醉 て 、 天 照 大 御 紳 即 天 つ 巳 に て 、 皇 國 に 生 れ さ せ給 へる
ソム
こ と を 疑 ひ て 、 と り ノび丶 に い ぴ ま げ た る 、 其 読 み な 古 .
傳 の 旨 に背 ⋮け り,
、余 は さや う に古 傳 にそ
、
シ シ
む け る私 事 は凡 て とら ず 、 そ も く 天 照 大 御 紳 と申 奉 る は,即 天づ 日 の御 事 に て、 皇 國 に生 れ
さ せ 給 へる 御 事 は 、 今 さ ら 委 く 申 す に も 及 ば ず 、.
然 るを 外國 に は 此 正 しき 傳 へな き故 に、 日月
の 始 を も い か な る 事 共 え し ら ず 、 た ま ノ 丶 に は 、 盤 古 氏 の左 右 の眼 口 月 と な る な ど い へ る 、 .
い
ノぴ
クフト
さ 乂 か の古 傳 も 逡 り た れ ど 竜 、 さ か し ら を の み 尊 む 國 俗 な れ ば 、 す べ て か や う の論 を ば 虚 誕 と
オクタク
い ひ な し て 、 一向 に と り あ げ ず 、 た 璽 己 が 臆 度 を 以 て 、 陰 陽 の精 也 な ど い へ る ま で の事 な り 、
ドリ ノ オホミ メ ナザイデマセ
か の盤 古 氏 の眼 の諡 な ど は 、 伊 邪 那 岐 大 紳 の 大 御 眼 を 洗 ぴ 給 ふ よ り 成 出 坐 る 一傳 へ の 、 お のつ か
ヨンナマ
ノコ
ら 外 國 ま で も 訛 り て 傳 は り ゆ き し が 、 わ つ か に か た は し 遺 れ る な れ ば 、 中 々 に か の臆 度 の論 よ
キハ に ノゾ
リ は ま さ れ り , 學 問 す る 入 は 、 ま つ そ の 心 を 天 地 の極 み お し ぴ ろ げ て 、 私 心 を 除 く べ し と 、 み
ス ヂぐマ
つ か ら い び な が ら 、 難 者 の心 は い と 狹 く し て 、 た 夐漢 國 の内 に の み 縮 り て 、 そ の他 は つや ノ \
メ
テ ホン ヨ
え し ら ぬ私 心 な り, 其 故 は、 た 璽漢 國 入 の見解 を のみ 手本 と し て、 そ の餘 はな き も のと 心得 て 、
シバラ
皇 國 の 意 を え し ら ざ れ ば な り 、 ま つ そ の 勝 劣 は 姑 く さ し お き て 、 こ れ は漢 國 の意 、 こ れ は皇 國
の意 と 、 二 つ に 分 て 見 よ 、 漢 函 の 意 よ り 見 れ ば 、 皇 國 の意 は 非 な り 、 皇 國 の 意 よ り 見 れ ば 、 漢
タデ へ
國 の 意 は非 也 、 然 る に 難 者 、 漢 國 の 意 を の み 立 て 、 そ の意 を 以 て 、 皇 図 の古 を も 、 び ら お し に
カタヨ
お さ ん と す る は 、 偏 れ る 泓 心 に あ ら ず や 、 か く い は § 叉 、 天 地 は ︼枚 な れ ば 漢 國 の意 皇 國 の 意
誘 ワカチ ,
ワカヂ タテ
と い ふ分 あ る こ と な し 、 分 を た つ る ぞ 狹 き 私 心 な る と い ふ べ け れ 共 、 難 者 の漢 意 を のみ 立 て 、
丶
くず ば な 上 っ卷 丁
・
一七 七
'
く ・ず 花 一七 八
ヘ
チ
ワカ
チ
ノ キ ハ ミチタラ
、
皇 國 の古 を 疑 ふ も 、 帥 分 を た て Σ、 漢 に か た よ れ る物 な る を 、 我 心 は 天 地 の極 み 滿 足 ぴ た り と
ヱヘ メ
思 ふ は 、 醉 人 の醉 る こ と を 覺 え ず し て 、 わ れ ゑ へ る こ と な し と い ふ に 同 じ 、 そ も ノ \ 聖 入 を 奪
み な が ら 、 此 段 は 、 か の 孔 丘 が 奪 内 卑 外 の 意 に も 大 き に そ む け り 、 も し 彼 此 の差 別 な く ば 、 萬
國 み な そ の 國 々 の傳 へも あ P 、 守 る 意 も あ る こ と な れ ば 、.
お のく そ の 國 の 傳 へに よ り 、 己 が
も へ
國 の 意 を 守 ん ヒ そ 順 な ら め 、 ま し て 皇 國 は 、 萬 國 に す ぐ れ て 、 古 の 傳 へも 又 正 し く , そ の 道
ミ
ス ステ
は、 殊 に萬國 を御照 し坐 大 御 祚 の道 な る物 を、 そ れ をし も 棄 て 、由 な き他 國 の意 を守 り て、 返
ガ サカシマドマガコヘロ シリクチ マ ガコト
り て 吾 古 傳 を 虚 な り と し も す る は 、 い か たる 逆 の 曲 心 そ や , 叉 前 後 そ ろ は ぬ 狂 言 な り と い へる
ノ ノ カウブ ノ
は 、 萬 國 み な 日 祚 の御 徳 を 蒙 る と い ひ な が ら 、 異 國 は 日 紳 の 御 國 に あ ら ず と い ふ を 、 前 後 相 違
オ く か
アレマセ
せ り と 思 へ る に や 、 日 神 の御 國 に あ ら ず と い ふ は 、 日 神 の 生 坐 る 御 國 に あ ら ず と い ふ こ と な り 、
そ の 照 し 給 は ぬ 國 と い ふ 意 に は あ ら ず 、 す べ て そ の生 れ た る 本 國 を 、 た 璽 國 と の み い ふ は 、 つ
ツ
ね の こ と に て 産 國 へか へ る を 、 國 へ歸 る と い ひ 、 産 図 の 人 を 、 國 人 と い ふ 類 、 み な 然 也 、 叉 天
勧
日 を 、 異 國 の物 と は 異 な る が 如 く に ぞ い ぴ な し け る と い へる は 、 あ ま 事 に愚 な る 論 な り 、 日 紳
は御國 に生坐 て 、萬 國 を照 し給 ふ と いふ は、 何 ぞ異 な る が如 き こと あ ら ん 、然 る を異 な るが 如
く い へり と 思 ふ は 、 年 來 漢 國 の 読 に の み な れ た る 心 に 、 始 て 天 つ 日 御 國 に 生 れ 給 ふ と い ふ を 聞
、
で は 、 甚 あ や し き こ と 玉思 へる 物 に て 、 た と へば 銕 は た 璽 石 な ど の た ぐ ぴ に 堅 き 物 と の み 心 得
ワカ タヘミ
居 た る 者 の、 鑄 物 師 の 湯 に 沸 し た る を 見 て 、 大 に驚 き あ や し め る が 如 し 、 叉 天 紳 は 疊 な す 一ぴ
ら に見 そ なは しめ ぐ み ます なり と い へる は、 さ る こと な れ共 、其 中 に皇 御 國 は、 天 照 大 御神 の
シロシメス
御 生 坐 る 本 つ 御 國 に し て 、 そ の御 子 孫 の 知 看 御 國 な れ ば 、 よ う つ 異 國 に は ま さ れ る こ と 、 同 日
の談 に あ ら ず と し る べ し 、
○ 聖 人 ヲ バ千 萬 人 天 ノゴ ト ク仰ギ 、 云 々
アザム
○ こ れ は 漢 國 の よ N の 人 み な 聖 人 に欺 か れ た る も の に し て 、 實 に奪 き に ょ り て 然 る に は あ ら ず 、
隔
も し 世 人 に 傷 が る ﹂を 以 て 、'
實 に す ぐ れ た り と せ ば 、 今 の 世 ︼向 宗 の徒 の、 そ の組 師 親 鸞 を仰
ぎ 奪 む 事 な ど は 、 儒 者 の 聖 人 を 奪 む よ り も 、 獪 は る か に ま さ れ る は 、 親 鸞 の徳 は 聖 人 よ り 勝 れ
ムレク
・り と せ ん か 、 叉 い ざ な は ね ど も 群 來 と い へる も 、 大 き に 虚 言 な り 、 世 々 の儒 者 ど も い た く い ざ
シタガ
な へ共 、そ の 道 に 從 へ る 人 は 見 え ず 、孟 朝 が 如 き 、諸 國 を あ る き て 、妄 言 を い ぴ つ 丶 いざ な ぴ つ
コ
れ 共 、 一國 と し て む れ 來 ぬ を い か に と か せ ん 、 叉 う は べ に 諸 人 の 群 來 る 如 く に 見 ゆ る は 、 た 璽
カザ ポメ
シタガ
書 を飾 れ る 文 章 と 口 さ き ば か り な り 、 聖 人 を い た く 譽 て 、 其 道 に 從 へ る さ ま に い ふ 人 は 、 賢 者
カキ
め 如 く に 聞 ゆ る故 に 。誰 も文 章 な ど に は、 是 を尊 み げ に書 な せ共 、實 にそ の道 にし た が ふ者 は、
く ず ば な 上 っ卷 ・
一七 九
0
ー ず '花 、 圃八○
マレ
彼 幽 に て も よ ﹂ に い と ノ \ 稀 な る を や 、、然 る に難 者 、 か の かざ れ る文 章 を見 て、 世 人 眞 實 に こ
スグ
れ を 奪 め り と 思 ふ は 、 い と 愚 な り 、 そ も ノ \ 聖 人 の人 に 勝 れ た る處 は 、. た 貸智 巧 のみ に て、實
ユセモノ ナン レ
は み な 麌 物 な る を , 其 中 に 大 抵 難 の な き は 孔 丘 な り 、 此 入 周 の 世 に 生 た る 故 に、 ひ た す ら 周 室
セン
ラン
シユシヤウ
を 奪 み て 、 諸 侯 共 め 僭 亂 を 歎 き た る 心 ば へ、 ま こ と に 殊 勝 な る 事 な り 、 然 る を 聖 人 も 同 事 に 儒
者 の奪 む 、 か め 孟 軻 は 、 こ れ と は 大 に違 ぴ て 、 王 道 を い ひ た て に し て 、 ゆ く さ き み 丶 に て 謀 展
をす .
乂め あ るき し は ﹂ これ 又湯 武 同 前 の大悪 人 な りけ り 、
○ 聖 人 モ シ 人 ノ 國 ヲ 奪 ヒ取 ン ト シ 給 ハ 寸、 天 ツ 紳 モ ユ ル サ 寧 ラ ン 、 云 々
ツ
6 湯 武 が 如 き 逆 賊 の し わ ざ は 、 决 め て 天 紳 の ゆ る し 給 は ざ る 處 な り 、 然 れ 共 、桀 紂 が 如 き 王 の出
サカ
來 る も 、.又 さ る時 に 聖 人 の如 き 賊 の 出 來 て 榮 ゆ る も 、 又 さ る 者 に 人 草 の し た が ふ も 、 と に か く
ぷ マ ガツ ビノ
に し な は か は れ 共 、 み な こ れ 醍 津 臼 神 の あ ら び に よ れ る 物 に て 、 天 つ紳 の 御 心 に も ま か せ が た
き 事 も お ほ か る は 、 瀞 代 よ り さ る 事 ぞ か し 、 然 る を漢 人 は こ の理 を ば し ら ず 、 萬 の 事 を た 璽 天
アザム
命 と 心 得 居 て 、 聖 入 の榮 え を 見 て は 、 天 道 の ゆ る し 給 ふ 所 と 思 ふ は 、 こ れ み な 聖 人 の 智 術 に欺
かれ た るも のな り 、
○洪 荒 ノ世 ハ君 臣 ノ別 モナ ニ ナ ケ レバ 、 云々 . ,
○ 略 し 此 論 のこ 之 ぺ なら ば、 人 臣 た る者 、 い つ に ても 洪荒 の世 な れ ば、 誰 を か君 と せ ん と いぴ て,
.
み 充 り に そ の 君 を殺 し て 、 そ の 國 を奪 ふ べ き にや 、 桀 紂 が 時 を 洪 荒 の 世 と す る は 、 し ぴ て 聖 人
カク
の不 論 を隱 さん とす るも の なれ ど も 、 桀 紂實 に悪 王 な り し か ば, こ れ は獪 さ も いぴ っべし , 然
れ 共 、 そ の時 君 臣 の 別 な き を 洪 荒 の 世 と 見 な が ら 君 を 滅 せ る は 、 湯 武 の し わ ざ も 、 叉 い よ ん \ .
洪 荒 の世 の し わ ざ な り 、 人 の 君 臣.
の 別 な き を ば 、 洪 荒 の世 の し わ ざ と し 、、己 が 君 を 滅 せ る を ば
創 業 也 と い ひ て 、 人 こ れ を 信 ぜ ん や 、 か 玉 る姦 悪 の大 賊 を 奪 む 漢 人 の 心 は い か に そ や 、 す べ て、
心 得 ぬ 事 な り 、 竜 し 實 に 國 を 奪 ふ 心 な く ば ﹂ 殷 の親 族 の内 に 、 箕 子 な ど い ふ 人 も 有 し こ と な れ
サイハ
ば 、 こ れ ら を こ そ 立 て 君 と す べ き こ と な る に 、 さ は あ ら で﹂ 己 が 物 と せ し は 、 洪 荒 の世 を 幸 ぴ
に し て、 奪 ヤ
へる 事 明 ら け き 物 を や ﹂ ・
○ 湯 武 ハ帥 天 ツ 瀞 ノ 御 子 ニシ テ 、 云 々
ツ
○ 天 榊 の御 子 と申 す 稱 は 、 か た じ け な く 竜 天 皇 を申 す 御 事 に て 、 外 に は 决 て申 さ ぬ こ と な る を 、
へ びミダ
か ろみ\ しく 外 國 の賊 圭 を し竜 かく い へるは 、名 を亂 る こと甚 し、
タヒラ ヒ チ
○ カ ノ 荒 ブ ル物 ヲ 李 ケ タ ル後 ニ コ ソ﹂君 臣 ノ 道 モ再 立 ヌ レ、
○ も し此 諡 の如 く なら ば、 紂 を鰄 す ま では 、 文 王 竜武 王 も君 臣 の道 はし ら ざ り し が、 紂 を滅 して
く ず ば な 上 つ魯 .
・
困八 一
'
ー ず 花 瓶 丶 天 ニ
レ
後 に 、 始 め て 君 臣 の 道 と い ふ 事 を ば 知 れ り と 見 え た り 、 己 君 の國 を 奪 ふ ま で は 、 君 臣 の道 な き
世 な れ ば 苦 し か ら ず と い ぴ て 、 さ て 既 に 奪 ひ を ふ せ た る時 に 、 俄 に 君 臣 の 道 を立 ん と す る は 、
タクミ
又 己 が 臣 に奪 は さ じ と の 巧 な る 事 あ ら は な り 、 然 れ 共 周 の申 比 よ り し て 、 返 り て 亂 臣 の多 く だ
き ド ウハベ
り し は 、 實 は 武 王 そ の 始 め を い ざ な へる も の な り 、 然 れ ば 聖 人 の 道 は 、 す べ て 陽 に は 釜 お ほ き
シタ
や う な れど も 、陰 にば害 お ほ き 物 と し るべ し、
ノ
○ 西 國 ニ モ和 漢 明 辨 ト イ フ書 ヲ 作 リ テ 、 云 々
○ 此書 は新 刻 物 な り 、余 も見 たり き,漢 文 に かけ るが、 文 は い とく 拙 く て 、 いふ に た ら ざ れ ど
スグ ポメ へ
も 、 論 は 甚 面 白 し 、 但 し 皇 國 の勝 れ た る 由 ・を擧 て 稱 た る事 共 , 皆 古 の事 を ば し ら ざ る も の と 見
え て 、 た 璽 今 の 世 の 事 に つ き て い へ れ ば 、 古 意 に は か な は ぬ 事 お ほ し , 漢 國 の非 を い へる は み
な よ く あ た れり 、
ムケ
○ 學 者 ハ モ ハ ラ 道 ヲ 學 バ ム事 ヲ 勤 ム ベ シ 、 道 二心 ヲ 向 ズ シ テ 、 云 々
ガ ムク ン
○ 難 者 の か く い へる 道 は 、 か の 異 國 聖 人 の 道 歟 冷 余 は 吾 皇 朝 の 皇 祚 の 道 に 心 を 向 る う へは 、 何 ぞ
ム ケ アヤマチ ムケ
戎 狄 の賊 の道 に 心 を 向 ん 、 難 者 か の 道 に 心 を 向 ざ る を 過 と 思 ふ 拭 、 此 皇 紳 の 正 し き 道 に 心 を 向
ヂ
ざ る己 が 過 な る こと を し らず や、
シワザ
○ 紳 ノ 所 爲 ヲ シ ラ ザ ル モ ノ ハ凡 夫 ナ リ 、 云 々
クセ
○ 此 論 又 例 の か ら 人 の 、 私 智 を 以 て み だ り に物 を 定 む る 癖 な り 、 紳 の し わ ざ は さ ま ん \ は か り 揮
た き 物 な れ ば , 聖 人 と い へ共 知 る こ と あ だ は ず 、 況 や そ れ よ り 智 の淺 き 者 を や 、 然 る を 祚 の し ・
オサ
わ ざ も 、 理 を も て 推 ば 、 い か で か 知 ら ざ ら ん と 思 ふ は 、 大 き に ぴ が こ と な り 、 知 り溶 た き を 、
シヒ リ
強 て 知 が ほ に定 め た る漢 人 の 諡 は 、 大 き に遠 へ る ぴ が 事 多 き を 、 儒 者 は え わ き ま へず し て 、 實
に さ る こ と 乂思 ぴ な づ め る か ら 、 か 玉 る ひ が 事 は い ふ め り 、 漢 國 に も ト 筮 と 炉 ふ 事 の 、 古 へよ
り あ る は 、 か の國 に て も 上 つ代 に は 、 紳 の 御 し わ ざ は 知 り が た き 物 と 定 め た る故 也 , 果 し て 人
よ く ヒ れ を 知 ら ば , 易 は 無 用 の長 物 な り 、
ス サ ノ ヲノ アシ トク
○ 御 國 ノ古 ヘ モ 、 須 佐 之 男 神 は 凶 キ徳 ヲ 行 ヒ テ 、 云 々
ノ ナ クラ
○ 鍋 津 日 紳 あ れ ば 、 紳 代 と て 凶 き 事 も な ど か 無 か ら ん 、 然 れ 共 異 國 の亂 多 き に 比 ふ れ ば 、 皇 國 の
ヘ キズ クトビ
古 は、 亂 な し と い は ん 竜可 な り、 然 る を難 者 、 いは ゆ る 毛 を吹 て 疵 を求 む る讐 のご と く 、 た ま
さ か に征 伐 の事 有 し な ど 迄 を引 出 て 、 し ぴ て御 國 を いぴ お と さ ん とす る は、 いか な る 心 ぞ 、漢
へ
國 こ そ 古 よ り 亂 い と 多 ぐ し て.. 治 ま り が た か り し 事 は 、 か の國 の 歴 代 の史 共 に 昭 々た る を , 難
カク
者 は し ら ず や 、 は た 知 な が ら 、 聖 人 の國 の惡 き 事 を ば隱 し て 、 人 を あ ざ む か ん と す る に や ,
く ず ば な 上 っ卷 一八三
} 馬
\.
馬
、
く ず 紫顎 、
嘲
一八姆
ノ
(東 図 ハ倭 建 命 ノ 征 ヨ リ 始 テ從 ヒ ツ ル事 ト 見 エ タ リ 、 云 々
ミダリ ロ ノ
○ こ れ は 古 事 記 日 本 紀 を 竜 考 へず し て 妄 に い へ る 歟 、冖
崇 神 天 皇 の御 世 の事 な ど を 考 へ見 よ 、・倭 建
ギ ビ
命 東 征 の 事 あ れ ば と て 、 そ れ よ り 以 前 は 東 國 は し た が はず と い は 貸 、 孝 靈 天 皇 の 御 世 に 、 吉 備
ツ ピコノ ノ /
・ 一、
クマゾノ
津彦 命吉 備 國 を征 し給 ぴ、 又景 行 天皇 仲哀 天 皇 など の御 世 に、 熊曾 壌 を征 し給 ふ、 熊 曾 は筑紫
メ ソム
の内 な れ ば 、 筑 紫 も そ の 以 前 は 從 は ず と ぜ ん か 、 征 伐 は そ の時 に あ た り て背 け る 者 の あ れ ば ぞ
力
丶 聖ノ、 ・
ソナ
〇 六 十一國 イ 牛 ヲ 治 メ.ム ニ ハ 、 イ マ ダ 歡 モ道 モ 備 ハ.
ラ ズ ト モ獪 ∵
治 マ リ ナ ン 、。
ソナハ
噌
○ 是 は殊 にを さ な き論 な砂 、 三十 國 な れ ば と て, 道 なく て治 ま る べき物 か 嫁 、 も し 三 十図 が道 備
■
ら で も 治 ま ら ば 、 六 十 國 迭 沿 ま る べ し 、 い か で か そ の差 別 あ ら ん 、
○ 聖 人 ノ 道 ノ 參 り 來 ニケ ルゾ 、 天 皇 ノ 御 喜 ナ リ ケ ル , 云 々、 御 國 ノ 上 代 嶋 蝦 夷 ノ ア リ サ マ ナ リ ケ
ン ト オ モ ハ ル、
ナ のも
ひ
.○ 此 段 は 殊 に 皇 朝 を も 襌 り 奉 ら ず 、 先 皇 の 御 代 を 、 し ぴ て 夷 島 に 比 し 、 鳥 獸 に ぴ と し と い ひ て 駈
噛
虐 ん と せ る 、 蕊昌し き 邪 説 ㌦
なり、 そ ・
も ノー丶蝦 胞バ
は 、 も と よ り 御 國 人'
と は 種 蝦朗の 里ハな る 物 に て 、 今
ヒゲ
に 到 る ま で そ の形 も 鬚 お ほ く な ど し て 、 大 に 異 汝 れ ば 、 そ の 心 も 行 ひ も 呉 六 る こ と 明 ら か な り 、
、
广
故 に 申 古 迄 も 、 陸 奥 出 朋 な ど に は 、 そ の 人 お ほ く 有 て 、 御 國 人 と 雜 居 し て 、 多 年 御 國 の風 儀 に
も な れ、 叉 ね ん ご ろ に歡 鍮 せ さ せら れ し事 も 有 し か 共㍉ な ほ 化 し が た かり しこ と は、 史籍 に往
往 に 見 え た り 、 ヒ れ も と よ り 種 類 の 異 な り し が 故 な り 、 然 る に か 曳 る 事 を も く は し く は 考 へず
ミダリゴト
し て 、 こ の 蝦 夷 の如 く な り け ん と は 、 例 の お し あ て の漫 言 な ら ず や 、 難 者 の 奪 む 處 の漢 國 こ そ 、
ワカ
皇 國 よ り 見 れ ば , 貴 賤 のす ぢ も 別 た ず 、 君 臣 の 道 も た 玉ざ れ ば 、 鳥 獸 に ば 近 け れ 、 皇 國 は か た
じ け な く も 、 天 照 大 御 紳 の御 國 と し て 、 天 皇 は 、 帥 大 御 紳 の御 子 に ま し ま せ ば 、 下 が 下 ま で 人
スグ が ヨ . ソナハ
草 の 心 も 何 も 、 萬 國 に 勝 れ て 、 も と よ り 君 臣 父 子 そ の餘 の道 も 、 お の つ か ら 備 り た る故 に 、 殊
さ ら に こ れ を い ぴ た て 玉 、 歡 へ さ と す に も 及 ば ざ り し 程 の事 な る に 、 い か で か 外 國 聖 人 の 道 を
マツ
﹃ し も 待 ヒ と あ ら ん 、 異 國 は 大 御 榊 の御 國 に あ ら ざ る が 故 に 、 悪 紳 と こ ろ を え て 、 萬 の 事 あ し く 、
マウ
國 も 入 も治 まり が た き故 に ヒ そ、 さま く の 名 を 設 け て 、 教 へさ と せ る な れ 、 た と へば 、 盜 の
サト フセ
な き 郷 に は 、 そ の防 き は 用 な き を 、 盜 あ 、
る郷 は防 き な く ては か な は ぬ がご と く 、漢 國 な ど は盜
ザト
お ほ き郷 な る が故 に、 き び しく か ま へて防 き は す るな り 、 さ て し か防 き のき び し き に つき て は 漕
盜 も い よ ノ\ 智 暑 を め ぐ ら し て 、 い よ ノ \ 物 ぬ す む こ と は 、 上 手 に な り ゆ く め れ ば 、 聖 人 の道
は 、 う は べ は 釜 あ り げ に 見 え て 、 實 は か へり て 害 と な る こ と 、 上 に も い へ る が ご と く な り 、
くずば至 っ卷 一 天五
が
く ず 花 - 一八 六
ぬトバ
カリ マサ
○ 萬 ノ國 ノ 事 度 ハ 、 獨 聖 入 ノ 道 ゾ 勝 リ タ リ ケ ル、
レ
○ 聖 人 は も と 大 き な る盜 に て 、 人 の物 を .
ぬ す み て 、 己 そ の術 を よ く 知 れ る か ら 、 そ の防 き のす べ
多
も 功 者 な るは 、 さ も有 べき こと な り、
輪
アヅマテルカムミオヤノミコト シ
ρ
○ 東 照 神 租 命 ノ天 下 申 給 フ 道 モ 、 聖 人 ノ道 ニ シ テ 、 云 々
ヘ アヅマテルカムミオヤノミコト
○ 此 段 は 、 御 代 ノ \ の天 皇 を も 、 東 照 紳 組 命 を も 、 己 が 好 む 聖 人 の道 へ引 入 れ 奉 り て 、 し ひ
カタウド バカ カムミオヤノミコト ットメ
て 方 人 に せ ん と 計 れ る 、 心 ぎ た な き 論 に て 、 か の紳 御 組 命 の 、 文 武 忠 孝 を 勵 よ な ど 玉 の た ま へ
を シヒゴト
る を、 そ φ證 に引 出 た る も 、殊 に強 事 な り 、其 故 は、 或 は 忠 或 は 孝或 は禮 或 は義 な ど いふ 、 そ
り
の名 こ そ 漢 國 聖 人 の始 め つら め 、 そ の實 は 皇 國 に も 本 よ り あ り て 、 人 た る 者 は , 皆 よ く 知 て 行
サト
へる 事 に て 、 殊 に こ れ を 歡 へ論 す ま で も な か り し 故 に 、 そ の名 は な か り し を 、 漢 國 の聖 人 の 、
り
こ れ ら の名 ど も を ま う け て 、 こ と ノ\ し く い ぴ た つ る は 、 返 て 諺 に , 盜 た け ん\ し と い へ る も
マ トビ
ノ
の な る を 、 儒 者 は そ の 名 に 惑 て 、 名 な け れ ば 其 事 も な し と 思 へ る は 、 い と 愚 な り 、 た と へば 、
漢 國 に は 、 人 の 心 の う へに 、 意 と い び 情 と い ぴ 慾 と い ふ や う の、 く さ λC丶 の 名 あ る を 、 皇 國 に
はた善 蒔 と いひて・傷 の名 ξ はなかりしか共・實 は意 も情も慾も有し嘉 し・もし難者
カラび
ノこへ
の意 の ご と く ば 、 こ れ も 漢 籍 渡 り 來 て 後 に 、 皇 國 の 人 に は 、 意 も 情 も 慾 も 出 來 た り と せ ん か 、'
さ れ ば が の紳 御 瓢 命 の 、 丈 武 忠 孝 な ど 玉 の た ま へ る も , た 里 世 の な ら ぴ に て 、 か の 國 の 丈 字 を ・
カ リ モチ ヒ
借 用 給 へ る の み に こ そ あ れ 、 そ の實 は 、 こ れ ら み な 皇 國 の 固 有 の 道 な る を や 、 皇 國 の み に も あ
カ
ら ず 、 す べ て 漢 國 の 道 を 借 ら ぬ 、 他 の國 々 に も 、 ヒ れ ら は み な も と よ り 、 ほ ど ノ\ に あ る こ と
リ ジエ
ウ ハ キヤラ
ニヂ
に て、 そ の名 こ そ か は れ、 天 竺 にて も、 哩 儒 と い ふ は忠 、烏 播 迦 羅 と い ふ は孝 、倆 底 と いふ は
禮 、 阿 騨 僭 と い ふ は 義 のご と な れ ば 、 そ の餘 の図 々 も 准 へで 知 べ し 、 然 る に こ れ ら の類 を 、 た
リ ロ シシ
だ 漢 國 の聖 人 獨 は し め た る 道 の 如 く 思 へ る は 、 か へす み 丶 愚 な り け り 、 さ て 叉 聖 人 を 譏 る は 、
ソム
昔 の天 皇 の御 心 に 竜 、 東 照 紳 命 の 御 心 に も 背 き 奉 る罪 あ り と い へ る は 、 一わ た り は 聞 え た れ ど
ヘ カツ
竜 、 古 の御 世 ノ 丶 の 天 皇 の 勅 詔 に も 、 東 照 神 命 の御 掟 に 竜 、 聖 人 を そ し る 者 は 罪 な り と は 、
.曾
て の た ま は ぬ 事 な り 、 然 れ ば 儒 に 竜 あ れ 佛 に も あ れ 、 そ の非 を辨 ぜ ん に 、 何 の罪 か あ ら ん 、 も
し聖 人 の非 を いふ が罪 なら ん には 、儒 者 共 の佛 をそ し るは 、 いよ ノ\ 罪 重 か る べ し、 御 代ぐ
の天 皇 、 叉 大 ⋮
將 軍 に も 、 佛 道 を奪 み 給 ふ こ と は 、 さ ら に 需 道 の 比 に あ ら ざ れ ば な り 、 そ れ す ら 、,
蘭 佛 道 を そ レ る 者 は 曲 事 な り ど の令 は 、 い ま だ 聞 ぬ を や 、 竜 し こ れ ら を し も 罪 と せ ば 、 今 難 者 の、
へ
皇 國 の古 を 夷 島 に ぴ と し く 、 鳥 獸 に 同 じ か り き と 云 セ 、 そ し れ る 罪 は 、 又 い か に と か せ ん 、 さ
て聖 人 の道 は、 昔 よ り 御 代く を 經 て 、朝 廷 にも 用 ぴさ せ給 ふ こ と な る を、 今 わ う しと いは ん
くずばな上 っ卷 一八七
晶
誕
く
ず
花 ﹂ハ ハ
サ
は 、 誠 に 道 の 意 に あ ら ざ れ ど も 、 此 事 は 既 に 直 靈 の 書 の終 に も 、 こ と わ り お け る が ご と く な り 触
譬 へば ・ 君 た る 人 を 狒 が と 、 ぴ そ か に 思 ぴ は か る 臣 下 の ・力偲 ピ あ る を , 君 は そ の 心 を ば し ら ず
イヤシキ ヲ 、
し て 、 た 璽 忠 臣 な り と の み 思 ぴ 居 る 時 に 、 叉 一人 の 微 臣 有 て 、 か の 側 な る 臣 下 の 賊 心 を よぐ
イヤシ ツゲ
さ と り 知 れ 曳共 、 身 賤 く て 、 君 の側 に 近 づ ぐ ヒ と か な は ざ る法 あ れ ば , 參 り て こ れ を 告 し ら す
イノヂ永トン アヤフ . 平
る こ と あ た は ず 、 か く て そ の 君 の命 殆 ど 危 き 時 に な り て 、 此 微 臣 居 な が ら 是 を 見 る に 忍 び ず 、
ジ し ゃ
や む こ と を え ず し て 、 か の法 を 破 り て 、 近 づ き 參 り て 、 救 ひ 奉 る が 如 し 、 此 微 臣 は 忠 臣 と や せ
へ
ん 、 不 忠 臣 と や せ ん 、 か く 譬 へた る 意 は 、 賊 臣 は 異 國 の 道 な り 君 は 古 の道 の全 躰 な り 、 微 臣 の
ノ ド へ
君 の側 に 近 づ ぐ 事 か な は ざ る は 、 君 悪 し と い へ共 、 下 よ り 議 す る こ と あ た は ざ る 、 古 .
の道 の 中
分 一端 な り 、 や む こ と を え ず 、 法 を 犯 し て 、 君 の命 を 救 へ る は 、 直 靈 の 書 な り 、 犯 せ る法 は 重
イノチ ほ
ゆ ホに
け れ 共 、.道 の中 の 一端 に こ そ あ れ 、 救 ぴ た る 君 の命 は 、 道 の 崟 躰 な り 、 竜 し 道 の 全 躰 亡 ぶ る と ・
き は 、 か の 一端 も ぴ と レ 存 す る こ と あ た は ず 、 天 下 萬 人 み な こ れ を 犯 せ ば 、 た 璽 一人 の 微 臣 の
ケン
アニせメ
み犯 す と 、 そ の輕 重 いか に あ らん 、 難 者 のた ふ と ぶ處 の漢 國 の道 に竜 、權 と いふ 事 有 て 、 嫂
オボ クト
永 に 溺 る N時 は 、 手 を と り て た す く る 譬 へ 竜 あ る に あ ら ず や 、
○ 道 ノ中 一
一樂 ミ ヰ ナ ガ ラ 云 々
○ 聖 人 の道 のあ し き 事 を 、 儒 者 の し ら ざ 絢 は 、 ま こ と に ご 玉 の た と へ の 如 く 、 泥 水 に 佳 む 魚 の・
ニゴ
そ の 水 の濁 れ る こ と を ば 覺 え ず し て 、 た の し み 居 る が 如 し 、 ,
.
カゾ ほ
○ 文 字 ナ キ御 代 ハ 、 年 月 ヲ數 ラ ベ キ 十 干 十 二 支 ノ類 モ ナ ケ レバ 、 云 々 .
○ 此 事 は古 事 記 傳 の紳武 天軣 の卷 に委 く論 レ お け れ ば、 こ エに は辨 ぜ ず 、
○ タ ト ビ漢 ノ 風 俗 ハア シ キ ニモ セ ヨ、 天 皇 ノ 御 心 ダ ニ悪 カ ラ ズ バ 、 云 々 .
○ 此 読 は た が へり 、 す ぺ て 人 の 心 の善 悪 竜 、 も と よ り 紳 の し わ ざ に て 然 る も の な れ ば 、 必 し も 人
の 悪 し き 心 あ る に よ り て 、 鍋 津 日 紳 そ れ に 剩 て 、 騰 を畷 く る のみ に は あ も ず 、
マ ガ ナホ ナポおノ
○ 千 數 百 年 ノ間 ニ シ モ 、 此 厄 ヲ 直 ・
シ 給 ハ ヌ、 直 毘 紳 コ ソ ア ヤ シ ケ レ、
アヒダ
○ 天 地 の無 窮 に 久 し き 間 に と り て は 、 千 數 百 年 な ど は 、 只 し ば し の ほ ど な る も の を 、 ⋮
難者 これ を
ミ
タ クヲ
思 ぴ めぐ ら さず し て、 ただ 百 年 にも 滿 ざ る人 の生涯 に のみ お も ぴ 比 ぶ る故 に、 大 き に久 し き 事
チヒサ
.
と 思 へ る 、 そ は い と ノ 丶 小 き 心 な り け り 、 そ も / \ 近 き 世 に 到 り て 、 千 百 人 の 申 に 、 編人 二 人
マ ガコト レ
は 、 異 國 聖 人 の 道 の 、 厄 事 な る こ と を わ き ま へ知 人 も 出 來 て 、 其 諡 を 信 ず る 輩 も 、 か つノ\ 出
ナ
ポビ
ノ
ミ
ク
マ タ
ず カヘ
來 そ め た る は 、 直 毘 紳 の御 靈 に し て、 や う や ぐ 正 し き に 還 る べ き き ざ し な り 、 此 事 宋 に も 獪 委
,
へ
ぐ い へり 、 考 へ合 す べ し 、 然 る を 難 者 、 此 後 も 古 に は 立 か べ る ま じ と い へる は 、 冬 の い と 寒 き
くず ぱ な し
山っ卷
. .
曁
.
一八 九
、
颪
く ず 花 . 、 ・ 一九 〇
シレゴヘロ
ころ の心 に、 此 後 春 に立 か へる事 はあ ち じ と 思 へる癡 心 な り 、
モリャノォホムラジ
・
○ 守屋 大 蓮 云々
タ
○ こ れ は 甚 事 を か き た る 論 に て 、 何 を が な 引 出 て 、 聖 人 の 道 を 助 け ん と せ る も の な り 、 守 屋 の聖
ギラ ギラ
人 の道 を ば 嫌 は ざ り し も 、 叉 朝 野 た 其 道 を 嫌 へ る こ と の な か り し 竜 、 皆 そ の か み 天 の下 の 人 心 、
マガツ ビノ キラ コ
ホロボ
鵬 津 B瀞 にま じ こり た る故 な る をや 、 さ て 叉 守屋 た まく 佛 を嫌 ひ て、 つひ に太 子 に滅 さ れ し
ヒロ つ
し ノぽ
故 に 、 そ れ よ り い よ / \ 佛 の道 の弘 ま り つ る 竜 、 叉 醐 津 日 紳 の し わ ざ 也 、
ヨキミチ カ リ
が
○ 此 國 二善 道 ナ ケ レ バ㎡、 カ ナ ラ ズ 他 國 ノ 道 ヲ モ 吾 物 二 取 ナ シ テ 内 云 々
'、馳
ヨキミヂ ソナ
○ 皇 國 に 善 道 な く ば こ そ 、 他 國 の 道 を も か ら め 、 も と よ り 萬 國 に す ぐ れ た る善 道 の備 は り た る も
のを・衢 の馨 か曇 れる道 をレも取用 ぴ て・鯉 かはせんだ と へば・皇國 の亭 ・ けし
オポギ タデ け
き よ き 山 の 峯 に 、 枝 つ き お も し ろ き 松 の大 樹 の な み 立 る が 如 く 、 異 國 の 道 は 、 人 'の家 の庭 に 、
ウヱキ 。
枝 を た め 葉 を ナ か し て 、 造 り た て た る栽 木 の ご と し 、 此 造 り 木 も お も し ろ く は 見 ゆ め れ ど み 、識
ウヱキ
つ ぴ に か の峯 の 松 の お のつ か ら な る け し き に は 、 及 ぶ こ と あ た は ざ る 物 を 、 か の 庭 の栽 木 に な
ら ぴ て、峯 の松 を も、 枝 を た め葉 をす かさ ん は 、殺 風 景 にあ らず や 、
スベ
蝋
○ 凡 テ 人 ノ師 タ ル モ ノ ハ云 々
○
、 スツ リ
め で た き 事 竜 、 用 な け れ ば と て こ れ を 棄 る は 、 す べ て無 智 文 盲 の 愚 入 の し わ ざ な り 、 も し 知 て
も 用 な き 事 と て 、 此 天 地 萬 物 の始 を も 、 い か な る 事 共 し ら ず 、 人 の 道 を 竜 、 い か な る こ と 共 し
ら ず て あ ら ん は 、 己 が 父 母 は 、 い か な る 人 の子 や ら ん 、 先 祗 は 、 いつ く の 人 に て 有 し や ら ん 、
カ
つや ノ \ し ら ず て あ ら ん が 如 し 、 か く て も 難 者 は 可 な り と す る 歟 、 叉 親 に 孝 を つ く せ 共 、 上 よ
スツ
ハゲ
り 扶 持 竜賜 は ら ね ば 、用 な き 事 なり と て、 こ れも 棄 べき かレ 君 に忠 を勵 めど も 、 加 恩 をも蒙 ら
スツ ミ テラ マシ カシコ
ね ば 、 用 な き こ と な り と て 、 是 も 棄 べ き か 、 萬 國 を 御 照 し 坐 ま し て 、 可 畏 け れ ど 、 親 と も 先 租
ア
フ タフト スタ も ナゲ サト シメ
と も 君 と も 仰 ぎ 奪 み 奉 る べ き 、 天 照 大 御 神 の 道 の 、 廢 れ ぬ る こ と を 歎 き て 、 そ の 意 を 諭 し 示 す
〆
タフレゴト
を 、 用 な き 論 な り と い ふ は 、 い か な る 狂 誉 ぞ も 、 難 者 も し 太 御 榊 の御 徳 を 蒙 ら ぬ 、 天 地 の外 に
身 を お か ば、 口.
に ま か せ て い か に も い ふ べ し 、 此 天 地 の間 に 在 て 、 大 御 祚 の 御 徳 を 蒙 ら ん 限 は 、
タフレゴト
か り そ め に 竜 か 玉 る 狂 言 は い ふ べ き に あ ら ず 、 生 涯 此 大 御 祚 の 御 徳 を 蒙 り な が ら も 、 外 國 の 人
は そ の 理 を し ら ざ れ ば 、 是 非 も な し 、 幸 に 此 大 御 國 に し も 生 れ て 、 た ま / 丶 に も 此 理 を 聞 な が
ソシ
ら 、 獪 異 國 の毒 酒 に 沈醉 し て、 これ を信 ず る事 を え しら ぬ のみ な らず 、 返 り て譏 り あ な ど るは、
タフレゴト
か へす く も 狂言 な らず や 、
オホ
○ 但 シ紳 ハ人 ノ 所 爲 ヲ 見 テ 、 吉 凶 萬 ノ 事 ヲ 負 せ給 フ故 、 云 々、・
く ず ば な 上 つ譽
一九 一
く ず 花 一九二 .
σ これ は・ 人 の所 爲 も 臨紳 の所爲 な る こ と をレ ら ざ る、 例 の儒 見 な り、 も し此 論 の如 く 、費 を
ギ
行 ふ 者 に は 、 吉 を あ た へ、 惡 事 を な す 者 に は 、 凶 を あ た へ給 は ん は 、道 理 の ま 製 な れ は 、 こ れ
善 沖 の し わ ざ な り 、 然 る に 難 者 、 上 に 、 凶 事 は 惡 紳 の 給 は る 處 と い へる は い か に 、 悪 を な す 者
に凶 事 を給 は ん には 、 何 ぞ 悪 神 と いは ん 、 然 れ ば これ は、 善 人 に し て 凶事 のあ るは 、 悪 神 の
給 は る處 と い ふ 意 に や 、 も し そ の 意 な ら ん に は 冒 た ら ざ れ ば 、 さ は 聞 え が た し 、 す べ て 惡 紳 の
し わ ざ の 鴬と を い へる、 此 難 者 の読 には 心 得 ぬ事 な り﹂ 其 よ し は下 に委 く い へり 、 さ て天 道
ヒシ ニ ヒス ニ
福 レ善 殃 レ淫 と い へる 、 此 心 ば へは 一
.文 不 知 の兒 童 志 い へ共 、・
よ く わ き ま へ知 れ る 事 に て 、 ま こ
と に然 あ る べ き道 理 なり 、 然 れ 共 此 語 は 、 理 に は よ くあ た れ共 、 事 の跡 に つき て い ふ と き はあ
ワザハヒ サイハヒ
た ら ず 、 世 に は 悪 神 の あ る 故 に , 返 て 善 に 竜 殃 し 、 淫 に も 瀬 す る こ と 、 古 今 に あ げ て か ぞ へが
り
た し 、.故 に 天 道 天 命 の諡 は 、 ご 玉 に 至 で 窮 せ り 、 然 る を 漢 國 の 人 は 、 此 悪 紳 の 所 爲 の あ る こ と
クテ
を し ら ざ る故 に 、 獪 し ぴ て か の天 道 天 命 の 読 を 、 立 と ほ さ ん と し て 、 か の善 悪 鍋 編 の 事 の 、 道
'理 の ま 乂 に あ ら ざ る を も 、 さ ま ゐ厂丶 に い ぴ く ろ め つ ﹂ 、唱ま ぎ ら か し お け 共 、 つ ぴ に 明 解 あ る こ
シヒゴト ザ ナカマ ド ウベ ウベ
とな く 、 皆 強 事 な る を、 儒 者 仲 闇 に ては 、 し ぶ /\ に も諾 な ひ おく べけ れ ど も 、 余 は え 諾 な は
ず、
○ 佛 ノ 道 ニ モ 、 是 ヲ 因 縁 ゾ ト 思 フ 者 ヲ バ 、 外 道 ノ部 二入 レ テ 、 云 々
軋 . ヂ
○ こ れ は 佛 道 の申 一家 の 邪 解 を 、 よ し と 心 得 誤 れ る 説 な り 、 さ れ ど 佛 道 の事 に て 、 こ Σ に 用 な け
れ ぱ辨 ぜ ず 、 篭
マガゴト
ノ
○ コ ハ鬼 紳 ヲ 無 キ 者 ニ シ タ ル狂 言 ナ リ 、 云 々、 モ シ紳 代 卷 モ 云 々
キ リ オシノケ ウケトル
○ 此 段 は 、 難 者 の意 趣 聞 取 が た き を 、 紳 代 の 巻 も 竜 し 異 國 の書 な ら ば 、 必 排 退 て 信 取 こ と は あ ら
じ と い へ る を 以 て 考 ふ れ ば 、 余 が い ふ と こ ろ 、 實 は 心 の底 に は 、 紳 と い ふ 物 は 無 き 物 と 思 ひ な
テ
が ら 、 御 國 の古 傳 を し ひ て 立 ん た め に 、 神 あ る 如 く い ぴ な せ り と い ふ 意 か 、 も し 其 意 な ら ば 大
に 辨 あ り 、 ま つ 御 園 の傳 へは 、 人 の さ か し ら を 以 て 考 ,へ作 れ る 物 に あ ら ず 、 翼 實 の古 傳 な る 故
ヒキアテ
に 、 和 漢 古 今 の 事 を 以 て 、 引 當 て 考 ふ る に 、 符 を 合 せ た る が 如 く に て 、 " さ 丶か も 違 へる 事 な
の リ ミ シワザ
け れ ば 、 世 申 の 萬 の事 は 、 善 悪 の祕 有 て 、 そ の御 所 爲 な る こ と 、 い さ エ か 竜 疑 ひ な し 、 善 人 は
サカ マ ガ ザヵ マガ
福 え 惡 人 は 鍋 る は 、 こ れ 善 紳 の 御 し わ ざ 、 叉 惡 人、
も輻 え善 人'
竜 醐 る こと あ る は , こ れ惡 神 のし
わ ざ に て 、 か く の ご と く 、 御 國尸
の 傳 へは 、 善 神 と 悪 紳 と あ る 故 に 、 世 人 の漏 幅 の事 、 道 理 の ま 轡
アキ
罪
ま に はあ ら ざ るも 、 そ の理 いと 明 ら かな る物 を 、何 を疑 ぴ てか 、實 は神 は な き物 と 思 はん 、 然
る 忙 漢 図 の 天 命 め 読 は 、 聖 人 の さ か し ら 心 に て 、 道 理 を 以 て 、 此 方 よ り 作 り 設 け た る 物 な る故
くず ば な 上 つ卷 .
一九三
評
1
一
く ず 花 一 一九 四
レ
に 、 道 理 は よ く あ た り て 聞 ゆ れ 共 、 世 申 の事 、 其 読 の ま L に は え あ ら ず 、 故 に 余 天 命 の 読 は 、
聖 入 の作 り ご と な る こ と を し り て 、 これ を 信 せ ず 、 そ も ! へ 聖 人 は 、 誠 に 智 深 け れ 共 、 獪 限 有
て 藷世 に惡 祚 の し わざ あ る こと ま で を ば。 克 さと ら ざ り し故 に 、 た 璽道 理 にま か せ て、 天 命 の
リ
ギ
論 をば 造 れ る故 に、合 ば ざ る こと 多 き也 む 聖 人も し よく 、 惡 紳 のし わ ざ もあ る事 を知 て、 其 趣
に作 れ る 天 命 の読 な ち ば 、 世 申 の 事 に 合 は ざ る 事 は あ る ま じ け れ ば , た と ぴ 作 り こ と な り 共 異
ン オシソケ
図 の 設 な り 共 、 余 何 ぞ こ れ を 排 退 て 信 ぜ ざ ら ん 、 余 が 信 ぜ ざ る は 、 異 國 の書 な る が 故 に は あ ら
ず 、 そ の妄 作 に て 、 世 中 の 事 に 合 は ざ る が 故 な サ 、 然 る を 難 者 の 心 は 、 御 國 の古 傳 の趣 を も 、
レ
ツ レカ
漢 國 の 天 命 の論 へ引 入 て 、 一に 混 じ て 諡 ん と す る 故 に 、 余 が い ふ と こ ろ の趣 を も 、 え こ 玉 う え
ず 、 く さみ 丶 の ぴ が こ と は あ る な り 、
イキ マス
○ 天 地 ハ
活 テ 坐 事 ナ レ
褊バ 、 ソ ノ 御 心 ヲ 以 テ 云 々
○ 例 の漢 意 な り 、 天 地 は 死 物 に し て 、 心 も し わ ざ も あ る 物 に は あ ら ぬ を 、 心 も あ り て し わ ざ も あ 丶
一
る が 如 く 思 は る 云 は 、 み な 神 の御 心 に て 、 紳 の 御 し わ ざ な り 、 た と へ ば 、 天 地 は 器 物 の ご と く 。
ツカ
ツカ
神 は そ の器 物 を 用 ふ 人 の如 し 、 人 有 て 用 へ ば こ そ 、 器 物 は そ れ / \ の用 を な せ 、 み つ か ら は た
カラ
備
ら き て用 をな す 物 に は 訪 らず 、然 る を漢 人 は、 紳 の御 し わ ざ な る こと を し らざ る故 に、 天 地 に
嶂
シン
心 あ るや う に 思 ぴ ま ど ぴ て、 そ の天 地 の心 を 、 や が て紳 共 い ふ め るは、 皆 ぴが こと なり 、
○ 天 命 ヲ 疑 ヒ テ 、 因 縁 ト 同 ジ 理 ナ リ } 思 ヘル ハ 云 々
○ こ れ は 余 が 嘗 を 心 得 た が へた る も の な り 。 佛 読 の 因 縁 と 天 命 と は 、 大 き に 趣 の異 な る 事 に て 、
さ ら に 同 じ か ら ず 、 余 が い へ る 意 は 、 善 惡 醐 幅 の 事 を 、 佛 道 に て は 因 縁 を 以 て論 き 、 漢 國 に て
トケ メ
レ
は天 命 を以 て読 り と い へる に こそ あ れ 、是 を 同 じ 理 な り と は、 誰 か い へる、 さ て叉 天命 を疑 ふ
ナカマ
と い ふ も 、 漢 人 仲 聞 の詈 な り 、 天 命 の読 は 、 竜 と よ り 妄 作 な る こ と 賜 ら か な れ ば , 疑 ふ ま で 竜
、
ごな き も の を や 、 "
﹃
.
あ
`
ノ
○ 秦 始 皇 云々
ノ おロだ
○ 秦 始 皇 など の、 王 に なれ り しも 、 叉程 な く滅 し も、 皆 紳 のし わ ざ な る こと 、 竜 と より 余 が いふ
と こ ろ なり 、 何 ぞ ⋮
難 者 の辨 を 待 ん 、 然 る に 、 異 國 の亂 を ば 人 の し わ ざ と の み 心 得 て 云 々と い ヘ
チ ツ
る は 、 い か な る 心 得 た が ぴ そ や 、 思 ふ に 難 者 は 、 祚 の し わ ざ を 帥 天 命 と 一事 と 心 得 る か ら 、 余
ナン
奪
が 神 のt わ ざ な り と い ぴ な が ら 、 天 命 の詮 を 破 れ る を難 ず る な ら ん 、 天 命 の 読 は 妄 作 な る 故 に ,
テ
紳 の しわ ざ に 合 は ざ る こと . 上 件 に 委 く い へるが 如 し 、 然 るを儒 者 は、 此 天 命 の読 を し ぴ て 立
'ん と す る か ら 、 桀 紂 又 此 秦 皇 な ど を 論 ず る に 一 そ の皐 く 滅 び 海 る こ と を の み 、 し き り に い ぴ た
くず ば な 上 つ卷 一九 五
'
唾 〆
く ず 花
㍗ ゆ九六
シ
て Σ、 王 位 を 得 た る 事 を ば い は ざ る は 、 私 事 な り 、 も し 早 く 滅 び た る が 天 命 な ら ば 、 王 位 を 得 冖
シベラク ヒ
た るも 叉天 命 な るべ き を、 暫 に も せ よ、 天 は何 故 に さ る悪 人 共 に 王 位 を ば あ た へた るぞ 、 竜 し
メイ
クヒラ
實 に 天 命 の詮 の如 く な ら ば 、 薗 亂 れ て 後 に 、 聖 人 に 命 じ て こ れ を 夲 げ し め ん よ り は 、 本 よ り 亂
キ キ
れ ぬ や う に 、 い つ も ノ \ 善 王善 臣 を の み 世 に 出 し て 、 國 も よ く 治 ま る や う に と そ 、 天 は 賦 か ら
クル
ふ べ き事 な る に、 をり く 悪 王悪 臣 を 出 し て、 國 を みだ,
ら し め 民 を も 苦 し ま しむ る は, こ れ伺
マガカミ
タス
の 心 そ や 、 難 者 ご 髢 に 到 り て 天 命 の諡 窮 せ る 故 に 、 轉 計 し て 一味 の 隔 榊 を 加 へ て 、 そ の助 け を
ヒ タツ
得 て し ば し は 勢 を ふ る ぴ ぬ れ ど 玉 い へ る は 、 い と 心 得 ず 、 い か に と い ふ に 、 難 者 の 立 る處 の聖
◎
人 の 道 に 挨 、 吉 凶 渦 幅 を み な 天 命 と せ る 、 そ の天 命 は 、 道 理 正 し ぎ 物 に い へ る な れ ば 、 こ れ 善
∼
紳 の し わ ざ に こ そ あ た る べ け れ 、 鰌 瀞 の し わ ざ に は あ た り が た し 、 さ れ ば 漢 國 の読 に は 為,
糒神
、 ダスケ
に あ つ べ き 物 は 無 き こ と な る に 、 今 鍋 神 の助 を得 て と い へる は い か に 、 竜 し く は 天 道 に 臨 を り
むコシマ
の
を り は , 輪 瀞 の ご と き 邪 な る し わ ざ 竜 あ る に や 、 笑 ふ べ し ノ \ 、 御 國 の 古∵
傳 を ば僞 な り と し て、
排 斥 せ る 竜 の ﹄ 、 既 膈 榊 の傳 へば か り を し 竜 取 れ る は い か に 、ぜも し 繭 騨 の 傳 へ の 眞 な る こ と を
さ ・苔 て、借 ず 耄 のな ら ば 、 か の漢 図 の天 命 の読 の非 な る ζと は、 お のつ か ら 明 ら かな るぺ
き物 をや 、
ワゲゥヲ ヲカジ
○ 夊 天 ノ 聖 人 ヲ 出ジ 出 サ 翼 予 イ フ細孅ヲ 論 ハ ン ハ 、 イ ト 可 鱸くキ 事 ナ リ 、 云 々 ∼
テ カキヱ カキ ワラ マ
○ 手 書 豊 書 な 芝 を 例 に 禺 せ る 拭 ヤ よ く 困 し 允 り と 思 ぴ や ら れ て、 殊 に を か し く 、 ぴ と り 筴 ぴ ぞ せ
ら る 蕊、 こ れ ら の雜 藝 は 、 必 し 竜 妙 手 な け れ ば と て 竜 、 ざ の み 國 の治 に 事 か く る こ と 竜 あ る ま
じ け れ ば、 天 より 世 々 に これ を出 さ ず と ても 、何 事 か あ ら ん 、も し 難 者 の論 のご と く な ち ば、
聖 人 竜 此 雜 藝 の輩 と び と し な み に て 、 な く て も 事 か げ ぬ 愚 の に や あ ら ん 、 獪 い は 薗 、 此 読 は 返
タ
て 天 命 と い ふ 事 の 僞 な る 證 據 と す べ し 、 其 故 は . も し 件 の 類 の 雜 藝 の 妙 手 も 、 聖 人 の例 に 引 ば
クスケ
かり 、 國 を治 む る助 をな す 物 な ら ば 、後 世 にも 必 を りノ\ 、夫 より ζれ を出 す べ 髢 理 濠 る に、
後 世.
に妙 手 の出 ざ るは 随 天命 な 髫故 な らず や 、 よく 思 ふ べし 、 も し 叉 、 こ れ ら の雜 藝 甑 、 さ の
み 図 を治 む る助 と も ならず 、 な く て 竜 あり ぬ べ き物 と せ ば、 聖 入 を 出 さ ぬ例 に は引 ぺ謹 よ し な
イヅ
し 、 然 れ ば 何 れ に し て も . 此 證 例 は あ 允 ら ぬ ヒ と に て 、 ζ れ ら を 引 出 せ る は 、 大 量 な る難 者 の
アヤマチ カへ
過 な り け り 、 ⋮難 者 さ き に 、 天 下 亂 る れ ば い つに て 竜 ⋮洪 荒 の 世 に 立 反 る と い ぴ 、 洪 一荒 の 世 に は
タなスタ
聖 入 の 道 竜 絶 棄 れ て 、 君 臣 の別 も な し と い ひ , 聖 人 洪 荒 の世 に 生 れ て 、 道 を 立 給 ふ と い へ り 、
も し 然 ら ば 、 周 の世 の 宋 戰 國 め 程 は 、 叉 甚 し き 洪 荒 の 世 に て 、 國 内 ば み だ れ に み だ れ 海 る 物 を 、
クチナな ゆ
實 に天 道 あ ら ば、、 此時 竜 かな ら ず 聖 人 を 出 し て、 道 を 立直 し、 國 を治 め しめず し て は か な は ぬ
く ず ぱ な ト醐つ翁 ・
一九 電 轍
く ず 花 、
、
一九 八
ノ アラ
事 な るに、 聖 人 を ば出 寄ず し て 、 つぴ に は秦 始 皐 が如 き荒 ぶ る王 を し 竜出 し て 、國 内 を 一つに
トラ
取 せ た る は、 天 道 のあ や ま ち とや いは ん、 も しあ や まち にあ ら ず ば 、聖 人 は物 の用 に はた L ぬ
も の と 思 ぴ て 、 出 さ 讐 り し に や 、 わ ら ふ疲 し ノ 丶 、
○ 孔 子 ヨ リ 後 イ ヨノ \ 道 ハ ス タ レタ リ ㍗ イ ヘ ル モ僞 言 ナ リ 、 去 々
ル
、
○ 孔 子 春 秋 を 作 て 、 亂 臣 賊 子 懼 と か や い へれ 共 、 孔 丘 の後 、 年 々 月 々 に 、 い よ / \ ま す ノ \ 亂 臣
賊 子 の多 かり し を思 へば、 す こし 竜 懼 れ た り と は見 えず 、 然 る に難 者 は , 凡 て事 の跡 を ば か ヘ
タト
ノウガギ マむお
勤 み ず し て.、 た 買筌 言 のう へのみ を 以 て 、論 を立 潅 る は、 讐 へば能 書 に迷 て、 み だ り に萱 藥 を
カツ
信 ず るが ご と し、 か の戰國 のあ り さ ま な ど は何 と か いはん 、 曾 て聖 人 の道 お ヒ な は れ たり と は
見 え ず 、 孟 刺 が 如 き 、 國 々 を ま は り て 、 す 玉 め あ る き し か 共 、 一國 と し て そ の歡 へに し た が ヘ
チ ぬ
る 者 な き をや 、 そ の後漢 以後 今 に 至 るま で 、 よ 丶 の王 ども も ﹂ 聖 人r
の道 を奪 み行 ぴ が ほ に 、 い
び は す れ 共 、.
實 に そ の 道 の ま ふに 行 へる 王 は 一人 も な く 、 其 中 に 行 ぴ や す き 事 は 、 い さ 、 か 行
ぴ も す めれ ど 、 行 ぴ がた く 、 己 が だ め に利 のな き事 は、 行 はず ﹂ 口さ き と文 章 ば か り に、 先 王
カツチ ノ
の道 / \ と い ぴ た て エ、 實 は 己 が 一 勝手 に宜 き秦 始 皇 が 制 度 によ れ る事 のみ 多 き も のを や 、
○申 韓 ガ 法 律 モ云 々
O
慰
ン
○ 竜 し 此 読 の 如 く な ら ば 、 老 莊 な ど 竜 、 同 じ く 聖 人 の 道 の ㎞端 に て こ そ あ る ぺ き に 、 何 ぞ ヒ れ を
レ
ギラ
ミ
譏 れ る そ や 、 か れ は 耆 に 出 し て 聖 人 の非 を い へる 故 に 嫌 ひ 、 申 韓 は 書 に 出 し て 聖 人 を そ し ら ざ
る 故 に 、 道 の 一端 と 思 へる に や 、 か め 法 律 も 、 耆 に こ そ 出 さ ね ど も 、 實 は 聖 人 の 道 を そ し れ る
も の な 6 を や 、 ・
ザカ ロ
マガ ゆ
○ 叉 善 人 ハ必 輻 工、 悪 人 バ カ ナ ラ ズ ⋮
醐 ル 事 ハ 、 イ サ ・カ モ違 ヒ ナ キ ヲ 、 云 々
マドヒ
○ 史 記 の 伯 夷 傳 に も と づ け る に や と い へる は、 例 の言 に 惑 て實 を わ き ま へ ぬ 、 己 が 心 な ら び に 、
人 も 然 ら ん と 思 へる な る べ し 、 そ は い と 愚 な り 、 か の伯 夷 傳 の 意 は い か に も あ れ 、 そ れ に は す
劣 錠
こ し も か x は る 事 に あ ら ず . た 璽 和 漢 古 今 の實 事 の 跡 に つ き て 見 よ 、 惡 人 も 爾 え 善 人 も 鍋 る 事 、
アフ セ
近 く は 漢 國 に て 、 聖 人 と 仰 が る Σ孔 丘 も 、 一生 不 仕 合 に て 過 ぎ 、 亜 聖 と い は れ し 顏 囘 は 、 貧 賤
な る の み な ら ず 、 短 命 に 寄 へ有 て 、 此 兩 人 子 孫 に 到 り て榮 え し 事 だ に 聞 え ず 、 難 者 こ れ ら を ば 、
何 と か 解 せ ん と す る 、 世 の申 に は す べ て か く の 如 く , 道 理 に違 へる 事 , 今 眼 前 に も い と 多 し 、
サカ マガ ノウガキ
然 るを善 人 は 必福 えう. 悪 人 は 必 鍋 る こ と は 、 い さ 玉 か も た が ぴ な し と い ふ は 、 か の賣 藥 を 能 書
トホ キク マド . 亨
あ 通 り に た が は ず 、 よ く 驗 も の と 思 び 惑 へ る 。 愚 昧 の 心 歟 、 は た 能 書 の如 く に は き か ぬ 事 を 知
ウリ
な が ら 、 獪 人 を 欺 き て 、 賣 つけ ん と す る 歟 、 叉 か の 伯 夷 傅 の言 は , 實 に 天 命 を 疑 ひ た る に は あ
く ず ば な 上 つ卷 唱九 九
蝉
・
\
く ず 花 厂 二〇 〇
カう
ら ず と い へ る 竜 、 大 き に 無 用 の 辨 な り 、、漢 人 は も と よ り 皆 天 命 の読 を 信 じ 居 る 竜 の な れ ば 、 司
。
馬遷
こ れ を 疑 は ず と て も 、 何 の め づ ら し き 事 か は あ る 、 .
○ サ レ バ 惡 人 ノ 幸 ヲ 得 ル ハ内 中 々 二天 ヨ リ 罪 ヲ フ ヤ シ給 フ 由 ナ リ 、
ワラ
マケヲシミ
ワケ
○ 此 論 殊 に 笑 ふ べし 、佛 の方 便 に似 たり 、 俗 に いは ゆ る負 吝 の心 あ ると き は 、 かや う の譯 も な き
ノ
事 を い ぴ て 、 人 に 笑 は る 玉、 氣 毒 千 萬 な る 物 な り 、 も し 罪 を ふ や さ し む る 心 な ら ば 、 天 は 悪 を
ユク ワザハヒ へ
好 む 物 と 見 え た り 、 悪 人 を 悪 ま ば 、 片 時 も 早 く 殀 を あ た へん こ そ 、.天 の正 し き し わざ な る べけ
アタ マサ カタハラ . セン
れ 、 し ば ら く 幸 を與 へて 、 ・霏 を 櫓 し め ん に は 、 側 の 罪 な き 人 の 害 に も な り て 、 何 の詮 も な き い
たづ ら こと な るを や 、
○ 盜 跖 ガ ゴ ト キ 盜 ノ 幸 ア ル ハ云 々
. ウラヤ
ウラヤ
○ 人 の羨 む と 羨 ま ぬ と を も て 論 を 立 た る も 、 又 ま け を し み な り 、 盜 跖 の み な ら ず , 古 今 に 惡 人 の
編
ザカ ニ ク
え た る た め し い と 多 し 、 も と よ り 惡 人 な ら ん に は 、 天 下 後 世 の 人 に 悪 ま る x事 を も 、 い と ふ
ウラヤ サカエ
ヵク
べ き にあ ら ざ れ ば、 人 これ を羨 まず と ても 、 其身 の幅 に 亀 いさ 玉 か も 観 る こ と は あ ら ず , 然 れ ば 、
ヒ
盜 跖 が 幸 の 類 は 、 眞 の 幸 に あ ら ず と い ふ も 心 得 ず 、 幸 に 眞 の幸 僞 の 幸 と て 、 二 つ 有 べ き に あ ら
サ ニク
ず 、 た と ひ善 入 の 心 に は 、 悪 人 の幸 は 眞 の幸 に あ ら ず と 思 ぴ て 、 鮃 む と も 、 そ の 人 の受 る 幸 に
ワ
糠
チ
は、 眞 僞 の差 別 あ る こと な し 、 王葬 曹 操 が 位 を得 た る は、虎 狼 の殿 内 に立 た るな り と いふ 竜同
じ 事 に て 、 虎 狼 也 と い ふ は 筌 論 、 王 位 を 得 た る は實 事 な れ ば 、 た と ぴ 儒 者 は い か ほ ど そ し り て 、
あ
虎 狼 な り と いぴ ても 、 王 位 に 二 つ は なけ れ ば、 莽操 が受 る幅 に は損 な きも の を、天 は何 故 に さ
る虎 獲 に は 王 位 を あ た へ た る ぞ 、 い と ノ \ 心 得 ず 、 さ れ ば 難 者 の 此 読 は 、 た と へば 、 吏 人 の 盜
トラ
を 捕 へて 、 刑 に は 行 拭 ず し て 、 返 て賞 を あ た へて い へる や う 、 盜 を 賞 す る は 眞 の賞 に あ ら ず 、
ぷ ク ウベ
又刑 に は お こな はざ れ 共 ﹄
.世 の 人 に 惡 ま る 丶 が 刑 な り と い は ん が 如 し , 人 た れ か 諾 な り と い は
む 、 隔
オナ シヅノヲ
○ 天 ノ 御 心 二合 フ 者 ハ賤 夫 モ天 下 ノ 主 ト ナ リ 上 リ テ 云 々
レ カナ
○ 君 の國 を 奪 ひ と り て 、 已 天 の 御 心 に 合 へり と い ぴ て 、 民 を 欺 く は 、 漢 図 聖 人 の姦 智 邪 術 な り 、
暁
フ も
皇 御 國 は 、 天 壌 無 窮 の祚 勅 の ま 丶に 、 い く 萬 代 を 經 れ と も 、 君 は 君 、 臣 は 臣 に し て 、 御 位 の動
く ζ と な し 、 幸 に か 乂 る め で た き 御 國 に 生 れ な が ら 、 君 臣 の遘 竜 た xず 、 み だ り な る 外 國 の悪
習 俗 を 悦 び 奪 む は 、 い か な る 醉 心 そ や ,,
○ 或 ハ毒 藥 ヲ 以 テ 云 々
○ 此 た と へは よ く あ た れ り , 聖 人 の 道 は 、 ま こ と に 毒 藥 な る が 故 に こ れ を 服 す れ ば 世 を 傷 害 す る
く ず ば な 上 つ卷 、
,
二〇 輔
蝉
く ず 花 二 〇 二
な り 、 毒 無 き 藥 は 、添 か に 用 ぴ て も 、 人 を 害 す る こ と な け れ ば 、デ
欝 して 用 ふる人 のみ の罪 なら
ん や は ㌻ .
.
.
.
アハ
○ 聖 人 ヲ 貶 ス ノ ミ ナ ラ ズ 、 併 セ テ 天 皇 ヲ シ モ 、 云 々 .
○ 此 事 拭 、 既 に 上 に た と へを あ げ て 辨 じ た る が ご と し 、
シワザ マ ゴヘロ
○ 上代 ノ所 行 トテ モ、 コトん\ ク眞 心 ノ マ ・ナリ シ ㍗ モイ フ ベ カ ラズ 、 云 々
マゴ、ロ ム辱ス ピノ ミ タマ . ソナ
○ 溟 心 と は 、 産 集 日 禪 の 御 靈 に よ り て 、 備 へ持 て 生 れ つ る ま 玉 の 心 を い ふ 、 さ て こ の眞 心 に は 、
へ ヘ
ククミ ッタナ ヨキ
智 な る もあ り 、 愚 な るも あ り 、 巧 な るも あ り、 拙 き竜 あ り 、善 も あ り 、悪 き も あ ー
3、 さ まみ 丶
に て 、 天 下 の人 こ と み \ く 同 じ き も の に あ ら ざ れ ば 、 紳 代 の 神 た ち も 、 善 事 に ま れ 惡 事 に ま れ 、
お のノ \ そ の眞 心 に よ り て 行 ぴ 給 へる な り 、 然 る を 難 者 、 智 巧 の 事 な ど は 、 眞 心 の行 ぴ に あ ら
ず と 心 得 た る は誤 れ り 、 さ て 余 が 、 外 國 の學 問 お ヒ な は れ て 、 天 下 の 人 翼 心 を 失 ぴ た り と い ふ
は、 貴 人 或 は佛 道 、 或 は儒 道 を信 じ て、 何 事 竜 そ の意 をよ しと 思 ふ は 、學 問 せざ る者 も其 なら
ぴ に 偈 り た る 物 に て 。 生 れ つ き た る 心 に は あ ら ざ れ 民 也 、 そ の ︼端 を 鰯 て い は 璽 、 或 は 佛 の読
む
オボ マ ド みセ
に 溺 れ て 、 父 母 妻 子 を 棄 て 出 家 を し 、 或 は 儒 の道 に 惑 ひ て 、 君 を輕 ん ず る輩 な ど の 出 來 た る た
カヘ
ロ
ま
ぐ ぴ 是 な り 、 其 外 も す べ て 善 に も あ れ 惡 に も あ れ 噂 生 れ つき た る 心 を 變 て う つ る は 、 皆 眞 心 を
押
.
鷲
失 ふ也 、
くず ば な 上 つ卷 〇一
"
、
く ず 花 二〇 伽
く ず 花下 つ卷
○ 灘 澀 國 ヲ生 成 シ給 フ トイ フ コよ ・ 云々 サ レパ 君 ア シ キ時 ハ・ 云々
イサム ぐロ よ
○ 臣 君 を 諌 る は 可 な り , 位 を 下 し 奉 る は 、 外 國 の惡 風 俗 に て 、 大 鳶 に 道 に そ む け り 、 故 に 武 烈 天
り かオや
皇 の ご と き 天 塁 と い へ共 , 臣 こ れ を 下 し 奉 れ る こ と な し 、 陽 成 天 皇 の 御 世 の 事 ば 、 既 に 漢
ヤウ ぐ ロ ぴ タレ じ ナラせ
樣 な れ ば 論 に 及 ば ず 、 そ も ノへ 、
外 國 は , 君 臣 の遘 角 玉ず 、 誰 に ま れ つ よ き 者 君 と な る 俗 に て 、
定 ま れ る 主 は な き 國 な る 故 に , 君 の 私 と い ふ 轟 も あ る な ら ん 、 皇 國 は 天 照 大 御 紳 の 授 け 給 へる
マセ
噛皇 統 に し て 、 天 孃 と 無 窮 に し ろ し め す 大 御 位 に 坐 ば 、 君 の 私 と い ふ事 は な 巻 な り 、 こ は 道 の 本
に し て . な ほ ぎ り な ら ぬ 大 事 な れ ば 、 外 國 の例 な ど を 思 ひそ 、 か ろ 孟 \ ,し く申 す べ き御 事 にあ
、
らず う あ な か し こ
剛ノ\ 、
マ
○ サ レ バ 大 神 モ、 天 皇 ア シ ク 坐 ス ト モ 、 ソ ノ 詔 必 ウ ケ 給 ハ ル ベ シ ト ハ ノ リ 給 ハ ヌ ヲ ヤ 、
ミコも ソシ ナマツゆに ノリ
アタ
○ 是 は 余 が 本 書 に ,夫 御 紳 の 勅 命 に も 、 天 皇 悪 く ま さ ば 莫 伏 そ と は 詔 た ま は ず と い へる に當 .
り て
め
い へ る な り 、 余 が い ぺ る 如 く 癒 ら ば 、 難 者 の 此 書 も 又 理 な る が 如 く 、 一わ た り は 聞 ゆ め れ ど も ゆ
寮
\
、
障
カシコ
タフレゴト
ゥヶタマハ
獪 よ く 思 へ、 ⋮難者 の此耆 は い とも 可 畏 き 狂言 癒 り 、 いか にと い ふ に、 まつ 臣 は 君 の命 を 承 リ
ッネノサダマリ
て 、 從 ふ が 順 に し て、 常 經 な り 、 從 は ぬ は 、 た と ひ 義 に も せ よ 、 逆 に し て 臨⋮
時 の權 變 な り 、
アシ 莞 ノ客 ウ多 ス
然 れ ば悪 く 坐 と 竜 其 詔 う け 給 は れ
と は
、 こ
と さ ら に 詔 ふ に 及 ば ず 、 承 り 從 ふ べ き は、齔 冨 の定
ノタマ
まり な れ ば な り、 さ て 又君 あ しき時 は 、從 ふ ま じ き由 あ ら ば、 そ れ は 必 た し か に 詔 は で は叶 は
ず 、 逆 に し て 臨 時 の.
變 な れ ば な り レ す べ て何 わ ざ も 、 常 の 定 ま り た る 事 は 、 こ と さ ら に い ひ し
、
らす る に は及 ばず 、 臨 時 の事 は、 か な らず そ のよ し を いび つけ ざ れ ば 、知 れ が た き物 なり 、 さ
聯
れ ば 今 難 者 の 理 窟 は 、 た と へ ば 、 人 に つ か は る 瓦者 の、 圭 人 の 物 を 盜 み 取 て 、 ほ し か り し 故 に
カ ル
取 た り 、 ほ し く 共 吾 物 取 ζ と な か れ と は 、 主 人 の い ぴ つけ ざ れ ば 、 苦 し か ら ず と い は ん が 如 し ,
ル レ
ほ し く て も 圭 人 の物 は 取 ま じ き は 、 常 の 定 ま り な れ ば 、 誰 か こ と さ ら に い ひ つく る 事 は あ ら ん ,
カ リ ユル
叉 余 が 本 書 に い へ る と こ ろ は 、 臨 時 の變 な れ ば 、 ほ し き 時 は 吾 物 取 て つ か へと い ふ 、 圭 人 の許
り
し な く て は、 必取 がた き が如 く な らず や 、此 差 別 を よく 思 ぴ て、 み だ り な る巧言 にま ど は さ る
る事 な か れ 、
ステ
C 善 悪 ノ 論 ヲ 舎 テ 、 畏 敬 奉 ル ハ、 タ 寸妾 婦 ノ 道 ナ リ 、
サル
ヘ ナキ
C か ら 國 に て 、 臣 君 を 三 た び 諌 て 聽 ざ る時 は 去 と い ひ 、 子 父 を ミ た び い さ め て 聽 ざ る と 鳶 は 、 泣 '
く ず 花 下 つ卷 .
. 、,
二〇 五
ノ
凄
〆
く ず 花 . 二〇 六
. 呶
ウス
て し た が ふ と い へり 、 是 は 父 に の み 厚 く し て 、 君 に 薄 電 惡 風 俗 な り 、 も し 父 に は 是 非 な き と き
シタガ
は從 ふ べく ば 、 君 に も是 非 な き時 は かな ら ず從 ふ べ き 理 な り、 ま し て皇國 の君 は 、紳 代 よ ゆ天
地と 共 に動 き給 は ぬ書 ま しー て・ 齢 べき 道 響 な く ・ ま し て禦 く べ き道 理 も な け れ ば、 し
ノヌシ
た が ぴ奉 る より 外 な し 、 な ほ そ の君 の御 し わ ざ あ し く ま しく て、 從 ふ に忍 びず 思 は ゴ、楠 圭
り
の 如 く 、 此 世 を 去 て 、 夜 見 の國 へま か る よ り 外 は な き 事 と 知 べ し 、 た と ひ 天 地 は く つ が へ る と
い ふ と も 、 君 臣 の義 は 違 ふ ま じ き 道 な り 、 然 る を漢 図 の俗 と し て 、 君 を 臣 と し て 己 が 心 の ま 製
イカ
に, 芒 も 殺 し もす る を、ぎ 事意 へる は、 いと あ さ ま し き わ ざ な り 、 そ もぐ 耄 しき時
い
ゴ
オ ヘ
や
●
は、 臣 と し て 其 位 を下 し奉 るし わ ざ は、 う は べ はよ き事 のや う に 聞 ゆ れ共 、 實 は甚 悪 し き事 な
アシカ へ
り 、 そ の故 は 、 眞 實 の忠 臣 に し て 然 せ ば , 世 の た め に は し ば ら く よ き 道 理 も あ る べけ れ ど 、 世
ン
世 に忠 臣 のみ は有 が たく し て 、 不 忠 臣 竜多 か る物 たれ ば、 件 のご と ぐ に て は、 お のつ か ら 君 の
カ・ . 纏 ・ 一 ご尋モノ ●
威 は 輕 く な り て 、 臣 の威 つ よ く な り 、 叉 や 玉 も す れ ば 、 燼 臣 の 贋 物 あ り て 、 始 のほ ど は 忠義 が
ほ に 君 を 輔 佐 し つ 乂﹂ つ ひ に は そ の 位 を 奪 ふ 者 出 來 る な り 、 漢 國 の 代 々 に 此 弊 い と 多 し 、 難 者 9
も か の 國 の よ Σ の 史 を 見 ば 、 い は ず と も 知 べ き 事 な り 、 然 れ ば 君 あ し 玉と い へ共 、 ぴ た ふ る に
カシ ウヤマ .
、
ヤブ
畏 こ み 敬 ひ て 一 從 ぴ 奉 る ぱ 、 一わ た り は 婦 人 の 道 丈 近 き に 似 た れ 共 、 永 く 君 臣 の 義 の 敗 る ま じ
騨
撃
丶
職
ユキ
き 正 道 に し て 、 つ ぴ に は 其 釜 廣 大 な り 、 此 一端 を 以 て も 、 天 照 大 御 神 の 道 は 、 う は べ は 行 た ら
は ぬ や う に て、實 には 至極 せ る妙 道 な る こと をさ と るべ く 一 叉漢國 の道 は 、聖 人 の さ かし ら も
て造 り 設 け て 、 正 し か らざ る道 な る が故 に、 う は べ は か し ヒげ に、 道 理 め きて聞 ゆ れど も レ實
に は其 失 お ぼ き 事 を 、 よ う つ 准 へ て 知蠧 き な り 、
○ 坊 門 宰 相 ノ 云 々、
ヤウ
σ
こ れ は い と 後 世 に て 、 天 下 お し な べ て 漢 樣 な る程 の事 な れ ば ﹂ こ 丶に 引 出 べ き 事 に は あ ら ぬ を .
も し な ほ か や う の 例 を 引 て 、 そ の得 失 を い は 冥 、 難 者 の よ し と す る 聖 人 流 に も 、 そ の 失 お ほ か
、
り し事 は、 和 漢 歴 代 の間 に 、 いと / \ 多 き を ば い か にと かす る、
ガム ロギ
マガコト
○ 然 ル ヲ 皇 統 ハ御 國 ヲ 生 成 給 ヘ ル 紳 祀 ノ 、云 々 是 ハ正 シ ク 道 ヲ ミ ダ ル 狂 嘗 也 、
オソ ウヤマ
○ も し 君 を 畏 れ 敬 へと い ふ が 狂 言 な ら ば 、 難 者 の 道 は 、 君 を 畏 る な 敬 ふ な と 教 ふ る 道 に や 、 い ぶ
ポロボ
か しノ \ 、 此読 な ど は 、 い つに て も 君 あ しく ば、 う ち 滅 し て天 下 を取 れ と い は ぬば かり の邪 論
ゆ
な り 、 ま こ と に 君 を 滅 し て 、 そ の國 を 盜 み 取 た る 聖 人 の 道 は 、 お そ ろ し き 道 な り け 軌 、 余 今 難
耋 箏 て・.難 此葛 花 を授 く る をご 蔓 び な め て・年 來 の毒 酒 の醉 心 をさ ま せ ・獪 お のれ 醂
リ
アヤマチ
ず と 思 ぴ て 、 あ ら そ ふ 心 の盛 な ら ば、 おぼ えず いみ し き過 あ らん 物 ぞ 、
くず 花 下 っ卷 -
二〇 七
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ぱ
、 、
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〆
南
轟
く ず 花 二〇 八
カ
ミ
も
○ 抑 御 國 ノ 迦 微 ト イ フ言 ハ、 上 代 ニ ハ凡 テ 物 ヲ ヨブ 名 ニテ 、 云 々
へ い ハ ブ
○ こ れ は 一向 に 古 を し ら ぬ み だ り 言 な り 、 辨 お ほ け れ 共 、 事 長 け れ ば こ 丶に は 畧 け り 、
リ タラザル
○ ソ
ノ 所 爲 ハ タ 、 世 ヲ
治 ム
ベ キ
道 ト ス ル
ニ モ
不 足 モノ
らナ リ ,
○ 上 代 は 皇 神 の道 に よ り 給 へる が 故 に 、 天 下 は い と よ く 治 ま り つ る 事 な る を 、 難 者 、 そ れ は 後 の
ケチ
天 皇 の造 り 事 な り と い ひ 浩 て 、 し ぴ て 己 が 聖 人 の 道 な ら で は 、 世 .
は治 ま ら ぬも のと いふ こと を
ゆ
立ん とす る は、 いと も き た なき 心根 な り、 かく の如 く・ 己 が勝 手 に わ ろき 事 をば 、造 り事 と いぴ
ハウベ
け ち て、 勝 手 によ き事 ば かり を いは ん とす る を ば、 た れ か 是 を諾 な はん 、 そも く 上代 のて ぶ
ノコ
り の遺 り た る を 見 て 、 世 を 治 む る に も た ら ぬ 物 と 思 ふ は 、 道 の 末 を の み 見 て 、本 を し ら ざ る な
り 、 今 に 至 る ま で天 下 の よ く 治 ま る は , み な 皇 紳 の 道 な る 事 、 大 本 の皇 統 の 動 き給 は ざ る を 以
ヨギ
て さ と る べ し、 た と ひ道 とす る にた ら ぬ物 な 噸共 、 天 下 よ く 治 ま り て失 な く ば、 これ 眞 の善 道
も マガ ヒノ
な り 、 そ の 餘 の 道 は何 に か は せ ん 、 後 世 に 亂 の多 き は 、 鍋 つ 日 神 の 心 に て 、 無 釜 な る 異 國 の 道
の はび これ る故 なり ・ 然 るに そ の後 世 のみ り さ ま を見 て・ 契 の道 に あ ら ざ れ ばぜ 鯵 ←
よら
レ ツケし ウチケシ レ
ぬ物 と い ふ 拭 、 た と へば 、 己 人 の家 に 火 を 放 な が ら , そ の 火 を 打 滅 て 、 我 す く は ず ば 、 此 家 は
ヤケウセ
り
燒 失 な ん物 を と いひ て ほ こ る が如 し 、
ワ
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()紬胃ノ {
子 二迷 ヒ タ ル ナ ル ベ シ
. . カミ ブ カ・ミ ψ
○ 難 者 は 、 上 代 に 迦 微 と い へる は 、 た 璽 物 を 呼 名 と 心 得 て 、 迦 微 と 人 と の 差 別 を し ら ず 、 此 事 は
場
下 に 委 く辨 ず る を 見 よ 、
○ 今 ノ天 皇 ノ 御 租 モ 、 マへ
人 ニテ マ セ バ 、 云 々 亀 , の
ナヅ
○ これ は 外國 の王 共 の、凡 夫 の子 孫 な るに泥 み て いふ な ら ん, 吾 天 皇 の御 租 は, か し こく も 今 の
ウツも
ミヘ
テラ
マス
現 に天 地 の き は み 御 照 し 坐 、 天 照 大 御 神 に ま し / \ て 、 さ ら に 凡 人 に は ま し ま さ ず 、 大 御 父 伊
邪那仇大神も﹂鐸 ハ
棄 とのたま ひて、大 に窮 ・
解 まします御藻 ,今 さら申す嘉 う かな
ヂ アヤシ
リ 、 さ る は添 躰 に し て、 帥 天 つ日 に ま し ます を、 いはゆ る天狗 仙 人 よ り外 に奇 き物 はな き こ と・
カタクナ
と 、 固 陋 に 思 ぴ 定 め た る 、 儒 者 の 狹 智 管 見 に 、 驚 き あ や し む は 、 た と へば 、 衣 服 は 布 よ り 外 に
ノ
オの
リ
t ちざ る山 里 人 の、 始 め て錦 衣 を見 て、 驚 きあ や しみ て、 是 はもと よ り か く織 た る物 に 倣 為ら
ヱヵ イロド
じ 、布 を耋 き綵 色 れ るな ら ん と 思 へるが如 し、 さ て叉 犬 戎 の遠 租 は 犬 なり と い ふ読 をば 信 じ な
マス
ゆ
が ら 、 皇 図 の 御 組 は 天 つ 日 に 坐 こ ど を 信 ぜ ざ る は い か に 、 醗 に 人 と 犬 と は 異 類 な る を 、 犬 の子
マス
孫 に し て 人 あ ら ば 、 天 つ 日 の御 子 孫 に し て 人 に 坐 も 、 な ど か 疑 は ん 、 と に か く に漢 國 の読 な れ 冒
ば信 じ、 皇 國 の読 な れ ば 信 ぜ ざ る、偏 見 乏 いふ べ し,
6
く ず花 下 つ卷
二〇 九 .
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〆
く ず .花 ' 、 , ︼= ○
ム ズ ビノ β
○ 産 奥 日 紳 ト イ フ モ假 ノ 名 云 々 .
ヵリ ス
○假 の名 と見 る は、 漢 流 の邪見 なり 、御 函 にて 神 と申 物 は、 さ ら に假 の名 にあ らず 、 ごとぐ く
實
ノ
物 な り 、 故 に か の 國 と 御 國 と 、 神 と さ す 物 異 な り と は い へる ぞ か し 、 さ て 産 巛
果日 紳 竜 、 天 地
. ウツヘ
ト
ノ
の は じ め よ り 、 今 も 現 に高 天 原 に ま し く て 、 天 地 に あ ら ゆ る 四 海 萬 國 に 成 出 る物 は 、 ヒ と こ
ミ タマ
と く 此 神 の御 靈 に よ れ り 、 さ て 皇 國 は 、 天 照 大 御 紳 の 本 つ 御 國 に し て 、 萬 の 國 に す ぐ れ た る 故
ヘ ノ リ
に 、 古 の傳 へ明 ら か な れ ば , 高 天 原 に 實 に 此 紳 た ち の 現 に ま し ま す 事 を , よ く 知 て 疑 は ず 、 異
國 は 古 傳 ざ だ か な ら ず し て 、 此 天 つ神 た ち の 實 に ま し / \ て 、 萬 の わ ざ を な し 給 ふ 事 を し ら ざ
る 故 に 、聖 人 ど も の 、己 が 私 智 を 以 て 、陰 陽 乾 坤 な ど 其 外 さ ま λび丶 の諡 を設 て 、此 天 地 萬 物 の 理
トク
ト ゑ
を 竜読 めれ 共 、 そ は皆 闇 推 の造ザ 事 にて、 天 道 と い ふも 神 と い ふも . 為 璽 理 を以そ 此 方 よ り お
ナヅ
し あ て に 名 け た る のみ にて 、實 に さ る物 は あり や な しや 、 さ だ か なら ざ る がご と し、 故 に今 難
ノ
者 も 、 陰 陽 の靈 と い ふ も 假 の 名 と い へり 、 さ て か く の 如 く な る漢 國 の 闇 推 の読 を 手 本 と し て 見
ノ
ノ
一る か ら 、 産 集 日 紳 を も 假 の 名 と 思 ぴ 誤 れ る な り 、ざ て 此 産 集 日 神 な ど を 、 御 國 の紳 と 余 が 申 ぜ
キハ
る は 、 御 図 を 限 り て そ の功 を な し給 ふ と い ふ 意 に は あ ら ず 、 上 に申 せ る如 く 、 此 紳 は 天 地 の 極
ムスビ ムスビ
み 産 靈 の 徳 を 施 し 給 べ ば , 萬 國 の 産 靈 の神 な レ 、 然 れ 共 、 外 國 に て は 、 此 紳 の ま し ま す 事 を し
}
■
ワ
ら ず 、 た 璽皇 國 に の み そ の 傳 へ有 て 、 こ れ を し れ る 故 に 、 外 國 に て 紳 と い ふ物 と 封 し て 、 姑 く
ヤ
御 図 の紳 と は申 せ る なり 、 そ も レ /\ ㌔
此 意 は 、 既 に 本 書 に い へる 事 に て 、噛か の・文 の前 後 を 相 照 し
"
て よ
く 見
ば 、
お の
つ か
ら 明
ら か
な る
べ き
を 、
難 者
な ほ
疑 ぴ
で 、
御 國
を 天
地 の
外 に∼
お かん とす る
か だ ど ㌦ い へ る は 、 い か に そ や 。 す べ て 人 の論 を 破 ら ん と な ら ば 、 ま つ そ の 意 を よ く 明 ら め て /
こ そ、 とも かく も い ふ べき わ ざ な れ 、
ワキ
○ ス ベ テ 萬 ノ 物 二由貝賤 ノ 別 ハ ナ キ 事 ナ リ 云 々
○ 此 段 は 殊 に 僻 読 な り 、 人 と 軌 と も と 貴 賤 の別 な し と い ふ 事 は 、 漢 國 聖 人 の 道 に も 聞 ぬ こ と な り ,
オギ
況 や 皇 圏 に 於 て を や 、 抑 か N る僻 読 を し も 出 せ る こ と は 、 人 は た 雪 徳 あ る に よ り て こ そ 貴 け れ
齢 と いふ こと を ・ つよ 動 てゼ 皇 國 に は貴 劈 差戳 難 るよ し を い へる を ・ し ぴて 響 んため
な る べ し 、 い か に も 漢 國 な ど に は 、 徳 に よ り て 位 を も 得 つ る こ と あ れ ば 、 こ れ を眞 の貴 き 物 と ρ
プン
思 ふ も 、 さ る こ と な れ 共 、 そ れ は 實 は 悪 風 俗 な り 、 皇 國 は 神 代 よ り 君 臣 の分 早 く 定 ま り て 、 君
. クフト コ
タネ シモ
は本 よ り眞 に貴 し 、 そめ 貴 鳶 は徳 に よら ず 、 も はら 種 に よ れ る事 に て、 下 に い かほ ど徳 あ る人
あ れ 共 、 か は る こ と あ た は ざ れ ば 、 萬 女 年 の 末 の代 ま で も 、 君 臣 の 位 動 鼻 ζ と な く 嚴 然 た り 、
故 に下 鏡 覦 の心をいだく誉 な丸 走 位を失 給 はん の響 なし・異鞍 蠡 む俗 にて・
くず捲下 つ卷 二 一一
蔭
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禽.
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嘉
く ず 花 . 二 = 一
爽 森 へ共,斃 にあれば貴 しふ恵 叢 に、 おのつ から上を要 ダご⇔心有艤 つぴに簔 の
うマガツ
鍋 をま ね け り 、 今 難 者 の 、 高 き 位 に 生 る 製 人 も 、 そ の 徳 な く ば 、 徳 を い ボ げ る 出 賤 に も 劣 り な
ん嘉 へるも・聾 を掣 にあ皐 舟 もしかく の如く なら ば・愚 冬 も・た徳 あガ
父 を
忍
の、
み尊 み て、 徳 な く ば君 を竜 像 む ま じ き に や 、徳 あ る を奪 む は宜 しけ れ共 、 そ れ に つき て は、
イヤ
か な ら ず 徳 な き を 購 し む る 故 に 、・こ れ 亂 ,
の本 、
な り と 知 べし 、
ノ ロ
○ 北條 泰 時 ガ 云々
○ 既 時 に 諸 國 の武 士 み な 北 條 に從 ひ て ・ か し こ く も 膨 奉 の し は 、 薦 漸 貯 紳 盛 ど 蔦 び て 、 天 下 の 人
ズ アザム
心 み な其 紳 にま じ こ り て、 北 條 が姦 曲 の智街 に欺 か れ たり しも のな り 、 足 利 の事 も 是 に同 じ ,
ス サ ノ ヲノ ミヒ タへ
か 乂 る時 は 、 天 照 大 御 祚 の 大 御 力 に も 及 び が 距 逵 事 、 か の 須 佐 之 男 神 の御 あ ら び に え 堪 給 ぼ で 、
鴎 微 量 剤 に隴 り 鵲 し、 神 代 の古 事 と 同 じ事 な 診、 然 るを 伽 人 た 璽此時 朝 廷 の御 政 よ ろ し か らざ
カチ
遣り し故 に 、 大 御 紳 の大 御 心 に も か な は せ 給 は ず 一 北 條 足 利 は 紳 の 御 心 に か な へる 故 に 、 彦 湾 軌
シワザ
し物 と の み 思 ぴ 居 る は 、 鍋 祚 の 所 爲 あ る こ と を し ら ざ る 漢 意 な り 、 あ な か し こ ノ \ 、 北 條 足 利
'
ソ ガノウマ". 肱ギ . 乳
が 所 爲 は 、 蘇 我 ]馬 子 に 亜 て 、 古 今 の認
間 に 第 二 の大 逆 無 道 な り 、
カヲ
ブミ
げ
○ 百 姓 ハ學 問 モ セ ズ 、 漢 聽 ノ意 モ ウ ツ ラ.
ズ 、 藁 心 ノ マ ・ナ ル 訟、.云 々
購 一
騨
禽
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○ 申 古 以 來 は 、 い の 字 も し ら ぬ 百 姓 と い へ共 、 み な 眞 心 は失 ぴ て , お ほ く は 異 國 の 心 に な れ り 、
念 佛 申 せ ば 極 樂 へ生 る 、 悪 を な せ ば 地 獄 へ お つ と 心 得 る は 、 ヒ れ 佛 道 、
た う つれ る 心 に あ ら ず や .
k.aa
お の つ か ら 又 漢 籍 の 心 に 広)
う つれ る 專、 こ れ にな ず ら へて知 べ し,
オみム
○ 咎 ノ 趣 ク } コ 質、 雨
泰時 奪 氏 轟ア ラ ズ シ テ , 外 ニア ル ベ シ 、
○ これ例 の君 臣 の道 を し ら ざ る漢 國 の見 な り 、 か の國 にす ら 、君 君 た らず と いふ と竜 、臣 以 て臣
た ら ず ば 有 べ か ら ず と い へる 入 も 有 け る 物 を , ま し て 皇 國 の 人 に し て 、 君 を 畏 る べ き 轟 を し ら
クフ
ず し て 、 北條 足 利 の大 賊 の所 爲 を し竜 よ し と思 ふは 、 か へす く いかな る狂 れ 心 ぞ 竜 、
(
∪・阜鷲犹 ノ伽
耙 セ ヌ ハ、 一一ツ ナ ク メ ノ
アタ カ リ ケ レド モ 、 云 々, ∼
や マドヒ
〇 二 つな く め で た き事 を知 な がら 、 な ほ め でた か ら ぬ異 國 の道 に惑 て、 庇 遘 を信ず る と とあ た は
ツ
ざ る は い か に 、 皇 統 の 無 窮 に 絶 給 は ざ る、 大 本 の 一 つ を も て 、 天 照 大 御 紳 の遘 の 、 萬 み な す ぐ
れ た る事 を さ とり て よ
・
○ 申 ツ代 ヨリ 云々
ミ イハ
ヤ ド ゴモ
○ 皇 朝 も 時 々 に 盛 衰 の ま し ま す は 、 も と よ り さ る べ き 事 に て , か の御 石 屋 戸 隱 り の 理 な り , 然
も
ニコヤミ マガ カヘ ヤウヤク
れ 共 、 天 下 の當 閣 は し ば し の 覦 に こ そ 有 け 勉 、 程 な く 又 清 明 に 復 れ る 物 を や 、 申 つ 代 よ り 漸 に
孀
くず 花 下 つ卷 二 一三
鬱
撃
毒
ぺ
く ず 花 一二 四 ・
オトロ アヒダ
衰 へさ せ 給 ぴ し も 、 天 地 の と こ し へな る 問 に と り て は . た 讐 し ば し の 程 に こ そ あ れ 、 足 利 將 軍
シ ノ リ キハミ ノ ノ
の政申 給 ぴ し御 代 ー の程 ぞ , 鵬 津 日祚 の荒 び の極 に て .皇 朝 も ,後 柏 原 天 皇 後奈 良天 皇 の御
ミオトサヘ キハミ ノ
世 ぞ 、 御 蓑 の 極 に て 、 一年 に と ら ば 、 霜 月 十 二 月 の 比 の 如 く な り し を , 正 親 町 天 皇 の 御 代 に 到
ノ
リ て 、 總 見 院 右 大 臣 の出 給 ぴ て 、 か つみ 丶 畿 内 の 亂 を し づ め 給 へる よ り 、 世 申 は や 玉春 の け し
き のめぐ みそめて・皇朝 の禦 へも いさ ふ 麒り初 め給 ぴ・次 に篭 關臭 下 をはら ぴ清 め給
アヅマテルカムミナヤノミコト シ
び て 、 い よ ノ \ 皇 朝 の 御 褻 へを 起 し 奉 り 給 ぴ 、 次 に東 照 紳 御 租 命 の 、 御 政 申 給 ふ 御 世 に 到 リ
サギみヘ ヨエ
て は 、 い よく ます ノ\ 皇 朝 を奪 み崇 め奉 り 給 ふ こ と、前 々 に超 て 、 いよ く ます ノ \ そ の御
オン シヅカ へ
嚢 へを 起 し 奉 り 給 ぴ て 、 天 の 下 安 夲 な る こ と 、 古 に も た ぐ ぴ ま れ な り 、 そ れ よ り し て 、 中 比 す
た れ た り し事 共 も 、 御 世 く にや うく に御 再 興 など も 有 て、 す べて 皇 朝 の今 の御 あ り さ ま 、
ギハミ
ノ
か の御 衰 へ の極 な り し時 代 に く ら ぶ れ ば 、 い か ば か り か は 榮 え 給 ふ , と れ 醐 津 日 紳 し ば し は あ
カツ , シルシ 〆
ら ぶ と い へ共 、 つ ぴ に 善 神 に 勝 こ と あ た は ざ る 驗 目 の ま へ に 明 ら か な る も の な り 、 然 る を 儒 者
テ
は 、 ぴ た ふ る に 漢 國 の 道 を 立 ん と す る か ら 、'
皇 國 の古 今 の 事 を も , し ぴ て か の國 の悪 風 俗 と 同 、
タ ヒ ノ
じ さ ま に い び お と さ ん と し て 、 朝 家 の 申 比 の 御 衰 へを 、 か の嚢 周 の 王 に 比 し て 論 ず れ 共 、 か の
ツヒ ホロ
カタ ノ
周 の や う や く 忙衰 へて 、 終 に 亡 び ぬ る と は 、 年 を 同 じ く し て も 談 り が た t 、 世 人 た f皇 朝 を 、
ワ
▼
ヘ
クト
今 竜 衰 へ給 へり と の み 思 ふ は 、 古 の 全 盛 な り し 御 代 に の み く ら べ て 見 る 故 な り 、 ご れ 譬 へ ば ・
ギサラキ コロ
アクヘカ
ニ 月 の比 に 、 や 乂暖 に な り ぬ る こ と を ば お ぼ え ず し て 、 な ほ 寒 し と の み 思 ふ が 如 し 、 か ⑳ 中 比
'
禦 への馨 り蒔 の、 + 二月 の謇 の如 く なり し にく ら 覓 よ・今雙 いか ば かり の蘯 え
そや 、
シヅノヲ
○ 聖 賢 ノ、君 ハ、 カ ナ ラ ズ 道 ヲ 知 レ ル賤 夫 ヲ ト リ 擧 テ 用 ヒ給 フ 、 云 々
○ 是 又 漢 國 の惡 風 俗 に て 、 さ し あ た り て は よ き し わ ざ の や う な れ 共 、 ゆ く ノ \ は 甚 害 多 き 事 な り ・
そ の故 は 、 婁 に聰 明 の君 のみあ ら ば、 眞 に徳 あ る人 を のみ え ら び て・、羈 べけ れ 共 ・闇 昧 の
君 ニ セモノ
も 叉 多 き 物 な れ ば 、 か な ら ず 目 き 乂違 ひ あ り て 、 贋 物 を 有 徳 の人 と 思 ぴ誤 り て 、 取 擧 て は 、
高 位 に の ぼ せ て 、 大 に 政 を み だ り 、 上 下 の 害 と な る こ と 、 そ の 跡 よ Σ に 多 し 、 こ れ 有 徳 を鴛 び
用 ふ る 風 俗 の大 弊 な り 、 皇 國 の 道 は 、 神 代 よ り 今 に 到 る ま で 、 臣 下 と い へ共 、 た 璽 そ の家 筋 を
テ
立 、 職 を 世 々 に し て 、 み だ り に賤 夫 を 取 擧 る こ と な く 、 又 い か ほ ど 徳 有 て 賢 き 人 あ り と い へど
も、 たや すく 己 が 心 にま かせ て 、法 を改 め始 む る こと 竜 、 を さノ\ な し、 故 に天 下 は安 ら か に ・
ン
よ く 治 ま り て 、 亘 害 あ る こ と な し 、 難 者 何 ぞ 此 優 劣 の 明 ら か な る 跡 を ば 考 へず し て 、 み だ り に
塞 論 を の み 執 す る そ や 、 昔 の朝 廷 に も 、 よ り ノ \ 道 を し れ る 賤 夫 を と り あ げ て 、 執 權 の 勢 を龍 ■
り む
く ず花 下 つ卷 .
二 一.
五
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く ず 花 二 = ハ
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し 給 は ゴ 、`攝 家 の世 と か は る 事 は あ ら じ と い へる は 、 叉 例 σ 能 書 を 信 じ て 、 由
翼樂を み だ り に人
に す ﹄む る た ぐ ひ な り 、 中 頃 攝 家 の勢 つ よ し と い へ共 、 皇 朝 は 皇 朝 に て 、 今 に 到 る ま で 、 た じ
ろ き 給 ふ こ と な し 、 漢 國 は 、 徳 あ る 賤 夫 を 取 擧 る な ら ひ な る故 に 、 つ ひ に そ の賤 夫 に 國 を奪 は
れ て 、 王 の 筋 は 跡 か た も な く 絡 は つる こ と 、 漢 以 後 代 々 お ほ く は み な 然 な る 物 を 、 難 者 は 儒 者
ナザム
な が ら 、 か の國 の歴 代 の 興 廢 を も し ら ざ る に や 、 は た 知 妙 な が ら 人 を 欺 か む と に や 、
○ 人 ト 人 ト ノ ウ ヘ ニ、 オ ノ ヅ カ ラ ナ ル虫貝賤 ノ 別 ナ キ 理 ヲ モ シ ラ ザ ル 也 、
ぢ
○ タぐ
こ れ は 上 に も い へ る如 く 、 漢 國 聖 人 の 道 に も い た く 背 け る 事 な り 、 か の國 に 竜 、 名 分 を 正 す を
重 き 事 に は せず や 、 いつ れ の 國 も 、 貴 賤 上 下 の別 あ る を 以 て こ そ 、 世 は 治 ま る 物 な る に 、.
此別
ン の ノ
な し と い ふ 時 は 売 鳥 獸 と ひ と し き も の を 、 何 ぞ 人 と は せ ん 伽 今 現 に難 者 も し 國 君 の 御 前 へ出 て 、
カウベ ザゲ の
クフト
頭 を も 低 ず し て 、 人 と 人 と の う へ に お のつ か ら な る貴 賤 は な し 、 徳 こ そ 貴 け れ と い は ん に は 、
入.
こ れ を ゆ る さ ん や 、 狂 入 な ら ず ば 不 敬 の罪 い か に と か せ ん 、 こ は 今 の世 の み な ら ず 、 古 今 和
レ
ぐ
漢 み な 同 じ 事 な れ ば 、 此 難 者 の論 は 、 た ゴ 塞 論 の私 事 な り 、 す べ て 儒 者 の、 人 の己 を 奪 み 用 ぴ
イキドホ オゴ ソルモノ
ざ る こ と を 憤 り て . み だ り に驕 り 高 ぶ る は , か の 孟 朝 と い へ る悪 者 の流 風 な り か し 、
○ 世 間 ノ萬 ノ 事 、 世 ノ移 變 二一
ツ レ テ 、 名 ノ ミ ノ コ ル事 多 カ リ ケ リ 、、
7
贈
の スタ
○ 上 丈 に よ り て 考 ふ る に 、 こ れ は 御 國 の道 を 、 後 世 に は み な 廢 れ は て y、 た 讐 名 の み 殘 れ り と い
オト
ぴ て 、 例 の し ぴ て 疑 さ ん と な る べ け れ ど 、 返 て難 者 の奪 む 漢 國 の 道 こ そ 、 た 璽 名 の み 殘 り て 、
シフザ
交章 や 口述き に のみ は, た れ 竜聖 人 ノ \ と い ひ て、 た ふと みげ なれ 共 ,實 の所行 に は、 これ を
用 る王 も な・
\ 叉 そ の詮 の如 や に も 世 は あ ら ず し て 、 皆 い た づ ら ご と に な り つ 丶、 國 内 の萬 の
ヘ ノコ
事 竜 、 た ぜ か は り に か は り て 、 古 の 形 は 一つ も 遺 ら ず な り に た る を 、 皇 國 は 大 に 然 、
らず し て、
ノ
か の祚 勅 の 如 く 、 天 壤 と 無 窮 に 天 津 日 嗣 の 傳 は り 給 ひ て、 そ の あ ぴ だ に 、 渦 つ 日 紳 のあ ら び は
をリ ノ 翫 あ れ 共 、 獪 天皇 は天 皇 に て 、儼 然 と ま し ます 、此 大 本 を始 め と し て、 萬 の事 さ は い ヘ
ヘ ノリ ノ
ど あ や し き ま で 古 の規 の繕 は て ず し て 、 今 に の こ れ る は 、 恐 ら く は 天 地 の闇 に , た 讐 此 皇 御 國
ツ
の み な ら ん と そ 思 ふ 、 そ の條 件 は ! \ い は ず 共 , 難 者 も め の ま へ に見 て も 聞 て も し り な ん 物
をや 、
ノ
○ 伊、勢 宮 ハ云 々
●
ル ンヒ
○ そ の知 る と 知 ら ざ る と は , 御 國 の 徳 化 に 在 と と に て 、 何 ぞ 異 國 に か 丶は ら ん と い へ る ば 、 又 儒
ン
見 也 、 知 る と 知 ら ざ る と は 、 何 ぞ 必 し も 徳 化 に 限 ら ん 、 た と へば 、 世 に妖 術 を 以 て 奇 怪 の し わ
ゾ ●
コ
ざ を な し て 、 人 を い ざ な ふ に 、 或 は }郡 或 は }國 の 人 、 擧 り て ヒ れ を 信 ぜ ん 、 こ れ 徳 化 の ︺郡
くず 花 下 つ眷 ・
二 一七 .
く .ず 花 ・ . ' 二 一八 、/
一國 に及 べ るに は あ ら ざ れ共 、 よ く 人 に知 ら る、 され ば是 も、 し ら る 玉者 の徳 に は みら ず し て、
・
智 て信ず 暑 ㊧響 り・美 徳 ありと いへ共・そ の簷 ほア
﹄らざ え は面 人こ砦 智 ざ
る 事 あ り 、 こ れ 又 しむ さf る者 の罪 に は あら ず 、 そ の徳 あ る事 を知 ら ざ る者 の罪 な りっ さ れ ば
異 國 の佛 聖 人 など の學 の皇 國 ま では び こ れ るは 、 か の妖 術 のたぐ ひ、 叉 伊勢 大 神 宮 を卑 む べ き
事 を、異 國 人 の夢 にも 知 ら ざ るは、 か の大 徳 あ る人 を、 世 人 の しら ざ るたぐ ぴ な り、 抑 異 國 に
は、天照大御翫 世 を照し給 ふ天津 是 坐 て・伊勢宮 はその鬣 の宮 な る由 の傳 へなを ・騨
お セ
ハ ノ
の代 の書 な ど に も 、 伊 勢 州 天 照 大 紳 所 居 な ど ﹄ は し る し た れ 共 、 そ の 天 照 大 融 は 何 物 や ら ん 、
つや ノ へ 知 ら ず て 過 る は 、 あ 巷 ま し く か な し き わ ざ な ら ず や 、 然 る を 難 者 、 た 璽漢 國 の 道 の 意
を の み 思 ひ て 見 る 故 に 、 余 が い へ る 言 は 、 何 事 や ら ん 、 ,謬 竜 な き ヒ と の如 く 思 ふ ち ん ・ そ は 醉
ザメ
人 の、醒 た る人 の いぴ き かす 事 の、 耳 に竜 いら ぬ たぐ ひそ かし 、 此後 し も幸 に醉 のさ め た ら ん
に は、 お のつ から さ と り て んも のぞ ,
○ 陰 陽 乾 坤 五 行 ハ云 々
○難者 の.
︺﹂ に い ふ 自 然 の 道 は 、,か の 老 莊 が 奪 む と こ ろ の自 然 に し て 、 誠 に 此 自 然 の 道 と い ふ 物
は 、 な き こ と 也 、 然 れ 共 、 人 の作 れ る 物 に あ ら ず し て 、 神 代 よ 吻 お のつ か む あ る 道 あ り , こ れ
ワ
驚
皆 神 の始 め 給 へる 物 に し て 、 實 は 自 然 に あ ら ざ れ 共 、 人 爲 に く ら ぶ れ ば 、 又 自 然 の如 し 、 然 る
に か の漢 國 の 陰 陽 五 行 な ど の読 の た ぐ ぴ は 、 み な 紳 の 始 め 給 へる 道 に よ ら ず し て ㌻ 聖 人 共 の 、
ケ
己
が 私 智 を も て 、 萬 の事 を 考 へは か り て 、 造 り 設 た る物 に て 、 そ の智 は 限 有 て 、 及 ば ぬ と ヒ ろ
多 け れ ば 、 か の祚 の始 め た ま へる 道 に か な は ぬ 事 多 し と 知 .
べ し 、 さ て 叉 神 代 の紳 も 實 は 入 に て
と い へる は 、 紳 と 入 と のけ ち め を し ら ざ る ぴ が こ キ な り 、 そ も ノ \ 紳 代 の 神 は 、 人 な れ ど も 、
祚 な る が故 に 神 と い ふ 、 神 な ら ざ る た f の 入 を 紳 と は い は ず 、 難 者 た f 神 も 人 な る 事 をあ み 知
て、 人 は紳 にあ ら ざ る こと を し らず 、. 漢 國 に ても 、 聖 人 は 人 な れ共 、 人 は聖 人 にあ ら ざ るをも
ケヂメ . . ン ワカ
て 、 此 差 別 を 准 へ知 れ か し 、 か 弋 い は 璽 叉 難 者 、 然 ら ば 聖 人 乏 祚 と 何 ぞ 別 ん と い ふ べ け れ ど 、
クスシ アヤ シ
紳 は 聖 人 と は 又 大 に 異 な る物 に て 、 甚 奇 く 靈 し く 坐 ま し て 人 の智 の は か り 知 る こ と あ た ぼ ざ る
スグ オト リ
所 お ほ く 、 叉 善 も 惡 も 有 て 、 そ の徳 も し わ ぎ も 、 叉 勝 れ た る も あ り 、 劣 れ る も 有 、 さ ま ぐ に
カタハシ
て 、 さ ら に 一準 に 定 め が た き 竜 の な り 、 か の 仙 人 天 狗 狐 な ど の類 も 、.祚 の 片 端 に て は あ れ 共 、
イヤ オト
い と 微 し く 劣 れ る紳 に こ そ あ れ 、 こ れ ら の わ つ か に あ や し.
き ざま を見 て、祚 は 必 かく は あ るま
じ き 物 ぞ と 思 へ る は 、 た と へば 、 田 舍 人 の は じ め て京 へ の ぼ り て 、 わ つ か に粟 田 口 の き た な き
あ り さ ま を 見 て 、 京 は か く の如 く に は あ る ま じ き 事 癒 れ ば 、 こ N は 京 に 微 あ ら じ と 思 ひ て 、
'
返
くず 花 下 つ巻 ・
二 一九
瀞
覧
く ず 花 、 鰰 ご 一〇
マナゐ
れ る が ご と し、、 今 難 者 の疑 ふ と こ ろ は 、 仙 入 天 狗 の 粟 田 口 を・ の み 見 て 、 天 つ祚 の 京 の貢 中 を し
ら ざ る も の な り 、 ・
.
○ 或 ハ飢 テ .物 ヲ 食 ヒ 云 凌
ム へ
○ 此 論 あ た ら ぬ 事 な り 、 そ のゆ ゑ は 、 ま つ 飢 て食 ひ 、 潟⋮
て 飮 た ぐ ぴ は 、 入 の教 を 竜 ま た ず 、 神 の
ミ タマ へ
御 靈 に ょ り て 、 己 と 自 然 に 知 て よ く す る こ と 、 叉 禮 義 を 行 ふ も 、 人 の あ る ぺ き 限 の禮 義 ぱ , 欷
ミ タマ
を ま た ず 、 是 竜 紳 の 御 靈 に ょ り て 、 自 然 に 誰 も よ く 知 て 行 ふ 事 也 、 然 る に漢 國 聖 人 の歡 ふ る 禮
義 は ・ それ に さ か レら を抓 て・ 造 り 灘 た る禮義 な る故 に・ こ 撫 り 物 にて ・ か の自 然 に僻 ザ た
る 禮 義 と は 、 差 別 な き 事 あ た は ざ る 竜 の を や 、 さ て 又 心 は 二 ρあ る 物 に あ ら ず と ㌔ へ れ ど 込 、
アヅヵ カケ
心 のさ だ は ζ 墨に盥 ・ 5'ぬ 事 な り 、 さ れ ど 獪 こ〆
れ を 心 へ係 て い は 黛 、'か の飮 食 し 、 叉 自 然 に 備 り
零
ぢゴもは
た る 禮 義 を お ζ な ふ は 、 自 然 の眞 心 な り 、 叉 か の作 り 物 の禮 義 を お こ 惣 は ん は 、 翼 心 に は あ ら
ず 、 そ の數 へに う つ れ る 心 な り 、 然 れ ば こ れ 又 差 別 な き こ と あ だ は ざ る も の を や 、
瀞
サト
○ 陰 陽 ハ天 地 ノ 道 ヲ 諭 ス タ メ ノ假 ノ 名 云 々
■
,
ヵリ ツ
○ 假 の 名 に 二 つ の 差 別 あ り 、 一に は 、 い せ 物 語 に 、 ま め 男 共 か た ゐ 翕 共 あ る は 、 實 は業 李 な る を
リ
セ ツ へ へ
か く い へ る假 の名 な り 、 二 に は 、 源 氏 物 語 に 、 葵 の 上 紫 の 上 な ど い ふ は 、 實 に は か 乂 る 人 な き
▼
堂
ノ
事 な る を 、 作 り な る 假 の名 な り 、 今 難 者 の陰 陽 等 を 假 の名 と い へ る は 、 葵 上 の た ぐ ぴ と せ る 歟 ,
豊
ノ ロ
ま め 男 の た ぐ ぴ と せ る 歟 , 葵 上 の類 と せ る な ら ば 宜 し , さ れ ど 下 文 に 、 そ の 物 を さ と り て よ と ・
アリ ル
い A.る を 見 れ ば 、 實 に そ の 物 有 と 心 得 た る べ け れ ば , か の ま め 男 の 類 に て 、 實 に 陰 陽 の 理 は 有
ノ
事 と 思 へ る な る べ け れ ば 、 獪 ぴ が こ と な り 、 陰 陽 等 は か の葵 上 の類 に て 、 實 に そ の 理 は な き 事
翻
な る を 、 聖 人 の作 れ る假 の名 な り 、 又 五 行 は 陰 陽 乾 坤 な ど 製は 異 に し て 、 實 に そ の物 ば あ れ ,
共 ,
トク シヒゴト
萬 の事 に そ の 理 を 腕 當 し て読 は 、 大 に 張 事 な り 、
.
、
C 離 ⋮ノ 卦 ハ 日 二 象 リ テ 云 々
ノ ス カナ
C か く の如 く 、 易 の 道 理 を 以 て 見 れ ば 、 日 紳 に し て 女 紳 に坐 事 も 、 陰 陽 の 理 に 合 へ り と 思 ふ は い 〆
と愚 也 、 先輩・ も噛 既 に 易 の" 卦 に引 合 せ て 、 此 理 を い へれ 共 、 返 て こ れ に て 易 も 陰 陽 も 妄 な る こ と ヤ
し
㌔
い よ/ \ 朋 ら か な り 、 そ の故 は、 も し 日 にし て男 紳 なら ん には 、 又 いよノ\ 論 も なく 、陰 陽 の
﹁ カナハ
フ
理 に含 へり と い ふべ け れ ば、 女 紳 に ては か な ら ず 合 ざ る 道 理 な る を 、 女 神 に て も 叉 そ の理 に 合 ,
と き は 、 こ れ 男 に て も 女 に て も 違 は ぬ な れ ば 、 果 し て陰 と 陽 と の差 別 は い つ く に あ る そ や 、 た
"ψい隠甲
臥 、,
ナラ ヵケ直 アテ
と へば 、 的 を 二東 西 と 並 べ 掛 て 、 左 の的 に 中 ん と い ぴ て 射 た る 矢 、 あ や ま たず 東 な る的 に あ た
イ コ シ リ コ
ウベ
れ る時 に、 そ の射 た る 髫 の い は く , 的 は 南 に 向 ぴ た れ ば 、 東 左 な り と い ふ に 、 人 み な 諾 な り と
な
く ず 花 下 っ卷 .
、
'
. ⋮
ご二
O
〆
く ず. ・花 ・
. . 、 臼 獻 こご一
ビ アタ
い ふ、 又此 度 、 は右 の的 にあ てん・ と い ぴ て 、 再 射 た る に、 誤 り て 叉 東 な る 的 に中 れ る 時 忙、、又 射
コナタ ウベ
ウベ ト
た る者 の い は ︽ 、 此 方 ま り 見 れ ば 、 東 ぞ 右 な る と い ふ に 、 儒 者 は 諾 な り と い ふ 、 余 は 諾 な は ず 、.
今 の離 の卦 の義 を 以 て い ふ 論 は 、 此 こ な た よ り 見 れ ば 、 東 ぞ 右 な る と い へ る に同 じ , も し か く
の如 く い ふ と き は 。 い か な る妄 言 も あ た らず と い ふ こ と な き を や 、
○ 目 醤見 エ
タ ル マ 、 ギ
・ ニ
テ 、 其 外 二 何 モ ナ キ 事 ゾ ︾ イ ハ ダ
壬々
σ
○ 余 が 本 書 に 、 目 に 見 え た る ま 斗 に て と い へ る は 、 月 日 火 水 な ど は 、 口 に 見 ゆ る物 な る故 に 、 そ
'
の 端 に づ き て い へ る な り 、 此 外 も 、 目 に は 見 え ね 共 、 聲 あ る 物 は 耳 に聞 え 、 香 あ る物 は 鼻 に
カぐ
プレ
嗅 れ、 又 目 にも 耳 にも鼻 に も觸 ざ れ 共 、 風 な ど ぼ身 に ふれ て これ をし る、其 外 何 に ても み な 、
フル ロ
フレ オモフ
觸 る と こ ろ 有 て 知 る 事 な り 、 又 心 な ど 製云 物 は , 他 へば 觸 ざ れ 共 、 思 念 と い ふ 事 有 て こ れ を し
づ
る、 諸 の紳 竜 同 じ こ と に て 、 紳 代 の紳 は 、 今 こ そ 目 に 見 え 給 は ね 、 そ の代 に は 目 に 見 え た る 物
な り 、 其 申 に 天 照 大 御 瀞 な ど は 。 今 も 諸 人 の目 に 見 え 給 ふ 、 叉 今 も 紳 代 も 目 に 見 え ぬ 神 も あ れ
共・ それもお のー そ の葎 むりて犬 纛 る故 に・それと墾 な死 又瑤 國も誼 代驫
ノ ノ マカリ コトノアト
嬉伊 邪 那 岐 大 紳 叉 須 佐 之 男 大 紳 な ど の罷 ま し N事 跡 あ れ ば 、 其 國 あ る 事 明 ら か 也 、 然 る に か の
ル
シルシ
アツ サム ひ
陰 陽 の 理 と い ふ 物 は 、 無 き こ と な る故 に 、 さ ら に そ れ と 知 べ き 徴 な し , 火 の 熱 く 水 の 寒 き な ど
噸
の た ぐ ぴ は 、 火 は た Ψ熱 く 。 水 は た Ψ 寒 き 物 に て 、 そ の 熱 く 寒 き は 、 何 の 理 に て 然 り と い ふ ご
シヒ リ 、 ・ ノ
と は 、 は か り 知 が た き 事 な る を 、 張 て 知 が ほ せ ん た め に 、 陰 陽 と い ふ 物 を 設 け 、 又 そ の奥 院 に、
ニゲミチ カマ
・ 太 極 と い ふ 物 を 設 け , 或 は か の離 坎 の卦 な ど の如 く 、 左 へ竜 右 へも 通 ふ や う の逃 道 な ど を も 搆
へ た る 、 是 皆 漢 國 聖 人 の妄 作 な る も の を や 、
フ
○ コ レ ハ人 ノ物 食 ヲ 見 テ 云 々 ・
クハ
フ
○ も し な ぜ 飢 た る ぞ と と は 冥 、 物 食 ざ る 故 に 飢 た り と 答 べ し 、 か ば か り ょ く 知 れ た る事 な る に 、
タト
其 故 を し ら ず と は い か な る 譬 へそ や 、 さ れ ど こ れ は 、 譬 ぺ や う の拙 き に こ そ あ れ 、 義 は 聞 え た
れ ば 、 姑 く 此 た と へ を た す け て 、 共 意 も て 是 を 辨 ず べ し 、 ま つ 難 者 、 入 の飢 た る を 以 て 、 か の
タト
陰 陽 に 譬 へた る は 、 一暦 の 違 ぴ あ り 、 い か に と い ふ に、 飢 る は 事 に し て 理 にあ ら ず 、 陰 陽 は そ
アタ
・の 理 に し て 事 に あ ら ず 、 然 れ ば 、 飢 た る は か の火 水 の 熱 く 寒 き な ど に當 り 、 陰 陽 の 理 は 、 そ の
ユ
ヱ
アタ エ ヱ
飢 た る 所 以 を 答 る に 當 れ ば な り 、 ざ て 火 水 の熱 ⋮ く寒 き は、 い か な る所 以共 知 が たき 事 な るを 、
リ
シカく
陰 陽 の 理 な り と い ふ は 、 か の飢 た る は 何 故 ぞ と も 知 が た き を 、 云 々 の故 忙 飢 た り と 妄 に 答る に
り
同 じ 、 然 る を 今 難 者 、 飢 た る 故 を 知 ら ね ば と て 、 飢 た り と い ふ を 僞 事 な り と 思 ぴ 定 む る類 な る
ロワキマ
■
ペ し と い へ る は , 事 と そ の 理 と 、 一層 の違 ぴ あ る を辨 . へざ る も の な り 、 も し 陰 陽 も 火 水 の熱 く
ガ
くず 花 下 っ卷 . . . . 繭 ご 一三
儀
く ず 花 - ニニ 四
知 寒 き が 如 く 、 事 に て 冶 ら は な る物 な り せ ば 、 薦 な ち ぬ こ と 明 ら か な れ ば 、 ご れ を 僞 事 と は い み
ジ
こ とあ た は ざ る を 、 陰 陽 は 事 に あ ら ず 、 そ の 理 な る故 に レ尸
あ ら は な ら ぬ 物 に て 、 そ の僞 な ら 沁
舳
證 據 は 無 け れ ば 、 な ど か 僞 な り と いは ざ ら ん 、
ノ
スグ
○ 又 物 ノ理 ヲ イ フ 事 、 天 竺 ハ誠 二勝 レタ リ レ イ ヘ ル モ 、 モ ト 佛 ン 道 ヲ シ ラ ズ 、 云 々
○ こ れ は い と枝 葉 の事 な れ ば 、 こ 丶 に 引 出 て い ふ べ き 事 に も あ ら ざ る を 心 難 者 の 奪 む 漢 國 よ り 、
、天竺 は轡 と い へるを・ 癰 れ、
るか ら 、言 の意 を も よく辨 へず て・ み だ り に い へる にや ・ まつ 余
が言 に・ 凡 て物 の理 を いふご と 、 天 竺 は漢 に も脚 り て繖 し き 國 な るす ら ・ そ の瞠 潔 蔭 陽 の理
クハ
と い へる 事 は 見 え ず と い へ る は 、 た 璽 天 竺 は 物 の 理 を 精 し く い ふ 図 な れ 共 、 陰 陽 と い ふ 事 は い
クハ
マナ
は ず と い へ る ま で に て 、 漢 に も ま さ り て と い へ る は 、 理 を い ふ こ と の精 し さ の 勝 れ る を 云 也 、
マサ , さ
精 し く て勝 れ り と い ふ に はあ.
ら ず 、 然 る を 難 者 い か に 心 得 違 へた ろ に か 、 い ぶ か し ノ \ 、 又 佛
絹
とガ
の
ど
アヅカ
の 道 を 知 ら ざ る誤 ・心 得 ぞ と い へ る も 、 甚 し き 心 得 た が ぴ な り 、 此 事 さ ら に道 を し る 知 ら ぬ に驕 - .
る こと に は あ ら ぬ をや 、
ツマビラカ
○ モ シ 易 ノ 理 ヲ 詳 ニ セ バ 、 佛 ノ読 }
モ〆ソ ノ 申 ニア ル ヲ ヤ 、 .
沸 ・
レ
G こ れ は 、 佛 の 道 を も 、 し ひ て 己 が 好 む 易 の中 へ引 入 て 見 る 故 に か く 思 ふ な り 、 こ れ 易 を 見誤 れ.
岬
、
る 歟 、 佛 の道 を 見 誤 れ 惹歟 の 二 つ に は 出 ず 、 わ が 皇 國 の 道 を も 、 し ひ て 聖 人 の 道 へ引 入 れ て 見
ると 同 じ ぴ が と とな り 、
庵 ○ 神 代 ノ 事 ハ タ マ紳 代 ノ 事 ト シ テ 云 々
○ 難 者 か く い ぴ な が ら 、 み つ か ら も 、⋮
上 つ代 の事 は 、 後 の天 皇 の・
造 り 事 な り と い へる は い か に。
アヤシぐ
帥 代 と ても、 さ のみ奇 異 き 事 の訪 るべ き由 な し と思 ふ から 、 造 り 事 と見 た る はガ 理 窟 にあ らず
ン . ・
や 、 何 ぞ 祚 代 の事 は 紳 代 の 事 と し て見 ざ る 42恥、
. ・
レ テ
○ 己 モ善 悪 ア ヒ カ ハ ル 下 イ フ 理 窟 ヲ 立 テ諡 り 云 々
\ ○ と れ は 此 難 者 の み に 竜 あ ら ず 。 吾 古 學 の輩 も 難 ず る 事 な り , 然 れ 共 そ れ は 、 た 貸 理 と い ふ 事 を
ギラ スギ イト アラ
嫌 ふ に 過 て 、 明 ち か に 見 え た る 理 を 得 知 ざ る な り 、 い か に 理 を い ふ 事 を 厭 へ ば と て 、、
顯 は に見
カク アヒネ
え た る理 をも 、 し ぴ て覆 び隱 す べ き にあ ら ず 、 そ も く 此善 悪 た が ひ に相 根 ざ す 理 は、 神 代 の
ぢ ミ ノ コ ヤ ツキ
黄 泉 の 段 よ り 始 め て 、今 の 代 に い た る 迄 、 和 漢 の 變 化 の事 跡 に 就 て 、 委 曲 に 考 へ見 よ 、 妙 に こ
カラ キ
﹂ と ノバ丶 く 此 理 に あ た れ り 、 然 る を 此 所 に し も 心 を と Ψ め て 考 へ ざ る は 、 漢 人 の つ ね に い ふ な る
ル スツ ノ
理 窟 の た ぐ ぴ に似 た る故 な れ ど 、 似 た り ど て實 に 有 事 を 捨 べ き に あ ら ず 、 佛 読 の天 堂 は 高 天 原 、
ヨ ミノ ゐ
ワタッミノミヤ
地獄 は夜 見 図 、 龍宮 は海紳 宮 に 、 いとく よく似 た る 、 これら を ば い か にと か せ ん、
つ
ーず花 下 つ巻 .
.
⋮ 嶋
噛
ご一五
〆
ー ず 花 ・ . ・ r 二三 ハ
︹)壌 レ ハ老 7
丁 二云 々 .
、
論 ○ 難 者 し ば ノ \ 老 莊 を 引 出 て ・ そ の徒 な り と い へり ﹂ 今 こ 玉 に醤 せ て こ れ を 辨 ず べ し ・ す べ て 他
カタクナ
國 k似 た る説 あ れ ば と て 、 必 そ れ を 取 れ り と 思 ふ は 、 い と 固 陋 な り 、 そ の故 は 、 丗 川 草 木 の た
ぐ ひ 、 叉 人 物 鳥 獸 な ど の類 、 皆 お のつ か ら 、 皇 國 も 漢 國 も 天 竺 も いつ こ も 、 大 抵 同 じ 事 な る を 、
こ れ ら 竜 皆 、 他 國 の に な ら び て 造 れ り と せ ん 歟 、 す べ て 人 の造 惹 物 は 、 そ の 國 々 に し た が ぴ て
モト ヘ
ド
ナル
か は る 事 多 け れ 共 、 元 よ り お のつ か ら に 生 物 は 、 い つ こ の 國 も 多 く ば か は ら ず 、 か く て 天 竺 漢
國 な ど の 道 は 、 多 く は 祚 の 道 に似 ず 、 こ れ 人 の さ か し ら を 以 て 作 れ る 道 な る が 故 な り 、 然 れ 共
又 圃 た ま ノ \ に は 似 た る 事 も な き に あ ら ず 、 是 叉 お のつ か ら の事 な り 、 さ て か の老 莊 は 、 お の
ずトビ
つ か ら 紳 の 道 に似 た る 事 多 し 、 こ れ ら の さ か し む を 厭 て 、 自 然 を 奪 む が 故 な り 、 か の自 然 の物
ネ
イ
ト
や
は 、 こ 玉 も か し こ も 大 抵 同 じ 事 な る を 思 ぴ 合 す べ し 、 但 し か れ ら が 道 は 、 も と さ か し ら を厭 ふ
から・自然 の導 しぴて亠
汐 どナ る物 な 農 に・ その自然 は眞 の自 然に葛 ず・
,も し自然 撫
・す を よ し と せ ば 、 さ か し ら な る 世 は 、 そ の さ か し ら の ま Σ に て あ ら ん ζ そ 、 眞 の 自 然 に は 有 ベ
イト.
ニク ソム シヒゴト
き に 、 そ の さ か し ら を 厭 ひ 悪 む は , 返 り て自 然 に 背 け る 張 事 な り 、 さ て 紳 の 道 は 、 さ か し ら を
ダテ
厭 ぴ て 、 自 然 を 立 ん と す る 道 に ば あ ら ず 、 竜 と よ り 紳 の 道 の ま Σ な る 道 な り 、 これ い か で か か
ゆ
おクィ
の老荘 と同 じ から ん 、 さ れ ど後 世 に至 り て説 と ころ は 、 か の老莊 と い と よく似 た る こと あ り、
トク
か れ も 自 然 を い ぴ 、 こ れ も 紳 の道 の ま Σな る 由 を い へば な り 、 そ 竜 ノへ か く の如 く 、 末 に て 読
と こ ろ の似 た れ ば と て 、 そ の本 を 同 じ と い ふ べ ぎ に も あ ら ず 、 叉 似 た る を し ぴ て 厭 ふ べ き に も
な
まク
あ らず 、 人 は いか に いふ 共 、 た 穿古 傳 のま Σに論 べき も の也 、
メミ カラブミ ロ
○{讀 ガ タ キ漢 籍 ⋮ヲ ヨ マ ン ト ス ル ハ云 々 .
カラ ヤマト とト
○ お ぽ よ そ 漢 の 菊 和 の 竜 、 書 籍 は 一や う 劾 ら ず く ξ / \ の し な 膚 て、 か な ら ず し も 聖 人 の 道 を 教
カラブミ
へた る書 の み に は あ ら ず 、 さ れ ば 漢 籍 を よ む 入 も 、 叉 そ の 心 々一
に て、 或 は た 璽文 字 し ら ん た め
に よ む 入 も あ り 、 詩 文 を よ く せ ん 料 に よ む 人 も あ り 、 か の 國 の 昔 の 代 々 の事 を し ら ん と て よ む
・ 人 も あ り て、 必 し も聖 人 の道 を しら ん た め のみ にばあ らず 、 た と ぴそ れ ら は書 を よむ 本 意 には
ク
サぐ
ハ ㌔
あ ら ず と い ふ と も 、 既 に 漢 國 の 人 に す ら 、 件 の種 々 あ る 物 を 、 ま し て皇 國 の 人 の、 た 聖 文 字 を
ヨマ ン ナン ノ
ヒ
雫 し ら ん た め に 讀 ん を 、 何 ぞ 殊 に 難 ず べ け ん 、 叉 昔 の天 皇 及 大 宮 人 の 學 問 は 云 々 と い へる も 、 闇
推︾ 陰 、そー 蠡 に四道 の磐 て、記傳導 箜 とし、明經道 はこれにつ气 故 に
令 のさ だ め に竜 、第 一に秀 才 、次 に 明經 なり 、 叉 や 乂後 に倣 、文 章 博 士 は從 五位 下 の官 、 明經
博 士 は正 六位 下 の官 な の 、 これ ら を 以 て竜 、 聖 入 の道 を知 る事 のみ を要 と はし給 は ざ り し事 を
ぐず花 下 つ卷 。
嚇
=一七
丶
磯謝轗
く ず 花 ・ . 二二 八 ・
さ と る べし 、
ヂピサ
○ 交 字 シ ラレ タ メ ニ ハ漢 籍 ヲ モ學 ブ ベ シ ト イ ヘ ル ハ、 小 キ志 ナ リ 、 云 々
○儒者 こ斜 の契 の道 を し るを・ 大 な る志 と 思 ふ べ け れ ・轟 の道 藁 薯 より見れば・そ の
ナヅ ぐ
ヂヒサ
カクカ ナ P
聖 人 の道 に の み 泥 み 居 る輩 ぞ 、 い と 小 き 志 に は 有 け る 、 叉 文 字 を し ら ん と の み な ら ば 、 偏 假 宇
タリ 、
カリ
に て 足 ぬ べ し と い へ る は い か に そ や 、 古 事 記 日 本 紀 を は じ め 、 古 書 は み な 漢 字 を 借 て か 丶れ た
ピ
ヨミ
れ ば、片 假 字 を知 れ る のみ にて は 、讀 心得 べ きや う なき をや 、
○教 ヲ " 、タ ズ シ テ オ ノ ヅ カ ラ }=宏々
オホロ
カク
○ 漢 國 聖 人 の し わぎ は 、 君 を 弑 し そ の國 を 奪 へ る 大 罪 を 覆 ひ 隱 し て 、 世 の 入 に 信 ぜ ら れ ん た め に、 ψ
カザ ツク シヒゴト
己 が 身 の行 ぴ を い た く 飾 り 作 り た る 張 事 に て 、 人 の あ る べ き 限 を 過 た る し わ ざ な り 、 さ て そ の
教 も 叉 、.
己 が 子 孫 の 、 人 に國 を 奪 は れ ん 事 を 恐 れ 、.又 人 の こ れ を 奪 は ん こ と を 恐 る 玉か ち 、 人
シヒゴト
の あ る べ き 限 を 過 て 、 甚 し く 設 け た る 強 事 な る を 、 天 下 後 世 の 人 、 そ の智 術 を え さ と ら で 、 皆
こ れ に あ ざ む か れ 居 る こ そ 愚 な れ ,,
さ て 叉 禮 義 忠 孝 を教 ふ れ ば 、 人 々教 へ のま 瓦 忙 行 ふ を 見 て
.
知 べ し と い へるも 、 いみ し き 妄 冒 惣 り、 ま つ 孔 丘 が春 秋 にも るせ る と ころ、 わつ か に 二百 四 十
よ 年 な る に 、 そ の間 に 、 臣 と し て 君 を 弑 せ る も の 三十 餘 人 あ の 、 子 と し て 父 を 弑 せ る 者 喝 叉 多
ル
し 、 聖 人 を 去 こ と い ま だ い く ば く も あ ら ざ り し世 に す ら 、 か く の ご と く な れ ば 、 ま し て そ の後
後 は い ふ に 及 ば ず 、 か く て も 禮 義 忠 孝 の歡 を 、 人 々 よ く 行 ぴ た り と い ふ べ し や . す べ て 難 者 の
へ
室論 妄 言 、 み な是 に准. へ て さ と る べ し 、 す べ て漢 國 に て も 、 聖 人 の歡 の ま 玉 に よ く 行 ひ た る 人
ソナ
は 、 い ま だ 聞 え ず 、 そ の よ く 行 ふ と こ ろ は 、 み な 人 々 お のつ か ら 備 へて 、 生 れ つき た る も の な
ヘ
ポジ トビコエ
る こ と を し ら ず し て 、 教 の功 懽、と 思 ふ は 、 例 の い と 愚 な り 、 た と へば 、 一丈 の溝 を 飛 越 よ と て. 、
ネビ ぼ
ヘ
トブ
飛 や う を教 ふ る は 聖 人 の道 な り 、 然 れ 共 千 萬 人 の中 に 、.一人 も を し へ の ご と く 飛 こ と あ た は ず 、
きビヌ
トゾ
皆 わつ か に 三 四 尺 の溝 を よ く 飛 越 ゆ 、 此 時 に 歡 ふ る 者 の い は く 、 か く 三 四 R を よ く 飛 も 、・
わが
ヘ ト
ロ
へ
歡 を 學 べ る 功 な り と い ふ は 、 今 の難 者 の言 に し て、 こ れ 三 四 尺 は 、 ⋮ 數 を か らざ れ 共 、 も と よ リ
ゴト
誰 も よ 乂 と ぶ と こ ろ な る事 を わ き ま へ し ら ざ る を γと青也 、・さ て 此 歡 を 學 ぶ 者 の 中 に 、 そ の徳 に
祐駈。
トブ
よ り て 、 五 六 尺 な ど は 飛 も の 竜 有 な ん か 、 そ れ も つ ぴ に か の 一丈 は と ぶ こ と あ た は ず 、 叉 そ の
μ ト習ソン リ
五 六 尺 を 飛 得 ん 者 も 、 い と / \ ま れ な る 事 に て 、 そ の餘 は 中 々 に 飛 損 じ て 、 溝 中 に落 入 、 あ る
アシコシ ソコナ
ぴ は 脚 腰 を 傷 ぴ て 、 も と の 三 四 尺 を だ に も 、 え と ば ぬ や う に な る者 も お ほ き が 如冖
く にて 、融 人
与
の 道 を し ら ん と て學 問 す る も の、 お .
ほ く は 邪 智 の み ま さ り て 、 身 の お こ な ひ は 返 り て無 學 の輩
オト
に劣 る竜 の Σみ 、世 に は多 き ぞ かし 、
ま
ーず 花 下 つ卷
・ 、 '
廟
= 剛九
気
ダ
評
Q
、
く ず 花 二 三Q
O 鷄 ノ時 ヲ シ リ 云 々 , .
ワカ
○ 此 段 心 得 に く し㍉ ま つ 始 め に 、 鷄 と 蜘 と の し わ ざ を 擧 た る は 、 何 の た め か 分 り が だ き な b 、 皆
◎
/ 一つ の し わ ぎ な り と い へる を 以 て 見 れ ば γ 人 は 種 々 の好 惡 お り 云 々と い ふ に 對 せ ん た め が 、 又
カケ
は 、 人 は 鳥 虫 に も 叉 劣 り た る も の と い ふ 處 へ係 て い へる か 、 いつ れ に し て 竜 た し か た ら ぬ い ぴ
ざ ヤブ
アヲ
ま な り 、 さ て 人 は 道 を 立 て 歡 へざ れ ば 、 他 を も 傷 り 云 々 と い ぴ 、 心 の ま エに 荒 ぶ め り と い へ
が
る は 、 苟 子 が 性 惡 の 読 を是 と す る 歟 、 そ れ は 人 々 の好 む と こ お な れ ば 、 と も か や 竜 あ る べ し 、
ヤブ ソコナ
全躰 、 人 を 、鳥 虫 に劣 り た る こと も有 て、 他 をも傷 り物 を も害 ふ物 な り と いふ は 、甚 し き辮 見
に て、 己 が よ る所 の聖 人 の道 にも郡 けり 、 そ竜 ー 萬 の物 み な・齏 髴 神 の戮 髪 り て鹿 中
ミ タマ
も
リ
コ
ハ
ルガ ス
グ シワザ
に も ﹂ 人 は 殊 な る 御 靈 を蒙 て 生 れ た .る物 に て、烏 虫 な ど ﹄は遙 に勝 れ た れ ば 、心 竜所 行 も 、 も
スグ シフザ
と よ り鳥 虫 と は遙 に勝 れ た り 、 其申 に は悪 祚 のし わ ざ に よ り て、 心 も 所 行 も鳥 虫 忙劣 れ る者 も
カク ノ
な き に は む ら ね ど も 、 惡 は つ ひ に 善 に 勝 ず 、 伊 邪 那 美 大 祚 の﹂ 日 毎 に 千 人 を 殺 し 給 へ ば 、 伊 邪
説 森 の、日籍 千吾 人 を生れさせ給 ふ理 にて・世 には物 を禦 他を殺す こと瞠 む人は
スケナ ド イヵ
少 く し て、 物 を 育 し 人 を 生 さ ん と 思 ふ 人 は 多 し 、 さ て鳥 虫 な ど は 、 ぴ た す ら 他 を 傷 害 す る り み
アハレ
淀 て 、 憐 む 心 は す べ て な 唐 物 な り 、 然 る に今 難者 、 か へり て 鳥 虫 に も ま さ り て 、,人 ぱ 他 を 傷 書 .
'
ノ シワザ
す る も の ﹂や う に い ぴ な せ る は , 鳥 獸 な ど を殺 し て 、 己 が 用 と す る を 、 悪 き 所 行 と 思 ふ に 嘉丶
人 と し て 鳥 獸 を 殺 し て用 と す る 事 は 、 紳 の 道 は さ ら に も い は ず 、 漢 國 聖 入 の道 に も 、,
これ を び
!
た す ら 禁 ず る 皐 は な し 、 も し 賄 こ れ を 惡 し と せ ば , 佛 の如 く 殺 生 戒 を た て 、 常 精 進 に な り て後
カ
ぴ
可 也 と い ふ べ し 、 難 者 聖 人 の教 な く て は 叶 は ず と い ふ こ と を 、 し ぴ て 立 ん と す る か ら 、 返 て そ
む プ
リ
の道 に竜 違 へ る し ぴ ご と な る こ と を 、 み つ か ら お ぼ え ざ る な り 。 す べ て爭 心 の 盛 な る と き は 、
アヤマ
チ
お ぼえ ず かや う の過 は あ る な ら び ぞ か し、
○ ナ ホ・
鳥 獸 ノ 所 行 ヲ ナ サ バ 、 人 タ ル カ ヒ ハ ア ラ ン ヤ ハ、
○ 是 は 必 聖 人 の 道 に よ ら ざ れ ば 、 人 も 皆 鳥 獸 の し わ ざ を の み な す も の一と心得 た る、 愚 昧 の料簡 な
ハルカ
り 、 人 は 萬 物 に す ぐ れ た る物 と 生 れ つき た れ ば 、 も と よ り 鳥 獸 に は 遙 に ま さ れ る こと 、 い ふ も
さら に て、 聖 人 の⋮
教 へな ど を か ら ざ れ 共 、 人 た る 者 の あ る べ き 限 は 、 何 事 も み つ か ら よ く 知 て
スグ コト
行 ふ こと なり 、 そ の證據 は 、 人 は形 も 心心 も 知 慧 も 、 も と よ り 鳥 ⋮獣 と は 勝 れ て 異 に 生 れ つ き た れ
ば ・ そ の膽 伊 も 又 ・ 此 形 や 心や 智 慧 に纉 ぴ て、 必鳥 獸 と は同 じ からず , も と より 異 な るべ ぎ こ ・
ン シワザ 、 /
と を ざ と る べ し 冷 何 ぞ た 璽 行 の み 同 じ か ら ん 、 、
'.
りヵヒ
○ 人 倫 ノ 教 ア ﹂ テ ヨ ーー 、 人 島 畜 生 島 ノ 堺 明 ラ カ ニ別 レ タ リ 、 云 々 概、 9
くず 花 下 つ卷 .
、
二 貿=
寒
'
く ず 花 二三 ニ
ヲ 。
{ ヶ
○ も と よ り 人 と 物 と の 間 に 、 お の づ'か ら な る貴 賤 な し と い へ る と 、 專 性 の徳 に よ り て 設 た る 教 な
ウク
り と い へる と 、 自 語 相 違 せ り 、 も と よ り そ の教 を 受 べ き 性 の徳 あ る は 、 こ れ も と よ り 鳥 獸 と は
ポ リ
ド アヤマヰ
異 に し て、 貴 き に あ ら ず や , 例 の聖 人 の教 の 功 を 、 し ひ て い ぴ 立 ん と す る か ら 馬 か エる 過 は あ
る な り 、 丶
ネ ン
○ 聖 人 ノ 道 ハ大 申 至 正 ノ 道 ト モ申 テ 云 々
○ 大 中 至 正 の 道 な 噸 と は 、 儒 者 仲 聞 の私 言 な り 、 こ れ 己 が よ る 道 な る故 に 、 そ の是 非 を い は ず み
O
ホメ アザムカ
だ り に 譽 た る も の か 、 叉 聖 人 に欺 れ て 、 實 に 然 り と 思 へ る か 、 いつ れ に し て も ぴ が こ と な り 、
シヒ ノボ
か つ て 串 正 に あ ら ず 、 大 き に 強 た る 道 な る 物 を や 、 さ て九 尺 の堂 に 昇 る に 、 五 尺 の 階 ま で 昇 る
タトへ .
. スグ リ
事 を 教 ふ と の譬 、ナ ベ て の 意 は 聞 え た れ 共 、 八 尺 九 尺 ま で昇 り 過 る 人 有 、 そ れ を 必 宜 し 共 せ ず
と い へ・る は 、 大 に 違 へり , 五 尺 の 階 ま で の ぼ る 事 を歡 ふ る は 、 九 尺 の 堂 に昇 ら ん た め に し て 、
マカ
殘 り 四 尺 は 、 そ の人 に 任 せ て と 、 み つ か ら 竜 い へ る が 如 く な る に 、 八尺 九 尺 を 昇 り 過 た り と は
い か に 、 堂 へ の ぼ ら ず し て 、 階 の眞 中 に 集 り て 何 に か は せ ん 、 笑 ふ べ し / \ , も し は 升 楓 と い
へ
へる は -'教 過 る と い ふ 事 の 、 い ひ た が へに や 、 さ て 此 た と へ の意 も 、 例 の 儒 者 仲 間 の私 晶 議に て 、
ノ ド トビノポ ユ ロ う
實 は 聖 人 の 道 は 、 九 尺 堂 へ階 な し に 飛 昇 れ と 教 る や う な る し ぴ こ と な り 、 故 に そ の教 の 如 く 、
よ く 昇 れ る 人 は 、 古 來 一人 も あ る こ と な し 、
へ
○ 禮 義 忠 孝 ノ類 、 今 ハ教 ヲ "、タ ズ シ テ 、 人 々 ヨ ク ス ル コ ト ノ 如 ク ナ リ ヌ ル ハ、 云 々
○ 異 國 聖 人、
の道 い ま だ 入 來 ら ざ り し 以 前 は 、 殊 に 禮 義 忠 孝 等 の 道 も 全 く し て 、 世 は い と よ く 治 ま
り し 事 は 、 難 者 は し ら ず や 、 知 な が ら し ひ て 聖 人 の歡 の功 を い ぴ た て ん た め に 、 上 代 の 古 事 は
後 の天 皇 の 造 り 事 な り と 、 み だ り に い ひ け つ め り 、 人 た れ か こ れ を 信 ぜ ん 、 そ 竜 ー 天下よく
/
治 ま り て 、 上 竜 下 も み だ る Σ事 な か ら ん に は 、 そ の 他 の教 は 何 に か は せ ん 、 皇 國 よ り 見 れ ば 、
り
か の漢 國 聖 人 の教 は 、 無 用 の あ ま り 物 に て 、 此 道 入 來 り て後 、 返 り て 天 下 の治 ま り 畜 、 上 代 に
及 ば ず 、 人 の 心 竜 次 第 に わ ろ ぐ な れ る を も て 見 れ ば 、 そ の教 は 害 こ そ お ほ け れ 、 釜 な さ ら に あ
る こ と な し、 う は べ には 釜 あ りげ に見 え て、 實 は人 のし ら ぬ と こ ろ に害 の多 き こ と、 和漢 古 來
の ウハ ベ マ ド シタ
の事 跡 を よ く 考 へ て さ と る べ し 、 然 る に 世 人 、 た 貸 そ の陽 の釜 あ り げ な る に 惑 ひ て 、 陰 に 大 害
、
の あ る 事 を 、 え さ と ら ぬ は い か にそ や 、
○ 聖 人 ヲ謝 リ ソ ノ道 ヲ議 リ イ ァ者 ハ・、郎 .
聖 人 言 膓 リ タ ル道 徳 亨 思 ヘルナ ルベ シ螂
○ こ れ い と 愚 な る い ひ こ と な り 、 儒 者 は 聖 入 の 道 の 下 に の み 居 て 、 他 を 知 ら ざ る故 に 、 そ の非 を
ミ タマ
見 る 之 と あ た は ず 、 余 は いと 不 敏 な れ 共 、p 幸 に紳 の御 靈 に よ り て 、
デ皇 神 の道 の 高 き に居 て 見 る
/ .
くず 花 下 つ卷 輔
ご二一
二
、
く ず 花 、 ・ 二三 四
イタごキ
故 に 、 聖 人 の非 は い と よ く 見 え た り 一 矮 入 と い へ
'共 、 高 山 の巓 に の ぼ れ ば 、 い か な る長 人 を も
ミ クダ
見 下 す に あ ら ず や 、 . ・
驚 、
○ 天 理 人 慾 ノ 読 ハ云 々 、 、
ナ カケ
○ 此 事 た と び 孔 丘 が 教 に は 無 く 共 、 宋 儒 も そ の 徒 な れ ば 、 是 を そ の道 に 係 て 議 す る は 何 事 か あ る.
○ 洪 荒 ノ 世 ハ、 人 島 畜 生 島 ノ差 別 正 シ カ ラ ズ 、 中 ニ モ 云 々
マ グハヒ ノ
○ 御 國 に 親 子 の婚 を ゆ る せ る事 は 見 え ず 、 大 祓 詞 を 以 て 見 れ ば 、 上 代 よ り 忌 嫌 ひ た り し 事 明 ら か
ヲバ ツラ ヲバ
な り 、 述 て姑 は 母 の 行 に て 、 母 に 同 じ と 難 者 い へれ ど も 、 姑 は 母 に 近 く は あ れ 共 、 同 じ き に は
ン
メヒ サ ン
あ ら ず 、 何 ぞ そ の差 別 な か ら ん 、、姪 も 、 子 に 近 く は あ れ 共 ,.
何 ぞ同 じ と は い はん 、 さ れ ば皇 綿 .
イマ ヒ イマ
の 道 に は 、 こ れ ら は 婚 す る 事 を 忌 ず 、 夊 同 母 兄 弟 の婚 は 忌 て 、 異 母 兄 弟 は 忌 ざ る も 、 皇 神 の 道
ハ あ
な り 、 こ れ も と よ り 皇 組 神 の 定 め お き 給 へ る 處 な れ ば 、 後 世 の凡 夫 の 小 智 を も て 、 と か く 議 り
ちのトリロ
いふ べ き事 に あらず 、 然 るに これ ら を畜 生 島 の行 な り と は 、皇 租 紳 をも 憚 り 奉 ら ず 、 何 を 據
ゴト リドコロ
に い へる み だ り 言 ぞ 、 さ ら に そ の 據 あ る こ と な け れ ば 、 た 穿 外 國 の聖 人 の私 の定 め を 以 て い
ソ弘
ふ な るべ し 、抑 此 事 は、 此 ⋮ 難 者 の み な ら ず 、 す べ て の儒 者 共 の 、 御 國 を 譏 る第 一 の い ひ く さ に
て 、'
太 宰 彌 右 衞 門 が 辨 道 書 と い ふ 物 な ど に も た け λ尸
丶 し く い ぴ た て た る を 、 鳥 朋 氏 が 辨 々道 書
4
ル ニ ハ
に 、 本 朝 娶 ご於 同 姓 輔
者 有 レ故 也 と の み い ひ て 、 ま き ら か し お き た る は 、 漢 國 の非 を 辨 じ な が ら 、
獪 み つ か ち も 漢 國 の 見 の い ま だ は な れ ざ る も の に し て 、 か の國 の 同 姓 不 レ娶 と い ふ 定 め を 、 天
コヘロぼ
地 自 然 の 公 道 の ご と く 心 得 た る か ら 、 御 國 の 上 代 の し わ ざ を 、 快 か ら ず 思 へる 竜 の に て 、 世 人
も 又.
み な 然 思 ふ こ と な れ ど も 、 そ れ は か の漢 國 の定 め に へ つ ら へ る も の な り 、 同 姓 不 レ娶 と い
蟹
ふ は 、 か の國 に て も 、 周 の代 の私 の定 め に こ そ あ れ 、 も と よ り 必 然 る べ き 道 理 は さ ら に な き 事 .
ネ
オク
也 、 も し禽 獸 の 行 に 似 た る を 嫌 ふ と い は ゴ 、 夜 は 寢 て 朝 は 早 く 起 る も 、 禽 獸 に 同 じ と い ひ て 、
アサネ アハ レ
朝 寢 す る を 宜 し と せ ん か 、 叉 子 を憐 む も 禽 獸 φ 行 な ゆ と い ひ て 、 あ は れ ま ざ る べ き 歟 、 漢 國 に
ツヨ キ
ムスズ
は 貴 賎 の差 別 な く 、 定 ま れ る 君 竜 な く し て 、 た Σそ ② 時 々 に 彊 き 者 君 と な り 、 或 は 賤 入 の女 を
ワキクメ
も 王 の妻 に し 、 王 の女 を も 賤 夫 に 嫁 す る た ぐ ぴ 、 す べ て 上 下 の 別 な し 、 こ れ ら を ζ そ 殊 に 畜 生
島 の あ り さ ま と も い ふ べ き に 、 そ の惡 風 俗 を ば い は ず し て 、 た 貸 同 姓 婚 す る こ と を の み い ふ は 、
ガ
いとく 偏 頗 ならず や 、 諺 に人 の 一寸 は見 ゆ れ共 、 我 一尺 は 見 え ず と い へるぱ 、 此儒 者 の こと
な り け り 、 ,
.
ゆ
・
コ カムロギ サス
○ イ ハ ユ ル紳 組 ハ、 伊 邪 那 岐 伊 邪 那 美 ヲ 指 ニ ヤ 、 云 々
カムロギ の
○ こ 丶 の神 租 は 、 難 者 の推 量 の 囎 く 、. 伊 邪 那﹁
岐 俳 邪 那、美 二 大 淋 を申 せ り 、 さ て 、 始 め給 へ る 親 い
くず 花 下 つ卷 .
,
﹂ご二五
ど
丶
螺
く ず 花 .・ 二 三六
マクハ
へ る は 、 余 が 意 は 、 皇 國 の萬 の 道 ぱ 、、皆 此 二 大 紳 の始 め 給 へ る 道 に て 、 男 女 、の婚 ひ も 、 そ の 道
メ
カケ
の中 の、 一端 な る 故 に 、 そ の始 を 此 二 大 神 へ係 て い へる な り 、夢
此 二大 紳 御 兄弟 に は ま し ま さ ズ る
ミ
へ
ごと勿 論 な れ ば、 御 みつ か ら兄 弟 婚 し て、 これ を始 め給 ふ と いふ意 には あ らず 、 然 れ 共此 所 依、
ヨマ
ミ
本 書 を今 よ く 見 る に 、 ま こ と に讀 ん 人 の 心 に は 、 御 み つ か ら 始 て 兄 弟 婚 レ 給 ひ け ん や う に 心 得
ウダガ
つ べ 躄 も の と 、 余 竜 思 は れ て 、 文 の、か き ざ ま の ま ぎ ら は し け れ ば 、 難 者 の疑 へる も 壷
、﹂ろ こ と に
なん 有 け る、
○ 兄 弟 ノ 婚 ハ、 神 代 ノ 古 事 晶 モ 見 エ ヌ ヲ ヤ、
○紳代にも兄弟奪 し例残 弛 卷下戴 ・爨 籤 神掌 慧 髴 讐 所響 子饗 薪 とあ
ノ ノ
ノ
ノ
り 、 磐 筒 男 神 と 磐 筒 女 紳 ど は 兄 弟 な る と と 、 上 卷 忙も 見 え た り 、
ぬ ヨ
イマ
○ 同 母 兄 弟 ノ婚 ヲ 嫌 ヒ テ 、 異ハ母 兄 弟 ヲ 忌 ザ ル ハイ カ ニ、 云 々
○ 此 疑 ぴ は 、 い は ゆ る 井 蛙 の た と ぴ の ご と く 、 漢 國 の 定 め よ り 外 に は 、道 あ る 事 を し ら ぬ 例 の か
タテ へ
た く な 丶 る偏 見 な り 、 漢 國 に こ そ 兄 弟 に同 母 異 母 の 差 別 を 立 ね 、 皇 國 の古 は 、 同 母 兄 弟 を、
のみ
淀器 躑 と は いぴ て・殊 に線 しく ・ 異 袰 るは ・圃 母姦 は るか に蹴 く し て・ 本 よひ 大 に差別
ドひ タテ まみ
あ る こ と 、 皇 代 の 記 を よ く 考 へ て 知 べ し ゐ 然 る を 漢 國 に 此 差 別 を 立 ざ る は 、・た 雪 父 を の み 重 く
.カロ かり
し て 、 母 を 輕 し め た る惡 風 俗 な り 、 此 外 に も か の 國 に は 、 母 を輕 し め た る 事 の 、 議 す べ き も の
ハ ブ
獪 あ れ ど 、 と 玉には 畧 き つ、 そ 竜く 父 ど 母 と は、 同 等 に重 き物 な れ ば、 父 母 と 竜 に同 じ き兄
弟 と 、 父 のみ同 じ くて 、 母 は異 な る兄 弟 と は、 お のつ から 親 疎 のけ じ め なく ては か な は ぬ ヒと "
わ り な る を や 、 然 る に 今 難 者 , 此 差 別 を 立 る を 、 返 り て 眞 心 の ま エの し わ ざ に あ ら ず と い ふ は 、
漢 國 の俗 に な づ め る 偏 見 に あ ら ず や 、
○ 百 世 ヲ 經 テ モ 同 姓 ノ婚 ヲ ユ ル ザ ヌ ハ云 々
へ や シ
○ 蕗 定 め は 、 周 公 旦 が さ か し ら を 以 て始 め た るも の に て、漢 國 に て も周 の代 の私 事 な り、 殷 以 前
ノ
に は此 さだ め あ る こと な し 、故 に舜 は 堯 が女 を 娶 れ り 、堯 は顳 預 が孫 に て﹂舜 も頴 預 が 五世孫
タテソへ
なれ ば、 同姓 な る中 に も近 き 親 族 な る物 をや , 然 る に周公 旦 が銅 柱 を立 添 た るは、 後 世 の入 に、
シメ マサ ぼ
己 が 功 を 示 し て 、 堯 舜 に 勝 れ り と いば れ ん た め か 、 は た 國 の風 俗 の い と 惡 く み だ り な 噸 し 故 に ゃ
シカ イマシ シメサ
然 きび しく禁 め た るか 、 も し 己 が功 を示 ん と に 略 あ らず 、 又國 風 の いた く み だり なり し にも あ
ら ず ば 、 堯 舜 夏 殷 の 代 の 定 め の ま Σ に て あ む ん に 、 何 の害 か は あ ら ん 、 竜 し 又 同 姓 婚 す る が 、
イマ
實 に ぴ が こ と な ら ば 、 蕘 舜 は何 と て是 を 忌 ざ り し そ 、 い つ れ に し て も 、 此 銅 柱 こ そ い と こ 丶う
え ね 、 も し 又 近 き 親 族 と い へ共 、 姓 を 異 に す る と き は 苦 し か ら ず と い は ぐ 、 兄 弟 に て 島 、 異 な 亀
〆
くず 花 下 つ卷
、 二 三七
、
丶
ー ず 花 嗣
ご二八
り
クぐ
る 姓 を稱 す る 時 は 、 苦 し か ら ぬ に や 、 そ も ノ \ 同 姓 異 姓 の事 、 驫 國 は 殊 に先 祺 の系 統 を 正 す な .
ら ひ な るす ら 、 後 世 民 間 に 到 り て は 、 わ つ か に 五 世 十 世 の先 を も え 知 ら ざ る者 のみ 多 し 、 況 や
クぐ ト
ワカ
系 統 を さ の み 正 さ 璽 る漢 國 に て 、 後 世 民 間 に 於 て 、 人 毎 に數 十 世 の先 を よ く 知 て 、 別 つ べ き 由
ワカコ
・な け れ ば 、 た 璽當 時 に 稱 す る と こ ろ の姓 の文 字 を 以 て 別 つ よ り ぼ か は な き 事 な る に 、 そ れ も 數
フ く
十 世 を 經 る 間 に は 、 或 は 異 姓 が 混 じ て 同 姓 に な り ﹂ 或 は 同 姓 も 分 れ て 異 姓 に な り な ど す る類 お
ほく 、 或 は 叉稱ず る文 字 は 同 じ げ れ共 、本 よ り異 姓 な るも 有 、 叉稱 す る處 は異 なれ 共 、實 は同
姓 な る も あ り 、 か く さ ま み \ のま ぎ れ あ れ ば 、 實 の姓 の異 同 に 、 何 を 以 て か は よ く 辨 へ知 る べ
き 、 た と ぴ た ま ノ \ に 、 男 女 の う ち 幽方 に は よ く そ の先 を 知 る 共 、 一方 に え 知 ら ざ る と き は 、
・
,い た づ ら ご と 也 、 然 る に た 璽當 時 稱 す る 處 を の み 守 り て 、 そ の異 同 を 定 め ん に は , 或 は 實 は 異
姓 な る を も 知 ら ず し て 、 い た づ ら に こ れ を 迸 け 、 或 は 叉 思 ぴ の外 に . 近 き 先 租 ま で 同 姓 な り し
マタ チ
を も知 らず し て婚 す るた ぐ ぴ な ど も ,世 に多 か る べし 、 叉右 のたぐ ぴ の まぎ れ 迄 を竜 待ず 、帥
ぞ
周 公 旦 が 己 が 子 孫 の 魯 昭 公 は 、 同 姓 の呉 の女 と 婚 し た り 、 魯 は 禮 義 正 し き 國 と い は れ し だ に か
ノ
ノ
く の 如 し 、 叉 齊 裹 公 は 、 妹 の 魯 桓 公 が妻 に て 有 し に 通 じ た り 、 是 は 殊 に 兄 弟 な る の み な ら ず 、
,
境
入 の妻 に て さ へあ る う へ に 、 あ ま さ へ此 事 に よ り て 、 其 夫 桓 公 を さ へ殺 し た り き 、 こ れ ら は 近
緲
壱 周 の代 の内 に て 、 諸 戻 す ら か く の 如 し 、 況 や そ れ よ り 後 々 は 、 か 丶 る た ぐ ぴ い と 多 し 、 叉 民
間 は ま し て思 ぴや るべじ .然 れ ば か の周 公 旦 が 銅 柱 は 、 これ何 の釜 も な き いたづ ら事 な るも の
を 、 儒 者 は か 丶 る と こ ろ を も わ き ま へず し て 、 た ビ み だ り に ぴ た す ら よ き 事 と の み 思 ひ 居 る は 、
ノウガキ
例 の賣 藥 の能 書 を 信 ず る も の な り 、 い と を か し く な ん 、
○ 御 國 ノ 人 モ、 後 世 一
一兄 弟 ノ 婚 ヲ 忌 嫌 フ 轟 ニ ナ リ ヌ ル ハ、 云 々
イム
○ 御 國 の後 世 、 兄 弟 の 婚 を 忌 こ と に な り ぬ る を 、 儒 學 の大 功 が ま し く い へる は 、 い と を か し 、 も
へ
し百 世 を經 ても 、 同 姓 は婚 せ ぬな ら ぴ に な り た らん に こそ 、 さ は いふ べけ れ、 わつ かに 兄弟 を
イ ト コ
の み 忌 て 、 從 父 兄 弟 以 外 はす こ し も 憚 る こ と な き は 、 か の 周 公 旦 が 定 め に て 見 れ ば 、 百 分 の 一
に も た ら ぬ こ と な る を 、 か く こ と ん \ し く い へ る は 、 譬 へば 、 毎 日 百 文 づ L の錢 を ま う け よ ど 、
父 の い ぴ つけ た ら ん に 、 そ の 子 、 わ つ か に 一文 づ Σ ま う け て 、 我 は 父 の仰 せ の ま N に 、 錢 ま う
テ ガラ カ
け し た い と い び て 、 手 柄 が ま し く ほ こ る に 同 じ 、 父 こ れ を 聞 て 可 な り と い は ん や は 、 か の孟 刺
トラ
は 、 五 十歩 に し て百 歩 を笑 ふ をだ に取 ざ り し に、 今 の難 者 の論 ば 、 九 十 九歩 に し て百歩 をわ ら
ふ た ぐ ひ と や い は ま し、
ス
○ 又 教 ヲ カ ラ ネ ド 、 人 ノ 知 ル ベ キ限 ハシ リ 、 ス ベ キ 限冖ハ爲 ル 事 ナ ラ バ 、 物 作 ル ワ ザ モ 載
繭ノ轗財モ 、
くず 花 下 つ巻 ・
二 三九
〆
虜
く ず 花 ・
・ 二四 〇
ス ベ デ 教 ヘズ ト モ﹁
ヨク ス ベ シ、
○そもー 鬣 に物塾 、藷 匠 の蕣 、藷 藝 など薮 ふゐぎ 儒佛 の類 の教 どを・ ; 意 に
思 へる は く は し か ら ず 、 ヒ れ 本 よ り 異 な る 事 に て 、 ぴ と し な み に は い ぴ が た し 、 い で そ の異 な
ミざリコ
ツヒ
る よ し を く は し く い は ん 、 ま つ 線 兒 に教 ふ る事 は 、 か な ら ず 歡 へざ れ ば終 に え せず え し ら ぬ事
マダ ・ . クプ アルク
に は あ ら さ る を、 遽 き に し ら し めん と て教 るに こ そ あ れ、 或 は物 いふ こ と 物食 こと歩 行 こ と な
へ
ど を 教 へ、 或 は方 角 物 の數 な ど を 教 る た ぐ ぴ 、 す べ て 皆 歡 を か ら ざ れ 共 、 其 時 到 り ぬ れ ば 、 お
め
のつ か ら よ く.知 てす る事 な り 、 さ て禮義 忠 孝等 のた ぐ ひ も 、 これ ら と同 じ 事 に て、 人 のあ る べ
き 限 は 、必 し 竜 歡 を か ら ざ れ 共 、お のつ か ら よ く 知 て す る 事 な る を 、か の儒 佛 の 類 の歡 は 、人 の
スギ
あ る べ ぎ 限 に あ ら ず 、 同 じ 禮 義 忠 孝 等 の た ぐ ひ も 、 あ る べ き 限 を 過 た る し わ ざ た る故 に 、 し ぴ
∼ ミドリゴ
て こ れ を 教 へん と は す る な り 、 然 れ ば こ れ 儒 佛 の類 の歡 と 、 線 兇 に 歡 る 類 の 事 と は 、 其 心 ば へ
似 た るや う に て異 な るも の姦 べ し・ さ て次 に・諸 匠 の轟 及 諸 藝 の類 を教 ると ・儒 佛 の類 の
イ へ
欷 へ と 、 こ れ 叉 同 じ か ら ざ る よ し を い は ん 、 た と へば 舍 屋 な 芝 を 造 .
る事 は、 匠 人 な ら ぬ 人 は知
ル ヱ
ら で も有 べく 、 齧 かく事 は 、齧 師 な ら ぬ人 は知 ら でも あ る べ く し て、 必 萬 人 皆 し ら で叶 は ぬ事
ル
に は あ らず 、 故 に こ れ ら に は 、 教 へ學 ぶ わ ざ の 有 也 、 然 る に 禮 義 忠 孝 等 の 類 は 、 必 萬 人 皆 し ら
で 叶 は ぬ 事 な 惹 故 に 、 そ のあ る べ き 限 は 、 歡 を か ら ざ れ 共 、 お のつ か ら よ く 知 て す る な り 、 す
ヨ
ベ て 教 を か ら で は え し ら ず え せ ぬ 事 は 、 皆 右 の た ぐ ぴ に て 、 そ の職 の 入 の み 知 り て 可 き 事 に て 、
必 萬 人 皆 し ら で 叶 は ぬ 事 に は あ ら ず 、 必 萬 人 皆 知 ら で 叶 は ぬ 事 は 、 教 を か ら ざ れ 共 、 お のつ か
ヂヵムロ ギ
ら よ く 知 てす る 物 と 知 べ し 、 こ れ 印 紳 租 の定 め お き 給 へ る道 に て 、 お のつ か ら そ の差 別 あ り て 、
クビアルク
妙 な る も のなり 、 か の物 いぴ 物食 歩 行 たぐ ぴ 、 必萬 人 皆 知 ら では叶 は ぬ事 な る故 に、教 をか ら
レ ヘ ヒ ン
ざ れ 電 も 、お のつ か ら よ く 知 て す る を 以 で 、禮 義 忠 孝 等 の類 も 、叉 然 る べ き 事 を さ と る べ し 、何 、
ま ン
ぞ 其 職 の 人 の み 知 て 可 き 諸 匠 諸 藝 の た く ぴ の 如 く 、 歡 を か る事 の あ ら ん 、 然 る を 難者 . 件 の差
ソナハ
別 あ る 事 を わ き ま へず し て 、 禮 義 忠 孝 等 の 教 な き は 、 教 の備 ら ざ る し る し 也 と い へ る は 、 此 禮
ヨ
義 忠 孝 等 の類 を も 、 か の諸 匠 諸 藝 な ど の如 く 、 そ の職 の 人 の み 知 て 可 き た ぐ ぴ と 、 一-つ に 心 得
あ や ま れ る も の な り 、 但 し 漢 國 聖 入 の歡 は 、 た と へ ば 一日 に 一斗 づ 玉 の飯 を 食 ぴ 、 一日 に 干 里
クら ギ
の 道 を 行 や う な る 事 に て 、 入 のあ る べ き 限 を 過 た る し わ ざ な る故 に 、 必 そ の 教 を か ら で は 叶 は
シ
ぬ 事 と い ふ な る べ し 、 さ れ ど そ れ は 、 い か ほ ど 教 へ,
て も學 び て も、 爲 が た き事 な れ ば 、畢 竟 い
ク
盤・
た づ ら 事 な レ 、-一日 に 四 五 合 の飯 を 食 ぴ 、 十 里 の 道 を 行 こ と は 、 あ る べ き 限 な る故 に 、 欷 を か
一ら ざ れ 共 、・お のつ か ら よ く す る 事 と 知 べ し 、
.
くず 花 下 っ卷
几
二四 踊
く ず 花 " 二四 二穿
ヘ ヨ
○ 古 ヨリ 善 キ歡 ア ラ マ シ・
カ バ 云々
へ
○ 上 件 に い へる 如 く 、 萬 人 皆 必 し ら で 叶 は ぬ 事 の 限 は 、 お のつ か ら よ く 知 て 行 ふ も の な れ ば 、 古 ・
ヨ タ
カリ
κは善 き教 も惡 き教 も なぐ て 事 足 れ り し な り 、然 る に異 國 の道 を し も 借 は じ め給 ぴ 、叉 御 使 を
遣 レ など せし 事 は 、 そ の時 々の天 皇 の御 心 な れ ば 、必 し も これ をも て、 聖 人 の道 のな く て 叶 は
り
ぬ 誰 と は し が たき事 な り、 も し これ なく て は 叶 は ぬ故 に 、取 用 び給 ふ と いは 穿、 佛 法 な ど も 又、
り
な く て 叶 ば ぬ 故 に取 寄 せ 給 ふ と せ ん か 、 叉 紳 代 よ り 宜 き 道 あ ら ば d 聖 人 の 道 を も 、 世 外 の物 に
な し お き 給 は ん 物 を と い へる も 、 聞 え ぬ 事 な り 、 か の佛 法 ぱ 、 天 竺 に て も 、 國 を 治 む る 道 に は
あ ら ず 、 本 よ り 出 世 聞 の 道 な り 、 故 に 漢 國 に て も 皇 図 に て も 、 世 外 の物 に て あ る な り 、 叉 老 莊 ・
な ど は 、 世 外 の道 に は あ ら ざ れ 共 、 さ か し ら を厭 ぴ 自 然 を 奪 む 道 忙 て 、 そ の道 と て 、 別 に 行 ふ
し わ ざ は な き 事 な れ ば 、 是 叉 お のつ か ら 世 外 の 道 の 如 く な り ゆ く こ と わ り な り 、 さ て 聖 人'
の道
も 、 後 世 宋 儒 の室 論 理 窟 の み な る が 如 く な ら ば 、 後 世 の 儒 者 の や う に 、 世 外 の如 く に も な る ベ
へ
け れ ど 、 古 朝 廷 に取 用 ひ 給 ぴ し は 、 室 論 理 窟 の た め に は あ ら ず 、 た 璽國 を 治 め ん た め の し わ ざ
・
の み な れ ば 、 是 を 用 ぴ ん に は 、 た と ぴ 本 よ り 紳 代 の宜 し き 道 あ り ど て 竜 、 お のつ か ら 世 外 に は
メ
ヨキサヵナ
な し が た き こ と わ り な り 、 た と へ ば 酒 を の む に 、 始 よ り 佳 肴 あ り と て 竜 、 後 に 出 せ る肴 も 魚 類
な らん に は、 茶 菓 子 には な し が た き が如 し、
○ 聖 人 ノ 道 二室 理 手 イ フ 事 、 露 バ カ リ モ ア ラ ン ヤ ハ、 云 々
○讐 こ え 佛 道 の事 を引 出 て ・ か の道 も簿 室 理にて紫 き な り と い へる は、 余 が い へ童 螺
の
おキ く ピ
を 、 か の 佛 の 經 論 に論 た る 塞 理 と 、 一 つ に 心 得 た る に や 、 佛 道 に て い は ゆ る 室 理 依 、 世 間 の萬
トケ
く ヌ
ミく ミ
くレ
く
の 物 も 事 も 、 み な 塞 な り と 読 る を い ぴ て 、 此 室 の ご と は 、 天 台 の有 塞 、 亦 有 、 亦 室 、 非 有 、 非
寮 の 四 門 な ど 、 そ の 外 諸 宗 に と り み \ の さ だ あ る 事 な れ 共 、 す べ て そ の論 は 、 こ 乂 に は用 な き
こと なり ・,余 墓 讐 い へるは ・件 の彿 諡 の室 理 の㍊ に はあ らず ・﹂そ のよ し は、 い へ龕 ギ
ン ・ . ムナシゴト ナ リ
お のつ か ち わ か る べ ぎ 事 な る に 、 何 ぞ こ れ を 混 ぜ る 、 余 が い ば ゆ る 塞 理 と は 、 無 き こ と を 、 理
を 以 て 擶 げ に い ぴ な す を い へり ・ 陰 陽 乾 坤 五 行 の読 の た ぐ ぴ 、 實 は 無 き 事 な る を 、 そ の 理 あ ザ
げ に い へ る 是 な り 、 価 ぞ 聖 人 塞 理 を い へる こ と な し と い ふ こ と を え ん 、 さ て 紳 と い ふ物 ぼ 、 實 .
レ
ら
レ
さ
し
ノ
に有 物 な れ 共 、 漢 國 に て は 正 し き 古 傅 な き 故 に 、 そ の實 に 有 こ と を ば し ら ず し て 、 聖 人 ρ い は
シン コナタ ムナシコも ぴ
ゆ る紳 は 、 た 璽 理 を 以 て 此 方 よ り あ り げ に い へる 物 な れ ば 、 こ れ 叉 室 理 な ら ず や 、
ツカ ォモ
○ サ レ バ 聖 人 ノ 鬼 神 二仕 へ給 フ コ ・ ロ バ ヘパ 、 イ ト 重 キ 事 ニテ 、 云 々
ツカヘマツ
○難 者 の い へるご と く 、儒 者 は皆 かく 思 ふ事 な れ共 、紳 に奉 仕 る道 は、 周 の代 の定 め は なほ 輕薄
く ず 花 下 つ 卷 .
二四 三
■
乖
く ず 花
・ 二四 四
タフト
叩に し て 、 至 ら ざ る事 ぞ 有 け む 、 そ の故 は 、 ま つ 殷 の世 は 鬼 紳 を 術 ふ 風 俗 な り と 、` 周 人 の い へる
カロ
を 以 て見 れ ば 、 鬼 紳 に 奉 仕 る 事 、 周 の代 は 、 殷 の代 よ り 輕 か り し 事 し ら れ た り 、 然 れ ば も し殷
へ タフト ル .ハ
の 代 よ り い は § 、 周 人 は 鬼 紳 を 侮 り て 奪 ま ざ る 風 俗 な り と い ふ べ し 、 こ れ 周 の 不 レ及 歟 、 殷 の
スギ シワザ
遇 た る 歟 、 そ 甜
の實 は 定 め が た し 乏 い へ共 、 周 公 旦 が す べ て の 所 爲 を も て 考 ふ る に 、 さ か し ら な
る 事 のみ 殊 に 多 け れ ば 、 鬼 祚 遂 も 實 は 信 ぜ ぬ 心 有 て 、 こ れ に奉 仕 る道 も 省 暑 せ し 事 ぞ 多 か り け
クぐ
ん 、 然 る に 儒 者 は 、 か 丶 る こ と を も 思 ぴ め ぐ ら さ ず し て 、 た 璽 ぴ た ぶ る に 周 の完 め を の み 正 し
カ
タク
ナ
コ
タ
の
ギ
ニ
と 思 ふ は 、 い と 固 陋 な り 、 さ て 叉 す べ て 聖 人 の立 た る 祭 祀 の式 な ど も 、 理 を 先 に し て 設 け た る
ノ
さ か し ら 多 し 、 叉 聖 人 は 必 し も 理 に よ り て 設 け た る に は あ ら ぬ式 な ど を 竜 、 後 入 のみ だ り に 理
ロ い
ヘ
トキ ビ
を附 會 して読 な せ る類 も多 し、 さ れ ど そ れ も 皆聖 入 に なら へるも のな れ ば 、本 は聖 人 よ り起 れ
る 事 な り 、 叉 心 だ に 誠 の道 に か な ぴ な ば と い ふ 寄 噛 、 儒 佛 の 意 な り と 余 が い へ る 、 儒 は , 宋 儒
サス ち
の た ぐ ぴ を 指 な り 、 上 に 竜 い へる 如 く 、 宋 儒 も 儒 な れ ば 、 な ど か 儒 と い ば ざ ら ん 、 さ て 此 つ い
で に い は ん 、 近 き 世 に は 、 宋 儒 な ど を 、 聖 人 の道 に か な は ぬ や う に い ふ 儒 者 お ぼ け れ ど も 、 宋
ノ
へ
儒 の 筌 論 理 窟 も 、 古 よ り い ぴ 始 め お き た る 筌 論 理 窟 の、 檜 長 せ る も の な れ ば 、 そ の本 ば み な 聖
入 の罪 な り 、 冫
リ ニノ ナルノ
○古語 一 一有 ご直 情 而 徑 行 者 一
戎 狄 之 道 也 峯 イ ヘリ 云 々
○ もレ此論 の如 くなら ば・直 情徑行にては・壅 轟 乞幕 ざ る故 に乱 の契 これ を治めて犬
ヨル
, ヨラ
島 に な さ ん と て 、 道 を搆 へた る 、 そ の歡 に 縁 竜 の は 、 始 め て 人 島 の人 に な り , 縁 ざ る 者 は 本 の
イヤ
畜 生 島 な れ ば、漢 國 も も と畜 生島 な り し 事 いち じ る し、 然 れ ば 此 子游 が語 は、 戎 狄 の道 を ば賤
庸
アラ シカ
し め な が ら 、 己 が國 も も と 同 じ 戎 狄 な る こ と を 顯 は せ る も の な り 、 そ も く 然 のご とく ,漢 國 ,
マヌカ
も そ の餘 の 國 々竜 、 直 情 徑 行 に て は 、 畜 生 島 を 琵 る 玉こ と あ た は ざ る は 、 天 照 大 御 紳 の御 國 に
あ ら ず し て 、 悪 紳 の あ ら び 多 く 、 人 の心 も あ し く 、.
國 が ら の惡 き 故 な れ ば , 聖 人 の 道 を ほ め ん
ハヂ
と て か 乂 る 事 い ふ は 、 中 々に そ の國 の耻 を 顯 は す も の な り 、 さ て 聖 人 , そ の 國 を 人 島 に な さ ん
シヒゴト
と て 、 そ の 歉 を 設 け つ れ 共 、 み な さ か し ら の強 事 な る故 に 、 そ の功 は な く し てh た 璽 い た づ ら
ウルハ
に う は べ の 丈 餝 ば か り 美 し く な り て 、 中 々 に 人 の 心 も し わ ざ も 、 本 の直 情 徑 行 よ り は 、 は る か
に 劣 り て 、 い よ / \ ま す / \ わ ろ く な り つ 乂、 い よ / \ ま す / \ 治 ま り が た く 、 つ ぴ に は か の
イヤ
賤 し め た る 戎 狄 の た め に國 も こ と / \ く 奪 ぴ 取 ら れ た る は 、 い と ノ \ あ さ ま し き 事 な ら ず や 、
スメラオじ
ポミクニ ロ ム ス ビノ ミ タマ ぱ スグ
然 る に 此 皇 大 御 國 は 、 天 照 大 御 紳 の御 國 に し て 、 産 集 日 神 の御 靈 も 殊 な れ ば 、 國 も 萬 の國 に 勝
ツマ チ ソナハ
へ
れ 、 人 の心 竜 す ぐ れ て 、 生 れ つ き た れ ば 、 直 情 徑 行 帥 申 正 を 得 て 道 は お のつ か ら 備 り た る 物 を 、
く ず 花 下 つ卷 ﹁
二 四 五
﹂睾医 陰﹃ '
蟹劉﹂ヨ﹄﹃ 唱
く ず 花 " 二 四六 .
ナ
ニ マタ カラ ブミ ま
獪 何 し に か は わ づ ら は し く 畜 生 島 の さ か し ら な る教 を 待 ん 、 漢 籍 の後 漢 書 に も 、 皇 國 の や う を
シ
ル セ
セ セ シ
記 せ る 中 に 、女 人'不 レ淫 不 レ炉 、風 俗⋮ 不 二盜 竊⋮↓ 少 ご爭 訟 幡な ど い へり 、 是 は 他 國 の傳 聞 の諡 な れ ば 、
ヨ 、カラブ匳 . シバラ
據 る に た ら ぬ 事 な れ 共 、 難 者 は 漢 籍 の読 な ら で は 信 ぜ ざ る故 に。 姑 く こ れ を 引 り 、 此 時 い ま だ
カルユ
聖 人 の教 を假 こ と な か り し か ど も 、 本 よ り か く の ご と く に て 、 返 り て 漢 國 の人 も 稱 す る ば か り ,
な り し を 以 て も 、 よ う つ の行 ひ の善 か り し 事 を 思 ぴ や る べ し 、 難 者 か N る め で た き 御 図 に 生 れ '
ヵキ シ ブ クヒ
て 、 そ の め で た き 道 を 聞 な が ら 、 獪 え さ と む ぬ は 、 た と へば 、 下 品 な る 柿 の澁 き を の み 喰 な れ
シ ブ ポサ ァ マ
て、 柿 はす べ てみ な 澁 き物 に て、 乾 ざれ ば甘美 く は な ら ぬ物 と心 得 た るが ご と し 、 これ 上品 の
ウ マ シレゴヘロ
柿 の 、 本 よ り 甘 美 き も あ る 事 を し ら ぬ 頑 心 な ら ず や 、 か の 子 游 が 如 き は 、 畜 生 島 の 人 に て 、.皇
シ ブ
國 の 上 品 の 柿 を し ら ざ れ ば 、 皆 澁 き 物 と 心 得 た る も 、 さ る 事 な る を 、 今 の難 者 は 、 そ の 上 晶 め
ナ メコ
ヘロ
ポサ ゥ マ ロ
スヰヂウ
柿 を も 嘗 試 み な が ら 、 な ほ 乾 で は 甘 美 か ら ぬ 物 と 思 ふ は , 例 の 毒 酒 の醉 中 に て 、 物 の 味 も 分 ら
ぬな り け り 、
○ 時 李 大 臣 云 々 '
,.
○哭 の道 をいひた つる漢國 には・此時美 臣 の如 くなる擧 は讐 患 へる にや・例 の蒙 に
ま よ ぴ て、 賣 藥 を信ず る癰 駅 ガ り、 か の漢 國 には 、是 より 甚 し き悪 行 も 古 來 いと 多 し 鏑 然 れ ば
歩
エギ
灌聖 人 の 歡 は 、 た 璽 能 書 のみ に こ そ あ り け れ 、 そ の 功 は さ ら に 見 え ざ る を や 、
カネツク
○ 伏 羲 ノ 作 リ給 へ・ ル八 卦 ハ、 萬 ノ 理 ヲ 包 蠱 シ タ ル モ ノ ナ リ 、
サラナ カタ
○ 八 卦 は 物 を 占 ふ 一ッ の 方 に て 、 た 夐 と と の 二 つ の象 を 設 け て 、 そ れ を 三 つづ 乂 い ろ ノ \ に
瑠 ねち が へて、 纛 にな れ るば かり にて 、何 の深 き 響 胤 事 には あ らず 、売 三 大師 のみ くじ も
フクの
トキ
同 じ 事 也 、 然 る を 此 卦 に 深 妙 の 理 を含 め た る も の 玉や う に 読 な せ る は 、 後 の聖 人 め 、 例 の 道 を
チダ
テ ハブ
深 く せ ん た め の術 に て 、 返 て ト 筮 の太意 を 失 へる 事 な り 、 此 事 は 獪 論 あ れ ど 、 こ Σ に は 畧 け り 、
ρ
カネツク
さ て 此 わ つ か な る 八 卦 れ 、 萬 理 を 包 蠱 す ほ ど の妙 な る 事 を 作 れ る 伏 羲 な ら ん に は 、 何 と て 世 を
治 む る道 を も 作 り て 、 備 へお か ざ り し そ 、 糧 を 治 む る 道 は 。 八 卦 よ り 竜 緊 要 の 事 な る べ き に、
そ れ を ば作 ら ず し て、 八 卦 のみ を 作 れ る 倣、 迂 遠 のし わざ にあ らず や、 叉世 を治 む る道 は, 堯
、舜 に 到 り て 備 れ り と い へ る と 、、
、八 卦 に 萬 理 を 包 蠱 せ り と い へる と は 相 違 せ り 、 も し 萬 理 を 包 盡
し た ら ん に は 、 何 ぞ 道 も 備 ら ざ ら ん 、 叉 堯 舜 に て 道 は 備 れ る に 。 周 公 旦 た ど の 、 叉 そ のう へ に
さ か し ら を 加 へ た る は い か に 、 も し 又 伏 羲 も 堯 舜 悉 周 公 旦 も 、 そ の時 代 の宜 し き を は か り て 、
シワザ
制 作 せ る も の に て, 所 爲 は異 な れ共 、 皆 宜 しき 事 は 同 じ と いは ん か、 然 らば 上古 は 上古 に て、
ン
世 を 治 む る 道 は な く て も 宜 し き な れ ば 、 か の直 情 徑 行 を 何 ぞ 必 非 也 と せ ん 、,も し果 し て直 情 徑
く ず 花 下 つ卷 ご四 七
く ず 花 ・ 二四 八
ゼ
行 が 非 に し て. 周 公 旦 が是 な ら ば 、 伏 羲 も 非 な り 、 堯 舜 竜 な ほ 非 な り と こ そ い は め 、
ノ ナゾラ
○ 御 國 ノ 上 代 鵜 葺 草 葺 不 合 命 ヨ リ 以 前 ヲ 準 ヘテ 見 ヨ 云 々
○ そ も ノ \ 漢 國 に は 、 文 字 な か り し 世 の事 は 、 書 な け れ ば 傳 は ら で 、 詳 に 知 る べ き 由 の な き は 、
シツ
返 て 後 に 文 字 の出 來 た る 失 と い ふ べ し 、 文 字 な け れ ば 、 文 字 な き ま 玉 に 、 冒 侮 へ に て 詳 に傳 は
ユダ マ キエへ
る こ と な る を 、 申 々 に 文 字 出 來 て は 、 萬 の事 を 書 に 委 ぬ る 故 に 、 そ の前 の 事 は 浩 て傳 は ら ぬ な
へ
り 、 然 る に 皇 國 に は 、 天 地 の始 よ り し て 、 上 古 の事 共 の 、 正 し く 詳 に 傳 は り た る は 、 も と よ リ
アヅ シバラ リ シ
大 御 紳 の 御 國 の徳 に し て 、 丈 字 の あ り な し な ど に は 關 か ち ぬ事 癒 が ら 、 姑 く 文 字 の有 無 の勝 劣
に かけ て いは ん には、 中 々に文 字 な かり し故 に こ そ、 詳 に正 し く ては傳 はり 來 つ るな ら め、 此
事 は 上 に も 既 に 委 く 辨 じ た る が 如 し 、 ,
,
ツミ アゲツ カラ
此 書 よ 、 お も ほ え ず 長 々b く な り に け り 、 さ る は 此 ま が の ぴ れ の ぴ が こ と を 論 ら ふ つ い で に、 漢
ノ 、
ヵギイデ
ぶみ の意 に のみ ま よ ぴ を る、 な べ て の世 人 に伽 さ と さ ま ほ しき 事 ど 竜 を も 、何 く れと 書 出 つれ ば
ぞ か し 、 か く て安 永 九 年 の霜 月 の廾 二 日 の 夜 、 と も し 火 の 下 に て か き を へ つ 、
本 居 宣 長
㌧綱」』.
附 録 r
、
・
,
ク コ ム ス ビノ ミ クマ ナリイヅ
○ 或 人 問 萎 、 世 ニア ラ ユ ル萬 ノ 事 ハ、 ミ ナ 産 欒 日 瀞 ノ 御 靈 昌 ヨ リ テ 、 生 出 ル モ ノ ナ リ ト イ ハ ず 、
ノ エ ナリマセ
"ソ ノ 産 欝⋮
爪日晶騨 ハ、 罰入イ・。
ツ レ ノ瀰牌ノ 御 齢黷 ニョリ テ生 坐 ル コ・ 卜。ソ、 、 ・ 丶
ハジ メ
ノ
ナリ
マセ の ノ ダカミ ム ス
○ 答 、 古 事 記 に 、 天 地 の初 發 の時 に 、 高 天 原 に 成 坐 る 祚 の御 名 は 、 天 之 御 中 主 神 、 次 に 高 御 産 集
ビノ カムム ス ビノ イヅ ミ タマ ナリマセ
・ 日 融馴、 次 に 神 産 澱
巣E紳 と のみ見 え て、 此 紳 たち 西 何 れ の
▲御 靈 に より て生 、
坐り と いふ 事 は 、傅 へ
な け れ ば 知 が た し 、 是 の み な ら ず 、 紳 代 の 事 、 叉 常 の 世 闇 の事 分中 に 、 そ の 理 も そ の 事 も 、 は
か り知 が た き は獪 い ど多 かり 、 然 る に そ の知 が たき こと を 、 し ひ て知 ら んと 思 ひ 、 又 し り が ほ
オシバ
カリ
にと か く推 量 てい ふ は、 み な異 國 の道 のさ だ也 、異 國 の道 は、 も と より 佛 聖 人 な ど は、 お の お
リ テ
の萬 物 萬 事 の理 を、 こ とぐ く 知盡 し た る物 と 立 た る道 な れ ば、 何 事 に て竜 知 が た しと いぴ て
タヂ ノ
は 、 そ の道 立 が た き を 、 紳 道 は さ ら に 然 ら ぬ 事 に て 、 祚 と い へ共 、 え し り 給 は ぬ 事 は 有 て ﹂ 伊
ノ
ヒ
邪 那 岐 大 榊 す ら 、 天 つ神 の 御 心 を 問 給 ふ な れ ば 、 ま し て 凡 人 は 、 竜 は ら 古 傳 を 守 り て 、 い さ 丶
か も さ か し ら を ま じ へ ぬ 道 な れ ば 、 傳 へな き 事 、
は、 た 雲知 がた し と し て あ るぞ 、 も とよ り 道 の
躰 な り け る、
くず 花 下 つ卷 '
一
プ四 九
凄
、
d ﹃ 蝋,
く ず 花 ' .
ご 孟○
ヒ ヘルニ ク ニ ニ あ
○ 或 人 の再 問 書 云 、 日 本 貿
=プ兄 弟 婚 シ候 事 、 先 書 御 尋 申 候 所 、 御 答 、 儒 者 ノ 是 ヲ 禽 獸 行 ナ リ 下 イ
フ ハ、 タ 寸 己 ガ 聖 人 ノ 道 ヲ 準 縄 ニシ テ イ フ ノ ミ ニ コソ ア レ 、 實 姦非 ナ ル 證 據 ハ無 キ 事 ナ レバ 、
あ ヒ
シ
畢 寛 漢 國 ノ 私 事 ナ リ 、 モ シ是 ヲ 禽 轍 行 ナ リ } イ ハ 寸 、 漢 國 ノ貴 賤 ヲ エ ラ.
バ ズ 婚 ス ル ハ、 イ ヨ イ
ニ
ミ リ
ヨ禽 獸 行 ナ リ ト ノ 御 辨 論 、 誠 感 心 仕 候 、 乍 去 此 事 、 申 古 以 來 ハ堅 ク 忌 來 候 チ 、 誠 二禽 獸 ノ 所 爲
シ ル
} 、 天 下 ノ 人 モ 存 居 申 候 ヲ 、 不 レ苦 様 }
一被 仰 候 事 、 甚 イ カ 寸 二相 聞 工候 ハ イ カ ニ、
ぬリノ
ニ
じ
ニ
リ
○ 答 、御 不 審 一通 は 御 尤 奉 存 候 、此 事 限 候 は ず 、惣 而 某 が 道 を読 申 候 趣 は 、か の儒 佛 な ど の歡 の 如
ノ スヘ ヒ
ノ
キ
く 、 是 を 今 世 の 人 に 勸 め 候 て、 必 上 古 之 如 く 行 候 へと 申 候 に而 は 候 は ず 、 惣 而 世 中 の事 は 、 善
ギ ヒ . ノ 亀タガヒ γヒテ ヘ ノ
も 悪 懲 皆 紳 の御 所 爲 に 而 、 入 力 に は 叶 が た き 事 の み 多 く 候 物 .を 、今 世 違 て、 張 而 古 の紳 道 を行
はんとし候 は・実 編 の御所爲 靴 き撃 ・驫 んど し候ひ が跫 候・左候 へば犬 の含
ヒ
リ ミ
ヒ ク
の 行 は 、 只 其 時 々 の公 の 御 定 め を 守 、 世 間 の風 儀 從 候 が 、 帥 紳 道 に 而 候 也 p 然 れ 共 叉 其 道 は 如
ノ ル ス スミ ル ナ トキシメ ニ ヘ
レ此 成 物 と 申 事 を 、 心 得 候 ば で は 濟 不 レ申 事 に 候 へ ば 、 是 を 読 示 し 候 は 、 古 の 道 の ま 丶 に 申 候 は
ヒ マサ
で は 叶 不 レ申 候 故 、當 時 の 風 儀 に は か 玉 は り 候 は で 、 此 異 母 兄 弟 婚 候 事 も ,、正 し く 神 租 の 道 也 と
ク
は 申 候 也 、 件 の子 細 を 能 御 勘 辨 候 は Ψ 、 乍 慮 外 御 不 審 は 有 ま じ き 御 事 歟 と 奉 存 候 也 、 此 事 は 獪
ニ リ ス ク ノニ ヘ ニ
世 間 竜 、 某 を 譏 申 輩 お ほ く 可 有 候 へ 共 , 皆 是 儒 佛 の 如 レ此 行 ぴ 候 へ と 教 候 論 と 、 同 樣 心 得 候 ぴ
誤 恥 ハジメニ 毘 キ 呂 彡 ・ 、二
が料 簡 候 ぞ か し 、扨 序申 候 、御 問 目 の首 、 日本 而 と 御 書候 事、 他 國 之 様 聞 え 候 て、 甚 如何 候 也 、
キ
ク ニ
爰 は只 、 上 古 兄弟 云 々 と御 書 候 て宜 候 、 惣 而 かや う の所 、 日 本共 本 朝 共 本 邦 共 吾邦 共 こ と わ り
むカタハラニ イヒブンエ
ニ
候 は 、 異國 を主 に し て、 主 た る べき 吾 を返 り て 傍 成 し候 云分 而 。 大 な る ひ が こと候 を、昔 よ
り 羅 瞬 候 て 、 誰 も 心 つ き 候 は ぬ 故 、 事 の つ い で に申 候 也 、
フ
ヒ
○ 或 人 問 云 、 古 來 紳 事 ナ ド 義モ 、 佛 道 ヲ バ 忌 嫌 事 オ ホ ク 、 儒 道 ヲ 忌 嫌 タ ル事 ハ、 イ マ ダ聞 ズ 、 然
を 岑 直 靈 ノ書 ヲ見 ル ニ, 儒 道 ヲ辨 ジ タ ル コ墾 ノ ミオ ホク シテ、 返 テ佛 道 ヲ辨 ジ タ ル事 ハサ ラ
義見 エズ 、 此 }
義 イ ガ 寧、 佛 ⋮
道 ハ道 こカ ナ ヒ テ 、 害 ナ キ 轟 ヤ 、 響
"
ノ
○ 答 、 佛 法 は み だ り に 造 り た る 物 に て 、 道 に た が へ る 事 勿 論 な れ 共 , そ の 害 あ ら は に て、 よ く 見
ゆ る う へに 、 漢 國 に て も 儒 者 既 に こ れ を辨 じ 、 叉 御 國 に て 近 代 神 道 者 も 、 皆 よ く 知 て 辨 じ お き
ワヅラバ
つ る事 な れ ば 、 今 さ ら 煩 し く 同 じ 事 を い ふ べ き に あ ら ず 、 儒 道 は 、 あ ら は な る害 は な け れ ば 冷
トぐ
あ ら は に忌 嫌 ふ べ き 事 竜 な き 故 に 、 古 來 そ の さ だ は な き な り 、 又 そ の読 も 教 も 、 う は べ は 悉 く
嚇
道 理 にあ た れ る がご と く聞 ゆ る故 に、古 來 入 み な 共論 を信 じ て、 いか に か し こき 人 も 、是 にナ
が ら ず と い ふ こ 乏 な し 、 近 代 に は 紳 道 者 の 申 裟 、ま れ ノ へ こ れ を 難 じ た る 入 も あ れ 共 、 な ぼ そ
ツク ざ ツヒ な オチ
の 根 底 を 盤 す こ と あ 距 拭 ず 七 て 、 そ の い ふ 巴 こ ろ 竜 一 絡 に 侭 皆 か の 意 に落 た り 、 儒 道 は 大 躰 か
くず 花 下 っ巻 ・
二五 徽
.
く ず 花 . 二五 二
く の如 く な る故 に 、古 來 眞 にそ の非 な る こと をよ く知 れ る人 な く , 又 う は べ は害 な き が如 く な
シタ
れ共 、 道 のた め 、下 に は そ の害 の深 く 大 な る こと ,佛 道 に も過 た るも のをや 、
\
ゆ
、
わ が、
師 の大 人 の つみ い で給 へる此葛 花 は しも そ の ころ さ か し 人 あり て酒 の名 にお ふ か ら國 の聖、
のを し へを のみ 價 な き寶 よ る光 る 玉 と愈 きも の に思 ぴ て かけ まく もあ や に か し こ き祚 の御 國 の
ま こ と に たふ と き味 を も え し らず て か の直靈 に立 む か ぴ て醉 人 の ゑぴ ほ こり 狂言 い びは な つ が
こ と われ だ け く いぴ ち ら し は きち ら し た る を いた く にく み給 ぴ て獪 同 じ さま に ゑ へらむ 大 かた
の世 の入 々に も な め て さ めよ と かく物 し給 へるに な も あり け る か 乂る をわ が と も が ら のみ 家 々
に た く は へお き てそ こ か し こと かし つた へ又 か り つた へな ど は す れ ど う つし卷 は世 に ぴう がら
ず てと も し む 人 のみ おほ く か ﹂ る藥 の世 に あ り と し も しら ず獪 ゑ ぴ し れ つ Σあ ら ぬ道 々によ う
ぼ ぴま ど へるも あ るが 心 く るし く て こ たび 板 に ゑら しめ て 世 に ぴ ろ く いゆ き たら は し む るに な
も かく 思 ぴ お こせ る は
尾 張 の 殿 人
市 岡 多 氣 彦
くず 花 下 つ卷 二 五三
ノ 響
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虞 暦 考
帯
キ ヘ ヲハ リ . 柔 ナ ム ヂ
あ ら た ま の年 の來 經 ゆ き 、 か へら ぴ め ぐ ら ふ あ り さ ま は 、 は じ め 終 の き は 玉 な け れ ど 、 大 穴 牟 遲
スクナ ビ コ ナ ソラ クチ ノド
少 名 毘 古 那 の紳 代 よ り 、 天 の け し き も 、.
ほ の か に 霞 の 立 き ら、
ひ て、 和 け さ のき ざ し そ め, 柳 な ど ㌧
アラタ
も も え は じ め 、 鶯 な ど も な き そ め て 、 く さ み 丶 の物 の薪 ま り は じ ま る 比 を な む ﹂ は じ め と は さ だ
め たり け る、
天 はそ ら 、 和 は のどけ し、 漸 はあ ら た ま る、
ハジメ ヘ カ
年 の 首 は 、 ま こ と に 此 時 な る ぺ き こ と わ り い ち じ る き を 、 か ら 國 に て は 、 古 夏 の代 に は 、 今
の胥 を正 月 と せ しを 、睨 の代 に は、 会 + 二月 を 芳 と し、 彫 の代 に は、今 の± 月 を正
メ コトワリ
月 と し て、 お のく そ の月 を年 の始 とす 、 これ を 三正 と いぴ て、 例 の皆 理 あ る事 のごと く い
そ クニノナヲハシ
ぴ な せ ど も 、 ま こ と に は 然 ら ず 、 す べ て 萬 の事 を 、 改 む る を よ き に す る 國 俗 な れ ば . た ゴ
オノ イサヲ ミ ノ
,
己 が 功 を 示 ぜ む と て ぞ 、 か N る 事 ま で 改 め た る物 な る 、 さ て も 世 申 のた め に よ く ば こ そ さ も
あ ら め ・ な れ た る事 の露 か はり 三 ま ぎ ら は しけ れ ば、 曳 に照 麁 ど な り て. よ 童 と
凶
具 一
暦 考
・ 認 二 五 七
馳
眞 暦 考 . 二五八
キ
は い さ N か も な し 滴 さ れ ば こ そ 周 の代 ま で も 、 國 々 の民 な ど は 、 獪 な れ 來 つ る ま エに 、 夏 の
サダ ヲリ
.代 の 定 め の今 の正 月 を 、 正 月 と は し 居 し こ と も 有 つ れ 、 こ れ に て も 、 正 朔 を 改 む る蔵 、 民 の
わ づ ら ぴ に て 、 よ か ら ぬ わ ざ な る事 を さ と る べ し 、 さ て 秦 の代 に は 、 叉 改 め て 、 今 の 十 月 を
カム の
正 月 と せ る を 、,漢 の 代 に な り て も 、 景 帝 と い ぴ し 王 が 時 ま で は さ て 有 て 、 史 記 漢 書 な ど い ふ
トシノハジメ ズ
ふ み に、 歳 首 ご と に、冬 十 月 と し る せ る は、 叉 を か し き こと な り、 も し十 月 を始 と せ ば、 か
ナ
の 三 代 のご と 、 す な は ち 其 月 を 正 月 と こ そ い ふ べ け れ 、 は じ め を し も 十 月 と い へる は 、 何 の
ノ コへぼ カ
意 そ や、 ヒ は歳 の始 は、 秦 のさだ め を も ち ぴ な が ら、 月 の名 は 夏 の定 め に よれ る にや 、 いと
ま ぎ ら は し 、 さ て 武 帝 と い ぴ し が 時 に 、 叉 も は ら 夏 の定 め を 用 ひ て よ り 、 今 の世 に い た る ま
カ オコナ
で 、 改 む る こ ど な し 、 こ は 孔 丘 も 、 夏 の 時 を 行 依 む と い へり し 如 く 、 ま こ と に 然 る べ き わ ざ
ミ クニ メ コヨミ
な り 、 さ て皇 國 に も 、 今 の 立 春 の程 を 春 の 始 と " ぴ て、 年 の始 と せ る は 、 か ら 國 よ り 暦 ま ゐ
力敦 シカ
リ き て 後 に 、 長 暦 を も て 推 へて 、 上 つ代 よ り を 然 定 め つ る物 な、
ら む 、 と 思 ふ は ひ が こ ﹂う え
シカ
な り、 こは暦 に よ る こと なく 、 も と よ り然 有 し こ と、 上 に い へる がご と し、
ギ ヘ ユク ハルナツアキフユ シカ
き て 一と せ の 來 經 行 あ ひ だ を 、 四 つ に き ざ み て 、 春 夏 秋 冬 と そ い ぴ け る 、 こ れ は た 神 代 よ り 然 あ
ギ ユヱ シル アタモカ アツ
り 來 ぬ る 事 な れ ば 、 今 そ の故 は 、 い か な り と も 知 べ き な ら ね ど 、 こ 玉 う み に い は ゴ 、 温 な る暑 き
∼
ズマシ サム
・凉 き 寒 き 四 つ の か は り の あ れ ば な る べ し 、
嫌
鬼ソモく ヒト、セ ヅ ヅキ チ 謬 干 ム・ ヵミ多 キ や望ヒ ワケ
抑 鳳 、
年 は 、 四 月 よ り 九 月 ま で 六 月 夏 、 十 月 よ り 三 月 ま で 冬 と P 二 つ に分 た ら む 竜 、 叉 つ 魚
フタツキ
の ご と 四 つ に て も . 又 二 月 づ X 六 つ に分 て も 、 叉 四 十 五 六 日 づ .
墨 八 つ に分 て も 、 み な 周 じ こ
ツミ キ ツ
と に て 、 難 な か る べ き 申 に 、 四 に 分 れ た る は 、 か な ら ず 然 る ぺ 謹 お のつ か ら の さ ま な り 、 暑
アヒグ アタヘカ
造
き寒
き 申
問
に 、暑
か
らず 寒
から ず ヘて 、 温 な る 時 と 、 凉 し き 時 と の あ れ ば 、 二 つ に て は た ら
ム
ツ
ヤツ
な ヨ
スギ
む アタヘオ
ず 、 六 八 に て は く だ ノ \,じ く て 、 過 た れ ば な り 、 さ て 温 な る 暑 嚢 す 婁 し き 塞 き に ょ り て 分 れ
ナ
カバ
キザヲギヤまヒウヅキ サツキミナヅキフミヅキ
た ら む に つ き て 、 お のノ∼ そ の中 央 を 懲 て な か ば と せ ば 、 二 三 四 月 を春 、 五 六 七 月 を 夏 、 、
ハヅキナガヅキヵミナヅキ シモッキシハス
ムツキ ヤぬヒ フタヘカ
八 九 十 月 を 秋 、 十 一十 二 正 月 を 冬 と も さ だ む べ し 、 三 月 は 温 な る な か ば な れ ば 、\
春 のな
ミナツキ
か ば と し 、 六 月 は暑 き な か ば なれ ば 、 夏 のな かば とす る が如 し、 さ れ ど さ はあ ら で、 皆 そ の
メ ム ッキ メ フミヅキ メ
始 を は じ め と 定 め た る 物 な り 、 正 凋 は あ た Σ か な る始 、 七 月 は す 窒 し き 始 な る故 に 、 春 と 秋
ゑカ
と のは じ め な る が ご と し 、 餘 も み な 同 じ 、 こ れ ら も 紳 の御 心 も て さ だ め ま せ る物 な り 、
フル
漉⋮
春 夏 秋 冬 て ≧ρ名 ど 竜 、 い とく 古 く 聞 え て、古 事 記書 紀 の寄 ど 竜 にも 、 を りく 見え距り、
献
ハルビ
ノ ノ カゲヒメ ナッムシ , ノ イハノヒメ必
春 日 と い ふ て と 、 書 紀 武 烈 御 卷 の 影 煖 の 哥 に 見 え 、 夏 虫 と い ふ こ と 、 仁 徳 御 卷 の磐 媛 命 の 御
ナ ツク
サ トホッアス
カノミヤノクダリ
ソトポシノミお
寄 に 見 え , 夏 草 と い ふ ご と 、 古 事 記 の 遠 飛 鳥 宮 段 の、 衣 逋 王 の 御 嵜 に 見 え 、 秋 の周 と い ふ
一
輿 暦 考 馳
二 五 九
舞
,
眞 暦 考 、 三ハ○
ごと、萬葉氣 二の卷 鳧 欝 の御箆 見 え、籌 といき と、古 事記.
軈.霞.
鰐,の吉野 斷
ズ ピト . -
栖 人'が哥 に見 え たり ﹂ 此 ほ か寄 な ら ぬ は、 獪 ふ るき もあ り、
メ
か く て こ の よ つ の時 を 、 又 は じ め な か ば 末 と , 三 つづ 玉 に き ざ み て 、 春 の 始 秋 の な か ば 冬 の 末 な
ど い へり き ,
ヨツノトキ リスム
上 つ 代 の 四 時 は 。 暦 の 節 氣 の き ざ み と 同 じ く て 、 春 の始 は 、 い ば ゆ る 立 春 の こ ろ な り 、 さ て
立 春 の こ ろ よ り 、 二 月 の 節あ 比 ま で を 、 春 の は じ め と し 、 そ れ よ レ 三 月 の 節 の こ ろ ま で を ,
春 の な か ば と し 、 そ れ よ り 四 月 の笛 の 比 ま で を 春 の 末 と せ り 、 夏 秋 冬 も な ず ら へて し る べ し 、
メ ソノッキ ヒトヘ セ ツキ
さ て か く 三 つづ N に 分 て , 始 な か ば 末 と は い ぴ し か ど 竜 、 某 月 と い ぴ て 、 一年 を 十 二 月 と 窟
む ること はな か り き、
そ の春 の掀 じ め は 、 す な は ち 年 の 始 な れ ば 、 上 に い へ る ご と ぐ に て 、 夏 秋 冬 の は じ め 癒 か ば す ゑ
ソラ
も 、 叉 そ の を リ ノ\ の物 のう へを 見 聞 て 知 れ り し こ と 、 春 の 倣 じ め と 同 じ く て、 天 のけ し き 、 日
イデイル キヨ ■
の出 入 か た 、 月 の 光 の清 さ に ぶ さ な ど に 考 へ、 あ る は 木 草 のう へ を 見 て 、 此 木 の花 さ く は 、 そ の
ネキ ミ オヒ
季 の そ の こ ろ 、 そ の 木 の實 な る は 、 そ の と き の そ の ほ ど 、 と の草 の生 出 る は 、 い つ の い つ ご ろ 、
カ タ リ ハタ イネ
そ の草 の粘 る N は 、 い つ の い つ ほ ど ﹂ し り 、 あ る は 田 な つ物 畠 つ も の に つ き て 竜 、 稻 の か り ど き
一
ムギ ボ
に な る は そ の ぽ ど 、 麥 の穗 のあ か ら む は そ の こ ろ 、 と い ふ ご と く こ 丶う え 、 あ る は 鳥 の と と よ に
ミぴ
アズツま
ゆ き か へる を 見 、、虫 の 穴 に か く れ 出 る を う か f ぴ な ど 、 す べ て 天 地 のう ・ ちに、 をりノ \ にし た が
ゾノトキ
ぴ て ﹂ う つ り か は る物 に よ り て な む 、 某 季 の い つ ほ ど 丶 は さ だ め た り け る 、
上 な る天 は そ ら 、 季 ば み な と 凌、 下 な る竜 皆 お なじ 、 四時 も 四季 と も い ひなら へる によ、
れ り、 某 は そ のと よ む 、
一 サ
後 アヒダ
の 世 に は 唇 と い ふ 物 有 て 、 月 日 の さ だ め は み な ゆ だ ね お く 故 に , 天 地 の間 の物 の う へ を 見
ツネ ぼ
聞 て 、 考 へむ 物 と も せ ず 、 常 に 心 を つけ ざ れ ば 、 見 て も 見 し る こ と な し , さ れ ば 今 の人 な ど =-
カムノクダリ
の 心 に ば 、 上 件 の ご と く し て定 め む を ば 、 お ぼ つか な き こ と と 思 ふ べ け れ ど 、 い に し へ こ よ
ぢ シカ
み の な か り し 代 に は 、 か な ら ず 然 し て 定 む る な ら ひ な り し か ば 、 人 み な よ く 見 し り 聞 し り て}
クガ ナレ
違 ふ こと な かり き か し 、す べ て何 わざ 竜、. 心 を つ け て つ ね 馴 ぬ る事 と 、 心 も つ け ず な れ ざ る
アメ
と と 乂 は 、 思 ぴ の ほ か に 、 こ よ な き か は 軌 のあ る 物 な り 、 萬 葉 集 の寄 に , ぴ さ か た の天 の か
貯 ・此ゆふ蘰 たなびく・羹 つらしも・又・う毒 びく羹 ちぬら セ わが膨 柳貧
シロ.
タへ ,
イモ
れ に 、.鶯 な き つ、 春 過 て夏 來 た る ら し 、 、 白 妙 の衣 ほ し た り 、あ め のかぐ 山 、 妹 が 手 を、 とろ
ドゆネ
し の 池 の 浪 間 よ り 、 鳥 音 け に な く 隔 秋 過 ぬ ら し な ど よ め る 、 み な 見 聞 く 物 に よ り て 、 そ の時 .
广夢手
眞 騨 考 . 三 台
緕 .
引﹄■鋼,
O
眞 暦 砦 二 亠ハニ
オモムタし なヘリ
を し れ る趣 に て 、 上 つ代 の意 に か な へり 、 そ が な か に 、 春 過 て 曳 ふ 大 御 哥 は 、 殊 に 人 の し や
ミオモムふ
ヤ
ざ をす ら見 そ な は し て、 しろ し め し つる御 趣 な る をや 、 此 ほ か に も お ほ かれ ど 、 さ とり やす
き 二 つ 三 つ を あ げ つ、 す べ て 今 の 世 に い た る ま で も 、 哥 に よ む お も む き の み は 、 か ら ご エう
る イニシヘゴヘロ
の さ か し ら は ま れ ら に て 、 お ほ く は 古 意 に か な へる を 、 萬 葉 集 な ど の は さ ら な り 、
ヒト・.
キ 率 へ 、 丿・
窓 て し か 一季 の ・來 經 を ば 、
ゴ 、
ヤマトダケノモ
ぎ ト ミ コタ コ ミ ヤ ズ ヒ え
來 經 は き へ、 き へと は 、 ﹁ 古 事 記 に 倭 建 命 の御 哥 に 答 へ奉 り 給 へ る , 美 夜 受 比 亠 質 のう た
キ フ ゆ キ へ
幽に . あ ら た ま の 年 が 來 ∴經 れ ば 、 あ ら た ま の 月 は 來 經 ゆ く と 見 え 、 萬 葉 集 十 五 の ま き に、
キ ヘ コセ
あ ら た ま の 月 日 も 來 經 ぬ と あ る ご と く 、 年 月 日 いつ れ に ま れ 、 い ま だ 來 ざ り し が 、 つ ぎ
キ .
へ 轟ク 、キ ヘ へ
つ ぎ に 來 つ 乂經 行 を い へ り 、 .
さ て 來 經 と い へば 、 す な は ち 年 月 日 の 經 ゆ く 事 に な り て 。
キ ヘ
フルコト
、萬 葉 な ど に 、 け 長 く と 蕊 ほ く よ め る 愁 、 來 經 長 く に て 、 そ の ほ ど の 久 し き を い ふ 古 言 、
カゾ びイク ケ
ケ ヨミ ヒトヒ ヒト
叉 日 を 數 へ て い ぐ か と い ふ も 、 幾 來 經 、 暦 を こ よ み と つ け た る も 、 來 ﹂經 數 に て 、 一日 一
ヒ キ フ カゾ
ヨシ の ヒトヘキ
キ へ
日と つぎ く に 來經 るを 、數 ,
へゆ く 由 の名 な り 、 さ れ ば今 一季 の來 經 と い へる は、 春 夏
〆
. 秋 冬 いケ れ にま れ ・ ﹂,零 を縡 る膨 こと なり 、 下 に い へる も皆 同 じ こ ち ぞ、
ワケ ヒ ナミ
だ 窟三 つに分 い へる のみ に て、 そ のぽ ど の日次 ま で を、・ い く か の 日 ノ 丶 と さ だ め い ふ こと は な か
、
晶冖鮪嚇戸
乱囎 【
贓
り き ・ さ れ ば 年 の は じ め 翼 の は じ め な ど も 、﹁き は や か に ㍊ 畔 よ り と は な く 、 そ の 日 數 は た 、 か な
イクソ カ オホ
ら ず 幾 十 日 と さ だ か に は あ らず て、
拶
.
み な大 ら か にな む 有 け る、
トキ メ
年 ま た 季 の 日 數 も 、 始 の 日 も 、 き は や か な る 定 ま り は な か り し か ど も う 紳 代 よ り い く 萬 の年
を か経 薦 り ぬ る ・ を のあ ぴ だ に・.かぎ り な 意 中 の人 の中 に は、 か し こく 思 ぴ がね のす ぐ れ
た ら む も 、 さ は に 有 ぬ べ け れ ば 、 暦 は な く と も 、 み な こ ま か に わ き ま へ し る べ き 事 も 、.あ る
オホ ゆ
ま じ き に あ ら ざ れ ど も 、 か ら 人 の ご と さ く じ り た る 心 な く 、 人 の 心 も 大 ら か に な む 有 け れ ばべ
}
駕 鷺 に し む で あ レ 衆 ぬ る 事 を 、 し ぴ て 考 へ し ら む の こ Σう し な け れ ば 、 た ぜ も と よ り の ま 玉
に 、 慧 ら か に て は 過 に し な る べ し 、齟
.さ れ ど お し なべ て のよ の人 のざ とり にも 、 大 か た に ぴと
ヒトヘキ
'と せ ,一季 の 嶺 數 な ど は 、 お のつ か ら 世 々 に ご 丶 う み し り て 、 つ ぎ / \ に い ぴ 竜 傳 ︽、 傳 へた
、一 、 シリ ソノトキ キノフ
﹂.る を 聞 て は 、 み つ か ら も い よ ヅ \ こ 乂う み 知 て あ り ぬ べ け れ ば 、 某 季 の は じ め は 、﹂昨 日 に や 、
ア ス
あ ら む け ふ に や あ ら む 、 明 日 に や あ ち む と い ふ ば か り ま で は 、 お のつ か ら 定 ま け も し け む か ﹁
し ﹂、さ れ ど 獪 、 さ だ か に 今 日 乏 い ふ さ だ ま り は な け れ ば 、 た f 思 ひ と れ る こ 丶う み \ に て 、
此 入 か の入 、 .
一日 二 日 の け ち め は つ ね に あ り ぬ べ し 、 し か た が ぴ ぬ れ ど も , も と よ り 日 數 の
さだまり しなけれ ばど れもかれもたがぴなくて裁 の響 又同じ妻 り き、然 るを裂 の始
藁 暦 考 ゴ ニ六三
卜
、
b呉 暦 考 二 亠ハ四
フツカ グ
月 の は じ め を 、 き は や か に 定 め 、 そ の 日 よ り 數 へて , 二 日 に あ た る 日 を 、 や が て 二 日 と い び 、
. ミ カリ ゾノヒ
三 日 に あ た る 日 を 三 日 と い ぴ て 、 つ ぎ ノに
\ に 皆 か く 、 某 日 ノ\ と 定 め い ふ こ と は 、 は る か に
後 に、 暦 を用 る世 に なり て の事 な り ・ 但 し其 後 も盤 寒 で は、 た 為 婁 曹 など あ み はい
フ
ツカ
ビ ミ カ と
ガ ナ ブ ミ
シ ぞ ケ
フ窒
は で 、 二 日 の 日 三 日 の 日 な ど 玉 い へり と 思 は れ て 、 假 字 書 に は お ほ く 然 書 り 、 こ れ は 古 き口の
心 ば へにて よろ しき は 3暦 を用 ぴ始 めら れ し時 に、 定 め られ し こと な るべ し 、其 故 は、 す ベ
ツ セトソタミ ヂずヨ.
具ツ カゾ ヅイヂ
,て 上 代 に は 、 一一 .
一三 よ り 千 萬 と い ふ ま で 、 た f物 の一 數 を 計 ふ ゐ 名 に こ そ 有 け れ 、 次 第 を い ふ`
ヅイデ ヒトシカく フタシカく でヘ
へ
名 に は あ ら ざ り き 、 物 の 次 第 を 一云 々 二 云 々な ど い ふ は , か ら ぶ み ま ゐ り き て 、 讀 な れ 聞 た
ツイデ
カネモチワ
れ て 後 の事 な り ↓ か ら 國 に て 一二 三 な ど い ふ は 、 數 を か ぞ ふ る に も , 次 第 を い ふ に も 、 兼 用
なジ ツイヂ フ
る 字 な る故 に 、 こ 玉 に も お のつ か ち そ れ が う つり て こ そ ゼ 次 第 を い ふ に も 用 る な ら ぴ に は な
シカ ヘ ン
ト ヒトフタミ
り ぬ れ 、 本 よ り 然 に は あ ら ず 、 古 の書 に 、 物 のつ い で を 、 ︼二 三 な ど 乂 ﹂い へる 例 さ ら に な し 、
.
ゆ ノ ヨ コヘノヨ ヒ トヲカ ド
ヒ ナミ
か の 倭 建 命 に ご た へ奉 り し 寄 に 、 夜 に は 九 夜 、 日 に は 十 日 を と よ め る も 、 日 次 の つ い で に ば
ヨ ヒル コト カゾ
あ ら ず 、 夜 と 晝 と の數 を い へ る 言 な り 、 さ れ ば 日 數 を い く か と 數 ふ る こ と は 、 上 つ 代 よ り 有
ハリマ サ ミ カ と シホ イカシホ
し な り 、 又 み か し ほ 播 磨 は や ま ち と よ め る 、 み か し ほ も 、 三 日 の 日 の潮 に は あ ら ず 、 嚴 潮 の
意 ピ て 、 慰 と い へ る に か け た る 枕 詞 な る こ と ・・古 事 諮 傳 ・ 慰 鶴 認 祚 の と こ ろ に い へ る が 如 し ・
群
僻
ミ カ ヅキ , ツィ享 ミ ヵ
又 萬 葉 集 の寄 な ど に、 三 旧月 と よ め るも 、 三 日 の月 と いふ に は あ らず 、 朔 よ り 三 日 に あ た る
夜 の 月 と い ふ 意 な り 、 さ れ ば か の 二 日 の 日 三 日 の 日 な ど 鼠い へ る も 、 二 日 に あ た る 日 、 三 日
フツカ ミ カ
・に あ た る 日 と い へ る 意 を つ 薗 め た る 名 な り 、 然 る を後 の世 に い た り て は 、 た f 二 日 三 日 な ど
ヘ
コト
カサ
ヘ コ、ロ
陀 の み い ひ て 、.古 の ま 製 に い ふ を ば 、 か へり て言 重 な れ る ご と 思 ふ ば 、 も は ら 古 の 意 を う し
クダ ナホシカフルコト
ワ
な へ る故 な り 、 そ も ノ \ 暦 を 用 ひ 始 め給 へる こ ろ は 、 や Σ降 り ぬ る 世 な り し す ら 、 獪 然 古 言
トキ .ヒ ナミ
の 意 を う し な は ざ り し を 思 へ ば ﹂ ま し て 上 つ代 に は 、 季 の う ち の 日 次 を 、 い く か ノ \ と 定 む
ヒトビ
る 事 の な か り け む 窓 、 う べ に ざ り け る 、 竜 し 定 め む と す と も 、 一日 ノ \ に 名 つ く べ き 詞 な か
ミ ソ カ
ら む を 、 し ぴ て 名 づ け む と せ ば 、 後 に む 月 き さ ら ぎ な ど い ふ 月 の名 の ご と く 、 三 十 日 の 名 を }
トキ メ、 ソノヒ
こ と ご と く ま う ガ ず ば あ る べ か ら ず 、 さ れ ど そ れ ま で も あ ら ず 、 浸 の 季 の始 を す ら 、 其 日 と
ヒ
ぱ 定 め ざ り し か ば 、 つぎ ソ 丶 の日ど 竜 丶、 いか で かは さ だ あむ 、 あ る人 と ぴけ ちく 、 も し 日
ロ ナ ミ オヤ ガ
次 のさ だ ま り な か ら む に は、 海と へば親 など の み ま かり たら む 後 な ど も、 年 々いつ れ の日 を.
か 其 日 と は 定め て 、し の び も し な む 、こ た へけ ら く 、上 つ代 に は 、さ る た ぐ ぴ の 事 共 も 、 た f
ソノトキ オホ ,
ソノツキ ソノヒ
某 季 の
そ の
ほ 芝 N
、 大 ら か に さ だ め て 、 こと たれ り し な り 、 後 の代 のご と、 某 泪 の某 日と 宀
蕉
む るは ・警 芝 似盗 ど も、 凡 て暦 の爨 鬚 は、年 の めぐ り と はた が ぴゆ き て、 ぴと マ
曇 黶 考 . ' 三ハ五 塵
■
皆パ
暦
考・ ・ ⋮ 二六亠
ハ
噸
コ ゾ ヤ
ヨヒ ツ
ゴモ
リ コト
シ タガ
か ら ね ば 、 去 年 の 三 月 の晦 は 、 今 年 ぱ 四 月 の 十 日 ご ろ に あ た れ ば 、 ま こ と は 十 日 ば か り も 違
ぴ て 、、
月 さ へ其 月 に あ た ら ぬ を り も あ る な れ ば 、 申 々 に 其 日 に は い と う と く な む あ る を . か
の 上 つ 代 の ご と く な る と 嚢 は 、 夥 基 の う せ に し は 、 屹ノ
嵐 の鰲 葉 の ち り そ め し B ぞ か し ・ な ど
と さ だ む る 故 に 、.
年 ご と に 其 日 ぱ 、 ま こ と の其 日 に め ぐ り あ た り て 、 た が ふ こ と な き を や 、
憶 れ ば こ は 、 あ ら き に 似 て 、 か へり て い と 琅 し く 鵜 し く な む 有 け る ・ 根 て 過 に し方 ・ 又 ゆ く
末
ヂカ
ソノ イ ク
カ ソノ
の事 を 、 い つ と さ し て い ふ べ き を ば 、 近 か ら む 事 倣 、 某 事 の 有 し は 、 ⋮幾 日 さ き 、 某 事 のあ
ら む は 、 いま鬱 と い ひ、 あ るは彰 鬱 ま へ、 そ の裂 のそ の ころ ・ 蓼 の有 し ・.霧 募
む トキ ソノ トホ
日 あ り て、 そ の季 のそ の ころ 、 某 事 のあ ら む、 など ぞ い ぴけ む 、 され ど 遠 か ら む 事 は、 さし
ノ ヒ ナミョ
亀 お ほ く の 日數 を か ぞ ふ べ き に も あ ら ず 、 ま た 日 次 の 定 ま ら ざ り し 世 に は 、 い く か の 日 と い
き と なけ れ ば 、 誌 ま で義 ぬ言 にも あ ら ざ れ ば ・ た 曇 甲 の墾 のそ のほξ ・ 書 と
し のそ の謬 そ の ころ と い ひ、 あ
`
る は いく解 き の、 翳 のそ の ξ ・ い ま いく と 若 ての
トキ
ト ポ
ムカ
シ ソ
ノミ
ヤ アメ シタ
年 の 、 そ の 季 の そ の ほ ど な ど い ふ べ し 、 な ほ 遠 き 昔 の事 な ら む に は , 某 宮 に 天 の 下 し ろ し め
ミ ョ イクトセ
し 丶御 代 の、 幾 年 と い ぴ し 年 の そ の ほ ど な ど い ぴ け む 、 か く さ ま に い ふ は み な 、 年 を も 日 を
も 、 そ の數 を か ぞ へ て い ふ な れ ば 、 上 つ代 の こ と ば な り 、 か 邸れ ば 上 つ御 代 く の年 を 、 元
ず
フミ シル ヨミ
年 二 年 三 年 な 38玄 、 史 に 記 さ れ た る も 、 訓 に 心 得 あ る事 ぞ 、 ま つ 元 年 は 、 も じ の ま 玉に は じ
め の と し 、 と よ み て よ ろ し ぎ を 、 二年 三 年 よ り は み な 、 颯 筋 を も て い へる 鷲 な れ ば ・ も じ の
まミ ミ クニ ヨミ
ま Σに 訓 て は 、 皇 國 の 詞 つ か ひ に あ ら ず 、 ふ た と せ と の み 訓 て は , た ゴ 数 を か ぞ へた る の み
遭
の詞 に て、其 年 を さ し て いふ に な らず 、 叉 ふ た つのと し と 訓 て は, 年 と い ふ物 の二 つあ るを、
ハジメノトシ
い ふ 詞 に な り て 、 さ ら に か な は ざ れ ば な り 、 さ れ ば 元 年 よ り の數 を か ぞ へ て 、 ふ た と せ に あ
シカ
た ると し 、 叉 は ふ た と せ と い ぴ し と しな ど い ふぞ , 上 つ代 の こと ば なれ ば、 今 も 然 よ む べ き
こ と な り 、 三 年 四 年 よ り 後 も 皆 同 じ 、 然 る を 近 き 世 の入 の、 文 な ど に 、 年 號 月 日 を か く に 、
ソノ フタ ミ ミ クニ ナカムカシ
某 年 號 の 二 つ の年 、 三 つ の 年 な ど Σか く は 、 皇 國 の詞 の つ か ひ ざ ま を し ら ざ る な り 、 申 昔 ま
シカもケ モ
ソノ
で の文 に は 、 然 書 る こ と は な く て 、 某 年 號 の 二 と せ に あ た る 年 、 あ る は 二 と せ と い ふ と し 、
カケ ヘ コ・"コトN O "
な ど 乂のみ 書 り 営 , こ れ 古 の 意 言 の 殘 れ り し な り 、 此 こ と ば つ か ぴ は ,塩年 を い ふ の み に あ ら
●
ツイヂ ミ クニ 。
ず 、 何 事 に も そ の次 第 を い は む に は 、 皆 か く さ ま に い ふ ぞ 皇 國 の な る
ヨ トギ ツキ は ソラ ミチ
さ て 此 四 時 の め ぐ り に は つ か ず て 、 外 に 又 月 と い ふ こ と の あ り て 、 天 な る 月 の隔 滿 み か け み 、 見
ヒトツキ
え み 見 え ず み す る 一 め ぐ り を , 一月 と せ り 、
ミ ヤ ズ キ ヘ エク
上 に 引 る 美 夜 受 ひ め の 哥 に 、 あ ら た ま の月 は 來 經 行 と あ る は 、 此 月 な り 、
眞 磨 考 . 二六 七
4
眞 .磨 考 ︹ . 三 ハ八
そ の 昏 だ め は , 一月 を 三 つ に き ざ み て 、 つ い た ち も ち つご も り と 塾 へり , そ は ま つ 西 の方 の 室 に 、
,
﹄
ガ ヌ
日 の入 ぬ る あ と に 、 月 の ほ の か に 見 え そ む る 比 を始 と し て 、 そ れ よ り 十 日 ば が り が ほ ど が け て,
ヅイ鋤チ .
タチ 、
月 立 と い へ,
り 、 月,
のや うノ\ に立 ゆ く ほ ど なれ ばな り 、・
月 立 は つ いた ち 、 8
。
.狒.の始を定む耄 ≒ 鬚 にはか氤 らず・今の菷 眷 にまれ、蓄 の測 ま鯉 拶
' メ ● ・
ツゴモリ
月 の見 え そ む る a を 始 と せ サ 、 唇 に 朔 と す る 日 は 、 い ま だ 月 見 え ざ れ ば 、 な ほ 晦 の末 な り 、
か ら國 に ては ・ 合 朔 と い ぴ て・ 月 と 日 巴 ま さし く .
副ト嬲 に 剣 て ・ い さ 乂 が 竜 月 の 光 の 見 え ざ る
ミ ヘ
クニ ヘダ
り
ツギタチ
疑 を 、 朔 と は す め れ ど 、 皇 國 の古 は 然 ら ず 、 つ い た ち と は 、 月 立 の 意 に て 、 丹 の そ ら に 立 て
タツ ツ ず
慧 ゆ る を い ふ な り 、 立 と は 室 に 見 ゆ る を い ふ 、 霞 霧 な ど の 立 は 、 下 よ り 立 のぼ る を い ふ を 轡
クダ タツ キノフ
こ れ は 西 の 方 へ 下 る こ う な れ ば 、 立 と い ふ 意 た が へ る に 似 た れ ど も 、 昨 日 ま で 見 え ざ り し が .、
禰 め て飴 るぱ ・ 激 ぼ るに 同 じ 、 さ てや うぐ に部 に高 く見 え ゆ く ころ を かけ て 、 ぴ ろ く
ッイタチ ノ ミ ヤ ズ ヒ メ ツキノケガレ、
悔 月 立 と は い へり 、 倭 建 命 の 一 美 夜 受 比 賚 の お す ぴ の す そ に 、 月 水 の つ き た る を 見 そ な は し て 、.
ヅギクチ コ
ゾラ ツ ツイタチ
月 立 に け り と よ ま せ 給 へ る も 、 天 の 月 の 立 に よ せ て 、 月 とは の た ま へ る な り 、 月 立 と い ふ 事 3
クツ リ スムリ シウ
これ にて 心得 べ し、 ざ て春 の立 、 秋 のた つな ど いふ は 、 かち 國 に いは ゆ る立春 立 秋 よ り出 た
婀
臙 脚 撫鬲冂μ 帆隅「
しち
讐トバ ツ ﹁ 隔 ム ツキ
る 誉 か 、 叉 は こ の 月 の
立 よ り う つ れ る か 、 わ き ま へ が た し 、 萬 葉 集 に 、-正 月 た つ と よ め る は .
ゆト スギユク コノツキ
O
月 のた り を い へる なり 、 .
・叉 今 の 世 の 言 に 、 月 日 の た つ と い ふ は 、 過 行 こ と に て 、 こ は 今 月 の
タツ サキ スギ コトバ
立 を 、 先 の 月 の 過 た る 方 へう つ し て い ふ 言 な り 、
トヲカ カタチ ミヂ ツイタチ ハジく
さ て 中 ご ろ 十 日 ば か り が ほ ど を 、 も ち と い へり 、 月 の 形 の 滿 た れ ば な り 、 そ の中 に 、 月 立 の初 よ
トヲヵアマリヨカイツカ モチ
り 十 四 五 日 に あ た る 日 の 夜 の 月 は 、 望 の き は み な り 、 ・
'十 四 五日 は と を かあ ま り よ か い つ か、 望 は も ち 、
ミチ コヘロ ミチ
ナカゴむ
もち と は滿 て ふ意 に て、 月 の滿 た る を い ふ名 な り 、中 旬 のあ ぴ た み なが ら 、 室 の月 ま さ し く
マむ カケ シカ モチ キハ
圓 に は あ ら ざ れ ど も 、 缺 た る 所 な く 、 や エみ ち た れ ば 然 い ふ な り 、 さ て 今 望 の 極 み を 、 十 五
ツイタチ
六 日 と い は ず し て 、 十 四 五 日 に あ た る 日 と い へ る は , 上 つ代 の朔 は 、 暦 の 二 日 三 日 ご ろ な れ
ば な り・ さ て伊 勢 物 語 に・ そ の ころ み な 月 のガ ち ば か レ な りけ れ ば とあ るは 、賺 を ひ ろく
ロ
ミナヅキ ナヵゴロ ヘ コトバ
い へり 、 六月 へか け て い へる は 、 後 の 詞 な れ ど 、 申 旬 を も ち ば か り と い へ る は 、 古 の言 の の
ごれりしなり・又萬墓 集三 の卷 の箆 ・窶 の讃 の雪 の事 を、薄畢 奮 簿 ぬればとよめ
イニシヘストバ
り 、 室 の 月 の事 な ら で、 .十 五 日 を もち と いび し は 、 これ も 古 言 なり 、
さ て末 吉 ば か り が ほ ど を、 巖 贐 と い へり ・ 月 のや う ー に隴 り拷 ほ ど なれ ば なり ・ そ の中 讐
臣
呉
一暦
考 、 .
二六九 .
醗
σ
丶
眞 暦 考 ・ 二七〇
ゾ み .
、 ツゴモリ
十 日ご ろ にあ た る夜 は、 月 隱 のき は み なり 、
月 隱 は つご も り、
ツ
此 ほ ど に 、 月 の出 る こと お そ く な り て 、 や う / \ に見 ゆ る こ と す く な く な り ゆ く 故 に 、 月 ご
ツキゴモリ めもロ ちり
も り と い ふ 、 つ ご も り は 月 隱 の意 に て 、 月 の か く れ て 見 え ぬ を い ふ 名 な り 、 さ て 暦 法 に 依 て
の
ソラ キ へ
見 る に 、 天 の 月 の 一め ぐ り の 來 經 は 一 廿 九 β 六 時 あ ま り に て 、 廿 九 日 に は あ ま り 、 卅 臼 に は
イデイルトキ サキ オソ フクツキ
た ら ざ る故 に、, 卅 日 と 定 め て 見 れ ば 、 月 の出 入 時 の、 先 の 月 よ り は 遲 く な り て 、 二 月 の ほ ど
,
フクツキ ヒLツキ
に は 、 お ほ か た 一日 た が ふ故 に 、 暦 に は 大 小 の月 を 分 て 、 二 月 に 一 .月 を ば 廿 九 日 と し て 、 晦
輪 ミ クニ
ツ
朔 を と ﹄ のふ る事 な れど も 、皇 國 の上 代 には 、す べ て 日數 に か 玉はら ざ り し故 に 、 た ゴ室 の
ツイタチ ヒ トサ ケ フ キ ノ フ ア ス
月 を 見 て 、 朔 の は じ め を 、 一人 は 今 日 ぞ と 思 ひ 、 い ま ぴ と り は 昨 日 ぞ と 思 ひ 、 今 一人 は 明 日
タガ ワケ ッゴモリッイクチ
ぞ と お も ぴ て 、 心 々に定 め て も、 み な逹 ふ こと な かり し かば、 大 小 を分 ざ れ ど も 、 晦 朔 の
み だ れ 行 こと な かり き 、
ヒトツキ イヅ ッノヂ
か く し て 一月 と は 定 め た り し か ど 竜 、月 々 の 名 も な く こ れ は 何 れ の 月 を は じ め を は り と い ふ 次 第
ヨツノトキ ヒトツキ ヘ コトぐ
も な く 、 四 時 に も つ か ず 、 た 貸 一月 ノ \ と 經 ゆ く の み に て , ナ ベ て 年 の め ぐ り と は 別 事 な り 身 、
トヲマリフタ ヒトヘセ ブ け キ ヘ ト ヲカ
さ る は こ れ も 十 二 た び め ぐ れ ば 、 大 か た に 一年 な れ ど も 、 年 の 來 經 と ば 、 十 日 あ ま り 日 數 の た ら
觚
ぎ る 故 に、
ヵムノクダリ の
ゴキ
、 年 の 一め ぐ り は 、 暦 の 立 春 よ り 立 春 の 比 ま で な れ ぜ 、 三 百 六 十 五 日 三 時 に て 、 上 件 の 十 二 月
の日數 、 三百 五十 四 五 日 な る と は、 十 一日 ば か り の け ち め あ り 、
U
ヨツノトキ ハジメヲハリ
ユキ ロ
ソラ
つ ね に 四 時 の 始 終 と は 、 お く れ さ き だ ち つ 丶行 た が ぴ て 、 た と へば 秋 の も な か の こ ろ 、 天 の 月
ツゴモリ ツイタチ
は 、 月 隱 ⋮の 末 月 立 の は じ め な ど の 時 も あ り け り 、 さ れ ど も と よ り こ と 事 に し 有 け れ ば 、 か れ は か
、 れ これ は これ に て、 か ﹂はら ず なむ 有 け る、
コト ウルフツキ クハ
か く 二 か た 別 こ と に て 有 け れ ば 、 閏 月 と い ふ 物 を加 へざ れ ど も 、 年 の め ぐ り の た が ぴ ゆ く こ
と な かり 琶、
カタ キ ヘ ッイタチモチッゴモリ ナカゴロ
か く て こ の 月 と い へ る 方 の 來 ∴經 も 、 朔 望 晦 、 ま た は は じ め つ か た 申 頃 末 つ か た 、 と も い へ る の
ヒ ナサ
ヘ
へ
み に て 、 こ れ は た いく か の H ノ \ と い ふ 日 次 は な か り き 、
コノ ヒ ナミ ナカムカシ
此 、 一月 を 三 つ に 分 い へる の み に て 、 日 次 は な か り し 定 め は 、 中 昔 ま で か つゐ \ の これり と
ノ
見 え て、 古 今 集 春 下 、 な り ひ ら の 朝 臣 の 寄 の 詞 書 に 、 や よ ひ の つこ も レ と 有 て 、 哥 に は 、 春
は い く か も あ ら じ と 思 へ ば と よ め り 、 そ の こ ろ ま で も 、 月 の 末 つ 方 を ぴ ろ く 晦 と い へり し 故
働
`
ミ ソ カ マへ
に , 三 十 日 の 日 よ り ば 前 の事 な れ ど も 、 詞 書 に は 晦 と い へる な り 、 然 る を後 の世 の釋 に は 、
眞 暦 考 二 七 一
/
﹂眞 暦 考 ・ 二七 ニ
ソ
ミ
カ
シカ へ
卅 日 の 日 な れ ど も 、 哥 に は 大 ら か に 然 よ め る な り と い へ る は 、 古 の こ と をし ら ず て の お し あ
モノガタリブミ ロ
て な り 、 さ て 叉 物 語 書 な ど に 竜 、 一月 を 四 つ に 分 て 、 朔 十 日 廿 日 晦 、 と ひ ろ く い へ る 事 巻 お
ミナ帆キ
ぽ し 、 い せ物語 に、 上 に引 るご とく 、 六月 のも ち ば か り と い へる は さら にて 、 叉時 は や よひ
の つ い た ち 云 々、 む 月 の 十 日 ば か り の ほ ど に 云 々、 さ つ き の晦 に 云 々、 し は す の 晦 に 云 々、
時 は み な 月 の つ ご も り 雪 々、 か み な 月 の 晦 が た 云 瓦 時 は や よ ひ の晦 な り け り な ど い へる ,
ツゴモリく
後
の世 の ご と く ﹂ み な 一日 に か ぎ れ る 名 な ら ま し か ば 、 か く お ほ く 晦 欧 な ど 玉、 同 じ 日 を
ノ
のみ いはま し や は 、 又 か げ ろ ふ の日記 に、 つ ご も り に成 ぬれ ど 、人 は卯 花 のかげ にも 嵬 えず 、
スヱツカタ カレ
廿 八 日 に ぞ 云 々、 こ れ 竜 晦 に な る と は 下 旬 に な れ る を い ふ な サ 、 故 下 に 廿 八 日 に ぞ と い へり 、
ノ フヂノウラバ ウ ヅキ ノ
叉 源 氏 物 が た り 藤 末 葉 の 卷 に 、 四 凋 朔 ご ろ と い へ る 所 に 、 七 日 の夕 月 夜 と い へり 、 又 う き 船
卷 に 、 朔 ご ろ の夕 月 夜 と も い. へり 、 ま さ し く 朔 の 日 な ら ば 、 夕 月 夜 と い ふ ば か り 、
一月 は見ゆ
ノ
を
べ か ら ず 、 ま た 榮 花 物 語 若 水 卷 に 、 朔 も 過 ゆ け ば と い ぴ て 、 十 日 の ぴ る つ か た と い へり 、 C
ハ ジメツカタ リ
れ も 朔 と は 、 上 旬 を い へる さ ま な り 、 又 鳥 邊 野 の 卷 に 、 十 二 月 廿 二 日 の 事 を 、 つ ご も り に な
り ぬ れ ば と い へり 、 又 狹 衣 に 竜 、 晦 に な り ぬ れ ば と い ぴ て 、 霧 ふ た が り て 月 も さ や か な ら ぬ
ミソカ
と い へり 、 も し 卅 日 の 日 な ら む に ば 、 月 は あ る べ か ら ず 、 こ れ ら を も て し る べ し 、 上 つ代 の
定 ま り め 心 ば への殘 れ り し な り、 此 ほ か十 日比 骨 日 比 と いひ て、 ひ ろく 用 ひ た るも お ほ く見
鬱
ゆ 、 そ れ も 心 ば へは 同 じ こ と な り 、 叉 今 の世 に も 、 月 の 内 を 、 始 つ か た 中 ご ろ 宋 つ か た 、 と
警 ふ こと あり 、 月 に のみ い ぴ て、 ほ か の事 には を さー い は ぬ こと ば なり ・ これ も薮 謙
め 玉 これ る な る べ し、
瀞
カ・ 多 リ ‡ ・爵 ツキナミ ヒ ナミ 垢ラ
そ も / \ 上 の件 の ご と , 季 の は じ め な ど も 、 き は や か に は あ ら ず 、 月 次 も 日 次 も な く 、 又 か の 天
認トコト . シカ
の月 に よ る月 は有 し かど 竜 、 別 事 に てあ り つる な ど、 す べ て事 たら は ぬに似 た れ共 、 然 思 ふは 、
よ うつ こまや か に こち たき をよ き にす る、後 の世 の心 に こそあ れ ・ 上 つ代 は 犬 の 渚ζ ろ 様 も・
た ぼ ひ ろく 大 ら か にな む 有 け れ ば、 さ て事 は た り、
す べ て世 の事 は、 あ れ ばあ るま 乂に尹 隴 よ く はあ めれ ど 、 叉 あ るま 丶に わづ ら ひ も葺 そ ふ を・
ドなけ れ ば、 な き ま 瓦に事 は た り て、 わづ ら ぴな き は、 か へり て ま さ れ る か たも あ る物 な り 、
たと へば今 の世 に、 山 導 へのぼ る坂 な ど に、 道 のほ ど を こま か に き ざ み て・灘 彫 帥 だ\ と し る
せ識 叢 た ると ころ、 こ ふ しこにあり、また蘿 には、潅 く髷 齶 と いふ物有 て・ い
オホミチ
づ れ も 行 か ふ 人 の た づ き と な る を 、 既 大 道 ゆ く 人 は 、 一里 塚 に て 事 た り て 、 か の 一町 ごど の・
タ ヅキ
し る し な く て、 手 着 あ し と は ざ ら に 思 は ず 、 叉 な べ て の 道 に は 、. 一里 塚 だ に な き が 多 か れ ど 、
貴 暦 ・考 鴨
二 七三
尋
眞 暦 考
. .
二 七四
これ は た な き ま 丶に事 はた り て あ ら ま し か ば、 と は 思 は ぬ がご と し、
キ ヘ アハ アメツチ
ま た か の 室 な る 月 に よ る 月 と 、 年 の來 經 と を 、 し ぴ て ぴ と つ に 合 す わ ざ な ど も な く て 、 た 璽 天 地
のあ る がま 瓦に てな む有 け る、
フタカタ
此 二 方 を 、 暦 に 一つ に 合 せ た る は 、 い と 宜 し き に 似 だ れ ど も 、 翫 こ と は 天 地 のあ り か た に は
あ ら ず 、 も し ﹄ か 一 つ な る べ き こ と わ り な り ぜ ば 、 も と よ り お のつ か ら ひ と っな る べ 老 に 、
コトく
ぬり
さ は あ ら で、 お く れ さ き だち 行 た がふ は 、 必別 事 に て有 ぬべ き こと わ りあ る こと な るべ し 、
カミノクダリ ・ キ へ 。 ッタヘゴト
さ て 上 件 、 上 つ 代 の來 經 の さ だ ま り を い へ る 、 さ る古 き 傳 読 の あ る に も あ ら ず 、 お の れ と し 、
ご ろ、 此 事 を いふ か し く 思 ぴ わ たり て、 年 月 か にか く に思 ぴ めぐ ら し て、 お も ぴ え つるお も・
り
む き なり 、 され ど そ は獪 いか に有 け む , 今 お し は か り に ば し る べ き にあ ら ず と、 う け ぴか ぬ
人 か な ら ず 有 べ け れ ど 、 か な ら ず か く あ ら で は え あ ら ぬ わ ざ ぞ か し 、 '
スま
ロギ リ ツク サヅ
ノカミ
こ れ ぞ こ の天 地 の は じ め の時 に 、 皇 組 祚 の造 ら し て 、 萬 の 國 に 授 け お き 給 へ る 、 天 地 の お のつ か
クク ヤ ホヨロヅチヨロ
ヅトシ へ
ら の暦 に し て 、 も ろ こ し の國 な ど の こ と 、 人 の坊 み て 作 れ る に あ ら ざ れ ば 、 八 百 萬 千 萬 年 を 經 ゆ 、
マコト
け ど 竜 、 い さ ︾か も た が ふ ﹄ し な く 、 あ ら た む る い た つき も な き 、 た ふ と き め で た き 眞 の暦 に ぽ
宥 け る、
皇 租 は す め ろ ぎ 、 い ざ な ぎ の 大 神 い ざ な み の大 神 を 申 す ,
も ろ こ し の國 な ど の暦 と い ふ 物 は 、 神 の な し お き 給 へ る に よ ら ず て 、 聖 人 の お の が 心 も て 作
サヅ ば
にカムノクダリ
の て 、 民 に時 を 授 く と か 、
'こ と よ げ に い ふ め れ ど 、 上 件 の ご と く , 天 地 の お のつ か ら な る こ
よ み に て、 民 は擲 け ざ れ ど も 、時 を ば みつ から よく し る こ走 て・ まつ 拳 ま き お き し嘉
の花 の響 を見 ては 、 欝 曝 を しり 、 つくり おき 舞 の繍 のあ か らむ 霓 ては ・ 田 標 る と き
イネ カリドキ
ムギ
を し り 、 又 そ の稻 の 刈 時 を も て 、 又 麥 ま く 時 を し る が 如 く , 年 々 に か く し も て ゆ か ば 、 い か
ヲシ
で か 其 時 々. の し り が た き こ と は あ ら む 、 教 へず て有 べ き 事 を 、 な ほ こ ち た く を b ふ る は 、 す
べ てか の羆 のく せ なり か し、 ざ てそ の暦 は 、 月 の奈 と緊 ぎ 耄 ・ 朔 晦 と節 氣 と 轡
ぬご と や 、 ひ と つ に あ は せ も てゆ く な ど 、 い耄 拶 はあ めれ ど 庵 狢鑾 など い ふ ︾
﹄と有
て、數 +年 を組 ぬれ ば、 颪 と いふ程 づ 鳬 が ぴゆ く を・ 後 の世 に は ・-
つぎや 髭 たくみ
く は し く 成 ぬ れ ど も 、 考 へ つく す こ と あ た は ざ れ ば 、 を り ノ \ に そ の暦 あ ら た め ず
ては え あ
らず、 譱 斗七星 の斗柄、 いにし へは、ヂ の月にはヂ のぞ 轡 鳶 の月に舞 の拶 駕せ
りとい へるを、今 の世には、罵 の月 舞 のかたには轡 ず て、鵬 の甥 愚 すと い へりど れ
ミダ リゴ ト
妄 論 にあ らず 、た し か な る こと な り 、さ れ ば か 丶るこ と竜 、數 干年 を經 れ ば 、か く た が ぴ ゆ く ﹂ /
眞 暦 考 ﹁ 、 ' 二七五
敷
ゆ
倶 一暦
考 ﹂
・
二 七亠
ハ
こ 乏 と 見 え た れ ば 、 こ れ ら の 外 に も 、 今 ま で は た が ぴ な く て 、 考 へ得 た り と 思 ふ こ と 璽 竜 玉、
ま た 數 干 年 を 経 な む 後 に は 、 た が ぴ ゆ く べ き こど お し は か ら れ た り 、 か く い へば 月 日 星 の め
ッイヂ ミダ ・シカ
ぐ り 竜 何 も 、 後 に は 次 序 な く 、 み な 亂 れ ゆ く べ き に ゃ 、 と う た が ふ べ け れ ど 。 然 に は あ ら ず .、
へ
す べ て月 日 星 のめぐ り は、 皆 さ だ ま り有 て、 いく 萬 代 を經 . ても 、 いさ Nか も た が ふ物 に は あ
シカ
ら ざ れ ば 、.數 干年 のほ ど に た が へる こと も 、然 た が ぴも てゆ き て は、 叉 み な 本 へか へる事 に
て、 そ れ もす な はち 定 ま り のう ち な れ ば、 ・ま こ と に た が ふ に は あ ら ざ る を 、 た が へり と 思 ふ
イノチ ソラ カタチ
は 、 た と ぺ ば 十 日 ば か り の 命 な ら む も の L、 天 な る 丹 の 、 形 も 出 入 る時 も 、 夜 ご と に か は り
行 を見 て、 いた く た が ひゆ く 物 か な 、 か く し 竜 て行 て、 後 に は いか にな り ゆ き な む、 と う た
が ふが ご と し ・ お のが響 みじ か く て・ 螽 霧 とく なり か へる を、 覧 ざ る か ら の箏 な
り ・然 れ ば暦 法 と いふ 物 は・ 數 萬 年 を紺 三 か の數 千年 の崔 た が へる事 驀 の、条 に黴
へ
る を 、 い く た び も 經 ζ こ ろ み ず は 、 ま こ と に 考 へき は め む 事 は 、 え み る べ か ら ず 、 又 考 へ の
ク ハシ
精 く な り 竜 て ゆ く ま に ノ \ 、 さ き の考 へ の た が へ◎
る事 の、 つぎ く に 見 え し ら れ つ 乂、 つ ひ
に ㍊ る ポ あ る べ く も あ ら ぬ は 、 こ れ 遇 又 、 お も ほ え ず や う / y に 本 の方 に か へり め ぐ り て 、
禦 し かた の織 し と 見 し は、 な かー に纏 かり け る事 の、 あ ら は れゆ く肇 け り 、 かく し て つ
ひに本 の礬 禦 潔 な纛 にぞ、趨 の上 つ代 の誉 か硲 け る定まり のレ蓐 る誉 警
ど り套 かし、但と れらば、事 のこ 老 を つくじ 藷 ぎ り・それま でもあらず・ち かく,
は つねに、契 の節氣と、拶 月憶 る月とを、拶 く 象 す ことあたは貯 隊響 おかむ 弔
とす るきはには、
・祭 穿 がぴ套 南晋 の始 ば、 窿 士 万 の中氣・ 七月 の籌 ・獪 その
月 の節萎 り、かく て閏月を置 てす なはちは、叉祭 σたがひ有て・餌 のさきだ つことも
\ クハ
同 じ ほ ど な り 、 こ れ ら も な ほ、 そ の精 しさ の つき ざ る も のな る をや 、 され ば 近 き代 に なり て
は、か の鯉 ても、穿 の簒 に、年 の霪 充 の月 による月 嵳 ・ ; に詮 せて・誰
月 に ょ る 月 の か た を む ね と せ る は 、 よ う ← か ら ず と W ふ 事 を 、-考 へ出 た る 人 も 鵬 粛 ぬ る は ・
か つ︽ \ に か の 本 の 方 に め ぐ り か へ る し る し な り け り 、
警 け るを、で ぐだり τ・もろこし、
氤 潔 わたり 蜜 棊 て後 に、 かの國 のさ奮 になら勢
なヨワマリソタッキ ツキナミ ヨツノトキ あ
そ 、 一 と せ を 十 二 月 と ば し て 噂 そ の 月 次 を 四 時 に く ば り つ い で ﹄ 、 又
ゆ
も ろ こし の+ 二騨 は、 罵 の丹 に よ る丹 を も て定 め た る を・.
轟 に てそ のか み さだ ま り し は・
獪 も と よ り のま 丶に、 年 の めぐ り にし た が ひ て、 暦 の節 氣 と同 じ か り き、
む つ き き さ ら ぎ な 芝 と 、 そ の 月 々.
の 名 を も 定 め ら れ た り け る 、
﹁
・ 印
ゆ
虞 凵
暦 出
り
ー ■ .
二七七
㍉ 〆
b呉 一
暦 考・ 二 七 八
す べ て こ れ を 月 と 名 づ け ら れ た る も 、 と も に か の 函 の に な ら へ る か、 又 こ 丶 に も 、 本 よ り か
ソラ も
の 天 の 月 に ょ る 月 と い ふ 事 の 有 つれ ば 。 そ の名 を と れ る に も 有 べ し、 萬 葉 集 に む 月 た つ と ざ
タツ
め るな ど 、 月 に 立 と い ふ竜 、 こ 丶の詞 な り、
此時 よりぞ、鰲 澱 崇 なぎ 、月 の名をあげ、 叉それ を響 かけて いふ こと馨 臨 じまり
け る 、 さ て 此 月 々 の名 ど も 、 古 事 記 書 紀 な ど の哥 に は ち 一 つも 見 え た る は な け れ ど 、 そ は お の づ
ツキナミ
か ら 竜 れ た る に こ そ あ ら め 。 皆 い.と ふ るけ れ ば、 月 次 の定 ま り し 世 よ り のな る べ し、 萬 葉 集 には
お ほく 見 え た り 、
ヒトッキフタツキミ ツキ
此 名 芝 も ふ 、.も ろ こ し の に 訟 ら は 璽 、 や が て 正 月 二 月 三 嘱 な ど 玉 こ そ つ け ら 為 べ き に 、 さ は
あ ら で 、 あ ら た に ま う け て 、 む つ き き さ ら ぎ や よ ひ 、 な ど 乂し も つけ ら れ た る は 、 上 に い ヘ
ツイデ
ヒトフクミ へ
る ご と く 、 物 の 次 第 を = 一三 な ど い ふ こ と は 、 古 は な か り し 故 な り 、
ツギナミ イデキ ソラ ッキナミ
さ て か く 月 次 の さ だ ま り て 、 月 々 の 名 ど も 工 出 來 つ れ ど も 、 か の 天 の 月 に よ る 月 と . 此 月 次 と は 、.
むトノ ヒ ナミ
別 事 な り し 、 又 いく か の 日 と い ふ 日 次 、 一月 の 日數 の 定 ま ら ざ り し な ど 、 こ れ ら は な ほ 本 の ま Σ
に て な む 有 け る ,・
、
.
.
.
ツキナミ
此 時 に し か 月 次 を さ だ め 、'月 の 名 を も つけ ら れ だ ら む に は 、 暦 を 用 ぴ て 、 ふ た か た の 月 を 一
ヒ ナミ
'つ に あ は せ 、 日 次 を も と 竜 に 定 め ら る べ き に 、 獪 さ ば か り ま で は 及 ば ざ り し は 、 い か に と い・
ギ タ ヅキ アラタ
ふ に、す べ て な に わざ も 、 久 し く な れ來 つる事 は手着 よ く て 、 に は か に改 ま り ぬ る事 は、 た
ノ ヒ
/ づ き あ し き な ら ぴ な る に 、 紳 代 よ り 、 よ う つ お ほ ら か な る に な れ き つ る 世 中 の、 あ ら た に 日
ナ
ミ
ウ
ルフ
ヅキ イデキ
次 など き は や か に 定 ま り、 月 の大 小閏 月 、 など い ふ事 の出來 た らむ には 、 中 々に て わづ ら は`
エバカ キ ヘ ツキ
し く 、 た づ き あ し か り ぬ べ け れ ば 、 俄 に さ ま で は え あ ら ざ り け む 、 さ て 此 時 、 年 の來 經 の 月
ナミ ソラ 、 コ・トノ(丶 ム ハ モ2
ア シ ハ ス
坎 と 、 天 の 月 に よ る 月 と は 、 な ほ 別 事 な り し か ば 、 正 月 の 朔 、 八 月 の望 の夜 、 十 二 月 の 晦 な 、
ど 玉 、 朔 望 晦 を 、'
凋 の 名 へ か け て い ふ こ と は 、.い ま だ な か り き 、 そ れ は 獪 は る か に 後 に こ よ
ッキナミ ツイタチ
み を 用 ぴ ら る 玉世 に な り て の 詞 な り 、 其 故 は 、 む 月 な 芝 摯 ふ は 、 月 次 の 月 の 名 、 朔 な ど い ふ
ソラ の
ナガ ミジカ
は、 天 の月 に よ る月 のう ち の こと な れ ば な り、 此 二 かた の月 には 、長 き短 き け ち め し あ れ ば塾
ソノッキ ツイタチツゴモリ
つね に お く れ さ き だ ち て 、 ぴ と し く は な ら び ゆ か ね ば 、 た と ぴ し ぴ て し か 某 月 の 朔 晦 な ど
い ふ 共 , 始 つ方 か 中 比 か 末 つ か た か 、
・わ き ま へが た か り ぬ べ し 、
ツキナミ
そ も く こ の 月 次 の
さ だ ま り つ る は
、 いつ れ の 御 代 よ り と も 、 さ だ か に は し り が た け れ ど竜 、 暦
へ
・
を もち ぴ そめ給 へり し 比 よ り は 、 は る か に古 の事 巴は 思 は る れ ば、
古 事 記 の麹 第輾 駕 智 の加
仰曝 に聾 鷲 畔 講 鵡 獄 ヂ と い へり し嬢 げ 、 八 十 年 の瓣 の事 を、 天 皇 に申
凶
具 暦 考
・ 扇
圏
二 七九
\
覧
虞 暦 考 、
、
二八○
ヘ コト コ
み ソ ノト キノ ソノ ッキ ソノ ッキ
せ し 言 に 、 典 年 其 月 と あ る を見 れ ば 、 そ の か み は や く 某 月 と い ふ さ 充 ま り の有 し 事 し ら ・
れ たり
り鴨 、
ノ
ナ ハノタカツノ
亀 しく は難波 高 津 宮 の御世 の ころ にも や あ り け む ,
カルシマ アキラノミヤ ワ ニ ギ
そ の故 は 、 輕 嶋 の 明 宮 の御 世 に く だ ら の 図 よ り 、 和 爾⋮な ど 玉 い ひ し 物 し り 人 ど も 參 り 來 て 、.
ミ・コ 蘿 η・ 、
、 ヲシ イ ハ レ
は じ め て 皇 子 た ち に も ろ こ も の 書 を 歡 へ ま つ り し に 、 觚い と よ く さ と り ま し Σ 事 、 又 伊 波 禮 の
報 ザ攤 .宮 の 御 代 よ り 、 厨 々 為 獅 甜 お き て 事 を 記 ざ れ し 之 と な ど も 、 書 紀 に 見 え た れ ば な り 、
オキナガタラシヒメノ コ マッラ ア ユ ッラ
宵 事 記 に 、 息 長 帶 比 賣 命 の 、 筑 紫 の末 羅 の 玉 嶋 川 忙 し て 、 年 漁 を 釣 し た る 事 を 記 し た る に 、
覲 ,鴎球 景 ↓'
ど い へる量 あ るは∴ 嵳 から野 碆 翫う でこぬぽどにて・爨 も月
ウヅギ ヲ ゆ コトバ カレウヅキノ
月 の 名 も な か り し 代 な れ ば 、 四 月 と あ る は 、 そ φ か み の詞 忙 は あ ら ず 、 其 次 の文 に 、 故 四 月
ツイタヂゴロ ヲミナノシカノ シテツルコトア ユヲ イ マ ニ タ エズ
上 旬 之 時 、 女 人 云 々 釣 二年 魚 ↓ 至 于 今 不 レ絶 也 . 、
`
と あ る をも、 て見 る に、後 ま でさ る事 のあ る
メ
が 、 四 月 上 旬 な る に つ き て 、 そ の 始 を も 、 其 月 の 名 も て 語 り 傳 へ た る も の な り 、 も と は た Ψ 、、
ナツ ロ ロ し
夏 の は じ め な ど ぞ 、 語 り つ た ぺ た り け む か し 、 '
カ シ
ま た 甲 子 と い ふ 事 を も ち ぴ は じ め ら れ し も 、 同 じ 御 代 な ど よ り の こ とな ち む か 、
軍 子 と は、.
十 干 、 十 二 支 .を い ふ な ヶ 、 暦 は ﹁
な く と 竜 、 年 と 月 と の 甲 子 は 定 め づ べ し 、ミさ て ζ
彦
厩 も 3 あ れ ば あ る ま 丶忙 、 た づ き ょ き に 似 た れ ど 込 , な く ば 又 な き ま 鳳に 、 事 は た り ぬ ぺ し 、
之 れ に ぐ さろ \ こ ち た 麌 理 を か ふ は 、 例 の か ら 國 のく せ な れ ば 、 あ げ つ ら ふ ま で も あ ら ず 、
か く て 又あ ま た の御 低 ー \ を経 て後 に 、暦 を も ち ぴ は じ め給 ひけ る より 習
ミ クニ シ キシマノ ノ
も ろ こ し の 國 の こ よ み の . 皇 國 に 渡 り ま う で 來 つ る ば 、 ま つ 師 木 嶋 宮 の御 世 の 十 四年 に , 暦
緯 士・ま纛 本をたで ま.
つれ≒ 扉 國 に輙 .劇 三 同 +五年 に底 縛 士固→徳王偏 孫
サ
と い へる人 ま う で榊 つる 乙と見 え た り、 こ れや 嬉 なり け む , さ れ ど いま だ世 に は構 に れ ざリ
ヲ ハリダノ ノ
し を 、 夊 小 治 田 宮 の御 代 の + 年 に 、 く だ ら の ほ う し 觀 勒 と い ふ ま う で 來 て 、 暦 本 を た て ま つ
ヤコノフムビト オヤゴクチム ホウシ
り し を 、 陽 胡 史 の祀 玉 陳 と い ふ 人 、 こ の僣 ⋮に.暦法 を な ら ぴ て、 事 なれ り と見 え た れ ども , 此
蒔 も ま さ し く こ れ を 用 ぴ て 、 世 に お こ な ひ は じ め 給 へり し 事 は 見 え ず 、 政 事 要 略 に 、 此 御 世
.
の十 二年 正 月朔 より 、 始 め て暦 日 を用 ぴた ま ぴ し よ し見 え たり 、 さも有 べ し、
ヅキナミ ソラ ト ヒ ナミ ・ ヒド
月 次 の 月 と 、 天 の 月 に よ る 月 と を 、 ぴ と つヒ あ ぱ せ て 、 い く か の 日 い く か の 日 と い ふ 日 次 む 、、一
トセヒトツキ ヒ カズ ノ
年 一月 の 旧數 も 、 み な き は や か に 定 ま り て 、 よ う つ 今 の ご と く に は な れ り け る 、
ミ マキ
然 る を 書 紀 に は 、 禪 武 の御 卷 に 、 是 狂、
也 太 歳 甲 寅 、 冬 十 月 丁 巳 槻 辛 酉 云 々、 辛 酉 年 , 春 正 月
ニ
ノ
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庚 辰朔 、 天皇 帥 二帝 位 於 橿 原宮 ↓ 癒 ど あ る を は じ あ て 、 す べ て上 つ代 の事 に も 、皆 年 月 を も・
黄 暦 考 ・ 、 二八 一 馬
眞 暦 考 '
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二 八 ニ
ヒ ナミ
る し、 又 甲 子 にう つし て、 日次 ま で をし るさ れ た る ば、 い とも / \心得 が たし 、 そ も/ \ ζ
カゾ
れ み な 、 後 の 世 よ り さ か さ ま に 推 へて 、 長 暦 ど い ふ も の を も て 定 め た り と 、 世 の 人 は こ と も
ミ ヨ ロ ッタ ソノ
な げ に 思 ふ め れ ど 、 ま つ 御 代 ブ \ の 年 の 數 も 、 傳 へ/ y の か は り 有 て 、 さ だ か な ら ね ば , 某
トシ ロ
ツタ
年 と い へるす ら う た が は し、 され ど年 は 、 し ば らく 一 つ の傳 へ に つき て も 、 定 め つ べ し 、 次
ソノツキ ツキナミ
に 某 月 と い へ る 事 、 上 つ代 に は 、 月 次 も 月 の 名 も な か り し か ば 、 い か 璽 な れ ど も 、 も と は た
ッキナミイデキ ム ッキ ツタ 卵
と へば、 春 のは じ
・め と い ひ つた へし を 、 月 次 咄 來 て 後 に 、 正 月 と は い ぴ 傳 へた り と せ ば 、 こ
ソノヒ トク ヒ ナミ
れ も さ も あ ら む を 、 某 日 乏 日 を し も さ 乂れ た 惹 ぞ . い か に と も 解 べ き ま し な か り け る 、 日 次
ソノヒ ツタ ヨシ ツキナミヒ ナハヤ も
の さ だ ま 軌 な か り け む 世 の事 を 、 某 日 と い ひ 傳 ふ べ き 由 あ ら め や は 、 も し 上 つ 代 に 月 次 日 次
ウケ
'な か り き と い ふ 、 お の が 考 へ を 、 信 ぬ 入 も あ り な む か 、 い で そ の ゆ ゑ を つ ば ら か に さ と さ む .
ソノツキ ソノヒ ワカ ウルフ O
す べ て 暦 と い ふ 物 の な き 世 に は 、 某 月 の 某 日 と 定 む べ き よ し な し 、 月 に 大 小 を分 ず 、 年 に 閏
ヅキ ビ ナミ ソラ
月 を 加 へず て は 、 日 次 と 天 の 月 の め ぐ U と た が ぴ 、 叉 月 々 の節 氣 も 、 み な た が ぴ ゆ く め れ ば
な り 、 ま つ 暦 法 に よ り て 見 れ ば 、 且 の 一め ぐ り は 、 廿 九 日 六 時 あ ま り な る に の 大 小 を 分 ず し
ツイタチ
て 、 い つも 三 十 日 を 一月 と し て 、 朔 を 定 め ゆ か ば 、 一年 の ほ ど に 、 五 六 日 の た が ぴ 出 來 て 、
正 月 の朔 は罵 の凋 に緩 た ら む も ・ ヂ 浄 になり な ば・ 朔 喜 む民 罵 の月 纔 ガ る べ し・ か
'
ソラ
く し も て ゆ き て 、 五 年 あ ま り に は 、 又 本 の 正 し き に か へれ ど も 、 そ のあ び だ に は 、 朔 に 天 の
モチ シモ ユミハリ ツイタチ
月 望 に な り 、 下 の弦 に なり など せむ 月 も あ ら む を 、 さ る と ろ 竜 なほ 朔 と して あ り なむ や 、 又
ギ ヘ ツキ
年 の 一め ぐ り の來 ∵ 經 は 、 三 百 六十 五 日 三時 なれ ば、 十 二月 の臼數 三 百 五 十 四 五 日 な ると は 、
ヅキ
十 一日 ば か り の け ち め あ り 、 た と ぴ 十 二 月 を み な 三 十 日 と し て も 、 獪 五 日 あ ま り 分 け ち め あ
る を・ 隊 暴 くて響 む には 、雙 の暑 さ寒 さ な ども 、 み なや う ー に た が ぴゆ き て ・ 廿年
トシナヵラ ユキ
の ほ ど に 、百 日 泌 ま り た が ひ 、 三 十 四年 あ まり に は、 つぴ に牟 年 た が ひ て、冬 と夏 と 行 か は
み
ミナヅキ シ ハ ス ナツミナヅキ シ ハ ス
り て 、 六 月 の こ ろ 、 十 二 月 の ぼ ど の ご と く 寒 か ら む を 、 な ほ 夏 六 月 と い ぴ 、'十 二 月 の こ ろ 、
ミナヅキ フ ユシ ハ ス 、
り
六 月 の ご と く 暑 か ら む を も 、 な ほ 久ノ
十 二月 と い ひて 有 ぬべ し や は 、 し か れ ば、. も ろ こ し のな、
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コヨミ
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ソノッキ ソラ
ら ぬ他 暦 を も ち ぴ ら れ む は し ら ず 、 ひ た ぶ る に 暦 旗 か ら む に は ゼ 某 月 と い ふ こ と だ に 、 天 の
イクカノヒ
月 に ょ り て は 3 さ だ め が た から む を、 ま し て 某 臼 と いふ こと を ぱ 、 い か に し て かは さ だめ む
と す る 、 書 紀 を よ ま む 人 は 、 か な ら ず こ の ヒ 乂ろ を え て 、
天 明 の 二 と せ と い ふ年 のな が 月 の十 日 あ ま り 二 日 の 日
本 居 宣 長 考 畢
眞 暦 考 二 八三
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故 鈴 屋 大 入 は 、 い に し へ今 に わ た り て た ぐ ひ 稀 な る 、 い み し き 物 し り 人 に な む 有 け る 。 さ る よ
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塾 監
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カゴロ
は 、 生 涯 あ ら は さ れ た る 、 眞 玉 白 玉 數 女 の書 ど 竜 に み え て 、 いち し る き を 、 近 比 こ ﹄か し こ の な
オキナラ ヒカリ カウフ ツユ キズ ナニ ナポ
ま 翁 等 が 、 お の れ 光 を 蒙 り な が ら 、、露 ば か り の 疵 を も と め 出 て 、 何 く れ と い ぴ の Σ し る あ り 。 獪
ハチ ハダ ノ アサ
甚 し き は 、 玉 を 石 と い ひ け つ も 有 て 、 い と 淺 ま し く 、 を こ が ま し き 人 々も す く な か ら ぬ ぞ か し 。
撚 か 叺奪 ど や い 俵 む 、 粥 里 ん 膿 邂 篶 ゆ は や く 灘 陞⋮
務 を見 て 、 お のが 心 のま 乂にあ げ つら ぴ て 、 郷
ヤナ アラ ノアリヲ モト オク
學 び の は ら か ら 薪 井 在 雄 に あ と ら へ て 、 大 人 の許 に 途 り ま ゐ ら せ し を 、 そ れ が ひ が 心 の く ま ん\ 、
モル ゴ ト アエし
洩 る こと な く 、 く も れ る玉 を み が き な し たら む 如 く に、 いと 明 らけ く さ と さ れ た る是 ぞ 、 め で た
びタヘブミ
スリマキ
き 答 書 に な む 有 け る 。 年 比 在 雄 が も、
た る を、 或 人 こ ひえ て 、 かく摺 卷 に は な し つるな り 。 そ のよ
ヒトコトカキ し
し 、 一言 書 く は へ て よ と 有 ま 蕊 に 、 か く な む 。 名 兒 屋 人
市 岡 の た け 彦 、
眞 暦不審考辨 二 八七
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一日書 肆 二迄 リ テ、 藁 暦 考 ト云 書 ヲ閲 タリ 。 コ ハ紳 風 イ セノ國 ナ ル本 居 圭 ノ考 ト題 シ ヌ。 此 圭三.
イ マダ ア ヒ見 ル コよ ア}
フザ 茎 モ、屠 ニ シノ肇 秀 テ、 蠡 ノ事 ヲ と フ ンジ 、梓 行 書 、。
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ト ゴ ト ク .古 へ今 二双 ヒ ナ ク 、 マ コ ト ニ世 人 ヲ 迪 ク コ ト 、 大 カ タ ナ ラ ズ 。 サ ル ヲ 此 一考 エオ イ テ 、 マ
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マ事 タ ガ フ コ ト モ ア リ ,、
疑 ヘバ 此 圭 ノ名 ラ カ リ テ 、 佗 人 ノ著 ス 書 ナ ラ ツ カ 。 竊⋮二此 圭 ノ・
タ メ ニ痛 、 南
ムデ 、 ソ ノ 是 非 ヲ イ ハ ン ト ス ル ニ、 筆 ミ ジ カ ク テ 共 趣 必分 チ ガ タ ケ レバ 、 多 ク ハ俗 譚 ヲ 以 テ ↓ 雌
不 審 考 ヲ書 畢 。
舞 津 考 隱
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○ 室 ノ ケ シ キ モ ホ ノ カ ニ、 ノ ド ケ サ ノ キ ザ シ テ 、 霞 モ立 、 柳 モ ・・
エ、 鶯 モ ナ キ 、 ク サ グ ナ ノ 物 ノ
新 マリ ハ ジ マ ル 比 ヲ 、 ハ ジ メ ふ ハ定 メ タ リ 。・
眞 暦 不 審 考辨 三 八九
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帥
眞 暦 不審 考 辨
畠 '
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二九 〇
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⑱ 年 ノ首 ハ マ コ ト ニ此 時 ナ ル ペ キ 、 サ モ ア ラ バ ア ル ベ ケ レド モ 、 天 地 ノ 氣 運 ヒ幡 シ カ ラ ズ 、 マ シ,
テ 人 居 ノ 地 二寒 喧 ア リ テ 、 鳥 獸 草 木 ノ 候 二早 晩 ア リ 。 今 ノ 春 正 月 二寒 キ時 ハ、 室 ノ ケ シ キ モ ノ
ド ケ カ ラ ズ 、 霞 モ柳 モ ソ レ ニ ツ レ、、
叉・多 ノ 日 ノ 暖 ナ ル ご ハ、 鶯 モ ナ キ 、 ソ レ ヨ リ マ ヅ 、 堂甲ニシ ・
モ 夏 ニ サ キ ダ ッ冬 牡 丹 、 秋 ニ ヲ ク ル ・寒 菊 、 木 篇 二春 ノ 文 字 ニ タ ガ ヒ テ 、 良 玉 椿 ハ 八 九 月 ニサ
キ 、 冬 瓜 ハ冬 マデ 得 ⋮ 堪 ズ 、 梅 ノ 寒 紅 梅 ハ、 モ ト ヨリ 、 八 朔 冬 至 ノ 名 モ ア リ テ 、 コ レ ミ ナ 土 地 ノ
ダ
寒 喧 ヨ つ 化 シ 汐 ル ヲ 養 ヒ育 ツ レ バ 、駿 河 茄 子 ノ時 ニサ キ ダ チ 周 炎 天 ノ 氷 室 モ タ モ ッ ハ、 土 地 ニ
ヨ ル故 ナ リ 。 サ ラ ヂ モ難 波 ノ 芦 ハ伊 勢 フ 濱 荻 ト名 モ カ バ.レバ 、 上 代 ニス ベ テ 柳 ト 云 木 ノ ア リ シ
ヤ ラ ン レ 鶯 ノ 春 ナ カ ヌ 里 モ ア ル'
ベ キ ヲ㌔ 然 ラ バ 物 ノ ア ラ タ ℃ リ テ 年 ノ 首 ト ナ ル コ ト 尹 、 所 ニ ヨ
リ テ カ ハ ル ベ キ ヲ 、 オ シ ナ ベデ カ ク 云 ゾ イ ブ カ シ。
〆瀦
⑭ 年 々天 地 ノ 氣 運 モ ヒ ト.
シ カ ラ ズ 、 地 方 ノ 寒 喧 ニ ヨ リ テ 、・
草 木 ノ 候 ナ ド モ早 晩 ア ル コ ㍗ ハ勿 論 ナ
、.
、リ 。 然 レド モ 、 惣 躰 ヲ オ シ ナ ラ シ テ 見 ル ト キ ハ、 ・
サ ノ ミ 甚 シ キ違 ハ ナ キ モ ノ ,
ニテ 、 其 時 々 ノ 氣 ・
候 ハ必 ア ル モ ノ ナ リ 。 漢 國 ノ 七 十 二 候 ナ ド 云 コ ㍗ モ、 天 地 ノ 間 ノ 物 ニ ヨザ テ 、 時 ヲ 定 メ タ ル ニ
ア ラ ズ ヤ。 現 在 今 時 ニテ ス ラ 、 天 地 ノ物 ニ ョ リ テ 時 ヲ シ ル コ ト 多 シ 。 ソ レ ハ返 テ 暦 ヨリ モヨ ク
ア フ モ ノ ナ リ ト 、 マサ シ ク 常 弟試 ミ 知 タ ル 者 ノ 云 コ㍗ ナ リ 。 サ テ 至 テ 寒 キ 國 、 至 テ 暖 ナ ル 國 ナ
岬
ド ハ、 毎 年 ヨ ホ ド ノ 違 モ ア ル コ下 ナ レド モ 、 ソ レ ハ氣 候 ノ 正 シ カ ラ ザ ル 地 ナ レ バ 、 サ ヤ ウ ノ 所 一
マデ 、 力 丶 ハ ル ベ キ コ蓄 こ ア ラ ズ 。 註ハ外 先 ヅ 大 抵 ハ﹂ イ ヅ ク モノ丶 モ , ナ ノ ミ 大 イ ニ違 フ コ
ノ
掛 ハ ナ シ 。 年 々 ソ 不 同 モ コ レ ニ同 ジ 。 サ テ 右 ノ 如 ク 、 タ ト ヒ 少 々 ヅ ・ノ 違 ハ ァ リ テ モ 、 本 ヨリ
暦 日 ヲ 用 ヒ ヌ 世 エ ハ、 コ ・ト カ シ コト 、 五 日 、 十 日 、 乃 至 廿 日 、 卅 日 ノ 違 ア リ テ モ、 少 シ モ妨
ア ル コ ト ナ シ 。 タ シ カ ニ日 次 ヲ タ テ ズ 、 一年 ノ 日 數 モ 定 マ レ ル コ ト ナ ケ レ バ ナ リ 。 コ レ ハイ ト
ヨ ク 分 リ タ ル コ ト ナ ル ガ 、,
⋮難 者 ナ ホ サ ト ヅ ズ ハ 、 壁葭ヲ 以 テ サ 転 ス ベ シ 。 世 間 ノ 人 ノ 朝 起 ル モ夜
ル 寢 ル モ 、 通 例 大 抵 ハ ソ ノ時 刻 定 マリ タ ル ガ 如 ク ナ レド モ 、 其 申 二早 ク 起 ル者 モ ア リ 、 ヤ ・ オ
ソ ク 起 ル モ ノ モ ア リ 、 夜 ル 寢 ル モ同 ジ コト 調
=ア 、 世 間 一同 質
一、 少 シ モ遲 速 ナ ク 、 同 時 同 刻 二起 、
キ モ 寢 モ ス ル モ / ニ ハ ア ラ ズ 、 然 レド モ 、 早 ク 起 テ オ ソ ク 寢 ル 者 モ 、 一日 ハ 一日 、 オ ソ ク起 テ
ー
早 ク 寢 ル 者 モ 、 一日 ハ 一日 ニテ 、 間 違 ハ ナ キ コ ト ナ リ 。 暦 日 ナ キ 世 ノ 人 ノ年 ノ 始 メ終 リ ヲ 定 姦
ル コ ト 、 コ レ ニ同 ジ 。 サ テ モ シ 上 ヨ リ 掟 ア リ テ 、 世 間 ノ 人 、 朝 ハ卯 ノ何 刻 ご侮 一同 二同 時 二皆
起 ク ベ シ、 夜 ハ亥 ノ 何 刻 二、 一同 二同 時 二寢 ベ シ ト ア ル ト キ ハ、 起 ル モ寢 ル モ 少 シ モ 遲 速 ノ タ
ガ ヒ バァ リ テ ハ濟 マ ズ 噂 暦 日 ヲ 用 ル 世 ノ年 ノ始 メ 終 リ ノ 定 マ リ ハ カ ク ノ如 シ。 コ レ ヲ 以 テ 上 代
・ ヲ サ ト ル ベ シ。 叉 寒 菊 、 冬 牡 丹 ナ ド ノ 論 ハ、 カ ツ デ コ ・ ニ ア ヅ カ ラ ヌ コ ト ナ ル ヲ 引 出 タ ル ハイ ・
虞 暦 不 審 考辨 ・
二九 一
O
●
O
■
眞 暦 不審 考 辨
二九二
・ト ヲ カ シ 。 又 鶯 ノ春 ナ カ ヌ 里 モ ア ル ベ キ 刪
ニナ ド 云 ル ハ、 殊 ニ カ タ ク ナ ・リ 。 鶯 柳 ノ ナ キ 里 ハ、
叉 ソ ノ 里 テア ル物 ニ ョ リ テ 知 ベ シ 。 何 ゾ 鶯 柳 ニカ ギ ラ ン。 本 書 一一鶯 柳 ヲ 出 セ ル ハ、 初 春 ノ ム ネ
セ
な
ト ァ ル景 物 ナ ル ガ 故 ナ リ 。 コ レラ バ辨 ズ ル ニ モ及 バ ヌ コ } ナ レド モ 、 ツ イ デ ニ鼠 ナ リ 。
○ 夏 ノ 代 ニ ハ、 今 ノ 十 山 月 ヲ 正 月 レ シ テ 、 各 ソ ノ月 ヲ 年 ノ 始 ト ス 。 是 ヲ 三 正 ト 云 テ 、 例 ノ ミ ナ 理
ア ル事 ノ 如 ク イ ヒ ナ セド モ 、 マ、
コ ト ニ然 ラ ズ 。 ス,
べ 云 萬 ノ 事 ヲ 改 ム ル ヲ ヨ キ ニ ス ル國 俗 ナ シバ 、
タ ず己 ガ 功 ヲ 示 サ ン ト テ ゾ 。
鬱 此 三 正 ノ事 ヲ 云 ル、 甚 然 ラ ズ 。 先 カ ノ 國 ニテ モ 、、
古 今 ソ變 ヲ シラ ザ ルナ リ物 ヵ ノ三代 ノ コ 戸
.
ハ、 皇 國 ノ 上 古 ヨ リ モ ナ ヲ 古 ク 、 萬 ヅ 質 朴 ニ シ テ 、 己 ガ 功 ヲ 示 サ ン ナ ド ヤ ウ ノ コ ト ハ ア ラ ジ ,
正 ヲ 立 改 ム ル モ 一 タ 寸其 時 ノ 宜 キ ニ隨 テ皇 居 ヲ 蓬 シ、 後 世 二年 號 ヲ 改 ム ル ニ等 シ ク 、 至 テ 深 キ
理 ハ ア ル ベ カ ラ ズ 。 サ ル ヲ ナ レタ ル事 ノ俄 ニカ ハ リ テ・
ハ、 中 々 民 ノ 煩 掛 ナ リ テ 、 既 キ コ ト ハ イ
箪 サ 、カ モ ナ シ ト ハ・ 何 ヲ モ テ カ ク 云 ゾ ギ 。 俄 一
﹁事 ノ カ ハ ル ハ眠 其 天 子 ノ 替 ル ハ其 國 ノ 大 キ ナ ル
事 ナ リ 。 ソ ノ 天 子 ノ カ ハ リ テ 、 其 先 制 ヲ 改 ム ル 、 コ レ ミ ナ 其 時 ノ宜 キ ニ隨 フ ナ ラ ン 。 此 正 月 ヲ
替 ル ゴ レ キ ハ 、・
イ サ ・カ ノ 事 ニ テ 、 民 ノ煩 ト ナ ル ベ キ謂 絶 テ ナ シ 。 此 代 ノ 比 ノ 事 ハ、 彼 國 ノ書
モ愼 ナ ラ ザ ル ヲ 、 周 ノ 代 マデ 、 國 々 ノ民 ハ ナ ホ 駲 來 ツ ル マ ・ 二、 夏 ノ 定 メ ノ 正 月 ヲ 正 月 ト シ 居 一
リ シ モ ア リ ツ ト ヤ 。 夏 ヨー- 周 }
一至 ル千 百 余 年 ヲ 經 テ モ 、 夏 ノ 定 ヲ 用 フ ベ キ カ バ。 セ メ テ 殷 ノ 正
夢
月 ノ、 周 、
、殘 レ リ ト イ ハ 寸可 ナ ラ ン ヲ 、 後 世 ノ 人 ノ 無 稽 ヲ モ案 ズ ベ シ。 其 後 二 千 余 年 ヲ 經 テ 、
秦 二至 リ 正 ヲ 改 メ タ ル 、 始 皇 ハ勢 ノ勝 レ タ ル帝 王 ナ レド モ 、 此 時 代 二降 リ テ ハ、 本 書 二云 如 ク 、
己 ガ 功 ヲ 示 サ ン ト テ ノ ・事 鴇
=ア モ ア ル ベ キ。 是 唱
一テ ゾ 一 何 國∵糊テ モ 、 古 今 ノ 變 目 ア ル ヲ モ知 ベ シ 。
此 秦 ノ 定 メ ヲ 、 漢 ノ 代 ニ モ初 メ ハ用 ヒ シ故 、 史 記 漢 書 ニガ 歳 ノ 首 ゴ ト 轟、 參 十 月 ト モ 記 セ シ ナ
リ 。 漢 ノ 初 ヨ リ 百 四 歳 ヲ 經 テ 、 武 帝 ノ時 、 夏 ノ 正 二改 替 タ ル ヲ 、 兩 書 ハ又 ソ ノ 後 二作 リ シ故 、
ソ ノ漢 ノ定 メ ヲ ヨ キ ニ シ テ 、 前 エ用 ヒ タ リ 。 秦 正 ハ冬 十 月 ト 書 シ ナ ラ ンd 然 ラ バ ヲ シ キ コ ト モ、
,
"
マギ ラ ハ シ ク モチ キ ナ リ 。 叉 云 、 武 帝 三 夏 ノ定 ヲ 用 ヒ テ ヨ リ 、 今 ノ 世 二至 ル マデ 、 改 ム ル コ ト
ノ
ぞコ
ナ シ 。 是 孔 子 ノ 一言 ニ ヨ レリ ト 溝 フ モ、 フ サ ハ シ カ ラ ズ 。 孔 子 ノ 夏 ノ 時 ヲ 行 ハ ム ト イ ハ セ タ リ 。
其 善 惡 ハ ワ キ ガ タ シ。 三 正 ヲ 定 メ タ ル太 租 ハ、 各 孔 子 ノ 奪 ミ 敬 フ 聖 人 ニ シ テ 、 ワ ケ テ 交 武 周 公
!
ノ改 テ 、 其 代 二六 百 年 齋 ヒ テ何 /難 モ ナ キ周 ノ宀
疋メ ヲ サ シ ノ ケ テ , 孔 子 ヨ・
リ千七舎 余年 以
前 、 夏 ノ 定 ヲ 行 ハ ム ト イ ハ レ シ モ穩 ナ ラ ズ 。 夫 正 朔 ヲ 改 ル 、 前 ニ モ 云 如 ク 、 イ サ ・カ ノ コ ト ニ
テ イ ヅ レ ニ テ モ難 ナ カ ル ベ シ。 タ 手 ヘバ 其 図 々 ノ 法 制 ヲ 、 其 時 々申 定 メ 替 テ モ サ ・ ハ ル コ ト ノ
ナ キ ニ等 シ ク 、 今 ノ 四 文 錢 モ貳 朱 銀 モ、 マ イ テ 銀 札 ノ 通 用 モ 、 行 ゐ ル ・ガ 如 ク ナ リ 。 亥 ノ 月 ヲ
眞 暦 不 審 考 辨 ・
.
二九 三
●
眞 暦 不 審 考 辨
. 二 九四
正 月 ト ス レ バ 、 ソ ノ 比 ハ麥 蒔 ク ト キ 、.
ソ レ ヨ リ 三 四 月 過 テ ハ立 春 ノ 比 ト ナ ル。 八 九 月 モ 過 テ ハ
夏至ノ比 }
=ア、 田 植 ル時 ト 心 得 テ 、 馴 レ バ ソ レ ニ ナ リ ユ ク ナ リ 。,
丑 ノ月 ヲ 正月 ト ス レバ 、立 春
ハ多 ク 其 月 ノ 中 ニア リ テ 、 今 ノ寅 ノ 月 ヲ 正 月 ト ス〆ル ニ、 大 ヤ ウ カ ハ ル コト ナ ク 、 今 ノ 正 月 二閏
ノ ア ルト キ ハ、 丑 ノ月 ヲ 正 月 よ ル奪 シ キ ナ リ。秦 ス カ λ三 正 ヲ弃 テ用ビ ズ、 漢 ノ夏 正 ヲ
ぬ
肘 ま
ヒ シ バ、'秦 二三 正 ヲ取 ラ ザ ル ヲ 姫 シ テ 、 最 初 ノ 夏 正 二戻 リ シ ニ ヤ ア ラ ン。 ア ナ ガ チ 孔 子 ノ 一ゆ
言 ニ ヨ ル ニ モ ァ ル マ ジ 。 夫 ヨ リ シ テ 、 漢 ノ 疋 ア 改 ルゴ ト ザ キ ハ、 イ ヅ レヲ 用 ヒ テ モ難 ナ キ故 、
タ 寸 ソ ノ マ ・ 二改 メ ザ ル ナ ル ベ シ 。 其 中 一
一モ子 ノ 月 ヲ 正 月 ト ス ル ハ、 少 シ バ據 ア ル ト 云 ベ シ。
大 陽 南 至 ノ 極 ニテ 踊 物 ノ 始 物 ノ端 ナ レバ ナ リ 刃 皇 國 ニ モ 、 今 ノ 正 月 ヲ ム ツ キ下 云 テ 、 年 ノ 始 ト
セ ル ハ、 暦 マ ヰ リ.
來 テ 後 二、 長 暦 ヲ 以 テ 推 ヘテ 、 然 申 定 ツ ル 渉 思 フ ハ ヒ ガ 心 得 ナ リ ト イ フ。 ソ
モ 此 長 暦 ト イ フ 書 、幽イ カ ナ ル物 ニ ヤ。 末 ニ モ長 麿 ト 名 ヲ 出 セ リ 。 タ ト ヘバ 書 記 ニノ セ ラ レ シ 歳
時 月 日 ヲ 基 ト ス ル ハ、 紳 武 ノ 御 宇 ノ委 キ暦 怯 モ造 ラ ル レド モ ガ ソ ノ年 月 日 ノ據 ナ ケ レ バ ﹂ 長 暦
トヤラ ン 凧
=ア モ 推 定 ム ベ キ 術 ハナ キ コ } ゾ 。 又 、 今 ノ 正 月 ヲ ム ツ キ ト 云 テ 、 年 ノ 始 ト セ ル ハ、
元 ヨ リ 然 ア リ シ ト コ 、 ら ハ云 ヒ 、 末 ニ ハ月 次 ノ 月 ノ 名 ヲ モ 定 メ ラ レ シ バ、 サ ダ カ ニ ハ シ
ゴ
レガ タ
シ 。 モ シ ク ハ高 津 宮 ノ 御 世 ノ 比 ニ モ ヤ ト 云 テ 、 其 月 次 ハ 一年 ノ メ グ リ 一
劉シ タ ガ 七 、 暦 ノ節 氣 ノ
4
如 シ ト 云 ル ヲ 、 コ ・ 二元 ヨ リ 然 ア リ シ ト 云 ハ、 ・事 タ ガ ヘ ル ニ ハア ラ ズ ヤ。 シ カ モ ム ッ キ ト 薫 テ
年 ノ鵡
自 ふ ナ ス ナ ラ バ 、 キ サ ラ ギ 、 ヤ ヨ イ 、 序 デ 十 二 月 ノ 月 次 モ 、 一年 ノ 定 リ モ ァ ル ベ キ ヲ 、 今
ノ 正 月 ヲ ム ツ キ ト 云 テ 年 ノ 首 ト セ ル ハ、 コ ハ暦 ニ ヨ ル コ ト ナ ク 、 モ ト ヨリ 然 ア リ シ コ ト 、 上 二
秀 ガ如 ζ テ 、 クサぐ ・ノ 勿 ノ ア ラ タ マ リ ハジ マ ル些 年 ノ 首 ハ、 マ コ ト ニ此 時 ナ リ ケ ル ヤ。
サ ラ バ 今 ノ 正 月 ノ ム ッ キ ト 云 モ 、 禪 代 ヨリ 然 ア リ テ 、 ッ ノ・
デ ・月 次 ノ 一年 ノ 定 リ モ然 ア リ ケ ル
. ,カ 。 イ ト イ ブ カ シ 。
・⑳ 此 段 、 殊 脚
}無 用 ノ 事 ド モ ヲ 長 々 ト 云 ル 、 多 ク ハ其 文 意 モ分 リ ガ タ ク 、 イ ヵ ナ ル旨 趣 ト モ聞 エガ
タ キ コ ト ノ ミ ナ ル ヲ 、 其 由T二、 大 抵 意 趣 ノ 聞 エ タ ル所 々 ヲ ツ マ ンヂ 是 ヲ 辨 ゼ バ 、 マヅ 漢 國 ハ三
代 ノ 古 ヘ ト.
イ へ下 モ 、 コザ カ シ キ 人 多 キ國 ニテ 、 聖 人 ト 云 者 ノ 如 ク ナ ル カ シ コ キ人 モ出 ル ホ ド
ナ レ バ 、 何 ニ ツ ケ テ モ己 ガ 功 ヲ 示 サ ン手 セ シ コ ト 甚 多 シ。 正 ヲ 改 ム ル ヲ 時 /宜 キ ニ隨 フ ト 云 ハ、
大 ニタ ガ ヘル 料 簡 ナ リ 。 既 三 周 ノ 代 ニ モ 、 民 間 圏
ニテ ハ ヤ ハ リ 夏 正 ヲ 用 ヒ タ ル コ ト ア ル ニテ 、 改
〆
ム ル ハ時 ノ 宜 キ ニ ア ラ ザ ル コ ト ヲ サ
'
ト ル ベ シ。 カ ノ 都 ヲ ウ ツ シ 、 年 號 ヲ 改 ム ル ナ ド 、 ハ事 / 冖趣
異 ナ リ 。 一ッ ニ云 ベ キ ニ ア ラ ズ 。 サ テ 周 ノ 代 二、 民 間 ニ テ 夏 正 ヲ 用 ヒ シ ト 云 ハ、 予 ガ ミ ダ リ ニ
云 ル コト ニア ラズ 。彼 國 ,
=ア モ 云 ル コ ト ニテ 、 其 代 ノ 書 ド モ ヲ ヨ ク 見 レ バ 、 マ コ ト ニ然 リ シ コ
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眞暦 不 漕審 考躰
二九 五、
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酵
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眞 暦 不審 考 辨
二 九←
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事 明 ケ シ。 然 ルヲ 、予 ガ ミ ダ リ 一
ニ ムル ヤ ウ ニ難 ジ タ ルパ イ ヵ 二。 正 朔 ヲ 改 ム ル ハ、 民 ノ 煩 ト ナ
ル ベ キ 謂 ナ.
シ ト ハ、 大 二事 情 ニウ ト キ 論 ナ リ。 マヅ 正 朔 ハソ ノ當 時 、 現 在 二世 間 日 用 ノ 事 ナ ル
ヲ 、 此 難者 ノ 料 簡 ニハ ﹂ タ 宰昔 ノ 書 物 ノ ウ ペ ノ ユト バ カ
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リ ノ ヤウ■
・一、 バ ッ ト 心 得 タ ル ナ リ 。 昔
ノ 書 物 ヲ ヨ ム ウ ヘ ニテ コ ソ 、 正 朔 ハ イ カ ニア リ テ モ冷 ソ ノ 分 二'
プ見 過 セ バ 、 ソ ノ通 リ ノ 事 ニテ 、
ゆ
煩 モ何 モ 見 エザ レド モ、 今 現 在 日 用 ニ ア ヅ カ リ テ ハ、.俄 二改 マ リ テ ハ、 何 ニ ツ ケ テ モ 煩 多 ク 、
ム,
ッ カ シ キ コ ト 明 〃 シ。 ソ レ モ 釜 ア ル コ ト ナ ラ バ 、 當 分 少 々傾 ア リ ト 毛 改 メ モ ス ベ ケ レド モ 、
正 ヲ 改 ム ル ハ少 シ モ 釜 ア ル コ ト
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ナ ク 、 煩 ノ ミ ナ リ 。 夏 ヨ リ 周 二、
至 テ 、・
干 百 餘 年 ヲ 經デ 、 夏 ノ 正
ヲ用 フベ キ カ ハト云 ル モ、又 理 屈 ノ ミ ノ論 一
綿テ 、 實 事 ニゥ ト シ。 コ レ夏 ノ 代 ヨ リ シ テ 馴 タ ル マ
マ ニ、 殷 ノ 代 ノ 間 モ 、 ソ ノ マ ・ ニテ 、 周 マヂ モ 相 ツ 寸 キ テ 屠 ヒ來 レ ル ナ リ 。 久 シ ク ナ レ バ 久 シ
ク ナ ル マ Y 二、イ ヨ/ \ 馴 ル コ ト 深 キ故 二、イ ヨ/ \ 改 ヤ リ ガ タ キ バ 、必 然 ノ 勢 ナ ル ヲ ヤ。抑 寅
ノ 月 ヲ 正 月 ト ス ル コ ト ハ、 夏 正 ト ハ云 來 レド モ 、 實 ハ夏 ノ 代 二改 メ タ ル ニ ハア ラ ズ 。 ナ ホ 上 代
ヨ リ ノ マ ・ ナ ル ベ シ。 然 ル ニ殷 ノ 代 }
一コ レヲ 改 メ タ ル ニッ キ テ 、 夏 ノ 代 二用 ヒ 來 レ ル ト コ や ナ
ル故 二、 夏 正 ト ハ云 ル ナ リ。 夏 ヨ リ 前 代 ノ 事 ハ、 何 事 モ サ ダ カ ナ ラ ザ ル故 一
一、 姑 ク コ レヲ 夏 ノ
鮮
建 メ ト シ テ 、 然 云 ル 、 サ モ ア ル ベ キ コト ナ リ 。 兩 書 ハ叉 其 後 二作 リ シ故 、 ソ ノ漢 ノ 定 メ ヲ 訊 キ
覧
ニ シ テ去 云。 此 廓 ノ 論 、 牟 カ ナ ル コト ニカ 、 趣 意 聞 取 ガ タ シ 。 孔 子 ノ夏 ノ時 ヲ 行 ハ ム ト 云 ル ハ、
オノ
殷 周 ノ 征 ハ、 己 ガ サ カ シ ラ ヲ 以 テ 歌 メ
F
タ ル モ ノ 故 、 宜 シ カ ラ ズ 。 夏 正 ハ正 シ キ 罪 故 ナ リ 。 然 ル
も
ヲ 穩 ナ、 ラ ズ ト ハ何 ノ 意 ゾ ヤ。 四 文 錢 二 朱 銀 ノ タ ト へ、 幽 向 ア タ ラ ヌ コ事 ナ リ 。 是 ハ返 テ 、 自 プ
ア
已 ガ 非 ヲ ア ラ バ セ ル ヤ ウ ニテ 、 イ ト ヲ カ 膨 ク コ ソ 。 漢 ヨリ 後 改 ル コ ト ナ キ ハ、 イ ヅ レヲ 用 ヒ テ
モ難 ナ キ コ ト故 ト 云 云 ト ハ, 前 時 ノ 宜 キ ニ隨 フ ト 云 ル ト 、 自 語 相 違 セ リ 。 イ カ.
マ。若 シイヅ
働
レ ヲ.
用 ヒ テ モ難 ナ ク バ 、 殷 周 一
一コ レ ヲ 改 メ タ ル ハ、 イ ヨノ \ 無 釜 ノ サ カ シ ラ ナ ル コ ト 明 ラ ケ シ 。
皇 國 ニ モ 、 今 ノ 正 月 ヲ ム ッ キ ト 云 テ 云 云↓ 末 ニ ハ月 次 ノ 月 ノ 名 モ 云 云、 コ ト違 ヘ ル 一
一ア ラ ズ ヤ
ト 云 ル 、 コ レ ハ ヨ キ 心 ノ ッ ケ 所 ナ リ 。 但 シ 今 ノ 正 月 ヲ ム ッ キ ト 云 テ ト 云 ル ハ、
.皇 國 ニモ ト 云
ヨリ ト 思 フ ハ、 ヒガ 心 得 ナ リ 手 云 マデ ハ、 ソ ノ ヒ ガ 心 得 シ タ ル人 ノ 思 フ ト コ ロヲ 云 ル詞 ナ レバ 、
妨 ゲ ナ シ。 サ テ 下 ニモ ト ヨ リ 然 ア リ シ ト 云 ル ハう 予 ガ 心 ハ今 ノ 正 月 ヲ 年 ノ始 ト セ シ コ } ヲ 云 ル
馳
ニ テ 、 ム ッ キ ト 云 テ ト 云 詞 ニ バ カ ・ ハラ ヌ 意 モ テ 書 ル ナ リ 。 ム ッ キ ト 云 名 ハ、 後 ナ ル コ ト 、 下
な
二委 ク 云 ルガ 如 シ 。 何 ゾ 忽 チ コ レヲ 忘 レ ン。 然 レド モ、 此 所 ハ予 モ何 ト ヤ ラ ン マギ ラ ハ シ キ ヤ
ウ ニ思 ハ レ シ 故 二、 サ キ ニ文 ヲ 改 メ テ 、 今 ノ 立 春 ノ ホ ド ヲ 、 春 ノ 始 ㍗ 云 テ ト 改 メ テ 彫 刻 シ タ リ 。
今 ハ彫 刻 既 二成 レ リ 。 近 キ ホ ド 一
一板 本 ヲ 出 ス ヲ 見 ル ベ シ 。
﹁此 外 少 々 ヅ ・所 々改 メ タ ル コ } ア リ 。
眞 暦 不審 考 辨
. '
二 九 七
戮
'
拶 .
.
目
呉暦 不・
審考 辨 囎
二九 八
其 中 ニ ハ此 度 ノ 論 ニア ヅ カ レ ル コト モ ア リ 。 ナ ホ 其 所 々 一
コ酋 ペ シ。 長 暦 } ハ、 後 ノ 暦 法 ヲ 以 テ 、
逆 二推 テ 上 古 ノ暦 日 ナ カ リ シ 世 ノ年 々 ノ 月 次 日 次 ヲ 紀 ス ル ヲ 云 ナ リ 。 然 ル ヲ 年 丹 日 ノ據 ナ ケ レ
バ 、 推 定 ム ベ キ術 ナ シ ト ハ イ カ マ。 暦 法 ヲ 以 テ 推 ト キ ハ、 年 數 ダ ニ知 レテ ァ レ バ 、 幾 千 年 マ ヘ
昂
ノ 暦 モ 造 ラ ル ・ コト ナ リ 。 後 年 ノ暦 ヲ ァ ラ カ ジ メ 造 ル モ同 ジ コ・
ト ナ リ 。 但 シ至 テ コ マカ ナ ル ゴ
ト ニ至 テ ハ、 推 ガ タ キ コ ト モ ア ル ナ レド モ 、 モ ト ヨリ 暦 ナ カ リ シ世 ノ 事 ヲ 推 ス ナ レバ 、 イ サ ・
クガヒ
カ ヅ ・ ノ差 ハ ア リ デ モ 、 カ 、 ハラ ヌ コ ト ナ リ 。 ・
〇 一年 ヲ 四 ツ ニキ ザ ミ テ ∵ 春 夏 秋 冬 ト ハ、 紳 代 ヨ リ 然 ア リ 來 ヌ ル コ ト ナ リ 。
、
⑳ 此 四 ノ 時 ヲ 、 祚 代 ヨ リ ト 云 ハ、 サ ニア ラ ズ 。 天 ノ 命 於 穆 不 巳 ニテ 、 ソ ノ春 夏 秋 冬 ハ、 .
日 ノ往來
ノ 四 ノ時 ニシ テ 、 又 細 ニキ ザ メ バ 、 二 十 四 氣 ナ リ 。 然 レド モ ソ ノ春 夏 秋 冬 ト 云 名 ハ、 カ ラ 國 ノ
入 ノ命 ジ タ ル ナ リ 。 其 名 目 ヲ 直 二用 ヒ タ マ フゾ 、 紳 メ 御 心 ナ ル ベ ケ ン。 ソ レヲ ニ ッ ニ シ、 六 ツ
ド ぜ
ニ シ 、 八 ツ ニ シ 、 何 ノ 故 ニカ分 ク ベ キ ャ。 叉,三 月 ハ温 ナ ル 牟 ナ レ バ 、 ・
春 ヲ ニ 三 月 春 ナ ド Y云 メ
ル ハ、今 サ ラ ノ 張 言 三 テ 、サ ハ ア ラ ヌ ハヅ ナ リ 。正 月 ハ ア タ 、 カ ナ ル始 、七 月 ハ ス 寸 シ キ 始 ナ ル
ゑ ■
〆
故 二、 春 ト 秋 ト ノ始 ナ ル、 コ レ ラ ぞ 紳 ノ 御 心 モ テ サ ダ メ マ セ ル モ ノ ナ リ ト 、 四 季 ノ 始 ヲカ ク定
メ タ マ ハ マし 年 メ 定 メ モ ァ ル ベ シ。 年 ノ ナ ラ バ ﹂ 月 次 モ 日 次 モ ナ ド カ バ定 メ 玉 ハ ヌ モ イ ブ カ シ。
⑳ 其 春 夏 秋 冬 ハ云 云 、
カ ラ 國 ニ テ ハ タ ト ビ イ カ ヤ ウ ノ 理 窟 ヲ モ イ ハ 寸 イ へ、 ソ レ ニ バカ 、 ハ ラ ヌ
.,
コ } ナ リ 。 皇 國 ニテ ハ、 タ f紳 代 ヨ リ 春 夏 秋 冬 ト 四 艶 二分 タ ル ナ リ 。 然 ル ニ、 カ ラ 國 ニテ モ同
,ド
ジ ク 四 ツ ニ・
分 ケ タ ル ガ タ マく 合 ヘ ル故 二、 帥 其 字 ヲ 用 ヒ テ 、 ハ ル ニ春 う ナ ツ三 夏 、 ア キ テ秋 、 奪
フ ユ ニ冬 、
ノ字
95カ ク ノ ミ ナ リ 。 然 ル ヲ 、 カ ラ 國 ノ 名 目 ヲ 直 二用 ル } ハ イ カ 寸 。 カ ラ 國 ニテ ハ、
醜
春 夏 秋 冬 ト コ ソ イ へ、 ハ ル 、 ナ ツ 、 ア キ 、 フ ユ ト ハ イ ハ ズ 、.論 者 ハ ハ ル 、 ナ ツ 、 ア キ 、 フ ユ ト
♂
云 名 ヲ モ、 カ ラ人 ノ命 ジ タ ル モノ 愈 フ ニ ャ 、、
冗ブ カ シ。ー 。 凡 テ言 ト字 トヲ 、 雫 ヨユ
ツ ノ 物 ト 思 フ ハ麁 相 ナ ル コト ナ リ 。 ニ ッ 六 ッ 八 ッ ニ ハ何 ノ故 二分 ク ベ キ ヤ ト ハ イ カ 寸。.
分 クレ
グ
バ イ ク ツ ニ モ分 プ ル ・ コト }=ア、 イ ク ツ ニ分 ケ テ モ 、 ソ セノぐ丶 ニソ ノ 理 ハア ル コ ト ナ リ 。 既 二
ρ
、
論 者 自 ラ モ 、 コ マカ ニ キ ザ メ バ 、 二 十 四 氣 ナ リ ト 云 ル ニ ア ラ ズ ヤ。 ソ ノ ニ 十 四 氣 ヲ 、 三 ツ ヅ ・
ヲ 一ツ ニ シ テ 見 レ.
バ 八 ッ ナ リ 。 四 ツ ヅ ・ヲ 一ッ ニス レ バ 六 ツ ニ ナ ル ニア ラ ズ ヤ。 若 シ 六 ッ 八 ッ
ヲ 何 ノ 故 二分 ク ベ キ ヤ ト イ ハ マ、 二 十 四 氣 二分 タ ル モ、 叉 何 ノ故 二分 ク ペ キ ャ ト 云 ベ シ。 三 月
ハ温 ナ ル 牟 ニテ 云 云 、 サ ハア ラ ヌ ハヅ ナ リ 牽 ハ、 何 故 ニサ ハア ラ ヌ ハヅ サ ルゾ ヤ 。 其 故 キ カ マ
。 襖
ホ シ。 四 奪 / 始 ヲ カ ク 定 メ 玉 ハ マ云 云 、 四 季 ヲ 定 メ 玉 ヒ テ 、 月 次 日 次 ヲ バ 定 メ 玉 ハ ヌ ハ、 深 キ
理 ブ ル コト ナ ル ベ シ 。 其 理 ハ人 ノ 智 慮 ヲ 以 テ 測 り 知 ベ キ ニ ア ラ ズ 。 然 ル ヲ 、 今 凡 人 ノ 心 ヲ以 テ 、
駕
U
眞暦 不 審 考辨 ・
一
一
、
二九 九
、
㎡
●
、
\
β
. 眞 暦 不 審 考辨 囓
三〇 Q
四 季 ノ 定 メ ア ル カ ヲ ハ、 月 次 日 次 ノ 定 刃 モ 必 ナ ク テ カ ナ ハ ヌ コト ゾ ト 思 フ ハ、 ヒ ガ コ ト ナ リ 。
凡 テ コ レ ニ限 ラ ズ 、 何 事 ニテ モ神 ノ シ ワ ザ ぐ、 凡 心 ヲ 以 テ 測 リ 知 ル ベ キ コ ト }
一ア ラ ザ ル ヲ 、 己
脅
ガ 智 ヲ 以 テ L ヤ カ ク測 リ云 フ '
ハ、 外 國 流 ノ ヒガ コ ト ナ リ。 殊 二此 論 ハ、 カ ノ 本 書 二云 ル 一里 塚
ノ譬
ニ テ
モ 亦
得 ベ
シ 。 一
里 塚
ア ル
カ ラ ハ
、 一
町 ゴ ト丶ノ
石 碑
モ ナク
テ カ ナ ハ ヌ ト 云 ガ 如 シ。 笑 べ
・
/
O ' "
レ ノ!丶丶
○ 此 春 夏 秋 冬 テ フ名 、 イ ト古 ク聞 エテ 、
⑳ 前 ニ ハ神 代 ヨ リ 然 有 ケ ル ト 云 ル、 古 キ ハ勿 論 ノ 事 ナ ラ ズ ヤ 。 ソ レ ニ、 書 紀 古 キ 事 詮 ノ言 ヲ モチ
引 證 ト ス ル ニ ハ、 及 ブ マジ キ ヲ 、 醐
醗 前 二紳 代 ヨ リ 然 リ ト.
云 ハ、 必 然 ア リ シ コド ヲ オ シ 量 リ テ 云 ル ナ リ 。 此 書 ノ全 躰 ミ ナ オ シ バカ リ
ナ リ 。 其 由 ハ下 ニ コ ト バ レ ル ガ 如 シ 。 サ テ 古 事 記 書 紀 ノ 歌 ド モヲ 引 タ ル ハ、 ソ ノ 名 ノ 古 キ コト
ヲ 證 セ ツタ メ ニ、 現 二物 二見 エ タ ル書 ヲ 引 ル ナ リ 。 コ レ何 ノ 論 カ ア ル 。 凡 テ 論 者 ノ物 ノ 義 理 二
昧 キ コト、 此類 イ カ ント モ シガ タ シ。 ゆ
○ 此 四 ノ時 ヲ 、 又 ハ ジ メ 、 ナ カ バ 、 末 ナ ド ・ イ ヘリ 。
⑳ コ ハ、 カ ノ 國 ノ 四 時 ヲ 分 テ 孟 仲 季 ト セ シ ヲ 模 シ テ ガ ク 云 ナ ラ ン。 暦 二毛 カ ク 分 テ ま コ } ナ シ。
O
ナ ホ 今 ノ 世 ニサ ヘア ツ カ バ ヌ コ 杢 ナ ル ヲ 、 四 立 ノ節 ヲ 以 季 ノ 始 ト シ 、 十 ニ ノ數 エ合 セ テ 、 何 ノ
、
用 モ ナ キ 季 ノ異 名 ナ ル ヲ 、
、 此 三 ツ ニ キ ザ メ ル モ 、 紳 代 ヨ リ ノ 事 ナ ル カ 、 又 其 後 ノ 事 ナ ル カ 、白兀
ニ ハ證 歌 モ ナ キ コ ト カ 。
醗 ハジ メ 、 ナ カ バ 、 ス ヱ ト 云 コ ト ハ、 凡 テ 何 事 ニモ ツ ネ テ多 ク 云 コ ト ナ レ バ 、 四・
黍・エモ 然 云 ン ハヤ!
オ ノ ヅ カ ラ ノ コ ト ナ リ 。 四 季 二限 リ テ コ レ ヲ 難 ズ ル ハ イ ト 心 得 ズ 。 又 ヵ ラ 國 ノ 髭 仲 季 ニナ ラ ヘ
ル・
ト 云 ル モ然 ラ ズ 。 又 暦 ニ モ カ ク 分 テ 云 コ ト ナ シ ト ハ何 事 ゾ ヤ 。 カ ノ 孟 仲 季 ハ、 即 ハジ メ 、 ナ
カ バ・
、・ ス ヱ ト 云 コト ニア ラ ズ ヤ 。 タ ト ビ 暦 ニ バ カ ク 云 名 ナ シ ト テ モ丶 何 ノ 妨 ゲ カー
ア ラ ム。 叉 今
ノ 世 ニア ツ カ バ ヌ ハ、 今 ハ正 月 二 月 三 月 ナ ド 云 月 ノ 名 ア リ テ 、・ソ レ ヲ 以 テ 分 ル故 エ、 ツ ネ ニ ハ
始 。・ナ カ バ 、 末 ト ハ イ ハヌ ハヅ ノ コ.
蓄 ナ リ 。 殊⋮レド モ 又 事 三 フ レ テ ハ、 今 モ 、 始 、 ナ カ バ 、 末 ・
ト モ云 コト ア リ。.
今 ノ 世 ニア ツ ヵ ハ ヌ 渉 ハ イ ヵ デ カ 云 ベ キ 。 但 シ尾 張 國 ニテ ハ ア ツ カ バ ヌ コト
ニヤ 。 ソ ハ シ ラ ズ 。 四 立 ノ 節 ヲ 以 テ 云 云、 四 時 ノ始 ト カ ラ 國 ノ 四 立 ノ節 ト 同 時 ナ ル ハ、 オ ノ ゾ
カ ラ 然 ル ベ キ ハヅ ナ リ 。 .
4カ ニト 云 二、 年 ノ 始 ガ 同 ジ ケ レ バ 、 夏 秋 冬 ノ 始 モ同 ジ ハ●
コビ }
一ナ ル
コ ト ナ リ 。 カ ノ 四 立 ノ 節 ヲ 取 テ 、 然 定 船 タ ル ニ ハフ ラ ズ 。 然 ル ヲ 惣 躰 、 何 事 ニデ モ コ ・,
}カシ
コ手 タ マ/ \ 同 ジ キ コ ト ア レ バ 、 皆 彼 ニ ナ ラ ヘ ル モ ノ ト 思 フ ハ、 漢 學 者 / ツ ネ ノ 癖 ナ リ 。 + 二
虞 暦 不 審 考辨 ・
・
三〇 一
3
遵
眞 暦 不 審 考 辨 、
三Qニ
ノ數 二合 セ テ ト 云 モ、 同 ジ コ ト ナ リ 。 必 シ モ シ 七 テ コ レヲ 合 セ ザ レ ド モ、 四 季 一
}始 、 ナ カ バ ℃
﹁
末 ア レバ 、 オ ノ ヅ カ ラ 十 ニ ニ ハ ナ ル ナ リ 。 コ レ ニハ 證 歌 モ ナ キ 事 カ ト 云 ル モ イ カ マ。 四 時 ノ 名 ,
ハ、 他 ニ ワ タ ラ ズ 、 ヒ ト リ 立 タ ル 名 ナ リ 。 始 、 ナ カ バ 、 末 ト 云 ハ、 何 事 ニ モ ツ ネ ニ云 コ患 ナ レ .
、バ 、 分 テ 證 歌 ヲ 引 ク ニ ハ及 バ ヌ コ ト ナ リ 。
○ ソ ノ 春 ノ 始 ハ帥 年 ノ ハ ジ メ ナ レ バ 、、上 二云 ル ゴ ト ク ニテ 、 夏 秋 冬 ノ 始 ナ カ バ 末 モ 、 叉 ソ ノ ヲ リ
く ノ 物 ノ ウ ヘヲ 見 聞 テ 知 レリ シ モ、 春 ノ ハ ジ メ ト 同 ジ 。
爨 此 物 ノ ウ ヘ ヲ 見 テ 知 ト 去 コ ト 、 前 二去 如 ク 、 土 地 氣 候 ノ 差 ア リ テ 、 カ シ コ ニ春 ノ 始 ト ス レバ 、
コ ・ ニ ハ マ タ冬﹁
ノ 寒 サ ノ 肇卦フ カ ク、 コ 、 二年 ノ 終 ト ス
.レ バ 、 カ シ コ 三霞 培 亠
払初 テ ﹂
春 ノ始 ト ナ ル9
叉 ソ ノ 年 ノ始 ハ餘 寒 ニ テ 、
一 コ ・ 二木 草 ノ 月 當 モ オ ソ ク 、 其 年 ノ終 リ ハ暖 ニテ 、 木 草 ノ 目 當 モ 早
キ 時 ハ、 ソ ノ 一年 ト ス ル 短 ク , 其 年 ノ 始 早 ク 、 其 年 ノ 終 オ ソ キ ト キ ハ、 其 年 ハ長 ク ヤ ア ラ ム。
い
ノ
ソ ノ ト キみ \ ノ 皇 都 ニ シ モ 斯 ア ラ ム ヲ 、 上 ッ 代 ヲ 稽 レ バ 、 神 武 天 皇 ハ西 國 二久 シ ク 御 座 ア リ テ 、
・東 征 ノ 後 中 國 二都 シ 玉 フ。 其 土 地 ノ 相 隔 ツ コト イ ク バ ク ゾ ヤ 。 其 後 ノ帝 都 舌 、 御 宇 々 々 ニテ 、
遽 都 行 宮 所 々 ニ シチ 、 ソ ノ 土 地 々 々 ニテ 、 物 ノ ウ ヘヲ 見 テ 、 ・
春 ノ始 年 ノ始 ヲ定、
ム ル コ トゾ 、 イ
ブ カ シ。 カ ノ カ ラ 國 モ 、 上 古 ハ中 星 ヲ モ テ 四 仲 ヲ 正 シ テ 、 務 農 化 育 ノ 端 ヲ ナ シ 、、星 ノ 風 雨 ヲ 好 、
O
尸
ム ヲ 考 へ 、 列 舍 ノ 見 伏 ヲ 窺 ヒ 、 版 築 裏 裼 ノ 候 ヲ 知 タ グ ヒ バ、 天 象 ニ ョリ テ 土 地 ノ 氣 候 ニ ヨ ラ ザ
レ ド モ 、 是 サ へ中 國 ノ 、
・
、ニ シ テ、 オ シ ナ ベ テ 萬 図 へ渉 ル コ ト ニ ハ ア ラ ズ 。 然 ル ニ彼 國 ニ テ ハ、
黄 帝 ノ 調 暦 、 飆 瑣 暦 ナ ド 、テ 、 暦 法 モ ハヤ ク ヨ リ 有 シ カ ド 箱 、 ソ レ ヨ リ 堯 舜 ノ ゴ
﹂
㌔ロ マデ 、 正 朔 .
ヲ イ ツ ト セ シ コ、
峯 ミ エズ .
。 漸 ク夏 ノ 時 二、 寅 月 ヲ 用 ヒ シ ヨ リ 、 三 正 ノ 事 ヲ 傳 ヘタ リ 。 ソ ノ黄 帝
ヨ レ 暦 法 ア レ バ 、 正 朔 ノ 定 ノ ナ キ コト ハ ア ラ ジ ヲ 、 是 ゾ 書 傳 ノ 闕 タ ル ナ ラ ム。 サ ラ バ皇 國 ニ モ﹂
神 代 ハ シ ラ ズ 、 人 皇 ノ御 代 ㍗ ナ リ テ ハ、 イ ヅ レ暦 法 ヲ 用 ヒ ラ レ ヅ ハ シ ラ ネ 下 モ、 其 時 二應 ジ タ
ル 年 ノ 始 ノ 正 月 モ、 日 次 ノ始 ノ 朔 モ ア リ シ コト ハ、 タ シ カ ナ リ 。 サ バ書 記 ニモ 、 崇 神 天 皇 ノ御
時 、 遠 荒 不 奉 正 朔 。 未 習 王 化 耳 。 ト 載 テ 明 文 ア レ バ ナ リ 。 サ ナ ク テ ハー
、 皇 朝 ノ 大 小 事 ド モ行 ハ
レズ。 朝 政 ナケ レバ上 下 ナ ク﹂
・君 臣 、 父 子 ノ ワ カ チ モ薄 ク 、 年 モ ナ ケ レ バ 月 モ ナ ク 、 租 父 ノ 年
忌 モ 、 父 母 ノ 忌 a モ 、 何 ニ ヨ ツ テカ 吊 ハ ム。 彼 蒙 莊 ガ 書 置 シ 、 有 巣 知 生 ノ 民 / 如 ク ニ テ モ ァ リ
ケ ム ト ヤ(
。 サ ハ サ レド 、 今 ノ 世 ニテ モ、 人 里 ヲ ハ ナ レ十 里 ア マリ モ奥 深 キ 山 中 二佳 者 ハ、 伊 勢
ノ 御 師 ノ 暦 ザ ヘ モ配 ラ ズ 、 晝 ハ橡 栗 ヲ 拾 ヒ、 暮 レ バ ワ ヅ カ ノ 栖 二息 ヒ 、 夏 ハ薪 ヲ ツ 、
丶 冬 ハコ
レ ヲ ロ テ 、 此 本 文 ニ イ フ田 ヂ ツ物 、 畠 ツ 物 ハ ナ ク テ 、 稻 ノ 刈 時 モ 、 麥 ノ ア カ ラ ム比 ハ シ ラ ザ レ
ド モ 、 木 草 ノ ウ ヘヲ 見 テ 、 此 木 ノ 花 サ ク ハ ソ ノ 季 ソ ノ コ ロ、 其 木 ノ實 ナ ル ハ其 時 ソ ノ ホ ド 、 此
虞 暦 不 審 考辨 ?﹂
三〇 三
4
、
眞 暦 不 樽 考辨 、
.
三〇 四
、
草 ノ 生 出 ル 、 又 枯 ル ル ハイ ッ ノ ホ ド ・ コ ・ ロ エ思 フ ラ ム。 コ レ ラ ノ 入 ゾ 、 鳥 獸 ニ モ等 シ ク テ 、
此 眞 暦 二ロ ラ ム。 カ ノ カ ラ 國 ヨ リ 定 メ 來 シ ケ ン七 十 二 候 キ 、 鵡 ノ觜 ノ 合 ハザ レ ハ、 今 ノ 暦 二口、
峯 牟 夏 生 バ カ リ ゾ 取 殘 サ レ タ リ 。 天 地 ノ ウ ラ 三 、 ヲ リ ノ \ ニ シ タ ガ ヒ テ 、 其 季 ノ ィ ッ ホ ド ・定
ム ル コト ゾ イ ブ カ シ。
㊥ 此 論 ノ ス ベ テ ノ 意 ハ、 既 二始 メ ニ、
辨 ズ ル ガ 如 シ 。 皇 國 エ モ人 皇 ノ御 代 ト ナ リ テ ハ、 年 ノ ハジ メ
ノ 正 月 モ 日 次 モ ア リ シ コト 、 タ シ カ ナ リ ト ・
ハ 心得 ズ 。 暦 法 ナ ク テ ハ、 月 次 日 次 ヲ 定 ム ル コト ア
タ ハザ ル コト 、本 書 二云 ガ 如 シ 。然 ル ニ皇 國 ノ 外 國 ト 通 ズ ル コ ト ハ、三 韓 ソ ノ 始 ニテ 、任 那 ナ ド
云 國 モ、 韓 ノ 内 ナ リ 。 サ テ 三 韓 三 モ 別 二暦 法 ノ ア ツ シ コ ト ハ聞 エ ズ 。 ミ ナ 唐 國 ノ 暦 法 ニ ヨ レ、
リ
ト 聞 ユ レ バ 、 タ ト ビ 皇 國 二上 代 暦 法 ヲ 用 ヒ 玉 ヒ シ ニ モ セ ヨ、 唐 國 ノ 暦 法 尹 り 外 ニ ハ ア ル ベ カ ラ
ズ 。 然 ル.二、 ソ ノ唐 國 / 文 字 ノ 始 メ テ 渡 來 シ バ、 應 紳 天 皇 ノ 御 代 ナ ル ニ、 ソ ノ 以 前 、 紳 武 天 皇 、
ノ 御 代 ナ ド 轟、 彼 國 ノ 文 字 ダ ニか ラ デ 、 イ カ デ カ 其 暦 法 ヲ 立 ル コト ヲ 得 ム。 近 キ 世 二年 々 參 ル
w一 ∼
.
阿 蘭 陀 ト 云 國 ナ ド ノ 暦 法 ハ﹂ 唐 國 ノ 暦 法 渉 ハ大 二異 ナ ル 物 ナ レド モ 、.皇 國 ハ 上代 ザ ヤ ウ ノ 遠 キ
國 ト 通 ジ タ ル コ ト ナ ケ レバ 、.タ ト ビ一
暦 ア リ シ ト強 テ云 千 モ、唐 國冖
ノ暦 ヨ リ 外 エア ル ベ キ ヤ ウ ナ
シ。 又 他 國 ノ 暦 ニ ヨ ラ ズ 、 別 二皇 國 ノ 暦 ア リ シ ト 云 ム モ 、 イ ミ シ キ 強 事 ナ リ コ 然 レ バ イ ヅ レ 遇
一
シ テ モ 、王 代 暦 日 ア ル ベ キ ヤ ウ ナ ク 、 暦 ナ ク デ ハ、 月 次 、 日 次 ヲ 定 ム ベ キ ヤ ウ ナ キ 一
一、 今 論 者
月 次.
、 日 次 ア リ シ コ ト慥 ナ リ ト ハ、 何 ヲ 以 テ 云 コ ト ゾ ヤ 。 タ 寸書 紀 ノ 文 ヲ 見 テ 去 ナ ル ベ シ 。 凡
テ 書 紀 ハ、 漢 文 ノ カ ザ リ ノ 多 キ コ 予 、 己 レ・
別 二古 事 記 傳 ノ ハジ メ 轟委 ク ⋮
辨 ゼ ル ガ 如 シ。 然 ル ヲ 、
世 ノ 學 者 、 タ マ文 面 ノ マ ・ 二見 ル ガ 故 二、 カ ・ ル 心 得 違 ハア ル ナ ーー 。 崇 神 紀 二、 不 奉 正 朔 ナ ド
ァ ル タ グ ヒ モ、 ミ ナ漢 文 ノ ウ ヘ ノ 潤 色 ニ シ テ 、 實 ハタ 寸皇 國 ヘシ タ ガ ハザ リ シ コ ト ヲ 、 如 此 書 、
ル ノ ミ ナ リ 。 コ レ ラ ノ 字 ニ ナ ヅ ミ テ 、 實 二正 朔 } 云 コト ア リ シ 證 據 牽 ス ル ハ、 古 學 ニウ ト キ 故
ノ 失 ナ リ 。 書 紀 ハ、 ス ベ テ カ ヤ ウ / 文 ヲ 文 ノ マ ・ 二見 テ ハ濟 ヌ コ ト ノ ミ 多 シ 。 コ レ ラ ノ 事 、 古
學 ヲ ヨ ク シ タ ル 人 ハ ミ ナ ヨ ク辨 へ知 レ ル コ、
ト ゾ カ シ 。 サ ナ ク テ ハ、 皇 朝 ノ 大 小 事 行 ハ レ ズ ト ハ、
後 穢 暦 日 ア ル ニ馴 タ ル世 ノ 心 ヨリ 思 フ故 ノ ヒ ガ コト ナ 塑 。 上 代 人 作 ノ暦 ナ シ ト イ ヘド モ 、 神 作
が
ノ 眞 暦 ア ル ウ ヘ ハ、 何 事 力 行 ハ レザ ラ ン。 父 母 ノ 忌 日 モ 、 何 ニ ヨリ テ カ 吊 ハ ム ト 云 ル 、 此 事 ハ
﹁追 加 シ テ 梓 行 セ リ ρ 板 本・
ヲ 見 テ ナ ホ 論 ズ ベ キ コ 幡 ア ラ バ 論 ゼ ヨ。 今 ノ 世 藩 テ モ、 人'
里 ヲ ハナ レ
テ 云 云、 コ レ ニテ モ 上 代 ノ 事 ヲ 思 ヒ ヤ ル ベ シ 。 皇 國 ノ ミ ナ ラ ズ 、 萬 國 イ ヅ ク ト テ モ 、 世 ノ降 ル
属 シ タ.
ガ ヒ テ 、、
次 第 二事 モ物 モ多 ク シゲ ク 、 ク ハ シ ク ナ リ テ D 次 第 こ一文 華 ノ 開 ク ル ヤ ウ ニテ 、
ハ ヤ 三 十 年 、 五 十 年 以 前 ノ 物 ヲ 今 見 レ バ 、形 モ シザ マ モ 、 甚 不 調 法 二思 ハ レ テ 、 今 ノ 風 流 さ ハ
置e
暦不 霽 考 辨 ,
驪 三 〇 五
礎
_.ザ
瞳
〆
虞 暦 不審 考 辨 、 . 隔 .. . 虚
三〇六
・
大 ニ オ ト レ ル ヤ ウ ナ ル コト 多 ケ レド モ 、 實 ハ其 先 一
年 ノ 物 ハ厚 、
ク、 性 ノ ヨキ所 アリ テ、今 ノ物 ハ
甚 輕 薄 ナ ル コ ト 多 シ。・コ レ ニ准 ヘテ 、 上 古 オ 事 ヲ モ 思 ヒ ヤ ル ベ シ。 暦 日 ナ ク シ テ 、 天 地 ノ 間 ノ
物 ﹃ ヨ リ テ 時 ヲ 知 ル ハ、 今 思 ヘバ 甚︻
バ ツ ト シ タ ル コ 墜 / ヤ ウ ナ レ ド モ、 コ レ返 テ 黼脚/ 輔
造リオキ
玉 ヘ ル眞 暦 ナ レ バ 、庫 ク 正 シ キ コト ァ リ 。 人 作 ノ 暦 法 ハ委 ク ス グ レタ ル ニ似 タ レド モ、 返 テ 薄
〆
ク 麁 ナ ル コ ト ア リ。 ス ベ テ 今 ノ 心 ヲ 以 テ 、 上 代 ヲ 準 へ思 フ 添 キ ハ、 違 フ コト 多 シ ト 知 ベ シ。
6 ミ ナ 見 聞 物 ニ ヨ リ テ 、且 ハ
時 ヲ シ レ ル ニ.
テ、 上 ツ代 ノ意 ニカ ナ ヘリρ
・
⑱ 此 引 云 ト コ 質 ノ萬 葉 ノ 歌 ノ 心 ハ知 ラ ネ ド モ 、 歌 ハ時 ヲ シ ル ヲ 圭 ト シ.
テ ヨメ ル物 ナ ルカ 、時 ア リ
テ 其 見 聞 物 ノ 、 時 々 ニウ ツ リ ユ ク形 相 ヲ 感 ジ テ ヨ メ ル歌 ナ ラ ズ ヤ 。
⑭時 々一
一見 聞 物 二感 ジ テ ヨ ム ハ歌 ノ ッ ネ ナ リ。 タ 寸時 ヲ シ ル ヲ 圭 ト シ テ ヨ ム モ ノ }
一ハ非 ル コ ト 勿
論 ナ リ 。 然 レド モ 、 ソ ノ 見 聞 物 ニ ョ リ テ時 ヲ シ レ ル コ ト ヲ ヨ ム モ 、 又 歌 ノ ツ ネ ナ リ 、 コ レ ソ ノ
物 ニ ョ リ テ 時 節 ノ ウ ツ ル コ ト ヲ 感 ズ ル故 ナ リ 。 本 書 二引 峯 コ ロ ノ 歌 皆 然 ナ リ 。 サ テ 其 歌 共 ヲ 本
書 二引 タ ル ハ、 見 聞 物 .
ニ ヨ リ テ 時 ヲ シ レ ル 證 二出 セ ル ニ コソ ア レ。 歌 ハ時 ヲ 知 ル ヲ 圭 ト ス ル物
ゾ ト ハ誰晒力 云 ル 。
ギ
・○飴天夜 受 比 賣 ノ 寄 二、 ア ラ タ マ ノ
{
、
鬱 此 ア ラ タ マ ノ 五 文 字 ハ、 年 モ 月 モ ア ラ タ マリ タ ル ト ノ 枕 詞 ナ ラ ム カ 。・年 ガ 來 經 レ バ 月 パ 來 經 ユ
ク ト 、 年 ト 月 ト ヘカ ケ 合 タ レ バ 、 此 時 ニ シ モ 、一
年 ノ 始 毛月 ノ 始 モ ア リ シ ナ ラ ム。
㊥ 上 代 ヨリ年 ノ始 アリ シ・
コ ト ハ、 上 二云 ル ガ 如 ク ナ レバ 勿 論 ナ リ 。 叉 月 ノ始 ノ・
事 モ 、 下 二云 ル ガ
如 シ 。 然 レ.
バ コ ・ ハ何 ヲ 難 ジ タ ル カ 心 得 ガ タ シ 。 若 シ ク ハ、 年 ノ.
始 月 ノ 始 ト ハソ ノ始 ノ 日 ヲ 定
・ム ル コ ト ニ ヤ 。 然 レド モ此 歌 、 イ カ デ カ ソ ノ 年 ト 月 ト ノ 始 ノ 定 マ レ ル 日 ア リ シ證 據 ニ ハ ナ ル ベ
キゾ 。 若 シ 叉 ハ、 年 ノ 來∴
經 ト 塞 ノ 月 ト ハ別 ナ リ ト 去 ル ヲ 難 ジ タ ル ニ ヤ6 是 叉 、 此 歌 イ ヵ デ カ ソ
ノ 證 ト ナ ラ ム 。 年 ノ メ グ リ ト室 ノ 月 ニ ョ ル 月 ト ハ別 々 ナ レド モ、 年 ガ 經 ユ ケ バ 、 其 間 二宀
全ノ 月
ニ ヨ ル 月 モ經 ユク コト ナ リ 。 故 二年 ガ キ フ レ バ 、 丹 ハ キ ヘ ユ ク ト ヨ メ ル 、 何 事 カ ア ラ ム。・
獪 イ
ハ 寧 、 此 歌ヌ 返 テ 年 ト 月冖ト 別 々 ナ リ シ證 π
櫺櫛ト ス ベ シ。
6 タ 寸 三 ッ ニ分 云 ル ノ ミ ニ テ 、 ソ ノ ホ ド ノ 日 次 マヂ ヲ 定 メ イ フ コト ハ ナ ク 、 年 ノ 始 、 季 ノ 始 モ キ
ハ ヤ カ 三 其 日 ヨ リ ト ハ ナ ク 、 日數 モ ⋮
幾十 日 ト サ ダ カ ニ ハア ラズ。
、
鬱 此 四 季 ヲ 三 ツ ニ分 ル コ ト 馬 前 三 モ 去 如 ク 、 今 ノ 時 ニサ ヘオ シ ナ ベ テ ア ツ カ フ コ ト ニ モ ア ラ ズ 。
ハ タ 、 何 ノ 用 ﹃ 力 立 ケ ン。 ソ レ ノ ミ ナ ラ ズ 、 年 ノ 始 、 季 ノ 始 ナ ド モ キ ハ ヤ カ ニナ ク バ 、 一季 ヲ
三 ッ.
二分 ル ハ、 ナ ホ.
ノ \ ナ ク テ モ ヨ カ ラ ム モ ノ ヲ 56
置
暦 不審 考 辨 .
三〇七
瓶
﹄
眞暦 不審 考 辨 . 三 〇 八
纏 何 ノ 用 ニカ 立 ケ ン ト ハ イ ヵ ナ ル コ レゾ ヤ。 三 ツ.二分 ル ガ 用 ナ シ ト イ ハ 寸 、 暦 法 二月 次 、 日 次 ヲ
立 テ、 クサ、
〆Y ノ委 キ コ ト ヲ 定 メ、タ ル モ 、 叉 何 用 ニカ 立 ム ト 云 ベ シ 。 思 フ ニ論 者 ノ カ ク 云 ル意
ハ 、 暦 法 ノ,
如 ク 、 月 次 、 月 次 ヲ コ マヤ カ ニ定 メ テ コ ソ 用 ニ ハ立 コ ト ナ レ。 タ マ 四 季 ヲ 三 ツ ニ分
タ ル ノ ミ ニテ ハ、 ア ラ ク テ 用 ニ ハ立 ガ タ シ ト ノ 意 力 。 是 又 、 後 世 暦 ニナ レタ ル 心 ヲ 以 テ 、 上 代
.
ヲ 思 フ 凋 故 ノ ヒガ コ ト ナ リ6 タ 寸 四 季 ヲ 大 ヤ ウ 一
ニ ニツ 濃分 タ ル マデ ニテ 、 其 始 メ 終 リ ノ 日 モ ギ
ハ ヤ カ ニ定 メ ズ 、 大 ラ カ ナ ル ガ 、 實 ハ宜 キ 理 ア リ テ コ ソ 、 紳 ノ カ ク ハ定 メ オ キ 玉 ヘル ナ レ。 其
然 ル 理 ハ 、 人 ノ 知 ヲ 以 テ 測 知 ベ キ ニア ラ ズ 。 .
' ・
、 σ
○ 大 カ タ、 ︼年 一季 ノ 日數 ナ ド ハ、 オ ノ ヅ カ ラ 世 二.コ ・ 卩 ミ 知 テ 、 ッ ギ く ニイ ヒ 千 傳 ヘ タ ル ヲ
聞 テ 、 ミヅ カ ラ モ イ ヨノ \ コ ・ ロ ミ知 テ 、、
季 ノ 始 ハ、 キ ノ フ ニ ヤ ア ラ ム 、 今 日 ニ ヤ ア 2 ム ト イ
フ バ カ リ マデ ハ、 定 リ モ シ ケ ン カ シ。
.
㊥ コ ハ皇 都 ニ テ ノ コト ナ ル カ 。 又 、 村 里 ニ テ ノ コ ト ナ ル カ。 ア ル ハ 一家 ノ 内 ノ 事 ナ ル カ 。 此 云 ゴ
ト ギ ハ、 一・
家 力 隣り
家﹁マデ ノ ・
事 ナ ラ バ 、 次冖
々 ニ イ ヒ モ傳 へ値卿ヘ モ聞 テ 、 ミ ヅ カ ラ モ コ 、 ロ ミ モ ス
ベ ケ レド 、 先 皇 都 ニ シ テ ハ、 上 下 多 ク ノ 集 り 所 、 其 所 モ宮 居 ヲ 遜 サ レ シ 時 々 ハ、 土 地 モ 替 リ 、
叉 ハ村 里 ト テ モ其 所 々 ノ ヘダ 丶 レ リ。 イ ヒ モ傳 へ、
丁傳 ヘヲ 聞 モ 便 宜 ア ル マジ 。 一日 二 日 ノ ケ ヂ
メ ヲ 、 一季 ノ a數 ノ 定 マリ ナ ク テ 差 ヒ ユ ク ナ ラ バ 、 五 日 } ナ リ 、 十 日 ト ナ リ 、 ッ イ ニ ハ 一季 ノ
●
差 モ 出 來 ナ ムゾ 。 職
醗 本 書 二、 ッ ギ ノ ヘ ニ嫁 ヒ モ傳 へ云 云 略 云 ル ハ、 昔 ヨ リ 次 第 ニソ ノ 當 代 マデ 云 傳 ヘ タ ル ヲ 云 ル ナ ﹁
リ。 論 者 コ レ ヲ 心 得 違 ヘテ 、 ソ ノ 當 代 ノ 内 ニテ 、 此 人 カ ノ 人 云 傳 ル コ ト ト 思 ヘ リ 。 上 二、 世 々
ニコ ・望ミ知 テ } ア ルヲ .
ハ、 イ カ ニ見 タ ル コ ト ゾ 。 一季 ノ 日 數 定 マ リ ナ ク テ 、 差 ヒ ユ ク ナ ラ バ 、
云 云 、 コ レ ハ暦 日 ア リ テ 日 次 ノ ア ル世 ノ 心 ヲ 以 テ 見 ル故 ノ 、 ヒ ガ 心 得 ナ リ 。 既 二 日 次 ノ 定 ,
マリ
ナ ク 、 一季 ノ 日 數 モ定 マ リ ナ ケ レ バ 、 タ ト ヒ 其 始 メ 終 リ ハ、 一日 二 a 乃 至 四 日 五 日 ヲ 差 ヘテ モ 、、
其 一季 ギ リ ノ 差 ヒ ニ コソ ア レ。 次 ノ 季 モ ソ ノ 次 ノ季 モ 日 數 定 マ リ ナ ケ レバ 、 イ ク 千 年 經 テ モ 、
ソ ノ差 ヒ ノ 次 ヘ モ チ コ シ テ積 ル ト 云 コ ト ハ、 ス コ シ モ ナ キ ナ リ 。 コ レ ハ ヨ ク 思 ハ " 、 ミ ヅ カ ラ
サ ト ル ベ キ コ トゾ 。 暦 法 ノ差 ヒ ト ハ 、 大 二譯 ノ チ ガ ヒ タ ル コト ナ リ 。 久 ベ テ 此 論 者 、 暦 日 ナ キ
世 ノ 心 轟 ナ リ テ 考 ル コ + ア タ ハズ 、 何 事 モ ミ ナ 暦 日 ア ル世 ノ 心 ヲ 以 テ 思 フ ユ エ ニ、 其 ⋮難 イ ヅ レ
モ ミ ナ當 ラ ザ ル ナ リ 。
○ 萬 葉 ノ歌 ナ ド 一二二日 月 ト ヨ メ ル モ 、 三 日 ノ 月 ト 云 ニ ハア ラ ズ 。 朔 ヨ リ 三 日 ニア タ ル夜 ノ 月 ト 云
㎜
意 ナ リ。
§ ヒ尸,
眞暦不審考辨
・ 曽
三〇 九
ら
眞 暦 不審 考 辨 ・
'
三 一〇
㊥ 此 朔 ト 云 ハ、 イ ヅ レヲ サ シ テ イ フ ヤ ラ ン。 スデ ニ日 次 ノ某 日 ヨ リ ト ハ ナ キ ナ ラ バ 、 朔 ト サ ス ベ
キ 日 次 モ ア ラ ジ 。 朔 ト サ ス 日 ア ラ.
バ 、 帥 朔 ヨ リ 三 日 目 ニテ 、 三 日 ノ 月 ト 云 テ何 ノ タ ガ フ コ ト ア
ラ ム。 .
鬱 朔 ト 云 ハ、 月 ノ 始 メ テ 見 エ ソ ム ル 日 ヲ 朔 ノ、
始 ト ス レバ 、 三 日 月 ハ ソ レ ヨ リ 三 日 目 ノ 日 ノ 月 ト 云
コ ト ナ リ。 朔 ノ 事 、 本 書 二 委 ク 蚤 ル ハ見 ズ ヤ 。 朔 ヨ リ 三 日 目 ニテ 、 三 日 ノ 月 ト 云 テ 何 ノ タ ガ フ
コ ト ア ラ ム ト ハ精 シ カ ラ ズ 。 三 日 ノ 月 ト ス ル ト キ ハ、 三 日 ト 云 コ ト 、 其 日 ノ 名 ニナ ル ナ リ 。 又
朔 ヨリ 三 日 一
一ア タ ル夜 ノ 月 ト ス ル ト キ ハ.
、 三 日 ト 云 コ・
率 、 其 日 ノ 名 ニア ラ ズ 。 數 ヲ イ フ 詞 ナ リ 9
此 ケ ヂ メ ヲ ヨ ク 思 へφ .
.
〇 二 日 ノ 日 、 三 日 ノ 日 ト 云 モ、 二 日 ニア タ ル 日 、 三 日 ニア タ ル 日 ト 云 意 ヲ ッ 団 メ タ ル名 ナ リ 。
⑭ 是 モ朔 ト サ ス 日 ア ラ バ 、 其 朔 ヨリ ニ 日 三 日 ニテ 事 タ リ ヌ ベ シ 。 サ ラ バ言 重 ナ ル ゴ ト 思 フ モ、 ヒ.
ガ コ ト 凱テ モ ナ シ 。
ね
ザ
翻 是 叉 ク ハ シ カ ラ ズ 。 凡 テ 此 段 ハ、 暦 ヲ 用 ル 世 二 才 リ テ ノ 事 ヲ 云 ル ナ レ バ 、 二 日 ノ 日 、 三 日 ノ 日 .
ナ ド 云 名 ヲ ツ ケ タ ル 醸 、 暦 日 ア リ テ ノ ウ ヘノ 事 ナ レバ 、 此 朔 ハ暦 ノ 朔 ナ ル コ ト 勿 論 ナ リ 。 二 日 ・
三 日 ニテ 事 タ レ リ ト 思 フ ハ、.コ レ叉 後 世 心 ナ リ 。 今 バ 然 云 ヒ ナ レタ ル 故 二、 事 タ レ リ ト 思 フ 才
.リ 。 其 日 ノ 名 ヲ ニ 日 三 日 ド ノ ミ 云 テ ハ言 タ ラ ザ ル.コ ト 、 タ ト ヘバ 街 坊 ノ 名 ヲ 、 某 ノ 町 、 二 丁 目 、
,
、ミ 丁 目 ト イ ヘ バ 、 第 ニ ノ 町 、 第 三 ノ 町 ト 聞 ユ ル ヲ 、 タ マ 瞬
二 一丁 、 三 丁 ト バ カ リ 云 テ ハ、 其 町 ノ
4
名 轟 ハ ナ リ ガ タ シ 。 其 町 ノ數 ラ 云 ニナ ル ナ リ 。
○ 季 ノ 始 ス ラ 、、
其 日 ト ハ定 メ ザ リ シ。
鬱 コ ハ云 二及 ハズ 。 季 ノ始 ヲ 其 日 } ハ、・暦 ナ ク テ 定 ム ル コ } ハナ ラ ヌ ナ リ 。 今 二於 テ モ 、 十 月 ノ
\
節 ノ 日 ハ、臥
冬 季 ノ始 、 正 月 ノ節 ノ 日 ハ春 季 ノ 始 ナ レド モ 、 其 日 滋 り何 々 ト ノ當 用 ナ キ故 、 タ マ、
へ
十 月 ノ 朔 ヲ 冬 ノ 始 、 正 月 ノ 朔 ヲ 春 ン 始 ト 思 ビ ワ ケ テ 、 正 月 朔 ノ春 ノ始 ハ、 朝 家 ヨ リ 萬 民 凱至 ル`
マデ モ、 。行 重Ψ多 ケ レ バ 、 メ ヂ タ キ 春 ノ始 ノ 日 ト ス ル ナ リ 。
ひ
ネ ゴト
醗 是 ハ何 勃 難 ジ タ ル ニカ 、 心 得 ガ タ シ。 タ マ寐 言 ヲ 聞 ガ 如 シ 。
○ 近 カ テ ム事 ハ、 某 事 ノ ア リ 、
シ、ハ⋮
幾 日 先 、 某 事 ノ ア ラ ム ハ イ マ幾 日 ト 云 ヒ 、 .
⑳ コ入 五 日. 、'六 日 過 ニ シ 程 ノ 事 、 覺 欺居 テ 答 モ ス ベ シ 。
㍗.
叉 先 ノ 事 ハ 、 十 日 ト モ廿 臼 } モ 、 其 物 二..
つ
、ヨリ テ 日 數 ヲ ク リ テ 答 モ ス ベ ケ ム ヲ } 日 數 經 タ ラ ム跡 ノ 事 ヲ 、 後
.
二人 ノ問 フ ベ キ ナ ラ ン ト 覺 工
副 キザミ
テ モ 居 ル ベ キ モ ノ カ 、 物 二刻 ヲ モ ツ ケ オ ク ベ キ カ 、 是 モ 一事 カ ニ 事 ナ ラ・ バ 、 サ モ ア リ ナ ム。 モ
シ ヤ 事 重 チ リ 、 事,
シ ゲ キ ニ至 リ ナ バ 、 月 次 隔 日 次 ノ ナ キ 弟 ハイ カ ニ云 ム ヤ 。 マ シ テ季 ヲ 經 、 年 ,
眞 暦 不 審 考辨
一 三 一 一
■
こ
置(
暦 不審 考 辨 、
・
,
㌔三 一ニ
ヲ﹂
經 シ ・事 ハ、 獪 更 ナ リ 。 ソ レ モ 私 事 ナ ラ バ 、 タ ト へ其 跡 先 ノ タ ガ フ ト モ 、 ソ ノ マ ・ ニ テ モ ア リ
ナ ム ヲ 、 公 事 ニ シ テ 、 カ ク 茫 然 タ ル コト ニテ 足 リ ヌ ベ キ ヤ 、 イ ト イ ブ カ シ 。
麹 丶
醗 此 論 ハ、 本 書 二遠 カ ラ ム事 ハ云 々 ト 云 ル ニテ 、 オ ノ ヅ カ ラ 辨 ヲ マタ ズ 。 論 者 ノ 、 例 ノ 後 世.
心、
毎 度 云 ニモ 及 ハズ 。 抑 暦 モ 昼 次 モ ナ カ リ シ世 ニ ハ、 ナ キ マ 、 一
=ア事 ハタ レル コト ニテ 、 今 ノ 心 ・
ヲ.
以 テ 思 フ ト ハ、 大 二相 違 セ ル コ トゾ カ シ 。
○ サ テ 、 此 四 季 ノ メ グ リ ニ ハ ツ カ ズ テ 、 外 二月 ト 云 コト ア リ 。
⑳晋疋 ハ前⋮
ノ ク サ 厂ぐ丶 ノ 物 ニ ツ ケ テ 、 季 ノ 始 年 ノ始 ヲ シ ル ト 云 ヨリ ハ、 マサ リ テ ・
置 キ ナ リ 。 サ バ紳 冖
代 ヨづ ノ 事 ナ ル カ 、 共 後 ヨリ ノ事 ナ ル カ 、
匸叉 ハア ラ タ ニ作 丿 設 ケ タ ル コ ト ナ ル カ 、 此 月 ノ 見 エ
ソ ム ル ヲ 月 ノ 始 ト シ 、 朔 ト ス レバ 、 今 ノ 暦 ノ 月 次 ノ 朔 二、 少 シ ノ ケ ヂ メ ハア レド モ 、 一月 ノ メ
グ リ ノ 大 凡 タ ガ ハザ レバ 、 イ ヅ レ ヲ 朔 ト ス ル ト モ 難 ナ ケ レド モ、 ソ Z 月 ノ 見 エ ソ ム ル コ ト ヒ } ・
シ カ ラ ズ 。 マヅ 日 月 ノ 合 朔 、 其 晨 前 夜 牛 ノ コ 彎 ニア レバ 、 朔 ノ タ ベ ニ月 ノ 見 エ ル コ ト モア リ 。
叉 月 道 二正 斜 ア リ テ 暹 速 シ 、轟月 毎 ご見 エ ソ ム ル コ ト等 シ カ ラ ズ 、 獪 モ東 西 ノ 國 ニ シ テ ハ タ ガ フ
コ ト 多 ク 、 一國 ニ シ テ モ西 二高 山 ア ル 所 ハ見 ユ ベ キ ニ 、日 、 三 日 ノ 月 モ見 エ ズ 、 或 ハ霖 雨 十 日 モ・
へ
廿 日 モ プ リ ツ ・力 六 、 朔
モ望 モ イ ヅ コ ニ カ有 リ ド コ ロ ノ 知 レザ ル モ 、 便 ナ カ ル ベ シ。 カ 、 レ バ
御
ノ '
皇 朝 ニテ ハ、
行 ハ ル ・事 ニ モ ア ル マジ 。 イ ヅ コ ニテ モ ア レ、 入 毎 二.
月 々西 ノ室 ヲ ナ ガ メ テ 、 今 臼 ・
ヤ 月 立 ナ ラ ム 、.明 日 ヤ 朔 ナ ラ ム ト仰 ギ 望 ム ハ、 里 俗 ニタ ガ ハ ヌ コ添 ヲ 、 西 ヤ 何 處 ト 云 、 阿 房 ノ
鐵 炮 放 ツ姿 ナ ル ベ シ。
ノ
㊥ 紳 代 ヨリ ノ コ ト ナ ル カ 、 云 云、 是 モ神 代 ヨ リ ノ コ ト ナ ル ベ シ 。 ア ラ タ ニ作 リ 設 ケ タ ル か ト ハ イ
カ 寸。齢
既 二倭
建 命 ノ 御冖
宇 ノ 歌 ニ ョ メ ル ヲ ヤ 。 月 ノ 見 エ ソ ム ル コト ヒ ト シ カ ラ ズ 、 ヒ ト シ カ ラ ヌ
ハ何 ノ 妨 カ ア ラ ム。 二 日 ノ タ ベ ニ モ セ ヨ、 三 日 ノ タ ベ ニモ セ ヨ 、 見 エ ソ ム ル ガ 月 立 ノ始 ナ リ 。
暦 法 ノ 合 朔 ノ 時 刻 、 月 道 ノ 正 斜 ノ 事 ナ ド 、 コ ・ ニサ ラ ニ用 ナ ク 、 イ タ ヅ ラ ゴ 峯 ナ リ 。 叉 西 二高 附
山 ア ル 地 ハ、・月 ノ 見 ユ ル コ ト オ ソ レ ケ レバ 、 月 立 ノ始 ト ス ル 日 モ遲 キ ナ リ。.
然 レ ド モ、 本 ヨ リ
一月 ノ 日 次 ノ 定 々 リ ナ ケ レ バ 、 此 所 ト彼 所 ト 一日 二 日 タ ガ ヒ テ モ 妨 ナ シ 。 霖 雨 ブ リ ツ 寸ケ バ 云 、
・云、 是 ハア マリ ニ ク タ太 \ シ グ テ サ ナ キ 論 ナ リ 。 抑 此 室 ノ 月 ニ ョ ル 月 ハ、 年 ノ メ グ リ ト ハ別 ナ
レバ、 タ ・
pヒ 長 雨 二.
テ 、 月 立 ノ始 ハ知 レ ザ レド モ、 事 カ ク コ ト ナ シ 。 望 ノ コ ロ、 ・
晦 ノ コ ロ モ シ・
レ ズ ト イ ヘド モ 、 事 カ ク コ ト ナ シ。 然 ル ヲ 知 レ ズ シ テ ハ便 ナ カ ル ベ シ ト 思 フ ハ、 暦 法 二、 年 ノ
メ グ リ ト 月 ト ヲ "ツ ニ合 シ タ ル ニ駲 タ ル の 今 ノ 心 ヲ 以 テ 思 フ故 ノ ヒ ガ コ ト ナ リ 。 タ ト ヘバ 今 ノ
あ ケ ィ
世 二、 自 鳴 鐘 モ時 ノ 太 鼓 モ ナ キ 里 ニテ ハ、 天 ノ β ヲ 見 テ 、 大 抵 何 時 ト 知 ル コ ト ナ ル ヲ 、 筌 ノ 曇 翫
鴇
奥暦 不 ・
審考 ⋮辨 、
三 一三
眞 暦 不 審 考 辨 三 一四
リ テ 日 ノ 見 エザ ル 日 ハ知 レ ザ レ ト モ 、、
大 抵 何 時 二・
テ モ ア ラ ム ト 推 量 テ濟 マ ス コ ト ナ リ 。 時 刻 ハ
入 用 ノ 事 ナ ル ス ラ 、 右 ノ 如 ク ニテ モ、 ス マ セ バ ス ム コ ト ナ リ 。 況 ヤ 、 上 代 年 ノ メ グ リ 一
一千 ヵ 、
ハ ラ ヌ、 室 ノ 月 ニ ヨ ル月 々 ノ 朔 、 望 、 晦 か、 雨 天 ニテ 知 レ ズ ト テ 、 少 シ モ妨 ナ キ コ ト ナ リ 。
〇 一月 ヲ 、 三 ツ ニキ ザ ミ テ 、 ッ イ タ チ 、 モ チ 、 ツ ゴ モ リ ト 云 リ。
宀
鰯 朔 ヲ 定 ム ル モ、 日 次 ニ バカ 、 ハ ラ ネ ド モ 、 二 日 ニ テ モ 三 日 }
=プ モ、 昏三 月 ノ 見 工初 ム ル 日 ヲ 始 ㌧
ト セ リ ト。,サ ラ バ 、 ソ ノ 定 メ タ ル朔 ノ 日 二序 テ 、 二 日 、 三 日 ト セ バ 、 日 次 ノ 日 モ ア ル ニア ラ ズ
ヤ 。 カ ク シ テ 三 十 日 バ カ リ ニ及 ベ バ 、 一月 ニシ テ 、 月 次 ノ 月 モ.
ア ル ニア ラ ズ ヤ 。
醗 上 代 、 一一日 、 三 日 ト 云 名 バ ナ シ。 本 書 二二 日 ノ 日 ニ マ レ、 三 日 ノ 日 ニ マ レ ト 云 ル ハ、 今 ノ 世 二.
二 日 、 三 日 ト 云 日 ノ ﹃ ト ニテ 、 後 世 ノ 名 ヲ 借 リ テ 云 ル ノ ミ ナ リ。 ソ ノ カ ミ然 云 リ ト ニ ハ非 ズ 。
又 月 次 ノ月 モ ァ ル .
ニ ア ラ ズ ヤ ト 云 ル モ、 ア タ ラ ズ 。・タ 寸 室 ノ 月 ノ 一 メグ リ ヲ 一月 手 シ テ 、 一月
一月 ト經 行 ク バ カ リ ニテ 、 年 ノ メ グ リ ト ハ別 ナ ル 故 二、 何 レ ノ 月 ヲ始 メ 、 何 レ ノ 月 ヲ 終 リ ト 云
コ ト モ ナ ク 、、
月 々ノ名 モナ ケ レバ 、 月嶋
久バ ナ キ ナ リ 。
○ 其 申 二. 朔 ヨ リ 十 六 七 日 ニ ア タ ル a ノ 夜 ノ 月 ハ 、 望 ノ 極 ミ ナ リ 。
鬱 此 望 ノ極 ミ ハ、 朔 ヨ リ 十 二 三 日 二當 ル ニ ハア ラ ザ ル カ 。 上 代 ノ 朔 ハ、 暦 ノ ニ 日 三 日 ゴ ロ ナ ル ヨ
■
シ 、 サ ラ バ ソ レ ヨ リ 十 六 七 日 ハ、 今 ノ 暦 ノ 十 九 日 、 廿 日 ゴ ロ ニ當 ル ナ リ 。 本 文 ヲ傳 寫 ノ 誤 歟 ト,
思 ヘバ、注 、
、モ委 ク イ フ ナ レ バ 、 是 モ 上 代 ノ 古 言 ナ ル カ イ ブ カ シ 。 叉 上 代 ノ朔 ハ、 暦 ノ ニ 日 三
日ゴ ロナ リ ト ヤ。 サ ア ラ .
ハ前 ニ イ フ 朔 ヨ リ カゾ ヘテ 、 三 日 ノ 日 二當 ル 夜 ノ 月 ヲ 、 三 日 月 ト 云 ヲ
.
シ バ、 今 ノ 暦 ノ 六 日 月 ナ ソ 。 萬 葉 ノ歌 モ 、 六 日 月 ヲ 賞 シ ヨ ミ タ ル カ 、、是 モ イ ブ カ シ 。
ハ
㊥ 本 書 二十 六 七 日 ニ ア タ ル 夜 ト 云 ル ハ、 己 レ フ ト 日 數 ヲ 思 ピ ア ヤ マ リ テ 書 ル ナ リ 。 サ キ ニ此 方 ニ
テ モ、 門 人 ノ 中 一
一心 ツ キ タ ル 人 ア リ テ 、 イ カ 寸 ト問 ケ ル ニ ヨ リ テ 、 己 レ モ始 メ テ 心 ヅ キ テ 、 十 、
四 五 日 ニア タ ル 夜 ト 改 メ テ 彫 刻 シ タ リ 。 上 代 ノ 月 立 ノ 始 ヨ リ 、 十 四 五 日 ニ ア タ ル 日 ガ 、 暦 ノ 十
五 六 日 ナ リ 。 今 論 者 此 事 ヲ 難 ジ タ ル ハ マゴ ト ニ當 レ リ 。 但 シ 朔 日 ヨ リ + 二 三 日 二當 ル ニ ハ ア ラ
ザ ル歟 ト 云 ル ハ、 夊冨
運 ヘリ。一
暦 ノ ニ 日 ヨ リ 十 二 日 目 ハ︼
暦 ノ 十 三 日 ナ レバ 、 {
望 ノ極 ニア ラ ズ 、 今 ,
ノ 暦 ノ 六 日 月 ナ リ 云 云、 上 代 二月 ノ 見 ズ ソ ム ル 日 ヨ リ カ ゾ へ、
テ 、 三 日 目 轟ア タ ル 夜 ハ、 暦 ノ 四 .
日 力 五 日 カ ナ リ 。 然 レ バ 上 代 二三 日 目 ト 云 シ バ 、 今 ノ 四 日 五 日 ゴ ロ ノ 月 ナ ル ベ シ。 サ テ 今 コソ
四 日 五 日 ナ レ、 上 代 ハ月 ノ 見 エ ソ ム ル 日 ヨ リ 數 ヘテ 云 故 二、 三 日 月 ナ ラ ズ ヤ 。 是 ヲ 難 ジ タ ル ハ
ィ カ ナ ル 心 得 違 ゾ ヤ 。 イ ブ カ シ ノ \ 。 叉 萬 葉 ノ コ ロ バ、 既 二暦 日 ア リ ツ レ バ 、 今 ノ 如 ク 暦 ノ 三 、
日 ノ月 ヲ 三 日月 ト云 シ 一
=ア モ ア ル ベ シ 。 サ レ ド 叉 、 上 代 ヨ リ 云 來 シ マ ・ 二、 暦 .
ノ 四 日五 3 ノ月
黄暦不審考辨 ・ . 三 一五
眞 旛 不 審 考鯨
幽 .
、
三 一六
ヲ三 日月 ・
r云 シ モ 何 事 カ ァ ラ ム。 タ ト ヘバ 今 ノ世 二、 此 ア タ リ ニ テ 婚 禮 二、 三 日 目 回
二 二日 ノ 観 ピ
ト 云 フ コ ト ヲ ス ル ニ、 三 日 目 一
一勝 手 ノ ア シ キ 享 ア ル ト キ ハ、 延 ベ テ 四 日 目 ニテ モ 五 日 目 ニテ モ
ス ル コ﹂
ト ア レ ド.
モ 、 ソ / 時 ト テ キ 、 凶 日 ノ 靦 、 五 日 ノ 観 ト ハ イ ハズ 、 ヤ ハリ 三 日 ノ 覦 ト 云 ナ リ ?
萬 葉 ノ三 日 月 コレ ﹂
ニ ノ心 得 ベ シ 。 駄
。
○ 暦 法 ニ ヨリ テ見 ル ニ、 天 ノ 月 ソ 扇 メグ リ 、 廿 九 日 六 時 餘 リ ニ テ 、 廿 九 日 ニ ハ ァ マリ 、 卅 耳 ニ ハ
タ ラ ザ ル故 、 卅 日 ト 定 メ テ 見 レ バ , 月 ノ 拙 入 蒔 ノ 、 先 ノ 月 p
ヨリ 潺 ク 、 二 月 ノ ホ ド ニ ハ大 カ タ 一
宕 タ ガ フ故 、 暦 ニ ハ大 小 ノ 月 ヲ 分 テ 、 二 月 二 一月 ハ廿 九 日 ト シ テ 、 晦 朔 ヲ ト ・ノ ブ。
鬱 是 ハ 一向 暦 法 ヲ シ ラ ズ シ テ 云 ナ レ バ 、 取 テ 論 ズ ベ キ コ ト ナ ラ ネ 下 モ 、 大 小 ノ 月 ヲ 分 ル 、 月 ノ 串
入 ノ 遲 キ ニ ヨ ル コ,ト ニ テ ハ、 曾 テ ナ シ。 日 月 ノ 合 朔 ヲ 定 ム ル故 二、 大 小 ハ自 然 ト 幽 來 ル ナ リ 。
此 云如 ク }
=ア ハ、 何 レ ノ 月 ヲ 大 ト シ 、 何 レノ 月 ヲ.
小 ト ス ベ キ。 暦 法 ︽ サ テ オ キ 、 今 ノ暦 サ へ }
ク ト見 ザ ルカ 。大 ノ 月 ノ 三 ツ 四 ツ モ ツ 寸 ク年 ア ル ヲ見 ル ナ ラ バ ♪二 月 三 月 ヲ バ廿 九 日 ト シ テ ト
云 誤 ヲ 、廓 ベ キゾ 。
⑳ 日 月 ノ 合 朔 ハ人 ノ 目 4見 ユ ル モ ノ ニ ア ラ ズ 。 タ 寸法 ノ ツ モ リ ヲ 以 テ 定 ム ル ノ ミ ナ リ 。 サ テ 其 合 、
朔 ヲ 以 テ 、 月 ノ 大 小 ヲ 定 ム ル ハ、 既 三 暦 法 ア リ テ ノ ウ ヘノ コ ト ニ コ ソ ア レ。 其 暦 法 ヲ 立 タ ル始 口
僻
、泌
ユ ハ、 月 日 / 合 朔 ハ見 エ ヌ コ ト ナ レ.
バ 、 モ ト ハ 目 二.
見 ユ・
ル コト ヲ⋮
準 } シ テ 、 ソ レ ヨ リ 段 々精 シ
ゆ
ク 、 目 二見 エ ヌ コ ト マ デ ヲ 考 ヘ ッ 齟
モリ テ、 定 メ タ ル モ ノナ リ。 サ レバ大 小 ヲ分 ル コト モ、 ソノ
屯 ト ハタ マ 、 月 ノ 出 入 ノ 次 第 ニ オ ソ ク ナ リ ユ ク ニ付 テ 、 ソ レ ヲ 段 々 二違 ヒ ユ カ ヌ ヤ ウ 轟 入 レ 合
が
ス ノ ミ ノ コト ナ ゾ 。 サ レ バ 何 レ ノ 月 ヲ 大 ト シ 、 云 々、 暦 法 ノ 定 マリ ノ ウ ヘノ ミ ノ コ ト ナ リ 。 タ
ト ヘバ 、 暦 法 ニテ ハ、 正 昊 、 ぐ万 小 ナ ル ベ キラ 、 正 月 小 月、
.云 大 ト シテ入 峇 セ テ モ妨 ナ シ。
ヘ リ
む
目 二見 エ ヌ コ ト ハ 差 ヒ テ モ 、 畢 膏凋ノ ツ マ マ リ ダ ニ必左 ハ ザ レ バ 、 難 ナ キ コ ト ナ リ 。 サ レ バ コ ソ 、
皇 國 ト 唐 國 ト 丹 ノ 大 小 ノ 合 ハ ザ リ シ コ → 、 叉 閏 月 ノ 置 キ 所 ノ タ ガ ピ.
シ コ ト ナ ド モ ア レド モ 、 ソ
レ ラ ハ ス ベ テ ノ
違 ヒ ニ ハ ナ ラ ザ リ シ ナ リ 。 弧璽 着 タ マ 、 一
暦 法 ノ 定 ニ ノ ミ カ ¥ ハリ ナ ヅ ミ テ 、 ソ ノ
﹁
暦 法 ソ 本 ヲ シ ラ ヌ ト 云 ベ シ 。 近 キ世 二、 年 々渡 り 參 ル阿 蘭 陀 ト 云 國 ナ ド ハ、 天 文 地 理 ニ ク ハ シ
ギ 國 ナ ル ガ 、 其 國 ノ 唇 法 ナ ド ハ 、 唐 國 ノ 暦 法 ト ハ 殊 ノ 外 二 異 リ タ ル モ ノ ニ テ 、 一月 ノ 日 數 モ 大
ニ チ ガ ヒ 、 閏 月 ト 云 コ ト モ ナ ケ レ ド モ 、 苴ハ通 リ 一
=ア モ 、.年 々差 フ コ ト ハ・ナ キ ナ リ 。 今 此 論 者 。一、
阿 蘭 陀 ノ暦 ヲ
﹂
見 セ タラ バ 、大 キ 一
一'驚 キテ目 ヲ マ ハ スベ シ。 二月 }
二 丹 ヲ 廿 九 日 ト シ テ ト 去 ル ハ、
の
其 大 概 ヲ 云 ナ リ 。 論 者 ノ 羹 如 ク 、 大 ノ 丹 三ヅ 阻 ツ ツ ・ ケ バ ト・
テ モ 、 前 後 ノ 數 月 ヲ 合 セ テ 見 レバ 、
ヘ
サ ホ ド マデ 大 ノ 月 ノ 多 ク モ ナ キ コ ト ナ ル ヲ ヤ。 ・
或 人 云 ガ 此 段 ハ、 本 書 瑚
二暦 法 ニ ヨ リ テ 見 ル ニト
ジ る
眞 暦 不 樽 考 辨 、
一
・
三 圃七
O
㌔具暦 不審 考 辨
' ご= 八
ブ レ バ 、 論 者 ノ 暦 法 ヲ 以 テ難 ジ タ ル コド 、 尤 ナ ル ニヤ イ カ " 。 答 諸 、 本 書 二暦 法 ニ ヨ リ テ見 ル
、
ニト 云 ル ハ、 塞 ノ 月 ノ 一メヅ リ ハ廿 九 日 六 時 ア マ リ ナ リ ト 云 コ ト ナ リ 。 カ ヤ ゥ ニ コ マ カ ナ ル コ
塾 ハ、 暦 法 二依 ラ ザ レバ 知 レタ づ ト 故 、 然 云 ル ナ ツ 。・サ テ 卅 日 ト 定 メ テ 見 レ バ ト 云 ヨ リ 下 ハ、
躍
麿法 喟二依 テ 見 '
ル ニト 云 詞 墨 ハ、 カ 、 ハ ラ ヌ コト ナ リ 。﹁
○ タ 孚.
室 ノ 月 ヲ 見 テ 、 朔 ノ始 ヲ 一人 ハ今 日 ト シ 、 ︼人 ハ昨 日 、・洲人 ハ明 日 ヅ ト 心 汝 二定 メ テ 、
︽Uカ ク メ イ く 二、 朔 ノ始 ヲ オ モ ハ "、 朔下 云 日 ハア リ テ モ、
ナ ク テ 牽 ニテ 、 今 日 ト シ 、 昨 日 ト ス
.ル ニモ 及 ブ マジ 。 前 二云 撃 ノ 始 ヲ 、 ク サ ノび丶 ノ 物 ニ ツ ケ テ シ ル 、 其 季 ノ 始 ハ、 二 日 ニ テ 巧 三 日
ニテ モ、ヌ イく 宀
疋メ 思 ッ ト モ 、 コバ 難 ナ カ ル ベ シ。 湘〃ハ月 ノ 始 ナ レ バ 、 ソ レ ヨリ 坎ハ々 へ、 朔〃
匐 り 幾 日 二當 ル 日 、 叉 幾 日 二當 ル 夜 ノ 月 ナ ド ・、 日 肝 ノ ァ ル 其 始 ヲ 、 メ イ く 二思 ヒ 定 メ バ 、
市 申 ノ 鬪 論 ハ更 ニ シ テ 、 家 内 一
一夫 婦 ノ ケ ツ ク ワ モ絶 マジ キ ナ リ 。 サ テ カ ク メ イ ー 二定 ム レバ 、
剛人 ハ大 ノ 月 ノ 如 ク 長 シ 、よ 人 ハ小 .
ノ月 ノ ゴ ト ク短 ク ス レバ、 晦 朔 ハモ ト ヨリ亂 レテ居 ル ナリ。
翻 此 段 ノ 難 ハ、 殊 二愚 昧 ノ 至 リ ナ リ 。 本 書 二云 ル如 グ 、 塞 ノ 月 ハ年 ノ メ グ リ ト ハ別 ニ テ 、・
何 モ用
ニタ ツ ル コ・
ト ハ ナ ケ レバ 、 ,朔 望 ﹁
晦叩、人 々ノ見 ル所 、 ・
各 タ ガ ヒ テ モ 、 少 モ 妨 才 シ 。 タ ト ヘバ 、 山
郭
公 ノ 鳴 ヲ 聞 テ 、、
鶯 ゾ ト 思 ヒ テ 居 テ モ 、 妨 ハナ キ ガ 如 シ。 今 日 ト シ 、 昨 日 う ス ル ニ モ 及 ブ マ ジ ﹂ 、
ハ 、 イカ ナ ル コト ゾ ヤ 。 用 ナ キ 物 ナ レ バ ト テ 、 見 ル物 聞 物 ヲ 、 ソ レト .
イ ハデ ァ ル ベ キ 方 ハ。 ﹂
石
ノ タ ト ヘノ 郭 公 ノ 鳴 ヲ 鶯 ゾ ト 思 ヒ.
テ居 テ モ妨 ナ ク 、 用 孟 ハ タ ・ ヌ コ ト ナ レド モ、 聞 人 ハ郭 公 ガ
F
鳴 ゾ 、 鶯 ガ 鳴 ゾ ト ハ思 ヒ モ シ 云 ヒ モ ス ル コ 手 ナ リ 。 然 ル ヲ 此 論 者 ノ 如 ク バ 、 郭 公 ゾ 鶯 ゾ ト 云 ニ
}印}曲
一 一
「
モ 及 ブ マ ジ キ コ ト ナ リ ト 云 ンガ 如 シ。 笑 フ ベ シ 。 云 々。 朔 望 晦 ヲ 、 日 用 ノ ア ル コト ト 云 ハ、 是
一
〒
囃 一
r 一
〒
吊
叉 、 暦 日 二'
馴 タ ル今 ノ 心 ヲ 以 テ 思 フ ヒ ガ コ ト ナ リ 。 夫 婦 ノ ケ ン ク ワ モ 絶 マジ キ ナ リ ト ハ、 イ ヨ
ヒ -
ケンクワ
、
一r
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く 笑 ブ ベ・ シ 。 郭 公 ノ鳴 タ ル ヲ 、 妻 ハ鶯 ゾ ト イ ハ 寸、 夫 . ハ笑 層
〔
ヒ テ コ ソ ア ル ベ ケ レ、 何 ノ 喧 花 ヲ
曲
カ セ ム 。 カ ヘ スノe丶笑 フ ベ.
シ。
隔
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○ 斯 シ.
テ 一月 ト ハ定 メ タ リ シ カ ド モ 、 月 々 ノ 名 モ ナ ク 、 四 季 ニモ ツ カ ズ 。 一月 々 々 ト 經 行 ノ ミ ニ
∼闇
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テ ︾ ス ベ テ年 ノ メ グ リ ト ハ別 事 ナ リ キ 。
㌻
」} 由
龝 此 年 ノ メグ リ ヲ 、 三 百 六 十 五 日 三 時 ト︽ 、 何 方 ノ法 ナ ル ヤ 。 皇 國 ノ 上 代 ヨ リ 定 マリ タ ル日 數
ニ テ ア,
リ シ ヤ ラ ム。 叉 暦 ノ 立 ・
春 ヨリ立 ・
春 ノ コ 鷺 マヂ ヲ 、 一年 ノ 一メグ リ ト セ シ 定 マリ モ ア リ ケ ル
カ 、暦 法 ヲ 以 デ 云 ト キ ハ 、用 節 氣 紀 歳 閏 月 可 [
︺晦 朔 弦 望 易 レ見 者 也 。 節 氣 過 宮 難 レ見 者 也 。 敬 授 ご
ニ ヲ クハ . . ヲ
.人 時 鴨 莫
レ如 レ用 ご其 易 暢見 。 而 爲 二之 閏 月 ↓ 以 通 レ之 。 則 四 時 不 レ惑 。 ト 云 リ 。 其 難 見 節 氣 ノ 歳 ヲ
用 テ . 上 代 テハ 年 ノ 一メ グ リ トセ シ 定 メ累 テ ア リ シ ヤ ラ ム 。 又 立 春 ヨリ 立 春 ノ コ η マデ ト 云 モ
尸ア}
眞 暦 不 審 考辨 醒
∴ ﹂
三 一九
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巌 暦 不 審 考辨 ﹁
三 二〇
噸ド轡}『 曽一
據 ナ シ。 此 三 百 六 十 五 日 ハ、 冬7
至 ヨ リ 冬 至 へ 一メ グ リ ノ 日 數 ナ リ ゆ 叉 立 ・
春 ノ コ 領 マデ ト イ ヒ テ 、
、 一
買
丁
暫w噛
耀向
甲}一
事
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四 分 日 之 一ノ 三 ・
時 マデ ヲ コ マ カ ニ云 ル、.
其 無 稽 ヲ モ察 ス ベ シ 。 叉 上 件 十 二 月 ノ 日數 、 三 百 五 十
r匸
い
凾 五 日 ト 云 、 此 日數 ハ何 ノ數 .
ヨリ 出 タ ルノ ヤ。 塞 ノ 月 ノ 見 エ ソ ム ル ヲ朔 ノ 始 ㍗ シ、 其 一月 二日
數 ノ 定 マ リ ナ キ ナ ラ ズ ヤ 。 ソ ノ定 メ 必 ナ キ 日 數 ヲ バ,
、 ぞ カ ナ ル 妙 算 二=アカ 、 十 ニ メ グ リ 、 三 百
五 十 四 五 日 ト バ カゾ ヘタ ル ヤ。 此 三 百 五 十 四 五 日 ハ、 晦 朔 弦 望 ノ 易 レ見 ㍗ ス ル 、 暦 法 ノ 一年 ノ
卿 騨7一 ∼
日 數 ナ ル ヲ 、 強 テ カ ノ イ フ 塞 ノ 月 ノ メグ リ へ取 合 セ タ レド モ 、 本 ヨリ 月 次 モ 日 次 モ 、 一月 ノ 日
一P
蘭瀞F
四 け
數 ノ 定 リ ナ キ ト イ フ上 代 二、 此 三 百 六 十 五 日 三 時 } 、 三 百 五 十 四 五 日 ノ 日 數 ヲ イ フゾ 、 分 テ イ
鰓 ∼ 一
ブ カ シ。
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漕
㊧ 此 論 殊 二愚 昧 ノ 至 ナ リ 。 カ ヤ ウ ニ心 得 ノ ア シ キ 入 ㌔
一封 シ テ ハ、 イ カ ヤ ウ ニ明 辨 ヲ ッ ク シ テ モ詮
呵 鶴
一 P舶 一
『騨陶
ナ カ ル ベ ケ レド モ 、,一 ワ タ リ ハ云 ベ シ。 マ ヅ 本 書 二、 年 ノ メ グ リ 三 百 六 十 五 旧 三 時 ト 蓉 ル ハ、
職 瓣 朝
コ マ カ ナ ル コ ト ヲ 、 暦 法 ニ ヨリ テ 今 云 詞 ナ リ 。 上 代 二暦 ナ キ時 ニ カ ク ノ 如 ク 定 メ タ リ ト 云 ニ ハ
脚
ごP芋 尸即7一
非 ズ 。 上 二云 ル 如 ク 、 上 代 ニ ハ日 數 ノ 定 リ ナ キ ニ、 何 ノ 三 百 六 十 五 日 三 時 ㍗ 云 定 リ ノ ア ラ ン。
剛
隙 ご
・川
縦
Y騙
罵出 一
サ テ 叉 、 論 者 ノ コ ・ 二引 タ ル 易 レ見 者 ニツ キ テ 、 時 節 ヲ シ ラ セ タ リ ト ノ コト ハ 、 コ ・ ニ ハ無 用
一
聯
ノ 引 證 ナリ 。
皇 國 ノ 上 代 ニ ハ、 見 ガ タ キ 節 氣 ニ ツ キ テ年 ノ メ グ リ ヲ 定 メ タ ル カ 丕疑 ヒ タ ル ハ、、
・
即w
諾 丶 卿
礎 攤 喞
㎝}
、
不 調 法 ナ ル コ 峯 ナ リ 。 始 二云 ル如 ク 、 其 時 々 ノ物 ニツ キ テ 、・
節 氣 ヲ 見 ル 、 何 ノ見 ガ タ キ コ ト ア
ラ ン。 モ ト ヨ リ 日 數 ノ 定 "
﹁、リ ナ ケ レ バ 、 少 々 ヅ 、ノ タ ガ ビ ハ妨 ナ キ デ午 モ 、
■上 三 四 ル ガ 如 シ。
叉 、 上 代 暦 法 ナ ク シ テ 、 閏 月 ヲ 立 ル コ ト.
ナ カ リ シ カ バ 、 見 ヤ ス キ 晦 朔 ニテ ハ、 年 ノ メ グ リ ハ定
メ ガ タ キ コ ト ナ リ 。↑
叉 暦 ノ 立 春 ヨ.
リ 立 春 ノ コ 官 マデ ト 羹 ハ、 皇 國 上 代 ノ 扁年 ノ 始 絡 ノ 定 メチ
リ。蛎青 李 吾 三時 ト蚕 、暦 法 ノ定 メナ リ。 コ 、ハ コ マ
.カ ナ ル處 ヲ イ ハデ 参 フ ヌ處 ナ ル
故 轟、 暦 法 ニ ョ ∬ テ 斗 コ マ カ ニ云 ナ リ 。 立 春 ノ コ 質 マデ ト 大 ヤ ウ 脚
噛云 ル ト 、 三 時 ト マ デ コ マ カ
ニイ ヘ ル ト ニテ モ 、 此 差 別 ハ オ ノ ヅ カ ラ サ ト ル ベ キ コ ト ナ ル ェ、 .
カ ク ノ 如 ク難 ジ タ ル ハ、.カ ヘ
スノ\ 愚 眛 ナ リ 。 叉 冬 至 ヨ リ 冬 至 マデ ト イ ハズ シ テ 、 立.
春 ヨ リ 立 春 マデ ト 云 ル ヲ 無 稽 ナ リ ト 云
ル モ 、 ヲ コガ マ シ。 皇 國 ノ 上 代 ニ ハ、 冬 至 ノ コ ロ ヲ 年 ノ 始 ト ハ セ ザ レ バ 、 冬 至 ノ コ ロ マデ ト
ハイ カ デ カ 云 ベ キ。、暦 法 ニ ハ、 タ ト ヒ 冬 至 ヨリ 冬 至 マデ 回
﹁モ セ 鋳、 ソ ノ 日 數 ハ即 年 ノ 一メ グ リ
首 數 ナ レバ 、何 ダ ガ 三 ﹂劣 ア ラ ン。夂 タ ト 蓼 至 ヨリ鑾 マヂ ト、 立春 言 立 春 マデ ト ハ,
イ サ ㌔ 力 差 ピ ア リ ト テ モ ,'
其 差 ハ コ ・ ニ ハ論 ズ ベ キ コ} u
一ア ラ ズ 6 タ、
ぐ暦 法 二云 ル 一
.年 ノ 日數
ニテ 事 タ レ ル ヲ ヤ。 冬 至 立 春 ノ 論 ハ、.コ ・ ニ ハ無 用 ナ リ 。 コ,、 ハ立 春 ヨ リ 立 春 マデ } イ ハデ ハ
聞 エ ズ 、 叉 年 ノ 日 數 ハ三 百 六 十 五 日 三 時 ト ィ ハデ ハムルラ ヌ 所 ナ リ 。 ヨ ク ノ 丶 思 フ ベ シ。 叉 三 百
眞 暦 竃審 考 鉾 ・
﹁
三二 一
.
-
'
肇
償
ゆ
翼暦 不審 考 辨
' 三 一
=一
五 十 四 五 日 ト 云 數 ハ、 暦 ノ 正 丹 朔 日 刃 リ 十 二 月 晦 日 マデ ノ 大 抵 ノ數 ナ リ 。 コ レ叉 、 暦 ニ ヨ リ テ
蓉 ナ リ 。 上 代 ニカ ク 定 メ タ リ } 云 ニ ハア ラ ズ 。 上 代 ニ ハ、 モ ト ヨ リ 一月 ノ 日 數 ヲ 幾 日 ト 定 ム ル 、
ン ン
コ ト モ ナ カ リ シ ニ、 イ カ デ カ バ十 ニ ケ 月 ノ a 數 ヲ 合 セ テ 、 何 百 何 十 貝 ト 云 コ ト ァ ラ ム。
,
○ カ ク ニ 方 別 事 ニテ ア リ ケ レ バ 、 閏 帰 ヲ 加 ヘザ レド モ 、 年 / メ グ リ ノ タ ガ ヒ ナ カ リ キ 。
鬱 塞 ノ 月 ヲ 見 テ 定 ム ル 一月 ハ、 四 季 ニ モ ッ カ ズ 、 年 ノ メ グ リ ト 別 事 ユ ヱ 、 閏 月 ヲ 加 ヘザ レド モ 、
噛
年 ノ メグ リ タ ガ ヒ ナ シ ト 。 サ ラ バ 上 代 二年 ノ メ グ リ ト 云 ハ、 イ ヨく 三 百 六 十 五 日、 三時 ト定
マ リ テ ア リ シ ト 見 ユ ル ナ リ 。 此 日 數 ア リ テ 、 立 春 ヨ リ 立 春 マデ 一メ グ リ ト ス レ バ 、 本 ヨ リ 閏 月
ヲ 加 フ ベ キ ナ シ 。 サ レド モ 其 年 ノ メ グ リ 广 立 ・
春 ノ始 ヲ"
其 日 ト イ ヒ 、 次 ノ年 ノ 立 春 ヲ 其 日 ト サ ズ
ベ キ定 メ ナ ク テ ハ、 此 一メ グ リ ノ H數 ノ 定 マリ モ 、 出 來 ガ タ キ ヲ 。 、
㊥ 此 條 ハ、 上 ノ 辨 ニテ ァ キ ラ カ ナ リ 。 ナ ホ イ ハ 寧 、
,上 代 ニ ハ季 ノ 日 數 モ 、 年 ノ 日數 モ定 マ レ ル コ
ト ナ シ ト 云 ハ、 本 書 ニ シ バ く 云 ル コ} ナ ル ヲ 、 カ ヘス 外 \ 此 日 數 ノ 事 ヲ イ ヘル ハ、 イ カ ナ ル
コ ト ゾ ヤ 。 日數 定 マリ ナ カ リ シ 故 ユ、 本 書 ニ ハ暦 ノ 立 春 ヨ リ 立 春 ノ コ ロ マデ ガ 云 リ 。 コ ロト 云
alJ
ハ、 大 抵 ヲ 云 故 ナ リ 。 モ シ 日 數 定 マリ タ ラ ム三 ハ、 コ ロ ト 云 テ 可 ナ ラ ム ヤ ハ。
ゆ
○ 業 卆 朝 臣 ノ 歌 ノ 詞 書 、 後 世 ノ 釋 二珊 日 ナ レド モ 、 歌 ニ ハ大 ラ カ ニ然 ヨ メ ル ナ リ ト イ フ ハ 、 古 へ
魯
ノ事 ヲ シ ラズ テ ノオ シア テ ナ リ。
⑳ 此 オ シ ア テ ㍗去 ル、
'
シ カ ア レド モ 、 月 ノ 末 ヲ 暮 ク 晦 日 ト 云 リ シ ユ ヱ、 卅 日 ヨ リ 前 ノ コ ト ナ レ
ド モ丶 詞 書 ニ ハ晦 ト 云 ル ナ リ ト イ フ モ 、 又 後 世 ヨ リ ノ オ シ ア テ ナ ラ ズ ヤ 、 モ シ又 、 横 ザ マ ニ釋
シ テ 、 詞 書 ハ晦 近 ケ レバ ト カ 、 比 ナ リ ケ レ バ ト カ ア ル ベ キ ヲ 、 文 字 ノ脱 セ シ ナ リ ㍗ 、 獪 モ オ シ
ア ・テ ニ イ ハ ム ハイ カ ニゾ ヤ 。 又 上 代 二日 次 ノ ナ キ ト 云 引 證 ノ 別 ニア リ テ 、 ソ レ故 伊 勢 物 語 ノ 尸
写 デ モ、 カ ク月 ノ末 ヲ ヒ ・ク晦 ト云 リ シト イ ハ 蕪 ラ ンヲ、 人皇 ヨ芋 吾 餘 年 後 /伊勢 物
'
》
語 ヲ 以 テ 、 上 代 ノ 日 久 ノ ナ カ リ シ 定 メ ハ、 カ ッ ノ \ ノ コ レ リ ト取 合 セ タ ルゾ 、`酌 子 定 規 ノ タ ト
入 ナ ラ ズ ヤ 。 此 外 引 ル モ ミ ナ 、 ソ コ ハ励 ト ナ キ 作 物 語 覇
一テ 、 面 白 ク オ カ シ ク艷 二書 タ ル モ ノ ナ
.
レバ 、 ナ ド カ 上 代 二日 次 ノ ナ キ ト 云 引 證 ニ ハナ ル マ ジ キ ナ リ 。 カ ノ國 ノ諸 子 史 書 ノ 中 ニサ へ、
誤 ル コト モ數 多 ア レ バ 、 イ カ ニ賢 シ ト モ 、 女 文 章 ナ ド 、 誤 ル所 ナ キ ニ シ毛 ア ラ ジ 。 マ シ テ 傳 寫 .
ソ 誤 ハ、 作 者 ノ 意 ニア ラ ザ レ バ 是 非 ナ シ ト モ イ フ ベ ケ レド 、 此 物 語 ド モ ・、 暦 ヲ ヒ ロ ク 行 ハ レ
シ ヨリ ニ 百 年 バ カ リ 後 ナ レ バ 、 暦 ノ 月 次 、 日 次 二順 ヒ テ コ ソ 書 ベ キ ヲ 、 ソ レ ニタ ガ フ ハ マヅ 誤
リ ト 云 ベ キゾ 。
ゆ
⑭ 晦 日 ヨリ 前 ヲ モ 、 ヒ ロ ク ツ ゴ モ リ ト 云 リ ト 云 ハ、 其 證 文 本 書 二引 ル ガ 如 シ、 何 ンゾ コ レ ヲ オ シ
眞 暦 不・
審考 辨 .
三 哨
ご二
﹁
匸
虞暦不審考辨
瓶 亙二四
ア テ ト云 コトヲ得 ム。 千 五 百餘 年後 ノ伊 勢 物 語 ヲ以 テ 證 ト ス ル ハ、 イ 冒く 明 ラ カ ナ ル證 トナ
ま
ル コ ト ナ リ 。 凡 テ 證 據 ヲ 引 ク ニ、 古 ク 早 キ ガ
﹁
ヨ キ ト 、 近 ク 後 ナ ルガ 覲 キ ㍗ 、 費 慕 轟 ヨ リ テ 差 肘
ア リ 。 此 ツ ゴ モ リ ト 芸 シ 訂ト ノ 證 ナ ド ハ、 近 ク後 ナ ル ガ 、 イ ヨく タ シ カ ナリ 。 イ カ ニト云 一
﹁
の
世 々ヲ﹂
經 ル マ 、 轟、 何 事 モ次 第 ニウ ツ リ カ ハ ル ナ ラ ヒ ナ ル ニ、 多 グ ノ 世
.
々 ヲ ヘテ 、 近 キ 世 マデ
婚
カ ハ ラ ザ ル ハ、 イ ヨノ \ 古 ヘ ハ然 ア リ シ ト 云 證 據 明 ラ カ ナ ル モ ノ ナ リ 。 叉 上 代 二日 次 ノ ナ カ リ.
シ ト 云 コ ト 、 古 キ タ シ ガ ナ ル 證 ハ見 ア タ ラ ザ レド モ、 本 書 三 ゴ ト ワ レ ル 如 ク 、 凡 テ 剛
些 暦 老 こ一上
ノ
ゆ
代 ノ サ マ ヲ 云 ル ハ 、 己 ガ 考 ヘ ナ リ 。 證 ヂ シ ト テ 信 ゼ ヌ人 ハ信 ゼ ズ シ テ ア ル ベ キ ナ リ 。 然 レド モ ,
φ
一
暦 術 ナ ク テ ハ、 日 次 ハ宀
疋メ ガ タ キ コ ト ナ ル ヲ 、 今 論 者 カ ク ノ 如[
ク シ ヒ テ コ レヲ 難 ズ ル ハ、 定 メ
テ 暦 法 ナ ク テ.
モ、 日 次 ヲ 宀
疋 ム ベ 壷⋮術 ア ル ナ ル ベ シ。 其 術 コ ソ キ カ マ ホ シ ケ レ。盤 ハ術 ナ ク バ 、 己
ヘ
ガ 讃 ト コ ロヲ ミ ダ リ 蜘
コ難 ズ ル コ
﹂ト ア タ ハ ジ 。 ソ コ ハカ ト ナ キ 作 物 語 エ テ 云 云 ト ハ、 叉 亠
入キ ナ ル \
心 得 違 ビ ザ リ 。 作 リ 物 語 ナ レバ ト テ 、 世 ・
闇 三 晦 塾 イ ハ ヌ日 ヲ 、 シ ヒ テ 作 リ テ 、 晦 ト 云 ベ キ 由 ナ
シ。
じズ 月 ノ 見 エ ヌ コ η 二、 月 ノ見 ユル コ 塾 ヲ 云 ベ キ ェモ ア ラ ズ 、 凡 テ 作 リ テ 鼓 コ・
ト モ事 ニ コソ
ヨ ル ベ キ ナ レ。 叉 本 書 晶引 ル物 語 ド モ ノ 中 ニ ハ、 作 物 語 轟 ア ラ デ 、 實 ノ 日 記 モ ア .
ルヲ ヤ。 叉 女
丈 章誤 ル所 ナ 輩 シ モ ア ラジ ト季 、 ア タ ラ ヌ コト ナ リ。 誤 ル 雪 と ; ソ ヨ レ。ガ カ 妄 ナ
O
レ バ ト テ 、 世 間 傷晦 ト イ ハ ヌ 日 ヲ 晦 ト 誤 ル ベ キ ニ ア ラ ズ 。 叉 傳 寫 ノ誤 ト 云 モ非 ナ ーー・。 タ マ }ツ
﹄一ツ ハ、 偉 ∵
冩 ノ 誤 モ ア ル マジ キ ニア ラ ザ レド モ 、 旦幽ハ此 物 語 气 モ 、 彼 物 覲開轟 モ ア マタ ア ル コ ト
ナ 啻 ヲ、 皆謨⋮
リ ト ハイ ヵ デ ヵ イ ハ ル ベ キ 。 一暦 ノ 月 次 、 日 次 二從 ヒ テ カ 丶ザ ル ヲ 誤 ナ リ ト 薫 モ 、
叉 ア タ ラ ヌ コ 塾 ナ リ 。 表 ム キ ノ 正 シ キ 國 史 公 事 え丈 書 ナド コ ソ 、 表 ム キ ノ 定 マリ ノ逋 り 轟書 ベ
キ コ ト ナ レ。 凡 テ 物 強㎎書 ナ ド ハ、 〃
私 ノ シ ド ケ ナ キ ス サ ミ、
ナ レバ、 タ マ世聞 、
二、 ナ ニ} ナ ク ツ ネ
ニ云 ヒ ナ レ タ ル、マ 、 二・
書 ル モノ ナ リ。 ソ ノ何 不 ナ.
ク 世﹂コ四 ヒ ナ レ タ ル コ ト ハ、 ミ ナ 古 キ コ ド ナ
レバ 、 返 テ タ シ カ ナ ル 證 ﹂
據 ニ ナ ル コ ㍗ ナ リ 。 タ ト ヘバ A7ノ 世・ニテ モ 一 }
片 田舍 ノ文 ↓
字モシラヌホ
慨
.
ド ノ 者 ナ ド ノ 云 言 篇 ハ、 返 テ 古 言 ノ コ レ ル コト ア ル ガ 如 、
シo 論 者 ス ベ テ , コ レ ラ ノ ワ キ マ ヘナ
キ ハイ カ ニ。
ソ ヤ。
ゆ
○ 室 ナ ル月 ニ ヨ ル月 ト 、 年 ノ 來 經〃ト 、 此 二 亠
万ヲ一
暦 一ツ 晶合 セ.
タ ル ハ、 天 地 ノ ア リ カ タ ニ シ タ ガ .
ハ
ヌ、 アタ ク シノ⋮
強 ﹂事 ナ リ 。 ギ
.
b
⑳ 此 室 ナ ル 月 ニ ヨ ル 月 } ハ、 晦 朔 ヲ 定 メ タ ル月 次 ノ 事 ナ ル ベ シ。 上 件 凱、 天 ナ ル月 ノ見 エ ミ見 工
壱
ズ ミ ス ル 一メ グ リ ヲ 一月 ト セ シ ト 紛 ラ ハ シ、 年 ノ 來 經 ト 云 モ 、 前 胴
ス 立 春 ヨ リ 立 春 ノ コ 寂 マデ
ヲ 云 リ 。 コ 丶 ニ ハ 十 二 月三 テ モ ア レ、 十 三 月 轟テ モ ア レ傷 一年 ト 定 メ ヲ ナ シ テ .
、此ニカタヲ
翼 暦 不 審 考 辨 三 二五
調
眞 暦 不審 考 辨
・ .
・
三 二亠
ハ
ツ ニ ス ル } 云 ナ ラ ム。 是 モ 前 }
二四ゴ ト ク 、 晦 朔 弦 望 、
ハ見 ヤ ス キ故 ヲ 以 テ 、 暦 法 ト シ テ 、 ス ナ ハ'
チ 天 地 ノ ア リ カ タ ナ リ 。 何 ゾ 私 ノ シ ヒ ゴ ト 、イ ハ ン ヤ 。
渥
㊨ 云云 一月 ト セ シ ト 、 紛 ラ ハ シ ト ハイ カ "。 何 ヲ マギ ラ ハ シ タ ル ニ カ 、 イ ブ カ シ 、 イ ブ カ シ。 又
本 書 二、 年 ノ 來 經 ト 云 ル ハ、 前 二立 春 ノ コ ロ ヨ一
リ 、 立 春 ノ コ ロ マデ ト 云 ル モ ノ ニテ 、 年 ノ 一メ
,グ
リ ナ
リ。
然 ル
ニ 、
コ ・
二論
者 ノ
十 二
月 ニ
テ モ
ア レ
、 十
三 月
ニ テ
モ ア レ
云 云ト
ス
ル ハ
、 イ
カ マψ
十 二 月 十 三 月 ハ、 月 次 ノ 方 ニ ヨ レ ル 一年 ニ コ ソ ア レ。岬己 ガ 云 コ 予 、 年 ノ 來 經 ト ハ異 ナ リ 。 晦 朔
弦 望 ハ云 云、 ス ナ ハチ 天 地 ノ ア リ カ タ ナ リ ト ハ心 得 ズ 。 モ シ 天 地 ノ ア リ カ タ ナ ラ バ 、 十 二 月 ノ
一メ グ ジ ト 、 節 氣 ノ 一メ グ リ ト 、 必 ズ 一 ッ ニ運 ビ ユ ク ベ キ ニ、 サ ハ ア ラ デ 差 ヒ ア ル ハ、 コ レ 天
地 ノ ア リ カ タ ハ、 此 ニ ツ別 ナ ル モ ノ ナ リ 。 其 別 ナ ル モ ノ ヲ 一
.ツ ニ合 セ タ ル暦 法 ハ、 人 作 ノ 巧 ナ
リ 。 何 ゾ 天 地 ノ ア リ カ タ ト 云 コ ト ヲ 得 轟 。 人 作 ナ ル故 二、 閏 月 ヲ オ カ ザ ル コ ト ヲ 得 ズ 。、
閏月 ト
ゆ
イ フ モ ノ 、 モ ト自 然 ノ 事 ニア ラ ズ 、 彼 ノ ニ ツ ヲ 強 テ 合 サ ン タ メ ニ構 ヘ タ ル モ ノ ナ リ 。 サ レ バ コ
ソ 、 西 ノ 方 ノ 國 々 ノ暦 ニ ハ 、 閏 月 ヲ オ カ ヌ モ ア ル ナ リ 。 人 作 ナ ル故 二、 其 法 イ ・/ \ マ チ マチ
ナ ルゾ カ シ。
ま
し
○ 上 件 ﹁ 上 ッ 代 ノ 來∴
經 ソ定 マリ ヲ イ みル 、 傳 読 ノ ァ 夜 事 二 董 ア ラ ズ 、.
年 ゴ 覧思 ヒ メ グ ラ シ テ 、 思
の
ヒ得 ッ ル ォ モ ム キ ナ リ 。
の
㊥ 傳 読 ナ キ ハサ ラ ナ リ 。 皇 國 ノ 上 代 ノ 事 ハ 、 書 記 古 事 記 ヲ 用 フ ベ シ。 ソ レ ニア ラ ヌ 定 マリ ハ、 皆
の 罫
オシアテ 一
一シ テ 、 此 眞 暦 、 發 端 モ モ シ ヤ 上 件 ノ 雜 書 ニイ フ.
月 ノ始 ヲ 、 廣 ク 朔 ト イ ヒ 、 末 ヲ 廣 ク
晦 ト イ フ ヨリ 、 日 次 モ ナ シ ド 邁 リ ハ セ ジ ヤ 、 上 代 ヨ リ ハ ル カ ニ年 經 シ中 昔 ノ 事 ヲ 以 テ 、 上 代 へ
推 及 ボ ス ナ ラ 六 、 カ ヘ スジ
/ヘ モ イ ブ カ シ 。
づ
㊥ 上 件 ノ 雜 書 ト ハ、 カ ノ 伊 勢 物 語 等 ノ 事 ナ・
ル ベ シ 。 カ ノ 物 語 類 ヲ 引 タ ル ハ、 必 ソ レヲ ノ ミ證 ト シ
レ
テ 定 メ タ ル ニ ハア ラ ズ ③ 彼 ハ タ 寸 一ツ ノ 傍 證 ノ ミ ナ リ。 、
サ テ 正 シ ク 證 據 ト ス ベ キ コト ハ見 ザ ル
ガ 故 二、 己 ガ 思 ヒ得 タ ル コ ト ナ リ レ 、 コ ト ワ レ ル ニ ア ラ ズ ヤ 。 サ テ 又 、 上 代 ヨリ ハ ル カ ニ年 經
シ中 昔 ノ 事 ヲ 以 テ 、 云 云 } 云 ル ハ、 前 ニ モ 辨 ヅ タ ル 如 ク 、 凡 テ 證 據 ハ古 ク 早 キ ガ ヨキ ト 、 近 ク ・
後 ナ ル ガ ヨ キ ト ノ 差 ビ ア リ 。 コ ・ノ 證 ハ、 近 ク後 ナ ル ガ 宜 キ事 、 既 二上 二云 ル ガ 如 シ, 何 ゾ 深
ク 思 ハザ ル ゾ ヤ 。 サ テ カ ヘ スλc丶 モ イ ブ カ シ ト ハ、 此 鬯
県暦 考 一部 ニワ タ ル 難 破 ナ リ 。 然 レド モ、
論 者 別 二考 ル ト コ ロ ア リ テ 、 予 ガ 云 ト 、
コ ロ ノ非 ヲ 知 レ ル カ ト 思 ヘバ サ ニ モ ア ラ ズ 、 別 二考 ヘ タ
ル 趣 モ ナ ク シ テ 、 ソ ノ 云 ト コ ロ ハ タ マ、 漢 國 ノ 暦 法 ノ ミチ リ 。 ソ ノ漢 図 ノ暦 法 ノ イ マ ダ渡 り來
ザ リ シ 以 前 ハ 、 然 ラ バ 何 轟 ヨ リ テ 日 次 月 次 ヲ 定 メ タ ルゾ う カ ヘス み\ イ ブ カ シ。 モ シ 叉 漢 國 ナ .
眞 暦 不 ・審 考・
辨 ・ ・ 三 二七
O
丶
が
虞 暦 不審 考 辨 粤
腕
、三 二八
ラ ヌ他 國 ノ 麿 法 有 シ 墾 ナ ラ バ 、 ソン 他 圏 ノ暦 法 ノ 、 上 代 二渡 リ シ釋 ナ ド ヲ 考 ヘ テ 、 カ ヤ ウ カ ヤ
ウ ノ凋
碎 ニテ 、 漢 冖
図 ナ ラ ヌ他 冖
圏 ノ暦 冖
ア リ テ ぎ ソ レ ニ ヨ リ テ 月 次 日 次 ヲ 定 メ ツ ラ ン ㍗ モ 、 イ ハデ ハ
論 意 立 ガ タ シ 。 サ ヤ ゥ ノ 事 ノ 考 ヘ モ 轡向 ナ ク シ テ 、 ミ ダ リ 一
一予 ガ 激 ト コ 質 ヲ 難 ズ ル ハ イ ヵ 議。
○ コ レゾ コ ノ 天 地 ノ ハ ジ メ ノ時 二、 皇 祺 神 ノ 造 ラ シ テ 、 天 ノ 下 萬 ノ 國 二授 ケ オ キ 玉 ヘ ル オ ノ ヅ カ
ラ ノ 懸個ニ シ テ 、
、
⑳ コ レゾ コノ 皇 M
図ノ始 ノ時・
挙 イ ハ " 、 マヅ 然 ラ ム ヲ 、 此 オ ノ ヅ カ ラ ノ暦 ト ハ 、 木 草 ノ ウ ヘ ヲ見 テ 。
季 ノ 始 、 年 ノ 首 ヲ 定 メ 、 叉 ハ茱 ノ 花 ノ険 ル ヲ 見 テ ハ,
、 苗 代 時 ヲ シ リ.
, ッ ク リ オ キ シ 麥フ 穗 ノ ア
カ ラ ム ヲ 見 テ ハ 、 田 植 ル 時 ヲ シ リ 、 叉 ソ ノ韜 ノ 刈 時 ヲ 以 テ 、 叉 麥 マク 時 ヲ シ ルタ グ ヒ ヲ 云 ナ ラ
ム。 木 草 ノ 花 サ キ實 ナ リガ 麥 苗 代 ノ蒔 時 モ 、 干草 萬 木 ノ榮 工枯 ル 丶 モ 、 ミ ナ 日 ノ 往 來 ノ 陰 陽 ニ
コ ソ バ ヨ レ 。 其 叉 臼 ノ 独 來 舌 、 萬 物 ヲ 生 育 ス ル 汐 メ ニ往 來 ス ル ニ ハア ラ ネ ド モ、 コ レゾ 天 ノ紳
化 ナ ル 。 是 ヲ見 、 カ レ ヲ タ メ シ見 ル事 ヲ 、 皇 組 祚 / 歡 .
へ玉 フ ト イ ハ マ難 ナ カ ラ ン ヲ 、 天 地 ノ始
ノ 時 ハ 、 イ カ ナ 皇 祗 紳 モ知 タ マ フ コ ト ニア ラ ズ 、 天 地 } ナ ラ ベ テ イ ヘド モ、 天 白 り 見 レ ハ、 地
球 九 萬 里 、 至 テ チ ヒ サ キ 物 ニ シ テ 、 其 球 中 萬 國 ノ 中 ニテ モ 、 皇 國 ハ叉 至 テ 小 キ 國 ナ レ バ 、 其 皇
翩
組 紳 ノ天 ノ 下 萬 ノ 國 テ授 ケ オ キ 玉 ベ キ謂 ヤ ア ル ベ キ 。 コ レゾ コ ノ 皇 租 祚 ヲ 褒 奉 リ テ 、 返 テ貶 ノ
、
妄 諡 ナ ラ ズ ヤ ρ カ ラ 國 ノ イ ヅ レ ノ暦 法 }
=ア モ、 皇 國 二取 用 ヒ 、 萬 民 ノ據 ト ナ シ 玉 フ 。 ソ ノ 皇 朝
コ
ソ バ
、 更
,二
奪 ク メ デ タ
キ 國 ノ
御 寶
} ナ シ タ マウ ナ リ 。
リ メ ヨ
ρ
・㊥ 皇 國 ノ 始 ノ 時 ト イ ハ 寸 、 マヅ 然 ラ ム
・挙.
ハ、 例 ノ 漢 ブ ミ ニ溺 レ タ ル イ ㍗ セ バ キ 料 簡 ナ リ 。 皇 租 紳
馳ハ駄 天 地 萬 國 ニワ タ リ テ 、 萬 ノ 道 ヲ ハジ メ 玉 ヘル 大 祚 ニシ テ 、 此 オ ノ ヅ カ ラ ノ眞 暦 モ、 萬 國 ニ
ワ タ レル ユ ト 才 リ 。 皇 祕 榊 下 ハ伊 邪 那 岐 伊 邪 那 美 二 柱 ノ 大 神 ナ ツ 。 此 大 神 ハ、 天 地 ノ始 ノ 時 ノ
瀬 ニ シ テ 、 萬 國 ノ萬 ノ 道 ヲ 始 メ 玉 フ 大 棘 ナ リ 。 コレ ラ ノ ク ハ シ キ 子 細 ハ、 漢 ブ ミ ニ惑 ヘ ル尋 常
ノ 學 者 ノ 知 ル ト コ亡 ニ ア ラ ズ 。 又 世 ニ イ ハ ユ ル融覗道 者 冖
.
モ知 ル ト コ η ニ ア ラ ズ 。 タ 寸、 灘ハ
ブ ミノ .
習 氣 ヲ清 ク洗 ヒ 去 タ ル 古 學 者 ニ ア ラ ズ ハ、 シ ル コ ト ア タ ハ ジ 。 地 球 ノ 中 輔
=ア モ 、 皇 國 ハ 叉 至 テ
小 キ 國 ニテ 、 云云 、 コ レ又 漢 ブ ミ ニ溺 レ 居 ル 通 例 ノ 學 者 ノ 料 簡 ニ テ 、 大 回
ニノヤ マ レ ル コ ト ナ リ 。
・此 事 ハ、 予 他 ノ 書 二毎 々 辨 ジ オ キ タ ル コ ト ナ レ バ 、 今 コ 、 ニ ハ イ ハ ズ 。 ス ベ テ 予 ガ 云 ト コ 順 ハ、
ノ
ノ
此 眞 暦 考 二限 ラ ズ 、 何 事 一
=ア モ 、 世 闇 通 例 ノ読 ト ハ雲 泥 ノ チ ガ 七 ナ リ } 心 得 ベ シ 。 然 レ バ コ レ
ヲ 難 破 セ ムト ナ ラ バ 、 叉格 別 ノ議 論 ・
コ ソ ア ル ベ キ ニ、 今 論 者 / イ フ 予 コ衰 ハ、 世 間 通 例 ノ 學 者
モ不學 者 モ、 ミナ ッ ネ ニヨク 云 コ} 一
一テ 、 何 ゾ メ ヅ ラ 膨 カ ラ ム。 カ ヤ ウ ノ 乳 臭 キ論 ハ, 辨 ズ ル
・
モ イ ト ワ ヅ ラ ハ シ 。 壟 、
眞暦不寨考辨 、
.
三 二九
鱗
φ
'
黄 暦 不霽 考 辨 三 三〇
〇 ソ ノ 暦 ハ、 月 ノ 大 小 ト閏 月 ト ヲ 以 テ 、 朔 晦 ト節 氣 f 違 ハ ヌ ゴ ト ク 一ッ ニ合 セ タ ル ナ ド 、 イ ト モ
巧 ニ ハ ア レド 、 獪 歳 差 ト 云 コ ト ア リ テ 、 數 + 年 ヲ 經 ヌ レ バ 、 一度 峯 イ フ ホ ド ヅ ・ タ カ ビ ユ ク ヲ 、
も
⑭ 此 イ フ ハ、 彼 暦 法 ノ 氣 ハ盈 リ 、.朔 ハ不 足 シ テ別 々 ナ ル ヲ 、 閏 月 ヲ オ キ テ 由 是 ヲ 一ツ 一
岡合 セ タ ル 、
ト 云 コ ト ナ ラ ン カ。 節 氣 ↑
ハ 日 ノ 周冖
次 ナ リ 。 晦 朔 ハ丹 ノ 轉 周 ナ リ 。 "
其 日 月 ノ 邇 旋 ニ ヨリ テ 、 一年
ノ 閏 日 ヲ 生 ジ 、 積 リ テ 一.月 ノ 數 二滿 テ 閏 月 ト ス ル ナ リ 。 然 ル ヲ 晦 朔 ㍗ 笛 氣 ト逮 ハ ヌ ゴ ㍗ ク 、 一
ツ ニ合 セ タ ル 、 4 モ 巧 ナ リ ト 云 。 巧 ニ ハ ァ ラ デ 、 日 月 遐 行 ノ 自 然 シ タ ガ フ算 數 ナ リ 。 叉 歳
差 ト 云 コ ト ハ、 日 一周 定 マ リ テ ア ル ノ考 驗 ニ シ テ 、 日 ノ 浪冖
ク ト モ、 星 ノ 進 行 ト モ 、 久ン
至 ノ 日迄
二進 退 ア ル コ 築 ニテ 、 大 小 閏 月 二少 シ モ拘 ハ ル コ ト ナ ラ ズ 。 並 べ テ 云 ベ ク モ ア ラ ヌ コ ト ナ ル ヲ ,
カ ク 一ッ ニ獪 歳 差 ト 云 八 、 其 名 ヲ 知 テ實 ハ シ ラ ザ ル故 ナ ラ ム。 シ カ モ考 ヘツ ク ス コ ㍗ ア タ ハザ 、
レバ、 ヲツ ー 暦 ヲ 改 メ ズ テ ハ、 エ ア ラ ズ ㍗ イ フ。 是 モ暦 法 ヲ シ ラ ヌ ナ リ 。 時 々 天 ヲ 驗 デ 改 ム
ル ガ 暦 法 ナ リ 。 文 斗 柄 ノ 事 ハ、 夏 ノ 時 、 斗 柄 。 初 昏 建 寅 ノ 月 ヲ 以 テ 歳 首 ト ス ト ハ、 古 人 ノ 非 論
ニ シ テ 、 今 ハ取 ラ ザ ル ト コ ロ ナ リ 。 月 ノ メ グ リ ノ 十 二 支 ハ、 斗 柄 必 建 ス事 ニ ハ ア ラ ズ 、 然 ル ヲ
・寅 ノ 月 二丑 ノ 方 }
﹁建 ス ト 云 ハ、 妄 貅叨ニ ア ラ ズ 、 タ シ カ ナが コ ト ナ リ ト ハ、 一笑 ス ベ シ 。 古 ヘノ
非 読 二從 ヒ テ モ 、漢 ノ 太 初 ノ コ 樟 二、 ハ ヤ 丑 / 方 ヲ 建 ス ベ キゾ 。 閏 月 ハ今 ノ 暦 三 隨 節 用 之 ト ス
亀
レド モ 、
︻ソ ノ 閏 月 三 十 日 建 ス方 ノ タ シ カ ナ ラ ザ ル ニ テ モ・
知 ベ シ。
軸 巧 ニ ハ ア ラ ズ 、 日 月 蓮 行 ノ自 然 ニ シ タ ガ フ L ハ大 ナ ル ビ ガ ゴ ト ナ リ 。 日 ト 月 ト ノ 蓮 行 ヒ } シ カ
ラ ザ ル ガ 自 然 ナ リ 。 ソ ノ ヒ ㍗ シ カ ラ ザ ル モ ノ ヲ 、 張 テ 一ツ ニ合 セ タ ル ハ、 人 作 ノ 巧 ヲ リ 。 何 ゾ
コ レヲ 自 然 ト 云 コト ヲ 得 ム。 モ シ 自 然 ナ ラ バ 、 閏 月 ヲ オ カ ズ ト モ, オ ノ ヅ カ ラ 合 ヒ 行 ク ハヅ ナ
ル ニ、 閏 月 ナ ク テ ハ合 ヒ ガ タ キ ヲ 以 テ 、 自 然 二非 ル コ ト ヲ 知 ベ シ。 然 ル ニ此 論 者 ハ、 ソ ノ 閏 月
グ、
ル ミ ニ・
自 然 ノ コト ゾ ト 思 フ ハ、 一笑 二堪 タ リ Q 惣 ジ テ 此 論 者 、 一
暦法 }
一云 ト コ 救b 定 ム ル ト コ
ηヲ 、 一 スヂ ニ天 地 自 然 二從 フ事 ト 思 ヒ ト レ ル ハ、 イ 下 モノ \ 愚 眛 ノ コ ト ナ リ 。 歳 差 ノ 事 云 去、
並 べ テ 云 ベ ク モ ア ラ ヌ.
コ } ナ ル ヲ ト ハ、 本 書 ノ 支 意 ヲ ヨ ク モ味 ヘズ 、 倉 卒二一見 テ 、 ミ ダ リ ニ云
"ル ナ リ。 此 所 本 書 ノ 意 ハ、 暦 法 ト 云 モ ノ ハ、 大 小 閏 月 ヲ 立 テ 、 節 氣 ト 月 次 ト ヲ 一ッ ニ合 セ タ ル
ハ.
巧 ナ レド モ、 妖⋮レ軍 モ ソ ノ 巧 ナ ル 暦 法 ニ テ モ 、 ,
傑嫐差 ハナ ホ 今 轟考 ヘツ ク ス コ ト ア タ ハ ズ ト 去
ル ナ リ 。 ヨ ク丈 ヲ 見 テ シ ル ヘ シ。 歳 差 ヲ 大 小 閏 月 ノ 事 ヘ カ ケ テ 云 ル ヤ ウ ニ思 ヘ ル ハ、 大 ナ ル誤
リ ナ リ。 本 書 二歳 差 ノ 事 ヲ 云 ル ハ﹂ 大 小 閏 月 一
一カ ケ テ 論 ズ ル ニ ハ非 ズ 。 ス ベ テ 暦 法 ノ 事 ヲ 論 ズ
ル ナ リ 。 時 々天 ヲ 驗 テ 改 ム ル ガ 暦 法 ナ リ ト 云 モ 心 得 ズ 。 時 々 二驗 テ 改 ム ル ハ、 次 第 二差 ヒ ユ ク
コ ト ア ル故 二改 ム ル ナ リ .
。 一タ ビ 定 メ オ キ タ ル 所 タ ガ フ コ ト ナ ク ハ、 何 ヅ 改 ム ル コ ト ヲ 勞 セ ム。
如
具暦 不 審 考 辨 、
・
﹂
三繭
輔コ
、
纓 り
雲 γ
置
暦一不審 考 辨 ・
三 三 二
無 盆 ノ事 ナラ ズ ヤ 。論者 暦 法 ヲ シ リガ ホ・
ニ ハ イ ヘド モ 、 其 暦 法 ノ 所 以 ヲ バ 、 カ ツ テ 知 ラ ザ ル モ
ノ ナ リ 。 斗 柄 云 云 ノ 事 ハ、 古 入 ノ 非 読 ニシ テ 今 ト ラ ザ ル ト コ ロ ナ リ ト ハ、 サ モ ア ル ベ キ コ ト ナ
リ。 後 世 次 第 二天 學 精 ク ナ ル 一
一ッ キ テ 。 右 入 ノ 麁 謬 ノ ア ラ ハル ・ ナ リ。 然 レド モ 、 此 斗 建 ノ 諡
ハ、 タ ㍗ ヒ 非 ニ モ 七 ヨ、 上 古 ヨ ー1'
云 ル コ ト ご テ 、・
代 々 ノ 識 者 モ 、 皆 雛 レ ニ依 リ 來 レ ル コ ト ナ レ
ーバ 、 今 予 コ レヲ 引 テ 論 ズ ル モ 、 何 事 カ ア ラ ム。 モ シ予 が コ レ ヲ 云 ヲ ∴ 笑 ス ベ シ ト イ ハ 寸、 上 古
ヨ リ 此 読 ニ ヨ ル代 々 ノ 古 人 ヲ モ 皆 一笑 ス ベ シ。 何 ゾ 予 憎人 ヲ 笑 フ コ ト ヲ 得 ム 。 サ テ 叉 此 斗 建 ノ
読 ハ、 上 古 ヨリ 見 ル コ } }
=プ, 代製 入 モ ア マネ ク 皆 コ レ ニ依 來 レ.
ル論 ナ ル ス ラ 、 後 世 鵡至 テ ハ
コ レヲ 非 ナ リ,
㍗ ス レ バ 、 是 と 准 ジ テ サ 墾 ル ベ シ 。 今 ノ 暦 法 モ、 今 コ ソ 至 テ精 キ ヤ ウ ナ レド モ 、
叉 今 ヨ リ後 世 二至 テ ハ、 イ ヵ ナ ル 非 謬 ノ ァ ラ ハ レ ム モ分 リ ガ タ シ。 カ ノ 斗 建 ノ読 ㍗ テ モ、 上 古
ニ コ レヲ 考 へ定 メ タ ル 時 謡 ハ、 非 謬 ナ リ ト ハ イ カ デ カ 思 ハ ム。 ト カ ク 人 ノ識 量 ヲ 以 テ 考 へ定 ム
ル コ} ハ限 ア リ テ 、 自 然 ノ 紳 作 ト ハ合 ヒ ガ タ キ モ ノ ナ レバ 、 全 ク 蠱 ス コ ト ア タ ハザ ルキ ノ ト.知
ペ シ。 サ レパ 此 一事 ヲ 以 テ モ、 論 者 暦 法 ヲ 自 然 ノ 事 ト ノ ミ 思 ヘル マド ヒ ヲ 悟 ル ベ キ ナ ー7。
〆
斗 建 ノ 事 、.ツ イ デ 三 四ベ キ コ 墜 ア リ 。 抑 鋤 事 ハ 、 閏 月 ニサ シ ツ カ ユ レ バ 、 古 人 ノ非 ナ リ ト 溝
毎、 ↓ワ タ リ 聞 エタ ル コ ト ナ レド モ 、 ナ ホ ヨ ク 思 フ ニ、 閏 月 ハ マ レ ニ ア ル コ ト ニ ハ非 ズ 。 大
、,
抵 三 年 メ グ ラ ヰ ニ ツ ネ ニア ル コ} ナ ル ヲ 、 古 人 コ レ 騨
心 ツ カ ズ シ テ b ミ ダ リ 噸
輌読 ヲ 立 ツ ベ キ
. ユア ラ ズ 。 サ レ バ 斗 建 ハ、 モ シ ク ハ晦 朔 テ ハ ヨ ラ ズ 、 節 氣 議依 ニ ハ ア ラ ザ ル カ 。 サ レド 此 事
丶 .ハ 碧 ク モ考 ヘズ b 今 思 ヒ ヨ レル マ ・ 二云 ノ ミ ナ リ 。 瓢
個 ヨ ク一
考 フ ベ シ。
○ コ レラ ノ 外 轟 モ 、 今 マデ タ ガ ピ ナ ク 考 へ得 タ リ ト 思 フ コ ト ド モ モ 、 叉 數 干 年 ヲ 經 ム後 ニ ハ、 タ
.
ガ ヒ行 ベ キ 貿 予 オ シ バカ ラ レ タ リ 。・
⑭ カ ク 弐 ゾ 、 ナ ホ 凄 タ ガ ヘサ 。 考 得 タ ル コ ト ノ タ ガ フ 議 ハア ラ デ 、 古 へ 諾考 ヘ ノ タ ラ ズ 粗 ナ リ シ
事 ヲ 、 今 ソ ノ タ ラ ザ ル 考 ヘヲ 、、次 第 二精 ク ナ リ テ 、 皇國 廟
一テ モ、 百 年 來 、 天 ノ 蓮 行 一
}密 合 シ
タ ル暦 法 ヲ 行 ヒ玉 フ ナ リ 。 叉 數 千 年 後 ニ ハ タ ガ ヒ 行 ベ キ コ ト・、 オ シ バ カ ラ レ タ リ ト ハ、 何 ヲ 以
テ オ シ バ カ リ 〃 ン ヤ イブ カ シ。
驫)何 ヲ 以 テ オ シ バ カ リ ケ ム ト ハ愚 ナ リ 。 後 世 、 唇 術 次 第 二精 ⋮
ク ナ リ テ 、 古 ヘ ニ考 ヘ ノ タ ラ ズ粗 ナ
リ シ コト ヲ 考 へ知 レ ル ヲ 以 テ 、 オ シ バカ ル ヘ シ 。 今 ヨリ 後 、 又 次 第 i精 ク ナ リ テ 、 其 時 ハ今 ヲ
蟇
見 ル コ} 、 叉 今 ノ古 ヘ ヲ 見 ル ガ 如 ク ニテ 、 粗 ニ シ テ タ ガ ヘ ル コ } オ ホ カ ル ベ シ。 上 ノ 斗 建 ノ 事
} 引 合冖
セ テ 、 ミ ヅ カ ラ サ } ル ベ シ コ
○ カ ク シ テ ツ ヒ ニ、 ・
本 ノ﹂
域﹁ニ カ ヘリ ツ キ ナ ン曲門ニゾ 、 皇 図 ノ 宀
疋マリ ノ マ コ杢ナ・
ル ホド ハサ ト リ ナ
翼 欝 不審 考 辨
電 ・
、
三 三 三 .
ド確
3
黄 暦 不 審 考辨一 .
三三四
ム。 ・
"
、
⑳ 此 本 ノ 域 晶力 ヘル ト ハ、 彼 古 暦 ノ 法 ニア ル、 演 紀 上 元 二據 テ 、 カ ク 云 ヤ ラ ム。 コ ハ暦 ノ 諸 率 ヲ
造 ル基 二立 タ ル 虚 數 ニ シ テ 、 天 ノ 蓮 行 二際 限 ハ ナ キ コ ト ナ リ 。・其 故 、 今 ノ 暦 法 ニ ハ、 此 積 年 ノ
事 ハ用 ヒ ズ シ テ 、 當 時 二測 リ驗 ミ 、 天 二合 ス ル ヲ 以 テ 率 ト ス。 今 日 ノ 天 二密 ス レバ 、 何 ゾ 將 來 .
'
後 元 ノ 期 ヲ 計 ラ ム ヤ。 サ ラ バ 本 ズ 域 ニ カ ヘ ル ト 云 コ} ナ ク 、 皇 画 ノ 定 マ リ ノ マ コ ト ナ ル モ 、 サ
} ル ベ キ ヤ ウ﹄
ナ キ ナ リ 。 一 .
﹁ .
㊥ 本 ノ 罅吶ニ カ ヘ ル } 云 ル コト 、 己 ガ 云 ト コ ロ バ、 今 論 者冖
ノ 云 ル ト ハ大 二里ハナ リ 。 鵡
朋後 ノ 文 ヲ 見 テ
サ レ ル ベ シ 。 論 者 ノ 云 ト コ 鷺 ハ、 漢 人 ノ 例 ノ 妄 読 ニ シ テ 取 ニ タ ラ ザ ル コト ナ レ バ 、聖
暦 法 家 二用
塾
榊 編 一 一"一
ビ ザ ル ハ コ ト ワ リ ナ リ 。 己 ガ 本 域 ニカ ヘ ル ト 云 ル ハ、.タ ト ヘバ 海 上 ヲ 船 ニノ リ テ 、 西 へ/ \ ㍗
「
エ ク こ、 此 大 地 ハ圓 キ 形 ナ ル モ ノ ニテ 、 東 西 ノ 極 ㍗ ス ル 所 ハ ナ ケ レバ 、 イ ヅ ク マデ モ西 へく
冖
}
ト ユ ケ バ"
、 イ ッ ノ ホ ド ニ カ 、 本 ノ 所 ヘ メグ レ カ ベ ル如 ク ニテ 、 此 暦 法 モ西 へ西 ヘ ト精 ク ナ リ テ 、
ツ ヒ ニ`ハマ︿ 本 ノ 眞 暦 ノ 大 ラ カ ナ ル 所 ニカ ヘ ル ベ シ ト 云 ナ リ 。 暦 法 ノ精 ⋮
粗 ノ事 ヲ 云 ルヲ 、 論 者 イ
ρ
カ ニ見 誤 レ ル ニカ 、 今 ︼度 本 書 ヲ ヨ ク 見 ヨ。
○ 近 ク ハ、 ツ ネ ノ 月 々 ノ 節 氣 手 、 天 ノ 月 ニ ョ ル 月 ト ヲ 正 シ ク 合 ス コ ㍗ ア タ ハズ 、
⑳ コ ・ 二云 天 ノ 月 ニ ヨ ル月 ト ハ, 是 モ 晦 朔 弦 望 ヲ 用 ヒ タ ル 月 次 ノ 月 ノ 事 ナ ラ.ムヲ 、 前 二云 四 季 ノ
メグ リ 一
一モ ツ カ ズ テ 、 叉 月 ト 云 モ 、 室 ノ 月 ニ ヨ ル ニテ 、 其 名 ヲ 混 ジ テ 紛 ラ ハ シη 次 一
一云 、 天 ノ
月 ニ ヨ ル月 ノ 方 ト 云 、
.モ ロ コ シ ノ 十 二 月 ハw 天 ノ 月 ニ ヨ ル 月 ヲ 以 テ 定 メ タ ル ト 云 、 皆 同 ジ ク 月
坎(
ノ月 ノ・
事 ト一
見 エタ リ。 跣
興月 }齪
即氣[
ノ 正 シ グ 合 ザ ル ハ、 晶
剛、二云 ゴ ト ク 、 舗竪氣・ハ日 ノ メ グ リ 月 坎ぴ
。
ノ 月 ハ凋 ノ メ グ リ ナ レ バ 正 シ ク 合 ス ベ キ 謂 ナ ﹂
シ。
㊥ 本 書 二天 ノ 月 一
一ヨ ル 月 ト 云 コ ト ハ、 前 ニ モ度 々 出 テ ヨ ク知 レタ ル事 ナ 沙 ヲ 、 論 者 前 ノ 事 ヲ バ 、
膨 ハ ヤ忘 レ タ ル ニヤ 。 コ ・ 二至 テ マギ ラ ハ シ ゲ ニ云 ル ハ、 イ カ ニゾ ヤ。 サ テ 月 坎(
ノ 月ス 、 月 ノ メ
尠 グ リ 、 節 氣 ハ 日 ノ メ グ リ ナ レ ハ、 正 シ,
ク 合 ヒ ガ タ キ ハヅ ノ コ ト ト 云 ハ勿 論 ノ コ ト 也 。 己 ガ 本 書
二云 ル ハ コ 、ノ コ ト ナ リ 。 ヨ ク 思 フ ベ シ 。 正 シ ク 合 ス ベ キ 謂 ナ ク ハ、 ・合 サ ズ ニ オ カ ム コ ソ.
自 然'
ニ ヨ ル ト ハ云 ベ ケ レ。 暦 法 ハ ソ ノ 合 ヒ ガ タ キ モ ノ ヲ 強 テ 合 サ ム ト ス ル術 ナ ル 故 二、 全 ク ハ合 ス
コ ト ヲ 得 ザ ル ナ リ 。 今 論 者 ノ 詞 ユ正 ク 合 ス ベ キ 謂 ナ シ ト 云 ル ハ、 郎 コ レ、 合 ス コ ト ヲ 得 ザ ル ニ[
ア ラ ズ ヤ。 合 ス ベ キ 謂 ナ ク バ 、 何 ゾ 暦 ニ コ レ ヲ 合 セ タ ル ヤ 。
'
○彼 國 噛
=ア モ 、 世 々 ノ 暦 法 w
一、 年 ノ 來 經 ト ソ ラ ノ 月 ニ ヨ ル月 ト ヲ 一ッ テ合 セ テ 、 天 ノ 月 ・
ニョル月
λ 方 ヲ ム ネ ト セ ル ハ 、 ヨ ロ シ カ ラ ズ ト 云 コ ト ヲ 考 へ出 タ ル 人 モ 出 來 ヌ ル 、・
。
匂
呉屡 不 ・審 考・
辨 .
三 三 五 ﹁
蝉
'
烏
ζ
丶
'丶
ゆ
眞 屡⋮
不 審 考・
辨 .
芝 三 亠
ハ、
醜Ψ此 一ツ ニ合 セ シ ヲ ヨ ロ シ カ ラ ズ ト 云 考 ヘ ヲ モ テ 、 カノ 本 ノ方 ニメ グ リ カ ヘ ル 距 ル︾ ト ハ イ カ 轟
〆 心
ゾ ヤ 、 一向 二取 ト コ亡 ナ シ。 ー モシ ヤ是 ハ・ 、 天 經 或 問 二、 以 十 二 宮 爲 定 節 氣 以 冬 至 爲 歳 首 。
.冬 至
峯
灘苳 善 イタル 羲 トシレ只 日・月 ハ月 ト碆 前 登 シテ亮 昊 摩 ス・ 上 本フ象
テ ノ 3ト ナ ラ ン カ4 此 或 問 ニイ ラ ト コ 質 ハ、 翼 理 ノ確 詮 ニア ラ ズ 、 寔 二荒 唐 ノ 言 、 ト ル ニ足 ラ
ザ ル臆 譯 ナリ。 此 翼 暦 モ、 モ・
シ此 天暦 、
ノ 名 二泥 ミ テ發 端 セ シ ニ ハア ラ ザ ル カ 。 叉 、 此 木 ニ カ ヘ
ル ト 云 モ 、 同 書 二至 四 千 六 百 十 七 年 子 月 甲 子 朔 旦 夜 牟 冬 至 則 日 月 合 譬 五 星 蓮 珠 乃 七 曜 暦 元 ノ第
一日 也 ト イ フ ヨリ 、 ウ ツ リ シ ゴ 下 贈
=プ ハ ナ キ カ 。 此 年 數 ハ、 殷 一
暦 ノ元一
法 轟シ テ、 鵡
罰罰二 試ゴ ト ク ,
其 暦 法 ニ ョリ テ 、 假 二立 タ ル 虚 數 ナ ル ヲ 、 是 モ叉 、 或 附 ノ論 ハ ナ ハダ 誤 リ ナ リ 。 本 書 ハ寅 問 二
・ヨ ル カ ヨラ ザ ル﹁
ハ シ ラ ネ ド モ 、.
似 害}
リ タ ル誤 ユ ヱ ニ、 カ ク バ 云 ゾ 。・
醗 モ シ 是 ハ、 天 經 或 問 二云 云う 此 事 本 書 二云 ル 手 コ 笹 ハ、 己 レ ハ ル カ ニ先 年 、 見 ダ リ シ暦 法 ノ 書
ニ ア・
リ シ読 ナ ル ヲ 思 ヒ出 テ ま ル ナ サ ぴ ソ バ天 經 或 問 ナ リ シ カ 、 何 ナ リ シ カ 、 其 書 ハ今 タ シ カ 一
州
覺 エズ 。 サ レ下 、 彼 ノ 論 ハ面 白 ク 覺 エ シ 故 二、 慥 一
一覺 工居 タ ル故 二、 引 出 タ ル ナ リ 。 其 書 ハ何 、
ノ 書 ニ モ セ ヨ、 誰 ガ 論 ニ モ セ .
ヨ、 彼 読 ハ甚 宜 ナ リ。 然 ル ヲ 荒 唐 ノ 軸
言D取 ル 回
唄タ ラ ズ ト ハイ ヵ マ.
.
其荒 ぬ
庸 ナ ル譯 コソ キ カ マホシ ケ レ。冒ソ ノ譯 ラ モ イ ハ ズ シ テ 、 ミ ダ リ 二荒 唐 ナ リ ト ノ ミ 云 テ ハ ス
一
マ ヌ コ ト ナ 塗 。 凡 テ 此 論 者 ノ 云 ト コ μヲ ⋮
見 ル ニ、 タ 寸己 ガ 受 タ ル ト コ 官 ノ暦 冖
法 家 オ読 ヲ ノζ 、
,
金 科 玉 條 ト信仰 シテ、
.
自 分 ノ 智 見 ヲ 以 テ 、 可 否 ヲ 辨 ズ ル コ 下 ア タ ハズ 、 ソ ノ 家 諡 ニ ヨジ } イ ヘ
バ ヨ シ ト 心 得 、 ア シ ・ト イ へ
\ハア シ 渉 心 得 タ ル モ ノ 一
一テ 、 一向 愚 眛 ノ 料 簡 ノ 、
ミ、ナゾ 。サ レバ ゴ
コ ニ彼 読 ヲ 荒 唐 ト 云 ル モ 噛 實 二荒 唐 ナ ル コ ト ヲ 知 リ 得 テ 然 云 ニ ハア ラ ズ 、 タ マ ソ ノ 家 論 轟從 ヒ
テ 云 リ ト 聞 ユ。 右 ノ 読 、 タ } ヒ今 暦 法 家 ニ ハ取 ラ ズ ㍗ モ 、 予 ハ甚 面 白 ク 思 フ ナ リ 9 叉 天 暦 ノ 名
二泥 ミ デ 云 云 ト ハ然 ラ ズ 、 予 ガ 云 眞 暦 ハ、 暦 法 ノ ナ キ 以 前 ノ ア サ サ ぜ ヲ 思 ヒ ヤ リ 考 へ馳
テ、・必 力 ℃
カラビト
ク ノ 如 ク ナ ラ デ ハ ヵ ナ ハ ヌ ト コ ロヲ 云 ナ リ 。 何 ゾ カ ノ 戎 人 ∠ 説 ニ ョ ラ ム 。 叉 本 ニカ ヘ ルト 云 モ 、
同 書 二云 云 、 コ レ モ 大 一
一異 ナ ル コ ト ナ リ 。 其 辨 ハ既 二上 二云 ル ガ 如 シ ρ 然 ル ニカ ノ 天 ノ 月 出 遵
ル月 ノ方 ヲ 圭 ト シ タ ル ハ ヨ μシカ
.
ラ ズ ト 云 読 ヲ 云 人 ノ出 來 タ ル ハ、 予 ガ 云 ト コ ロノ 本 域 三 ↓ メ
グ リ カ ヘ ル ベ キ シ ル か ノ 、 ソ ロノ \ 見 エ ソ メ タ ル ナ リ。 故 ニ フ ・ 二引 出 タ ヅ 。 論 者 コレ ヲ 天 ノ
逕 行 ノ本 ニカ ヘ ル ゴ ト ト 心 ⋮
得 タ ル ハ ﹂ 大 二 趣 ノ 里ハ
ナ ル コ ト ナ リ 。 ヨ クノ \ 本 書冖
ヲ見 テ察家 べ 謙
、。
サ レ バ カ ノ 至 四 干 六 百 + 七 年 云 云 ナ ド 云 コ ト ハ、 少 シ モ 似 ッ カ ヌ コ下 ナ ル ヲ 、 似 ヨ リ タ ル誤 也
ズ ヒ
ト ハ、 論 者 イ ヵ "
一心 得 タ ル コ トゾ 。 凡 テ 予 ガ 云 ト ゴ 質 ハ、 蕁 常 λ 暦 法 家 ノ 言 ニ カ ・ ハ リ タ ル料
.簡 ニテ ハ、 大 轟 タ ガ フ ベ'
シ。暦、
法 ヲ 離 レ テ宀
見 ベ キ ナ リ。
凶
県暦.
不審 考・
辨 。
﹁
三三七
,
隼
、
常
轟
U
県暦 不審 考 辨 .
響 、 . 三 三 八
・
○ カ ノ 國 ノ 定 メ ニ ナ ラ ヒ テ ゾ 、 一年 ヲ 十 二 月 ト ハ
、
シ テ 、 ソ ノ 月 次 ヲ 四 季 ニク バ リ ッ イ ヂ ・、
・
囓 コ ハ唐 ノ 定 メ ニナ ラ・
7 } モ 云 ガ タ シ。,ヅ ノ 定 メ ニ ナ ラ バ 寸 、 スグ }
天 ノ 月 ニ ョ ル 月 ヲ 以 テ 一 十
二 月 ト ス ベ キ ヲ 、サ ハ ナ ク テ ザ モ ト ヨ ーーメノ マ ・ 二、年 ノ メ グ リ ニ シ タ ガ ヒ テ・
、暦 λ 舗二
氣 二同 ジ ト
ヤ。 サ ラ バ 前 二云 立 春 ヨ リ 立 春 轟及 、 三 百 六 十 五 日 三 時 ノ 年 ノ メ グ リ ヲ 十 二 月 ト分 ク レベ 、 此
一月 ハ、 大 概 全 日 卅 日 ト 五 時 バ ヵ リ ナ ル ヤ ラ ムデ 、 ソ ノ 全 百 ニ ア マリ ア ル故 、 日 數 ノ 定 メ ハ ナ
シ ト云 ニ ヤ。 ソ ノ 一月 二、 日 數 ノ 定 メ ナ ク バ 、 何 ノ 用 ニ カ 、 一年 ヲ + 二 月 ト 分 ル ニモ 及 ブ マ ジ 。
・四 季 ニク バ リ ッ イ ヅ ル ニ モ及 ブ マ ジ 。 マ シ テ 其 丹 ノ 名 ヲ グ ケ ラ ル 丶 ニ ハ獪 及 ブ マ ジ 。 本 ヨ リ カ
壁 ノ室 ノ月 言 ル月 トイ フ コ与 レ バ回 ソ.
ノ月 ト別 事 ナ ル丹 次 ノ月 ヲ 定 メ テ ルベ キ所 以 ナ キゾ。
、
㊥ 此 段 ハ叉 、 本 書 ヲ イ ガ ニ見 タ ル ヤ ラ ム 、 心 得 ヌ論 ナ リ 。.
此 事 ハ次 下 ノ 段 二、・委 ク 其 由 ヲ 云 ル 混、
共 所 マデ ヲ モ見 ズ シ テ 論 ジ タ ル ニ ャ 、.
甚 麁 忽 ナ リ。 サテ 日數 ノ 定 メ ナ ク バ、 何 ノ用 ニカタ ・ム
ト 云 ル モ 、 甚 事 情 ニウ ト キ 論 ナ リ 。 タ ト ヒ 日 數 ヲ バ 定 メ ザ レド モ、 十 二 月 ト ワ リ テ 、 其 月 々 ノ
名 ヲ モ定 ム レ バ 、 ソ レ ダ ケ ノ 用 ハア ル ナ リ 。 タ ト ヘバ 本 書 二云 ル 大 道 ノ 一里 塚 ノ 如 シ 。 今 論 者
ノ 云 ト コ ロ バ、 一町 ゴ ト ノ 石 碑 ガ ァ リ テ コ ソ 用 ニ ハタ テ 、 一里 塚 バ カ リ ニ テ ハ、 何 ノ 用 鷆カ タ
タ ム ト 云 ガ 如 シ 。 一町 ゴ ト ノ 石 碑 ハ ナ ク テ モ 、 一里 塚 ア レバ 、 ソ レ ダ ケ ノ 用 ア ル ニア ラ ズ ヤ 。
又 室 ノ 月 し一ヨ ル月 } 別 事 ナ ル月 次 ノ 月 ヲ 立 ラ ル ベ キ 所 以 ナ シ ト 云 モ、 イ ト オ。
ロカ ナ リ 。 凡 テ 此
論 者 ハ、 一々 全 ク今 ノ 暦 法 ノ 如 ク ニア ラ デ ハ 、 用 ニ タ ・ ヌ モノ 塾 、 思 ヒ泥 メ ル ナ リ 。 上 ニ モ 云 ,
ル カ ノ 阿 蘭 陀 國 ノ 暦 ナ ド ヲ 、 此 論 者 エ見 セ タ ラ バ 、 一向 二用 ニ タ ・ ヌ物 ゾ } 云 ナ ル ベ シ。
○ サ テ 此 月冖々 ノ 名 ド ぞ 、 功目イ ト フ ル ケ レ バ 、 月冖
坎ハノ {
疋 マリ シ世 ヨ リ ノ ナ ル ベシ 。
メ
⑭ 前 ニ ム ツ キ 、 キ サ ラ ギ ナ ド 、・
其 月 々 ノ 名 ヲ モ 定 メ ラ レ タ ザ ケ ル ト 治 定 シ テ 、 コ 、 二叉 、 月 次 ノ
定 マリ シ世 ヨ リ ノ ナ ル .
(、シ ト 、蔑
不決 }
二本 モ 、 事 タ ガ ヘリ 。
醜ヨ レ 又 麁 忽 ナ ル論 ナ リ 。 上 二決 シ テ 云 ル ハ、 月 々 ノ 名 ヲ 定 メ ラ レ タ ル コ ト ナ リ 。 コ ・ 二決 セ ズ
シ テ 云 ル ハ、 今 二傳 バ レ ル 名 ド モ ノ 事 ナ リ 。 今 二・
傳 バ レ ル所 ノ 名 ド モ 、 帥 チ 始 メ ニ宀疋メ ラ レ タ
ゆ
ル名 ナ リ ャ 。 申 ゴ ロ ソ ノ 名 バ カ ハウ タ ル ヤ 。 ソ レ ハ決 シ ガ タ ケ レ バ ナ リ 。 イ ヵ ニノ \ 。 事 タ ガ
ヘリ ト ハ、 自 分 ノ 見 ヤ ウ ノ タ ガ ヘ ル ナ リ 。 笑 フ ベ シ 、 々 々。
篤
含 此 時 二、 月 次 ヲ 定 メ 月 ノ名 ヲ モ ツ ケ ラ レ タ ラ ン ニ ハ、 暦 ヲ 用 ヒ テ 、 二 方 ノ 月 ヲ 7 一シ テ{ H 次
ヲ モ定 メ ラ ル ベ キ ニ、 サ バ カ リ マデ ハ及 バ サ η シ バ、 ナ ニ ワザ モ 久 ク ナ レ來 ッ ル 事 ハ タ ヅ キ ヨ
ρ
ク 、 俄 二改 マ リ ヌ ル 事 ハ タ ヅ キ ア シ キ ナ ラ 七 ナ ル ヲ 、 神 代 ヨ リ大 ラ カ ナ ル ニナ レ來 ツ ル世 ノ 中
ノ 、 ア ラ タ ニ日 次 ナ ド 定 マリ 、 月 ノ 大 小 ナ ド 云 コ ト ノ 出 來 タ ラ ム ハ、 中 々 ワ ヅ ラ ハ シ ク 、 タ ヅ
貫 暦 不 審 考辨 一
三三九
■
■
キアシ鰥 曝 ∼ -. ﹂ 三四。下
龝 此 時 ハ、 彼 國 ヨ リ 暦 法 イ マダ 傳 へ來 ラ ザ ル 義 ハ非 ル カ 。 サ ラ バ 矛 ヅ レノ 暦 法 ヲ 用 ヒ テ 、 二方 ノ
月 ヲ 一ッ ニシ 、 日 次 ヲ モ定 メ ラ ル ベ キゾ 。 又 月 ノ大 小 閏 月 ナ ド 云 コ
rト ノ 出 來 タ ラ ム ハ、 中 々 二
・ ワ ヅ ラ ハ シ ト ヤ 。 其 後 ニテ モ、 暦 ヲ 用 初 メ 玉 ヒ シ バ、 大 カ タ 小 治 田 ノ 宮 ノ 御 時 ヨ リ ノ コ ト ナ ル
礁
ベ シト、 次﹁
二云 リ 。 此 御 時 ハ ワ ヅ ラ ハ シ カ リ ケ ル ヤ 。 タ ヅ キ ア シ ク 董 ア リ ケ ル ヤ 。 叉 此 月 次 ノ
月 モ 、 此 定 マリ ノ時 マデ ハ ナ ク テ 毛 、 事 タ リ ナ ム ヲ 、 何 ノ 用 二定 メ ラ レ シゾ 。 コ レ モ 叉 、.
少 シ
リ
ハ ワ ヅ ラ ハ シ キ ウ チ 轟 ハ ア ラ ザ ル ヤ 。 ﹁、・
。.、 、
、
・. 一
醜 此 時 暦 法 ハ イ マ、
ダ 傳 ハ ラ ザ レド 、
モ 、・
既 二漢 籍 ヲ ト リ ア ッ カ ヒ タ レバ 、 十 二 月 ノ 月 次 9,
定 ムルポ
ド ノ コ ト'ハ出 來 タ ル ナ リ 。 サ テ ソ ノ カ ミ 、
﹂三 韓 人 ノ ツ ネ ニ參 リ 居 タ ル コト ナ レ バ 、 暦 法 ヲ 用 と
テ 、 日 次 マデ ヲ モ 宀
疋メ テ 、 宜 ぷ ク ハ三 韓 へ仰 セ、
テ 暦 博 士 ヲ 召 テ 、 イ カ ヤ ウ 轟 モ 定 メ ラ、
ル ・ コ、
ト
ナ レド モ 、 ソ レ マデ ハ及 バ レザ リ シ バ, 本 書 二云 ル 譯 故 ナ リ 。 此 所 、 論 者 本 書 ヲ イ カ 脚
覚 タ
ル コト ゾ 。 心 得 タ ガ ピ ア リ ゲ `
二聞 ユル ナ リ 。 サ テ 小 治 田 宮 ノ御 時 二、 暦 法 ヲ 用 ヒ 初 メ タ マ ヒ シ
コ ト ヲ 、 此 御 時 ハ ワ ヅ ラ ハ シ カ ラ ザ リ シ ヤ ナ ド ・云 ル ハ、 叉 書 籍 ノ ウ ヘノ 理 窟 ノ ミ
`
鴇
四テ 、 甚 ダ
h
事 情 ニウ ト キ 論 ナ リ 。 凡 テ 何 事 轟 ヨ ラ ズ レ 俄 二改 マ ル ト 、 漸 々 喧カ バ矛 ト ハ大 畿異 ナ ル 遷 ノ ニ.
テ 、 同 日 ニ ハ 云 ガ タ シ 。 仁 徳 天 皇 ノ コ 質 ト、 推 古 天 皇 ノ コ ロ ト ヲ 一ツ 一
一論 ジ テ 可 ナ ラ ン ヤ 。是 .
モ 叉 、 少 シ バ ワ ヅ ラ バジ キ ウ チ ニ ハ ア ラ ズ ヤ 峯 云 ル ハ、 マ﹄ ト ニ然 り 。 少 シ ワヅ ラ ハ シキ ハ勿
論 ナ リ 。 始 テ 月 次 ヲ 定 メ タ ラ ン當 分 ハ、 少 シ バ ワ ヅ ラ ハ シ キ コ ト す キ コ ト ア タ ハ ズ 、 然 セド モ 、
漢 ブ ミ 渡 り 來 テ ヨ リ ハ、 何 事 モ 彼 國 ノ事 ヲ 宜 シ ト オ ボ シ メ シ テ 、 彼 ニ ナ ラ ハ ム ト シ タ マ フ故 二、
,
少 々 ハ ワ ヅ ラ ハ シ キ ヲ モ 刀心ビ テ 、 是 ヲ 定 メ 玉 フ ナ リ 。 サ レド 始 メ ヨ リ 全 ク ナ ラ ヒ テ ハ、 俄 一 一シ
レ
テ大 脚 軸ワ ヅ ラ ハ シ キ ニタ ヘザ ル故 二、 ソ レ マデ 圃 ﹁ハ及 バ ザ ル ナ リ。 是 必 然 ノ 勢 ナ リ 。 コ ハ萬 事
轟 ワ タ リ テ 皆 同 ジ 事 ゾ 。 タ ト ヘバ 常 こ噛身 ヲ 安 迭 り
糊モ チ テ 、 何 事 モ セ ズ ニ ク ラ シ ナ ラ ヒ タ ル 者 二、.
チヵラ ぱ
俄 二骨 折 リ ノ仕 事 ヲ サ セ ン ト シ テ ハ、 カ ノ 堪 ル } コ 墜 一ア ラ ザ レ ハ、 先 ヅ 少 シヅ ・ノ ハタ ラ キ
ヲ サ セ テ 、 次 第 痢 ソ "ノ \ ト骨 折 ル事 ヲ モ サ ス レ バ ゼ イ ッ ト ナ ク ナ ラ ヒ來 テ 、 サ ノ ミ 堪 ガ タ ク
モ ア ラザ ルガ 如 シ。
○ 此 月 次 ノ 月 ノ 定 マリ 、 ノ・ヅレ ノ御 代 ヨ リ ト サ ダ カ ニ知 ガ タ ケ レド 、 暦 ヲ 用 ヒ ソ メ 玉 ヒ シ ヨ リ ハ.
ハ ル カ ニ古 ヘノ 由
畢 ト コ ソ鼡応ハ ル レ、
覊Ψ
此 月 次 ノ 定 マリ ヨ リ ハ乂
剛 ハ 、 月〃
次 日 次冖
モ ナ キ コ ト ト 云 ﹂事 ハ、 ヨク 知 テ 、 月∵次︹
ノ 始 マ リ ノ知 しザ 、
ル モ イ ブ カ シ 。 マ シ テ 月 次 ハ宀
疋 マ リ テ , 日.
次 ハ定 メ ズ ト 極 メ テ 云 ゾ 、 イ ヨノ \ イ ブ カ シ。
藁 暦 不審 考 ⋮
辨 ﹂
"
三四 一
覧
、
縣
虞 暦 不 審 考辨 三 四 二
醗 三 韓 ノ 往 來 ナ カ リ シ 以 前 ハ、 月 坎
日 次︹
ノ宀疋リ ナ カ リ シ コト ハ・
、 決一
定 ナ ー-・。 サ テ 月 次 ノ 始 マ リ シ
バ。 正 シ ク何 レ ノ御 世 ト ハ知 レザ ル コ ト ナ レド モ、.雄 略 天 皇 ノ 御 世 轟、 其 月 ト 云 コ ト ア レバ 、、
ソ レ ヨ リ前 ニテ 、 若 ク ハ仁 徳 天 皇 ノ 御 時 ナ ラ ム カ ト 云 ヒ 、 何 事 カ ア ル。 月 次 日 次 ナ カ リ シ コ トー
ヲ決 定 ナ リ ト 云 ソ ノ 譯 ハ、 本 書 二委 ク 云 ル ガ 如 シ 。 ナ テ 叉 、 月 次 ハ定 マ リ テ モ 、 日 次 ハ定 々 ラ
ザ リ シ コ ト モ 、 是 叉 決 定 ナ リ 。 暦 法 ヲ 用 ヒ ズ シ テ ハ、 日 次 ハ定 メ ガ タ ケ レバ ナ リ 。
○ 長 谷 朝 倉 宮 ノ御 時 , 引 田 部 ノ 赤 猪 子 、 八 十 年 ノ 前 ノ 事 ヲ 天 皇 二申 セ シ 、 某 年 某 月 ト ア ル ヲ 見 レ
バ、
鬱 此 イ フ年 モ 、 月 モ、 前 二美 夜 受 比 費 ノ歌 革、 ア ラ 玉 ノ 年 ガ 來 經 レ バ 、 ア ラ タ マ / 月 ハ ギ ヘ ユ ク
レ ア ル 、 天 ノ 月 ニ ヨ ル 月 ト 、 此 イ フ 月 ト ハ、 同 ジ キ ユ ハ ア ラ ザ ル カ 。 サ ア ラ バ 、 此 サ ダ マ リ シ
月次 ノ月 ノ、 ハ ヤク ヨリ有 シ ト云 引 一
證 ニハナ ラ ヌテ リ。
■
薩 年 ノ 事 ハ論 二及 バ ズ D 月 ノ 事 ハ、 カ ノ 美 夜 受 姫 ノ 歌 二.ヨ メ ル 月 ハ、 タ マ穴工ノ 月 ニ ヨ リ テ 、 ソ ノ
一メ グ リ ヲ 一月 ト セ 裾 ノ ミ ニ テ 、 其 一月 一且 ノ 經 ザ
ユ ク ト 云 コ ト ナ リ 。 然 ル ニ コ 、 二某 ノ 月 ト ア
ル ハ、 後 世 二云 如 ク 、 或 ハ正 月 、 或 ハニ 月 ナ ド ・其 月 ヲ サ シ テ 云 ル ナ レバ 、 コ レ ハ月 次 ノ 定 マ
リ デ ノ ウ ヘ ノ 詞 ナ リ 。、月 次 モ定 マ リ 、 其 月 々 々 ノ 名 モ ア ル ニア ラ デ ハ"
、 昔 ノ 事 ヲ 某 ノ 月 ト サ シ・
テ ハ云 ガ タ シ。 コ レ ラ バ辨 ヲ マ タ ズ 、 ヨ ク分 レ タ ル コ ト ナ ル ヲ 、 嚇ッ 一
闘心 得 ア ヤ マ レ ル ハ、 イ,
カ ナ ル㎞
愚 昧 ゾ ヤ。
"
○ 甲 子 ト 云 コ ト ヲ 用 ヒ バジ メ ラ レ シ モ 、 同 ジ 御 代 ナ ド ヨ リ ノ 事 ナ ラ ム 、
㌔屮・
簓 是 モ 叉 、 前 二定 メ タ ル 月 次 ノ 月 ノ 如 ク、 何 二用 ユ ル ト 云 ワ ケ モ ナ ケ レバ 、 實 義不 用 ノ 事 ナ ル ヲ 隔
暦 ハ ナ ク テ モ 、 年 ト 月 ト ノ 甲 子 ハ定 メ ツ ベ シ ト 云 ゾ イ ブ カ シ 。 此 甲 子 ト 云 ハ、 暦 術 ノ 標 的 ニ シ
テ 、 天 蓮 モ 地 位 モ コ レ ニ憑 リ テ 年 ヲ 紀 シ 、 月 ヲ 紀 シ、 日 ヲ紀 シ 、 時 ヲ 紀 ス モ ノ ナ レ バ 、 年 月 二
・
バ カ リ 定 マリ テ 、 日 坎ハニ定 メ ザ ル 謂 ハ ナ シ。
ヤウ
鬱 此 段 ハ ァ マ リ ニ愚 昧 ナ ル論 ナ ル故 二、 辨 ズ ヘ キ樣 モ ナ キ ガ 如 シ。 年 ト 月 ト ニノ ミ甲 子 ヲ 定 メ み
コ ト モ 、 叉 カ ノ 前 二 一里 塚 ノ タ ト ヘヲ 引 テ 云 ル ニテ 、 心 得 ベ シ。 然 ル ヲ 、 年 月 ニ ノ ミ定 メ ブ リ
テ 、、日 坎ハニ定 メ ザ ル謂 ナ シ ㍗ ハ 、 一向 ツ マ ラ ヌ論 ナ リ 。 論 者 例 ノ 暦 ⋮
術 ヲ 引 出 テ ﹂ コト ノe丶 シ グ
云 ヘド モ 、 甲 子 ハ無 キ國 ニテ モ 冷 隨 分 精 キ 暦 法 ハア ル ナ レ バ 、 凡 テ 一向 二無 ク テ モ其 通 リ ナ ル
モ ノ ナ リ 。 サ レバ 是 ヲ 用 ル ト テ モ、 ソ ノ 定 ム ル人 ノ 心 次 第 ニテ 、 或 ハ年 バ カ リ ニ定 メ テ 、 月 日
茜 ハ定 メ ズ シ テ モ、 其 通 リ ナ リ 。 或 ハ叉 、 日 次 ニ モ時 刻 ニ モ定 メ テ モ 、 其 通 リ ニテ 、 ミ ナ 心 次 、
ナヅ
第 轟ナ ル コ ト ナ リ 。 何 ゾ 漢 國 ノ 定 メ ニ泥 ム ベ キ 。 然 、
ル ヲ 定 メ ザ ル謂 ナ シ下 ハ、 イ ヵ ナ ル 心 得 ゾ
虞暦不審考辨
, 、
爆 ﹁
三 四三
'
, 虞 暦 不審 考 辨
. 三四四
ヤ 。 此 論 者 ノ 去 ト ゴ 導 ハ、 タ ト ヘバ 唐 國 茸 ア、 人 ノ 毎 日 二翫 ブ 器 物 ヲ 此 方 へ渡 シ タ ル ニ, 此 方
ノ 人 八.
一月 ニ タ 寸 一度 ヅ ・翫 ビ テ 一 毎 日 .
ハ翫 バ ザ ル ヲ 見 テ 、 コ レ ハ毎 日 翫 ブ ベ キ 器 ナ レバ 、 月
ニタ ギ 一度 ヅ ・翫 ブ ヘ キ イ ハ レ ナ シ } 云 テ 、,ト ガ ム ガ 如 シ。 笑 フ ベ シ /\ 。
○ 然 ル ヲ 書 紀 ニ ハ、 紳 武 ノ 御 卷 二、 是 年 也 大 歳 、 甲 寅 、 冬 十 月 丁 巳 、 朔 辛 酉 云 云 ト ア ル ヲ ハジ メ 、
ス、
ベ テ 上 代 ノ 事 ニ モ ミ ナ 、 年 月 ヲ シ ル シ 、 叉 甲 子 ニウ ツ シ デ 、 日 次 マデ シ ル サ レ タ ル ハ イ ト モ
心得 ガ タ シ、
⑳ 是 ハ上 代 二日 次 ノ ナ キ }押 テ 定 メ タ ル作 意 ヨ リ 見 レ バ 、 心 得 ガ タ キ ナ リ 。 其 年 ト 云 ル ハ、 シ バ
ラ ク 一ツ ノ 傳 ヘ ニ ツ キ テ モ 、 定 ム ベ シ。 某 月 ㍗ 云 ル 、 カ ノ 元 ヨ リ 天 ナ ル月 ニ ヨ ル 月 事 云 ア レバ 、
是'
モ據 ア ゾ 。 タ マa 次 ノ ア ル ナ シ ノ ヨ リ ド コ ロ バ、・ナ キ ヤ ウ ナ レド モ 、 是 モ 一ツ ノ 傳 ヘ ニ シ タ
ガ フ ト イ ハ マ、 イ ヒ モ シ テ ムσ サ レ ド モ、 凡 テ 暦 ノ ナ キ 世 二、 某 月 某 日 ト 定 み ベ キ ヨ シ ナ シ ト
云 ハ 理 ナ リ 。 ヤ コ ト ニ暦 法 }
町テ 、大 小 閏 月 ヲ 定 メ ネ バ 、此 云 ゴ ト ク 、朔 二月 ノ メ ヅ リ 、弦 ト モ ナ
リ 、 望 下 モ ナ リ 、 叉 年 ノ メ グ リ モ諷 ・蜥 ⋮二違 ヒ 、 冬 ト 夏 } ノ 行 ガ ハ・
リ モ出 來 ナ ム , コ ハ暦 ナ ク テ
ハ、 某 月 某 日 ㍗ イ フ ベ カ ラ ザ ル 證 ニ ハ ナ レド モ, 上 代 二月 次 日 次 ノ ナ カ リ キ } 云 オ ノ ガ 考 ヘノ
サト シ一
一ハナ ラ ヌ ナ リ 。・サ 、
八 イ カ ニ ト ナ レバ 、 前 ニ モ 云 知 ク 、 上 代 噺
一テ 聖 蜜 イ ヅ レ ノ暦 法 カ バ
シ ラ ネ ド モ 、・皇 朝 ニ シ テ 大 小 閏 月 モ 元 日ン 賀 禮 モ タ シ カ 轟 ア リ シ バ 、 書 紀 二載 ラ レ シ 如 ク ナ ル
O
ベ キ ヲ 、一
ミヅ カ ラノ 頑 ナ ル 考 一
昏9. 以 テ 、 國 史 ヲ 難 ズ ル 、 甚 非 ナ リ 。 ソ ノ書 紀 ヲ 撰 バ レ シ バ、人
皇 ヨ リ 千 三 百 八 十 年 後 ナ レド モ 、 今 ヨ リ 見 レ バ 上 ッ 代 へ近 シ。 其 書 紀 ・
ノ 後 、 千 餘 年 ノ末 ノ 世 ニ
ア リ テ 、左 右 原 一
一逢 ハザ ル 妄 読 ヲ 以 テ 、 二 干 餘 年 ノ 古 ヲ 考 へ得 タ リ ト思 フ ハ、 假 ノ夢 ナ ラ ム ヵ ,
ヨ シ 、.
一夢 ナ ラ バ理 ノ狂 ﹂
氣 } モ イ フ ベ キゾ 。
醗 天 ナ ル 月 ニ ヨ ル月 ト 云 ア レバ 云 云 、 是 又 ア タ ラ ヌ 論 ナ リ 。 天 ナ ル 月 ニ ヨ ル月 ハ、 年 ノ メ グ サ }
'ハ差 ビ ア レ バ 、 タ ず年 ノ メ グ リ }別 ニ ハ定 ム ベ ケ レド モ、 年 ノ メ グ リ } 一ツ ニ合 セ テ ハ、 暦 法
ナ ク テ ハ定 メ ガ タ キ コ } 、 上 二云 ル ガ 如 シσ 然 ル 一
一、 書 紀 }
一某 年 ノ 某 月 }年 二係 テ 云 ル ハ心 得
ズ。 暦 法.
ナ ク テ ハ、 年 ニ ハ係 ラ レ ヌ コ、
ト ナ リ 。 サ レバ 此 論 、 暦 學 者 ト モ覺 エ ヌ論 ナ リ 。 サ テ 日・
坎ハノ 事 モ 、 一 ツ ノ傳 ヘ ニ ヨ ル ト イ ハ マ、 云 モ シ テ ン ト ハ、 イ カ ナ ル コ トゾ ヤ 。 暦 法 チ ク テ ハ、
}ツ ノ隊 ヘ モ ア ル ベ キ ヤ ウ ナ シ。 予 ガ 一ッ ノ 傳 ヘ ニ ツ キ テ モ定 ム ベ シ ト 云 ル ハ、 年 ノ 事 ナ リ。
上 代 ノ 御 代 々 々 ノ年 數 ハ、 異 ナ ル論 々 ア リ テ 一定 シ ガ タ ケ ンド モ、 年 ノ數 ハ、 其 申 ノ 一ツ /詮
轟 ヨ リ テ モ定 ム ベ シ ト 、 云 ル ナ リ 。 然 ル ニ月 次 、 日 次 ハ暦 法 ナ ク テ ハ立 テ ガ タ キ コ ト ナ レ バ 、
脅
上 代 ニ ハ 一ッ ノ 傳 ヘ モ何 モ ア ル ベ キ ヤ ウ ナ ψ 。 サ テ 叉 、 上 代 二月 次 日 次 ナ カ リ シ ト 云 證 ニ ハ ナ
弓
眞 暦 不審 考 辨 .
三四五
"
、
虞暦木審考辨
鷲四 六
ラ ヌ ナ リ ト 云 ル モ、 ヒ ガ コ ト ナ リ 。 暦 法 ナ ク テ ハ月 次 日 次 モ立 テ ラ レ ヌ 峯 云 ガ 、 何 ヨ リ ノ 明 證﹁
ナ ル ヲ ヤ 。 但 シ 暦 法 ナ ク テ モ、 コレ ヲ 立 ッ ベ キ 術 ア リ ヤ キ カ マ ホ シ。 ソ ノ.術 ヲ モ イ ハズ シ デ 、
ミ ダ リ ニ難 ズ ル ハイ カ ニ。 "
若 シ 己 ガ 云 ト コ ロ デ 難 破 セ ム ド ナ ラ バ 、 暦 法 ム ナ ク テ モ、 月 次 日 次
ノ 定 メ ラ ル 、法 ヲ 、 カ ヤ ウ ノ\ ト タ シ カ ニ考 ヘオ キ テ コ ソ難 ズ ベ キ コ ト ナ レ。 ソ ノ 法 ヲ モ考 ヘ
ズ シ テ 、 タ 寸 イ ヅ レ ノ 暦 法 カ ハ シ ラ ネ ド モ、 ナ ド イ フ ヤ ウ ナ ル 、 髦刀髴 タ ル コ ト ニ テ 、 入 ノ論 ヲ
ク ジ カ ム ト ス ル ハレ オ ホ ケ ナ シ ト ヤ イ ハ ン声 愚 ナ リ ト ヤ イ ハ ム。 又 皇 朝 ノ 上 代 ﹃ 大 小閏 月
モ タ 曽.カ ニア リ シ ヤ ウ ニ イ フ 、 其 據 ハ何 ゾ 手 思 へ 城 、 書 紀 ノ 文 ナ リ 。 其 外 ニ ハ證 ナ シ。 書 紀 ノ
文 ハ、 モ ト ヨ リ 予 ガ 圭 ト グ テ疑 フ ︾ コ p ナ レ バ 、 證 ト シ ガ タ シ。 若 シ ナ ホ コ レヲ 證 二引 ム ト ナ
ラ バ 、 是 叉 、 其 大 小 閏 且 ヲ 立 テ ラ レ シ バ、 カ ヤ ウ ノ \ ノ法 ナ リ ト 、 タ シ カ ニ其 法 ヲ ィ ハデ ハ、
、
イ タ ヅ ラ ゴ ト ナ リ 。 書 紀 / 文 ヲ 見 ル ニ、 上 代 ノ 月 次 、 日 次 ン 立 樣 、 全 ク漢 國 ノ 暦 法 込 ト ホ リ ナ
リ 。 紳 武 天 皇 ノ 御 代 ノ コ ロ 、 漢 國 ノ 暦 法 ノ ア ラ ム コ ト 、 大 二疑 フ ベ キ ニア ラ ズ ヤ 。 然 ル ニ今 、
論 者 此 大 二疑 フ ベ キ コ ト ヲ バ 疑 ハズ シ テ 、 返 テ ゴ レ ヲ 疑 フ コ ト ヲ 難 ズ ル ハ、 イ カ ナ ル 意 ゾ ヤ。
徴 事 要 畧 ニ モ、 推 古 天 皇 十 二 年 正 月 朔 日 ヨ リ , 暦 日 ヲ用 ヒ始 メ タ マ ヒ シ ト見 エ タ リ 。 ソ レ ヨ リ
づ
以 前 、 暦 日 ナ キ コ ﹂ 知 ベ シ。 暦 日 ナ ケ レバ 、 大 小閏 月 、
モ ナ カ リ シ コ ト、 明 ラ カ ナ リ 。 然 ル ヲ 予
幕
畷
ガ 去 ト コ "ヲ妄 一
説 ト イ ヒ 、 狂 氣 ト 云 ハ、 イ サ 、力 過 "
言 ト云 フ モノ カ。
右 眞 暦 不 審 考 ハ、 尾 張 國 名 兒 屋 人 某 ノ 、 己 ガ 翼 暦 考 ヲ 難 ジ タ ル 書 ナ リ。 今 毎 條 σ ヲ シ ル シ タ
ら
ル下 ハ、 其 不 審 考 二、 藁 暦 考 ノ 文 ヲ 拔 出 シ タ ル ナ リ。 次 二鬱 ト シ ル シ タ ル下 ハ、 不 審 考 ノ 全
交 ナ リ 。 其 次 二醗)
ト シ ル シ タ ル 下 ハ、 今 己 ガ ソ レ ヲ 辨 ジ タ ル ナ リ。 見 ム人 ノ ワ カ チ ヤ ス カ ラ
ム タ メ ニ、 今 カ ク ハ シ ル シ ワ ケ ッ 。
宣 長
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考辨 三 四 七.
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ノ ノ に ゴト
此 書 は 。 わ が 鈴 屋 大 人 の .ド あ る 國 の 君 に 。 道 の 大 か た を 。 い ま の 世 の さ と び 冒 竜 て 。 た れ し の 入
カキ フミ シタガキ
も か や す く さ と り 得 つ べ き さ ま に 書 て 。 奉 ら れ た り し 書 な る を 。 下 書 の。 名 に お ふ 匝 の底 に の こ
コヒイダ ジ
れ る を 。 此 里 の廣 海 が 乞 出 し て 。 木 に ゑ る に つ き て 。 お の が 一言 を く は へ て よ と あ る ま 玉 に 。 書
つ け 、ら く 。 そ も ノ \ わ が う し の。 道 び き の こ ﹂た く の い さ を は 。 い は ま く 竜 さ ら な れ ど 。 な 除
トツクニ キ
い さ 乂 か い は む に は 。 此 ま と と の道 は し も 。 外 國 ぶ み の 。 う は べ よ き ま が ζ と 共 に 。 か き く ら さ
ス サ ノヲノミコト カチ ミ アメ イハヤ
れ て 。 か の須 佐 之 男 命 の .
。勝 さ び の御 あ ら び に 。 天 照 大 御 紳 。 ゆ Σ し く 竜 天 の 石 屋 に さ し こ も ら
ノ トコヨ ヒヵリ ヤ ホ トセチ トセ ヘ オモヒヵネノ ミ
匸し て 。 世 中 は 常 夜 ゆ き け む 事 の ご と く 。 光 見 る 人 も な く て 八 百 年 千 年 を 經 に け る に 。 思 蕪 紳 の 御
タマ むヘジ
靈 や そ は り け む 。 此 大 人 の深 く お も ぴ 遠 く 思 ぴ て。 う ま ら 量
に お も ぴ 得 ち れ た る。 此 ま こ と の 意 よ 。
ナガナキドリ ヒ
ノ
ナガ ヨ アサメ アフ
長 鳴 鳥 のこゑ高 く と ほ く、
。.天 の下 に 聞 え わ た り て 。 世 人 皆 の秋 の 長 夜 の い め さ め て 。 朝 目 よ く 仰
ぎ 見 む 。朝 日 のび か り は。
、まぐ は し き かも う ら ぐ は し き か も。 明 らけ き か も た ふ と き かも 。時 は
エタ マツサゴト ノ ド
寛 け き 政 と 改 ま り て 。 天 下 よ ろ こ び 榮 ゆ る は じ め の年 の春 の な か ば 。 か く い ふ は
、
、玉 く し ザ .
. ,
三 五 剛 吻
航
℃
主 く し げ 三五二
尾 張 の殿 人
横 井 千 、秋
寧
瀬
爆
玉 く し げ
此 書 は 、 あ る 御 方 に 、 道 の大 む ね 今 の 世 の心 得 を 書 て 奉 れ る な り 、 そ れ に 寄 を も よ み て 書 そ、
へた る、 中 の詞 を取 て 、 か く は名 け つ、其 哥 は、
身 に お は ぬ しつ が し わざ も玉 く しげ 聾
あ け て だ に見 よ 中 の 心 を 櫛
アヒダ イヅ
ま こ と の 道 は 、 天 地 の 闇 に わ た り て ↓ 何 れ の國 ま で も 、 同 じ く た 凝 一す ち な り 、 然 る に 此 道 、 ひ
O
ミ クニ タぐ ツタ グワイコク ス ヂ ヂンライ ウシナ イ コ ク
と り 皇 國 に の み 正 し べ 傳 は り て 、 外 國 に は み な 、 上 古 よ り 既 に そ の傳 來 を 失 へり 、 そ れ 故 に 異 國
ベツ
トキ
イ コク
スヱム丶
に は 、 又 別 に さ ま ん \ の 道 を読 て 、 お の/ \ 其 道 を 正 道 の や う に申 せ ど も 、 異 國 の 道 は 、 皆 末 々
の癰 に し て、 本 の謹 こと の正 湛 は あら ず 、 た とび こ ふ し こ と婁 る離 梦 い へども 、 そ
ヱ ダミチ
の末 女 の枝 道 の 意 を ま じ へと り て は 、 ま こ と の道 に か な ぴ が た し 、 い で そ の 一す ち の本 の ま こ 乏
の舐 磐 ・あらく 申 さむ には・喜 笙 に、此驚 の雛 の響 を、 よ-心得 おくべし、蜘・
道理 とは・此爺 も諸 紳も萬物 も皆 ことぐ く蒸 は・ 轢 蠡 縦 、紺 憲 羅 と申す 二神
玉 く し げ . 。 、 室五三
,
玉 く し げ " ` 竺 五 四
、
の鳶 警 みたまと申す物によりて・鬱 粛た る物 にして・罪 に鑼 の曇 れ畢 萬 物萬皐 の虜出
ミ クマ キ イ ザ ナ ギ イ ザ ナミフタバシラノオホ
る も 、 み な 此 御 靈 に あ ら ず と い ふ ご と な し 、、さ れ ば 神 代 の は じ め に 、 伊 邪 那 岐 伊 邪 郷 美 二 柱 大
・.
ミ カヨ
ヘ
ヘ ウミナ ムスビ ミ タマ
御 神 の 、 國 土 萬 物 も ろ ノ \ の 紳 た ち を 生 成 し 給 へ る も 、 其 本 は 皆 、 か の
﹁
二祚 の産 靈 の御 靈 に
仙
'
ムスビ ミ タマ ヘ キ ヘ メゥノ
・よ れ る も の な り 、 抑 此 葎 靈 の御 靈 乏 申 す は 、 奇 々 妙 々 な る紳 の御 し わ ざ な れ ば 、 い か な 急 道 理 に .
よ り て 然 る ぞ な ど い ふと と は 、 さ ら に 人 の轡 慧 を 以 て ・ 灘 謝 譜 き と こ ろ に あ ら ず ・ 然 る を 粥 騨 ピ
ム スど イン
は 、 正 道 の 傳 へな 髱 故 に 、 此 神 の産 靈 の御 し わ ざ を え し ち ず し て 、 矢 地 萬 物 の 道 理 を も 、 或 は 陰
陽鏘 蕎 などい毒 鰡を立て・これを謝野 むと託 どもど れ農 皆鳶 轡 のおしはかりめ
ゆ
マウセッ , マコト サ ヤウ ・ 、 ・ イ ザ ナ ギノオ六竃 力竃 メ ガミご
妄読 にし て 、誠 に は左 様 の道 理 は あ る こ とな し、 さ て . 伊 邪 那 岐 大 御 紳 、 女 紳 の か く れ さ せ
給 ヨ ミノクニ ジタヒユカ ウツシクニ
ひ し を 、 深 く か な ← ま せ 給 ぴ て 、 豫 美 國 ま で 慕 行 せ た ま ぴ し が 、 此 顯 凾 に か へら せ た ま ひ て 、
その箋 國 の膨鵬 鯨 給 へる
﹁を、瀧 めたまふとして・桝
聾 懲 腸隙 の欝 癡 灘し給 ぴて・
.瀧瀏
になら蕗 へる耄 ろ より・ 羆 謎 礬 鵬 ましー ㌣ , 御父濕織 の御蕎 しにより三
茄く難 鵬 を朧響 す なり、 蕎 踏徹祕 と申 し奉 るは・ありがたぐも臨今嶋世 を照 しましま玄
アη
、ツ ヒ ノ .
スメミマノミコト
アシ ハラノナカツクニ シ菅シ メ
天 津 日 の御 事 ぞ か し 、 さ て 此 . 天 照 大 御 神 の、 皇 孫 奪 に 、 葦 原 中 國 を 所 知 看 せ と あ り て 、 天 .
上 コノド ゆ クダ チゑクメイ アマッヒッギハアメッチノムタトキハヵキハニザヵエマサム
よ り 此 土 に 降 し 奉 り た ま ふ 、.其 時 に 、 大 御 神 の 勅 命 に 、 寶 祚 之 隆 當 與 天 壤 無 窮 者 矣 と あ
帥
ノ 手毳クメイ . コンゲンタイホン ノ
り し 、 此 勅 命 は こ れ 、 道 の根 元大 本 な り 、 か く て 大 か た 世 中 の よ う つ の 道 理 、 人 の 道 は 、 禪
ダンみヨ コ
ゴ
ソナ なヘロザシ
代 の段 々 のお も む き に 、 こ とゐ\ く 備 はり て 、 こ れ に も れ た る事 な し 、 さ れ ば ま こ と の道 に 、
志
あ らん人 は、紳代 の姦 をよくく 蕘 して、何事 ゑ の衂 義 ね て、
、惣 轟 をば郷 きなり,
オモムキ は デンセッ クガイヒイデ
そ の段 々 の趣 は 、 皆 こ れ 紳 代 の古 傳 諡 な る ぞ か し 、 古 俾 論 と は ﹂ 誰 言 出 た る こ と 丶 も な く 、 た f
いと上 代 より 諭 り傳 へた る物 にし て・ 臨 古 器 日本 紀 に認 され た る所 を申 す な り、 さ て些 薫
シル アキ ウタガ コウセイ シンテン トクモノ シンヒ
に記 さ れ た る趣 は 、 いと 明 ら かに し て、 疑 ぴ も な き事 な るを 、 後 世 に慰典 を読 者 、 あ るひ は神祕
髭 など いふこと 藩 り躔 して・奮 凝鮮 認毳 ヘレ或 は卿鶴 野 罷 に のみ溜 みて・紳代 の 吻
の
苫 鼠 シン . . , ノ ﹁ ぬナ ワガ.
妙 趣 を
信 ず る
事 あ た
は ず 、 世 中 の 道 理 は 、 み な 紳 代 の
趣 に 備 は ハ
れ る事 を も え ざ とちず 、 す べ て 吾.
-炉
ぼ
ロゆ
アンセツ
ズ ムリ
ぷ クツヨ ロ
イ コ ク み
もツダ
トリ
古 傳 読 の旨 を ば 、 立 る こ と あ た は ず し て 、 か の異 國 の 説 の お も む き に す が り て 取 さ ば か む と す る..
イ コク アハ .
ワタクシ レウケン ..
オノ コノ
か ら 、 そ の異 國 の いふ と と ろ に 合 ざ る事 を ば ∵ み な 泓 の 料 簡 を 以 て 、 み だ り に 己 が 好 む か た に
譫 晦 て 、 或 は 離 刃 鵬 と は 、 薇 都 を いふ な ど 乂鰍 な し て 、 天 上 の 事 に あ ら ず と し 、 天 照 大 御紳 を .
も・ た尉 野 諢 にし て臨 ぎ まし∼ ガ 獲 の如くに謝 なして療 轡 にばあ洋
りざ るやう
クグヒ イ ゴクフケ リ クツ シヒ 、
.
アハ ワタクシゴト
に申 す 類 、 み な これ 異 國 風 の理窟 に へつら ひ で. 強 て そ の趣 に 合 さ ん とす る私 事 に して 、古 俾 説
,
を ・ こと さ ら に 轟 く 樋 び な し て ・ そ の鴇 ぴ ろ く ゆ き 厄 た ち ず 、 痘 罵 め 意 を 劔 ポ ・ 大 に鵜 賜 の趣 に
け
玉 .く し げ ・. .
﹁
、
﹄ノ . 三 五 五
/
葡
、
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ム
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戛
の
ゆ
玉 く し げ 、 . 三五六
ン
ム イ
チマ
イ ヘダテ タカマノハラ イツトウ イタず ノ
背 げ る も の な り 、 抑 天 地 は ﹄枚 に し て 、 隔 な け れ ば 、 高 天 原 は 、 萬 岡 一同 に戴 く と こ ろ の高 天 原
。 ア丈 ウ チウ 。
にし て、 天 照 大 御 祚 は 、 そ の 天 を し ろ し めナ 御 祚 に て ま し ま せ ば 、 宇 宙 のあ ひ だ に な ら ぶ も の
ヵギリ ロ
シ カイバンコク ノ トククワウ カウプ
な く 、 と こ し な へに 天 地 の 限 を あ ま ね く 照 し ま し ノ \ て 、 四 海 萬 國 概 御 徳 光 を 蒙 らず と い ふ こ と ﹁
イヅ . ・ ノ ミ タ . そま チヘン塁 ダツ ・ ノ 多 ツ
な く 、 何 れ の國 .と て も 、 此 大 御 紳 の御 蔭 に 竜 れ て は . 一日 片 時 竜 立 ℃ と あ た は ず 、 世 中 に 至
クフト ノ グワイスク ア ウシナ
て 奪 く あ り が た き ば 、 此 \大 御 祚 な り 、・然 る を 外 國 に は 皆 、 神 代 の古 傳 説 を 失 へる が 故 に 、 こ O
ソンギヤウ 、 ジン手 . カム爲
〃へ ・ ー イン
れ を 奪 敬 し奉 る. べ き こ と を ば し ら ず し て 、 た 怠 人 智 の お し は か り の考 を 以 て 、・ み だ り に 日月 ぼ陰
ヤウ セイ
サダ ホカ ゆ
タウジユウノクニ チンテイ タテ
ウ ヘ タット
陽 の精 な ど 丶定 め お き て 、
、外 に あ る ぴ は 唐 戎 國 に て は ﹂ 天 帝 と い ふ 物 を 立 て 、 上 な く 彜 き 物 と し 塾
戯
ソニ コ
ミチく と ソンホウ ぬ
共 餘 の國 々 に て も 、 道 々 に 圭 と し て 奪 奉 す る物 あ れ ど も 、 そ れ ら は 或 は お し は か り の 理 を 以 て い .
ミダリ セツ ツク . カリ ノ
ひ 、 或 敵 妄 に読 を作 り て い へる 物 に し て 、 いつ れ も 皆 、 人 の假 に 其 名 を 談 う け た る の み に こ そ あ
れ ・留 には鷺薇 も 鷺 濫 臨健 も・ あ るも の には あ らず ・ そ もノ \ 粥 鼬 貯 は、 かや ヶ に鷲 も な き物 を
、のみ鐸 て、 天 照 大御 紳 の纏 の噂.
よ に解 鵜 が た き禦 をば 、 しら ず し てあ 譲 、 い とあ さ 飢
ま し き 事 な る に 、 響 瞠 ぱ 柵 嬲 の尹 織 あ る が 故 に ご 神 代 の 濃 し 蓬 古 論 の 、 つ ま が ら か に 徳 は り て 、
ノ , ゴ ユウワイ シリ タフト 了・ ガタ
此 大 御 紳 の御 由 來 を も う か 璽 ぴ 知 て 、 こ れ を 奪 み 奉 る べ き 道 理 を し れ る は 、 い と ノ へ 難 有 き 、
ハベ . ミ クエ ヵクベッ シ サイ
御 事 に ぞ 侍 る ﹂ さ て 皇 國 は 絡 刷 の 子 細 あ り と 申 す は 、 ま つ 此 四 海 寓 國 を 照 さ せ た ま ふ 天 照 大
、
丶
,
ゴシユツシヤウ .ゴ ホンゴク パンコク ゲンポンタイソウ ミ ク ニ ッ イ コク
.御 紳 の、 御 出 生 ま しく し御 本 國 な る が故 に、 萬 國 の元 本 大 宗 た る御 國 にし てう萬 の事 異 國 に ず
ぐ れ て め でた き、.
彗 .刺 の蔓 凄 、 申 し つく し がた ぎ潜 、 まつ 第 に難 は犬 の磐 で
け た もちて 、鬟 も な く湿 塒 な る物 な る が. 蜘 襠 鶏 の萬 國 にす ぐ れ て、 幾 な き を 以 て・ 謬 の
事 ど も をも 聾 しゑ し、 然 る 髭 國 に螺 れ た る入 は、 も と よ り な れ薦 り て纛 の こと な る故 に・
サイハヒ ・
・
、ク黒竃ト ウゆ
、 璽 イネ テウセキ アグ
心 の つ か ざ る に こそ あ れ 、 幸 に 此 御 國 人 と 生 れ て 、 か ば か り す ぐ れ て め で た き 稻 を 、 朝 夕 に鮑 ま
シ罫ク 舮 嶋
スズ撕ミ ゴ・オンライ
﹁ で食 す る に つけ て も 、 .
ま つ 皇 紳 たも のあ 紅 が た き御 恩 頼 を おも ぴ奉 るべ き ごと な る に、 そ の
わきま へだになくて輝 ずは・ い乞 ー 欝 な耄 となりぎ で叉葬 の 謙 配 ・す 荏 ち
ノ
、
. 毒 釜 ・ 、 彡 ジヤウブキウ ﹁ ,シンチ・ク マン∼・
此 世 を照 しま し ま す 、 天 照 大 御 紳 の御 宋 椛 ま し ノ \ て 、 か の 天 攘 無 窮 の 紳 勅 の如 く う 萬 々
,
螺
の、末 の代 ま で竜・繋 せたま ふ こと々 、天地 のあらんか書 纏 らせ給 ふ禦 、 まつ道 の・
蒹 なる些 事 ・かみ ごと孔 かの '
昌鵜獲 し る私 て魔 に臠 せ給 讐 るを以て・紳代
雪 ギ 藤 イ 夛 オ先 ・・ 彡
の古 偉 読 の,虚 薦 な らざ る こと をも 知 べ く、 異 國 の及 ぶτ こ ろ にあ ら ざ るこ と をも し るべ く 、格 評
嬲の羅 幸 ∼ 髪 も讐 き賢 課 にはぎ ばか乱 と げ箕 灘 諏 て・おのー 謝
タフト く 柔 ン ワ宝 ウ ⋮ 、 ハ丈 ダ
ひ と り 奪 き 國 の や う に申 せ ど も , 其 穣 本 な る 王 統 つ ド かず 、 七 ば ノ \ か ば り て 、 甚 み だ り な る を
、
繕 、肇 いふと こ ろみ な 爨 に し て 、難 ら ざ る こと⋮
を芒 は か る べき な り、 ざ てを のごと
証 く し げ 、 . ﹂ 三五七
、
'
一
〆 ,
篤
玉 . く .し げ 、
、 き 三五八
ホソデウ ゴ ポンゴク ダ クツウトウ ミ クニ ゲンホンタイゾイ
く 本 朝 は
、
天 照
大 御 榊 の御 本 國 、 そ の ' 皇 統 の し ろ し め す 御 國 に し て 、 萬 國 の元 本 大 宗 た る
ミ クリ
トモ ミ クニ タフト ぜタぐ シンフク ヨ シタガ
御國 なれ ば、 萬 國 共 に,、こ の御 國 を奪 み戴 き 臣 服 し て、 四海 の内 み な、遮 ま こ乏 の道 に依 り 邇 は
ではかな はぬことわりなるに、今 に罪 患 鰐彫 は、す べて漏 夢 轡 も をしる こどを 、
カイグワイ イツセウタウ なチロン リ ノミ クニ ヤ
液 貸 な ほ ざ り に 海 外 の 一小 嶋 と の み 心 得 , 勿 論 ま こ ど め 道 の此 皇 國 に あ る こ と を ば 夢 に も し ら で、
ダリゴト ヲ ロ
コ
妄 読 を の み いぴ 居 る は , 又 いと あ さ ま し き 事 、 こ れ ぴ と へ に 紳 代 の 古 .
傳 読 な き がゆ ゑ な り 、 さ て
グウイ じ
ノシ サイ ホンテウ メイハク
タぐ
外 國 に は、 古 傳論 な け れ ば 、此 子細 ど も を し ら ざ る も 、せん か た な き を 、本 朝 に は、明 白 に正 し き '
傳読 の豪 がら・世 の人 これ鄭 耄 菟 の葎 ず ・,
たぶ の齶 の羅 をのみ轡 ・.
讒 に渇 み
柔 ..
カヘツ
, セイジ ユウ タント ,シ ノ
溺 れ て、 返 てよ し な 髫西 戎 の圃 を奪 み 仰 ぐ は 、 いよ・く あ さ ま し き事 癒ら ず や 、 た と ぴ ま さり た
タ コ
ク ッ
オ
ノ
ポ
ンゴ
ク
の 睾
セ ジユンダウ
り と も 、 よ し な き 他 國 の 読 を 用 ぴ ん 函 り は 、 己 が 本 國 の 傅 讒 に し た が ぴ よ ら ん こ そ 、・順 道 な る ベ
丶、
イ コク セツ キョマサ ヒ ホアテウ デ ジツ イ コクフウ
き に 、'ま し て 異 國 の 読 は み な 虚 妄 に し て 、 ・本 朝 の 傳 へ は 實 な る を や 、 然 れ ど も 異 凶 風 の な ま さ か
し藁 勢 、、
釋 事 心の廳梟 潔て、蕃 憲 ばざる世 の人なれば。今かや £ 申しξ 、諺
ザツソク シンぐ
・
イ ゴクフウ. レウケン 一 亀
カヘツ オ穏力
も 早 速 にぽ 烹 信 ず ま じ き 事 な れ ど も 、 惣 じ て異 國 風 の こ ざ か し き 料 簡 は 、 よ く お も へ ば 、 返 て愚
な る こ と そ ・ 璽 ﹂チ鰐 高 き 阮 を 考 へ.て ・ ま こ と の 理 は ・ 腓 翩 の 及 び が た き ピ と にノし て ・ 人 の 思 ひ 鸛
ると こ ろ と は・ 大 に櫺 懃 せ る事 のあ るも のぞ ・嘉 ふ こと をレ よ く さど ゑ き な り ・ 又 か の興 雙
〆
" '
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水ンテウ ノミ クニ セウコク .ノッキ 、 アヒダ
の 思 へ る ご と く 、 本 朝 の人 も 、 此 御 國 を ば 、 た 璽 小 國 め や う に の み 心 得 居 る に 付 て は 、 天 地 の 闇
セウコク ウタガ ル
に ゆ き わた り た る ま こと の道 の凄 か ﹄る小國 に のみ傅 は らん こと は い か父 と, 疑 ふ人 も 有 べ き な
イチワウ レウケン ・ ソンヒ ビ γク
れ ど も 、 こ れ 叉 な ま さ か し き 一往 の 料 簡 に し て 、 深 く 考 へざ る も の な り 、 惣 じ て 物 の 奪 卑 美 悪 は , 、
カタチ .
ヒロ イヤシ アシ セバ クツト
そ の形 の大 小 に よ る も の に あ ら ざ れ ば 、 図 も 、 い か ほ ど 廣 く て 竜 、 卑 く 惡 き 國 あ り 、 狹 く て も 奪
ウルハ ヒ ノ グソイコク ヒぽ タイテイニンミン オホ ツぷ
く 美 し き國 あ り 、 其 内 に、 む か し よ り 外國 共 め や う を考 ふ る に、廣 き國 は、 大 抵 人民 も多 く て強
'
.
5
点セバ ニンミン ーヨワ イギ亠 小ヒ セバ ヒロ シクガ
く 、 狹 き 國 は 、 人 民 す ぐ な く て翡 け れ ば 、 勢 に お さ れ て 、 狹 き國 は 、 廣 き 國 に從 ぴ つ く か ら 、 お
ヒロ マタツト セバ ゆイヤシ マコト ソンヒ ビ アク クワウケフ
のつ か ら 廣 き は 奪 く 、 狹 き は 卑 き や う な れ ど も 、 實 の彜 卑 美 悪 は 、 廣 狹 に は よ ら ざ る こ と な り 、
グワイ夛 ト 弘 クワウダイ ノ畜 多 イ 客 ' アン乏 ジ ミン
そ の
う へ
す
べ て
外
國
は
、
土
地
は廣
大
に
て
竜、 いつ れ 竜 其 廣 大 な る に 應 じ て は 、 田 地 人 民 は な は だ
`
キ セウ タウド ぽ く ノカラ ク コク
稀 少 な り 、 唐 土 な ど は 、 諸 .
戎 の中 に て は、 よ き國 と 聞 え た れ ど も 、 そ れす ら皇 國 にく ら ぶ れ ば、
ロ
スクナ ヒロ ノ
な ほ 田 地 人 民 は 、 は な は だ 少く ま ば ら に し て , た 冥 い た づ ら に 土 地 の廣 き のみ な り 、 こ れ は 彼 國
ロノ
ダイピヘ ソウヒトカズカマドカズ アゲ ロ
の 書 ど も に↓ 代 々 の惣 口數 戸 數 を 擧 た る と 、 本 朝 の 戸 數 口數 と を く ら べ 見 て 、 よ く し ら る 玉 こ と
イマゲンザイ β 一 ト チ ℃々 モノナリ
な り 、 叉 今 現 在 に 本 朝 の 図 々 に て 、 同 じ 一國 の 内 に て 竜 、 土 地 は 廣 く て 、 人 民 物 成 の す く な き 所
セバ リ クワウケフ
あ り 、 狹 く て 人 民 物 威 は 多 き 所 も あ る を 以 て 、 惣 躰 土 地 の廣 狹 に は か N は る べ か ら ざ る こ と を さ
ヘ ワケザダ ス
と る べ し 、 古 大 図 上 國 申 國 肇 國 、 ,大 郡 上 郡 中 郡 下 郡 小 郡 と 分 定 め ら れ し も 、 必 し 竜 土 地 の 大 小 に
む
玉 く し げ・ , 三 五 九
,
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ノ
ノ
●
玉 く し げ . ・ 三六Q
■
クワウケフ
は か 丶は ら ざ 軌 し 事 ぞ か し 、 然 駒 に む か し よ り 世 の人 、 此 わ き ま へな く し て ・ た 球 土地 の廣 狹 を
コ き
サダ ミ クニ ヘ ク 職がミッ
以 て 、 其 國 の 大 小 を 定 む る は . あ た ら ざ る こ と な り , 皇 國 は 古 よ り し て、 田 地 入 民 の 甚 多 く 綱 密
ず クニ タグヒ ノ リ ハカ タ コト ポけゼウ
な る こと 、 さら に異 國 に は類 な け れ ば、 此 人數 物 成 を以 て量 ると き は 、甚 大 図 に し て、 殊 に豐 饒
インフ ユウブキヤウセイ
イヅ
カクバ
ヘツ シ サイ
殷 富 勇 武 彊 盛 な る こと 、何 れ の國 か は よ"
べ 及 ぶ 者 あ ら ん、 これ 叉 格 別 の子細 に し て, 何 事 も紳 代
より 羅 たち の・かあ ご と爺 黔鸚 をた ておかせ給 へるも のなり、然 るに糠 羈 肇 ,
タウド タノト ノ スグ
モツタイ クワゥみク
ぴ た す ら 唐 土 を ほ め 奪 み て.、何 事 竜 み な彼國 を のみ勝 れ た るや う に いひ な し、 物 躰 な く も皇 國 を
ミ クダ ケンシギ ひ ミダリ イヤ オト へ
ば 看 下 す を 、 見 識 の 高 き に し て 、 こ と さ ら に 漫 に 賤 し め 貶 さ ん と し て 、 或 は 本 朝 は古 に 道 な し と
ブン
クワ ヒラ 、 クウダ 才ソ コ シヨ
い ひ 、 惣 じ て 文 華 の 開 け た る こ と も 、.唐 土 よ り は る か に 邏 し と い ひ 、 或 は 本 朝 の 古 書 は 、 古 事 記
呆 紀といへども・野 の古箆 くらぶれば葱 鬱 揖 徳 肇 ゑ ひて・古纔 纛 り或 は
ブン
ノチ ック , . レイ
日 本 紀 の 文 を 見 て 、 上 古 の事 は み な 、 後 の 造 り こ と そ と い ぴ お と す た ぐ ぴ 、 こ 峨 ら は 皆 例 の な ま
ヒト
ね ロン クハシ タウド ナヅ
さ か し き 、 う は べ の 一わ た り の 論 に し て 、 精 く 思 は ざ る も の な り 、 そ の う へ唐 土 の書 に の み 泥 み
望ド タ カ ヘッ ケンシキ ・チピサ﹁ ヒキ
惑 ひ て 、 他 あ る こ と を し ら ざ る 竜 の な れ ば 、 返 て 見 識 竜 いと 小 く 卑 き こ と な ら ず や 、 叉 か や プ
つに
カ . オノ 江ウシ ソム
他 國 を 内 に し て 、,吾 本 國 を 外 に す る は 、 .
己 が よ る 所 の孔 子 の 意 に も 、 い た く 背 け る も の な り 、 す
ロン アタ ら ミ クニ ヘ コノハウ スグ
ペ て右 の 論 ど 竜 の 、 當 ら ざ る こ と を い は § 、 ま つ 皇 國 の古 は 道 な し と い ふ ば 、 此 方 に ま こ と の 勝 ・
れ馨 道 のあ る こと を しらず し て、 た 毳 葬 道 を のみ道 と 心 得 た るぴ が こ と なり ↓ か の膨 拶
婆 どは・委 の嚢 なれ ば、 と も あ れ かく 竜 あ 鯉 それにか 蔽 るべ 耄 と にあ らず 、 灸 駕
バク ヒラ
タウド
スグ ハヤ
ブンクワ ヒラ
早 く 開 け た り と て , 唐 土 を 勝 れ た り と 思 ふ も 、 ぴ が こ と な り 、 早 く 文 華 の開 け た る や う な る は 、
ツ
ハヤ ヘンクワ ノ フウゾク アシ ケイハグ .
萬 の事 の早 く 變 化 し た る に て 、 こ れ 彼 國 の 風 俗 の悪 く 輕 薄 な る が 故 な り 、 い か に と い ふ に 、 か の
タウジ ユウ も
ヒトゴ へれ ぢ
モノゴトフル タツト び
オノ シ サタク フウ
唐 戎 は 、 上 古 よ り 人 心 な ま さ か し く し て 、 物 事 莓 き に ょ る こ と を 徇 ばず 、 ぴ た 竜 の 己 が 思 慮 工 夫
アラタ カフ コクゾク ノ を ヤウ ヨ 、
スミヤカ ウッ
を 以 て 、 改 め 變 る を よ き 事 に せ る 國 俗 な る 故 に 、 お のつ か ら 世 中 の 模 檬 は隔 世 欧 に 速 に 移 り か は
ミ クニ セイチヨクチヨウコウ フウギ し フル アト
マモ カロぐ
シ ヂ
.り し な り 、
然 る に
皇 國 は 、
正 直
重 厚
な る
風 儀
に て
、何 事
も た
望古 き跡 に
より
守のり て 、輕 々 し く 私 智
を以 て誰 る事 はせざ りし故 に・脚 の穩 のよ ξ フつり響 こと直 お のづ 鶴 癒だ 曹
ノヂヨウコウ フウギ ノコ ヘンクク チ ソク シヨウレツ ギウバ
ざ り し な り 、此 重 厚 の 風 儀 は 、今 も な ほ 遺 れ る こ と そ か し 、獪 、
此 變 化 の暹 速 の勝 劣 を 、
い は 璽 、牛 馬
獎 なピ のたぐびは豪 れてより鬣 ずる︾
乙 齒.矯 ぎ を犬 はこれら毎 ぶ段 ・鬣 ヤる
ユ
ハナハダオソ ナゾラ マザ ヘンクワ ァ オソ ル セイチヤウ
事 甚 遲 し 、 こ れ ら を 以 て 准 へ見 る に 、 勝 れ る 物 、 變 化 す る こ と 遲 き 道 理 も 有 べ し 、 叉 か の 成 長
スミヤカ テウジウ イノヂミジカ オソ イノチナガ テ ノ モ ヤウ
す る こ と の速 な る 鳥 獸 な ど は 、 命 短 く 、 人 は 遲 く て 、 命 長 き を 以 見 れ ば 、 世 中 の模 檬 の、 う つ り
ぼ
ハヤ トコリ イノチミジカ オソ ソン ヱイキウ
か は れ る こ と 早 き 處 は 、 其 國 の 命 短 く 、 う つ り か は る こ と の遲 き 國 は 、 存 す る こ と 永 久 な る べ し 、
ね ス センマンザイ へ もロ コ
ぼショ センシユツ ジ グイ ロン
そ の し る し は 、 數 千 萬 歳 を 經 て 後 に 見 ゆ べ き な り 、 叉 古 書 の事 を 、 そ の撰 出 の時 代 を 以 て論 ず る
玉 く し げ ・ ・ 三六 一
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丶囁、
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玉 く し げ 三六ニ
ダウジユウ シ チ コ クゾク
も 、 う は べ の てと な り 、 其 故 は 、 右 に 申 せ る 如 ら 、 唐 戎 は な ま さ か し く ﹂ 私 智 を ふ も ふ 國 俗 に て 、
ノ サクシヤ オノ カキイダ オウ フル ヂカ シヨウレツ
其 古 書 も 、 お のく 作 者 の己 が 心 よ り書 出 せ る故 に、 そ の時 代 に應 じ て, 古 き 近 き の勝 劣 あ る こ
ゆ
ミ クニ ヘ ヂヨウユウ
アフウギ オノ
と な る が 、 皇 國 の古 は 、 重 厚 な る 風 儀 に て 、 す べ て の 事 に 、 己 が さ か し.
ら を 用 ぴ ず 、 か ろ ん\ 、
し
フル アラタ コ ヂン セッ ヵタ
く 舊 き を 改 む る こ と な ど は せ ざ り し か ば 、 古 ﹁傳 の 読 も 、 た 璽 .
神 代 よ り語 り 傳 への ま Σに て、 傳 は
キタ ノ シル ケイハク タウジユウ
り 來 り し を 、 其 古 傳 読 の ま 玉 に 記 さ れ た る , 着 事 記 日 本 紀 な れ ば 、 か の輕 薄 な る 唐 或 の あ ら は せ
る書どもと同 じな裕 曝 代を以 て謝ず べきにあらず禽 鋤 の時 代こそ讐 れ・蕎 論 の警 ・
クウコぴ
ク カヘツ ナ フル タウド
紳 代 の ま 丶 な れ ば 、 唐 國 の古 書 ど も よ り は 、 返 て は る か に 古 き 事 な る を や 、 但 し 日 本 紀 は 、 唐 土
シヨジヤク テイ カンブンじ カザ ブン ゲ ウタガ
の 書 籍 の躰 を う ら や み て 、 漢 文 を 餝 ら れ た る書 な れ 拭 、 そ の 文 に よ り て解 す る と き は 、 疑 は し き
ヅン
事 お ほ か る べ し 、 さ れ ば 日 本 紀 を見 る に 拭 、 文 に は か ﹂ は ら ず 、 古 事 記 と く ら べ 見 て 、 そ の 古 傳
シ サイ ジエシヤ ジン
の趣 を し るべ き なり 、 大 か た右 の子細 ど も を よ く わ き ま へて、 す べ て儒 者 ど も のな ま さ か し き論
マド
. ノ .
デヒダ
に は 、 惑 は さ る ま じ き こ と に な ん 、 さ て 世 申 に あ ら ゆ る 、﹁大 小 の も ろ ∼ 丶 の 事 は 、 天 地 の 間 に お .
ミ タマ
のつ か ら あ る こ と も 、 人 の身 の う へ の こ と も 、 な す わ ざ も 、 皆 こ と ん \ ぐ 紳 の 御 靈 に よ り て 、 神
ソンヒゼンアクジ髭シヤウ
ノ
亅 ギチジ ゼンジ
の御 は から ぴ な る が、惣 じ て紳 .
に は 、奪 卑 善 悪 邪 正 さ まぐ あ る故 に 、世 中 の事 も 、 吉 事 善 事 の
み に は あらず ・畢 鸚 も ま じり て ・國 の響 ど も をり ー は起 り ・世 のた め合 ためにあしき
オコナ ケワフク ヒクぐ サ アシ
事 など も 行 はれ 、 又 人 の蝸 輻 な ど の、 正 し く道 理 にあ たら ざ る こと も 多 き 、 これ ら は み な悪 き紳
シヨ中 ワシキカミ 。 ず ザ ナ ギノオ承ミ カミ ミミソギ ョ ミノクニ ケガレ ナリイデ
の 所 爲 な り 、 悪 紳 と 申 す は 、 か の 伊 邪 那 岐 大 御 紳 の 御 禊 の 時 、 豫 美 國 の 穢 よ り 成 出 た ま へ る 、
響ガツ.ビノ ミ タマ 薫ロく ヨコナマ バ アシ 才コナ サカリ
繭 津 日 紳 と 申 す 紳 の 御 靈 に よ り て ︾ 諸 の 邪 な る 事 惡 き 事 を 行 ふ紳 た ち に し て 、 さ や う の神 の盛
。 アラ ・ 委 カミ , ー オンマ モ オンヂカラ
・
に 荒 び 給 ふ 時 に は 、 皇 紳 た ち の 御 守 護 り 御 力 に も 及 ば せ 給 は ぬ 事 も あ る は 、 こ れ 神 代 よ り の 趣
囈
クぐ ヨキコト
ヨコサマ アシ ス
なり 、 さ て正 しき 事善 事 のみ は あ らず し て、 かや う に邪 な る事惡 き 事 竜 必 ま じ る は 、 これ 叉 然 る
コンホン ロ
ノ サ ノ ヘ
クハシ
ベ き 根 本 の 道 理 あ り 、 こ れ ら の 趣 も 皆 、榊 代 よ り 定 ま り て 、其 事 古 事 記 日 本 紀 に 見 え た り 、そ の 委
シ サイ ノ ハペ ほトナガ ヨ ミノクニ ケガレ
き 子 細 ど も は , 古 事 記 傳 に申 し 侍 り 、 事 長 け れ ば 、 こ N に は つく し が た し 、 さ て 豫 美 國 の 穢 と い
ツ ツ ヨ ミ ヂ カ コンデイ リ ネノクニソコノクニ ゆ
ふ に 付 て 、 ご 一申 す べ き こ と あ り 、 ま つ 豫 美 と 申 す は 、 地 下 の 根 底 に 在 て 、 粮 國 底 國 と も 申 し て 、
乾 たなく撃 國にて・奪 る人の覆 ¥ )うなり・藷 羅 勢 簿 くれさ蕎 ぴて・此
ヨ ミノ ユカ ヨ モツヘ グヒ ト スヰサン シヨク
ケガレ ナガ コノウツシクき
豫 美 國 に 往 ぜ た ま ひ し が 、 黄 泉 戸 喫 と て 、 其 國 の炊 爨 の物 を 食 し 給 ぴ し 戳 に よ り て 、 永 く 此 顯 國 ・
ノケ
ガレ
キ ョウ
アク
ケガレ
に か へら せ た ま ふ こ と か な はず 甑 此 穢 に よ り て、 つ ぴ に 凶 悪 の紳 と な り 給 ぴ て ゐ そ の 穢 よ り 、 か
拶 マガツ
ビノ
ナ リイ
デ タイセツ
イミツヘシ ケガレ
の繭 津 日 紳 は 成 出 給 へれ ば . 此 道 理 を よ く 思 ひ て 、 世 に 大 切 に 忌 愼 む べ き は 、 物 の 穢 な り 、 さ て
タツト イヤシ ヨキ
アシ コトぐ シ ス ヨ ミノ
世 の 人 は 、 貴 き 竜 賤 き 竜 善 も 惡 き も 、 み な 悉 く 、 死 す れ ば 、 必 か の豫 美 國 に ゆ か ざ る こ と を 得 ず 、
カナ ヘ ヤ ロ アサ ラニ
い と 惑 し き 事 に て ぞ 侍 る 、 か や う に 申 迂 ば 、 た 璽 い と 淺 は か に し て .絢 の道 理 も な き と と のや う ・
、
玉 く し げ , 三六三
噂
\ %
噛
噂
玉 く し げv 吊三 六 四
に は聞 ゆ れ ど も これぞ 紳 代 の窒 と の爾 諾 に し て、 娩 理 の然 ら し 駕 る と ころ な れば 、 な ま じ ひ
ボンチ シ ギ イ コク丶 ック
4
の凡 智 を 以 て 、 と や か く や と 思 議 す べ き 事 に あ ら ず 、 然 る を 異 國 に は 、 さ ま み \ の 道 を 作 り て、 尹
シヤウジ タ トク ジンチ
入 の生 死 の道 理 をも、 甚 おも しろ く かし こげ に読 こ と なれ ど も 、 そ れ は或 は人 智 のお し は か り の
鞠
サ ケツ . モツトモ シン ツ ガフ ツク 象モシロ
理 窟 を以 て いひ 、或 は世 の入 の尤 と 信 ず べ き や う に、
、都 合 歌 く 造 り た る 物 に し て 、 い つ れ も 面 白
キヨマク ジッ. ー ツク セッ モツトモ
く は 聞 ゆ れ ど も 、 皆 虚 妄 に し て 、 實 に あ ら ず 、 惣 じ て 人 の か し こ く 造 り た る読 は 、
'尤 な る や う に
カヘツ く チ ヱ ■
聞 え 、 ま こ と の 傳 へは 、 返 て淺 々 し く 、 お ろ か な る こ と のや う に 聞 ゆ る 物 な れ ど も 、 人 の 智 慧 は
轡辱
カギリ 轟 ハヵ アサ ,・オロカ ・ カヘッ ヵギ葺・
崢N幽
隈 あ り て 、 得 灘 り し ら ぬ と こ ろ 多 け れ ば 、 す べ て そ の淺 は か に愚 に 聞 ゆ る 事 に 、 返 て 限 な く 深 き
メウリ
ボンヂ . ウタガ ・
ツク
モツトモ シン
妙 理 は あ る ヒ と な る を 、 及 ば ぬ凡 智 を 以 て こ れ を 疑 ぴ 、 か の造 り こ と の 、 尤 ら し く 聞 ゆ る 方 を 信
オノ シン カヘツ オロカ ノ シヘ サイシ ケンゾクホウ
ず る は 、 己 が 心 を 信 ず る と い ふ も の に て、 返 て い と 愚 な る こ と な り 、 さ て 死 す れ ば 、 妻 子 眷 屬 朋
ビ
襲 醗 鬱 婁 ゑ 姫 て・駢たる此世を茄く嬲れぎ ・ふを 嫌 磐 量 あたはず・かならず
キタナ ヨ ミノ ユク シ タ イ ロク
か の 穢 き 豫 美 図 に 往 ご と な れ ば 、 世 の 中 に .搾死 ぬ る ほ ど か な し き 事 は な き も の な る に 、 か の 異 國
9
カナシ ト ノ ぜンアク シンボブ
の 道 々 に は 、 或 は こ れ を 深 く 哀 む ま じ き 道 理 を 読 ぎ 、 或 は 此 世 に て の し わ ざ の善 悪 、 心 法 の と リ
シ 、
. ヤウ . ヒ" クハシ トキ ノ
さ ば き に よ り て 、 死 し て 後 に な り ゆ く 樣 を も 、 い ろ ノ \ と 廣 く 委 く 読 た る故 に h 世 人 み な こ れ ら
﹁
に 藤 ぴ て 、 蝿 譫 共 凱 職 炉 る事 に思 ひ 、 儲 傭 し て 、 碧 を 深 く 慕 翻 を ば 、 慰 が る 心 の 遮 ひ のや う に 心
ハヂ シと マ篝 .
カナシ ,
テイ ジ セィ
得 る から 、 ヒ れ を 槐 て 、 強 て 迷 は ぬ ふ り 、 悲 ま ぬ 躰 を 見 せ 、 或 は 辭 世 な ど い ひ て 、 ご と ご と し く , ㌦
聯 き はめた るさまの警 邏 しなどす るは、皆 これ大 き気 蠏 つくり潔 にし℃・
,κ解 撃 气
ま とと の道 理 に か な は ぬ こと な り ・す ぺ で蔀 ダ ベ 蔆事 をも ・ さ のみ蔀 ぱず 、欝 ガべ き と と をも ・
さのみ梦 ず 、讐 べき蹇 も欝 ず ・とかく物 に肇 聖 .よ蚤 にして難 は・、
み鼻 驟
の.
臘 鰹.どして尤 の鷄醫 はあらず ・いとう 歪 dきピとなり・中 に舞 は颪 舞 し から ではか蜘
ダ
ナシタテ セ
λ .
イ
ザ
ナ
ギ
ノ オ
承
ミサカミ メ
な は ぬ 事 に し て 、 國 土 萬 物 を 成 立 、 世 中 の道 を 始 め た ま ぴ し 、
、 伊 邪 那 岐 大 御 紳 す ら 、 か の 女
ガミ .
セゥニ.
ナキカナシ 、
・ヨ ミノ ンダ
紳 の か く れ さ せ 給 ぴ し 時 は 、ぴ た す ら 小 兒 の ご と く に 、泣 悲 み こ が れ 給 ぴ て 、か の 豫 美 國 ま で 、慕
シンジツ
セイジヤウ ノ サ ヤゥ
ぴ ゅ か せ た ま ひ し に あ ら ず や 、 ℃ れ ぞ 翼 實 の性 情 に し て 、 世 人 も 、 か な ら ず 左 樣 に な く て 、
はかな
、
はぬ道繧 り・詫 故匹 上京 ま鼻 陟の謝 羅 らざりし認 犬 の心野 り蒔 には身 し
リ クツ ク フウ ム 勢 ・ウケン
て 後 に な り ゆ く べ き 理 窟 な ど を 、 と や か く や と 工夫 す る や う の 、 無 釜 の こ ざ か し き 料 簡 は な く し .
ヨシ
ヨ ミノ ロ
ナキカナシ
一ノて 、 た 璽 死 ぬ れ ば 豫 美 國 に ゆ く ご と 丶、 道 理 の ま 乂 に 心 得 居 て 、 泣 悲 む よ り ほ か は な か り しそ か
コグセイ エウ じ スズカミ イ なク シンギ
し、 抑 これ ら は 、 國 政 な ど に は 要 な き 申 し 事 な れ ど も 、 皇 紳 の 道 と 異 國 の 道 と の 、 眞 僞 の心得
如
ババ
ノ アシ シヨま
に
に は なり侍 る べ き事 な り 、 さ て か の世 中 にあ し き事 よ と さ ま な る事 も あ るは、 みな 悪 き 紳 の所爲
グワイコク コ
クワァク
な り と い ふ こ と を 、 外 國 に は え し ら ず し て 、人 の 鍋 福 な ど の 、道 理 に あ た ら ぬ 事 あ る を 愁 、或 は み
玉 く し げ ・ 、 蓋 盆
曜
.
ノ
'
、
玉 く し げ ㌧ 箆 六 六
な翳 讒 と認きなし・ある農 これを鷺斜鷺趨 と いぴ て蜜 す なり・ しかれども翳 轜彫 の講
ツ ガフ 、 "ン チンメイチンダウ
は 、 上 に 申 せ る ご と く 、 都 合 よ き や う に 作 り た る物 な れ ば 、 論 ず る に 及 ば ず 、 ま た 天 命 天 迸 と い
クウド タウブ タグヒ キミ ホロポ ノ ウバヒト ダイギヤク ツミ
ふ は 、 唐 土 の上 古 に 、 か の 湯 武 な ど の類 な る 者 の 、 君 を 滅 し て 其 國 を奪 取 る 、 大 逆 の罪 の い ぴ の
シヒ タクゲン シル ら ジツ テン メイ
が れ と 、 道 理 のす ま ざ る 事 を 、 強 て す ま し お か ん た め と の. 託 言 な り と 知 べ し 、 も し 實 に 天 の 命
チン モチ タぐ ル
曽 天 の 道 な ら ば 、 何 事 竜 み な 、 か な ら ず 正 し く 道 理 の ま 玉 に こそ 有 べ き に 、 道 理 ,
にあ た らざ る事 お
ヒツギヤウ
ほき は、 いか にそや 、 ・畢 竟 こ れ ら も み な 、 紳 代 の ま こ と の古 傳 読 な き が 故 に 、 さ ま λぴ\ と よ き や
う 鋤 りまうけたる物 弩 ・さて右 のご とく・誓耀羅 、 ごもぐ ぎ 籌 給酸 匹 穿 を紹
ゼンアクジヤシヤウ リ
アマテラスオホミカミ クワウトゥ
ろ あ ひ だ に は 、 善 惡 邪 正 さ ま λび
丶 の 事 ど も 有 て 、 或 は 天 照 大 御 紳 の 皇 統 に ま し ま す
テ ジ
ヘ
ゥティ カンキヨク ヲ ヰ ド ホウデ ウアシカご
朝 廷 を し も 、 な い が し ろ に し 奉 り て 、 姦 曲 を ほ し い ま ﹄ に し 、 武 威 を ふ る へる 、 北 條 足 利 のご と
ギヤ
クシ
ン
チム
ソテイ
ナワトロ ぬ
さや う の者 にも 、 天 下 の人 のなび き した がぴ 、.
き 逆臣 も い でき 、 ・
朝 廷 大 に衰 へさ せ た ま ひ て .
燈 の齢れ し時などもな彪 あらざれども・然 れど驫 はつぴに嘗 脇 ことあたはぎ 、紳代 の
シンチヨク タイホンウゴ ギヤクシン ヤ ポロ ウセ
道 理 、 叉 か の 紳 勅 の 大 本 動 く べ か ら ざ る が 故 に 、 さ や う の 逆 臣 の 家 は 、 つ ぴ に み な 滅 び 亡 て ,
アト
ら チ ヘイ
コ テウテイ ゲンゼン ゥゴ
跡 な く な り て 、,天 下 は 叉 し も 、 め で た く 治 卆 の御 代 に 立 か へり 、 朝 廷 は 嚴 然 と し て 、 動 か せ た
を
アユジンサヨク グワイコク
ま ふ こ と な し 、 こ れ 豈 人 力 の よ く す べ き と こ.う なも ん や 、
・叉 外 國 の よ く 及 ぶ と こ ろ な ら ん や 、 さ
テウ
テイ
オトロ ロ
リ ミダレ
て 右 の ご と く 、 弔 ご ろ 朝 廷 の 大 に衰 へさ せ 給 へ る こ と 有 し は , 天 下 の 亂 に よ り て の 事 と お も
、フ ツウ .レウケン ジツ ・ チウテイ 才トロ ミダ ツ
ふ は 、 普 通 の 料 簡 な れ 芝 竜 、 實 は こ れ 朝 廷 の衰 へさ せ 給 ふ に よ り て 、 天 下 は 大 に 亂 れ て , 萬
、
スタ アシカぐケ スヱ'
の事 も お と ろ へ廢 れ しな り.
、 此 道 理 を よ く思 はず はあ るべ か らず 、 そ竜 く か の足 利家 の末 っか
ゼンダイミ ゾウウ
リ トコヤミ コト ツ
た の世 は 、 前 代 未 曾 有 の有 さ ま に て 、 天 下 は常 闇 に 異 な ら ず 、 萬 の 事 、,
此時 に至 て、 こと み\ く
ス貰 イ , クワイラン シ ヨク . オ ダ よ トミ ・ 噛奉 ウイヂ ・ ラ蔘 キ
嚢 敗 し て 、 ま こ と に壞 亂 の至 極 な り き 、 然 る と こ ろ に 、 織 田 豊 匱 め 二將 出 た ま ぴ て 、 亂 逆 を し づ
テウ
テイ
モテ
ナホ ら
ソン
キヤ ヒ
ウ
や
ノ
チ ヘ イ
め 、 朝 廷 を 以 直 し 奉 り 、 奪 敬 し 奉 り 給 ぴ て 、 世 中 や う や く 治 李 に お 竜 む き し が 、 其 後 つ ぴ に 叉 、.
〆
職
ヲサ ヘ サカ
今 のご と く に 天 下 よ く 治 ま り て 、 古 に 懲 た ぐ ぴ ま れ な る ま で 、 め で た き 御 代 に 立 か へり 、 榮 ゆ る
賜
こと は、 ぴと へに これ ア薦 臆 禮 鶴 齔 爾 砂 御 勳 珈∼鐸 麕 鶴 に よ れ る 物 に し て 、・そ の鐸 勳 劣 鶴 購 斛 と
テウ
チィ .
オト
・ 辱
シヤ
ウ
ア
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、
シ
ダ
イ サイなウ
申 す は 、 ま つ 第 一に 朝 廷 の い た く 衰 へ さ せ給 へ る を 、 か の 二 將 の 跡 に よ り て 、 獪 次 第 に 再 興
ゴソウキヤウアツ ジゑシ バンミンコ ナヂヲサ ぜ
ロ
し奉ら せ給 ぴ、 い よく ますく 御 崇 敬 厚 く し て、 つぎ ノ\ に諸 士 萬 民 を撫 治 め さ せ たま へる、.
、
ゴ ロ
セイ
ゲロフ
シ ゼン エ ホミニヘロ
こ れ な り 、 此 御 盛 業 、 自 然 と ま ヒ と の 道 に か な は せ 給 ひ 、 天 照 大 御 紳 の 大 御 心 に か な 依 せ た ま
アマツカミクニツカミ カ ゴ アツ げ ヲサ シ
ぴ て 、 天 紳 地 祗 も 、、御 加 護 厚 き が 故 に 、 か く の ご と く 御 代 は め で た く 治 ま れ る な り 、 か や う に 申
ジ セイ ケリヤウ シ , ゲン ゴ ブ ウンリウセイ
奉 るは 、 た 勢時 世 に へつら ぴ て 、椴 令 に申 奉 る には あ らず 、 現 に御 武 運 隆 盛 に し て、 天 下 久 しく
タイヘイ
ゼンダイ カッ カズノ ノ
太卆 な る こ と は、 申 す に及 ばず 、 叉前 代 に は いま だ嘗 て あ ら ざり し、 め でた き事 ど 竜 Σ、數 々此
玉 く し げ . 箆六七
、私
、
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嚇
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玉 く し げ ・ 。 三六 八
オコ
カレ
コレ
ブシ
ヤウ マ
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リゴ
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御 代 よ り 起 れ る な ど 、 彼 此 を 以 て 、 そ の然 る こと を し れ ば な り 、 惣 じ て武 將 の御 政 は , か の 北
デウアシカず タイホン チウデイ オモ ヵケ ジントク ホドコ
絛足 利 など の如 く にゐ 大 本 の 朝 廷 を 重ん じ奉 る とと の畷 て は 、 た と ぴ いか ほ ど に仁徳 を施 し,
シヨシ バンミン ナデ ワクグシ ヂジスツ
諸 ⊥ を よ く な つけ 、 萬 民 を よ く 撫 給 ひ て も 、 み な こ れ 私 の た め め 智 術 に し て 、 道 に か な は ず '
、 こ
ホンテウ で コ ク コンポン コも ゆ シ テイ グクインク ナガ サダ
れ 本 朝 は 、 異 國 と は 、そ の 根 木 の大 に 異 な る と こ ろ な り 、そ の 子 細 は 、外 凾 は ﹂永 く 定 ま れ る '
キミ
トキ
く ノ
ひ
タレ
ワウ コクゾク
ま こ と の 君 な け れ ば 、 た 里 時 々 に 、 世 入 を よ く な び か ぜ し た が へた る者 、 誰 ,
にて・ も王 と な る國 俗
な る故 に 、 る の道 と 衂 る と こ ろ の極 も 、 そ の鴎 催 に よ り て露 た る 物 に て 、 騫 を 鵜 し て 國 を難 へ る
ゾク セイジン アフ ミ ク ニ
テウテゴ リ
賊 を さ へ、 道 に か ・
な へ る 聖 人 と 仰 ぐ な り 、 然 る に 皐 國 の 朝 廷 は 、 天 地 の限 を と こ し な へに 照
ゴクワウトウ シン チ ク サダ
し ま し ま す 、 天 照 大 御 紳 の 御 皇 統 に し て 、 す な は ち そ の ・
大 御 紳 の紳勅 に よ り て、 定 まら せ
マンノ グイ も
ロ し ゆ
た ま へ る と こ ろ な れ ば 、 萬 々 代 の末 の世 と い へど も 、 H 月 の天 に ま し ま す か ぎ り 、 天 地 の か は ら
O
'
ダイクンシヘ イタぐ カシコ ウヤマ オホ
ざ る か ぎ り は 、 い つ く ま で も こ れ を 大 君 圭 と 戴 き 奉 り て 、 畏 み 敬 ぴ 奉 ら で は 、 天 照 大 御 神 の 大
ミ コヘド ソ ム イ チ ねチ ヘンジ ド ク ツ
御 心 に か な ぴ が た く 、 こ の 大 御 神 の大 御 心 に 背 き 奉 り て ば 、 一日 片 時 も 立 こ と あ た は ざ れ ば
ノ テウテイ カに シ ソン ナカ
な り 、 然 る に 中 ご ろ 、 此 道 に そ む き て 、 朝 廷 を 輕 し め 奉 り し 者 も 、 し ば ら く は 子 孫 ま で榮 え お
お マガッ ビノ マガコト リ リ レ タご キ ハン
ご り し こ と る あ り し は 、 た ゴ か の 鍋 津 日祚 の 繭 事 に こ そ 有 け れ 、 い か で か 是 を 正 し き 規 範 と は す
・{
髫
ノ タイホン ムネ 。 当 シヤ セウチ
ベ き 、 然 る を 世 人 は 、 此 大 本 の道 理 、 ま こ と の 道 の旨 を し ら ず し て 、 儒 者 な ど 小 智 を ふ る ぴ て 、
噛
齠乙"∼
}
猟
ヨ ヘ
トクシツ ギ イ コク アヶノウゾク
う キ ク ギヤクシン
み だ り に世 々- の得 失 を議 し 、 す べ て た ぐ異 國 の惡 風 俗 の道 の 趣 を 規 矩 と し て 、 或 は か の道 臣 た リ
ポウデウ マツリゴト けン の ほンホン
し 北 條 が 教 な ど を し も 、 正 道 な る や う に 論 ず る な ど は 、 み な 根 本 の所 た が ぴ た れ ば 、 い か ほ ど
。
シヤウ ロン ヒツギヤウ シモム丶 クイ*ン 琶り
正 論 の如 く 聞 え て も 、 畢 竟 ま こ と の 道 に は か な は ざ る こ と な り 、 下 々 の者 は 、 た と ぴ 此 大 本 を 取
,
ヂガ イチブメ シツ リヤウ キミ ゑクセイ トラ
違 へて も 、 其 身 一分 ぎ り の 失 な る を 、 か り に も 一國 一郡 を も 領 じ た ま ふ 君 、 又 そ の 國 政 を 執 ん 人
タイホン サイジ クウ
な ど は 、 道 の大 本 を よ く 心 得 居 給 は で ば か な は ぬ こ と な り 、 さ れ ば 末 々 の細 事 の た め に こ そ 、、 麿
ド ズヰブン マナ ベン ノ ヘタイホン ナミ
土 の書 を も隨 分 に學 び て 、便 によ り て 其 か た を も まじ へ用 ぴ給 は め 、道 の大 本 の所 に至 て は 、⊥ 摯
クダン ツネみヘ トラ モチ ウシナ ヲサ
ミダ
件 のおも む き を、常 々よ く執 へ持 て 、 こ れ を 失 ぴ 給 ふ ま じ き 御 事 な り 、 惣 じ て 國 の 治 ま る と 亂 る
シモ カミ ウヤマ オソ モ カミ ノカミ アツ ウヤマ オゾ
る と は 、 下 の 上 を 敬 ぴ 畏 る エと 、 然 ら ざ る と に あ る こ と に て 伽 上 た る 人 、 其 上 を 厚 く 敬 ぴ 畏 れ 給
シモ ノカミ アッ ウヤマ ォソ コ ヲサ
へば 、 下 た る 者 も 、 叉 つぎ / \ に 其 上 た る 人 を 、 厚 く 敬 ぴ 畏 れ て 、 國 は お のつ か ら よ く 治 ま る こ
ミ ヨ アマテラスオホミカミ チウテイ ミヨサシ
と な り 、 さ て 今 の 御 代 と 申 す は , ま つ 天 照 大 御 紳 の 御 は か ら ぴ 、 朝 廷 の 御 任 に よ り て 、 .
アヅ マチルヵムミオヤノミコト ダイシヤウグンケ ミマツリゴト シキオコナ
・
東 照 紳 御 祗命 よ り御 つぎ/ \ 、
大 將 軍 家 の 、 天 下 の御 政 を ば 、 敷 行 は せ給 ふ 御 世 に し て 、 そ
ワケ ダイミヤウ オノく アヅ ま ナ ね ゴリヤウナイ
の御 政 を 、 又 一國 一郡 と 分 て 、 御 大 名 た ち 各 こ れ を 預 か り 行 ひ た ま ふ 御 事 な れ 拭 、 其 御 領 内 / 丶
タミ マツタ ワククシ タミ シ タミ タウジ アヅ もロ
の民 も 、 全 く 私 の民 に は あ ら ず 、 國 も 私 の 國 に は あ らず 、 天 下 の民 は . み な 當 時 こ れ を 、
東
轍 禮 鶴 耐 覦 御 代 々 の 絃 羅 篤 魏 へ、 天 照 大 御 神 の鴇 け さ せ 給 へる 鶴 照 な り 恥 図 も 又 天 照
玉 く し げ ・
﹂ . 三六九
\.
ヘ
ロ
玉 く し げ 三 七 〇
アヅ ォンクニ ほ みムミオヤノミめト オンサダ
大 御 紳 の 預 け さ せ た ま へ る 御 國 な り 、 然 れ 民 か の 紳 御 祺 命 の 御 定 め 、 御 代 々 の 大 將 軍 家
オンオキテ 、 オンサダズオンオキテ タイ弋ツ シ ノ メ テ 9ム
の 御 掟 は 、す な ば ち こ れ
▽天 照 大 御 紳 の 御 定 御 提 な れ ば 、殊 に 大 切 に 思 召 て 、 此 御 定 御 掟 を 、背
クヅ マモ セイジ アヅ
はク
・か じ 頽 さ じ と よ く 守 り た ま ぴ ﹂ 又 其 國 汝 の 政 事 は 、 天 照 大 御 神 よ り 、 次 第 に 預 か り た ま へ る 國
セイ ズヰブンタイセツ トリオコナ ・ . タミ . アヅ 才ンタミ
政 な れ ば 、 隨 分 大 切 に執 行 ぴ 給 ふ べ く , 民 は 天 照 大 御 紳 よ り 、 預 か り 奉 れ る 御 民 ぞ と い ふ こ
ワス タイセッ ナデ ダイミヤウ カン
と を 、 忘 れ た ま は ず し て 、 こ れ 又 殊 に 大 切 に お ぼ し め し て 、 は ぐ 丶み 撫 給 ふ べ き 事 レ 御 大 名 の肝
エウ シモぐ レすニオコナ ぴノムネ シメ コ ヵもロエダガ ツネみを
・.
要 な れ ば 、 下 々 の 事 執 行 ふ 人 々 に も 、.
此 旨 を よ く 示 し お き 給 ひ て 、 心 得 遑 へ な き や う に 、 常 々御
ノ ゼンアク
心 を付 ら るべ き御 事、 な り 、 さ て 又 上 に 申 せ る ご と く 、 世 申 の あ り さ ま は 、 萬 事 み な 善 惡 の紳 の御
シきヰ ゴクイ ジンリヨク アラ
所 爲 な れ ば 、 よ く な る も あ し く な る も 、 極 意 の と こ ろ は 、 人 力 の及 ぶ こ と に非 ず 、 紳 の御 は か ら
声
コンホン ロ ド
セウノ
ひ の ご と く に な ら で は , な り ゆ か ぬ物 な れ ば 、 此 根 本 の と こ ろ を よ く 心 得 居 給 ひ て 、 た と ぴ 少 々
ロクゆ ヘ アリキク アラタ ロ ユバカ ノゾ アラダ
國 の た め に 海 し き こと エて も 、. 有 來 り て改 め が た から ん 事 をば 、俄 に これ を除 き 改 め ん と は した
アラタ ・シヒ キフ ヂホ シ隷ヰ サ・カ ヵヘツ シ ソン .
ま ふ ま じ き な り 、 改 め が た き を 、 強 て 急 に 直 さ ん と す れ ば 、 紳 の御 所 爲 に 逆 ぴ て 、 返 て 爲 損 ず る
アクジキヨウジ ス
事 も あ る物 ぞ か し、 す べ て世 には 、 悪事 凶事 も、 必 まじ ら では え あ ら ぬ、 神 代 の深 き 道 理 あ る こ
ノ ジフブンゼンジ キチジ ノ ロ
ル
と な れ ば 、 と に か く に、 十 分 善 事 吉 事 ば か り の 世 中 に な す 事 は 、 か な ひ が た き わ ざ と 知 べ し 、 然
ジ轟 . スミ スミ ハキもヤヨ ノ
ゼンジ ヲシへ ﹁
る を 儒 の 道 な ど は 、 隅 か ら 隅 ま で 掃 清 め た る ご と く に 、 世 中 を善 事 ば か り に な さ ん と す る歡 に て 、
蛉些
翫皿蝉
シ ヒゴ
ト セイジン ら ソノコクチウ クニ
アクジ
と て も か な は ぬ 強 事 な り 、 さ れ ば こ そ か の 聖 人 と い は れ し 人 々 の世 と て も 、 其 國 申 に 、 絶 て 惡 事
キョ
ウジ
・ , チ ヱ
・
ヵギリ ハ
カ
凶 事 な き こと は 、 あ た は ざ り し にあ ら ず や 、 又 人 の智慧 は , いか ほど かし こく ても 限 あ り て、 測
り 識 がた き と ころ 僕 鸛 り諜 こ と あ た は ざ るも のな れ ば 、善 し 意 ぴ喬 る こと も ,芻 に は歸 く 、
習 主 思 ぴ て翳 ず る事 も ・駕 に は然 らヤ 或 は今 ぎ 事も・? ー の た め にあ し く 、今 翠
事も 後 のた め に蓄 道钁 ど もあ 羹 、
・ 人 はえ レ ら ぬ こと 為 て ・す べ て人 の飜 には お よび
ノ
がた き 事 お ほ け れ ば 、 と に か く に世 中 の事 は 、紳 の御 ば か ら ひ な ら では、 ・
か な は ぬも のな り、 然
、
'
、
ウチステ
ら ば 何 事 も た ◎ 、 紳 の御 は か ら ぴ に う ち ま か せ て 、 よ く も あ し く 竜 な り ゆ く ま 玉 に 打 捨 お き て 、
入 は す こ し も こ れ を い ろ ふ ま じ き に や 、 と 思 ふ 人 も あ ら ん か 、'こ れ 又 大 な る ひ が て と な り 、 人 も 、
人 の禦 べきかぎりをば・禦 が人 の道 にし げ
ヤ そ のう へに・葦 の轡 肇 ると璽 人 の拶
シヒ オコナ ズコナ
、
及 ば ざ る と こ ろ ぞ 、 と い ふ ζ と を 心 得 居 て 、 強 た る 事 を ば 行 ふ ま じ き な り 、 然 る に そ の行 ふ べ き
洞
存 をも欝 ず し て・ た 差 りゆ く ま 丶に樽 撫 お く は ・、人 の道 にそ む け り 露 事 は・ 祚 代 に夢
ノ
りたる鴇あり・ .
踏鑒 鱒 此苓 を .
爨饕 羅 奉り、 雇嘩 輾懇 縫 したてまつり繰
アマテラス柔 ミを 多 ⋮ ムスビノ柔 カミ 柔 オンヤクソク 才ンヤクソク
へると き 、 天 照 大 御 紳 高 皇 産 靈 大 紳 の 仰 せ 忙 て 、 御 約 束 の事 あ り う そ の御 約 束 に 、 今 よ り
ノ アラバ委 ・ 姿 ミマノミ・ト シワシ メ 羨 ク耋 シ・ミコト カ・ ・ゴト シラス サ
し て 、 世 申 の顯 事 は 、 皇 孫 奪 こ れ を 所 知 看 す べ し 、 .大 噛 圭 命 は 、 幽 事 を 所 知 べ し と 有 て 、 こ
玉 く し げ
・﹁ 、
三七 婦
階
玉 く し げ﹁ 三 七 ニ
バンセイフ ヱキ 矛ン華ダ カミゴト チラン 庫ッキぎウ ・ クワフク ナ遜 ノ
れ 萬 世 不 易 の御 定 め な り 、 幽 事 と は 、 天 下 の 治 亂 吉 凶 、 入 の鍋 輻 な ど 其 外 に も 、 す べ て 何 者 のす
る こと 丶 あ ら は に は し れ ず し て ・ 谿 ゼ 紳 の な し た ま ふ 締 卵 鳥 を い ぴ ・ア顯 覇 ど は 、 笛 人 の 鑓 ガ 事 E
ドが
フ
ニン
ジ
ス
メミ リもノ
ミコ
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オ
ヘ アラ
ウ バ
ニ
コ ヲサ マツリゴト
ゴな
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業 に し て 、 い は ゆ る 人 事 な れ ば 、・ 皇 孫 奪 の 御 上 の顯 事 は 、 帥 天 下 を 治 め さ せ 給 ふ 御 教 な り 、
か く て 出 御 勢 緑 に ・ 天 下 の .郵 ゴ慰 健 窓 、 皆 た § 嚶 蝋 に 儷 ナ ベ し と は 避 め 給 は ず し て ・
ア飃 騎 団
スメミマノミコト .
ル アラバニゴト オンオ 識ナ スメミマノミコ下
皇 孫 奪 し ろ し め す べ し と 有 か ら は 、 そ ,の 顯 事 の 御 行 ぴ な く て は か な は ず 、 又 皇 孫 奪 の 、 天
ヲサ アラバニゴト マツリゴト ワケアヅ アラバニゴト マツジゴト
下 を治 め さ せ給 ふ、
"顯 事 の 御 政 あ る か ら は 、 今 時 こ れ を 分 預 か り 給 へ る 、 一國 / \ の 顯 事 の 激
も ・、叉 な く て は か な ふ べ か ら ず ・ こ れ 入 も そ の 穿 彊 ノ ﹀ に ・ か な ら ず 律 ダ べ き ほ ど の 事 を ば 、才筏
璽 コン六ン ノ 、 アラバ甑ゴト
は で か な は ぬ 道 理 の根 本 な り 、 さ て 世 中 の事 は み な 、 神 の 御 は か ら ぴ に よ る こ 嚢 な れ ば 、 顯 事 と
ヒツキヨウ カミゴト シヤベツ ノシヤベツ タト カミゴト
て も 、 畢 竟 は 幽 事 の 外 な ら ね ど 竜 、 な ほ 差 別 あ る こ と に て 、 其 差 別 は 譬 へ ば 、・
紳 は 人'
に て 、幽 事 ば ,
人 ノ ニンギヤウ アラバニゴト ノニンギヤウ カシラテアシ リ
のは たら く が如 く 、世 中 の人 は人 形 にて 、顯 事 は 、其 入 形 め 首 手 足 な ど 有 て、 は たむ く が如 し ,
ニンギヤウ ジツ レ \ 嚇 ジギヤウ
か く て そ の 人 形 の色 々 と は た ら く も 、 實 は 是 も 人 の つ か ふ に よ る こ と な れ ど も 、 入 形 の は た ら く
ヤパ
ヘツ カシラテアシ リ ゾ ニンギヤウ
と と ろ は 、 つ か ふ 入 と は 別 に し て 、 そ の首 手 足 な ど 有 て 、 そ れ が よ ぐ は た ら け ば ヒ そ 、 入 形 の し
カシラテアシ ナニ ニンギヤウ
'
る し は あ る こ と な れ 、 首 手 足 も な く 、 は た ら く と こ ろ な く て は 、ゴ何 を か 人 形 の し る し と は せ ん 、
シヤベツ アラバユゴト オホクニヌシノ
、此 差 別 を わ き ま へて 、 顯 事 の つと め も 、 な く て は か な は ぬ 事 を さ と る べ し 、 さ て か の 大 國 主
・
爾ど申す は・肇 お 蠣膨 御紳 にし て、 はじめ に此天下を紹 焦 し給 ぴ,又蕊 疏部祗 たち を購で, 、
, ヤクソク ノ カミゴト ツカサド オコ ナ ・ 、 オソ ウヤマ
右 の 御 約 束 の ご と く 、u世 中 の幽 事 を 掌 り 行 ぴ 給 ふ 御 神 に ま ℃ ま せ ば 、 天 下 上 下 の入 の 、广恐 れ 敬 ひ
ソ ン ホゥ ノ ミ タマ
奪 奉 し奉 ら でか な は ぬ御 紳ぞ か し、 惣 じ て世 中 の事 は 、神 の御 靈 に あ ら では かな は ぬ物 な れ ば、
蠏-れ蕎 攣 わす れず 、沃 下 撃 のた め に も 、﹂騨 の身 のた め に も 、 勘 ー 編 を郷 る は、
﹁
むン
ウ ヨキヵミ マツ
サイハヒ イノ ワザハビ
アラ
肝 要 の.
わ ざ な り 、 善 紳∵
を 祭 いソて 編 を 浙 る は 、 も と よ り の こ と 、 叉 鍋 を ま ぬ か れ ん た め に、 荒 ぶ
ナゴ ヘ キッギぼウクワフク メンノペ ジヤシヤウ オコナ ゼンアケ
る紳 を ま つり 和 す 竜 、 古 の 道 な り 、 然 る を 人 の吉 凶 禰 輻 は 、 面 々 の 心 の 邪 正 、 行 ひ の 善 惡 に よ る
い
イノ ォけヵ ナン ド ジユシヤ ツネ けン へ
こ と な る を 、鹽神 に 新 る 糠 愚 な り 、 神 何 ぞ こ れ を き か ん と や う に い ふ ぱ 、 儒 者 の 常 の 論 な れ ど も 、
}
オノ リ クのダド
ジンジ じ レイ クウジユウ ケンシキ
か や う に 己 が 理 窟 を の み た て 丶、 祚 事 を お ろ そ か にす る は 、 例 の な ま さ か し き 唐 戎 の 見 識 に し て 、
ジヤジン " ワザハヒ . . アラバ∴
これ神 に は邪 神 も 有 て、 よ とさ ま な る醐 のあ る 道 理 を知 ら ざ る故 のび が こと な り 、 さ て か の 顯
ゴ レロ コクセ イ オ コナ ナ ラビ ソウ タで オ コナ ジ ゲフ
事 の 國 政 の 行 ぴ か た 、 井 に 惣 躰 の 人 の 行 ふ べ き 事 業 億 、 い か や う な る が 、 ま ア一と の 道 に か な
﹂
ふ.ベ
テンワウ マサ オコナ バ ご カムナガラアメノシタ
嚢 ぞ と い ふ に 、 ま つ 上 古 虻 、 天 皇 の 天 下 を 治 め さ せ 給 ぴ し 御 行 ぴ か た は 、古 語 に も 、紳 隨 天 下 し
サグ アト
ろ し め す と 申 し て 、 た ず ' 天 照 大 御 紳 の 大 御 心 を 大 御 心 と し て 、 萬 事 、 紳 代 に 定 ま れ る 跡 の ま
オ
コナ
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セ
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リね
チ
ミ ウ
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サク ラ ヨ
ま に行 は せ給 ひ 、 其 中 に 、 御 心 に て定 め が た き事 もあ る時 は 、 御 ト を以 て 、紳 の御 心 を問 う か f
、
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オコナ ゴ ジ ブン ゴ レウケン
ぴ て 行 は せ 給 ぴ 、 惣 じ て 何 事 に 毛 大 か た 、 御 自 分 の 御 か し ご だ て の御 料 簡 を ば 用 び た ま は ざ り し ㍗
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と れ ま こ と の 道 の 、 正 し き と こ ろ の 御 行 ぴ か た な り 、 其 時 代 に は 、 臣 下 た ち も 下 萬 民 も 、 一同 に
心 直
ナ廓 夕、
㍉ テンワウ・
テウチず オソ 4
く 正
し か り
し か
ば
、皆 天 皇 の
御 心 を
心
と
し て
、 た ゴ ひ た す ら に 朝 廷 、
を 恐 れ つ 乂し み ㍗
カミ
琢灘﹂ア シク∵
ガ マモ ス離
メンノ`
丶 レウケン
タテ 毒ミ シモ
上 の御 掟 の ま 乂 に從 ひ 守 り て ,、
少 しも 面 々の かし こだ て の料 簡 を ば立 ざ り し故 に 、 上 と下 と よぐ
ワ ガン ヲサ 、 ●・ カ ラ ' . イタ導
和 合 し て 、 天 下 は め で た く 治 ま り し な り 、 然 る に 西 戎 の 道 を ま じ へ 用 ぴ ら る ㌧時 代 に 至 て は 、 お
リ クツ フウゾク シ 、
'
・ レウケン シモ
のつ か ら そ の理 窟 だ て の風 俗 の う つ り て 、 人 .
々お のが私 の か し こ だ て の料簡 い でく るま 丶に、 下
ヵミ ツ ヲサ
も 上 の .御 心 を 心 と せ ぬ や う に な り て 、 萬 の 事 む つ か し く 、 次 第 に 治 め に く Σ な り て 、 後 に は つ ぴ
に・ か の要 の羆 催 にも ぎ のみ か はら ぬや う にな れ るな り 抑 かや う に・ 西 の方 の粥 思 ギ 九
脇
ワタ イリキ
ロ トタ ノリ
ゼンアク ノ
さ ま ︽ \ の事 さ ま み 丶 の 物 の渡 り 入 來 て 、 そ れ を 取 用 ふ る も 、 み な 善 悪 の 神 の 御 は か ら ひ に て 、
ギタ シ サイ ほトナガ
こ れ 又 さ や う に な り 來 る べ き 道 理 の あ る こ と な り 斗 そ の子 細 を 申 さ ん に は 事 長 け れ ば 、 こ L に 依
ノ ロ
ノ
ゆら
つ く し が た し 、 さ て時 代 の お し う つ る に し た が ぴ て 、 右 の ご と く 世 申 の 有 さ ま も 人 の 心 も か は 融
シ ゼン イキポヒ フ ツウ ロン コ シ ワザ シ ゼン
ゆ く は 、自 然 の勢 な り と いふ は 、普 通 の論 な れ ども 、 これ み な紳 の御 所 爲 に し て、 實 依自 然 の事
ノ シ ワザ
ジンリヨク
に は あ ら ず 、 さ.て さ や う に 、 世 中 のあ り き ま の う つ り ゆ く 竜 、 皆 紳 の 御 所 爲 な る か ら は 、 人 力 の
ニバカ アラみ
ク ナホ ピ
及 ばざ ると こ ろ な れ ば、 其 中 に よ ろ し から ぬ 事 のあ れ ば と て も 、俄 に改 め直 す こ と のな り がた き.
おヘ カミ マツリゴト シモゐ
オコナ シサ
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す ぢ 竜 多 し 、然 る を古 の道 忙よ ると し て 、上 の 政 も 下 々 の行 ぴ も 、強 て 上古 のご とく に、 これ﹁
丶
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飆 一'畠
●
を護 鳶 とす るξきは・紳 の鞄雌 の禦 からひ憲 ひて・導 道 の寵 にかなひがたしぎ れ ば
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今 の 世 の 國 政 は 、 又 今 の .世 の 模 樣 に 從 ぴ て 、 今 の 上 の 御 掟 に そ む か ず 、 有 來 り た 為 ま エ の 形 を 頽
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さ ず 、 跡 を 守 り て 執 行 ぴ た ま ふ が 、・即 ま こ と の 道 の 趣 に し て 、 と り も 直 さ ず こ れ 、 か の 上 古 の 紳
ナガラヲサ '
ムネ モケイバ慢
・・ ナダ
隨 治 め 給 び し 旨 に あ た る な り 、 尤 刑 罰 な ど も 、 ゆ る さ る ㌦ た け は 宥 め ゆ る す が 、 天 照大 御 神 の
アト やンジ ヤムコト ナコ コナ
御 心 に し て 、神 代 に 其 跡 あ り 、然 れ ど も 東 た 臨 時 に 、 止 事 を 得 ざ る 事 泌 る を り の 行 ぴ か た は 、 上 古
コ
コソ ム コロ
セイバお
ノ
イ
のツダロ
ンナ
に も 背 く 者 あ る と き な ど は 、 あ ま た の 人 を 殺 し て も 、 征 伐 し 給 ひ し 如 ノ丶 と れ 叉 紳 代 の 道 の 一端 タ
ナゾラ モ ヤウ ヨけ
な れ ば 、 今 と て も そ れ に 准 へて 、 何 事 忙 よ ら ず 、 其 事 其 時 の 模 樣 に よ り て 、 宜 し き 御 は か ら ひ に
シモムも ソウクイ ォぼナ
あ る べき こ と な ゆ 、 次 に 下 々 の惣 舛 の 人 の身 の 行 ぴ か た は 、 まつ す べ て 人 と 申 す 物 は 、 か の .
ム ス
ビ ノ
オ ホ
カ ミ ムスビ , カギ官リ グ ソ〃 ウマ
産 靈 大 紳 の 産 靈 の み た ま に ょ り て 、 人 の つ と め お こ な ふ べ き ほ ど の 限 は 、 も と よ り 且ハ足 し て 生 れ
メ
ンノ
へ オコナ ヲシヘ ツト オほナ
夫 る竜 の な れ ば 、 面 々 の か な ら ず つ と め 行 ふ べ き ぼ ど の 事 は 、 教 を ま た ず し て 、 よ く 務 め 行 痴幡 ・
キミ ヅカヘマツ ヂあハリ クイセツ
ゼ センゾ マの
ノげ
サイシ ヌ ボク
のな り 、 君 に よ く 仕 奉 り 、 父 母 を 大 切 に し 、。先 祺 を 祭 り 、 妻 子 奴 僕 を あ は れ み 、 人 に 竜 よ く ま じ
メンノヘ カ ゲフ
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は り な どす る たぐ ぴ 、 又 面 々 の家 業 を つと む る こと など 、 み な是 人 のか な らず よく せ では か な は
ル イ けク タシヘ ゴ タレ
の
ぬ わ ざ な れ ば 、丶い つ れ も 有 べ き か ぎ り 依 、 豊ハ國 の 教 な ど を か ら ざ れ ど も 、 も と よ り 誰 竜 よ く わ き
・ 譬麕
ま へし り て ・ よ く つと め 梦 こと な り ・然 れ ど も其 中 に 雙 、 心 あ し く 、右 の多 ども 籬 たる
玉 ノ
・ し げ . . 三七五
'
ゐ
.玉 く し げ 三 七 六
リ
アシ
ガロ
ナ アクジン
者 も 、世 に は有 て、 人 のた め世 の た め に悪 き わざ を 、 は かり 行 ふ者 な 庵 あ るは 、 これ叉 惡 神 の
エ
ンヨギ ア シ ド な
所爲 に し て、 さや う の悪 き 者 も 、 な き こ とあ たは ざ るは 、紳 代 より の こと わ り な η 、人 のみ なら
ず 、萬 の物 も 、 よ き物 民 か り は そ ろ ぴ がた く て・中 に はあ し きも 艶 じる第 な る が ・ そ の甚 騨
き を ば、 菊 る こと も あ 軌 ま た露 しも ナ ると と な れ ば 犬 も さや う の蕊 き者 を ば ・鵜 へ鸛 す も 叉
道 タチバナ ヲ ド ミミソギ モノゴトオ次
に し て 、 こ れ か の橘 の 小 門 の 御 禊 の 道 理 な 瀕 、 然 れ ど も 大 か た 紳 は 、 物 事 大 や う に 、 ゆ る さ る
タイテイ ノ ウチ タノシ
る事 は 、 大 抵 は ゆ る し て 、 世 人 の ゆ る や か に 打 と け て 樂 む を , よ ろ こ ぱ せ た ま ふ ご と な れ ば 、 さ
アシ
め み 惡 く も あ ら ざ る 者 ま で を 、 な ほ き び し く を し ふ べ き こ と に は あ ら ず 、 さ や う に 人 の身 の お こ
サ ヘイ ヘ
キウケツ スメカミ
な ぴ を 、 あ ま り 玻 細 に た ぐ し て 、、窮 屈 に す る は 、 皇 神 た ち の 御 心 に か な は ぬ こ と 故 、 お ほ く 其
エキ
カヘツ セバノく
ヤ
アシ
釜 は なく して 、 返 て入 .
の心褊 h
狹 し く こ ざ か し く な り て 、 お ほ く は悪 く のみ な る こ と な り 、 か や う
ヲシヘ サ 、イ タウジユウ
ジヤチ むンアク
、 望ト ヨ .
ヲサ
の教 の 瑣 細 な る唐 戎 の國 な ど は 、 邪 智 深 く 姦 悪 な る 者 、 殊 に 多 く し て 、 世 々 に 國 治 ま り が た き を
シ ルシ
ゾウ
タイ
ツトムぐち
ク
以 て 、 そ の 驗 を 見 る べ し 、然 る に 此 道 理 を し ら ず し て 、惣 艀 の 人 を 、 き び し く を し へ た て ﹄ 、 悉
ゼンニン . タウジエウフウ シヒゴト タト 、 ア多
にす ぐ れ た る 善
人 ば か り に な
さ ん と
す
る は 、 か の 唐 戎 風 の 強 事 に し て 、 こ れ 讐 へば 、 一年 の 間 を ー
クワダン カンシヨ ナニ
い つも 三 四月 ご ろ のご とく 、 和暖 に のみあ ら せ ん とす る がご と し 、 寒暑 は人 も 何 も い たむ も のな
れ ども ・ 舞 の瞠 騰 も あ る に.
より て こそ ・萬 の物 は 磐 鳶 す る こ と なれ ・ 価中 も そ のご と く に て・
幇 享 あ れ ば ・ か な むず 匯 郭 も あ り ・ ま た霧 事 のあ る に よ り て・ 善 騨 は 盤尹 る物 なり ・ 又叢 あ れ ば ・
ゑル トメ マジ ド
ユエ クぐ
夜 もあ り 、富 る人 あ れ ば 、貧 しき 人 も な く ては か な は ぬ 道理 な り 、 そ れ故 上 古 に 道 の正 しく お こ
ア シ
ヨ
う
サ ア シ キヤゥヂスウ
な は れ し 時 代 と て 竜 、此 道 理 のご と く に て 、悪 き 人 も 世 々 に 有 て 、 そ れ は そ の 惡 き し わ ざ の 輕 重 、
アシ
に し た が ぴ て、 上 にも ゆ るし た ま はず 、 人 もゆ る さ fり し こと な り 、然 れ共 上 古 は 、悪 き はあ し
ソゥタイ ナ泳 タ・・
カミ オキテ 才ゾ . マモ , ミ ブン
き に て 、 惣 躰 の 入 は 、 心 直 く 正 し く し て 、・た 璽 上 の 御 掟 を 恐 れ つ Σ し み 守 り て 、 身 分 の ほ ど ノだ\
ワタ
導 に 、 お こ な ふ べ き ほ ど の わ ざ を お こ な ひ て 、 世 を ば 渡 り し な り 、.し か れ ば 今 の 世 と て も 、 お な じ
芸 に て・翠 事す る誉 ・そ 蝨 蠶げ より て良 吉 もゆ るしたま はず面 人もゆ るさねば£
ソノ
ま ぬ
其 餘 は 、 いさ ﹄か は道 理 に あ ばざ る事 など のあ れ ば と て、人 を さ のみ深 ぐ と がむ べ き.
にもあ らず .
.
カミ オキテ マモ シ コト
今 の 世 の 人 は た 讐 、 今 の 世 の上 の 御 掟 を 、 よ く つ 玉し み 守 り て 、 己 が 私 の か し こ だ て の 、 異 な る
オコナ オ コナ
行 ひ を な さず 、 今 の世 に お こ な ふ べ きほ ど の事 を 行 ふ より・
外 あ る べ から ず 、 これ ぞす な はち 、御
代 よ り の ま こ と の道 の おも む き なり け る, あ な かも こ、
本 居 宣 長
玉 く し げ 三七七 無
玉 く し げ 三七八 藪
寛玖元年 十 一月
名 兒 屋 越 智廣 海 藏 板
丶
祕 本 玉 く し げ 上 下
、
●
玉 く し 氣 上
身 に お は ぬ しつ がし わ ざ 竜 玉 匝
あ け て だ に み よ 中 の こ xろ を
我 爻如 き 下 賤 の 者 の 、 御 國 政 の す ち な ど を 、 か り そ め に も と や か く 申 奉 む こ と は 、 い と も ノ \ お
ふ け な く 、 恐 れ 多 き 御 事 な れ 共 、 と に か く に御 武 運 長 久 、 御 領 内 上 下 安 献 な ら ん ζ と を 、 恐 れ な
がら あ け く れ所 り 奉 る心 から 、 とあ ら ば や か く あ ら ばや と思 ふ事 共 のお ほ き と こ ろ に、 吾 君 御
仁 徳深 く ま し ま じ て 、此 度 あり が た き 思 召 共 仰 出 さ れ 、獪 又 勘 辨 の事 も これ あら ば 、隔 意 なく 申
出 べ し と の仰 事 を 承 は る に 付 て は 、 い よ ノ へ、つ ね ノ四\ 所 り 奉 る 心 の 内 の か た は し を 竜 、 申 し 顯 さ 、
ま ほ し く て 、 下 賤 の 身 分 を わ す れ 、 恐 れ を も か へり み ず 、當 時 う け 給 は り 及 ぶ 他 國 の様 子 共 を 、
醜
な
か れ こ れ 引 出 て 、 存 心 の ほ ど を つく ろ は ず 、 か ざ ら ず 、 此 ︼書 に 申 述 侍 る 也 、 然 れ ど も 獪 恐 れ あ
る べ き 事 と な ら ば ↓ 御 覽 に 備 へら れ む こ と ば 、 と も か く も 取 傳 へ給 は ん 人 の 心 に ま か せ 奉 る 也 、
さ て 叉 我 墨 ご と き 者 の申 す 事 ﹂ 百 千 に }つ も 取 用 ひ さ せ 給 は ん こ と な ど は 、 思 ぴ も か け 奉 ら ず 、
祕本 玉 く しげ 上 三 八 一
〆
♪
祕 本・
玉く しげ 三 八 二
た 璽 願 は く は 、 か り に も 一た び 御 h
口に ふ れ さ せ ら ,
れ て 、 御 咎冖
だ に なく は、 僕 が大幸 也 、 且 又
嵩 貴 の 御 方 へ御 覽 に も 備 ふ べ き 書 は 其 詞 を 口 上 に 申 上 る 趣 に 竜 書 べ き な れ 共 、 左 樣 に て は 返 て 恐
れ も あ る べ き ま 丶 、 た f 同 輩 & ち の物 語 の 心 持 の詞 を 以 て 書 つ ぐ り 、 惣 躰 の 文 醪 か ざ る こ と な く ・
た 璽 通 俗 の李 話 を 以 て 申 す 也 、 是 又 愚 意 の ほ ど を お し は か ら せ お は し ま し て 、 何 事 も 御 覽 じ ゆ る
さ せ む 事 を ヒ ぴ 願 ぴ 奉 る な り 、 あ な か し こ 、 ・
○ 凡 て 天 下 を治 め 一國 一郡 を 治 む る 數 道 大 小 の事 に つ き て 、 其 善 惡 利 害 の 料 簡 を 立 る に 、 ま つ一
學
問 ぜざ る人 の料簡 は 、
、多 く は た じ今 日 眼 前 の手 近 き 事 の う へば か り に つ き て 、 工 夫 を め ぐ ら し て 、
根 本 の 所 に は 心 の つ か ぬ こ と お ほ し 、 た と ひ 又 そ の 本 の 所 へ心 は ρ き て も 、 そ の 工 夫 の 至 ら ざ .
る
こ と 多 し 、 殊 に 近 來 の世 の 風 儀 は 、 た 穿 眼 前 の損 ⋮
得 の事 のみ を 計 り て 、根 本 の所 を思 ぴ て いふ料
簡 を ば 、 今 日 の用 に た 丶ず ま は り 遠 き 事 に し て 、 と り あ は ぬ な ら ひ と な れ る 、 こ れ 大 な る ぴ が こ
と 也 、今 日 眼 前 の利 釜 を 思 は 璽 、 ま つ 其 根 本 よ り 正 さ ず は あ る べ か ら ず 、 本 を 正 さず し て は 、.
い
か や う に 工 夫 を め ぐ ら し て 、 よ き 料 簡 を 立 る と い へ共 、 諺 に い は ゆ る 飯 上 の 蠅 を お ふ と い ふ 物 に
て 、末 と ぐ る こ と な く 、皆 い た づ ら 事 と な り 、或 は つ ぴ に 大 害 を 引 出 る こ と もあ る も の也 、然 れ ば
さ し あ た り て は ま は り ど ほ く 迂 遠 な るや う な り と も 、 と に か く に 根 本 の 所 に 眼 を つ け て 、 諸 事 の
冖
料 簡 を 立 べ き 也 う さ て 叉 少 ζ學 問 に た つ さ は る 人 の料 ﹂
簡 は 、 多 く ぱ た 璽 四 書 五 經 な ど 經 書 の趣 を
以 て 、 今 日 の 政 事 に 施 さ む と す 、 こ れ は 根 本 の 所 に は 近 け れ ど も 、 經 書 の趣 ば か り に て は 、 時 世
・ のも や う 、 國 處 の 風 儀 、 古 今 の 變 化 な ど に う と き 故 に 、 今 a の政 務 に は 、 ま こ と に 迂 遠 に し て 、
、
返 て 世 俗 の 料 簡 に も お と れ る 事 も あ る も の 也 、 然 れ 共 惣 躰 は 、 か の當 座 の 利 釜 に の み わ し る俗 吏
の料 簡 よ り は 、 は る か に ま さ る べ し 、 又 一等 學 問 に 深 く 身 を 入 れ て 、 經 書 の み な ら ず 、.壓 史 諸 予
な ど を も 取 り あ つ か び . そ の意 味 を も 思 ひ 、 古 今 に ひ ろ く わ た り て 、 何 事 も よ く 辨 へ、 經 濟 のす
ぢ をも よ く 呑 込 た る 入 の料簡 はガ 本 をも 末 を も よ く 照 し考 る こと故 、ま こと に あ つは れと 聞 えて 、
俗 人 の 及 ぴ が た き 事 多 し 、 な ほ 又 世 に も し ら れ た る ほ ど の學 者 の 、 經 濟 の 心 が け あ る は 、 い よ い
よ 學 問 も 厚 く 廣 け れ ば 、 な ほ さ ら 宜 し き こと は 多 き 也 、 然 れ ど 竜 夊 い か ほ ど 學 問 よ く 、 經 濟 の筋
に も 鍛 煉 し 、 當 世 の 事 情 に も 通 達 し た る も 、 と か く に 儒 者 は 又 儒 者 か た ぎ の 一種 の料 簡 あ り て ﹂
議 論 の う へ の 理 窟 は 、 至 極 尤 に 聞 え て も 、尸
現 に これ を 政事 に用 ぴ て ぼ、 思 ぴ の外 に よ ろ し から ざ
る 事 も お ほ く し て 、返 て 害 あ る 事 も あ る 也 、惣 じ て 何 事 も 、實 事 に か け て は 、其 議 論 理 窟 の 如 く に
は ゆ か ぬ 物 也 、 夊 儒 者 は か の聖 人 の意 を 本 と す る こ と 故 に 、 國 政 の 糧 本 の 所 は 、 も と よ り あ く ま
で よ く 知 れ る や う に 思 へ共 、 實 は な ほ 知 ら ざ る 所 あ り 、 故 に こ れ ぞ 國 政 の根 本 至 極 と 思 へ る 趣 も 、
祕本 玉 く しげ 上 b
三八三
祕本 玉 く しげ 三 八四
相 違 し て 、 實 の 道 に は 叶 は ぬ 事 あ り 、 さ れ ば こ そ さ ば か り 議 論 か し こ く と り お こ な ふ唐 土 の代 ζ
に 、 久 し く 治 卆 の つ Ψ け る こ と は な し 、 彼 國 は學 問 を も よ く し 、 か し こ き 智 者 ど も の 世 墨 に 出 で 、
へ
面 墨さ まみ\ のよ き料 簡 を 立 れ ども 、古 より 今 に至 るま で 、 つぴ に治 ま り方 宜 し く し て、其 政 の
久 し く 行 は れ た る こ と な し 、そ の あ り さ ま を考 る に 、ま つ 前 の 人 の立 た る 料 簡 に つ き て 其 、通 り を
行 ぴ こ 髭ろ む る に 、 思 ぴ の 外 宜 し か ら ざ る に よ り て 、 是 は い か 寮 と 思 ふ 所 へ、 後 の 人 の 出 て 、 瀟脚
の 人 の 料 簡 の非 な る こ と を い
F
へば 、 げ に も と 思 ぴ あ た る故 に 、 叉 其 料 簡 に つ き て 行 ふ に 、 そ れ 愁
又 よ ろ し か ら ず 、 又 そ の 非 を い ぴ た て ㌧ 、 叉 薪 し き 料 簡 を た て 、 い つま で も か く の 如 く に て 、 ひ
カブ
た も の度 爻 改 め 變 る ほ ど に 、 よ き 事 は 出 來 ず し て 、 返 て 改 む る度 ご と に 害 多 く 、 そ の間 に は 姦 曲
な る 者 も 多 く 出 て 、 さ ま み \ と 國 政 を な ぶ り 物 に し て 、 終 に は 國 を 亡 す に 至 れ り 、 さ て右 の如 く
いろー と 改 めく て 、 代 よ を 經 だ る あ ひ だ に は 、 し ば ら く は 久 し く つ 璽 き て 、 後 世 よ り 見 て る 、・
そ の仕 方 ま こ と に 宜 し と 思 .
は る x事 竜 あ れ ど も 、 そ れも 叉 そ のか た を後 に行 ぴ見 る時 は 、思 ふや
う に も あ ら ず ㌧ て 、改 む る な り 、す べ で儒 者 の癖 ど む て 、先 代 の滅 び た る 所 以 を 論 じ て 、か く の如
く な り し 故 に 、 其 國 は ほ ろ び た れ ば 、'此 度 は 改 め て か や う に 一
せば 、 必長 久 な る べ し と いふ は代 弐
の つ ね の.
こ と 也 、 然 れ 共 そ の先 代 の弊 に 懲 て 、 こ れ を 改 め て も 、 又 そ れ 竜 同 じ こ と に て 、 久 し く
は つ ゴ か ず 、 叉 議 論 に は 常 に 聖 人 の 道 ノ \ と い ぴ た つ れ ど る 、 そ の聖 人 の 道 の ま 乂 に て も 、 國 ば
治 ま り が た き 故 に 、 代 爻 に いろ / \ の薪 法 を ば 立 る こ み也 、 惣 じ て 古 よ り 唐 土 の 國 俗 と し て 、 何
タツ
ト カ
事 に よ ら ず 、 舊 き に 依 る こ と を ば 徇 ば ず 、 た♂ 己 が 私 智 を 以 て 考 へ て 、 萬 の 事 を 改 め 易 へ て 、 功
7
タノ
を 立ん とす る なら は し 也 , こ れ た 璽己 が才 智 を恃 み て、 ま こと の道 を し ら ざ る も 分也 、故 に そ の
考 へた る と こ ろ の 議 論 理 窟 は 、 い か ほ .
ど尤 に て、 適 當 した るや う に聞 え て も 、實 事 にた り ては 、
,
そ の畿 論 の如 く には 行 は れず 、思 ぴ の外 の失 あ る は、 ま こと の道 理 に か な はざ る所 あ る が故 也 、
然 る を 此 方 に て 竜 、 儒 者 の料 簡 は . ぴ た す ら か の唐 土 の か た を よ き 事 に 思 ひ て 、 物 事 を 己 が 心 も 、
カへ . . ・ -
て 改 め 變 ん と す る ﹂ か の儒 者 か た ぎ の 一種 の 料 簡 巴 申 す は γ﹄れ 也 、 儒 者 は と か く 唐 土 の治 め か た
を よ ろ し き や う に い へど も , か の代 爻 の 治 ま り ぶ り 、 學 者 の 議 論 の や う に は ゆ か ざ る を 以 て 、 そ
の實 は よ ろ し か ら ざ る こ と を さ と る べ し 、 か の國 は さ ば か り か し こ 鳶 聖 賢 の 出 て 、 學 問 も あ つ く 、
智 慧 深 き人 も多 げ に聞 ゆ る國 な るに 、 いか な れ ば左 樣 に代 よ の治 ま り かた惡 しく , とり レま ら ぬ
こ と そ と い ふ に 、 上 に 申 せ る 如 く 、 道 の根 本 を 知 り が ほ 嫁 す れ ど も 、 實 は 是 を し ら ざ る が故 也 、
亀
ノし
惣 体 世 中 の事 は 、 い か ほ ど か し こ く て 竜 、 人 の智 慧 工 夫 に は 及 び が た き 所 のあ る 物 な れ ば 、 た や
ゆ
す く 新 法 を行 ふ べ き に あ らず 、す べ て の事 、 た 璽時 世 のも や う にそ む かず 、先 規 の有 來 り た る か 、
-
祕本 玉 く しげ 上 三 八五
戛丶
隊
祕 本 玉 く しげ 三 八 六
・
た を守 り て こ れ を 治 む れ ば 、 た と ひ 少 柔 の弊 は 有 て も 、 大 な 惹失 は な き も の な り 、
'何 事 も久 しく
ノ
馴 來 り た る 事 は 少 土 あ し き 所 あ り て も 、 世 人 の安 ん ず る も の也 、 ﹂新 に 始 む る 事 は 、 よ き 所 有 て も ・
ま づ ほ 入 の 安 ん ぜ ざ る 物 な れ ば 、 な る べ き だ け は 舊 き に よ り て 、 改 め ざ る が國 政 の肝 要 也 、 こ れ
勘 ま と と の 道 に か な へ る子 細 あ り 、 そ の わ け は 別 卷 に 委 く い へ.る が 如 し 、 さ て 又 唐 土 め 治 め か た
に て は 、 此 方 に て は い よ ノ\ 道 に か な ひ が た き わ け あ り 、 か や う に い は 穿 、 儒 者 の 心 に は 返 て を
あ ロ
ッ
カ し く思 ひ
.
て 、天 地 は ︼枚 に て 、人 情 は い つ く も ノ \ 同 じ け れ ば 、唐 土 日 本 と て 道 に 二 は な く 、治
め か た の 根 本 に か は り は 無 き 事 也 、 殊 に 唐 土 は 聖 入 の 國 な れ ば 、 其 道 を お き て 外 に 、身 を 治 め 國
を 治 む べき 道 はあ るこ と なし 、 聖 人 の道 を お き て、 外 に道 を いふ も のは、 み な異端 にし て、 正道
に あ ら ず と 儒 者 は い ふ ぺ し 、 然 れ ど も 是 は 一通 り 誰 も 皆 い ふ 事 に て 、 め づ ら し か ら ず 、 獪 其 う ヘ
ジ
を 今 一段 山
咼 く 考 へ て レ か の 聖 人 の道 は 、 な ほ 根 本 の 所 に た が ぴ 有 て 、 ま こ と の 道 に か な は ざ る と
γ㎞ろ ψ の事 を探 り 求 む べ き也 、 う ば べの 議 論 の美 し き に臻 て 、彼 道 紫 つ む べ き に あ ち ず 、殊
に 本 朝 は 、 異 國 と は 格 別 の し な あ れ ば 勹.
別 し
熱
て國 政 を行 ふ に 、道 の根 本を 知 らず は あ るべ か らず ・
こ れ ら の わ け も 委 く 別 卷 に あ り 、 但 し 根 本 の 所 こ そ 違 ぴ た れ 、 唐 土 の 道 も さ ば か り の聖 人 の智 慧
を 以 て 、 建 立 し た る も の な れ ば 、 末 滋 の 今 日 の 行 ぴ の筋 な ど に は 、 取 用 ふ べ き 事 お ほ し 、
.本 朝 と
ノ
て も 申 古 以 來 は 、 海 ぼ く 漢 樣 の 政 に て 、 風 俗 入 心 も な べ て漢 樣 に 成 ぬ る世 申 な れ ば 、 今 は 末 柔 の. ●
事 に は 、 か の 國 の 道 を も ま じ へ行 ば で ば か な は ぬ や う な る こ と も あ る也 、 さ れ ば 國 君 た る 人 は 申
す に 及 は ず 、 そ の 敦 を 執 行 ふ 人 よも 、 隨 分 に 漢 學 を も し て 、 其 道 の宜 し き 所 を ば 、 事 に ょ り て 取
用 ひ も す べ く , 叉 か の 國 の 代 鉱 の 治 祐 方 の 、 貴 に は よ ろ し か ら ざ る こ と を も 考 へ知 り 、 そ の 根 本
の所 に 至 て は 、 大 に 違 ぴ 有 と い ふ こ と を よ く 辨 へ悟 り て 、 ゆ め ノ\ か の 道 に か た よ り 惑 ふ べ か ら
ノ
ず 、 か へす ノ \ も 此 根 本 の 所 ぞ 大 切 な る 、 大 か た 世 人 す べ て漢 學 を す る 者 は 、 必 か 0道 に か た よ
じ 惑 ぴ て 、 他 あ る 事 を し ら ず 、 此 糧 本 の違 ぴ は え さ と ら ざ る 故 に 、 返 て 國 政 を も あ や ま る こ と 多
き 也 、 此 と こ ろ を だ に よ く 瓣 へ.
悟 り 、 心 に し め て動 か ざ れ ば 、 い か ほ ど 漢 籍 を 看 て 朝 夕 こ れ に 馴
.居 て も 、害 は 無 か る べ し 、さ て 右 の如 く な れ ば 、そ の 大 本 の趣 を 、ま つ 開 卷 の は じ め に 申 す 較 き 事
な れ ど も 、 世 に 書 籍 を も 見 る ぽ 芝 の 人 の 料 簡 は . 漢 に よ る と な け れ ど 、 お のつ か ら み な 漢 檬 の料
簡 な るも のに て、 其 漢 樣あ 料簡 分外 な るこ と は 耳 に 入 が た き物 なれ ば 、始 め に そ の大 本 のわけ を
ソ
ヘミ
先 申 し て は 、 甚 迂 遠 に 聞 え 、 國 政 に 無 釜 な る い た づ ら 事 の如 く き こ ゆ べ け れ ば 、 看 む 人 た ち ま ち
卷 を す て Σ、 末 を 竜 見 給 ふ ま じ き こ と を お そ る 丶が 故 に 、 こ れ を ば し ば ら ぐ 末 へま は し 、 別 卷 と 。
し て 、 本 書 に は 手 近 き 事 共 を の み 申 す 也 、 そ の册 卷 は 、 先 年 述 作 せ る と こ ろ な る を 、 此 度 相 添 へ
祕 本 玉 く しげ 上 .
、
三 八 七 !
祕本 玉 く しげ
. 三 八 八
侍 る也 、 さ て 國 政 は 、甚 事 廣 く 多 端 な るも のに て 、 一柔は た やす く 申 し つく し が たけ れ ば 、 此 書
は 充 墫當 時 さ し あ た 砂 た る 事 共 を 、 こ れ か れ 拔 出 て 、 い さ エ か 愚 意 を 申 す の み な り 、 さ て 此 書 は 、
そ の 末 柔 の 手 近 き 事 に 至 る ま で も 、 根 本 の意 を 土 蘯 と し て 、 是 に背 か ざ るや う を 詮 と す れ ば 、 事
に よ り て は 獪 ま は り 遠 く 、 無 盆 の事 に 闇蹴
ゆ る 所 も 多 か る べ し 、 然 れ 共 萬 の事 、 ま こ と の道 理 に そ
む き て は 、 い か ほ ど 尤 に 聞 ゆ る こ と も 、 こ れ を 行 ぴ 見 る時 に 、 そ の 思 ひ し 如 く に は 行 は れ ぬ 物 に
'
て 、 か へり て 傷 害 あ る こ ど も あ り 、 又 當 分 は 利 釜 あ る や う に て 竜 、 必 末 と ほ り が た き 懲 の 也 、 叉
根 本 の 道 理 に よ り て お こ な ふ と き は 、 ま は り 還 髫 が ご と く に て 、・
返 て思 ひ の
鹽
外 に 速 に そ の驗 あ り
て 、 よ く 行 は る 曳事 竜 有 、 或 は 當 分 は そ の し る し 見
}
え ざ れ ど も 、 つ ぴ に そ の驗 あ ら は れ て K,
永久
に行 ば れ、 或 は 目 に 見 充 て は し る し なき や う にて も 、目 に見 え ぬ所 に大 な る釜 あ る事 など も あ る
な り、 さ れば 打 聞 た ると こ ろ迂 遠 なれ ば と て 価 これ を取 ちざ るは 、 かし こき や う な れ共 、 返 て愚
な る こ と 也 、 か へす ノ \ も 道 の 大 本 の 所 を 土 葵⋮
と し て 、末 惹の細 事 ま でも 、 これ に背 かざ るや う
を詮 と し て、 何 事 をも と り 行 ふ べ き と と なり 、
チ.
○ 惣 體 上 中 下 の人 美 の身 分 の持 や う 、 各 そ の 分 際 相 應 の よ き ほ ど あ る べ き は 勿 論 な れ ど も 、 其 分 .
際 分 際 に つ き て 、 い か ほ ど な る が 相 應 のあ た り ま へと い ふ 事 は 、た し か な る 手 本 な け れ ば 、 實 は
Y
定 め が た き こ と な れ ど 竜 、 古 今 の間 を あ ま ね く 考 へ渡 し て 、 ヒ.
れ を 按 ず る に 、 今 の世 の人 柔 の 身 、
分 の持 様 は 上 申 下 共 に お し な べ て 、 分 際 よ り は 殊 の外 重 爻 し き に 過 た り 、 ま つ 上 を い は 璽 、 今 の
大 名 方 の御 身 分 の 重 ま し さ は 、 上 古 の 天 子 中 古 の 大 將 軍 な ど の御 樣 子 よ り も ま さ り て 、 萬 事 重 柔
ノ
し き 也 、 そ れ に 准 じ て 中 下 の 人 ζも み な 同 じ 事 に て 、 た と へば 今 世 に 千 石 も と る 武 士 ば 、 昔 壹 萬
O
石 乃 至 四 五 萬 石 も 取 し 人 ほ ど の 重 よ し さ 也 、 百 石 と る 人 は 、 む か し 干 石 四 五 千 石 竜 と り し ほ ど の.
人 に同 じ 、か く の ご と く 上 中 下 お し な べ て 、身 持 殊 の 外 に 重 ≧ し き 故 に ↓そ れ に 准 じ て 、
.分際不湘
鳴
應 に 心 持 も 重 女 し き 身 分 の や う に て 、 む か し は 大 名 の自 身 に せ し ぼ ど の 働 き を 竜 、 今 は 百 石 五 十
石ぐら最 ほど の入 臨 探 下 な窘 に秀 け働か茎 ・自身 はせぬ事 のやうになれり蠧 る町
入 な ど は 獪 更 の事 也 、 然 れ ど も こ れ 天 下 一同 の 事 な る 故 に 、 各 分 際 に 過 た り と い ふ こ と を み つ か
り
む も 覺 え ゲ 、 も と よ り か や う に 有 べ き はつ の物 と の み 心 得 居 る 也 、 身 分 を 重 女 し く す 為 は奢 と は
り
別 の 事 の や う な れ 共 、 こ れ 即 大 な る奢 也 、 其 申 に雫 人 の お ご つ は 、 其 身 一分 ぎ り の こ と に て
丶
、箕
害 の 他 に 及 ぶ こ と は な き を 、 上 た る 人 の奢 は 其 害 領 内 に 及 ぶ こ と 也 、 惣 躰 治 干 の代 久 し く 續 く と
き は 、 い つと な く 世 上 物 事 華 美 に な り て 、 漸 虫 に 入 の身 持 も 重 ≧ し く な る 事 な る を 、 時 ≧ に .}れ
を 押 へず し て 、 す て お く と き は 、 年 爻 月 ζ に 長 じ ゆ ぎ て 、 際 限 な く 、 次 第 / \ に世 王 困 窮 に 及 び
爆
秘本 玉 く しげ 上 ゴ 三 八 九
畷
藤 本 玉 く し げ
蟶 三 九 Q
て、
邑つ ぴ に は い か 貸 は し き 事 の起 る 也 、飢 に 近 來 諸 大 名 の家 よ用 脚 足 ら ず 、 多 く は 御 勝 手 大 に 逼
タイ
逍 す る は 、 全 く 此 ゆ ゑ な り 、 む か し は 諸 大 名 いつ れ も 、 年 虫 に大 そ う な る 軍 役 な ど を 勤 め ら れ し
●
時 す ら 、今 の如 く逼 逍 す る事 は 無 く し て 、 ゆ た か な り し に、 今 の世 は つひ に軍 役 な ど は勤 め給 ふ
こ と も な く 、 知 行 の 物 成 は 、 新 佃 な ど も 出 來 ズ 、 多 く こそ な り つ れ 、 旺日よ り 減 じ た る こ と は な き
げ
に 、 返 て 御 勝 手 の甚 逼 逍 す る は 、 い か な る 事 そ や 、 全 く 是 世 上 次 第 に 美 に な り 、 い つ と た く じ ね
ん に 御 身 分 の あ ま り 軍 墨 し く 成 て ゐ.
何 に付 て も御 物 入 の、 昔 よ り は格 別 に多 き が故 なり 、然 り と
て、 目 に見 え て は先 例 と格 別 にか は り た る こと もあ る まじ け れ 共 、 た 璽目 に 見 え ざ る事 共 に、 大
ゆ
に か は り 來 ぬ る こ と 多 か る べ し 、 さ て 御 身 分 の重 ≧ 七 き に よ り て 、触
次 第 に御 物 入 の多く な れ る わ
唖
け は 、 ま つ 眼 前 に は 飮 食 衣 服 さ て は 調 度 な ど な れ ど も 、 こ れ ら は 大 名 の御 身 上 に て は 、 何 ほ ど の
事 に も あ ら ず 、 然 る を 世 に 儉 約 と 摯 へば 、 ま つ 第 一に飮 食 衣 服 音 信 癒 ど を お と す 事 な れ ど も 、 是
は 下 タ の身 上 に て こ そ 、,
大 な る ち が ぴ も あ る事 な れ 、 大 名 の 御 身 上 に て は 、 こ れ ら の儉 約 ば か り
に て ほ 、 さ の み 御 勝 手 の 直 る ほ ど の事 は 、 幽 來 が た か る べ し 、
`
こ れ ら の外 に、 急 度 それ と は心 の
つ か ざ る 事 共 に 、 庚 大 の費 あ る こ と 多 し 、 ま つ 御 身 分 の 甚 重 曳 し き に よ り て 、 そ れ に つ き た る萬
事 を殊 の 外 重 美 し く 取 扱 ふ か ら 、 武 備 國 欧 の外 に 、 御 身 分 の事 に つ き た る さ ま ゐ \ の役 入 な ど 多
く し て 、 一人 に て も す む べ き 事 に も 、 上 役 下 役 段 ζ に 有 て 、 人 多 く か 瓦 り レ さ し て も な き 事 に も 、
ツ
多 く の 人 手 間 か Nり 、 次 第 に 事 も し げ く 費 多 く 、 そ の 一・
︾の と り あ つ か ひ に 、 伊と し て 御 物 入 の
ク
な き 事 は あ ら ず 、 叉 段 莖 の役 人 多 け れ ば 、.横 道 へ拔 行 物 入 も 多 か る べ し 、 惣 躰 上 の事 を 、 下 よ に
◎
ぬ
て 取 扱 ふ こ と 、 あ ま り 靈 ま し き 故 に 、 下 の煩 と な る こ と は 申 す に 汲 ば ず 、 無 釜 の費 も 甚 多 き こ と
な る を 、 そ の こ ま か な る 事 共 ま で は 、 上 に は 御 心 も つき が た き こ と な る べ し 、 か の飮 食 衣 服 な ど
の
の如 き も 、 上 にめ さ る 乂と ころ は いか ば ど美 を つく し て臨 、 た け のし れ た る事 な れ 共 、 そ れ を下
に てあ ま り 重 墨し く 取 扱 ふ に つき て 、役 爻な ども 多 ぐ 、 ぴ たす ら念 を入 る 玉を よき 事 とす るな ら
ぴ に て b 年 爻 月 魔 に諸 事 璽 弐 し く 成 て 、・
無 釜,
の 事 に 甚 念 を b る Σ か ら 、 何 に 付 て も 費 の甚 多 き 也 、
す べ て の 事 を 、 あ ま り に 大 切 に 重 よ し く す る と 営 は 、 た 璽 無 釜 の費 、 無 釜 のあ つ か ぴ の み 多 く し ・
て 、 返 て 其 本 意 の實 を ば 失 ぴ 、 表 向 ば か り に な り て 、 麁 末 に取 扱 ふ よ り は 、 結 句 は る か に劣 る 事 .
竜 多 く 、 叉 返 て 手 行 の甚 あ し き 事 多 し 、 た と へば 直 に 御 前 へ逹 し て も よ き 事 を も 、 こ 丶 の役 人 の
へ
手 を 經 、 か し こ の 役 所 へう か 冥 ぴ な ど 、 か れ こ れ と す る 故 に 、 無 盆 の人 手 間 か Σ り 、 紙 筆 の費 な
ぶ
ど の み 有 て 、 返 て い そ ぎ の 御 用 の辨 じ な ど は 滯 り て 、 何 の 釜 ぱ な し 、 萬 の事 こ れ に 准 じ て 知 べ し 、
大 か た 今 の 世 、 大 名 方 の卿 身 分 の う へに 付 た る 諸 事 の取 扱 ひ を 見 る に 、 十 に 六 七 は み な 畧 き て も
祕本 玉 く しげ 上 三 九 一
棚
祕本玉くしげ 三九 二
よき 事 のみ也 、と れ 皆 先規 の定 格 のや う に思 へど も 、昔 は惣 躰 物 事 無造 作 に し て 、今 の世 のご と
く 重 爻し く は あら ざ 軌 し故 に、何 事 も物 入 は今 の孕 分 に 竜 あら ず して 、 返 て手 行 も宜 し か り し也 、
さ て軍 記 な ど を讀 て、.
む かし の大 名 の身 分 働 き と、 今 の樣 子 と を くら べ見 て、今 の世 の甚 お も 需
も し き 事 を考 へ知 べ し、 主 君 の然 る のみ なら ず 、家 申 ま でも皆 ぼ どく に、分 際 より も殊 の外 重
蠶 し ぐ な 耽 る こ と 、上 に も 既 に 申 せ る が ご と し 、こ れ ら は 戰 國 の 畴 代 と 、治 世 と は 、同 じ 口 に は い
ふ べ き に 訪 ら ざ れ ど も 、 今 の 世 の あ り さ ま は 、 あ ま り に 重 爻 し き に 過 た り 、 た と へば 甲 乙 丙 丁 と
ヒ 、
上 下 段 墨 の 役入 有 て 、 事 を と り 行 ふ に 、 昔 は 甲 が み つ か ら と り あ つ か ぴ し 事 を も 、 今 は 乙 に 云 付
鼻
て 取 扱 は せ 、 先 年 は 乙 が 勤 め た ゆ し わ ざ を も 、 近 年 は 丙 に つ と め さ す るや う 起 な り 、 去 年 ま で は
丙 が 手 つ か ら つ と め た る 事 も 、 い つ し か今 年 は 丁 に 勤 め さ せ て 、 丙 は 手 を お ろ さ ぬ や う に な り て 、
ヒ ク
惣 躰 下 柔ま で 、 武 士 の身 持 、、 次 第 に霓 麦し く 成 行 に付 て は國 申 の政 事 の た め にも 、宜 し から ぬ こ
も
ツ
ヤ
と 多 き 也 、 右 の ご と く 身 を 軍 く 持 に つ き て は 、 お のつ か ら 家 内 の 暮 し 竜 よ く な り て 、 身 の 勞 は す
く な け れ 共 、物 入 は多 け れ ば、 畢 竟 は面 墨 のた め に も損 也 、 さ て叉 諸 大 名 の江 戸 御 往來 の人數 、
殊 の 外 に 多 き こ と 也 、 今 の 大 名 の 御 往 來 の 人 數 は 全 く 軍 陣 の人 數 な り 、 卆 常 の 往 來 に 、 か や う に
ぐ
卿
4
.
・お び た x し き 人 數 を あ し 其 せ ら る \事 は 、 和 漢 古 來 聞 も 及 ば ぬ こ と に て 、 無 盆 の 費 お ほ か る べ き
事 也 、 但 し こ れ は 、 昔 戰 國 よ り 間 近 か り し 時 代 の御 定 め に て 、武 備 に あ つ か り 、 公 儀 へ か 乂は
る 御 事 に て 、 今 私 に 減 少 は な り が た き わ け も 有 べ き か 知 ら ね ど も 、 今 の 治 季 の御 代 の有 様 に と り
て は 、 大 に減 少 し 給 ひ て 、 五 分 の 一ぐ ら ゐ に て も 宜 し か る べ く 思 は る N こ と 也 、 さ て圭 人 の 人 數
㌦
の 多 き に 准 じ て 、 家 中 の人 柔 の常 柔 の 往 來 の 人 數 も 甚 多 し 、 一僕 に て も 宜 し か る べ き ほ ど の 人 も 、
三 人 五 入 め し つ れ 、 三 人 五 人 ぐ ら ゐ に て よ ろ し か る べ き を り も 、 廿 人 卅 人 五 十 人 も め し つれ ら る
る 、 か や う に 人 數 は 多 け れ ど も 、 眞 坂 の時 の用 に も 立 べ き 供 ま は り は 、 稀 な る べ け れ ば 、 こ れ 皆
ツ
無 釜 の 人 數 に て 、 た ぼ 外 見 の 美 柔 し き と 、 途 中 身 の用 事 を 自 由 に 辨 ず る と の 二 に は 過 ず 、 た と ひ
ド レ
武 備 の た め に な る に 竜 せ よ 、 か く 靜 謐 の 御 代 に 、 常 美 の 往 來 に 、 さ ば か り 多 く の人 を 引 連 ず と も 、
㌔
何 のあ や ま ち か あ ら ん 、 畢 竟 た ぼ 身 分 を 重 女 し く す る か ざ り に の み な る こ と 也 、 さ て 叉 江 戸 詰 の
人 數 も 、 是 又 大 抵 公 儀 の御 定 め あ る か は 知 ら ね ど も 、 治 李 の御 代 に し て は 、 甚 お ほ く し て 、 費
お び た 風 し き 事 な る べ し 、 御 領 内 の 政 務 の 筋 は 、 み な 國 元 に て と り 行 は る 玉事 な れ ば 、 江 戸 御 屋
ゆ
敷 の御 用 と て は、 た 璽 、
公 儀 の御 つ と め 方 、 さ て は 御 親 類 方 其 外 の 御 む つ び 、 井 に 御 國 元 と の 掛
引 な ど の み に て 、 其 餘 は 大 方 み な 、 御 方 よ の 御 身 分 の う へに 付 た る 御 用 の み な る べ け れ ば 、 必 し
も武 備 のた め に も なら ず 、 た 貸御 身 分 の重 よし き方 に付 た る、 男 女 の人數 の甚 多 き な れ ば 、無 釜
祕 本 玉く しげ 上 .
、
三 九三
皿
凶
ぽ
祕 本 玉 く しげ .
三九四
の 御 物 入 の お び た 丶し か る べ き こ と 也 、 大 か た 右 の事 共 な ど 、 今 の人 は 、 今 の 通 り を あ た り ま ヘ
スギ
の御事 と思 ふ べけ れ ど 竜 、大 に然 ら ず 、 書 を よ み て、昔 と くら べ見 て、今 は何 事 竜大 に過 た る こ
と を さ と る べ き 也 、 惣 躰 大 名 の御 身 分 の あ ま り 重 柔 し き に つ き て 、 御 物 入 の お び た xし き は 勿 論 O
ち
ゆ
の事 に て 、 叉 こ れ に よ り て 國 政 の妨 と な る 事 、 何 に つ け て も お ほ し 、 そ の わ け は 其 所 弐 に 中 す べ
し 、 抑 下 民 は 定 ま れ る 祿 な け 船 ば 、・困 窮 に 及 ぶ 者 多 き も 道 理 な る が 、 武 士 は 定 ま れ る 祿 あ れ ば 、
ゆ
其 分 限 相 應 に さ へく ら さ ば 、 逼 迫 す る こ と は あ る ま じ き 道 理 也 、 大 名 方 も 、 を り ノ \ 凶 年 水 損 な
へ
ど 有 て 、 御 收 納 の 減 ず る年 も あ れ 共 、 と れ ら は 古 よ り あ る事 に て 、 今 始 ま り た る こ と に あ ら ざ れ
ば 、 常 ≧ そ の御 手 當 は な く て か な は ぬ 事 、 叉 公 儀 の 御 手 傳 な ど に 、 過 分 の 御 物 入 あ る 、 是 竜 定
ま り た る事 な れ ば 常 に そ の 手 當 も 有 べ き 事 也 、 又 凶 年 な ど に は 、 御 領 内 の民 を ば 、 隨 分 丈 夫 に 救
ぴ 給 ひ て 、 一人 も 飢 塞 に 至 ら ぬ や う に取 計 ら ぴ 給 ふ べ き は つ 、 是 も 定 ま れ る事 也 、 さ て 御 軍 用 の
た く は へは 申 す に も 及 ば ぬ 事 、 す べ て つ ね み \ 右 の事 共 の 手 當 を も 、 丈 夫 に し て 、 其 餘 の と 乙 ろ
を量 り て 、 年 よ の 御 用 脚 を ま か な ひ 給 は ん に は 格 別 の御 逼 逍 は あ る ま じ き 道 理 な る に 、 右 の 御 手
當 共 の 行 と 穿 き が た き の み な ら ず 、 あ ま つ さ へ年 墨 定 ま れ 惹 御 ま か な ひ さ へ出 來 が た き 家 よ の 多
へ
き は 、 い か な る 事 そ や 、 古 は 下 民 よ り 上 る 物 、 今 の年 貢 に く ら ぶ れ ば 、 甚 い さ Σ か な る こ と に て
俺
な
有 し 時 代 す ら 、 今 の如 く 上 の 逼 迫 し 給 ふ 事 は な く し て 、 民 を 救 ぴ 給 ふ 筋 も 隨 分 ゆ 唐 乏 璽 き て 、 凶
年 な れ ば年 貢 を も、 或 は孚 分 賂 減 ぜ ら れ 、時 によ り て は皆 な が らも 冕 し給 へる事 も有 て、 又 そ れ
ぞ れ の、
御 手 當 など も ポく 出 來 てと ほ り し 也 ﹂ 然 るに今 は 、臨⋮
時 に年 貢 を過 分 に免 し給 ふ こ と も な、
く ・ 惣 躰 の郷 牧 納 も ・ 嵐 に は 十 倍 せ る に 、 な ほ 用 脚 の 足 ら ざ る は 、 惣 躰 の 事 の取 扱 ひ 、 あ ま り 嶋
に痴
重 気 し く 蕪 盆 の事 繁 多 に し て 、 御 物 入 の過 分 に 多 き が 故 な ら ず や 、 ざ て 中 下 の武 家 の 、 多 く 内 證
困 射 す るも 、 叉祠 しく 分 限 不 相 應 に身 分 重 女 しく 、
﹁諸 事華 美 に なゆ て、 働 入 お ほ き故 也 、武 士 は
お ほく は町 人 な ど に く 与 ぶ れ ば 、内 ダは華 美 と は い はれ ぬが 如 く なれ ど も 、 そ れ も世 に つれ て 為
のつ か ら 何 事 も 華 美 に な れ る也 、 武 士 奢 れ ば 、 金 銀 の ほ し き ま 玉 に 、 お のつ か ら 非 義 を 講 行 ひ 、
ク
叉 至 り て 困 窮 す る と き は 、 お のつ か ら 肝 心 の武 備 を も 闕 ヒ と あ り 、 よ く / \ 心 得 べ き 事 也 、・そ れ .
に付 て 思 ふ に 、 當 時 役 用 の し げ く も な き 家 中 衆 は 、 大 小 上 下 共 に 、州
隨 分 多 く農 作 を させ 、家 内 婦
人 は、 女 工 を出 精 せ ら れ て宜 し か る べき にや 、 其 中 に輕 き 人 女は、 隨 分 な るべ き たけ は 、自身 鋤
钁 を と り て 働 き 、 又 自 身 は さ す が そ れ ほ ど に は た ら く 事 も 成 が、
たき ほど の人 よも 、隨 分 かけ ま は
ツクリ
り て 指 圖 手 傳 等 な し て 、惣 躰 多 く 營 田 を せ ら る 玉や う に あ ら ま ほ し き 也 、 さ や う にす る と き は 、
∼
さ し 當 り て ま つ 内 證 用 脚 の助 け に も な る べ く 、 叉 武 士 の 筋 骨 身 躰 つ よ く な り て 、-第 ︼武 事 の働 き 願
泌 本 玉 ー しげ 上 . 、 肋 ・ 三九五
"
晦
●
祕本玉くしげ
ト 三九六
のた め に も甚 宜 ル か る べき 也 、惣 躰 武 士 は つねソバ\ 身 を重 ≧し く安 佚 に持 なら ひ て は 、身 躰 柔 弱⋮
媒 晦
酔
亀 にな り て、肝 心 のは たらぎ の時 大 仁苦 し む べ き事 な れば 、 つねく 是 を心 がけ て、 筋骨 を丈 夫 に
あ ら せ ま ほ し き こ と也 、
○ 近來 百姓 は 、殊 に困 窮 の甚 し き者 のみ 多し 、これ に二 つ の故 あ り 、一つに は 地頭 へ上 る年 貢 甚 多
き が故 也 、二 つに は世 上 一同 の奢 に クれ て 、百 姓 も お のつ か ら身 分 の お ご り も つき た る故 也 、まつ
ノ ざ
一 つ に 地 頭 へ上 る 年 貢 の は な は だ 多 き と 申 す 子 細 は 、 ま つ 唐 土 の 上 古 に は 、 十 が 一と い ふ を 、 中
分 の 宜 し き 程 と し た る な れ ど も 、 後 に は 段 女 多 く な り た り 、 然 れ 共 此 方 の今 の ご と く に 多ぐ は あ
ら ず 、 さ て 本 朝 は 、大 寶 の こ ろ 令 の 御 定 め を 考 ふ ゐ に 、 廿 分 の 一ぽ ど に あ た り て 、 た と へば 米 廿
俵 と る 所 に て 、 年 貢 は わ つ か に 一俵 ほ ど に て濟 た る也 、 但 し こ れ に は い さ 乂 か 不 審 な る こ と 有 て 、
別 に 僕 が 考 へも あ れ ど 、 た と ぴ そ の 考 へ の 如 く に し て も 、 十 分 の 一に は 過 ざ る こ と 也 、 其 外 に調
庸 な ど 云 物 あ り し か 共 、 そ れ も 何 ほ ど の 事 に も あ ら ず 、 大 寶 の比 、 か く の ご と く な れ ば 、 そ れ よ
り 以前 、 上古 は な ほノ \ す く な かり け む 事 思 ひや るべ し 、 さ て中 古 より 次 第 に令 の制 くつ れて 、
年 責 な ど も 、.全 く そ の かみ の定 め の如 く に に あ ら ざ り し か と も 見 ゆ れ ど 竜 、 さ の み 過 分 に か は れ
る 事 ば な か り し に 、 源 卆 の 亂 の後 、 鎌 倉 よ り 諸 國 に ヒ と ゐ\ く 守 護 地 頭 と い ふ も の を お か る 丶世
ノ ぴ
に な り て は 、 領 主 と 地 頭 と 爾 方 へ年 貢 を 上 る 事 に な り て 、 此 時 よ り 年 貢 よ ほ ど 多 く な れ る 也 、 領
主 と い ふ は 、 も と よ り 其 培 を 領 じ 居 た る 京 家 の 人 丈也 、 守 護 地 頭 は 武 家 な り 、 さ て 次 第 に 守 護
ク
地 頭 の 威 勢 つ 愈 く な り て 、 足 利 の 世 の 中 比 ↑噛り 後 に な り て は 、 領 圭 へ上 べ き 年 貢 を も 、 一向 に皆 し
地 頭 へ押 取 り 、 大 將 軍 の 號 令 竜 行 は れ ぬ や う に な サ て は 、 天 下 の 大 名 小 名 、 面 丈心 ま か せ に 領 地
メ ル
を 治 め 、 隣 國 を 攻 取 を つ と め と す る ほ ど に 、 面 よ武 威 を 盛 ん に し 、 兵 力 を 強 く せ ん た め に 、 段 よ
シ ル
入數 を多 く 扶持 す る か ら、 年 貢 をも 過 分 に多 く取 ら では足 ら ぬや う にな り て、年 よに塘 取 こと に
な り し 也 、 大 か た 此 戰 國 の時 の も や う は 、 田 畠 の物 成 の 内 、 わ つ か に農 民 の命 を つ Ψ け て 、 飢 に
や
'及 ば ぬ ほ ど を 百 姓 の 手 に 殘 し て 、 其 餘 は 皆 年 貢 に 取 れ る く ら ゐ の事 な り し は ﹂ 甚 し ぎ 事 な ら ず や 、
ヘミ
さ て 豐 臣 關 白 の御 世 に 、 天 下 一統 に 治 ま り て 、 何 事 も 法 制 定 ま り て 、 み だ り な る事 は 止 ぬ れ 共 、
年 貢 の分 量 は 、 大 抵 も と の戰 國 の 時 の ま 丶 に て 、 舊 に か へり 減 じ た る こ と も な か り き 、 次 に 東
ノ
キ
照 紳 御 租∵命 の御 時 も 同 じ 事 な り 、 此 時 世 中 治 午 に歸 し て 、 軍 事 は 止 む と い へど も 、 か の戰 國 の時
の も や う 、↑
年 代 を 經 て 、 久 し く そ の な ら ひ に成 ぬ る こ と な れ ば 、 俄 に 天 下 の武 士 を 減 少 し 給 ふ べ
き や う も な け れ ば 、 た と ぴ い か ほど 御 志 は ま し/ \ ても 、年 貢 も 俄 に過分 減 じ給 ふ こと はな り が
た き 、自 然 の勢 な れ ば 、其 分 に て 今 に 至 れ る 也 、き れ ば 今 の世 の 年 貢 は 、か の戰 國 の 比 の ま 丶な れ
祕 本 玉 く しげ 上
三 九七
鼻
滞
祕本 玉く しげ 尋 三九 八
へ
ば 、 至 て 多 き こ と 也 、 然 る に 今 の武 士 は 潜 古 の定 め の 分 量 を も 考 へず 、 次 第 に 多 く な り ぬ る わ け
を も 思 はず し て 、 た 璽 本 よ り 今 の 如 く に 上 る べ き は つ の物 と 心 得 居 て 、 み だ り に 百 姓 を し へ た げ
スミ へ
苦 し む る國 も よ そ に は 有 と き く は 、 い か な る 事 そ や 、 さ て 年 貢 廿 分 の 一ほ ど に て濟 し 、 古 の 代 と
メ
て も 、百 姓 富 る者 ば か り に は あ ら ず 、貧 し き 者 も 有 し か ど も 、其 時 代 は 、年 貢 い さ さ か な り し 故 に ,
一反 か 二 反 の 田 を作 れ ば 、 今 の 世 に 噌町 の 餘 も 作 る ほ ど の米 を 得 た る 故 に 、 貧 し き 者 も 貧 し き な
・
り に 、身 を 勞 し 心 を 勞 す る 事 は 、甚 少 な か り し に 、今 の 世 は 年 貢 多 き 故 に 、古 に 一反 二 反 の 田 を 作
り て 取 し ほ ど の 米 は 一町 も 二 町 も 作 ら ざ れ ば 、 我 物 に な り が た き に ょ り て 、 そ れ だ け に 身 を 勞 し
ぶ ロ
ぷ
ア ケ
心 を も 勞 す る 事 甚 し き が う へ に 、 あ ま つ さ へ正 味 の 米 は 、 多 く は 上 へ上 て 、 自 分 は た 璽 米 な ら ね
麁 末 の物 を のみ食 し て過す 也 、 これ を思 へば、 今 の世 の百姓 と いふ も の は 、 いとも / \ あ は れ に
ふ び ん な る物 也 、 さ て 今 の 世 い つ れ の國 に も せ よ ﹂ 仁 徳 深 く お は し ま す 領 圭有 て 、 右 の子 細 を よ
く 考 へ辨 へ給 ひ 、 百 姓 を 不 便 に思 召 て 、 年 貢 を 孚 滅 に も 改 め ま ほ し く 思 召 す 御 志 あ り て も 、 是 は
決 し て か な ぴ が た き こ と 也 、 其 故 は 、 戰 国 以 來 諸 大 名 の武 士 を お び た 玉し く 扶 持 せ ら る 乂 こ と 、
お のづ'か ち 定 ま り と 成 て 、 久 し く 年 代 を 經 來 り た る 事 な る に 、 其 武 士 を 過 分 に 減 ぜ ら れ て は 、
公 儀 の御 軍 役 も 勤 ま り が た く 、 又 あ ま た の武 士 の.
、 俄 に難 義 に 及 ば る 丶 こ と に て 、 是 を 減 ず る こ
●
と な り が た け れ ば 、 年 貢 も 今 更 俄 に減 ず る こ と は 、 決 し て な り が た き 御 事 也 、 叉 百 姓 も 、 年 代 タ
ダ が
し く な れ 來 り た る年 貢 の事 な れ ば 、 今 の 定 ま り ほ ど は 、 必 上 る べ き は つ の も の と 心 得 居 て 、 是 を
過分 に多 し とは 思 は ぬ こと な れ ば 、 ふ び ん な がら も 、 年 貢 は 定 ま り のと ほり な るべ き事 な れ共 、
へ
せ め て は 右 の 子 細 を 思 召 て , 今 の世 の百 姓 は 、 心 身 を 勞 す る 事 も 、 古 よ り は 甚 し く 、 年 貢 に 大 に
苦 し む も め ぞ と い ふ 事 を 、 朝 夕 忘 れ 給 は ず 、 不 便 に 思 召 て 、 有 來 り た る 定 ま り の年 貢 の う へを 、
.
い さ ﹂ か も 増 さ ぬ や う に 、 す と し に て も 百 姓 の辛 苦 のや す ま る べ き や う に と 、 心 が け 給 ふ へき 事 ヤ
御 大 名 の肝 要 な る べ く 、 下 よ の役 人 た ち ま で も 、 此 心 が け を 第 一と し て 、 忠 義 を 思 は 璽 、 隨 分 百
ノ
姓 を ぬ た は る ぺ き 旨 を 、常 美仰 付 ら る べ き 御 事 に こ そ 、さ て 今 の 世 に は 、百 姓 の 方 に も 、年 貢 のす
ぢ に正 直 な らざ る と と を か ま へて、 これ を免 れん とす る者 も あ る こ と な れ共 、 そ れ も畢 竟 は上 よ
り の い た は り な く 、 あ し ら ひ の 悪 さ に 、 下 よ り も 左 樣 の か ま へを ば す る 也 、 上 の御 め ぐ み だ に 行
ノ
と y け ば 、 下 は 速 に 感 じ 奉 る も の ぞ か し 、 然 る に 他 國 の檬 子 を う け 給 は れ ば 、
隔上 爻 も 下 ダ の 役 人
も 、 百 姓 を あ し ら ふ に 、 露 ほ ど も め ぐ み い た は る 心 は な く し て 、 年 貢 は 本 よ り 今 の 世 の定 ま り の
如 く 出 す べ き は つ の も の と 心 得 、 そ の定 ま り の年 貢 の 外 に も 、 獪 さ ま ︽ 丶 の 事 共 を 工 夫 し 出 し て 、
た ご ひ た す ら に 取 上 る こ と を つ と め と し て 、 あ き た る 事 な く 、 た ま ノ\ 圭 君 は 仁 心 あ り て 、 こ れ
秘本 玉 く しげ 上 三 九 九
祕 本 玉 く しげ 四 〇 〇 曜
を ゆ るや か に せ ん と 思 ぴ 給 へ共 、 下 な る 役 人 こ れ を ゆ る さ ず 、 或 は 下 な 6 役 人 仁 心 あ れ ど も 、 上
﹁
よ り こ れ を ゆ る さ ず 、 た 璽 百 姓 を ば 苦 し め に 苦 し む る所 も あ り と か や う け た ま は る 、 右 に も 申 せ
る 如 く 、 年 貢 は 有 來 り た る 定 ま り の ぼ ど は 、 や む 事 を 得 ず 其 通 り な り 共 、 せ め て は 其 う へを い さ
ス
さ か も 増 ぬ や う に こ そ あ ら ま ほ し き に 、 近 來 は 漸 柔 に獪 事 の み に て 、 少 し 竜 減 ず る 事 は な く 、 獪
夊 さ ま み \ の か xり 物 な 君 い ふ こ と さ へ次 第 に 多 く な り 、 其 外 何 の か の ど 云 て 、 百 姓 手 前 よ り 出
ぷ タえ
す 物 、 年 よ に 多 く な り ゆ く 故 に 、百 姓 は 困 窮 年 墨 に つ の り 、未 進 つ も り ノ \ て 、つ ぴ に家 絶 、田 地
荒 る れ ば 、 其 田 地 の年 貢 を 村 中 へ負 す る 故 に 、 餘 の 百 姓 も 叉 堪 が た き や う に な り 、 或 は 困 窮 に た
へか ね て は 、 農 業 を す て 乂 、 江 戸 大 坂 城 下 ノ \ な ど へ移 り て 、 商 人 と な る者 も 次 第 に 多 ∼丶 子 共
・ 多 け れ ば 、 一人 は せ ん か た な く 百 姓 を 立 さ す れ ど も 、.
殘 り は お ほ く 町 人 の方 へ奉 公 に 出 し て 、 つ
ぴ に 商 人 に な り な ど す る 程 に 、 い つ れ の 村 に て 協 、 百 姓 の竈 は 段 よ 忙 す く な く な り て 、 田 地 荒 れ
郷 中 次 第 に 嚢 微 す 、 こ れ に 因 て 法 度 を 立 て 、 百 姓 の 兄 弟 子 供 な ど を 外 へ出 す 事 を 、 き び し く 禁 ぜ
ら る 乂國 丈も あ れ ど も 、 そ れ は 源 を 濁 し て 流 れ の 末 を清 く せ ん と す る が 如 く な る物 な る故 に 、 共
禁制 も と かく に立 がた 丸 琴 の世 は・ 奪 田座 の妻 のみ は かり て h始 驂 の所 を考 へざ る なら
ぴな れ ば 、 さ しあ た り て まつ 其 年 の 上納 だ に と 玉の へば宜 し き事 に し て、 百姓 の痛 む をば 、 か へ
b 見 ず 、 百 姓 い た め ば 、 ゆ く ノ \ 上 の大 な る 御 損 失 な る こ と を も 思 は ず 、 漸 丈 に 農 民 の お と ろ へ
を ツ
ゆ く 事 は 、 か へす / \ も 歎 か は し き 事 の至 り 也 、 さ て 二 に 、 百 姓 の身 分 は 、 右 のご と く く つ ろ ぎ
なき
5。へ に 、.叉 町 人 な ど の世 の お ご り を 見 な ら ぴ て 、 お のつ か ら お ご り も つ き な る故 に 、 い よ い
り
だ
な
よ 困 窮 甚 し き 也 、 尤 町 人 の奢 に く ら ぶ れ ば 、 百 姓 の お ご り
.
は 、 何 ほ ど の事 に も あ ら ざ れ 共 、 地 躰
り
く つろ ぎ な き う へな れ ば 、 い さ 曳 か の 事 に て も 痛 み に は な る な り 、 困 窮 の 百 姓 の身 分 に て 、 奢 な
ど い ふ ほ ど の 事 は 、 と て も な ら ぬ こ と な れ 共 、 世 上 に つ れ て 、 覺 え ず し ら ず お ご り の付 た る 事 多
し 、 た と へ ば 衣 服 な ど 、 昔 は も め ん な ら で は 用 ぴ ざ り し 程 の者 も 、 今 は お し な べ て 衿 帶 な ど に は 、
ク
絹 類 を 窓 用 ふ る や う に 汝 リ ャ む か し は 藁 莚 な ら で は 敷 ざ り し ほ ど の屋 も 、 今 は 疊 を 藪 ⋮
やう にな り 、
昔 は雨 申 に蓑 笠 わら んづ にて あ り き し者 も 、 今 は傘 をさ し 屐 を はく やう にな れ り 、 と舸 ら に准 じ
て 、 餘 の事 に も 此 類 多 く ル て 、 物 入 多 き 也 、
○ 眉姓 町 人 大 勢 徒 黨 し て、 強 訴 濫 放す る こ と は、 曲筒は治 季 の世 に は を さー う け給 はり 及 ば ぬ こ
と 也 、 近 世 にな り て も 、 先 年 ば いと稀 な る事 なり し に、 近年 は年 曳所 美 に これ 有 て 、 めづ ら し か
ら ぬ事 に な れり 、これ武 士 に あつ か らず 、畢 竟 百姓 町人 のヒ とな れ ば、何 ほど の事 にも あ らず 、小
事 な るに は似 た れ共 、 小事 にあ ら ず 、甚 大 切 の事 也 、 いつ れ も 困窮 に せま り て、 せ ん方 な き ょり
祕本 玉く しげ七 .
四〇 一
鬱
/
祕本 玉く しげ . 四α 二
お こると は い へど も、 詮 ず る 所 上 を 恐 れざ る より 起 れ り 、下 民 の上 をお そ れ ざ る は、 亂 の本 にて 、
・
甚 容 易 な ら ざ る事 に て 、まつ 第 扁そ の領 圭 の恥 辱 、 これ に 過 た る は なし 、.
ざ れ ば た と ぴ いさ 払か
の事 にも せよ 、 此筋 あら ば 、 其 起 る と こ ろ の本 を、 委 細 によ くノ\ 吟 味 し て是 非 を た 璽し 、 下 の
非 あら ば、 そ の張 本 のとも がら を 、 重 く 刑 し給 ふ べ き は勿 論 の事 、 又上 に非 あ ら ば そ の非 を行 へ
㍉
る役人 を 、重 く罸 し給 ふ べ き也 、 抑 此 事 の起 る を考 ふ る に、 いつ れ も下 の非 はな く し て・ 皆 上 の
非 な る より 起 れ り 、今 の世 百 姓 町 人 の心 竜 、 あ しく な り たり と は い へ共 ρ 題く く ⋮
堪が た き に至
\ ・
ら ざ れ は 、 此 事 は お こ る物 に あ ら ず 、 た と ぴ 起 さ む と 思 ふ 者 あ り と て 竜 、 村 よ 一致 す る こ と は か
シ
た く 、叉 惡 黨 者 あ り て 、こ れ を す ㌧め あ り き て も、
、 か や う の事 を 一同 に ぴ そ か に 申 合 す 事 は 、竜 れ
\
や す き 物 な れ ば 、 申 弐 大 抵 の事 に て は 、 一致 は し が た か る べ し 、 然 る に 近 年 此 事 の所 柔 に 多 き は 、
、
他 國 の例 を 聞 て 、 い よ / \ 百 姓 の心 竜 動 き 、 叉 役 人 の取 は か ら ぴ も い よ ノ 丶 非 な る こ と 多 く 、 困
窮 懲 甚 し き が 故 に 、 一致 し や す き な る べし 、 然 れ 共 叉 近 來 世 間 に 此 事 多 き 忙付 て は 、 胸 れ の國 も 、
フセ
上 にも つねろ\ そ の 心が け お こた らず 、起 し がた き や う のか ね て の防 ぎ も あ る こと な れ ば 、下 は
カク
い よ ノ \ 一致 し が た く 、.起 しが た き 送 理也 、 上 のかね て の防 ぎ は隱 す べ き事 にあ ら ざ れ ば、 い が
や う に も 議 し や す く 、 表 恂 に て と り は か ら ふ事 な れ ば隔 行 ぴ や す く 、 叉 た と ぴ 下 へ隱 し て は か ら
メ
ふ 事 竜 、 上 は も と よ り 一致 な れ ば 、 い か や う に も な る事 な る に 、 下 の か や う の 事 を 起 さ ん と す る
ぞレ ア
は 、 上 へ隱 し て 、 至 て 密 ダ に 談 合 す べ き 事 に て 、 殊 に 世 間 ひ ろ け れ ば 、 か な ら ず 中 途 に て 漏 顯 は
る べ ぎ 道 理 な る に 、 近 年 た や す く 一致 し固 ま り て 、 此 事 の起 り や す き は 、 畢 竟 こ れ 人 爲 に は あ ら
ず 、 上 た る 人 深 く 還 慮 を め ぐ ら さ る べ き こ と 也 、 然 り 乏 て い か ほ ど 起 ら ぬや う の か ね て の防 き エ
ハ ミ
夫 を な す 共 、 末 を 防 く ば か りk て は 、 止 が た か る べ し 、 と か く そ の 因 て 起 る本 を 直 さ ず は あ る べ
か ら ず 、そ の 本 を 直 す と い ふ は 、非 理 の は か ら ひ を や め て 、民 を い ㊧ は る是 な り 、た と ひ い か ほ ど
の
困 窮 は し て も 蕩 上 の は か ら ひ だ に よ ろ し け れ ば 、 此 事 は 起 る物 に あ ら ず 、 然 る に 近 年 は 、 ヒ ﹂ に
も か し こ に も 多 き に よ り て 、 め づ ら し か ら ぬ 事 に な り て 、 ま つ 一旦 靜 ま れ ば よ き 事 に し て 、 さ の
み 跡 の吟 味 竜 く は し か ら ず 、 張 本 人 を 一兩 人 と ら へて 、 定 ま り の と ほ り 刑 に 行 へば 、、
其 む き に て、
跡 の 上 の取 計 ら ぴ を た し な み 改 む る 事 も せず 、 世 間 に 例 多 け れ ば 、 さ の み 恥 辱 と 遇 思 は れ ぬ や う
カリ
の所 も あ り と そ 、 さ て そ の張 本 人 と い ふ も の も 、 近 來 はた 玉假 に ま う け た る者 に て 、 實 の張 本 に
り
は あ ら ず 、 そ の假 の者 と い ふ は 、 か ね て 此 事 を お ヒ す 始 め よ り 、 相 封 に て か り に こ れ を 張 本 人
と いふ物 に た て 乂、後 に刑 に行 は るべ き覺 悟 に て定 め おく 故 に、 これ を刑 し て 竜何 の釜 も な く 、
り
あ た ら罪 も な き民 を殺 す は、 あ はれ む べき事 也 、上 に も假 の者 とい ふ こと は知 な が ら 、 か 璽定法
秘 本 羈 く しげ 上 .
四〇 罠
,
噸
祕 本一
玉、く し げ .
∩
四〇 四
テ
だ に立 ばよ き 事 に し て濟 す也 、 近來 はす べ て かや う の輕薄 無實 の刑 多 き は 、甚 あ るま じ き事 也 、
レデ
た とひ 我 張 本 也 と 名乘 出 る者 あ り 共 、 よ くく そ の實 否 を 吟 味 し て 、疑 は しく は、 實 の張 本 人 の
出 る池 ば、 そ の に せも のを刑 す べき にあ らず 、草 の根 を分 て竜 、 ま こと の張 本 を尋 ぬ べ き 事也 、
さ て 叉 近來 此 騷 動 多 き に つき て 、其 一
時 の上 よ り のあ しら ぴ も 、 や 玉き び し く成 て 、 も し手 ご はけ
れ ば 、 飛 道其 など をも用 ふ る事 に な れり 、 これ によ り て 下 より の かま へ竜 、又 先 年 と は 事 長 じ て 、
或 は 竹鎗 な ど を もち 、 飛 道具 な ど を も持 出 て 、惣 躰 のふ るま ぴ次 第 に檜 長 す る様 子 也 、 これ いよ
フ
いよ 容 易 な らず 、此 さ わぎ に乘 じ て 、萬 一不 慮 の變 な ど 相 添事 あら ん も、 叉 は かり が た き物 也 、
まつ 下 は 高 が 百姓 町 人 の こと に て、 そ の願 ふ所 を聞 乏 璽け だ にす れ 彼宜 し く 、又 たと ひ眞 坂 に及
び ても 、武 其 な ど も そ ろ はず 、戰 の法 など も しら ぬ者 な れ ば 、畢 竟 は 恐 る 丶には た らぬ 事 のや う
な れど も 、 も し 上 よ り用 捨 な く き び しく こ れ を ふ せが ば、 下 よ り も 叉 いよノ\ 用 捨 な く 、身 命 を
す て 乂か 鼠る事 もあ ら ん、 其時 た と ぴ武 士 ︼人 は、 百 姓 町 人 の三 人 五 人づ 乂に當 るほ ど の働 き あ
り と も 、 つぴ に 多勢 に及 び がた か ら ん事 も は か り が たく 、 叉 た と ぴ いかや う の計 略 をめ ぐ ら し て、
.
十分 勝 をと る と も、 敵 とす ると ころ 、 み な自 分 の民 なれ ば、 一人 に て も そ こ な ふ は、 畢 竟 は自分
の損 也 、叉 手 に あ ま れ る時 、 近國 な ど より 加 勢 あ り て 、人 數 を出 され て ぱ 、 た と ぴ早 速 靜 まり て
ゴハ
も 、 い よ ノ \ 恥 辱 の 至 り な り 、 但 し さ し あ た り て は 、 手 強 き と き は 、 や む 事 を 得 ず 、 少 よ人 を 損
じ てな り と 竜、 ま つ 早 く 艀 む るや う に は か ら は ん こ と 、 竜 と より 然 るべ き こ と也 、 叉後 來 を 恐 れ
・
し め ん た め に も 、 一.
旦 は 武 威 を 以 て 、 き び し く 押 へ靜 む る も 權 道 也 、 然 れ ど 竜 始 絡 は 武 威 ば か り
に て は 押 へが た し 、 此 方 よ り き び し く あ し ら ふ は 、 以 後 叉 彼 方 よ り も い よ ノ \ き び し く か Σ れ と 篭
教 ふ るや う の道 理 な れ ば な り 、然 れ ば 此事 は と に かく に、 そ の因 て起 る本 を つ 曳し む事 肝 要 た る
ぺし
○今 の世町 人 の費 殊 に芒 き藩 ・す べて飢 食衣服 よりはじめ・諸 糞 簷 等 ガ な亠
咼貴 の人
メ
の
の う へと さ の み 異 な ら ず 、 中 に も す ぐ れ て 富 る 者 な ど は 、 内 爻 ご ま か な る 事 の お ご り は 、 大 名 に
も をさく お と らず 、何 事 も善 美 を つく し て 、 ゆ た か に くら す こと 也 、 さ て町 人 は 、殊 に定 まれ
ツ ェ
ゆ
る 階 級 の な き も の に て 、 先 は ぴ ら 一ま い な る が 故 に 、 身 上 の 大 小 は 雲 泥 ち が ひ て も 、 と か く 富 た
る 者 のう へを 見 な ら ひ う ら や み て 、 さ し も な き 者 竜 そ の ま ね を し て 、 分 不 相 應 に ゆ た か に 暮 さ ん
と す る か ら 、 内 證 は 困 窮 す る者 甚 多 き 也 、 或 は そ の 困 窮 を 隱 さ む と す る か も い よ / \ 困 窮 つ の り ︾ '
或 は身 上 を持 直 さ ん た め に 、急 に大 利 を得 ん と欲 し て、 あ ら ぬ事 に か エり 、家 をほ ろぼ す 者 も 多
し 、
さ て
か や リ
う に 惣 躰 殊 の 外 に お ご り 長 じ た れ 共 、 こ れ 天 下 一同 の事 な る故 に 、 地 に な り て 奢 と∵
祕本 玉 く しげ 上 轡 四〇 五
秘本 玉く しげ ゴ 、
四〇 六
い ふ や う に も 見 え ず 、 面 虫 み つ か ら も お ご り 也 と い ふ 事 を 覺 えず 、 本 よ り か や う に あ る べ き 物 の
り
や う に思 ぴ居 る也 、 そ の中 に たま く 、 世 上奢 の長 じ ぬ る事 に心 つ き て、物 事 質 素 を 心 がく る者 ・
ヘン
ヒ
も あれ 共 、 世聞 並 を ばつ れ て は、 返 て 變 な る や う に 云 な さ れ、 人 に わ ろく 思 は る 曳に よ り て、 せ
ん か た な く お のつ か ら 世 聞 に し だ が ふ 事 多 き 故 に 、 こ れ 竜 お ご り を ま ぬ か る 玉 こ と あ た は ず 、 又
ヤ
時 美儉 約 く と いひ た て 玉省 略 す る事 共 も あ れ 共 、 或 は省 略 す ま じ き事 をま つ 省 略 し 、 或 は 止 め
タメ ヤ リ
て 竜 さ のみ 爲 に も な ら ぬ 事 を 止 め な ど し て 、 惣 躰 の奢 は 相 替 ら ず 、 又 し ば ら く 儉 絢 を 加 へ て も 、
世 間 み な 然 る に あ ら ざ れ ば 、 世 問 に つれ て 叉 い つ の ほ ど に か ゆ る み て 、 本 の ご と く に な り な ど し
て 、 す べ て 質 素 に か へる 事 は 露 ほ ど も な く て 、 年 美 月 爻 に 世 上 華 美 に の み な り ゆ く ほ ど に 、 貧 し
き 者 も 世 上 に つ れ て お のつ か ら 物 入 多 く 、 困 窮 す る 者 の み 多 き な り 、 さ て 世 聞 の お ご り に つ き て
は、 商事 もお ほ く 、世 のに ぎ は ひ にも な り て、 金 銀 融 通 す れ ば 、 さ のみ 咽窮 はす ま じ き や う な る
物 な れ ど も 、左 様 に は あ ら ず 、上 中 下 共 に 身 分 不 相 應 に お ご り て 、内 證 は 困 窮 な る 故 に 、商 事 は 多
り. ル
く て も 、 買 た る 物 の價 を え 出 さ 璽 る 者 殊 の 外 多 く 、 叉 借 た る 金 銀 を 返 さ 璽 る者 お ほ き 故 に 、 賣 者 、
ス
貸 者 利 を得 る ζと 癒 り が た く て 、損 をす る こと おほ く 、 叉 世 上 の惣 躰 の商 は多 け れ ど も 、百 姓 の
商 人 にな る が多 く て 、商 人、
の數 次第 忙 多 き故 に 、手 前 ノ \ の 一分 の商高 は 多 から ず 、商 高 す く な
く て は 、渡 世 に な 夢 が た き故 に、 し ぴ て 多 く せ ん とす れ ば 、掛 損 な ど 多 く な り て 、 又困 窮 に至 る、
.
り ︽
さ て町 人 は内 證 は困 窮 し な が ら も 、 百姓 よ り は身 を勞 ナ る事 も す く な く 、 叉百姓 よ り は奢 て と ほ
る 物 ゆ ゑ に 、 百 姓 は 是 を う ら や み て 、 と か く 町 人 に 癒 る こ と を 願 ふ 者 多 し ︾ そ れ 故 に商 人、
は年 ダ
ゆ ノ
に
れ
ソ
に 多 く な り て 、 友 つ ぶ れ に な る ご と 也 、 さ て 又 世 上 の奢 甚 し き 故 に 、 其 奢 の す ぢ に 用 る もろ ノ \
の 物 お び た 玉し く 、 そ れ に 人 の手 間 を つ ぴ や す 事 も お び た N し き 也 、・お よ そ 人 間 の用 を な す 一切
の 物 は 、 其 本 は 皆 地 よ り 生 ず る 事 な る が 、 其 中 に 無 く て か な は ぬ物 と 、 無 釜 の お ご.
り に用 る物 と
あ る を 、 世 上 の お ご り 長 じ ぬ れ ば 、 そ の無 釜 の 事 に 多 く の物 を 費 や す 、 そ の 無 盆 の物 の た め に 、
ル
田 地 山 林 多 く つ ぴ え て 、 有 用 の 物 の 出 る 妨 と な り 、 叉 無 盆 の事 に さ ま ん \ 人 の 手 間 入 事 多 き 故 に 、.
趣
ユ
有 用 の 業 を な す べ き 者 も 、 そ の無 釜 の わ ざ を な し て 世 を渡 る 、 こ れ 天 下 の手 間 の費 に し て 、 か の
ノ
無 釜 の 物 に 土 地 を つ ぴ や す も 同 じ 事 也 、 然 る に 、 世 入 此 子 細 を わ き ま へず し て 、 何 事 を し て な り
共 、 人 の渡 世 に な る 事 多 く 、 商 事 お ほ け れ ば 、 世 上 の に ぎ は ぴ 繁 昌 也 と 心 得 る は ひ が こと な り 、
夲
民
の身 一
分 の
う へ
に て
は 、
ゼ か
に も
何 わ
ざ を
し て
な り
と も
、 金
銀 を
得 る
事 の
ノ多 き が 利 な れ 共 、
上 に 立 て 民 を 治 む る 人 の'
昇 に と り て は し 領 内 お し な ら し て 利 釜 あ る こ と な ら で は 、 損 あ る也 、 た
と へば 城 卞 は に ぎ は ふ て 、 断 人 は 利 を 得 る 事 多 く て 竜 、 在 鎖 百 姓 の つ ま り と 成 て は 、 本 を 失 ふ て
、
祕本 玉 鴎 しげ 上
胃
四〇 七
・祕本 ヨく しげ ﹂
四〇 八
末 を釜す る也 、 但 し こ れ は 、、
天 下 と 一國 ノ \ と の差 別 あ り 、 た と へば 何 にも せ よ 、世 上 に無 釜 の
り
奢 のた め に用 る物 を 、多 く 作 り 出 す 斷 あ ら ん に、 これ は 天下 のう へよ り い へば損 な れ ど 竜 、其 國
に とり て は損 にあ らず 、 いか に と い ふ に、 其 物 を多 く作 り 出す だけ 、米穀 を作 り 出す 事す く な け
ル
れ ど も 、其 物 の價 を取 て、米 穀 等 を ば 、そ れ だ け は 他國 よ り買 取 ゆ ゑ に、 其 図 に は損 な し 、 然 れ
ど も 其國 に て そ の米穀 を作 り 出 さ 貸 る だけ 、 天 下 のう へに て は損 あ る也 、 す べて これ ら に限 らず 、
天 下 と 一國 く と のう へに て 、其 趣 のかば る事 外 にも 多 し ﹂ さ て 叉交 易 のた めに 、商 人 竜 な く て
ノ
は か な は ぬ物 に て 、 商 人 の 多 き ほ ど 、 國 の た め に も 民 間 の た め に も 、 自 由 は よ き も の也 、 然 れ 共
,惣 じ て 自 由 の よ き は 、よ き ほ ど 損 あ り 、 何 事 も 自 由 よ け れ ば 、 そ れ だ け 物 入 多 く ・、不 自 由 な れ ば ,
物 入 は す く な し 、 然 る に 今 の 世 は 、 人 ご と に 我 お と ら じ と よ き 物 を 望 み 、 自 由 な る が う へに も 自
由 よ か ら ん と す る か ら 、 商 人 職 人 、年 辷月 ζ に 、 便 利 よ く 自 由 な る 事 、 め づ ら し き 物 な ど を 、 考
へ出 し 作 り 出 し て 、 こ れ を賣 弘 む る故 に 、 年 ≧月 よ に 、 よ き 物 自 由 な る物 出 來 て 、 世 上 の 人 の物
り
入 は 、 漸 爻 に 多 く な る こ と 也 、 す べ て何 事 も 、今 ま で 無 け れ ば 無 く て 足 ぬ る 事 も あ る を 見 て は 、
ヨギ
無 唐 が 不 自 由 に 覺 え 、 叉 今 ま で は麁 相 な る物 に て 事 た れ る も 、 そ れ よ り 美 物 出 れ ば 、 麁 相 な る ほ
甚 わ ろ く思 は る、
玉故 に 、 次 第 / \ に 事 も 物 も 數 爻 お ほ く な り 、 華 麗 に な り ゆ く こ と 也 , か く て 事
も 物 も 、 一 つ に て も 多 く な り 、 華 美 に な れ ば 、・ そ れ だ け 世 話 も 多 く 、 物 入 ば勿 論 お ほ き 也 、 こ
あ り
れ 皆 世 申 の奢 の長 ず るに て .畢 竟 は困 窮 の基 とな る こと そ 、 さ て 又世 問 の困窮 に付 て は、富 る者
は いよ く ます く 富 を重 ね て、 大 か た世 上 の金銀 財竇 はう ご きゆ るぎ に富 商 の手 にあ つま る事
メ
ハハ
也 、 富 る者 は 、 商 の筋 の諸 事 工 面 よ き 事 は 申 す に 及 ば ず 、 金 銀 ゆ た か な る に よ り て 、 何 事 に つ
け て も 手 行 よ ろ し く て 、 利 を得 る事 の み な る故 に 、 いや と も 金 銀 は 次 第 に ふ ゆ る事 な る を 、 貧 し ・
き 者 は 、 何 事 も み な そ の う ら な れ ば 、 い よ / \ 貧 し く な る 道 理 な り 、 さ て世 上 困 窮 し て 、 不 勝 手
ル フ
な る商 人 多 け れ ば 、 そ の不勝 手 な る方 は 、何 事 も乎 行 あ し き から 、賣 者 竜買 者 も 多 く 手 行 のよ き
ル
方 へ り く 故 に 、 富 商 は い よ / \ 工 面 よ き 也 、 叉 世 上 困 窮 に付 て は 、 金 銀 を 借 者 多 き 故 に 、 ゆ た か
`
シ
な る 者 は 、 と れ を 貸 て 利 を得 る 事 多 き に 、 貧 し き 者 は 、 借 り て 利 を 出 し て 、 い よ く 苦 し む也 、
ス
尤 借 り て 返 さ 璽 る 者 も 多 け れ 共 、 そ れ に 付 て は 、 貸 者 は 又 い ろ / \ と 勘 辨 し て 、 慥 な る や う を考 、
スク カタ
へて 、 か し こ ぐ 立 ま は る故 に 、 損 を す る方 は ま つ 少 な し 、 惣 じ て今 の世 は 、
.大 抵 利 を得 る事 は難
ぐ し て 、 損 は し や す き 時 節 な る 故 に 、 富 商 は 隨 分 金 銀 を へら さ ぬ 分 別 を 第 一と し て 、 慥 な る か た
スコ フ
に つく 故 に 、 ま つ は 減 ず る 事 は す く な く て . と に か く に ふ ゆ る 方 お ほ き な り 、 さ で そ れ 竜 少 し 不
マハ
廻 り な る方 に趣 く と き は 、 又萬 事 み な右 のう ら へま は る故 に 、鉅 萬 の金 銀 も 、 淌 や す き事 も 叉春
祕本 玉くしげ上 四〇九
祕 本 玉 く しげ▼ 四 一〇
ル メ
の雪 の如 し 、 き れ ど 其 金 銀 も 、 貧 民 へ は 潤 は ず し て 、 そ れ も 叉 皆 富 商 の 手 に 入 な り 、 又 富 る 者 は 、
一旦 大 に 損 を す る 事 あ れ 共 、 土 臺 が 丈 夫 な れ ば 、 叉 取 返 す 事 も や す き に 、 貧 し き 者 は 、 損 を し て
ヒ
も 、 再 取 返 す べ き た ね な け れ ば 、 永 く そ の損 を い や す こ と あ た は ず 、 何 に 付 て も 貧 人 と 富 人 と の
界 は 、 甚 しき違 ひ に て、 貧 人 は富 人 のた め に貧 を獪 し 、富 人 は貧 人 に より て. い よ/ \ 富 を かさ
メ
ぬ る 事 也 、 右 は 商 人 の み な ら ず 、 百 姓 な ど の う へに て も 跡 じ 事 に て 、 富 る 者 は 、 百 姓 な が ら に 多
く 商 を も し 、 金 銀 のや り く り の う へ に て 利 を 得 る 事 も 、商 人 に か は る こ と な く 、 又 農 作 の う へ に
コヤ
て も 、 富 る 者 は 利 を得 る こ と 多 し 、 肥 し な ど を も 丈 夫 に い れ 、 人 手 間 を も 十 分 に か け て つ く る故
ドル
に 、 み の い も 殊 に宜 し く 陶 米 な ど を 賣 出 す に も 、 利 の 多 き 時 を 待 て 賣 故 に 、 金 銀 を 得 る こ と 多 く 、
、
ル ツ レ
貧 し き 百 姓 は , す こ し の米 を 賣 に も 、 待 こ と な り が た き 故 に 、 急 に 賣 ば 見 す / \ 利 を 得 る こ と な
り が た く し て 、 す べ て 商 人 の趣 と か は る こ と な し 、 と に か く に 貧 民 は 、 何 に付 て も ふ び ん な る 物
也 、 然 れ ど も 世 上 の 金 銀 財 寶 は 、 と か く 夲 等 に は 行 わ た り が た き 物 に て 、 片 ゆ き のす る は 古 今
\
の つ ね に て 、 ほ ど よ く 融 通 す る や う に は な り が た き 嘉 也 、 其 内 に も 今 の世 は 別 し て 、 貧 し き 者 は
ム
ます ー 貧 し く、 富 る者 はま す /\ 富 こと の甚 しけ れば 、 上 に立 て 治 め給 ふ人 の御 は から ぴ を以
ぼ そ
ナン
て 、 いか た も し て 、 甚 富 る 者 の 手 に あ つ ま る、
と ころ の金 銀 をよ き ほ ど に散 じ て 、專 ら 貧民 を救 ひ・
給 ふや う に あら ま ほし き物 也 、但 し そ の散 じ や う は 、 其者 の歸 服 し て、 心か ら出 す や う にあ ら で
は お 竜 し ろ から ず 、 い かほ ど 多 く蓄 へ持 たれ ばと て も 、 これ み な上 よ り賜 はり た る にも あ らず 、
人 の物 を盜 め る に 竜 あ らず 、法 度 に背 き た る事 を し て得 た る にも あ らず 、皆 これ 面 主 の先 祺 、叉
は己 よ が働 き に て得 た る金 銀 な れ ばレ 一錢 と い へ共 、 し ぴ て是 を取 べ き道 理 はな し 、金 銀 は い か
ほど澤 山 に持 て も 、 人毎 に獪 ふや さ む と こそ 思 へ、 い さ 玉か に て竜 、故 なく て これ を出 す 事 をば ー
甚 愁 満 るも の也 、然 れ 共 又 ,心 より 歸 服 だ にす れ ば、ポし なき 佛 寺 な ど のた め にも 、多 く の金 銀 を
r
出 し て 、惜 む こと な け れ ば 、 ま し て領 主 の價 民 を救 ぴ給 ふ 御 仁 政 のた め なら ん には 、其 模 様 に依
ツ
て、 隨 分 心 から 感 服 し て、 相 働 き御 用 に立 べ き事 に て、 是 に は 宜 し き仕 方 の有 べ き事 也 、 と に か
メサ
く に し ぴ て これ を召 む 事 は 心 よ か らず 、
.又其 金 銀 を、 他 の事 に用 ぴ ん も心 よ からず 、 ぴ たす ら 貧
民 を救 はま ほ し き こと也 、 上 よ り民 を救 ぴ給 ふ御 仁 政 の專 ら 行 はれ て 、 貧 民 其御 めぐ み を有 が た
シ
く存 じ 奉 る樣 子 を見 ば 、仰 付 ら れず と も、 お のつ か ら富 人 は救 ひ の 志出 來 べ き こと也 、さ て も し
も
志 あ り て、 貧 人 を救 ふ者 あ らん に は、 其 ほ ど /\ に厚 く こ れ を賞 美 し給 は 璽、 いよ/ \ 相 は げ み
〆て 、救 ふ者 多 か る べ し 、然 れ共 他 國 の樣 子 を うけ 給 は る に 、近 來 民 を救 ふ 政 はす く な くし て 、 た
だ ぴ たす ち 上 の御 用 の金 銀 を のみ 云付 ら る ﹄故 に 、富 人 は これ を恐 れ て、 志あ る者 も 、親 を ば得
祕本玉くしげ 上
・ ' 四= ,
轟
祕本 玉 く しげ 、
.
四 一ニ
ツ
せず 、 叉 た まく 救 ふ者 あ れ ど も 、 そ れ を ば賞 せら る ﹄事 も な く し て 、 た 夐 上 の御 用 に立 者 を の
み 、賞 せら る Σ噂 う な る が、 左彎 金墾 以 て、 上 の御 用 に立 て 、賞 美 せ ら れ 、は ぶり の よ窘
ユ ク 、
をば 、 世 上 にて は 返 てそ ね み惡 む と と故 、 そ れ を望 む 者・
は す く な し 、 貧 民 を 救 ひ て 賞 せ ら れ ん は 、,
世 の申 の人 の甚 悦 ぶ事 な れば 、 そ ね み にく む者 は なく し て、 これ をう ら や む者 の み多 か る べ し、
㌻ . 畢
此 所 を よ く 考 へて 、 富 人 の金 銀 を 散 じ て貧 民 を 賑 は す べ き 仕 方 は あ る べ き 事 也 、 さ て 右 に も 申 せ
る 如 く 、 富 人 と て も 、 そ の 金 銀 は 、 面 爻 の働 き に て 得 た る と ヒ う な れ ば 、 し ぴ て こ れ を め さ れ ん
は 、心 よ から ぬ事 也 、 叉や む 事 を得 ず ヒれ を か り給 ふ こ と あり 共 、 そ れも し ひて は心 よ か らず 、
但 し 御 領 内 に 佳 居 し て 、 ゆ た か に く らす 君 恩 を 、 あ り が た く 思 ぴ 奉 て 、 冥 加 の た め に さ し 上 ん 乙
と を 願 ふ 者 あ ら ん は 、 格 別 の事 也 、 さ れ ど 左 樣 の 金 銀 竜 、 皆 貧 民 に 施 し て 、 な る べ き た け は 、 上
の 御 用 に は 用 ひ給 は ぬ や う に こ そ あ ら ま ほ し け れ 、 叉 面 ぶ の勝 手 の た め に も な り 、 冥 加 の た め に
て も あ れ ばと て、常 に金銀 の御 用 を勤 め 茄 と 願 ふ 者 あ ら ん に は 、 も し御 用 あ ち ば 一 是 は許 し給 ふ
ス
・べ き に や 、 さ れ ど 上 の 御 用 を う け 給 は る に 付 て 、 人 に 金 銀 を貸 に も 、 そ の 御 用 の 筋 に こ と よ せ て
シ マ
貸 つく る 事 、 近 世 何 方 に 竜 多 し 、 こ れ ま す ノ \ 富 商 を富 す 事 に て 、 世 の 貧 民 の た め に 大 な る 害 也 ,
た と ひ 上 の ため には 、 御勝 手 にな る事 な り と も、 下 民 のた め に害 あ ら ん事 は 、す べ て禁 ぜ ら るべ
'
オク の
き に こ そ 、 さ て 又 今 の世 は 、 武 家 大 小 に よ ら ず 、 仕 途 り と い ぴ て 、 町 人 に勝 手 を ま か な は す る こ
と 多 し 、是 は便 宜 に し て自 由 は よ き や う な れ共 、 つま る所 は 損 多 し 、町 人 は これ によ り て 、多 く
の利 を 得 る 、 そ れ だ け 武 家 に 損 あ る 事 は 、 目 に 見 え た れ ど も 、 困 窮 の節 な ど 、 さ し あ た り て 便 宜
シ
な る に よグ て、 損 をば 知 な が ら 、皆 申 付 る事 也 、 然 れど も是 は皆 、富 商 のう け給 は り てす る事 な
れ ば 、 ま す ノ\ 富 を 重 ね さ せ て、武 家 に は損 あ る こと なれ ば 、 な る べ き たけ は無 用 にせ 束 ほ しき
丶
事 なり 、
○ 人 は 何 事 も 、其 身 の 分 限 相 應 に す る が よ き 也 、分 限 に 過 て奢 る が わ ろ き 事 は 、申 す に 及 ば ず 、又
あ ま り 降 し て輕 くす るも 、 正 道 に は あら ず 、 大 名 は 大 名柑 應 に御 身 を持給 ふ が よし 、 質素 が よ き
と て 、 下 よ の武 士 の如 く 御 身 を 持 給 ふ べ き に 灘 あ ら ず 、 次 に 其 下 に た つ武 士 も 由 又 そ の相 應 ノ 丶
ツ
が よ し 、 百 姓 町 人 も 、 叉 其 身 上 相 應 に 身 を 持 が 宜 し き な り 、 す べ て 事 を輕 ノ
vす る が よ ろ し と て も 、
叉 あ ま U 身 持 か ろ λβ
\ し け れ ば 、 そ れ に 應 じ て 、 お のつ か ら 心 も 萬 の 行 ぴ も 、 い や し く 輕 美 し く
.
シ バ
な り て 、・上 に た つ 人 な ど は 、 殊 に よ か ら ぬ 事 多 き も の也 、 叉 儉 約 を 心 が く れ ば 、 お のつ か ら 悋 嗇
ス ヤメ
き か た に流 れ や す き 物 に て 、 必 す べ き 事 を も 止 て せ ず 、 人 忙 と ら す べ き 物 を も 丁 惜 み て と ら さ ず 、
ノ
甚 し き 者 は 、 人 の物 を さ へ奪 は ま ほ し く 思 ふ や う の心 に も な り や す し 、 然 る に 此 所 を よ く 心 得 て 、
祕本玉くしげ上 雫 ' 、 四 咽三
'
ぜ
祕本玉くしげ - 畠 四 一四
.
儉 素 に し て し かも 悋嗇 に流 ぬや う に 執偽 り にく き物 也 、殊 に上 にた つ人 な ど 、此 わき ま へな く し
ヒ
て 、悋 嗇 な る とき は 、下 の潤 か わき て甚 よ ろ し か らず 、 さ れ ば儉 約 も實 には宜 し き事 に あ らず 、
と かく 上 中 下 各 身分 相 應 にく らす が よき な り 、 然 り と い へど も、 そ の相 應 と いふは 、 いか ほ ど が
相 應 な 軌や 、手 本 のな き物 菰 れ は 、 よき ほ ど は 知 が た き事 な る に、 惣 じ て華・
美 な る かた には う つ
り やす く 、す こ しも 質素 な る方 へはう つり にく き物 な れ ば 、治 李 の久 しく つ貸け る世 は 、 一同 に
段 曵華 美 の長 ず るなら ぴ にし て、 上 にも申 せ る如 く 、今 の世 ほ ど下 が下 熱 で華 美 な る こと は 、古
今 の間 に な き こ とな れ ば 、今 の世 に、 これ ぞ 分 限 相 應 のよ き ほ ど なら ん と 思 ふ事 は 、皆 大 に分 限
には 過 て あ る也 、 然 れば これ を よ き ほ ど に せん と思 ふ と き は 、萬 事 を大 に そぎ す て N、 狂 人 か と
オト
人 に笑 は る ﹂ほど に落 さ 璽れ ば 、 お のノ\ 身 分 相 應 の所 へは當 り が た し 、然 れど も さ ほ ど ま で に
は 、 と て竜 お と しが たき物 に て、 た と ひ自 分 一人 は 、 人 にか ま はず 、右 の如 く にお と し て も 、家
内 ま でに 竜行 と 璽き が たく 、 又 上 よ り いか ほ と嚴 しく 命 令 を下 し て、 これ を制 せら れ ても 、時 世
の勢 は、 中 よ防 ぎ が たく 、 入 力 の及 び が た き と と ろあ る物 也 . た と ぴ し ば ら く は命 令 に恐 れ て、
これ を愼 し むや う に て竜 ﹂ 末 と げ が た く 、又 う は べ は命 令 を守る や う にて も 、内 よに て は皆 これ
を 破 る・衣 服 の制 溶ど みな 然 な り ・叉 ↓國 ぎ り これ を制 し て も 、天 下 崩同 な ら ざ れ ば 、そ の制 灘 が
た き 事 竜 多 し . 叉 惣 躰 表 斑冖へ見 ゆ る 事 は 、 制 も 立 べ け れ 共 、 今 の世 は 上 下 共 に 、 表 へは 出 ざ る 、
り
家 内 の こ ま か な る 事 の奢 の 甚 し き を 、 一つ ノ \ 吟 味 を と げ て 、 こ れ を 禁 ず べ き 由 な け れ ば 、 と に
か く に 此 世 上 扁同 の 華 美 お ご り は 、 い か や う に し て.
も 、 俄 に は 停 め が た く 、 年 爻 月 美 に長 じ ゆ ぺ
ば か り 也 、 然 れ 共 物 は か ぎ り 有 て 、 の ぼ り 琶 は ま る 時 は 、 又 お のつ か ら 降 る ヒ と な れ ば 、 い つ ぞ 岬
り
は又 費 か へる時 節 も 有 べ き 也 、・さ れ ど 此世 上 の奢 など の、 左樣 に自 然 と質 素 の方 へか へると い
カへ
ふ こ と は 、 ま つ は 何 ぞ 愛 な る 事 な ど の な く て は 復 り が た き 事 な れ ば 、 そ の 變 の有 て 、 自 然 と か へ
る を、 安 閑 と し て待 居 る べき にも あ らず 、 さ れ ば上 に た つ人 は、隨 分 な るべ き たけ は 、 工夫 を め
リ スコ
ぐ ち し て 、 自 他 奢 の 長 ぜ ざ る や う に 、 少 し づ ﹄ に て も 質 素 の 方 へか へ る や う に 、 は か ら ひ 給 ふ べ
き な り 、 す ヒ し づ 丶 に て も 、 質 素 の方 に か へり て 、 長 ず る こ と な け れ ば 、 起 る べ き 變 事 も お こ ら
ず ルて 、長 久 に無 事 な る べし 、
・さ て そ の は か ら ぴ は い か に と い ふ に 、 右 に申 せ る 如 く 、 此 事 は 嚴 、
しき命 令 ば かり に て は、 と ても 直 り が た き こと に て 、 た 璽面 美自 然 と た し な む 心 に なり て、 お の
つ から 化す るや う に は から ふ べき 事 也 、 下 は と か く に 、よ き 事 も あ し き事 も 、上 に なら ふ も のな
ヅ が
れ ば 、 先 上 よ り 物 事 お と さ る 瓦た け 落 し て 、 輕 く し て 見 せ 給 は 貸 、 漸⋮
柔 に お のつ か ら 、 御 家 申 も ・
下 ≧ の民 も 、 そ れ に な ら ぴ て 其 心 に 成 て 、 つ ひ に ば 返 て 華 美 な る 事 を 笑 ふ や う に も な る べ き 事 也 、
祕 本 玉 ー しげ 上 、 四 蓋
懺
秘本玉くしけ
. .
・ 四 一六
・
す べ て何 事 に ても 、 心 よ り歸 服 し てす る事 にあ ら ざ れ ば 、 末 と ほり が たく 、永 く は行 はれ ぬも の
な り 、 さ てそ の下 滋 を心 より 歸 服 せ しむ る こと は、 皆 上 よ り のは から ひ 仕方 に よ る こ とそ か し、
亀
、
9
\
玉 く し け 下
撫
曳
へ
金 銀 通 用 は そ の法 に よ り て 、 大 に得 ル木 の有 べ き 事 也 、 ま つ 此 金 銀 と い ふ 物 は 、 上 も な き 寶 に て は、
あ れ 共 、 實 は飮 食 の か は り に も な ら ず 、 衣 服 の か は り に も な ら ず 、 す べ て 何 の用 に も 立 が た ぎ 物
な る忙 ︾ こ れ を 通 用 す る は 、 そ の何 の用 に も た Σ ぬ 物 を 以 て 、 世 中 の 一切 の用 を 辨 じ さ す る仕 方
な る 故 に 、 そ の 仕 方 に ょ り て 、 得 失 は あ る 事 也 、 其 仕 方 と は 、 ま つ 第 一に 天 下 に 通 用 す る 所 の金
銀 の多 少 に よ り て、 大 に得 失 あ る べ し 、抑 金 銀 を廣 く 通 用 す る事 は 、慶 長 のころ よ り始 ま れ る こ
1
と に て 、 そ の 以 前 は た ぼ錢 の み の通 用 な り き 、 然 る に 此 金 銀 通 用 始 ま り て は 、 甚 世 上 の便 利 に し
て 、 尤 自 由 よ ろ し き 事 也 、 さ て 通 用 の金 銀 は 、 隨 分 多 き ほ ど 便 利 に し て 、 自 由 は 宜 し き 也 、 然 れ
共 そ れ に 付 て 又 失 あ る 事 多 く 、 返 て 世 上 の 困 窮 に 及 ぶ 基 と も な る こ と 也 、 か く て當 時 天 下 に通
用 す る金 銀 は 、'
殊 の 外 に 多 く し て 、 甚 便 利 は よ き 事 な る に 、、
今 の 人 は 、 も と よ り か く のご と く な
る 世 に 馴 た る 故 に 、 金 銀 の 甚 多 き と い ふ こ と を し ら ず 、 便 利 の甚 宜 し き 事 を も ⋮
覺 幻ず し て 返 て
世 上 通 用 の 金 銀 の拂 底 に て 、 得 が た き 故 に 、 世 は 困 窮 す る や う に 思 ふ は 、 商 入 心 に し て 、 末 を の
祕 本 玉 く しげ 下 凾
.
四 一七
筆
丶
祕 本 玉 く しげ'
﹂
、四 一八
スクナ
み思 ぴ て、 本 を知, ら ざ る も の也 、 今 世 に 金 銀 の 得 が た き は 、 少 き 故 に は あ ら ず 、 あ 衷 り 多 き よ り
お こ れ る こ と 也 、 そ の道 理 は い か に と い ふ に 、 ま つ 米 穀 を は じ め 、 其 外 何 に て 竜 、 ⋮
萬 の物 を取 引
す る に、 そ の正物 を取 引 す るよ り は 、價 を は かり て 金 銀 に て取 引す る が、 格 別 に便 利 よ き故 に、
昔 は正 物 にて取 瓠 し た る事 をも 、今 は み な金 銀 に てす るや う にな り 、其 外萬 の事 、 み な 金 銀 に て
と り は か ら ふ や う に な か て 、 次 第 に 金 銀 の と り や り 多 く し げ く な り 、 其 と り や り か け 引 の間 に 、
マ フ
な ほ 又 さ ま ノび丶便 利 な る 仕 方 な ど あ る 、 か や う に 萬 物 萬 事 み な 、 金 銀 に て 闇 の 合 や う に な れ る は 、
こ れ 全 く 世 上 通 用 の 金 銀 の甚 多 き が故 也 、 少 な く て は 、 い か ほ ど 便 利 よ き 事 有 て も 、 か や う に 廣
く 何 事 にも 用 ふ るこ と はな り がた し、 さ て昔 は金 銀 を取 引 す る こと 竜 、今 より は す く な く 、 叉 金
銀 に て 萬 の 事 を 取 は か ら ふ 事 も 、 ま れ な り し 故 に 、 人 の こ れ を 願 ふ 心 も 、 今 のや う に 甚[ しく は あ
の
ら ざ ゆ し を 、 今 は 右 の如 く 世 間 に 此 と り や り 掛 引 し げ く 、 金 銀つ ね に 人 の 耳 目 に ち か く 親 し く 、
記 セツ
叉 金 銀 に て 何 事 も 濟 む 故 た 、 人 毎 に こ れ を 得 ん こ と を 願 ふ 心 も 、 む か し よ り は 格 別 に 甚 しく 切 な
る に よ り て 、 甚 得 が た き や う に 覺 ゆ る 也 、 惣 じ て 至 て得 が た き 物 は 、 こ れ を 得 ん と 欲 す る 念 も な
4
き も の な る に 、 今 の 人 の 金 銀 の得 が た き を 憂 ふ る は 、 地 躰 が 多 く て 得 が た か ら ぬ 故 也 、 さ て 叉 何
事 に つけ て も 金 銀 の 鹸 た ら き し げ く 、 い そ が は し き 故 に 、 實 に 得 が た く も あ り 、 得 が た き に よ り
ゆスク
て は 、 少 な き や ケ に 思 ふ 也 、 た と へば 毎 年 盆 前 と 極 月 に は 、 常 よ り も 叉 格 別 に 金 銀 ぴ つ は く し て 、
い よ / \ 得 が た き は 、 い.
か な るゆ ゑ ぞ 、 此 時 と て も 世 上 の 金 銀 、 つ 訟 よ り す く な く な る に あ ら ず 、
ノ
常 に は 遊 ば し お く 金 銀 を さ へ、 二 季 に は 出 し て 働 か す 事 な れ ば 、 常ま り は 多 き に 、 返 で 左 様 に 得
が た き事 は常 よ り も叉 や り ぴ き しげ く 、金 銀 いそ が ば し き が故 なら ず や 、是 を 以 て惣 躰 金 銀 の得 .
●
へ
が た き 嫁 、 少 な き 故 に は あ らぎ る 事 を さ と る べ し 、 其 本 を 尋 ぬ れ ば 、 實 に は 世 上 通 屠⋮の金 銀 甚 多
く し て 写自 由 に手 ま は る から 起 ゆ て、 何 事 に も これ を用 ふ るや う に なり 、次 第 に は た ら き いそ が
ツ
は し く なれ る に よ り て 噂 其 多 さ よ り も 、
.なぼ いそ が は し き方 が勝 ゆ ゑ に、得 が たく て 、す く なき
や う に 思 は る ﹄也 、 さ て金 銀 通 用 始 ま り て 、 いま だ久 し から ざ り し程 は、 多 け れ ば ます く 便利
の よ ろ し き の み に て 、 さ の み 其 弊 は な か り し が . 漸 墨年 代 久 し く な る に つ き て.
は、 そ の弊 も 多 く
な れ る也 、 右 に 申 せ る ご と く 、、
世 上 何 事 に も 是 を 用 ぴ て 、 取 引 す る 事 多 き ま 丶 に 、 其 取 引 の間 に
て 、 過 分 の利 を 得 る 事 多 く , 或 は 商 人 な が ら 、 物 の交 易 を も せ ず 、 た 璽 金 銀 のう へ のみ を 以 て 、
世 を 渡 る者 竜 お び た ﹄ し く 、
.富 人 は 別 し て こ れ に よ り て 、 ま す ノ \ 富 を 重 ぬ る こ と 甚 し 、 惣 じ て
金 銀 のや り 引 し げ く 多 き 故 に 、 世 上 の 人 の 心 み な こ れ に う つ り て 、 士 農 工商 こ と み \ く 、 己 が 本
業 を ば お こ たり て、 た 璽近 道 に手早 く 金銀 を得る こ と に のみ 、 目 を か く るな ら ひ と な れり 、 世 に
祕 本 玉 く しげ 下 ・
砥
.
四 一九 ㌦
、
し
/
祕本玉く しげ
・
四二〇
スコ
少 し にて も、 金 銀 の取 引 に て 利 を得 る纂 あれ ば 、 そ れ だ け作 業 を お こた る故 、 世 上 の損 也 、 い は
ん や 業 を ば な さず し て、 た 璽 金銀 のう へのみ にて 世 を渡 る者 は 、 み な遊 民 に て、 遊 民 の多 き は 、
國 の大 損 な れ ば 、 お のつ か ら世 上困 窮 の基 と なれ り 、 叉世 上 の金 銀 お ほく し て便 利 な れ ば、 人 よ
フ ス ヘ
シ リ
買 ま じ き 無 釜 の物 を も 買 ひ 、 爲 ま じ き 無 釜 の 事 を も 爲 な ど す る故 に 、 お の つ か ら 奢 を 長 ず る 、 こ
、
れ ら み な 世 の 困 窮 の端 と な る こ と 也 、 な ほ 叉 上 下 の 人 ヒ と ん \ く 、・
金 銀 に のみ目 を かく るゆ ゑ に.
今 の 世 は 武 士 も 百 姓 も 出 家 も 、 み な 鄙 劣 な る 商 人 心 に な り て 、 世 上 の風 儀 竜 輕 薄 に な る事 ぞ か し 、
かく のご と く 世 上通 用 の金銀 甚 多 く し て 、自 由 便 利 な る に つき て は 、其 失 も甚 多 け れ共 、年 久 し
く 馴 來 り た る事 な れ ば 、 此 な ら ひ は 俄 に は 改 め が た し 、 不 便 利 な る事 す ら 、 久 し く 馴 た る を 俄 に
改 め て は 、 入 の睇 服 し に く き 物 な る に 、 ま し て こ れ は 甚 便 利 な る事 な る を 、 今 更 逋 用 の 金 銀 を 減
少 な ど し て は 、 當 分 大 に さ し つ か ゆ る 事 な ど 多 く し て 、 返 て 大 に失 あ る べ し 、 且 又 金 銀 通 用 の筋
な ど は 、 天 下 の う へ の事 な れ ば 、 い か ほ ど 害 あ る事 有 と て も 、 一國 ぎ り 私 に は 、 い か に 共 す べ 麌
や、う な し 、 然 れ 共 右 の子 細 ど も を 、 つ ね ゐ \ よ く 心 得 居 て 、惣 躰 正 物 に て 取 引 す べ き 事 は 、 少 美
不 便 利 には あ り共 、や はり 正 物 に て取 引 を し て 、金 銀 の取 引 の筋 を ば、 な るべ き た け は これ を省
お
ヤ スぼ
き 、 獪 又 さ ま λじ丶 の 金 銀 のや り く り な ど を も 、 な る ぺ き た け は 隨 分 こ れ を 止 め 、 叉 爲 べ き 事 を 、
金 銀 に て 仕 切 る や う の筋 は 、 獪 更 無 用 に あ ら ま ほ し き 事 な り 、 そ れ も 民 間 に て 下 女 ど ち の細 事 な
ど は 、 さ る 事 も あ る べ け れ 共 、 少 弐 金 高 に も 及 ぶ ぼ ど の事 に は 、 決 し て あ る ま じ き わ ざ 也 、 惣 じ
て 物 事 は 、 不 便 利 に て も 地 道 な る こ と は 、 始 絡 全 く し て 、 失 な き も の な る を 、 算 用 に か 乂り 、 便
利 に 船 し る とき は、 必 間違 も い でき 、詐 欺 のす ち 竜 あ り やす く 、 思 ひ か匠 ぬ失 のあ る こと な れ ば・
國 の 政 を と り 行 は ん 人 な ど は ズ 此 所 を よ く .考 へて 、 萬 事 な る べ き た け は 、 金 銀 便 利 の筋 に は か 蕊
ら ぬや う に心 がけ 給 ふ べき に こそ 、 さ て金銀 のや り く り取 引 を ば な る べき た け は省 き て 、労 なく
す る とき は、 自 然 と す こしづ 乂も 、人 情金 銀 にう とく 遠 ざ か るや う に なり て、 面 虹 の本 業 を大 切
に は げ む や う に な り 、 金 銀 に の み 目 を か け て 、 近 道 に わ し 惹 な ら ぴ 、 少 爻づ x も う す ら ぎ て 、 人
の 鄙 劣 な る 心 、 輕 薄 の風 儀 叉。直 る べ 踏 竜 の 也 、 と か く 下 は 上 を 見 な ら ふ も の な れ ば 、 か や ヶ の事
も 、 上 のし なら は せ計 ら ぴ に有 べき ヒと に こそ 、
○ 天下 のた め國 の ため に害 な る事 、世 に 多 し、 其 中 に、實 は大 に害 あ れ ど も、 害 之見 え ざ る事 も
あ り 、 叉 こ 玉 に は 釜 あ れ ど 鼠、、 か し ζ に 害 あ る 事 あ り 、 叉 當 分 は 釜 あ る や う な れ 共 、 後 日 に 大 害
と な る 事 あ り 、 ヒ れ ら 皆 人 の惑 ふ こ と 也 、 國 政 を と ら ん 人 つ ね に 心 を 付 ら る べ し 、 叉 眼 前 に 大 害
と 知 れ な が ら も 、 停 め が た く 、 國 君 の勢 に て も 、 公 儀 の御 威 光 に て 竜 、 俄 に は 禁 止 し が た き 事
が
ヒ
祕 本 玉 く し げ 下 ・
四ご 一
﹁
祕本 玉 く しげ 響 ・ 四一 ご一
も
多 く あ る 也 、 然 る に そ の類 を 、 俄 に し ぴ て 禁 ぜ ん と す る と き は 、 返 て 叉 害 を 生 じ て 、 い か ん 共 し
.
が た き 事 も あ る物 な り 、 さ れ ば 害 な が ら も 、 俄 に禁 ℃ が た き 事 は 、 常 柔 に 心 を つ け て 、 隨 分 長 ぜ
ぬや う に は から ぴ 、 い つと なく そ ろく と これ を押 へて 、 お のつ か ら と 止む 時節 をま つよ り 外 な
し 、 萬 の事 は 、 日 美 に檜 長 す る こ と 竜 、 思 ひ の 外 に 、 叉 い つ と な く 衰 へゆ く 時 節 も あ る も の な れ
ば 、 か な ら ず 事 を 急 に し て 、 し そ ん ず ま じ き 也 、 叉 國 の た め 民 の た め に 、 利 釜 あ る 事 を 考 へ出 し
て 、 ヒ れ を 行 は む と す る 竜 同 じ 事 に て 、 た と ひ 利 釜 あ る筋 も 、 新 規 に俄 に こ れ を 行 は む 乏 す れ ば 、
人 竜 歸 服 し が た く 、 叉 返 て そ こな ぴ も 出 來 る こ と あ る 物 炮 、-と か く 人 は 、 久 し く 馴 來 り た ゐ 事 は 、
ヤス
少 爻 勝 手 あ し き 事 も 、 其 分 に て 安 ん じ 居 る も の 也 、 釜 あ る事 も 、 漸 規 な る 事 は 、 煩 は し く 思 ふ な
ら ひ な れ ば 、 有 來 り た る事 は 、 少 墨 は あ し く と も 、 大 抵 の こ と は そ の ま 丶 に て 有 べ く 、 薪 規 の事 ,
へ
は 、 大 抵 は まつ は せ ぬ が よ き 也 、 す べ て 世 中 の事 は 、 何 事 も よ き も あ し き も 、 時 世 の勢 に ょ る も
キ
の に て、 い か ほど惡 き を除 か ん とす れ ど も 、 い か ほど善 事 を行 は む とす れ共 P極 意 の と こ ろ は 、
キ
人 力 に は 及 び が た き も の な れ ば 、 し ひ て 急 に ご れ を 行 は ん と は す べ か ら ず 、 表 穿 つ ね λび
\善事 は
ヤマ
そ の か た の く つ れ ざ る や う に う 止 ぬ や う に は か ら ぴ 、 惡 き 事 は 、 少 よづ 丶 も 淌 す る や う に 、 長 ぜ
噂
ぬ や う に と 心 か け 、 さ て 又 薪 規 に始 め ん と す る 事 は 、 よ く ノ \ 考 へて 、 入 爻 の料 簡 を 竜 き 丶、 他
國 の例 な ど を も 聞 合 せ 、 諸 人 の 歸 服 す る か せ ぬ か を よ く 勘 へ て 行 ふ べ し 、 す べ て 新 法 は 、 これ を .
始 め て 、 國 の た め 人 の た め に も ま こ と に 宜 し く て 、 末 長 く 行 は る 玉 と き は 、 後 世 ま で の功 に も な
る こ と な れ 共 、 思 ぴ の外 入 竜 歸 服 せ ず 、 た め に 竜 な ら ず 、 或 は 思 ぴ か け 激 つ ま づ き な ど 有 て 、 長
ヤ
く は 行 ひ が た く し て 、 程 な く 是 を 止 め な ど す る と き は 、 返 て 費 の み 有 て 、國 政 の か ろ 悉 \ し き 譏
シ
り を も と る こ と 也 、 隨 分 か し ヒ き 人 の 工 夫 し 出 て 、 大 釜 あ ら ん と 思 ふ 事 も 、 爲 て見 ぬ 事 は 頼 み に
な ら ぬ物 に て 、 思 ぴ の 外 最 初 の 料 簡 の ご と く に は ゆ き が た き 物 な れ ば 、 と に か く に 大 抵 事 す ま ば 、
舊 き にし た が ふ に しく は な し、
り
○ 近 來 上 下 お し な へ て 、 内 證 困 窮 す る 者 多 き わ け 、 叉 奢 の自 然 と う す ら ぐ べ き 仕 方 な ど 、 段 爻 上
ゆ
に 申 せ る が 如 し 、 然 れ ど も 困 窮 甚 せ ま り て 、 い が に共 す べ き 方 な や 、 さ し つ ま り た る 時 に 至 り て
タ マ
は 、右 のこ.
と く ゆ る や か な る 仕 方 ば か り に て は 、 と て も さ し あ た り て の間 に は 合 ひ が た き 事 な れ
ば 、 左 樣 の時 は 、 い か に し て な り と も 、 急 に そ の は か ら ひ な く て は か な は ず ↓ 上 下 大 小 と も に 皆
同 b 事 な り 、 其 中 に 、 大 名 の 御 勝 手 の甚 逼 逍 し て 、 さ し つ ま り た る時 の作 略 は 、 ま つ 町 人 百 姓 の
金 銀 を め さ る 玉 が 、 近 代 世 間 並 の事 也 、 然 れ ど も 是 は 上 に も 申 せ る如 く 、 甚 心 よ か ら ぬ 事 也 、 た
ム
と ぴ し ぴて これ をめ さ れ て も 、 そ れ は限 り あ る事 な れ ば、 い つま でも 左樣 に て濟 こ と にあ らず 、
祕 本 玉 く しげ 下
覧 呷
四 輔
ご二
祕本 玉く しげ
Ψ ・
四 二四
始 終 のす ま ぬ事 に 、 大 切 な る 御 國 政 に 瑕 、
を つけ ん 事 は 、 い か に し て 篤 殘 念 な る こ と 也 、 さ れ ば さ
し つま り て や む 事 を 得 ざ る時 ほ 、 御 家 中 の祿 を 、 年 を 限 り て 減 じ 給 ふ よ り 外 の 上 策 は 無 し 、 こ れ
當 然 の あ た り ま へな り 、 但 し 御 家 中 大 小 上 下 、 い つ れ も / \ ほ ど た \ に、 先 祗 よ り そ の 祿 を 賜 は
り 、 御 蔭 に よ り て家 を た て 、 代 莖妻 子 を は ぐ 丶 み 、 家 の 子 を 扶 持 し 來 り た る に 、 俄 に そ の 祿 を 過
ぬ
分 減 ぜ ら れ て は 、 一同 に甚 難 義 の 至 り 、 殊 に 近 年 世 上 困 窮 の ・時 節 、 御 家 中 は 別 し て 切 つ め た る 祿
に て 、 餘 分 く つ ろ ぎ も あ り に く き う へな れ ば 、 恥 よ ソ \ 難 澁 の 人 女多 か ら ん 事 、 ま こ と に い と ぽ
しき 御 事 な れ ば 、 な る べき たけ は 、 此事 は な く てあ ら ま ほし き 物 な れ共 、上 の御身 分 に つき た る
御 物 入 共 を も 、 な る べ き た け 省 略 減 少 せ ら れ 、 は しλび丶 く ま み 丶 ま で 御 手 を つ め ら れ て 、 そ の う
へや む こ と を 得 ぬ 時 は 、 此 法 よ り 外 に 作 略 は 有 束 じ き こ と 也 、 故 に近 年 此 法 を 行 は る 丶方 ダ 、 諸
リ ヤム
國 に 多 き な り 、 これ 全 く 已 事 を 得 ざ る 故 の 事 な れ ば 、 も し 此 事 あ り と て 竜 , 必 女御 は か ら ぴ を 恨
み 奉 る べ き に あ ら ず 、 も し 亂 世 に も 生 れ あ ひ た ら ん に は 、 獪 い か な る艱 難 辛 苦 も あ る べ き に 、 あ
り が たく も 靜 謐 の御 代 に生 れ て 、身 命 を全 く し、飢 ず 寒 か らず 、安 穩 に世 を渡 る君 恩 を思 ぴ奉 り
て 、 戰 揚 に 命 を す つ る か は り に 、 い さ 曳 か 大 恩 を 報 じ 奉 昏 の み ぞ と 思 ぴ と り て 、 し ば ら く の難 義
を ば し のぎ 給 ふ べ き 也 、 さ て も し 、 何 國 に 竜 せ よ隔 此 法 を 行 は れ ん に仕 て は 、 お の / \ 祿 の 大 小
の
ロ
に よ り て 、 減 少 の差 別 あ る べ き こ と 、 勿 論 な れ ど も 、 下 虫 に 至 て微 祿 の 人 ダ は 、殊 に く つ ろ ぎ な
・
け れ ば 、 迷 惑 甚 し か る べ し 、 此 所 か へす く も 御 か へり み あ る べ き 也 、 さ て 又 此 年 限 の内 に 、 是
非 と 竜 御 勝 手 の 立 な ほ る べ き や う の、 算 用 の つ も り 、 其 し ま り 方 、 且 叉 年 限 絡 り て 後 の し ま り 方
な ど 、 かね てよ くく つも り あ るべ、
琶事 也 、 も し 此 つ 竜 り の し ま り あ し ぐ て は 、 年 限 の 内 御 收 納
の過 分ピ 多 き が く せ に成 て 、年 限 絡 り た:
る時 、 又 俄 に大 に御 手つ か へ有 て、數 年 御家 中 一同 の辛
法 も 、 いた つら事 に なり 、 返 て御 勝 手 のぴ つは く いや ま さ る ヒ と有 べ し予 其時 叉年 限 を 延 ち れん
は 、 いよ く 氣 の毒 也 、 と かく 物 はく せづ き や す き な ら ぴ な れ ば、 此 年 限 の闇 に 、御 牧 納 多 きが
癖 に な ら ぬ や う の作 略 、 か へす ノ \ も 肝 要 た る べ き に や 、
夛 ﹁
・
の
ノ
へ
○ 上 と 下 と の間 甚 遠 く し て 、 下 の 情 熊 の 上 へと ほ り が た く 、 知 れ が た き こ と は 、 古 よ り 誰 も よ ぐ
知 れ る こと な る が 、 近 代 は 別 し て 大 名 の 御 身 分 殊 の 外 に 重 女 し き 故 に 、 獪 更 此 弊 は 甚 し ぎ な り 、
た と ぴ 此 御 心 つ き て 、 下 の様 子 を 知 ら ん と 思 召 て 込 、 委 し く 知 給 ふ べ き て だ て な し 、 御 前 へ出 る
入 爻 と て も 、 た 穿 恐 れ 愼 し む の み に て 、 中 柔 こ ま λ\ と し た る 事 を.
、 御 咄 し 申 上 るや う の 事 は な
り が た く 、 ︼通 り 申 上 る 事 も 、 た 皮 あ た り さ は り を 思 ぴ 、 御 機 嫌 を あ や ぶ む 故 に 、 た 璽 不 調 法 を
申 さ ぬ や う に 、 難 の な き や う の み 申 上 て 、 下 の事 は た 璽 宜 し き や う に 、 諸 民 あ り が た が る樣 子 に
.祕本 玉 く しげ 下
' ・
四二流
●
、
祕本 玉ーしげ . 囚三 ハ
のみ申 上 て、す こ し に ても 、 わろ き 事 を申 上 る者 と て は あ る こと な し 、是 は其 人 の申 上 ざ る があ
し きに は あら ず 、 な 上 の事 し く て 、申 去 奮 や う のな ら は し な るが あ し嵳
り、 讐 どち
の 中
に て
スコ ヒ
せ、ら 、 そ の人 のわ ろ き 事 な ど は少 し に て竜 云 にく き物 な れ ば 、 ま し て圭 君 に對 し奉 り て
ぬ
は 、 其 は つ の事 也 、 家 老 た る 人 を は じ め と し て 、 右 の 如 弍 な れ ば 、 ま し て 下 爻 の 人 は 、 い か ぼ ど
目 に あ ま る事 の下 に有 て も 、直 に申 上 るな ど いふ こ と は 、叶 は ぬ こと 也 、 階 級 を 經 て段
よ に申 上
る 事 は 、其 中 途 にて 、 次第 に違 ぴゆ く 物な れ ば 、τ の有 さ ま 、と かく あ り のざ に呈 へは と
ほ り が た し 、 學 問 を し 給 へ ば 、一
書 物 の う ぺ に て 、 大 抵 下 爻 の役 人 の 事 、 民 間 の 事 込 禽 お ほ だ 乂 い
の 所 は 知 る 玉 事 な れ 共 、 當 時 の こ ま か な る趣 は 、 中 女書 物 の う へな ど に て 知 る x こ と に あ ら ず ・
シ リ
下 爻 に は 、 上 の御 存 寄 竜 無 き 事 共 の さ 乱 ノC、あ る な り 、 さ れ ば た 父 書 物 の う へ の 一迺 り の 趣 を 以
告
ス
て は か ら ひ て は 、 思 召 旨 と は 違 ふ こ と 多 か る べ し 、 た と へば 上 に ば 深 く 下 を い た は り 給 ふ 御 心 に
て∵ 養 かに ても昆 の痛 み と なら ぬ やう にと 藩 し め し て も 、其 通 り 下 へぱと ほり が た 丸 他
國 の樣
子 シ
を う け た ま は る に 、 下 弐 の取 は か ら ぴ は 、 上 の 思 召 と は 冷 大 に 相 違 す る 事 共 の あ る 様 子
な り と か や 、 そ の下 のく は し き 樣 子 は 、 上 に は 御 存 知 の な け れ ば 、 た ◎ 仰 出 さ れ た る 通 り に ゆ く
事 乏 お ぼ し め す な る べ し 、 又 下 よ り 願 ふ 筋 な ど も 、 と か く に 中 途 に て 滯 軌 て 、 上 へは と ほ り が た
●
丶
き 事 が ち 也 、 こ れ あ 皆 、 上 の あ ま り 重 主 し く し て 、 遠 き 故 の失 也 、 小 身 の御 大 名 な ど は ↓ 婆 ほ ど
に も あ ら ぬ 事 も あ る べ け れ ど 、 御 大 家 ほ ど 此 失 は 多 き な り 、 鼻
○ 大 小 の事 何 に よ ら ず 、 よ き 料 簡 あ ら ば 、 た と ひ 輕 き 人 な か と も 、 少 し も 欅 る と と 翫 く 、 申 出 る
や う に有 たき も のな り 、
\然 れ 共 惣 躰 た 璽 上 の事 逢 重 爻 し く す る な ら ぴ に て 、 中 爻輕 き 人 な ど は 、
御 教 務 筋 の 事 な ど は 、 申 出 が た き や う の な ら ひ に て 、 萬 一身 分 に 過 た る事 な ど を 申 出 れ ば 、 上 を
曹
輕 し む る な ど い ぴ た て 玉 、 返 て咎 め ら れ 、 或 は 叉 よ き 料 簡 あ り て 申 出 る 事 あ り て も 、 傍 よ り と や
シ
ト
も
ス レ
かく 妨 げ て 、其 申 分 立 が た・ 丶 叉 何 事 に て も 一料 簡 あ る 事 は 、 必 す こ し は 障 る 所 も 有 物 な れ ば 、
テ
そ の障 る 所 よ り こ れ を 妨 げ な ど す る 程 に 、
"申 出 た き 事 有 て も 、 欅 り て 得 申 出 ざ る 也 、 況 や 君 へ諌
言 が ま し き 事 な ど は 、 決 し て 申 上 ら れ ぬ こ と に な れ り 、 諌 書 は さ て お き 、 主 君 の 一度 仰 出 さ れ た
イナ へ
る .事 は 、 詞 を か へ し て 否 そ れ は 共 申 さ れ ぬ こ と に な れ る は 、 あ ま り に 重 爻 し き な ら は し に て 、 甚
し き 玖 道 の妨 也 、 隨 分 に威 を嚴 重 に し て 、 下 の 恐 る 曳や う に す べ き は 、 勿 論 の事 な れ ど も 、 そ れ
も 事 に よ り 、 程 の あ る べ ぎ こ と 也 、 と か く 御 政 務 に つ き て は 、 御 前 へ出 た る 人 、 あ ま り に憚 り 恐
れ ず 、何 事 もう ち く つろ ぎ て 、料 簡 を申 上 るや う にし 、輕 き役 人 を も近 く 召 れ て、 心 ヤす く何 事
を も 申 上 るや う に あ ら ま ほ し き 物 也 、
祕 本 玉 く し げ,
下
・ 、
' 四 二 七
φ
、
丶
.。汐
〆
祕本 玉 く しげ
ト . 四二 八
テ
○ 惣 躰 新 法 の事 を 立 行 ふ に 、 思 ぴ か け ず ・間 違 あ や ま ち な ど あ れ ば 、 最 初 に 其 事 を申 出 し て 、 始 め
ア
た る者 の越 度 と し て 、 こ れ を 咎 む る ヒ と な れ 共 、 最 初 よ り 悪 し か れ と て 始 め た る こ と に あ ら ず 、 ■
思 ぴ かけ ざ るあ や ま ち は是 非 なけ れ ば 、其 者 をと が む べ き事 に はあ らず ド惣 じ て かや う の取 は か
ず
ら ひ も あ ま り 上 の 事 を 重 虫 し く す る か ら 、 あ た ら ぬ 事 も あ る 也 、 さ て 武 士 の 風 儀 と し て 、 上 へ對
シ
し て申 譯 な き事 など あ ると き 、 切腹 す る は、 ま こと に いさ ぎ よ く は あ れ共 、 よ ろ し から ぬ な ら は
し な り 、 實 に 死 な で か な は ぬ 事 は 格 別 な れ ど も 、 其 餘 さ し て の悪 事 に も あ ら ず 、 た 璽 い さ Σ か の
一時 の あ や ま ち に よ り て 、 大 切 な る 一命 を う し な ひ 、 父 母 妻 子 の歎 き も 殊 に深 か る べ ぎ を 思 へば 、
メ
甚 い と ほ し き 事 也 、 願 は く は 此 な ら ひ を ば 停 ま ほ し き 事 な れ ば 、 御 先 代 に-
天 下 一同 に 追 腹 殉 死
を 禁 ぜ ら れ た る如 く 、 此 切 腹 の 事 も 、 上 よ り 仰 付 ら る 払 の 外 は ﹂ 私 に 切 腹 す る事 を ば 、 堅 ぐ 禁 止
せ ら る べ き に や 、 誰 と て も 一時 の あ や ま ち 思 ぴ は か ら ぬ 不 調 法 は 、 あ る ま じ き に あ ら ざ れ ば 、 さ .
の み 深 く 咎 む べ き に も あ ら ず 、 い さ 玉 か の事 に て 、 一命 を・
す つ る には 及 ぶ ま じ き こと也 、 す べ て
少 し の事 に ても 、晶 に ー
o叭り て 切 腹 す る な ら ひ は 、 も と 戰 國 の 風 な り 、 さ て 又 上 の事 を あ ま り 重 柔
し く 取 扱 ふ な ら ひ な る故 、 す こ し の 不 調 法 を し て も 、 身 の た Σ ぬ や う に 思 ふ か ら 也 、 惣 じ て 何 事 .
に よ ら ず 、 圭 君 へ對 し て は 、 た ゴ い さ Σ か の 不 調 法 あ り て も 、 重 く と が む る な ら ぴ な れ 共 、 其 筋
'
一 忙 よ り て 、 大 か た 心 よ り 外 に あ や ま り て せ る 事 は 、 大 抵 の事 は 宥 免 せ ら る べ き 也 、 か や う の 事 を
ツ
至 て 嚴 重 にす る 竜 、 一 の法 に て は あ れ ど 竜 し 今 の世 の な ら ぴ を 見 れ ば 、 あ ま り 嚴 に 過 た る こ と る
.
多 き な り ,
も
ノ
〇 一國 の 政 道 は 、 萬 事 家 老 た る 人 、 心 を 一致 に し て 隔 其 元 を よ く し め く 丶 り γ 其 趣 を 以 て 、 次 よ
,
下 爻 の 諸 役 人 ま で 、.一國 の 諸 事 の は か ら ひ 、、み な 一,
致 す るや う に有 べ き事 也㍉ 然 る に近 來他 國 の
樣 子 を う け給 は る に御 大 家 など は、 まつ 象 老 た る人 ダは さ のみ國 内 の致 事 に、 こま か 忙.
は か 丶は
ら れ ず し て 、 次 な る 役 人 そ の 元 を し め く 、 り て 、 取 は か ら は る 乂と か や 、 こ れ 宜 し か ら ぬ 事 也 、
何 事 に よ ら ず 、 元 の し め く 乂り 、 欧 務 の 出 る 所 は 、 家 老 た る人 た る べ し 、 惣 じ て 重 き 所 よ り 出 た
る 事 は 、 傍 よ り も 妨 げ が た く 、 下 女 の受 る 心 持 も 格 別 に て 、 諸 事 し ま り 宜 き 物 也 、 次 な る 人 に て
個
.
、
ぜ
ノビ チガ リ
は 、 憚 る と ζ ろ 有 て 、 諸 事 の は か ら ぴ 十 分 に 伸 が た く 、 叉 下 の受 る 心 持 も 蓮 ひ て 、 取 し ま り が た
く 、 一致 し が た き 物 也 、 竜 し 一國 の 政 事 一致 せ ず し て 、 た 巴 べ ば こ 乂 の 役 所 の 趣 と 、 か し こ の 徐
へ
所 の 趣 ど ば 相 違 し て 、 同 一國 内 の 政 と も 見 え ず 、 本 の 出 る 所 異 な る が 如 く に て は 、 孜 事 と り し ま
り が た し 、 こ れ そ の本 の く お の所 の・ し ま り わ ろ き が ゆ ゑ 也 、 叉 そ れ ぐ う け と り 鳥 を役 義 を
レ
スク
ば 、 自 分 の身 のう へ の事 に し て 、 隧 分 身 を 入 て 働 く べ き 事 な る に 、. 左 樣 の人 は 少 な く て、 た ゴ不
祕 本 玉 く しげ 下 ・
四 二九 ・
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瀞
●
祕 本 玉 く しげ 四 三〇
カ
グ
調 法 さ へな け れ ば よ し と し 、 叉 我 役 の 内 不 調 法 な く て さ へす め ば 、 跡 は い か や う に な り て も か ま
はず 、 た善 身 分 のた め の用 心 を のみ第 亠に し て役 義 のた め の事 は 思 はず 、 叉 た ま く 心 あ る人 の
役 の内 に、悪 き事 を直 し、 よき 事 を始 め お き など し ても 、 其 人 役 替 有 て のけ ば其 跡 役 の人 は 、身
レ
に 入 て 世 話 も せ ぬ 故 . た ち ま ち 滄 失 て 、 よ き .事 を 始 め お き 充 る も 釜 な く 、 叉 本 の く 乂 り 所 に し 吏 、
り 無 け れ ば 、 下 は 心 墨 別 麦 の や う に な り て 、 た と へば 先 役 人 の時 に 、 堅 く 約 束 し た る事 も 、典 人
ノ チ
か は れ ば 、 跡 役 の 人 はそ れ を 用 ひ ず 、 そ の 約 束 の 事 も 立 が た き や 弥 に な る 、 こ れ ら 大 .
に あ る まじ
き 事 也 、 何 國 に ても 役 人 は 、 下 莖 の た め に は 、 殿 襍 も 同 前 な れ ば 、 た と ぴ 其 人 は い く た り 巷 る と
も 、.
前 に 一度 約 し お か れ た る 事 は 、 決 し て 變 ず ま じ き は つ 也 、 す べ て か や う の事 と り し ま り な く 、
約 束 な ど た や す く 餐 じ て は 、 お のつ か ら 上 を 輕 し む る端 と 成 て 、 命 令 な ど も 行 は れ が た ぐ な る 事
岸
麟
也、
○ 世 に 目 附 と い ふ 役 あ れ ど も 、 獪 又 諸 役 人 いつ れ も 、 互 に 目 附 役 を す る が よ 鵞 也 、 そ れ は い か に
り
と 云 に 、 ま つ 今 は 自 分 の受 取 ま へ の 役 目 を さ へ勤 む れ ば 、 他 の役 義 の 事 は か 玉 は ら ぬ こ と Σ し て 、
た と ぴ 傍 に目 に あ ま る ほ ど の わ ろ き 事 、 或 は ぶ て う は ふ な 乃 は か ら ぴ を す る 事 有 て 、 上 の 御 た め
にも 、 下 のた め に も 、 よ ろ し から ぬ事 と は 見 う け な が ら も 、我 役 義 にあつ から ぬ事 は 、 た ゴ そ の
ま Σ俔 て居 る ば かり 也 、 これ 甚 不 忠 な るこ と な れ 共左 樣 な る なら ぴな れ ば 、心 あ る人 も せん か た
な 七 、然 る を たと ひ 己 が か かは ち ぬ他 σ役 義 のう へ の事 にも せ よ 、宜 し から ず と 思 ふ事 あ ら ば、 .
互 に心 を添 て 相助 け 、叉 事 に より て は、早 速 に申 出 るやう に あ ら ば、、てれ諸 役 人 み 叡 た がぴ に目
附 役 と な るヒ と也 、
○ 惣 じ て物 を得 る こ と を願 ふは 、午 人萬 人 ま ぬ か れ が たき 人 情 の つね にて 、本 よ り然 惹 べ き理也 、
そ れ に付 て は 一 物 を 人 のく る Σを悦 ぶ も 、又 入 情 な る故 に、 物 を 人 に贈 り て.志 の ほど をあ ら は
ナ・
直 本 よ り然 あ るべ ぎ 道 理 、古 含 つ れ の國 と ても 皆 同 じ 事也 、 さ れ ば募 事 に、 そ の相 手 の
入 を挽 ば せ て 、其 事 を成就 せん と は か る に、 賄 賂 と いふ物 を つか ふ事 のあ る竜 、 お のつ か ら然 る
べ き勢 也 、 さ て物 を得 る を挽 ぶ 依、 本 よ り 人 情 な れ ば 、 そ の賄 を受 るも 、 さ のみ咎 とも いぴ がた
心、 殊 更 此 事 世 中 の 秦 て のな ら ぴ と 成 ぬ .
・謬 れ ば 、其 人 を深 く と が む べ き事 にも あ らず 、 然
へ
れ 共 此 賄 の 筋 は 、 甚 國 政 の 害 と な る 事 故 に 、 古 よ り 深 く こ れ を い ま し む る事 な れ 共 、 と に か く に
ヤミ
止 が たき 物 に し て 一次 第 に塘 長 し 、 近來 は殊 に甚 しき 事 共 あ り 、 そ れ も圭 君 た る人 正 し け れ ば、
の
悔 さ す が に 身 分 重 き 役 人 は . お の つ か ら た し な む 事 も み れ 共 、 下 よ の役 人 は 、 上 へは 知 れ ぬ 事 を よ
ノ
く の み こ み 居 る う へ に 、、た と ぴ 万 一知 れ て も 、 身 分 輕 け れ ば 、 高 を く 玉 り て 、 憚 る所 な く 、 何 事
祕 本 玉 く しげ 下 、
卩.
四一
一コ
鞠
◎
祕 本 玉 く しげ 四 三 ご
に も と れ を む さ ぼ る也 、 又 圭 君 ぐ る み に昧 き は 、 上 中 下 お し な べ て 、 い よ / \ 甚 し き 事 あ り 、 其
中 に た と ぴ た ま / \ 廉 直 な る 人 有 て も 、 其 自 分 の役 義 ば か り こ そ 廉 直 な れ 、 外 墨 の防 ぎ に は な ら
ず 、 叉 目 附 横 目 を つ け て も 、多 く は 其 人 ぐ る み に 、 此 道 に お ち い る 故 に 、 釜 あ る と と な し 、 惣 躰 ,
近 世 は何 事 によ らず 、 此賄 の行 はれ ざ る事 は な く し て 、公 事 訴 訟 に横 し ま な るさ ば き を な し 、 刑
罸 に あ た ら ざ る 事 多 き な ど は 、 申 す に 及 ば ず 、 其 外 諸 の作 事 普 請 な ど に 付 て も 、 此 筋 も つ は ら 行
は る 曳とと 也 、 そ れ も 少 ・
﹀づ 曳 の 事 は 、 さ て も 有 べ き な れ 共 、 曲 し き 事 の み 多 く し て 、 す べ て 賄
を 多 く つ か へば 、 其 仕 方 わ ろ く て も 、 よ し と し て 是 を 濟 し 、 賄 す く な け れ ば 、 よ く て も わ う し と
マ も ス キ
い ぴ て濟 さ ず 、 そ れ ゆ ゑ に 下 な る 者 も そ こ を 計 り て 爲 べ き 事 を ば 多 く 手 拔 を し て 、 賄 を つ か ひ て 、
其 事 のす む や う に し 、 叉 法 度 に そ む き た る 事 を す る 者 も 賄 を つ か へば γ 見 ぬ ふ り を し て 、 是 を 誉
め ざ る 故 に 、 賄 を 行 ふ て 悪 事 を な す 者 も 世 に 多 し 、 獪 此 外 も 此 筋 に 付 て は 、 種 莖 さ ま λ广
\ の正 し
か ら ざ る 事 多 く し て 、 こ と み \ く は擧 る に い と ま あ ら ず 、 餘 は お し は か り て 知 べ き 也 、 す べ て 世
申 に 此 筋 盛 ん な る 故 に 、 お のつ か ら 國 政 正 し く は 行 倣 れ が た く 、 叉 上 に 損 失 あ る 事 お び た Σし く 、
ル ス
下 に も 損 害 甚 多 し 、 た と へ ば 金 干 兩 入 べ き と こ ろ を も 、 役 人 へ 三 百 兩 賄 す れ ば 、 五 百 爾 に て濟 故 '
トク ム
に 、 下 に も 二 百 兩 の得 あ れ ど も 、 上 に は 五 盲 兩 だ け の所 の 損 あ り 、 或 は 五 百 兩 に て濟 べ き 事 も 、
賄 を ぜ ざ れ ば 、 七 百 兩 も 八 百 爾 窓 ん て 門 其 二 百 兩 三 百 爾 は 脇 道 へ拡 ⋮
鶴 や う の事 も 有 て 、 上 に も 利
な く 、卩下 に は 大 損 あ り て 、 あ 吏 つ さ へ上 を 恨 み 奉 る ヒ と 甚 し 、 さ れ ば 國 政 の 大 害 下 民 の 大 患 、 此
賄 に 湯 た る は な し 、 然 れ 共 上 と 下 と は 甚 遠 け れ ば , そ の吟 味 も と か く 行 と 穿 き か ぬ る事 な れ ば 、
ム ル ら
弋 れ を 止 る法 は 、 まつ 賄 を 取者 を禁 む ゐ のみ な らず 、 これ 遊 つか ふ者 をき び しく いま し め て、 何
事 に よら ず 、 い さ N か に ても 賄 を つか ふ者 、相知 る Nに於 て は、急 度 曲 事 に申 付 べ し と の旨 を つ
ねつ ね 觸 お か れ て、 竜 し犯 す 者 あ ら ん には 、山 人 二人 き び しく 咎 めら れ な ど せ ば 、 つか ふ者 は勿
ル
論 に で 、 取 人 も お のつ か ら 氣 味 わ う か る べ く 、 上 の制 禁 な ら ん に は 、 こ れ を つ か は ぬ を 怒 る こ と
ル ( ル
も え せじ 、 そ も ノ\ 賄 は ﹂ つ かふ者 に は と が な く し て 、罪 ば取 者 に あ る事 な れ共 、 取 者 を のみ制
ヤミ
し て は 止 が た け れ ば 、 つ か ふ 者 を い ま し む る 竜 、 一つ の權 道 な る べ き に や 、
マ マ
○ 公 事 訴 訟 願 ぴ 事 、 御 咎 め 筋 な ど の麺 、 早 く 濟 し て も よ き こ と は 、 隨 分 な る べ き た け 早 く 濟 す べ
き 也 、 な ほ さ り に し て 、 一日 も す て お く べ き に あ ら ず 、 下 に て は 、 惣 じ て 上 へか xり た る筋 の事
ボ ム
は 、 い さ 曳 か の 事 に て も 、 相 濟 ま で は 、 甚 心 勞 す る こ と に て 、 殊 に貧 し き 者 な ど は 、 家 業 に も 障
カ
り レ 甚 迷 惑 す る 事 な る に 、 上 に か ま ふ 事 な け れ ば と て 、 な ほ ざ り に捨 貴 て 、長 引 す る は 、 い と 心
り
な き 事 な り 、 叉 訴 訟 に か ぎ ら ず 萬 の事 に 、 權 門 が 瓦り の 筋 は 、 取 さ ば く 役 人 の 、 甚 迷 惑 な る 蔭 の
祕 本 玉 くし げ 下 阜
四三三
耀
﹁祕 本 灘 く し げ .
四毘 闘
.
に て 、 こ れ 大 な る 國 致 の妨 と な る 事 あ り 魁 さ れ ば 何 事 に よ ら ず 、 權 門 の威 を 以 て 押 す 事 、 叉 下 ζ
ま で 圭 人 の 槎 威 を ふ る ひ て 、 無 理 非 遘 め ふ る ま ぴ を す ま じ き 旨 、-常 に き び し く 制 せ ら る べ く 、 又
,
諸 役 人 、 い さ エか も 權 們 を 揮 り て 隔 .
不 正 の判 斷 な 芝 を な す ま じ き 旨 を も 命 ぜ ら る べ き な り 、 此 事
は古 よ 砂異 國 にも本 朝 にも つね にあ るな ら び にて 、誰 も よ く合 點 は し た る ことな れ 共 、 と か く蹟
が た き物 也 、
でケ
○ 刑 は隨 分 ゆ る く 輕 き が よ き 也 、 但 し 生 て お き て は 、 た え ず 糧 の 害 を な す べ き 者 な ど は 、 殺 す も 嘗
よ き 也 、 き て 一入 に て 竜 人 を 殺 す は 、 甚 重 き 事 に て 、 大 抵 の事 な れ ば 、 死 、
刑 には 行 は れ ぬ定 まり
な る嬢 、 ま こ と に 有 が た き 御 事 也 、 然 る に 近 來 は 決 し て 殺 す ま じ き 者 を も 、 其 事 の吟 味 のむ つ か
し き 筋 な ど あ れ ば 、 毒 藥 な ど を 用 ひ て 、 病 死 と し て 、 そ の吟 味 を す ま す 事 な ど も 、 世 に は 有 と か
ケ
う け 給 は る は 、 い と 竜 ノ \ 有 ま 諺 き こ と 也 、.叉 盜 賊 火 付 な ど を 吟 味 す る時 , 覺 え な き 者 も 、 栲 問
せ ら れ て 、 苦 痛 の甚 し き に え た へず し で 、 僞 り て 我 也 と 白 牀 す る 事 ある を 、 白 駄 だ に す れ ば 、 眞
僞 を ば さ の み た f さ ず 、 其 者 を 犯 入 と し て 、 其 刑 に 行 ふ や う の類 も あ り と か 、 是 叉 甚 あ る ま じ き
事 也 、 刑 法 の 定 蜜 り は 宜 し く て 竜
、 其 法 を
守 る
と し て
、 返 て
輕 童鞠し く 人 を 殺 す 事 あ り 、 よ く ノ 丶
.
つ ﹄ し む べ し 、 た と ぴ 少 美法 に は は つ る 曳 こ と あ り 共 、 と か く 情 實 を よ く 勘 へて 、輕 む る方 は 難
リ
な か る べ し 、 さ て 叉 異 國 に て は 、 怒 に ま か せ て は 胤 み だ り に 死 刑 に 行 ぴ 、 貴 人 と い へど も 、 會 釋
アテ
竜 な く 嚴 刑 に お こ な ふ な ら ぴ な る に 、 本 朝 に て は 、 重 髱 人 は 、 そ れ だ け に 刑 を も ゆ る ぐ當 ら 剤 \ ,
● これ叉 あり が たぎ 御 事 な り 、
○ 何 礬 に て も 、 先 規 よ り の 法 を 守 る と い ふ は 、 天 下 一同 の事 に て . ま ヒ と に よ ろ し 鳶 こ と 也 、 然
れ 共 近 來・
は、 こ肛 を守 ると いふ はた 璽名 ば かり にて 、實 は大 に くつ れ て、 其 法 の本 慧 にも・
背ける
い デ
事 の み多 し、 又 法 は法 と 立 お き て、 其 法 を よ け て 、 さ はら ぬや う に悪 事 をな す 者 甚 多 き を 、 た 玄
法 だ に 立 ば 、 い か ほ ど 麗鋤蟇 を な す 者 有 て 竜 、 と が め ざ る 事 あ 勢 、'た と へば 關 所 を こ ゆ る こ と か な ,
は ざ る 者 る 嬉 ぬ け 道 を し て 通 れ ば 、 と が む る事 な く 、 其 閣 を さ へ越
、
ざ れば 、 見 のがす や う のと と
あ り 、 萬 の 事 に 此 類 お ほ し 、 但 し 昔 定 ま り た る法 竜 、 年 代 久 し く う つ り 、 世 の 竜 や う の か は れ る
に つ き て は 、 今 は 其 法 の 如 く な ら で も 害 な き 事 、 又 其 法 の守 り が た き 事 な ど 竜 あ る を ば 、 大 目 忙
テ
見 ゆ る し な が ら も 、 ぴ た す ら に 先 代 の法 を 癈 せ ん こ と を ば 欅 り て 、 其 法 を ば や は り 法 と 立 お ぎ て 、
背 か ざ る や う に す る は 、 お のつ か ら 本 朝 の あ つ ぎ 古 意 に か な ぴ て 、 宜 し き 事 な れ ば 、 其 事 の筋 に
竜 よ るべ き竜 のな り 、
○ 近 來 は 上 よ り 命 令 あ る 事 を 竜 、 下 に は ゆ る か せ に 思 ぴ て 、 是 を 守 ら ざ る轟 ・
多く、叉しばらくは
祕 本 玉く し げ 下
}
` 麟三五
、
・秘
W
、
啣
祕本 覊べしげ ・
・
,
.
四三六
守 る事 も あ れ 共 、 程 な く くつ る 玉、 これ 甚 あ るま じ き事 也 、 一度 仰 付 られ た る事 は 、長 く堅 く ご
熄
れ を守 るや う にあ ら ざ れ ば 、政 道 立 が た し、 然 る に かや う に制 令 法 度 の立 が たき は、 い かな る故
ぞ と い ふ に、 上 より命 令 出 る事 あれ ど 竜 、 距 璽 一通 り是 を觸 渡 す ば か り に て由 其 令 を守 る か守 ら
ぜ る か の吟 味 も なく 、 犯す 者 有 て も、 咎 めも な き故 に、 や ぶ れ やす く し まり が たく 、 叉 上 に も申
せ る 如 く ﹂急 度 約束 有 し 事 も 、 距ち まち 燮 じ 、或 は竄 き役 人 の證 文 な 芝 さ ぺ、 反 古 に な り てや く
にた 製ず 、す べ て かや う に、 下 に封 し て 、上 の信 な き事 多 き と き は ﹂ 下民 も 上 の仰 せ を つ xし ま
ず 、 お のつ か ら輕 しむ る心 出 來 て、命 令 を "
も守 らざ るや う に な る也 、 又 す べ て 命令 の趣 は 、 ζ と
ご と く 道 理 の つみ た る事 にあ ら ざ れ ば 、 下 の心 か ら歸 服 は せ ぬ竜 の なり , い覆
さ xかに ても 、 上 の ,
勝 手 に ま か せ て、 尤 なら ざ る事 のま じ る時 は 、 う は べ こ そ威 勢 に畏 れ て、 服 せ るや う な れ 、内 糞
に て は あ ざ 笑 ぴ て、 中 至麟 服 は せず 、 か 紀 う の事 も , 上 を か ろ しむ る端 と な る事 な れ ば 、 よ く よ
く 心す べ き こ と也 、 と に か弌 に下 の上 を恐 れず 輕 も む る 心 のあ る は、 第 一に宜 し から ざ る事 ぞ か
。 し 、 ・
○ 近來 諸 大 名 方 用脚 不 足 な る が多 き に付 て 、 御 勝 手方 と 云役 人 多く あ る事 也 、 是 ば そ の領分 の内
何 事 によ らず 、内 外物 入 の筋 に心 を つけ て、隨 分 は ぶ か る Σた け は は ぶ き﹂ 或 は諸 事 に算 用 工夫
を つけ て 、物 入す く な く 、費 な きや う を は か る べき 役 に し て 、 そ れ は當 時 随分 尤 な る事 也 、 然 る
に他 國 の様 子 をう け たま は る に、 此 役 人 は 、 た Ψ いろノ \ と働 き て、 金 銀 の 工面 をす る を つと め
と せり 、 さ て そ れ は 、 專 ら 金銀 を得 る 工面 分事 な れ ば 、 お ほ く町 人 を相 手 と す る こと故 、武 士 か
たぎ の人 にて は 、 手 行 よ ろ し か ら ざ れ ば 、商 人 心 の、 金 銀 や り く り に 功者 な る人 を え らむ 事 故 、
ゼヅ
下 逢 いた は る憐 愍 め 心 など は な く、小 かや う に し てな り 共 、當 分 金銀 を多 ぐ 得 る を働 きと し て 、
後 日 の大 害 を 竜 か へり 見 ず 、 君 の御 恥 辱 を竜 思 は ず 、 ぴ たす ら に利 を む さ ぼ る商 人 の如 し 、然 る
に 上役 の入 鎖と て竜 、 まつ さ し當 り て金 銀 の手 ま は り て、御 用 の逹 す る が、當 分 目前 の功 な る故
に、 これ を賞 す る から 、 いつ く に ても 此 筋 の役 人 は 、す らノ\ と立 身 をす る事 にて 、大 か た當 時
は、 此 御 勝 手 をは た ら く が、第 一の政務 のや う に成 て 、金 銀 を多 く 得 るは 、敵 國 を 切秘 たら ん如
マ
く の功 と な る所 竜 あ り と かや う け給 は る 、抑 か やう に、當 分 の御間 を合 さ ん た め ば かり に 、 君 の
御 滅 光 をも 損 じ 、國 政 の妨 と な る事 、 何 に付 て・
も 多 く 、 叉 下 の上 を恨 み奉 る こと 竜 甚 し ぐ、 お の
つ か ら 上 を か ろ し む る は し共 な る は、 いと ノ\ な げ かは し き 事 なサ 、然 り と い へ共 、 ま こと に御
勝 手・
大 に さ し つま り て、 営分 のま かな ぴ 竜 出 來 がた き時 に於 て は、 まつ 金 銀 を得 るに あ ら ざ れ ば、
さ し あ たり て い が に とも 作 略 す べき や う な け れ ば , 左樣 の時 は、 此 働 き を重 く 賞す る竜、蓮 の當
壽
、 麗本 玉くしげ下 四三七
転
秘本 薫くしげ ㌧
圏三八
然 也 、 叉 これ を働 く も 、時 に臨 み て の大 功 な れ ば 、 全 く 其 人 をわ う し と い ふべ き こと に盗 あ らず 、.
た ぼわ う き は、 左 様 に御勝 手 の さ し つま る やう にな るが わ ろ き な れ ば、 と かく 其 本 を よく 吟 味 し
ザ
丶 諸 事 を い かや う に つめ て な り共 、物 入 の少 な き や う にし て、是 非 と も御 牧納 にて 何 事 も 事 足
るや う に相 働 かん ぞ 、 肝要 な るべ き 、
恥
○ いつ れ の御 大 名 に竜 、 無 釜 の輩 に 、永 よ扶 持 知 行 を給 ふ事 お ぼ し 、昔 は いつ れ も御 勝 手 ゆ るや
かな り し故 に、 さ し て竜 な き 遊藝 の輩 な ど に も 、左 樣 に御 扶 持 を多 く給 ぴ て 、代 洩御 扶持 人 とな
げ
れ る者 多 け れ共 、 これ ら は 無 爺 め費 也 、儒 者 醫 師 のたぐ ひも 、 そ の時 にす ぐ れ た る を撰 て冉 召 抱
'
ら るべ き は勿 論 の事 な れ ど 愁 、 いつ〆れ も其 子 の代 に な り て は、 學 問 も 藝 も 大 にお と る物 に て、殊
に身 に祿 あ れ ば、 家 業 にお こた 軌 て、 多く 御 用 に も立 が た く、 祿 お ほけ れ ば、 身 分 重 ≧し く成 て 。
.
孫 更 業 をば お こ た る也 、 其 外 雜 藝 の輩 惣 ど も 、 御 用 あ ら ば 、時 嵐 に 召抱 ら れ て、 少 柔づ 聴わ 祿 を
給 は ん 事 は 、御 大 名 の御 身 上 にて は 、 隨 分 さ も 有 べ き こと な れ共 . 一たび 抱 え ら れ た る者 は 、 何
の御 用 も な き に、永 鎖 いたづ ら に多 く の御 扶 持 を給 は り て 過す 者 、江 戸 京 など に も、 其 國 元 にも
り
多 き は、
曳甚 し き 奢 の費 也 、ナ ベ て何 職 臨、 祿 を世 爻にす る健 、本 朝 の古 格 に て、 厚 き風 儀 に ては
あ れ共 、 そ の筋 にも よ るべ き事 也 、 然 れど も 久 しく 有 來 り た る事 の、俄 に改 まり て ゆ 、大 に難 義 .
漸
に 及 ぶ 者 多 け れ ば 、 右 の類 と て も 、 御 先 代 よ り 有 來 り た る 分 は 、 今 さ ら 故 な く 祿 を め し は な た る
ツ
べ き 事 に あ ら ず 、 さ れ ば 左 樣 の輩 は 、 隨 分 御 用 に も 立 や う に 、 そ れ ノ 丶 の 家 の 道 を 串 精 し レ 相 は
ヘ マ フ
げ み て 、 其 道 よ に 、 此 上 新 加 の 人 な く て 、 御 聞 の 合 や う に あ ら せ ま ほ し く 、 獪 又 そ の 藝 す ぐ れ て 、.
某 殿 の 御 内 の其 入 と 、 他 國 ま で 竜 名 を あ ぐ る ほ ど に 竜 あ ら ば 、 殊 更 忠 勤 に て 有 べ き 事 也 、
G 武 士 の 兵 衛 軍 法 を 第 扇忙 心 が く べ き 事 は 、 今 さ ら 申 す に 及 ば ざ れ ど 竜 、 今 治 李 の 御 代 久 t く っ
つ き た る こ とな れ ば 、法 も術 も、 實 用 を■
こ 玉 う み 知 れ る 人 は 、 一入 竜 な け れ ば 、 た 璽 家 鉱 に 傳 は
へ
り た る 通 り を學 び な ら ぴ て 、 其 上 は た f 面 柔 の 工夫 の み な る が 、 そ の 工 夫 と て も 、 實 に こ れ を 試
亀
む る に 非 ざ れ ば 、 畢 竟 み な 室 按 也 、 さ れ ば そ の同 じ 室 按 の 中 に も 、 た 冥 遘 理 の あ た る あ た ら ざ る
ば か り を ば 考 へず し て 、 と か く 實 用 の所 を 心 が く べ き 也 、 さ て 又 時 代 の う つ る に つ き て は 、 世 中 .
のもや-
う 人 の 氣 質 な ど も 、 う つ り か は る物 な れ に レ 昔 の 法 の ま ﹄ に て は 、 今 は 宜 七 か ら ざ る 事 も ・
﹁
あ る べ け れ ば 、 其 時 代 / \ の 世 中 の も や う 、 入 の氣 分 な ど を よ く 辨 へて 、 昔 の法 を も 、 こ れ に 引 ・
當 て 考 ふ べ き 也 、 さ て 又 も ろ ノ \ の武 術 も 、 治 季 の 代 に は 、 實 用 す る事 な き 故 に 、 お ぼ く ば華 法
と い ふ 物 に し て 、 見 分 の よ ろ し き を よ き こ と に し て 愚坊 拙 を 定 め 、 實 用 の 巧 拙 を ば 思 は ざ る 事 多
も
し、 弓 を學 ぶ に竜 、 た 冥的 にあ た るこ と を詮 と し、 張 弓 をぴ く 事 を のみ よ し とす 、 此 二 つは いかい
秘本 玉 ーし げ 下 四三 九 ∼
ノ
祕本 玉 く し げ 四 四 〇
に 竜 弓 の肝 要 に は あ れ 共 、 實 用 は あ な が ち こ れ ら の み に 竜 限 る べ か ら ず 、 其 外 に も 、 敵 を う け た
も ル
る時 、 防 ぐ に も 攻 る に も 、 こ れ を 用 ひ て 、 利 方 お ほ か ら ん や う を 考 ふ べ し 、 叉 馬 を 乘 と て も 、 た
だ 馬 に ば か り い か ほ ど よ く 乘 て も 、 實 用 に は 釜 す ぐ な し 、 た 璽馬 上 忙 て の働 き を 心 が く べ し 、 馬
ム
に 乘 る ほ ど の 人 は 、 今 の世 の 火 淆 な ど 分 如 く 、 た 父 下 知 ば か り を し て 濟 物 と 思 ぴ て は 、 大 に 違 ふ
べ し 、 軍 書 を 見 て 、 む か し の馬 上 の働 き を 知 べ ぎ 也 、 す べ て武 術 を 稽 古 す る に は 、 何 に よ らず 、
皆 此 心 がけ肝 要 た る べ き也 、
炉○ 武 道 軍 術 の た め に は と か く 軍 談 の書 を 常 墨 見 る が よ き な り 、 そ れ も 源 李 盛 衰 記 太 干 記 な ど の類
は 、 お も し ろ く は あ れ 共 、 よ ほ ど 時 代 ふ る き 故 に 、 近 世 と は も や う の違 ぴ た る 事 多 し 、 た ぼ 足 利
・の 代 の 末 つ方 の 戰 の や う を よ く 考 ふ べ し 、 殊 に 織 田 豊 臣 の 御 時 代 の軍 は 、 古 今 に す ぐ れ て 、 た ぐ
ぴ な く 功 者 な る も の 也 、 大 か た 武 士 は 、 つ ね ん \ か の 時 代 に 在 て 、 か の戰 の中 に ま じ り 居 る 心 持
に な り て 、 武 道 を ば 心 がく べ き 事 也 , さ て 唐 土 の通 俗 の 軍 書 共 は 、 見 て 釜 す く な し 、 斷 の 模 樣 竜
マ へ
大 に か は り 、 時 代 も 遠 け れ ば 、 間 に あ は ぬ 事 のみ 多 し 、 か の 國 の 古 の 名 將 共 の 、 大 利 を得 た る 計
策 な ど 、 今 の 人 に 用 ぴ て 、 心 や す く 欺 か る 玉物 に あ ら ず 、 其 外 す べ て 唐 土 は 、 軍 法 議 論 な ど は 道
理 を つ く し て 尤 に聞 え 、 甚 功 者 な る や う に 見 ゆ れ 共 、 實 用 に 至 て は 、 さ や う に も あ ら ず 、 軍 の 仕
方 は 、 此 方 の近 代 に く ら ぶ れ ば 、 大 き に つ た な し 、 然 る を 世 人 の 心 に 、 唐 土 と い へば 、 軍 の 仕 方
も 格 別 に 妙 な る べ き も の 乂 や う に 思 ひ 、 叉 殊 の 外 大 國 と 心 得 、 そ れ に 應 じ て軍 勢 も 、 甚 大 軍 な る
べき や う に 心得 て 、 おち 恐 る 製は、 皆 大 な るぴ が とと也 、 まつ 彼 國 をび たす ら大 國 と のみ 心得 6
ヒ
∴
も、 料 簡 違 あ り , 其 故 は 、 國 の 廣 さ は 、 い か に 竜 甚 廣 き 事 に て 、 日 本 の 十 倍 など よ り も 遯 た れ ど 二
も、 然 れ共 日本 にく ら ぶれ ば 、 いつ く も ノ\ 筌 盧 の地 多 く し て、廣 さ 相 應 に は 、 田 地 も人 民 も ナ
リ
く な く 、 物 成 竜 い と す く な け れ ば 、 軍 竜 さ の み 格 別 の大 軍 な る こ と 竜 な し 、・こ れ `
み な 世 巣 の書 に
の せ た る 、 彼 國 申 の 戸 口 の数 、 軍 賦 の數 な ど を 見 て 竜 、 よ く 知 ら る 玉 こ と 也 ﹂ 既 に 豐 臣 太 閤 朝 鮮
御 征 伐 の時 、 唐 土 よ り の 加 勢 の軍 な ど を も 、 此 方 の人 は 五 十 萬 百 萬 な ど 曳聞 て 、 お び た 玉 し き こ
と のや う に い び ふ ら し つ れ ど 竜 、 大 な る 相 違 に て 、 其 時 の 軍 兵 、 始 絡 十 菖 に も 過 た る こ と は な し ︾
む み
そ れ程 の軍 兵 も 、 大 抵 の事 に ては 、 か り催 し が た く て、 いろ ノ\ と 世 話 をや き て、 やう く に催
チ ヒ
し 立 た る と こ ろ . 右 の ご と く な り し . こ れ 皆 彼 國 の 書 共 に 見 え た る 事 也 、 さ て か の 時 の戰 は 、 此
方 にも 小 西 の如 豊 鸚 紳 の つき た り し衆 も あ り つれ ば こそ ・ ま れー に 覧 軍 も あ い つれ 左
ギヤオヂ
樣 の聞 懼 だ に せず は、 始 絡 毎度 十分 の勝 た る べし 、 さ て加藤 圭 計頭 殿 の蔚 山 に籠 城 せら れ し時 に、
野 畢 楊鎬輩 だ耋 法は・古今髭 類なしとい氤 藩 重なりし籍 て・朝 鮮の諸人驚憙 O
祕本玉くしげ下 、
: 四四 凋
﹂
補
祕 本 玉 く しげ 9
四四二
じ て 、 た の もし く 思 ぴ 挽 び し か 共 、 久 し く 攻 て 、 つ ぴ に彼 城 を 落 す こ と あ た は ず ギ あ ま つ さ へ.
リ テ キ ケ
は て に は 、 行 長 が 後 詰 に 切 立 ら れ、
て 、 蜘 の 子 を ち ら す が 如 く 、 と る物 竜 と り あ へず 、 我 先 に と 逃 .
リ ガ ガ
去 し は , あ 壗 ま し か り け る 有 樣 な り き 、 す べ て 唐 土 は 何 事 も み な か く の如 く に て 、
と 巧 に 聞 ゆ れ 共 、 實 用 に 至 て は さ も あ ら ざ る 事 、 此 一事 を 以 て も お し は か る べ し 、 殊 に か の蔚 山
の城 を 攻 し 時 の軍 に は 、 唐 土 朝 鮮 の全 力 を つ く し た り し よ し 、 彼 國 の書 に 見 え た る を 、 そ れ さ へ
右 の 如 く 、 あ さ ま し き 敗 軍 に 及 び た り し を 思 ふ べ し 、.又 此 方 、 戰 國 の こ ろ 、 西 國 邊 の あ ふ れ 者 共 、
.、
が
唐 土 へ渡 り て 、 濫 放 狼 籍 せ し 事 、 明 の 代 の書 共 に 多 く 見 え て 、 倭 寇 と 稱 し て 、 殊 の 外 に 恐 れ 、
苺 度 大 に 手 に あ ま り て 靜 め か ね 、 國 申 の大 騷 動 な り し 事 也 、 ご れ 此 方 に て は 、 世 の 人 も 一向 し ら
ざ り し 程 の事 に て 、 た 璽 わ つ か の あ ふ れ 者 の し わ ざ に て 有 し す ら 、 彼 國 に て は 右 あ ご と く 、 毎 度
大 き な る騷 ぎ な り し 、 こ れ を 以 て も 、 唐 國 の軍 法 の 拙 く 弱 き 事 を 知る べ し 、 然 る を 例 の・
麿 び いき
螂
の儒 者 な ど の 、 ぴ た す ら 彼 図 の軍 法 な ど を ほ め あ げ 、 高 ぶ り て 、 武 士 を お ど す は い と を か し く か
サ
た は ら い た き 事 也 、 吾 日 本 は 、 あ り が た き 神 威 の 護 の嚴 重 な る 事 は 、 申 す に 及 ば ず 、 國 の殷 富 、
田 地 人 民 の甚 多 き こ と 、 外 國 の か け て も 及 ぶ と こ ろ に あ ら ず 、,
殊 更 御 當 代 、 天 下 諸 國 の蕃 鎭 の 盛
大 な る , 今 た と ぴ 武 備 は 少 柔 お こ た り 有 と い ふ 共 、 な ほ 甚 堅 固 な れ ば 、 た と ぴ 他 の い か や う の大
轡
ギ
國 よ り 、 寇 賊 來 る と い へ共 、 さ の み 畏 る 玉 に は た ら ず 、 ゆ め ノ \ 聞 お ち な ど す べ き に あ ら ず 、 ζ
韜
れ叉 武 士 の常 に心得 居 るべ き事 に て、 西 國 方 は 申 す に及 ばす 、何 方 に て竜 、海 面 受 た る國 ・
・は獪 `
更也、
○ 凡 そ 天 下 の大 名 た ち の 、 朝 廷 を 深 く 畏 れ 厚 く 崇 敬 し 奉 り 給 ふ べ 遭 筋 は 、 公 儀 の 御 定 齢 の通
り を 守 り 給 ふ 御 事 勿 論 也 、 然 る に 朝 廷 は 今 は 、 天 下 の御 政 を き こ し め す こ と な く 、 お のつ か ら
び
世 問 に 遠 く ま し ま す が 故 に . 誰 も 心 に は 奪 き 御 事 依 存 じ な が ら も 、 事 に ふ れ て 自 然 と 敬 畏 のす ぢ
㌔
メ
な ほ ざ り な る 事 も な き に あ ち ず 、 抑 本 朝 の 朝 廷 は 、 紳 代 の 初 よ紅 、 殊 な る 御 子 細 ま し ま す 御 事
"
に て 、異 國 の 王 の比類 にあ らず 、 下萬 民 に 至 るま で、格 別 に有 が た き道 理 あ り 、 此事 別 卷 に委 く
申 せ る が 如 し 、 さ れ ば 一國 一郡 を も 治 め 給 は む 御 方 立 は 、 殊 さ ら に 此 子 細 を 御 心 に し め て 、 忘 れ
レ チ シリ
給 ふ ま じ き 御 事 な り ﹂ 是 卸 大 將 軍 家 への 第 一の 御 忠 勤 也 、 い か に と 申 す に 、 ま つ 大 將 軍 と 申 、
◎ アヅマチルカムミ
奉 る は 、 天 下 に 朝 廷 を 輕 し め 奉 る 者 を 、 征 伐 せ さ せ 給 ふ 御 職 に ま し ! \ て 、 これ ぞ 東 照 神 御
オヤノ
祺 命 の御 成鼎
菓 の大慈
峩な れ ば 也 、 さ て叉御 武.
蓮 長 久 、 御 領 内 上 下 安 靜 、 五﹂
穀豐 登 の御 所禧⋮
にも 、 こ
れ に過 た る御 事 あ る べ か らず 、 そ の子 細 は 、
朝 廷 を畏 れ尊 み奉 り給 ふ は 、
天 照 大 御紳 の大 御
心 に叶 ぴ給 ふ御 事 に て 、天 神 地紙 の御 加 護 厚 か るべ け れ ば な り 、・
世 聞 の學 者 た 富漢 流 の道 理 を の
祕本玉 くしげ⋮、r ・
. 遡四三
〆
赫本 玉く剛げ ﹁
.・
四四四 .
・
、
馬み説 て、 此 子細 を し ら ざ る が故 に、 今 こと さ ら に顯 は し申 す 也 、 か の 水 戸西 山 公 の、格 別 に此
シ ゆ
御 志 厚 かり し 御事 、大 日本 炭 を修 撰 し給 へる 御趣 な ど 、道 の大 本 を辨 へ給 へるほ ど 、 ま こと に有
が た き 御 心 ば へな り、 そも く 御 子 孫 の中 に、 か ば か り 明 良 な る殿 の出 給 へり し も 、 ぴ と へに
ぱ
ノ
紳 御 祕 命 の御 盛 徳 の餘 烈 天 照 大 御 神 の御 は か ら ぴ と 、.か へす み 丶 た ふ とぐ 有 がた き 御 事 也 、然
黐
れ ば御 大 名方 、御 自 身 の御 心 得 は 申 す に及 ばず 、御 家 申 の人 女迄 に も、 此 子 細 を よく 仰 渡 され て .
つねノρ丶 相 愼 み て 朝 廷 を畏 れ奉 る べき や う 、 叉 公 卿官 人 た ち も 、其 祿 こ そ輕け れ 、 ほど / 丶 に
官 職 を帶 て、 皇 朝 に し た しぐ 仕 奉 り 給 ひ、 其 重 き 御禮 典 を も執 行 ぴ給 ふ 人 ≧ な れ ば、貴 き 御方
方 は申 す に 及 ばず 、宋 美 の官 人 衆 に至 る ま でも、 ほ ど く に厚 く敬 禮 を加 ふ べ き御 事 也 、 そ の祿 、
う す く 身 分 の輕 き を あ な ど り て 、 あ な か し こ 非 禮 あ る べ か ら ず 、 た と ひ 輕 き 人 に て も 、 官 人 は
皇 翰 に仕 奉 る人也 、然 る に今 の世 大 か た 、 堂 上 の御方 爻を ば厚 く敬 す るこ と な れ共 、 地 下 と申 す
官 人 衆 を ば 、 そ の碌 う す く 身 分 の 輕 き を あ な ど り て 、 物 の數 と も 思 は ぬ や う な る は 、 い 巴 あ る ま
ヒ
じ き事 也 、 祿 のう す き は 、亂 世 に み な武 士 に奪 取 ら れ た る故 也 、 さ れ ば 心 あ ら む 人 は ,此 所 をよ
く 思 ぴ わ き ま へて 、 い よ ノ丶 大 切 に 存 ず べ き こ と 也 、
ヘ
ノ
○天 下 の紳 秕 は 、 古 はほ ど/ \ に 、 朝 廷 よ り 祭 ら せ 給 ふ 御 事 に て 、 諸 國 の 小 瓧 ま で 竜 、 そ の國
ぶ
リノ
'
守 の う け 給 は り て 、 祭 ら れ し 事 なる に 、 今 は 天 下 の事 、 大 將 軍 家 の執 行 は せ給 ふ 御 代 に て 、 諸
國 の紳 肚 の御 事 、 朝 廷 よ り は 御 力 及 ば せ 給 は ね ば 、 其 國 柔 を 治 め 給 ふ 御 方 ≧ の 、 ね ん ご ろ に 祭
り 給 ふ べ き 御 事 也 、 然 る に 中 比 久 し き 兵 亂 に ょ り て 、 天 下 の 紳 祗 大 に荒 癈 し 、 祭 典 も す 海 れ 、 或
は 其肚 跡 も なく 絶 は て、 叉 存 在 せ るも そ れ と分 れず など 、 惣 じ て紳 沚 は 、 い み し 鳶嚢 微 な る を、
カへ
治 卆 の紳 世 に 復 り て は 、 御 再 興 あ り し も あ れ ど 竜 、 獪 あ ま 訟 く は 御 手 の 及 ば ざ る に や 、 今 に 至 る
ま で 、 す た れ た る ま 二 な る が 多 き は 、 い と 竜 ノ \ 歎 か は し き 事 な り 、 今 侍 惣 躰 大 名 の 、 領 内 の紳
を 祭 り 給 ふ さ ま は 、・
た 璽 戰 國 の 比 の風 に て 、 お ろ そ か な る 事 也 、 今 の世 國 家 の 繁 昌 、 諸 大 名 の盛
な る勢 に應 じ ては 、神 祗 は い かほ ど興 立 し給 ぴ ても 宜 しき 事 な るに 、紳 國 の實 にも似 ず 、紳 瓧 の
ゆ
衰
へた る 事 は 、、返 す ノ \ 歟 か は し き こ と な り 、 そ も ノ\ 紳 を 敬 ぴ 祭 る 事 は 、 た れ も よ く 知 た る 事
に はあ れ ど も 、 ま こ と の 道 の根 本 の子 細 を し ら ざ る 故 に 、 世 人 の 思 ふ と こ ろ は 、 獪 甚 お ろ そ か也 一
別 卷 に其 子細 は 委 し く申 ぜ り 、今 かく め で たき 治 季 の御 代 久 し く つ獄け る に付 て は 、大 名 方 は い
嫩
よ ノ \ 領 内 / \ の紳 瓧 を 興 立 し 、 厚 く 祭 り 給 ひ 、 殊 に 式 内 の 批 な ど は 、 御 自 身 も を り ノ \ 御 參 詣
ノ ノ
ノ
ノ
あ る べ き 御 事 也 、 殊 に 又 尾 張 に 熱 田 大 紳 、 紀 の國 に 日 前 國 懸 兩 大 紳 、 出 雲 に杵 築 大 國 圭 大 紳 な ど
の類 、 其 外 も か や う の 殊 な る 由 緒 ま し ま す 大 瓧 は 、 な ほ さ ら 其 領 圭 ノ \ の 、 大 切 に 厚 く 敬 祭 し 給
祕本 蕊 や しげ 下 ・
、
・
四四 翫
●
祕本 浅 ーし げ '
・
四四六
ふ べ き 御 事 也 一 む か し 紳 領 な り し 地 竜 、 中 比 の兵 亂 に 、.み な 奪 ぴ 取 ら 糺 給 ひ て 、 今 は 大 宿 の領 地
と な れ る 所 多 け れ ば 、 そ の御 冥 加 の た め ば か り に も 、 な ほ ざ り に は 有 ま じ き 事 也 、 其 外 御 武 運 長
久 の御 た 癒 に も 、 國 内 安 全 の た め に も 、 五 穀 豐 登 の た め に も 、 か な らず 紳 を厚 く 祭 り 給 ふ 御 政
あ ら ま ほ し く な ん 、 さ て 又 領 内 村 ≧ の産 紳 、 城 下 町 鉱 の紳 瓧 な ど 、 領 圭 よ り 祭 り 給 ふ ほ ど の紳 就
に は あ ら ず 共 、 命 令 を 出 さ れ て 、 其 所 弋 の紳 耐 を 隨 分 大 切 に 致 し 、 紳 事 を 麁 略 に 致 す ま じ 蚤 よ し
も
カミ
を 、 つ ね み 丶 ね ん ご ろ に 示 し 給 ふ べ き 御 事 也 、 然 る に當 時 は 惣 じ て 、 紳 瓧 瀞 事 な ど の 、 上 の取 扱
ぴ 甚 お ろ そ が に て 、 村 よ町 ≧ の神 事 な ど は 、 假 令 の い た づ ら 事 のや う .
に 心 得 て 、 こ れ を 押 へ、 輕
く す べ き や う に い ぴ つ け 、 下 鎖 に て も 、 紳 事 に 物 入 多 き は 、 無 釜 の費 のや う に 心 得 る 者 も あ る は 、
皆 甚 し き び が こ と 也 、 何 事 も 紳 の御 め ぐ み 、 御 守 り に あ ち で は ↓ 世 に よ き 事 は な し 、 困 窮 し て 苦
ゐ く は 、 い よ ! \神 を ば 厚 く 祭 る べ き こ と 也 、 然 る を 世 に 儉 約 と い へば 、 ま つ 第 一 に 此 紳 事 、 或
メ
は 先 組 の祭 よ サ 省 略 せ ん と す る は 、 い か に そ や 、 抑 今 世 上 一同 に ﹂ 次 第 ノ \ に華 美 に な り 、 奢 長
じ た る ご と な れ ば 、 そ れ に 准 じ て 、 紳 事 を 噛 次 第 に 華 美 に 丁 寧 に す べ き は 、 あ た り ま へ也 、已 が
身 分 の み 奢 を 捨 し て 、 瀞 を祭 る 事 を ば 、 檜 さ ず し て は い か ぼ也 、 た と ぴ 身 分 の 事 を ば 、 昔 に か へ
し て萬 を 省 略 す と も 、 紳 事 の み は 隔 次 第 に 加 へ獪 さ ん こ そ 本 意 な ら め 、 叉 紳 事 に 、 風 流 俳 優 な ど
を な し 、或 は酒 を飮 み 樂 み 遊 ぶ を、無 釜 の事 と思 ふも 、 大 に ぴ が事 な り 、紳 に物 を 供 じ て祭 る の
み な らず 、 人 も同 じ く 、飮 食 し面 白 く にぎ は しく 樂 み 遊 ぶ を、 紳 は悦 び給 ふ こと也 、 こ れら の子
細 は 、通 例 の墨 者 、 又紳 道者 など も 、 夢 に﹁
竜 し ら ざ る事 に て 、世 間 共 に大 に料簡 違 あ る事 也 、惣
.じ て世 間 の人 のよ き 料簡 と 思 ふ は 、 み な唐 流 の理 窟 な る故 に 、其 申 に は、 ま 鵡と の道 理 に かな は
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ざ る事 も 多 し 、 領 圭 た る御 方 、井 役 入 中 など も 、 國 のた め を 思 ひ て、 災 害 お こらず 、凶 事 無 く、
上下 共 に安 全 に榮 え て 、長 久 な ら ん こ と を願 ひ給 は ゴ、 これ ら の根 本 の所 の心 がけ 、大 刧 な る ベ ト
き御 事 に こそ ㍗
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て 海 の 中 に あ る は 、 殊 に め ぐ り の界 限 竜 炳 焉 け れ ば 、 專 さ る 地 の み の名 の如 く に も お の つ か ら な
メグ きコロ
れ る な り 、 さ て 嶋 洲 な ど の 字 を あ て 玉書 る も 、そ の 海 の 周 れ る 地 を い ふ 一か た に つ き て な り 、 さ
ナヅ ヂヒナ し
れ ど こ れ ら の 字 に 泥 み て ﹂ 必 も と よ り 海 の申 な る を の み い び 、 叉 小 き を の み い ふ 名 な り と な 思 ぴ
スベ ミ ク"隅 カラモジ マタ .、 アタ
あ や ま り そ 、 凡 て 皇 國 の 言 に漢 字 を あ て た る は 、 全 く あ た れ る も あ り 、 叉 か た へは 當 り て 、 か た
た ノ アヤマ
へ は あ た ら ざ 、る も 多 か る を 、 後 世 に は 、 た 聖 ぴ た ぶ る に 字 に の み よ る 故 に 、 言 の 本 の 意 を 誤 る こ
と メグ ヘナ ヒトッボ
の み 多 き ぞ か し ﹂ さ て こ の 大 八 嶋 の 嶋 竜 、 海 の 周 り て 隔 れ る 一界 の 國 を い へ る に て 、 そ の 例 は 、
ノ ノ カラクエノ シマ ノ
書 紀 の 神 代 卷 に 、 三 韓 國 を も 韓 郷 之 嶋 と い ぴ 、 萬 葉 集 の 寄 に は 、 海 を へだ て N は , 大 和 國 の 方 を
ヤマトヘジマ リ
ヤマトシマネ
さ し て も 倭 嶋 と よ み 、 又 此 大 八 嶋 をす べ て 竜 、 倭 嶋 根 と よ め る な ど 是 な り 、 さ て 八 嶋 と し も い ふ
ヘダ ヒよツぐキ イクヘヌ ヒトシマ ロ ッ ヤ
は 、 海 を 隔 て ず て 一連 な る を ば 、 幾 國 に ま れ 一嶋 と し て 、 そ の數 八 な れ ば な り 、 か く て そ の 八 は
. イヤ ロ
オホ ナ
例 の 彌 に て 、 竜 と は た 愛 嶋 の數 の 多 か る 意 の號 な り け む を 、 や 玉後 に 八 つ の 意 に と り 、
て 、 そ の數
ウタガ ウヰツクニナヘミチ
を と 乂 の へて い び 傳 へた る か と も 疑 は る め れ ど も 、 古 事 記 に し る さ れ た る 八 つ に て、 畿 内 七 道 の
ヶニぐ ソナ ポカ ツ アマ クラ ッ
■ 諸 國 み な 備 は り 、 叉 他 の嶋 々 は "も ま じ ら ず し て 、 餘 れ る 竜 な く 足 ざ る も な け れ ば 、 本 よ り 八 の
・ワゴ ツタへく 状
力 、 ツ
ウゴ
數 は 動 か ざ る に こ そ 、 書 紀 の 傳 々 に は 、 此 内 に 他 の 嶋 々も ま じ れ 玉ば 、 八 の數 動 け れ ど も 、 古 事
珍
ナ . トック嵩 ムカ . スベイフナ
・記 の 正 し き に つ き て 定 む べ き な り 、 さ て .
此 號 は 、 外 國 に 對 は ず 、 ぴ と り だ ち て 天 の下 を 統 言 號 な.
ヤ ヂホコノ ヤ シ ツ
・ ク ニ ヤマトダケノミコト ミ コト アレハ マシく テ マキムクノ ヒ シ鐸
り 冷 八 千 矛 瀞 の御 寄 に 、 夜 斯 麻 久 爾 と よ み た ま ぴ 、 倭 建 命 の御 言 に 、 吾 者 、 坐 二 纏 向 之 日 代
潔 曹脆 恥鰄 踏 鱗 蠏 蹴 ↓ 薄 襠 ㍑ ヂ 瀞 期 評 秤 鏡 和 爨 な 微 ヂ ガ匕の り た ま ぴ 、 孝 徳 天 皇 の講 ど も 、 環 鯲 曝 祚
ッ衛驚 醗 薦 嶺 のり給 へり・衾 令 の詔書式 にも・貍 の大事 に用ぴらる 壽 に倹 瞬講 肇
シロシメスオホヤ シマ スメラガオホミコもラマ
御 訓宇 大 八 洲 一天 皇 詔 旨 、 と の り た ま ふ と 見 え た り 、 牽
アシハラノナカツクニ ミヅボノクニ ツケ る
葦 原 申 國 水 穗 國を 志 附 い ふ 、
◎
ノ ツ ヒ クカマノハラ ナ ゆ ナ
葦 原 申 國 と は 、 も と 天 つ神 代 に 、 高 天 原 よ り い へ る 號 に し て 、 此 御 國 な が ら い へる 號 に は あ ら ず 、
ヨ モ クニドコロ リ
さ て 此 號 の 意 は 、 い と ノ \ 上 つ代 に は 、 四 方 の 海 べ た は こ と ん \ く 葦 原 に て 、 其 中 た 國 處 は 在 て ,
カミッカタ ミ
ふ クダ キ ノ
上 方 よ り 見 下 せ ば 、 葦 原 の め ぐ れ る 中 に 見 え け る 故 に 、 高 天 原 よ り か く ぱ 名 づ け た る な り 、・
か れ
ナ ア メ づ
古 事 記 書 紀 に 、 此 號 は お ほ く 天 上 に し て い ふ 言 に の み 見 え た り 、 心 を つけ て 考 ふ べ し 、 そ の中 に
マう ド ミマノミコト ア モリマシ
此 御 國 に て い へ る も 、 い と 稀 に は な き に し も あ ら ざ れ ど も 、 そ は 御 孫 命 の天 降 坐 て後 に は 、 此 御
ア メ ナ ヨ
國 に て 竜 、 も と 天 上 に あ り て い び な ら へる 號 を 竜 て 呼 べ る こ と も 有 し よ り お ヒ れ る な り 、 さ て よ
ウ ミベ
タ
ミ
ポギ
コト ポウシドみ
竜 の 海 邊 の こ と ん \ に 葦 原 な レ し こ と は 、﹁續 後 紀 に 、 仁 明 天 皇 の 四 十 の 御 賀 に 、 興 幅 寺 の 僭 等 の
ヒノモトノ ヤ マ ト ノ クニヲ カ ミ ロ ギ ノ スクナ ビ コ ナ ガ アシスダヲ ウヱる
オフシ ツ ヘ クニカタ
献 れ る長 歌 に、 日本 乃 、 野 馬 薨能 國 遠 、 賀 美 侶 伎 能 、 宿 那毘 古 那加 、葦 菅 遠 、 殖 生 志 川 々、國 固
國 號 考 . ・. 四 五三
㈱ 〆
㍉
ぶ .
.
榊
鱗
噸
夕
國 號 考 、 . 四五四
3
蓼 溜鋼蠡 ハ
理 、 云 々、 と 島 る、 此 事 今後 れ 毎 譌 ど も に は見 え ざ れ ど も 、添 く よ め るは ・
必そのかみ.
螺⋮.謝りけむ、さればもと・恭兜 翠潔労智貯ず甜 二梅御禊め ・囲溜 騾凝むために﹂樅
オフ メグ
ヤ ナギサ
生 し 廻 ら し た ま へる な り け り ↓ か く て 中 昔 の.
と ろ ま で 竜 、 海 の渚 に ぼ 、 いつ く に 竜 葦 の 多 か り し
こ≒ 婁 の簍 竜肇 を見 て慰しゑ し﹂ さて此葦甑 粤 ふ號 には・く ざぐ レ
,謙.
ガれども
ヘ ヨシ ・ アゲツラ レ
皆 古 の意 に かな はず 、
.
そ のわ ろ き 由 は 、 こと み\ に論 は む 竜 わづ ら は しけ れ ば 、も ら し つ、 口
又 こ れ を 豊 駕 鵬 之 鵡 榔 瞠 と も い へり 、 豊 は 謝蘓 ど て 、 大 八 嶋 ㊨ 薄 の た ぐ ぴ な り 、 そ は 此 國 脱 へす
カ・ . , カミノクダリ カリモジ
ベ て係 れり 、 葦 のみ に かけ て 云 には あ らず 、葦 原 は上 件 に い へるが如 し 、 水 は字 は借 字 にて 、物
ノ あノ
の う る は し き を 雁 む る言 に て 、 こ れ は 穂 を ほ め た る な り 、 書 紀 に瑞 字 を 書 れ た る は あ た ら ず 、 彼
ポ イナボ
へ
宇 に つ き て 、 詳 瑞 な ど の意 と な 思 ぴ ま が へそ 、 穗 は 稻 穗 を か へ吻 、 葦 の に は あ ら ず 、 凡 て 稻 穗 を
ポ ど
アギノポ コ
ロ
ヒ アマデラズオホミカミマタノリタマハク
アガタカマノハラニ キほ
た 勢 に穗 と のみ い へるは 、萬 葉 に秋穗 な ど も いぴ 、書 紀 に、 天 照 大 ■
紳 叉勅 ﹃ 以 吾高 天 原 所
シメスユニハノ 肘 齟
モ アガミコノミ コト ニキゴシメサシムベシ ミ ク ニ ツ
アダシクニ
御 齋 庭 之 穗 亦 、當 御 於 吾 兒 と あ るが ご と し 、 さ て皇 國 は、 萬 の事 竜 物 も 、異 國 に は ま さ
ノ タグ メデタ
.
/
れ る 中 に も 、 稻 ば 殊 に萬 國 に 比 ぴ な く , は る か に す ぐ れ て 、 い 巴 美 好 き こ と 、
、紳 代 よ り か く のこ
なユヱヨシ ミヅポノグニ オ
と く 深 き 由 緒 の あ り て 、 今 に 至 る ま で ま こ と に 水 穗 國 の名 に 負 へ
.
る た ふと さ 、 いふ も さ ら な る を.、
天 の下 の難 ・ か 老 めでたき稻 をしも爨 に総 べながら・鬆 の讐 を潅 うかに思ぴなす べ .
ぬ
蹴 き わざ かは 芝 もー 人 は鬱 途 り薯 物 は な き を ・ そ れ織 て な が ら ふ る こと は ・も ぼら 稻 髴
ち オモ タフト
に し あ れ ば 、 世 に こ れ ば か り 重 く 貴 き 簧 は 何 物 か あ ら む 、 そ の稻 の か ば か り す ぐ れ て め で た き に
ノ モトモタフト
も 、 皇 國 の萬 國 に す ぐ れ て 、 最 尊 き ぼ ど は い ち じ る き も のぞ 、
ヤ
マ トボ アキツシマシキシマげ ツケ
↑ 夜 麻 登 }
欷 津 嶋 師 木鴪 を 竜 附 い ふ .
腎
マ
ヤ マ ト ウチックニ オボヤマトヒトクニ あ
夜 麻 登 と い ふは 、 も と畿 内 な る大 和 一國 の 名 な る を 、 紳 武 天 皇 此 國 に 大 宮 し き ま せ ゆ し ょ り し て 、,
ミヤコ
グヌチ オ ポ ナ
む
へ 後 の 御 代 ノ \ の 京 も 、 み な 此 國 内 な り け る 故 忙 、 お のつ か ら 天 の下 の 大 名 に 竜 な れ る な の 、 さ て
ギハヤビノミコト ヒ ソラミッヤマぬ ヨ
ノクニ フルコト
此 名 は 、 邇 藝 速 日 命 の﹁あ ま く だ ら し 乂時 に 、 虚 室 見 倭 國 と い へ る 古 語 あ り て 、、紳 代 よ り の 名 な り 、
痴
叉 それ よ り さ き に ・館 辛 鷺 祚 の御哥 に・ や ま ど 2 本す き と あれ ど も ・ そ 縫 國 の名 を よ み た
ノ
ムカ
シイ
ザナ
ギノ
ミむ
トホ
メテ
ノ
ヲ ノリタマフヤマトハウラヤス
ま へる には あ ら じ と そ お竜 ふ 、 又書 紀 の紳 武 御 卷 の末 に 、
舮
昔 伊 弉 諾 奪 目 ご此 國 ↓ 日 ご日 本 者 浦 安
ニ クハシボコチダルクニ
グ シ フノボルポツマタニト リ
國 、 細 戈 干 足 國 、 磯 輪 上 秀 翼 國 一と も 見 え た り 、 か く て 紳 武 天 皇 は 此 國 に 宮 し き ま し け る に よ り
カムヤマトイハレビコノミコし オ承ミ ナ タ、ヘマツ 、 ・ , オコ の
て 、 紳 煽 本 磐 余 彦 奪 と 大 御 名 を 稱 奉 れ り 、 然 る を か へり て 、 此 大 御 名 よ り 起 り て 國 の 名 と も な れ
り と い ふ は 、,い み し き ぴ が こ と な り 、・
又 或 読 に、 夜麻 登 吏 いふ は 、祚 代 よ り 天 の下 の大 名 な り し
ミヤ コ
ノ
を 、 紳 武 天 皇 の御 代 よ 砺 し て 、 わ き て 帝 都 の 一國 の 名 に も な れ る な り 、 其 故 は 、 此 天 皇 御 卷 に 、
スメ ラミ コトク ニメグリ マセ ルチ ナミ ニ テワキ ノカ ミノ ホ 、マノ ヲカ ニ ミサ ケテ ク ニガタ ヲ ク ア ナ ニヤ ク ニヲ ヱツ ナ レド モウツ ユフ ノ マ サ グニ
皇 輿 巡 .幸 因 、 登 二腋 上 廉 間 丘↓ 而 廻司望 國 袱 噺日 、,
妍 哉 乎 國 之 獲 矣 、雖 二内 木綿 之眞 途 國 ↓
國 號 考
. 四五五
も
ぞ ㍉
燈 丶
彫 、
鄭
・歩
・
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ド國 、號 考
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四五六
講↓ト シ ア、キ ヅ ノ ト ナメ セ ルガ ヨリ コレ ハジ メテ ア・
モヅ シ マト フナ ムカシ ノ 永メ テ ノ ヲ
獪 調如 蜻 蛉 之 臀 帖 輔焉 、 由 レ是 始 有 二秋 津 洲 之 號 渦也 、 昔 伊 弉 諾 奪 目 二此 國 一日 云 々 、 と あ る 秋 津 洲 も
ノ "
浦 安 國 も 、 み な 天 の下 の 大 名 な れ ば 、 夜 麻 登 も 拭 や く 伊 邪 那 岐 命 の御 時 よ り 大 名 と 聞 え 、 叉 神 代
オ
六ヤ
マト
き
ヨア
キダ
ヅシマヲ サ ヌノ ノチニコトムケ ノ ヲ シロシメスヤシマク晶 カレミナヲタ・ヘテ マヲスカムヤマ
紀 忙 迺 生 ご大 日 ,
不 豐 秋 津 洲 一と 見 え 湘 叉 狹 野 酋 芸 々 、 後 撥 コ卆 天 下 嚇奄 笥有 八 洲 い 故 復 加 號 日 三胛 日
あイ ハレビ コノ ミ コト へ
本 磐 余 彦 奪 一な ど 玉 あ る 、 之 れ ら み な 神 代 よ り 天 の下 の 大 名 癒 り し お も む を な り と い へる は 、 み
リ 彊 アキヅ シマ クヌヂ ト言 ノ≠ 、 . ミサケ
な 誤 な り 、 ま つ か の秋 津 洲 も 、 大 和 の國 内 の地 名 な り 、 天 の下 を す べ い ふ に は あ ら ず 、 そ は 廻 ニ
チ ク ニガタヲ ヒロ コ
カクチ ポ ヘマノヲカ
とトメ
望 幽 歌 剛と あ る に て も 知 ぺ し 、 い と も 廣 き 天 下 の 形 歌 は 、 賺 聞 丘 よ り 一目 に は い か で か 見 わ た し
ウツユ フ ノ マ 一ザ
グニ .
セバ .
た ま ふ べ き 、 叉 内 木 綿 之 茣 逢 國 と の た ま へる も 、 狹 き 國 と い ふ 事 な る を お 竜 ふ べ し 、 獪 此 地 の 事
コト クハシ コ ウラヤスグニ
は 、 下 に 別 に 委 く い ふ べ し 、.叉 浦 安 國 と い ふ 竜 、 轡國 の こ と な る を 、 釋 肩 本 紀 な ど に も 、 天 の下
9臨・
ノ
トキ . . ﹁
・ ウタガ
の大 名 と し て読 た る は ぴ が こ と な り 、 大 和ぱ 海 な け れ ば 、 浦 安 と は い ふ べ か ら ず と 、 疑 ふ 入 竜 あ
丶ゴ肋
ゆ
尸納
ヵリモジ リ ロ
リ ぬ べ け れ ど 、 浦 は借 字 に て 、 う ら さ び し う ら が な し な ど の う ら の意 な り 、 萬 葉 十 四 の 卷 に 、う
ゆ
ら や す 忙 さ ぬ る 夜 ぞ な き な ど よ め る に て 竜 し る べ し 、 ま た 生 二戴 醜 解 豊 灘 潮 溝 ㎞と あ る は ・ 天 の 下
オホナ ド ユトバ の
ド ソノカミ コト
δ 大 號 に も な り て の 後 の世 よ り い へる 語 に し て 、 紳 代 の當 昔 の言 に
.
はあ ら ず 、秋 津 洲 と いふ號 も、 ・
上 に 見 え た る ご と く 、.
神 武 天皇 の御 代 より 始 ま れ る に てさ と るべ し 、そ もく 紳 代 より 、 大 八嶋
イ ノ ツ オホヤマトヲ
馳
國 葦 原 中 國 な ど い ぴ し に 、 其 號 を あ げ ず し て 、 生 二大 日 本 一と し も い へ る は い か に と い ふ に 、 か の
、
'
円
ナ ヤ シマ スベ オホナ
ガ ナヘシマ ヒトシマ
一一つ の 號 は 、 八 洲 を 惣 た る 大 號 な る に 、 こ れ は そ の う ち の 七 洲 を の ぞ き て 、 一洲 を い ふ 所 な れ ば
コト ぐ オポヤ マト ヤ マ ト
な り 、 か ズ て 此 一洲 の 大 號 は 別 に な き 故 に 、 し ば ら く 大 日 本 と は い へり 、 夜 痲 登 は 一國 の 名 な る
ミヤ
コ
い
ヒロ
セバ
.が 、 天 の 下 の 大 號 に も な り 、 又 一図 の 内 に て 、 わ き て 京 師 を さ し て も い ぴ て 、 廣 く も 狹 く も 用 ひ .
獅 ツ
クシ 、
イ ヨ
内
" ・ 姫
ら る ﹄ 號 な る が 故 な り 、 そ は 筑 紫 と い ふ も 伊 豫 と い ふ も 、 "國 の 名 な る を 、 九 図 四 國 の 大 名 に 竜
ツクシノシマイ ヨ ノ フタナノシマ サヌノミコト ニトバ ノ
し て 、 筑 紫 洲 伊 豫 之 二 名 洲 な ど い へ る 例 に 同 じ 、 叉 狹 野 奪 云 々 と あ る 文 の さ ま は 、 天 下 の大 號 を
取 かムヤマト シカノ丶 ク・ シカ . ミヤコ マセ
て 紳 日 本 云 々 と は 稱 へ 奉 れ る ご と 聞 ゆ 葡 れ 漕 .・然 に は あ ら ず 、 こ れ も 皇 京 し き 坐 る 國 の 名 を と
b'
ヤ マ コト ぎ ウツ
れ る 大 御 名 な り 、 か 丶 れ ば 夜 痲 登 と い ふ は 、 本 よ り の 大 號 に は あ ら ず 、 一國 の 名 よ り 轉 れ る こ と
マ
セ
バ
ヒね
ロ
イぜ
ア バ
カ
ぐ コポリ
疑 ひ竜 な し 、
紹す べ て も と は 狹 き 名 の 、 後 夜 廣 く な れ る 例 お ほ し 、 出 胴 加 賀 な ど も 、 も と は 郡 の名
な ノ ノ しノ ノ
り し を 取 て 、 國 の 名 と は せ ら れ つ る こ と 國 史 に 見 え 、 そ のほ か 駿 河 國 駿 河 郡 駿 河 郷 、 出 雲 國 出
ボ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ ノ ノ サトノナ
雲 郡 出 雲 郷 、安 藝 國 安 藝 郡 安 藝 郷 、 大 隅國 大 隅 郡 大 隅 郷 など も 、 も と 郷 名 な る が郡 の名 にも な り、
ノ . 、 ノ ヤ マ ト ナ ス オ ポ モ ノ ヌ シ ノ
郡 の名 の國 名 に も な れ り と 聞 ゆ る を や 、 書 紀 の崇 神 御 卷 の哥 に 、 椰 磨 等 那 殊 於 朋 望 能 農 之 能 と あ
レ
ナ・ 汝ぞノヌシノ ノ ツ ク リナシ ヤ マ ト
る 大 物 圭 紳 は 、 天 下 を 經 營 成 角 ま へり し か ば 、 此 椰 磨 等 は 大 號 の ご と く 聞 ゆ め れ ど 、 こ は た と ヘ
ノ ニツホンイチ カウ モノ ザ
ば 後 世 の語 に 、 日 本 一 の剛 の者 と い ふ な る 日 本 は 、 皇 國 の こ と な れ ど も 、 意 は お のつ か ら 天 地 の
ぺ
あ ぴ だ に な ら び な き 剛 の 者 と 聞 ゆ る が ご と く に て 、、古 大 和 の 京 の 時 は 、 そ の 一國 の 名 を い ひ て 、
國 號 考 ・ ㌧ 冖 . 四 五七
ノ
、
唖
國 脇伽 出倦 ・ 四 五 八
ぎ
ノ ず
ヒ
キ
ノ
お のつ か ら 天 の 下 の事 に も な れ る に て 、 獪 天 下 を す べ い へる に は あ ら ず 、 さ れ ば こ れ は 、 意 は 天
ヤ マ ト
下 を い へ る な れ ど も 、 言 は な ほ 一國 の 夜 痲 登 な り 、 か く て や } や く う ち ま か せ た る 大 號 に も な れ '
ヒ メ ジマ イデマ 献 コ タケウチノスクネノミコト
り と 見 え て 、古 事 記 に 、 仁 徳 天 皇 日 女 嶋 に 幸 せ る 時 、其 嶋 に て 雁 が 卵 を う め る を 、建 内 宿 禰 命 に 其
ナ コ ナガ
事 と は せ た ま へ る大 御 寄 に 、 た ま き は る 、 内 の あ そ 、 汝 こ そ は 、 世 の長 の人 、 そ ら 見 つ , や ま と ・
の國 に 、蠍 謬 と 、 き く や、 これ に窃 塞 れ る哥 にも 、﹂
そ ら み つ儺 國 に 、囓 謬 と、 い ま だ き
ノ フタウク アキヅ シマ トほロ
か ず 、 と よ ま れ た り 、 日 女 嶋 は 、津 國 に あ り 、 書 紀 に は 二 首 と も に 、 秋 津 嶋 や ま と Σ有 て 、 地 も 河
ノ マム
タ ノ
ツ ヘ
ミ
カリ
コウ
ム
ク ヌ
チ サ コウ
内 國 茨 田 堤 に 雁 産 と あ り 、 い つ れ に ま れ 大 和 の國 内 に は あ ら ず 、 叉 鴈 の産 む こ と は 、 す べ て 皇 國
ね ノヤ マ ト オポナ ノア
に て は め づ ら し け れ ば 、 此 夜 痲 登 は ま さ し く 天 の 下 の 大 號 な り 、 さ て 一國 の 名 を も て 天 下 の 大 名
ウ ド に の ウタガ
とす る事 は、, 愁 ろ こ し .の 國 に て 竜 代 々 の 例 な れ ば 、 夜 麻 登 も か れ に な ら へ る か と 、 疑 ふ 人 あ れ ど
も 、仁 徳 天 皇 の御 世 に 、 はや く 御 哥 にも よ ま せ た ま ふ ば かり いぴ な れ ρ る事 な れ ば、 い か で か然 ﹁
ど クニブミ
スデ キ シカ
ら む 、 そ σ か み か の國 籍 は 、 既 に 渡 り ま う で來 つ れ ど も 、 か の 國 の 事 を 然 ば か り な ら ぴ た ま ふ こ
と は 、 い ま だ あ ら ざ り き 、 然 る に 萬 の 事 、 か の國 の ふ り を な ら ふ こ と に な れ る後 の 世 の 心 を も て
ミ
ド リ キ し
見 る か ら 、 紳 代 よ り 有 來 つ る 事 ど も を す ら 、 皆 かれ に な ち へ る か と は う た が ふ な り 、 か な ら ず し ・
も な ら はざ れ齧 "こ主 ぞ こ≒ お のつ から 心 ば への慧 ぺ る こピ も 多 か り か し ・ 、
盈
0 9 の
∼
㌦
ヤ マノ
ベソ ノヤマトノサト ノ
夜 麻 登 と い ふ は 、 も と 山 邊 郡 倭 郷 よ り 始 れ る 名 な り と 、 く は し く 師 の萬 葉 考 別 記 に 見 え た り 、
ド
アゲツラヒ ン シキノシモノ ハオ ホ ヤ マ ト
・と れ に あ ま た の 論 あ り 、 ま つ 此 倭 郷 は 馬 和 名 抄 に は 、 城 下 郡 大 和 於 保 夜 末 止 と 見 え た る を 、
ノ ノ
オホヤマトニマスオポクニミタマノ こ ノ ノ や
紳 名 帳 に は、 山 邊郡 大 和 坐 大 國 魂神 祗 と有 て、 郡 のたが へる を、師 は城 下 郡 に入 れ るを 、後 .
ゴ コ ノ ノ オホヤマトノ
の 事 な り と い は れ つれ ど も 、 は や く 績 紀 の天 夲 寶 宇 二 年 の 丈 に も 、 城 下 郡 大 和 紳 山 と あ れ ば 、
み ノ ノ ノ ミヤシロ ノ ノ
も と 城 下郡 なり し が、 後 に山 邊 郡 には 入 れ るな るべ し、 か の御 就今 も薪 泉 村 と いふ に在 て 、 仙邊
ゆ クニぐ ノ ナラノミカド
郡 な り 、 す べ て 和 名 抄 は 後 に 出 來 つ れ ど も 、 諸 國 郡 郷 の 名 は 、 奈 良 朝 の こ ろ し る せ る 物 に ょ り て 、,
アゲ
そ の ま 乂 を 擧 た り と 見 ゆ れ ば 、 か へり て 紳 名 帳 よ り は ふ る き こ と も あ る な り 、 さ て 叉 此 郷 を紀 な
寧
オ ポ ヤ マ ト
ど に は 、.や ま と N の み い へ る を 、 和 名 抄 に 於 保 夜 末 止 と あ る は 、 今 の 京 に な り て の 唱 へ な る か と
いはれ つれど職 垂仁罷 濕.輝 肇 見 え・右 の績紀 の文 にも濕秘ど あるをや∴ 薩 を蕊 ポ
オポ クハ
ふ か ら 、 此 郷 の 名 に も 同 じ く 大 て ふ 言 を 加 へた る な り 、 さ て 夜 麻 登 と い ふ は も と か の 郷 よ り 始 ま
クニへ
み ヒ
り て 、 後 に 一國 の 名 に 竜 な れ り と い ふ は 、 上 に 引 る 諸 國 の 例 ど も N お ほ か れ ば 、 ま こ と に 論 な き
ノ ヤマトノオホクニ
が ご と 七 ﹂ 然 れ ど も 獪 よ く 考 る に 、 此 名 は も と よ り 一國 の 名 な る を 、 か の 郷 名 は 、 後 に 倭 大 國
鶴 粥 紳 ㊧鑠 麒 貯 に よ り て 、 ど り 分 て 晶 國 の名 を 駕 ぜ て 、 そ の蠏 を も 鰾 ど は い ふ な る ぺ し 、 今 の 世
クヌチ コト コ アダシトコロじ
に 伊 勢 の 國 内 に て 竜 、 大 御 紳 の 宮 の べ の 里 を さ し て 、殊 に 伊 勢 と い ふ と 、同 じ 心 ば へ な り 、 他 所 '
凄
國 號 考 . ・ 、 、 四五九
,
、
の ≠
ノ
㌧
斷 號 袤 ,、 噛 里6
ノ ノ テ ウヅピコヲ ノクニノミヤッコト ウタガら
.に も 此 例 獪 一
有 べ
蹙 な り 、 然 る に 書 紀 神 武 御 卷 に 、 以 ご珍 彦 一爲 二倭 國 造 一 乏 あ 乃 は 疑 拭 し 、 其 故 \
ノ オホクニ
うミタマノ
は 、 まつ 此倭 は師 の い は れ つ る ご と く 、 倭 郷 の 事 な り 、.然 る に か の 大 國 魂 神 は 、 竜 と 天 皇 の 大
殿
コトヘコロ リ
の 内 に 祭 り た ま へり し を 、 崇 瀞 天 皇 の 六 年 に 、 始 め て 他 所 に は う つ し て 祭 た ま ひ 、 同 七 年 に 、
イヂシノナガヲ ヂ ノ ツ ノ ニノ
市 磯 長 尾 市 て ふ 入 を 、 齢 圭 と し た ま へり 、 叉 垂 仁 御 卷 に 、 一 の 傳 へ を あ げ て い は く 、・是 時 倭 大 紳
カヘリ
テポ
ヅミ
ノオ
ミノ
オ
ヤオ
ポミ
ナク
チノ
スク
ネニ ヲ
シ
ヘタ
マハ
ク ニ テ ノ ヲ ォホセテ ノ ノ ク カ ヌシニ かラナフニ イヅレノヒト
著 ご穂 積 臣 遠 租 大 水 口 宿 藤 一而 誨 之 日 云 々 、 時 天 皇 聞 三是 言 ↓ 則 命 ご中 臣 蓮 租 探 湯 圭 一而 ト ご之 誰 人
堪.
制.架二
大奠 聾 鶏 巍 獵 壑 蓄 、麝 聾 渟義 稚媽灸 憲融 幾 籥 驫叱聾 .
駕..
オ六イヂノナガヲノサキニ
ルニノ
ノ ノ.
ニミ、甥トみ丶汽ヤナカミテ
ズ ・エマツリタマ︿ ヲ テ セテ ノアタヘノ ナガヲ ヂノ ニ
大 市 長 岡 岬 繭 然 是 渟 名 城 稚 姫 命 既 身 鉢 悉 痩 弱 、 以 不 二能 祭 ↓ 是 以 命 ご大 倭 直 租 長 尾 市 宿 輛 囈.
メキ ラ ノオポクニミタマノ ノ シヅマリマ
令 レ祭 矣 、 と あ り 、 か N れ ば 此 大 國 魂 紳 の 倭 郷 に 鎭 座 せ る 拭 、 崇 紳 か 垂 仁 吻 御 世 よ り な れ ば 、
嚢 の御 代痿 と癒 名はあゑ からず・もし紫 紳 の御代より蠏 に・はやくそ の名 あらば・郵
ノ ニ ほ メ ヲ アナジノ ニ ル ノナガヲノサキニ
於 倭 邑 一な ど あ る べ き に 、 さ は あ ら で 、 定 二紳 地 於 穴 磯 邑 ↓ 祠 二於 大 ,
市 長 岡 岬 一と あ る は 、 いま だ 倭
ノ アナジ オホイチ ら シキノカミノ ノ
て ふ 郷 名 は あ ら ざ り し 故 な り 、 穴 磯 大 市 は と も に 、・
後 には 城 上 郡 に入 れ Σど も、 此 わ たり 城 上
鋤 下婁 三郡響 かきと ころなれば.・
そ のかみは蓼 を籥 と いぴて・そ のむ なる犬市 の靜
トコロ ヒ ノ リマセ ノ ナガ
と い ふ 地 な り け む を 、 此 大 倭 大 紳 の鎭 座 る故 に 、 そ の 後 に 倭 郷 と は 名 つ げ た り け む 、 さ て か の 長
ヲヂノ ・ウ ヅ ピコ ソ チ ブクニノミヤツコ ナガヲ ヂ
尾 市 宿 禰 は 、 姓 氏 蘇 に よ ち に 、 か の 宇 豆 彦 の後 胤 に て 、倭 國 造 の 薩 な り 、 然 れ ど も 此 長 尾 市 の ,
"
撃
ノ ノ ッヵサ カバネ ノ
世 は 、 い ま だ 倭 幗 造 と い ふ 職 に も あ ら ず ﹂ そ の 姓 に ザ﹂竜 あ ら ず と 見 え て 、 垂 仁 御 卷 ミ 年 七 年 廿 五
ノアタヘノオヤ タぐ ノアタヘ ノ も
年 のど こ ろ に見 え た る に、 み な 倭 直 祺 と のみ 有 て 、直 に倭 直 と も國 造 と も見 え た る こと は な し 、
ノ ノ
ノ ノ
ノ
雄 畧 御 卷 に 至 り て ぞ 、 此 氏 は じ め て 倭 國 造 と は 見 え た る 、 然 れ ば 此 氏 の倭 國 造 と い ふ に な れ る は 、
ノ ノ
ウヅビニ
か の長 尾 市 宿 薦 の 、
、大 倭 大 紳 を 祭 る 紳 圭 と な り て の う へ 、 其 後 の こ と な り け む を 、 書 紀 に 珍 彦 を
毎 黌 とすどあ 農 ・子孫 廳 軈 を媛 藤.へもさかのぼし てが たり箆 たるを取 て譜 された る竜
ミ的ノオミノ オ*ク メノ イサヲモトモ オミ ,
・
の な る べ し 、 抑 紳 武 天 皇 の御 代 に は 、 道 臣 命 大 久 米 命 な ど ぞ 、 功 最 大 き な る を 、 此 臣 た% す ら 、
麁静 瓣謹 斎 ど み みありて・そ 亂 造 としたまふ事 は見えざれば・
ま して 書 ぐ の人ども
ノ オミ ハジメノオヤウヅピコ ナガヲノ
を や 、但 し か の長 尾 市 宿 瀰 も 、 いや し か ら ぬ 臣 と は 聞 え た れ ば 、 始 祺 珍 彦 の 世 よ り 、 か の長 岡
サキ クマハ シリ ナガヲ ヂ ナガヲノサキ も ノ
岬 のあ た り の地 を賜 り て 、知 傳 へては あり け む 、 長 尾 市 てふ名 も 、長 岡 岬 てふ 地名 によ れり と 聞
ノ クニミ タマノ マス ミ ナ リマセ リコロノナ ミ
え た り 、 さ て 倭 大 紳 乏 申 す は ﹂ 大 倭 一國 の 國 御 魂 紳 に 坐 故 の 御 號 に し て 、 鎭 座 る 地 名 に よ れ る 御
嚇
ナ カレ ノ る ミ ナ
號 に は あ ら ず 、 故 崇 神 垂 仁 の御 世 の こ ろ 倭 て ふ 郷 名 は い ま だ 聞 え ざ れ ど も 、 此 祚 の御 號 は も と よ
ノ 才六ギサキイハノヒメえ
り 有 し な り 、 さ て 郷 名 の 倭 は 、 仁 徳 天 皇 の 大 后 石 姫 命 の御 脣 に 、 始 め て 見 え た 噸 、 を だ て 山 、
ノ ヤマト アタカ グ ヤマ シヘ ノ
や ま と を す ぎ 、 と あ る こ れ な り 、 さ て 又 藤 原 御 井 の嵜 に 、 日 本 の 青 香 其 山 と い ぴ 、 ま た 幸 ご吉 野 、
ドニ
ク
宮 嚇時 の 寄 に 、 倭 に は 、 鳴 て か來 ら む 、 よ ぶ こ鳥 、 云 々 と .い へるも 、 と も に大 和 の國 内 にし て 、
珊
國 .號
纛多 '
。
四 六 一
ギ
'
國 號 考 . , 四六ニ
ノ ノ ノ
き ら に 倭 と い へ る は 、 か の 山 邊 郡 の や ま と を 、 藤 原 都 の、 あ た り まで も 冠 ら せ いぴ な れ し なり と い
アゲッラヒ ミヤコ ド
リ トナリノ
は れ つ る も 論 あ り 、 都 の 名 を こ そ ﹂ か た は ら の郡 ま で も 及 ば し て い ふ べ け れ 、 か へ り て 隣 郡
ゆ
ノ まシ ゆ ノ ノ
の郷 名 を 、何 の由 に かは都 あ た り ま で冦 ら せ い ふ べき 、
、も し ま た 藤 原 都 あ た り ま で も 倭 郷 の 内 な
ノ ノ
リ と せ ば 、 同 じ倭 癰 の内 にし て さ ら に や ま ど ㌧い はむ は、倭 國 内 に し て さ ら にや ま と 乂いは む も
ノ
同 じ 事 な ら ず や 、 さ れ ば こ れ も 、 か の 伊 勢 と い ふ 例 と 同 じ 心 ば へに て 、 同 じ 倭 國 の 内 な が ら も 、 ,
コト ミャ コ る ゆ カ グ ノ ノ
殊 に 京 師 の あ た り を さ し て 、 倭 と は い へる な り . 香直 ハ
山 は 、藤⋮
原 都 の東 方 にな ら び て いと 近 し、
吉 野 に て よ め る 寄 も 同 じ 意 な り 、 か 丶れ ば こ は 萬 葉 考 の読 は わ ろ く て 、 冠 辭 考 の し き 嶋 の條 忙 、
オフ
}國 の 名 を 都 に 負 せ て い へる な り 、 と い は れ つ る か た ぞ 宜 し か り け る 、
ヤ マ ト ロ
ヤマド ヤマトノ
夜 麻 登 と い ふ 名 の意 は 、 萬 葉 考 の 一 つ の 考 へ に 、 此 國 は 四 方 み な 山 門 よ り 出 入 れ ば 、 山 門 國 と 名
オへ
を負 る な り と 有 て 、 そ の よ し 委 く し る さ れ た り 、 此 読 ぞ 宜 ← か る べ き 、 叉 葛 が 考 へあ り 、 そ は ま
.
づ ノ ノ ,
・ キクニ シ六ツ、ノヲヂノイヘルヲ ノ方 ニ
リヨキクニ
アヲヤマヨモユ犬グレリ
書 紀 紳 武 御 卷 に 、 天 皇 の 御 言 に 、・
此 國 の 事 を 、 聞 二於 鹽 土 老 翕 日 ↓ 東 有 二美 地 ハ哢青 山 四 凋
オホナムヂノ タマガキノウツク騨
⋮
ナヅ .
ヤマトダケノ
ヤ マ ト バ
ク
云々と見 え 、 又 大 己貴 命 は、 玉 墻 内 國 と 眉 け た ま ぴ 、 又古 事 記 倭 建 命 の御 哥 に 噛夜 痲 登波 、久
ニ ノ マ 汰 ロ バ ク 、 ナ ヅ ク ア ヲ カ キ ヤ マ . ゴ モ レ ル ヤ マ ト シ ウ ル ハ シ
爾能 痲 本 呂 波 、 多 々那 豆 久 、阿 袁 加 岐 夜 麻 、碁 母禮 流 、夜 痲 登 志 、 宇流 波 斯 、 と よ み た ま ひ、 又
イ ハノヒズノ ヲ ダ テ ヤ マ ヤ マ ト
,
石 比 曹(
命 の御 哥一
に、出
展陀 弖 夜 痲
夜 痲 登 云、
々、 と よ み た ま ふ 、 此 比 虫
買命 の御髯可な る は 、 か の倭 "郷 を
ヲ ダ テ ヤ マ タテ タテナラ
・
の た ま へ る な れ ど も 、 蓑 陀 弖 夜 麻 と い ふ は 、 一國 の 倭 に よ れ る 枕 詞 に て 、 楯 を 立 立 べ た る 如 く に .
クダリ フルコト メ グ
山 のめぐ れ るを のた ま へる なり 、右 の件 の古 言 ど も み な 、此 國 は山 の周 廻 れ る申 にあ るこ と を い
ヤ マ コ
ト ト
ト ヤマト
へ る な れ ば 、 夜 麻 の 山 な る こ と は 論 な し 、 登 に は 三 つ の考 へあ り 、 一 つ に は 、 登 は 處 に て 、 山 處 ・
ト タチド ブシド ネ ド カマド キ ド ハラヒドア ド ぎ ノ
め 意 な る べ し、 處 を登 と のみ い へる依 、立 處 伏 處 寐 處 竈 處 井處 祓 處 足 處 など の例 のご と し 、又 止
フル ト
ヨ エ
げ
ア ヲ ス
トへび
字 を 古 く 登 と 訓 む こ と 、 出貴 拠 の 私 記 に 、 古 語 謂 二居 佳 輔爲 レ止 と あ り 、 宇 書 に も 、 居 共 佳 共 注 し 、
ノ ヨ
ノ ト ツ
・
論⋮文 に處 字 を止也 と 注 し、 玉篇 に 、處 字 を居 也 と注 した るな ど を も思 ふ べし 、 二 つに は 、登 は都
ポ ツご ヤ マツ ポ ッ ノ ヤ スメ コトバ ポ ヵ ナ
富 の約 ま り た る に て 、山 都 富 な る べ し、 都 は例 の之 に通 ふ助 辭 、 富 は宇 は假 字 に て 、す べ て物 に
オノ
つ Σま れ こ も り た る處 を い へ る 古 言 な り 、 さ れ ば 是 又 由 の め ぐ れ る よ し, を も て 負 へる 名 な り 、 そ
のよし象 ド はむには・應 紳天駐 の・葛野 を變 で よ喜 たま へる大御寄 に・籖 鰐 耀羅
ヲ ミ レ バ モ モ チ ダ ル ヤ ニ ハ モ ミ ユ ク ニ ノ ホ モ ミ ユ タ ヒラノ ミヤ コ
袁 美 禮 婆 、 毛 毛知 陀 流 、 夜 邇 波 母 美 由 、 久 爾能 富 母美 由 と あ る は、 葛野 のあ た り は 、今 の李安 京 殉
トコリ ヤマシロノ オクドニロ ポ
の 地 な れ ば ゼ 山 の め ぐ ぴ て つ Nみ た る 中 に 在 て や 山 代 國 の奥 區 な る を も て 、 國 の 富 と の た ま へる
ノ ヤ マ ト バ ク ニ ノ マ ホ ロ バ . ア ヲ カ キ ヤ マ ゴ モ
な り 、 さ て こ れ に 、 か の 倭 建 命 の 御 哥 に 、 夜 麻 登 波 、 久 爾 能 麻 本 呂 波 云 々、 阿 袁 加 岐 夜 麻 、 碁 母
レ ル ヤ マ ト . マ ポ ロ バ マ マ ロ バ ク
禮 流 、 夜 廓 登 云 凌、 と あ る御 哥 を 合 せ て 見 べ し 、 ・痲⋮
本 呂 波 の庶 ⋮
は 置ハ
、 呂 波 は助 辭 に て 、 こ れ 竜 久
ニ ノ ホ ま マ ホ ロ バ マ ポ ロラ マ
繭 能 本 な り 、 又書 紀 に は 此御 嵜 を 、景 行 天 皇 の大 御 嵜 と し 、麻 本 呂 波 を、摩 保邏 摩 と あり て、釋
國 號 考 . , ' ﹂ 璽 ハ三
9
畆
、
國 號 考 り 、 ・ 四六四
、
紀 に私獣 ・師転 ・鳥薪 莠 姦 響 騫 繭
霧 騨 也・羅 眞 聾 也、鳶 竪 ル薦 鬱
肇 國髷嘉 ・
書 揮 象 讖 齋鬆 態 繋 衾 ・大亂 者奥區崑 褒美也といへる・これ醗
も山の慰 れる申につ羨 れこ言 た嚢 しな婬・但し,
襯.騰 勢 奮 κ嘉 へるは、いさふ
ヘ
ノ
ポ
リブ
バ
ツバル
ン
た が へる か 、 か の 朋 に讐 へて ま ほ ら ま と い ふ に は あ ら ず 、 さ れ ど 鳥 の 保 羅 朋 も 、 翅 の内 に つ 丶ま
'れ こ も れ る 朋 と い ふ 意 に て 、 羅 は 助 辭 な る べ け れ ば 、 保 と い ふ 言 の意 は 同 じ き な り 、 叉 古 言 に 、 鴨
ホ コヱ フク
ふ 乂ま る ほ N ま る 、 又 ふ ぼ こ も り な ど い へる も 、 布 と 保 と 依 通 ふ 音 に て 、 含 ま れ こ も れ る 意 、 ま ・
儘 翻 今 伊勢人などは鶴ほと ころともいぴて・、ヒれも葎 つ羨 れ こもれる所 ま ふ、氈 謬
O
フトコロ の
トコロ
言 に 山 ぶ と こ ろ と い へ る も 、 人 の懐 忙 た と へ距 る に 臉 あ ら ず 、 た だ 山 に 灣﹄も れ る 地 と い ふ 意 な り 、
叉 書 結 神 此 卷 に 此 倭 を 、 霧 焚 陞 と ほ め た ま へる よ し 見 え た る 、 此 謝 も 同 じ 意 な る に 、 殉 字 を し も
カ、 .
永メタ、 スグ
書 れ た る は 、 上 に 引 る 古 言 ど も.に み な 此 國 を ば 臨 山 の め ぐ れ る を 以 て美 稱 へ て 、 勝 れ た る 事 に い
ナミノホ ポ コト
へれ ば ・ 龍 のつ か ら 此 字 の意 に も 相 通 ふ な り 、 さ れ ど 言 の本 の 意 は 、 浪 秀 な ど の秀 と は 異 な れ ば 、
マ ポ ヲ マ
此 字 の 意 に は あ ら ず 、 然 る を 契 冲 な ど が 、 か の摩 保 邏 摩 、 叉 萬 葉 集 の 五 の 卷 九 の 卷 十 八 の 卷 な ど
忙、讐 屡 智 よめ 磊 ど、みな募 の意努 とし て、 かの嘱記 の読 を、 おほつかな しホ ヘ
マ へ
る は 、 中 々 に 考 へ の 至 ら ざ る な り 、か の萬 葉 の寄 ど も な る は 、 山 の め ぐ れ る 意 に も あ ら ず 、 叉 翼
♂
丶
㍗ -〆
オ ヤ ホ ヲ カ ロ
秀 の 意 に も あ ら ず 、 た 璽 國 と い へ る ま で に て 、 麻 保 良 は い と 輕 く て 、 意 な き が ご と く 聞 ゆ め る は い㌦
上 つ代 よ り い ひ な れ た る言 の、 意 の饗 も轍 り數 れ る物 な るべ し ・ 養 鵬 の}
意 ぞ と い ふ論 画 か も
の 應 神 天 皇 の大 御 寄 に 、 富 と のみ ょ ま せ た ま へる に か な は ず 、 す べ て か 玉 る こ と は 、 そ の も と
"
をよ く考 へ呱 ら めて ・ 末 の轌 れ る方 に は なつ 裳 じ き わ ざ な るを や ・ 三 ぞ は・ 謬 ・罸 の翠
を緲 き 、鹸 を通 は し い へるに て、膿 翠 甜 の國 な る べし 、 かく て そ の騨 謝 は、 ㌃ つほ 鮮ρ 罫 な芝 分
ウ ツ ウチ ヘ ウ ツ
・宇 都 な ら む か と も 思 へ 芝 も 、 な 厭 内 と い ふ こ と な る べ も 、 古 に 内 を 宇 都 と い へ る 例 多 し 、 其 中 に
カキツ カキツ か カ ナ カ ギ ッ シカヨム
萬 葉 の哥 に 、 垣 内 と あ る は 、 垣 都 と も 書 て 、 假 字 に 可 伎 都 と あ る と 同 じ け れ ば 、 .然 訓 べ き ことし
ノ .
一
・ ウ
バブ
るし 、今 本 に かき う 路 と よ あ るは わ う し 、 さ れ ば これ 、 内 をう う と いひ、 そ の宇 を省 廿 る こ と を
ち ノ カ イ ト ホノ カ キ ツ
も 靉 た る例 な り 、 さ て今 世 に 、 垣 内 と 書 て 加 伊 登 と 唱 ふ る 地 名 . こ こか し こ に あ る は 、 加 伎 都 の ㍉
も
喀
、 鶸 れ る に て 、字 は本 の奮 に欝 へた るも のなり 、 こ費 罸 の都 を聲 とも いふ べ 翕 なり レ な
ツ ト'
. . カ ヅ ヌ
ほ都 と登 と通 ふ例 も つね 多 き 中 に 、 上 に 引 る應 祚 天 皇 の大 御 哥 に は 、葛 野 を 加 豆 怒 と よ み たま へ
る鬻 名抄などには罪 と
兄え、蠡 國櫞 名の鑑 を繰 抄に臓奮 とし鮑 糠
に高 圓 を 高 松 と も お ほ く 書 る な ど は 、 こ と に 近 し 、 さ て か の青 牆 山 こ も れ ゐ と あ る と 、 玉 牆 内 國
﹂
ヤマウツノクニ
モ
タマガキノウックニ
と あ ると を思 ひ合 せ て、 山 内 圃 と名 つ く べ き で とを さと るべ し 、 玉牆 内 國 と は 、 玉牆を 造 り めぐ
國 號 考 " 四六五
、 、
輝
な
の ノ
國 號 考 . .・
` 四室 ハ
ら し たら む 如 ぐ に・ 山 の彫 れ る内 な る図 と い ふ意 な れ ば な り ・.
長..
彎 師 の齢 の諡 ≒ 己鶴 三
へ ら の
つ の考 へと の う ち 、 見 む蠱 入 心 の よ ら む か た を と り て よ 隔 屹 國 の名 に は 、 古 よ り と り み ー の諡 ど も 、
ボ ァゲツラ コ ノ ラカレテ キ タ カ ヲ テ
あ れ ど も 、 み な よ ろ し ゐ ら ず 、 一 つ 二 つ 論 は 璽 、 ま つ 書 紀 私 記 に 、 天 地 剖 制 、 泥 濕 未 レ乾 、 是 以
Ca
ス 、
テ 黒 ス テ シ ユ ヤマト、 ヒ ヲヤ マト` フ ヲト・ ニ テ ・ヲ ス ト、 ・
七ハ ズル
栖 レ山 荘 陳 、 因 多二蹤 跡 ↓故 日二山 堕 山謂 哺
乏 耶噛
塵 跡網乏 止夏 古 語 謂 ご居 佳 爲 ・止 、曇ロ 止 コ佳
ナリ ニ サ ノ オホ ナ リ ロ ク カ
於 山 輔也 と い へ る は 、 も と よ り 天 下 の 大 號 と 見 て い へ る 読 な れ 拭 誤 な ゆ ﹂ ま た 泥 濕 未 レ乾 な ど い へ
ヵキ モ ジ . 、
マウ ミダリゴト 轟 カヴカ
る み な 、 ふ る く よ り 山 跡 と 書 な ら へ る 文 字 に つ き て 、。お し は か り に 設 け た る 妄 読 な り 、 泥 濕 の 乾
の
ノ
ロ
ゑ
ざ り し事 も ・ 山 に燦 し事 も ﹂ 古書 に見 幻 た る こと な し ・書 紀 瀞 化 卷 に・ 嵐陞 ワ一欟ッ孟
蠍 ク柵
偲など い ヘ
イデ
コ
ゴ スム
る 事 は あ れ ど も 、 こ れ は 國 も 人 も い ま だ 出 來 ぬ さ き の事 な れ ば 、 山 に 佳 な ど い ふ べ き 時 に は あ ら
ず か し 、 然 る を 契 冲 が.
、 此 名 を も と デ國 の名 と 見 て 、 和 州 に か ぎ り て 泥 濕 の か わ か ざ る べ き に あ
トラ
ら ず と い ぴ て 、 此 私 記 の諡 を 取 ざ り し は 、 さ る 事 な る に ﹂ な ほ 山 跡 の字 に な つ み て 、 和 州 は 四 面
アト の コ シルシ
み な 山 な れ ば 、往 來 の跡 山 にお ほ か る べ しと いび て 、萬 葉 集 にお ほ く 山 跡 と書 るな ど を 證 に 引 る
は・ぴがこ廴 り ・山 繧 畜 跡 の潅 から鑑 ら に、國 の名 に隼 ぐもあら弌 もし山鬣 と
ト ヘ モジ コヘロ
な ら ば 、 獪 さ も い ふ べ け れ ど 、 そ の読 を と ら ざ る う へは 、 跡 の意 は い 依 れ ず 、 す べ て 古 は 字 の義
嘛
ヨミ ハ カリ ノ カリモジ
には か 玉依らず 、 訓 の通 へば 、 いつ れ に ま れ借 て書 る例 おほ か る申 に 、地 名 癒 ど は こと に借 字 の
弓
'
潅 か るを ・契 冲 なピ は・ 婆 ザ になつ み怨 間 のぐ せ のう せざ り し そ か し・ さ 麦 萬 蘖 考 の・ か
の鶴 郷 を 名 の 本 と せ ら れ た る読 に も 戴 撚 貯 が 冊 な ど の 如 く ・ 上 つ 代 に 此 郷 よ ㌦鷺 認 越 る雌 貯 有 て
名 づ け つら む ・ と い は れ つ る ば ・ 徳 舮 が た し ・ 其 故 は ・ 大 秘 國 こ ぞ ま こ と に 四 方 み な 雌 肝 よ り 出
シカ トコロ シルシ
入 れ ば 、 其 論 い は れ た れ 内 か の郷 の あ た り は 、 然 い ふ.べ き 地 のさ ま に竜 あらず 、 叉 さ る古 き證 も
● な く し て 、 た 璽 上 つ 代 に東 ぺ こ ゆ る 山 門 あ り て 名 づ け つ ら む と は 、 み だ り な れ ば な り 、 お し て か 、
イヅク
く い は ゴ 、山 近 き 地 は 、何 ・ 處 に て 竜 然 い は る べ し 、 そ の う へか の郷 の 名 を 本 と す る は 、 い か 璽 な
ギマ、
る こ と 、 上 に 委 く い へ る が 如 く な る を や 、 又 或 人 の 読 に 、 大 胸 は 伊 駒 山 の東 南 な る國 な れ ば 、 山
ト ・ヤマシ。 . 。 ・ ト
外 の意 な り 、 か の 山 の 北 な る國 を 山 背 と い ふ に て し る べ し 、 と か へる も わ う し 、 東 南 を 外 と い ふ
ヤマシロ ノ ロ
ム
べ き 由 菰 く 、 山 背 て ふ 國 名 も 、 伊 駒 山 に ょ れ る に は あ ら ず 、 か れ は 大 和 を 圭 と し て 、 そ の北 の方
ウ シロ コ ムカ ヤマウヂ ト
の 山 の後 な る よ し な り 、 さ れ ば 街 背 に對 へて は 、 倭 は 山 内 と ヒ そ い ふ べ け れ 、 外 と は い か で か い
は む 、 そ のう へ鮒 と い ぴ て は ガ が の幇 蠏 膿 こ も れ る な ど お ほ く あ る古 證 ゼ も に も そ む げ り 、 叉 倭
ナ ラ ザカ . . ヒキ ゼラ ヤマトノ 髻
は 、 北 な る奈 良 坂 の 方 の み 山 低 く し て開 け た る を も て 、 山 門 國 と いふ 、 と い へ る も 心 得 ず 、 か の 諢
・ テ ラ ・ 一 ヒキ
師 の考 へ の如 ぐ 、 四 方 み な 山 門 よ り 出 入 む に こ そ さ は 名 つ く べ け れ 、 そ の 中 に 一 か た 山 低 き に つ
ヤマト クガ 、 イ ザ ナギイ ザ ナミノ
オホヤ シマ
き て 山 門 と い は む は 、 似 た る 事 な が ら い た く 違 ぺ る 物 を や 、,
叉 或 読 に 、 伊 弉 諾 伊 弉 冉 奪 の大 八 洲
豎
國 號 考 , . \ 一 . ㌦ 四六七
﹂
●
ダ
O
げ
國 號 考 〆 , 聖 璽 ハ八
ヘ
メ
σ
ウミ
ホ
ヤ マト
トぱ
アキ
ヅ シマ ぐ
ウミマセ ヤ シマモト
を 生 ま す 時 に 噂 始 め に 大 日 本 豊 秋 津 洲 を 生 坐 る故 に 、 や ま と 拭 八 洲 本 と い ふ 意 の 名 な り と い ふ は ち
ナ、シマ ノゾ 才ホナ 、
,
. タ
・ ウミ ツイデ
,
七 洲 を除 き て の大 號 に つき て い へるな れ ば 、 か な 拭ず 、・
そ のう へ八 洲 を 生 ま せ る次 第 も 、古 事 記
、
に
は・大倭綾 り砦 をや・叉契冲が読 に釋 名翫 蓉 ・産蚕 .
虻 物 嘗 いへるを牡 ・嘉
夢率
ノ ・ .
・
・ , へ 嚇
號 な る故 に 天 下 の惣 名 に 用 ひ ら る N よ し い へ る は 、 古 の意 に あ ら ず 、 後 に萬 の事 學 問 ざ た に な り
ての世 忙こそ・欝 蠶 名など・爨 を謝 よ碧 最 れなどいふことも勢 れ・。
密鏨 と いふが
{
オホナ
天 の 下 の 大 號 に な れ る は 、 上 つ.代 よ り の ことな れ ば 、
、さ る さ だ あ る べ,く も あら ぬ をや 、
ア
キヅ シマ 、 ・ 柔 ヤ楽 タラシピコζ オシビ♪ ・} 亙 マシく テ多 ラキノ台 ノア耋 シマノミヤニ シ・シメシキノ
秋 津 嶋 は 、 吉 事 記 に 、 大 倭 帶 日 子 國 押 入 命 、 坐 二葛 .城 室 之 秋 津 嶋 宮 一 治 二 天 下 一也 と 見 え 、 書 鹽
ス. ヲ 台 ノ妻 。鳳 ヲ フ も ノ ト 簡 . よ ・ノナ
紀 に も 此 御 卷 に 、 二 年 參 十 月 邁 二都 於 室 地 ↓ 是 謂 二秋 津 嶋 宮 uと 有 て 、・も と 此 孝 安 天 皇 の 都 の 地 名 ,
ゴホシ アキツ ノ トナメセルガ ノクマ ヂ オホミコト オコ
な り 、 か の 神 武 天 皇 の 、 狛 訓如 蜻 蛉 之 臀 晴 蝸と 詔 へ り し は 、噛
帥 此 地 の こ と 忙 て 、 か の大 詔 よ り 起 れ
げソキノカミ ポヘマノヲカ ムロ ノ ゆカヅラキノカミノ
る名 な り 、腋 上 の嚥間 丘 も 室 も 、 みな 相 近 き と ころ にt 、大 和國 葛 上 郡 な り 、 さ て孝安 天皇
の飜 努 しく鸚響 し譁 の者砦 か軋 穉潮蠍絛と つ.
謬 ていびなら ぴ、そ の倭 に引 れて、
つぴ昊 の下 の蓼 猩 もなれること璽 鰍蘿 ど辭 じ製 り ・次 に委く いふを拿 見 べし、然
ガク
ミソ
ナハ
トナ
メ アル
る に が の神 武 天 皇 の國 袱 を 御 覽 し て 、 蜻 蛉 の臀 岾 せ る が 如 し と のた ま へ る を 、 或 は 天 の 下 の こ と
ら
シカコヘロゥ
と し、或 は大 和 一國 の事 とす る から ↓ 此 秋 津嶋 て ふ 各 を漸 然 心得 め れ ど も 、・
然 に ばあ ら ず 、國 萋
・
.
.
・
塘
歌 とあ るに つきては、な 嶷 ふ会 脅 ぬべけ れど、氤 は簷 郡饗 ど になれ 譲 ど の谿 も罵
,
解 い へる慮 の董 なれば濠 5 とかあ らむ ・ざ て雄奨 篝 吉暫 繋 し謄 ・額 簾
クビ アキヅ トぜキ アム クヒ じ ヨ ぞ セ アム ロ
を 咋 た る に 、-蜻 蛉 飛 來 て 、・そ の 虻 を 咋 け る 時 の
ゴ
大 彿 寄 に、 手 、
'﹂む ら に 、'虻 か き っ 凌 、 共 あ む を 、 ﹂
,騨 冨
ぞ ひ、 かく のごと、脅に響 ≒ .
そら み つ・馨 國 を・騷 礫 と尋 とよませ蒙
潜そ れより騫 を阿岐豆野 茗 言 ら れレ事、裹 記覧 えたり、鋤響 の薦 涼 より養
噺
オヒ アキヅ
イサヲ
國 を 秋 津 嶋 と い ふ こ 乏 ば 、 今 か く の如 く 、、 其 名 に負 て蜻 蛉 が 易 あ ら 歯 と て な り 、 と よ み な し た ま
べ るなれ興 秋津嶋 の事 にはあつ からず、
熱 るを書紀 には、既御憾 詞、.
はふ虫も 大君 に、ま
つ象 、裟 かた象 む 、鬻 撫 とあり・、
是 はす 奮 ち汝が名 にお へ髭 秋礁 欝 に霧 を
雪 し蓼 て、寮 を蝦蝉 と名づけむ、と のたまふ鼕 ゑ し、説 ど こはよく 芋 ば・此時 、
でザデ ノ
の蜻 蛉 の 功 に よ り て 、 國 名 を 秋 津 鴫 と 名 づ け た ま へ る ご と 聞 え て ..
ま ぎ れ ぬ べ し、 さ て ま 距秋 津
の窪 ・古 龕 籍 嚢 肇 葎 雰 また嵳 る﹂鮮 に售 驂 デ ・紫 多 をのみ書て・尸
楽 の観犇 るは; もな丸 .黌 に瀧£ む維 剃 或 毟 高 じ父 之の嶋添 と籌 る
短
ア 屯 ヅ ス ・ノ 、
喧
﹁ に・
つきて 岐豆須とも いふは、 にとにぴがことなり馬洲宇 は須 に用 るはつね のことなれど竜し 、
アキヅ シマ ド
ら
コ
トコロ
秋津 洲 のと 、 盗然 い ふ ζ と は 、・
例 も な ぐ こ とφ り 番 か訟 は ぬこ と な るをや 、 さ て叉 海 な き 地 に嶋 と
へ
か
蟹 . 號 . 二 ﹁ ・ .㌦ . . ・ ・ ㌧ 四 六九
ゆ
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國 レ 號 . 考 ト . . ..・ ・ .凶 七 〇
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い耄 のある髢 は、滞 とは、耋 は必レ轟 寮 ならねどむ・ 山川 肇 にまれ・野 る鍵
トぷロ
ず
・ の 訪 る 勉 を いふ 名 な る こ と 、 始 に い へ る が 如 く な れ ば 、 此 秋 津 嶋 訟 ど も 、,瓜 の め
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ぐ れ る 影ら杁、て い ﹂
ふな り ・蠏 蜉 の驛 せ る が如 しと の餐 へ葛 ・、
薫 のめ ぐ れ るさま 碁 を思 ふべ し・ ま た そ の P
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ムロ セ
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ポカ コシノ
、あ た り を 室 と い ぴ し 竜 、
.さ る 由 に て 久 け た る 名 に や あ ら む 、 獪 他 に も 例 多 し 、 書 紀 に 、 越 國 を 大
八洲 の; にとりて・軅 ポ へ葛 .海儒 た農 ども蕊 國燐 いつくポ 論 を醗て 丶
嬲﹄ ,難 るが如姦 れば砦 で 、簗 の霍 を書 嶋とあ耄 、山川などのめぐりてこ 陣
の黎 る故な 、纛 樊 皇の都は、大私國高慕 の鞦 といふ所発 を、灘 といひ、欽哭 皇
シ キじ
ノ
ゆシ ギ シマ に ノポカ セ ナニシマ
¢ 都 は 、 師 木 と い ふ 所 な る を 、 師 木 嶋 と い へる 癒 ど 竜 皆 同 じ 、 此 餘 に も 海 な を 図 々 に 、
某嶋 乏 い
・ふ砦 の潅 か る・・
脅 籍 例 にてそ つけ クら む ・そ の中 には ・ か な らず いち じ 蒙 c
静 は馨
磐 も、こ選 ら﹄ ,
撃 し園め定要 、名 つけた耄 脅 べし、詫 蔑 了 謹 煙 妻 り
を ノも
'カ し ,
.
、
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騨 螺は・嘉 記に・誕 懇 譲 憾 響 ・
.墅.
爨 難 婁.
姦 発 丁 也蕘 え蕃 紀にも
﹁
.蒜 代の鴛 元栽 七月丙跡 量 ・塰 .
機 攤 締 欝 爨 綴 蕪 艨 繕 齢↓
と奪 ,
も と 此欽 明 天皇 の都 の聾 照 る を・萬 葉 集 の幕 ど も に 、レ ぎし ま のや ま と の亂 と よ め り 、抑 かく
西
一
・
ひ ・
㍗
. ミヤコ
の ご と く し き し ま のや ま と Σ つ 貸 け. い へ る意 は 、 も と は 大 和 一國 を さ し て に は あ ら ず 、 京 師 を さ
ミヤコ
し て や ま と 玉 は い へ る に て 、 し き し ま の都 と い は む が 如 し 、 か の萬 葉 の寄 に 、 や ま と に は 、 鳴 .
て
纂 らむ、よぶ鳶 、とよめ るやまとも、殊 に謙 を惹 て いへると擢 、黍 萩 礁 倭ち
ミヤコ
づ け い ふ も 、 も は ら 同 じ く て 、 本 は 秋 津 嶋 の京 と い は む が ご と し 、 さ れ ば そ の秋 津 し 謨 も 師 木 嶋
も 、 共 ヒ み な 京 の 名 を い へ る に て 、 國 の名 に は あ ら ず 、 こ れ ら も し 一國 の こ と な ち 催 、 倭 の 秋 津
ぴミヤコじ
嶋 、 倭 の し き し ま と い は で ば こ と わ り か な は ず 、辱さ て 本 は いつ れ も 右 の ご と く ﹂ 京 師 を い、へ る な
ウツ
ロ
れ ど も 、 か く つ 黛 け な れ て は 、 や が て 一國 の 倭 に 竜 轉 し で 、 秋 津 嶋 や ま と の國 と も 、 し き し ま の
ウツ ノ
倭 の國 と も よ め る は 、坑 詞 のご と く に も なれ るな り 、 さ て ま た轉 り、 て、 萬 葉 十 九 卷 に う立 わ かれ 、・
ノ
君 が い ま さ ば 、 し き 嶋 の 、.人 は わ れ じ ︾ 、 い は ぴ て ま た む と 乱 め る は 、 大 和 國 を や が て し き 嶋 と
ナ
のフ ロ ナユハ
い 奴 る な 画 、 こ は か の奈 良 を 青 に よ し 、 難 波 を お し て る と の み い へ る に似 た り 、 さ て ま た倭 に ぴ
か れ て 、 つ ぴ に 天 の下 の 大 號 の 如 ぐ に な れ る こ と も 、 秋 津 嶋 と も は ら 同 じ 、文 菁 の 道 を し き し ま
ウ ツ にシ ギ シマ オコ
の道 と い ふ は 、 大 號 次 り 出 て 、 又 轉 れ る も の な り 、 さ て 此 師 木 嶋 て ふ 名 の起 り を と く に 、 崇 紳 天
皇 フクミ ヨ ロ
リ コ
リ へ
と 欽 明 天 皇 と 二 御 代 の都 を 翁 て い ふ は誤 な り 、 其 故 は 、 す べ て か 駈 る こ と に 、 古 を考 へ.
合せて
ヨハ劣
い ふ は 、 物 し り 人 のう へ の わ ざ に こ そ 有 れ 、 世 一間 のな べ て の人 ば 、 た ゴ何 と な く、 さし あ た り た
國 號 考 、
・ .
、四七 一 ワ
燭
畠
'
4
、
寧
國
號 、考⋮ 四七ニ
ヘ ミヤコ
る事 よ り こそ は いひ出 る物 な れ 、古 を思 ぴ て いふ も の に はあ ちず 、 さ れ ば京 を しき嶋 と いふ も、
ソノトキ コおミヤコ へ
た § 釟 明 天 皇 の御 時 に い ぴ な ら へる 、 當 時 の 京 の 名 を 、 他 京 に う ヴ り て 後 竜 獪 云 る が 、 お のつ か
マ
ヅ タウ
ら な べ て の 京 の稱 のご と な れ る な り 、 た と へば 、 も ろ こ し に も 唐 と い へ る が 、 後 々 の 代 ま で か の
.國 の 名 に な れ る ・ そ れ も た f ㌍ 蠏 の 唐 よ り い ひ な ら へる に こ そ あ れ ・ 廊 の 庸 堯 の 唐 を も か ね て い
キヘ ヘ ズ
ふ ,に は あ ら ざ る が ご と く 、 ヒ れ も 古 の 崇 紳 天 皇 の 京 ま で を 思 ぴ て い ぴ な ら へ る に は あ ら ず 、 も
マツ
し ま た は や ぐ 崇 紳 天 皇 の 都 ポ り い ぴ 出 た り と な ら ば 、 後 の欽 明 天 皇 の都 ま で を 待 べ ぎ に あ ら ず か
〆
、
瞳
丶
ノ
、
ノ
・
}し ・ 鈩 一
・ 亀 ・. ノ ノタマ ダ・へ置 、 ' クハシボコチダルクニ 、
叉 か の伊 邪 那 岐命 の詔 へ㌢ し稱 辭ど も の意 、 浦 安國 は 、 上 に い へるが 如 し ↓細 戈 千足 國 と は、 細
ホ ク ハ シ チ タマボコ び
、天は 知 の 枕 詞 に て 、 細 ば 戈 を ほ め た る詞 な れ ば 、 久 波 斯 と 訓 べ し 、 知 と つ 璽 く 意 は
ド
、 ヘ
玉矛 の道 と
ミ ミ ソヘ ノ ヂ カヘ ヘホコ
い ふ と 同 じ 、 道 も 美 は 御 に て 、 添 左 る霄 な れ ば 、 枕 詞 は か な ら ず 知 へ係 れ り 、 さ る は 古 戈 の柄 に 、
チ や
ヒキアク ツケ リ ズ ヂ
知 と いふ處 の有 し な る べ し、 凡 て手 に・ 取 て 引 擧 べ き 料 に付 た る物 を 、 知 と 云 例 多 し 、 今 も 幕 な ど
ゴノ リ ツ
サす
に 乳 と 云 竜 の ヒ れ な り 、 さ れ ば 戈 に て も 、 取 持 と ヒ ろ を 然 は い へる な る べ し 、 さ て 枕 詞 よ ⑳ っづ
ヂ ヂ ダル コト
き た る意 は・ 、 此 知 て ふ 言 の う へ の み に て 、・千 足 、
の 意 は 別 な り 、 そ は 上 に 引 る 應 紳 天 皇 の大 御 哥 に 、
洲〆 モ ・ ヂ ダ ル ヤ 紘 ハ モ、ミ ユ チ ダ ル 、 ・ 緊
毛 々知 陀 流 、 夜癰 波 母美 由 とあ る、 知陀 流 これ なり 、 此 事 は古 事 記 傭 に委 く い へれ ば 、 こ 丶に は
タ リ
は ぶ き つ・欝 轜 暴 薩 は・磯 轜 疏 は ・ これも 枕 詞 と は聞 え た れ ども ・ いか に い へる に か・ い と
鄭
. ・
`
ヒサ げ シヒ シ ワ シワ ナミ ノ
心 得 が た し 一 さ れ ど 強 て い. は 璽 、 磯 輪 は 皺 に て 、 波 を い へる か 、 古 今 集 な る 壬 生 忠 峯 が 長 哥 に,
シワ
立 浪 の 、 浪 の皺 に や 、 お ほ 丶 れ む と よ め る も 、 も し く は も と よ り 、 浪 を 皺 と も い へ る 事 の 有 し 故
ノ ル ち
に や 、 巴 思 は る れ ば な の丶 も し さ も あ ら ば 、 上 は 浪 の 立 の ぼ る な り 、 か く い ぶ こ 乂 ろ は 、 浪 の た
"
.い
ナミ ホ ら ポ
つ を 波 の秀 と い ( 、る こ と 、 勲目紀 萬 葉 な ど に 見 え た れ ば 、 波 立 の ぼ る 秀 と い ふ 意 に つ 冥 き た る な る .鴫
. カレ ノ ボ ル
・ ぺ し 、,故 上 を も し ば ら く 能 煩 流 と は 訓 つ 、 さ れ ど こ ぼ こ 罫 う み に い へ る ば が り な り 、 な ほ よ く 考
ロが
ボツマ クユ ポ
ふ べ し 、 さ て こ れ も 、 枕 詞 よ り つ 璽 き た る 意 は 、右 の 如 く に て 、 秀 眞 國 の 意 は 然 ら ず 、 そ の秀 の
ノ
・意 は 上 に い べ り 、 か く て 此 三 つ は 隔 た 璽 畿 内 の 大 和 國 を 徳 め て 、 か ぐ の た ゑ へ る の み に て , ま さ O
ノ
カレ テ ヲ カ・ .
オホナ 瀕
. し き 國 名 に は あ ら ず 、へ故 書 紀 に 、目 レ之 と 書 れ た り 、 さ れ ば い ふ ま で 竜 あ ら ず 天 の 下 の 大 號 に も あ
アゲ
ら ね ど も 、 倭 の ち な み に い さ N, か こ 乂に は 擧 つ る な り 、
倭 の 脚+ . 棚 , ︾ 、 !
む ノ
倭 の字 は 、 竜 と も ろ こ し の國 よ り つけ た る 名 に て 、 そ の始 め て 見 え た る は 、 前 漢 響 地 理 志 に . 東
箱 夛 ナリ プ 三 ニ デ ノ ルヲ ハレ テ ヲ = ス 到 ・ 九 孟 カナ ノ ﹂⋮
夷 天 性 柔 順 、 異 ご於 三 方 之 外 ↓ 故 孔 子 悼 ご道 不 ツ行 、 設 二桴 於 海 ハ 欲 レ居 ご九 夷 ハ 有 レ目 也 夫 、 樂 浪 海 中
リ 、 デ ス ' ト テ ヲ テ ス ㌻
有 ご倭 人 ハ 分 爲 二百 餘 國 ハ 目 ご歳 時 叫來 献 見 云 、 と い へ る 是 な り 、 そ の 後 の 書 ど 竜 に も 、 み な が く 倭
ヘ
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・ 國 號 考 、
一 . ・
、 塁 賦
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國 號 考 、
﹁ . ' 四 七四
人 と い ひ 、 叉 は ぶ き て倭 と のみ も い へり 、 憲 て 倭 と は 、`い か な る 意 に て 名 づ け つ る に か 、 そ の 由
カキ
ヘリ
は さ だ か に 見 え た る事 は な け れ 芝 も 、 か の漢 講 淀 、 東 夷 天 性 柔 順 と 書 出 し て 、 有 ご倭 人 扁と つら ね
丶
い へるを墨 ば、班異 意 は、諡文頓 蔑 字綺 鼕 、脇貌 と注レ餮 と讐 く て、柔順 なる
故 に倭 人 と は いふ 乏 心得 た るご と く 聞 ゆ め り 、 さ れ 酵 そ れも 字 に つぎ て のお し は か り な るべ し 、
フルキ翠 ・ ノ ノ ・ル ノ ニ テ ク カ ノ・ .. イカニ ラ テ ヲ テ ク ワ ヌ ζ
ま た 皇 國 の舊 読 に 、
ド
此 國 之 人 、韭日到 二彼 囲 ハ唐 人 間 云 、・
汝 國 之 名 稱 如 何 、 自 指 嵐果方 層答 云 、 和 奴 國
聡郵 ・瓢 狐 匕胤鬆 也 ・島 丑凡
後 謂ご之饗 璽 也ど 釋 呆 紀元 々集など 纔 られたれども・こ
ウケ げ ヒ ワ ヌ コク よ ノ
飢 も 信 が た き 諡 なり 、 そ のゆ ゑ は 、 ま つ 倭 奴 國 と いふ 名 は 、 後 漢 書 に 倣 じ あ て 見 え て 、 倭 萋國 之
極甫界楓 とあれば、皇國 の内 の南 の方 の 薗 の名驚 を、唐薫 どξ き えあやまりて、皇図
な
の欝 騨 のご と く書 るを ・そ﹂
のも みな此総 禽 へで ・ か と に ても こ 亮 て竜・な さる・
ヲ ワキマ アゲツラ
事 と のみ 思 ぴ 居 る は 、 い み し き ぴ が こ と な り 、 こ の 事 お の れ 馭 戎 慨 言 に つ ば ら か に 辨 へ 論 へ り 、..
フ ヌ ノ ゆ ロ コタ ロ
され ば倭 奴 は 、 も 巴 よ り國 名 に ま れ、ン又我 と い ふ意 に て 答 へた るに ま れ、 皇 國 の内 の 一國 の名 な
\
オホ
ナ
トク
モロ
コシ
ノ コヱ
れ ば 、 こ れ を も て 大 號 の倭 て ふ 意 を 読 べ き に あ ら ず 、
﹂又 或 読 に 、 倭 奴 國 を ・ 唐 、國 の 音 に て い へ ば 、
欝馨 にて・・
纓 羅 と いふ妻 り・と い へ葛 ぴがこどなり詑 欝 蠏 璽 大八洲より辯 には ・
・
が
ラ ヘピコ ワ
つ
ノのヲ ヲ
出 來 つ れ ど も 、
路 淡
嶋 の ほ と り に あ る 一 つ の 小 嶋 の 名 に こ そ あ れ 、 ,紳 代 よ り 天 の 下 の 大 號 に い へ
' び
'
・ .
.
、 \
ミ クニビト トックニ シリ
る こ と一さ ら に な し 、 然 れ ば 皇 國 入 の い.は ぬ 名 を 、3外 國 の 人 の 知 て 名 づ ベ べ き 由 む ら め や は 、 此 論
繁 と 、江 毒 に神 道者 と いふ も ? 、此 お のご ろ 嶋 を 、皇 國 の蕣 のf 譫 な ぜ る忙 よ り て い
ヲノニ
へ る な り 、 ま た 倭 奴 國 と い ふ は 毒 の ピ ろ 嶋 、、お の ころ嶋 は丈 夫 嶋 と い ふ意 な り と いふ読 は、 殊 に
オ ヲ コヱ
コトモ
あ た.ら ぬ 事 な り 、 こ は 於 と 袁 と 音 の異 な る を だ に え し ち ぬ み だ り ど と そ か し 、
ヤ マ ト ク へ
夜 麻登 と い ふ に 、 や が て 此 倭 の 字 を あ て 乂書 事 は 、 い と ノ \ 古 よ り の こ と 玉見 え た り 、
一古事記 に
もみ麁 字 をかき、ηへ
書紀 にも、日誉 書 て夜痲登 譱 事 は誦 代卷 に、此 翼 麗 聡 と註あれ
ど も 、倭 の宇 を書 る に は か xる註 も なけ れ ば隔 世 にあ ま ねく 用 ひな ら へる こど しら れ たり 、 す べ .
のナエ リ カリ フ
て 文 孚 は 、 高 の 物 の 名 も 何 も も ろ ヒ し の國 の を 借 用 る 例 な れ ば 、 こ れ も か の斷 よ り 名 づ け て 書 る
審 ・そ の餐 に用 ぴ む 事 ・.さ も あ る べ 窮 ざ肇 ・ 然 る を此 字騨 に あ らず ・ と 答 て墜 人
が
スメラオポミクニ ナ む まキナ
あ れ ど も 、 宇 の 意 は い か に も あ れ 、 皇 大 御 國 の號 と な り て は 、・ナ な は ち霈 號 な る をや 、 さて 此 倭
の字 、も う こ よ り 名づ け た るは 、蕭 のみ にて 、翻 酵 σや ま と を ば 、皇 國 人 の い へるゼ 聞 て か
ヤ マ ト ヤ マ
で 縣
け り と お ぼ し く て 、 後 漢 書 魏 志 汝 ど に 耶 馬 臺 、 隋 書 北 史 な ど に 竜 耶 摩 堆 と い へり 、・然 れ ど 竜 皇 國
カヨ
にて は 、畿 内 のに も通 は し て ゆ み な倭 の字 を用 ぴ たり 、
㌧
和 の ・
字 ↑ 歴 、
辱 . 獅
馬
閣 擴 考 . 、 ・ 四七五
丶
辱
夛
\
、
"
翩幽 糖
鰤 此
φ 四 七 山 ハ
アダシクニ オホナ
和 と い ふ は 、 皇 図 に て 後 に 改 め ら れ た る 字 な り 、 さ る 故 に 、 異 凾 の書 に 、 大 號 に 此 字 を 書 る こ と
ヘ ギ アダシクニ
さ ら に な し 、 思 ふ に こ れ は 、 古 よ り 倭 の 字 を 用 ひ 來 つ れ ど も 、 も と 異 國 よ り つけ た る 名 に し て 、
翆ギ モジ オナ ジ コヱ ヨキ モジ 、 ヘ ヤ マ ト
美 字 にも あ ら ず とし て ぞ 、同 膏 の好 宇 をえ ら び て 、改 めら れ た り け む 、 さ る は古 はた ゴ 、夜 麻 登
ガリ 褐
と い ふ 名 髫 の み む ね と は し て 、 文 字 は い かだ ま れ 、 帳 の物 な れ ば 、 よ き あ し き さ だ に も 及 ば ず 、
キ ョキアシ
あ 畚 ま Σ に 倭 の 字 を 用 ひ 來 に し を 、 や Σ後 に は 、 文 字 の好 惡 き を も え ら ば る 丶事 に な れ り し な り
鴨
ゑ ナル
け り 、 さ て 此 和 の字 の 事 、 上 に 引 る 漢 書 の 丈 、 叉 順 貌 と 注 せ る な ど に 、 和 順 な ど 乂 も つ ゴ く を 合
モジノコ、。 隶 . ノ 柔 ミコ トノ草 バ ヤ冢 ヤハラギテ ゴ ノ
せ て お も へば 、 倭 と 宇 義 竜 遠 か ら ず 、 ま た 書 紀 の繼 躰 天 皇 御 , 卷 の 詔 詞 に 潴 日 本 琶 々 名 擅 二天
ニ
下 鳳云 々 と あ る 、 畠 は 離 と 通 ひ て 、 詩 の 大 雅 に 離 々 と い ふ 註 に 、 鳳 凰 鳴 之 和 也 と も 、 和 之 至 也 と ノ
● ノミコノミコト ミ
ノリ ハジメ
、
テ ヲ
ス ト
も い へ る 、 叉 聖 徳 太 子 の 憲 法 の 首 に 、 以 レ和 爲 レ貴 と あ る 、 叉 も ろ こ し に て 雍 州 と い ふ は 瓢 も と
ノ
リ ノ ノ
王 都 の國 の 名 な る故 に 、 皇 國 に て も 後 世 忙 こ れ に 叛 ら ぴ て 、 山 城 國 を 雍 州 と い ふ 、 此 雍 字 も 雛 と
ヨシ
リ
コヘ
ロ トの
ブ
通 ぴ て 、 和 也 と い ふ 註 あ る 、 こ れ ら み な 由 あ れ ば 、 いつ れ に ま れ そ の義 を 取 れ た る か と も 思 は る
れ ど 、 そ れ ま で も あ る べ か ら ず 、 す べ て の事 後 に 考 ふ れ ば 、 お のつ か ら 由 あ る 事 ど も は 、 く さ ぐ
さ い で く る物 な り 、 ま た 子 華 子 て ふ 書 に は 、 太 和 之 國 と い ふ こ と も あ れ ど も 、 こ れ ら は さ ら に 由
な し 、 -
噺 、 ・.
,
瀞 ゆ
ボ
リ
一
、欝聟
瓢隷 籍 獅
⋮驚 溺
蕀齣谿
靴齢難 響 輪 難 離 一
れども、 よりどこ乃ありげに樹 ゆ譲 に.なほ古書 墓 考 へ見 るに、ぎ 古器 讐 らにも 阿
ばず、書 説 に轟 の宇.
にかける董 は見 えず 、績 紀 に至 りて、歴 めで擧 に砂 る韋 旻 た、
.
・り、︾
髄、蓑 芝 、かの天藤 寶 と奮 が、蔀 むあらざ る.
こ嵳 か つー しり ぬぎ れど撫
改曽 れ たるこ森 し るされず 、灘姦 禦 籍 を鐙 るにや 帥じ めの瞥 篌 の字 をのみ葦
慧 難 懃 壽讐 縫鬆福
鷺 鬱饗 線 讐 識
ロぐ
う ネ
さ埀 武天皇 の、獅代、.
蓁 九年+二月再寅.聡 大隊 多 蒙 斟 甫 +九年三月辛卯・晩夫 ・
養 舞 鶴レ
驚 失歓 とあれば、罅 も荏 劈 字なりと としられたり・蕎 譱 羹 皇◎
天馨 藷 隼 万 乙腎 の書 、以頃
制
欝 位 纛 凩朝 臣永`
♪ 夢 大倭罫 とあ るまでは・、
み残 ..
竃 、
て、そ の後峯 攀 二年量 日 の才
鯲.ピ、態 め て霜 國 堯 卦 るど れより後 は・又み . '
ヂ サ
な和の望 のみか 玉・
れな 、託 にてまつ 、黶 茜 年 土 慰 り、・攀 韋 二塁 お 解 改め
ら れ たり と はし ら れ た り 、 そ れ も何 とな く 和 の字 を書 拙 せ る に はあ るべ.
か らず 、 か の養 徳 と 改 み
︾
﹂
擁 鐘 考 " . 、 ﹁ 一
馳 . ・ .西 七.
七
、 、、
読
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广 ・
'
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愛
病
广
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國 號 ﹂考 曜 . 鷺 \ 四 七 八 . 、
オぷミント ツケ
ら れ し 時 の例 を 思 へば 、 致 和 の 字 も 、 か な ら ず 詔 命 にで 藩 ら れ た り け む を 、 紀 に は そ の 事 し る し
リリ
ごノ ロ
キ
ビ オト
濕 さ れた るな る べし 、類 聚 國 史 な ど に'
も見 え ざ れ ば 、後 に寫 し脱 せ るに は あ らじ 、 さ て叉 萬 葉 集
を 考 ふ る に 、 十 八 の 卷 ま で に は 、 胥 に 竜 詞 に も 、 和 の字 を 書 る 所 菰 な く し て 、 十 九 の 卷 、 天 季 勝
ノ ニ に ロ の の ノノ ノ ノ
、
蜜 凶 年 十 一月 一一十 五 日 、 新 嘗 會 肆 宴 、 應 ヒ詔 歌 六 酋 め 申 に , 右 一首 大 和 國 守 藤 原 永 手 朝 臣 と ゐ る 、
とれ和 の字を書 る始め な り、 叉 二蓉 に・先太上天皇蟄 陪鑾 } 臨・充講 看 篝 下墜 和塾
ス む ヒ ノ
爺 奏 上云 々 、己右 天 李 椦 寶 五 年 五 月 云 々と あ る 、 こ れ に 始 め て 和 歌 と も 書 り 、 そ も / \ か の永 手 朝
ノ
み
ノ
臣 を一
大 倭 守 之 せ ら れし は 、 上 に 引 る紀 の丈 のご と く 、 勝 寶 四 年 十 一月 乙 巳 臼 に て 、 乙 巳 は 一一日 な
る に 、 そ こ に 獪 倭 の 字 を か け る と 、.
此萬 ・
葉 に 、 そ の 同 月 の 二 十 五 日 の事 に 、 和 の 字 を 書 る と を 61
合 せ て お も へば 、 ま こ と に 天 李 勝 寶 四 年 十 一月 の、
、三 甘 よ り 二 十 四 日 ま で のあ び だ に 改 め ら れ た
る な り け 婬 ・ 寄 て 叉 大 偽 宿 禰 と い ふ 蝣 は ・ か の鯊 鯉 と 改 め ら れ し 時 も 由 そ の字 に し た が ひ て ㍉ 大
}
ン ら へ ぴ ゅ
養 徳 宿 禰 と か 製 れ た れ ぜ 、 和 の 字 忙 改 ま り 距 る時 も 、 そ れ に し
噛
た が ふ べ き わ ざ な る に馬 竇 字 元 年
六 月 の脈 ま で も 、 な ほ 風 字 を か き て 、 伺 年 十 二 月 の文 よ り 、 始 め て 大 私 宿 禰 と あ ザ 、 そ の こ ろ 臨
ミコトノリ
既 に姓 氏 の 文 字 な ど 竜 、 瓢 忙 心 に 象 か せ て 淋 か ㌻ず ↓ 必 お ほ や け よ り 勅 有 て 、 定 め ら れ も 事 な
ノ サ モト
れ ば 、 國 名 の和 の 字 に 成 し と き 、 此 姓 の 字 も 、 然 改 む べ き 勅 あ る べ き に 、.其 後 し ば し な ほ 舊 の ま ,
蜘 腆
り
ま に 書 し は 、、此 姓 の 字 改 む べ き 勅 は 、 寶 字 元 年 に 至 り て 有 し な る べ し 、 さ て 寶 宇 元 年 の所 に 、 此
ノ
し
ノ
姓 を 大 和 宿 彌 と 書 る に て 、 國 名 の方 は 、 そ れ よ り さ き に既 に 改 ま り つ る こ と 、 い よ 墨 いち じ る し 、
す べ て 續 紀 に は 、 は じ め に 倭 の 字 な る ほ ど は 、 み な 倭 の字 を の み 書 て 、 和 と 書 る こ と な く 、 和 の
字 諏 始 めて篠 、叉みな和 の字 のみにて、倭 を羅 へたる重 鯵 ければ・
改 められ つ皐 耳
漂
も 、 お のつ か ら 右 の ご と く に は 考 へし ら る 丶 な り け り 、 然 る を 田 令 の申 に 、 大 和 と 書 る 所 あ り 、
ヤ
ノ ノ
又 書 紀 崇 榊 御 卷 に も 、 和 と 書 る 所 ︼-
つあ り 、 又 績 紀 八 の 卷 に も 、 二 所 大 和 國 と か 唐 、 和 琴 と も か
き 、 叉 萬 葉 集 七 の 卷 に も 和 琴 と か け る 、 ヒ れ ら は み な 後 に寫 し 誤 れ る も の 次 り 、 そ の前 に も 後 に
も いと お ほ か るや ま と に、 み な倭 の字 を のみ書 る中 に、 いと ま れー に ; 二 つ 和 と驚 き由 な
ダ
ヘ '
ノ
け れ ば な り 、 、後 世 に は 、 心 に ま か せ て 通 ば し 書 く 故 に 、 た 璽 同 じ こ と 玉 心 得 居 て 、 ふ ど 寫 し た が
コヘ ロ カムノクダジ
へた るな る べ し、 又 和 銅 てふ年 號 竜あ れ ど も 、 此 和 は やま と の義 κ はあ ら ず 、 さ て 上 轟 籏 紀 に -
出 悔 ウチツクニ
ヒドクニ オポナ
る は 、 皆 畿 内 の大 和 .一國 の 名 の字 に て 、 天 の下 の大 號 のや ま と の さ だ に は あ ら ず . 穴 號 の に
は 、、
書 紀 より し で 、 潅 く は 日本 と い ふ字 を用 ぴ ら れ たり し故 に、 そ のさ だ に は及 ば ざ つ し にや 、
和 の字
に
改 ノ ステ ぬ
ま り て後 も、 畿 内 の國 名 な ら ぬ には 、 な ほ倭 の字 をも廢 ず し て、 す な はち頡 紀 な ど に
ヤマトネコスメラミコト
も 、 倭 根 子 天 皇 な ど ﹄ か 玉れ 、 そ の 外 に も お ほ く 見 え た り 、 し か は あ れ 電 も 、 大 號 も 本 は か の 噛
リ ロ ロ づ が
國冖 雛 考 h・ 四 七 九
●
'
ノ
國 鷺 考 ` ・ 、 .
、
.. 四 八 ○ .
ヘ ミ
ヴ
ヨロ
國 の各 よ 噸 お こ れ る に 、 そ の本 を 改 め ら れ つ る う へは 、 何 事 に も み な 、 和 の字 を 用 ひ む を や 宜 し
覧
.
、
と は いふ べ か ら む 、
汽 妖広 ヒ ノ モ ト ・ .
・
畜
邉 率 比 能 母 登 と い ふ 事 を も 附 いふ
メ
瓢
六
ム
. ヒ
ノ モ ト
カ
■ナ ケ ア
ダシ
クニ シメ
广日 本 と は 、 竜 と よ り 比 能 母 登 と い ふ 號 の孫 し を 書 る支 字 に は あ ら ず 、 異 國 へ示 さ む た め に 、 こ と
「覧
営 に轡 れた る饕 りザ瓜 蓉 馨 式 に・明瀞禦 芙 ん洲天皇認旨とむ る.
を ば・ 義 讐 ・駄ニ
ノ ニロ サナリ バ テ ヲ ル ノ ニ ナリ
於 朝 廷 大 事 一之 辭 也 と い ぴ 、.明 紳 御 宇 日 本 天 皇 詔 旨 と む る を ば 、 以 ご大 事 一宣 二於 蕃 國 使 繭之 辭 也 、
と 込へるをもて郷 しぎ て義 を轡 れた る嬢 いつ れ の御代ぞ といふに、粤 古事記 に此號
見 えず・叉書紀皇極天皇 の禦 ま でに泌 鑒 といふに旺本 とが 読 たる嬬 後 に此紀 驫 ばれ
σ
戀
し蒔 に、 改 め ら れ た る物 にし て 、 そ のか み の文 字 にば あ らざ る を、 孝 徳 天皇 帥 位 、
.大 化 元年 秋 七
"
月 丁卯 朔 丙 子 、高 麗 百濟 新 羅 欝 魅 "偽 巡 バ認 却 々慨 貯黝 徳 九蹼 講 ご於高 騒 佛 一鴎 、哩 習灘 ミ鶴伽犠 .除瀬 一
スメラガオ*ミゴトラマトノリタマフ 弥 ノ ニ ク .
、 、
搬 .
.
.アヲタ叉
天 皇
謂 旨 云々、 叉 詔ご於 百濟 使 一
日 、 明 祚 御 宇 日本 天 皇 詔 旨 云 々と見 え た る、
これ ぞ薪 に
や
襲 とい巍 を警 、書 たま へ凄 じめなりけ る・
読 妻 ぐ の認 のさまとは簿 喜 ありけ
ノ テ ノ ノ ニシメ玉 バクソ ガノ.ノ某 オミユ柔 ミコトノヲ アキツ・
、
・カミトシ卩シ爻 二玄 ヤマト
、る 、 工
民 た 同 こ 年 こ 月 甲 午 朔 戊 卑 、 天 皇 幸 二宮 東 門 ↓ 懐 二 蘇 我 右 大 臣 詔 日 ↓ 明 紳 御 岡宇 日 本 鴫倭
ネ コ スメ ラガオ 永ミ 認 トラ マトウゴ ナ ハリ ハム ベル マ ヘツ ギミ タチ えミ ム ラジク ニノ、
ミヤ ツ コトモ ノミヤ ツ コア メノ シタ ノオ 恥ミク カ夢 詠ノリ タ マ フ アダ シ ク ニビト
根 子 天 皇 詔 於 集 侍 卿 等 臣 蓮 國 造 俘 造 及 諸 百 姓 .
云 々、 これ は異 國 入
. ∼
ρ
∵ ﹂
" ・
砂
ノリ スメラミヵド
に 示 す 詔 に は あ ら ざ れ ど も 、 此 號 を 建 ら れ て 、 始 め た る 詔 な る が 故 に 、 か く 宣 て 、 皇 朝 の人 ど も
アタラシキナ ヤマト カサ ノリ
に.も 、 新 號 を 示 し た ま へ る な り 、 も し 然 ら ざ れ ば 、 日 本 倭 根 子 と 、 倭 へ重 ね て 宣 た ま へ る は 、 や
カサ ニ ポム
ま と / \ と 、 同 じ こ と の い た づ ら に 重 な る に あ ら ず や 、 か Σれ ば こ の 日 本 と い ふ 號 は 、 孝 徳 天 皇
ユ
モノシリビト
の御世 、 大 化 元 年 に はじ めて 建 ら れ た る こ と いち じ るし 、 然 る.
を 世 々 の 識 者 ど も 、 か の文 を よ く。
考 へざ る故 に ・鮮 の饗 よ り始 ま り し とも ・ え しら ざ るな り ・す べ て紫 徳 の禦 に は ・髴
アラタ
な ど も 始 ま り 、 そ の 外 も 薪 に定 め ら れ つ る 事 ど も 多 か れ ば 、 此 號 の出 來 し も 、 い よ 丶由 有 て お ぼ
。
ゆ る な戦 さて託 を も ろ こし ρ書 ど も と引 拿 、
蠹 泡 ・隋 の代 ま で篌 と のみ い へるを ・庸
ハ ヘノ ナリ ハシテ
に い た り て 、 始 め て 日 本 と い ふ こ と は 見 え た り 、鱆薪 唐 書 に 、 日 本 古 倭 奴 國 也 云 々 、 咸 亨 元 年 遣
ヲ ス ・ルマヲ ヲ ヤ・ ヒ デ ミテ ノ ヲ ニ ス . ト ラ フ シ ノ 濫 ル テ 条 ト ハ フ ハ
レ使 賀 〆李 三咼 麗 ハ 後 稍 習 二夏 音 ↓ 悪 二倭 名 噺更 號 二日 本 ↓ 使 者 膚 言 下國 近 二日 所 ︾出 以 爲 壱名 、 或 云 ヨ日 本
乃小戰 畿 脈殊 氈 覊 薯 不玩 挫・
憾・氈 罫 い へり・舊唐書には・倭と杲 とを
コト アゲ ハ ノ ナリ テノ ルヲ ノ ニ ニ テ ヲ ス ト ハ フ ラ テ ノ ノ ルヲ
別 に擧 て 、 日 本 國 者 倭 國 之 別 種 也 、 以 三其 國 在 二日 邊 蝸 故 以 二日 本 鷺爲 レ名 、 或 日 下倭 國 自 惡 二其 名 不 r
ナラ テ スト ト ハ フ ハモトハ ナリ スト ノ ヲ ナ
レ雅 、 改 爲 巾日 本 鉛 或 日 三日 本 舊 小 國 、 併 三倭 図 之 地 一と い へり 、こ れ ら を見 る に 、此 號 の出 來 て いま 、
し ノ
だ いく ほ ど も あら ざ り し こ ろ な る故 に、 彼 國 に て は 、 い ま だ さだ かに は知 らざ り し な り 、大 化 元
ノ
年 は 、 唐 太 宗 が 世 、 貞 觀 十 九 年 にあ た れ る を 、 か の咸 亨 元 年 は 、 そ の子 裔 宗 が 世 に て 、 天 智 天 皇
瓢
國 號 考 p . 四 八 一
9
魯
國 號 考 四 八 ニ
アヒダ じ
ユ キも り
の 九 年 に あ 光 れ ば 、 廿 五 年 後 な り、 そ の聞 に 竜 往 來 は 有 つ れ ど も 、 な 燻 か の 國 へ は 、 も と のま ㌧
ミ コト カヨ
アクラシキナ クヂ
ス ヘ カタ
忙 て 御 言 は 通 は さ れ て 、 日 本 と い ふ薪 號 の建 し こ と は 、 た 璽 此 方 の 人 の わ た く し に 語 れ る な ど を 、
ノ マ ビト
か りみ\ 聞 る ば かり にぞ有 け む 噛 さ て後 文 武 天 皇 の御 代 に、粟 田朝 臣 眞 人 を大 御 使 に つか は し 丶
マサ ツキ
を り よ り ぞ 、 か の國 へも 正 し く 日 本 と は な の ら れ け る 、 此 朝 臣 か し こ に ま か り 着 た り し 時 に 、 い
つ れ の 國 の御 使 ぞ と と は れ て 、 H 本 國 の 使 な り と 名 のり し ヒ と 、 績 紀 に 見 え 、 叉 か の舊 唐 書 に 竜
ユキヘ
マビトノ
さ ぎ み 丶 の往 來 の こ と を ば 、 み な 倭 國 と い ふ 方 に し る し て 、 日 本 國 と い ふ 方 に は 、 此 眞 人 朝 臣 の
カレ ノ
繊
ま かり け るを始 め と し てし る し たり 、 此 時 か の國 に武 后 が世 な り き 、故 或 諡 に 此號 を、 唐 武 后 が
嚇
時 に か の 國 よ り つけ た る ご と く に い へ る は 、 ひ が 事 な が ら 此 由 な り 、 ざ て 又 三 韓 の使 に は 、 大 化
ノバ
リ
元 年 に す な は ち 宣 知 ら せ た ま ぴ し こ と 、 上 に 書 紀 を 引 て い へ る が ご と く な る を 、 そ の醒 の東 國 通
ヘ マメテ ス ト ラ ヲ シ ノ ニ ル テ スト ト
鑑 と い ふ 瞽 に 、 新 羅 め 文 武 王 十 年 の と こ ろ に 、 倭 國 更 號 二日 本 ↓ 自 嘗 下近 二日 所 ジ出 以 爲 壱名 と い へ
'
る 賃 、 唐 の 成 亨 元 年 に あ た U て 、 年 も 文 も 同 じ け れ ば 、 か の唐 書 を と り て 書 た る 物 に て 、 論 に た
ら ず 、 す べ て東 図 通 鑑 は 、 か く さ ま の う け が た き 事 の み ぞ お ほ か る 、
ナ ノ ミ テラ アレ
日 本 と し も つ け た ま へる 號 の 意 は 、 萬 図 を 御 照 し ま し ま す 、 日 の大 御 神 の生 ま せ 惹 御 國 と い ふ 意
ニシノモロどヘ
ノミヤツコグニ ゆ
か 、 又 は 西 蕃 '諸 國 よ り 、 日 の出 る 方 に あ た れ る 意 か ﹂ 此 二 つ の中 に 、 は じ め の は 殊 に こ と
わ り に か な へ れ ど 竜 、 そ の か み のす べ て の 趣 を 思 ふ に な ほ 後 の意 に て ぞ 名 づ け ら れ た り け む 、 か .
ノ
の讐 天皇 の御世 に、畠 處 葦 乏 のたま ぴつかはレ 差 同じ .
ζ 詮 へなり、 ,
ヤ マ ト
夜 痲登 と いふ に、 日本 と い ふ竜じ を用 る こと は 、書 紀 よ り はじ ま れ り 、 そ は いま だ 例 な き事 に て㌻、
炎 のまどふべき故 に・職 卷に・ 日姦 勾敢 驤 ↓下皆籤 些 ど いふ訓注ばあるなり・墓
キ
記 は 隔 大 化 の年 よ り は る か に 後 に 出 來 つ れ ど も 、 す べ て の文 字 も 何 も 、 ふ る く 書 傅 へ た る ま 乂に
'
、
ヤ マ ト ノ
し る さ れ て ↓ 夜 麻 登 に も み な 倭 字 を の み か き て 、 日 本 と か 乂れ た る 所 は ぴ と つ も な き を 、 書 紀 は 、
バ
ド
ギナ
漢 文 を か ざ り 、 字 を え ら び て か 瓦れ た る 故 に 、 あ ら た に 此 嘉 號 を あ て x か 玉 れ た る な り 、 但 し 畿 ・
内 の 一國 のや ま と に は 、 お ぼ く 倭 と か き 、.
天 の 下 の大 號 の に は 日 本 と か き 、 又 一國 の 名 の時 も 、
ヒトフミ ノ
お ほ や け に か Σれ る を ば 日 本 と か 乂れ て 、 紀 申 お ほ か た 此 例 な り 、 人 名 も 此 ヒ 払 ろ ば へに で 、 天
皇 の 濕 御 に は 日 本 ・ さ ら ぬ 人 の に ば 倭 ど か ﹄れ た り 、 禮 醜 が 響 黏 湯 天 皇 襟 ト嫐 ノ命 な ど の ご と し ・
居 澎 は ・天 皇 の瀞 黛 に坐 ℃・.
よ うつ 天 量 ぴと し きゆ ゑ に ・無 とは か 読 つ るな り ・
ヒ ノ セ ト ナ ヘ ニ ホム ア ダ シク ニ
比 能 母 登 と い ふ 號 は 、f古 の 書 に 見 え ず 、 H 本 と い ふ は 、 意 は そ の 意 な れ ど も 、 も と 異 國 へし め さ
マウ
ユ ボ ム モジゴヱ
む た め に設 け たま へるな れ ぜ、 ぴ のも と Σは よ 患ず 、 始 め よ り 爾富 牟 と 字 音 にぞ いぴ け む 、萬 葉
ヨメ ノ イツコヱ
集 に 日 本 之 と あ る を 、 ぴ の も と の と 訓 る と こ ろ 多 か る ぱ 、 後 入 の 、 し ぴ て 五言 に よ ま む た め の ひ
謬 號 一考 .
.
四 八一
二
、
暘
"
國 號 考 四八四
ヨ コヱ フ.ジノ ヒノモトノ ヤマトノ
が こ と に て 、 皆 四 言 に や ま と の と よ む べ き な り 、・た 買 三 の 卷 な る 不 鑑 山 の長 寄 に 、 揖 本 之 、 山 跡
クニノ ・ ノ ホウシ = ヒノ雫 ノ . ヤ マ ト ノ クニヲ ヒノモトノ
國 乃 云 々と あ る と 、 績 後 紀 + 九 卷 興 福 寺 の僭 の長 寄 に ↓ 日 本 乃 、 野 馬 臺 乃 國 遠 云蔆 、 ま た 日 本 乃 、
ヤマトノζ ハ 一 、 . クラ ナ 〆
倭 之 國 波 云 々、 な ど Σあ る 、 これ ら の み は ひ の も と の な り 、 さ れ ど と は 國 號 に い へ る に は あ ら ず 、
ロ
ら
マト じ
倭 と い は む 枕 詞 な り 、 そ れ に つ き て 、 お の れ い ま だ わ か Nり し 程 に 思 へり し は 、 や ま と を 日 本 と
食 に・そ の置 う妄 かせたる誠 を・や がて枕 詞におけ るにて・葎 の叡甲 鵞 の群 ・な
ハルヒ 、 、 . .
ど 玉同 じ 例 な り と 思 へり し は 、 あ ら ざ り き 、 ま つ 春 日 の か す が と は 、 春 の 日 影 の か す む と い ふ 意
トブトリ メテ ヲ ピ アカミトリノノ ト テ ケテ ヲ フトブトリノ
に つ 璽 け 、 飛 鳥 の あ す か と は 、一書 紀 に 、 天 武 天 皇 の 十 五 年 、 改 レ元 日 二朱 鳥 元 年 ↓ 仍 名 レ宮 日 二飛 鳥
キョミバラノミヤト シルシ .
ミョノナ シカ
淨 御 原 宮 一
r
と あ る 、 こ れ 朱 鳥 の群 瑞 の出 來 つ る を め で た ま ぴ て 、 年 號 を も 然 改 め た ま ぴ 大 宮 の 號
トブトリノ キきミ パラノ
を 竜 、 飛 鳥 云 々 と は つ け た ま ひ し な り 、・ さ れ ば こ れ は 、 と ぶ と り の 淨 御 原 宮 と よ む べ き な り 、 あ
ノ . デ 〃テ ヲ フ シカノ丶ト
す か の 淨 御 原 之 い は む は 、 本 よ り の 地 名 な れ ば 、 こ と さ ら に ご エ に 、 仍 名 レ宮 日 一
幅云 々 一な ど い ふ
べき に あ ら ざ るを お 竜 ふ べし 、 と ぶ鳥 と は、 は ふ虫 と い ふと同 じ く て、
'た 璽 鳥 の こ と な り 、 さ て
シカ ・ノ 、 トブトリ ア ス カ
大 宮 の號 を 然 い ふ か ら 、 そ の 地 名 に も 冠 ら せ て 、 飛 鳥 の 明 日 香 と は い へ る な 算 、 さ て か す が を 春
ア ス カ ノ
日 、明 日香 を 飛 鳥 と 竜 かく こと は 、 いひ な れ た る枕 詞 の字 をも て 、や が てそ の地 名 の字 と な せ る
物 な り 、 そ は か の あ を に よ し お し て る な ど い ふ 枕 詞 を 、 や が て 奈 良 難 波 の 事 ・に し て い へ る と 、 心 !
び
ば へ相似 たり・ を れば葎 のかす が鳶 勵 の罪 ず いふも・そ の磐 の字 のうちまかせたる
訓
コシカ
を枕 詞 に た せ る に は あ ら ざ れ ば 、 ぴ の も と の や ま と も 、 然 に は あ ら ず 、 又 こ れ は 枕 詞 の ぴ の 竜
ノ ヤ マ ト
。
と て ふ字 をも て、國 名 の夜 麻 登 の字 と し て 日本 と かぐ にも あ ら ざ れ ば 、 か の二 つの例 にも あ らず 、
ヤ
マト フル
た 穿 日 の 本 つ 画 た る倭 と い ふ 意 に ぞ 有 け る 、 そ れ に と り て 此 枕 詞 、 も し い と 古 く よ り 有 し こ と な 、
ら ば 、孝 徳 天 皇 も 、 墨 と い ふ名 は、 これ を 萼 ほ し て蠡 たま募 むぎ れ ど か の磊 山 の寄
捌
ぼ 、 いと し毎 から ず 、 そ れ よ り あ な た に は 曼 ざ れ ば・ こ は袋 と いふ號 のこ ら 耄 も ひ て・,
後 に いび そ め つ る にも あ ら む か 、 そ の本末 は わき ま へがた く な む 、
トヨ オぷ タヘヘコト
豐 ま た大 てふ稱 辭
葦駈 國甃 嶋 など に、豊 て書 を冠 らせて・爨 景 病盟 萩 講 と いぴ・八嶋饗 ど には纛 鄂
.
て ふ言 を冠 ら 悲て㍉ 大 八 嶋 大倭 と いふ 、 こ れ ら の國 號 のみ にも あ ぢず レ 凡 て豊 とも 大 ど 昏 いぺ る
例蓼 、み套 つ代 縁 難 り、然 るを馥 委 ど い搬 は・もろ こし の図 にて﹂馨 の翳 を
た ふ と み て、大 ⋮
漢大 唐 など い ふ に なら へる物 ぞ と いふ誌 のあ る は、 嵐 の こと を し ら ぬ ・例 の おし
トヨアシハラ
あ て の み だ り ご 乏 な り 、 竜 し 然 い に 璽 、・か の豐 葺 原 な ど の 豐 は 、 い か に と か い は む 、 こ は か の國
忙 馨 ら に叟 ぬ謬 な る掬 をや 、廴塞 ヒレにて倹 .
謬 母美 后憙 、
いふを・皇國 の嵐 ﹃
國 號 考 、 ・ 四 ぺ充
窟
解
●
、
一
國 號 、
考 ヤ 四 八六
は螂 簿 の讐 搬 繋 申 せりき・ これらも・薦と いふこと、烈 てかの國 になら へるにあら
シル
シ フル
キナ ・オホミ ・オヤ シル ・
Ω ノ
ざ る 證 な り 、 然 る を 書 紀 に は 、 古 稱 を 驚 が へて 、 大 御 母 を し も 皇 大 后 と 記 さ れ た る 、 こ れ ぞ 彼 國
ズ ノ
に な ら へ る に て は 有 け る 、 書 紀 に は か く 、 彼 國 に な ら び て か Σれ た る 事 も お ほ き か ら に 、 紳 代 よ
コウタガ オホ タヘヘ ナ オホオミオホ
り あ リ こ し 事 を も 、 か れ と似 た る を ば 、 皆 な ら へる に や と は 疑 ふ な り 、 抑 大 て ふ 美 稱 は 、 大 臣 大
難 ど い ふ たぐ ひ狢 多 し・ み な いと 上 つ代 より 9 }と に て、 藤 ざ へるも 、古 事 記 の景 行天 畠
鶴 関 に 、熊 創 慰 が詞 に・ 慧 ヤ臠 .國 と見 え 、 翫 た懿 徳 天 皇 孝 安 天 皇 孝靈 天 皇牽 元 天皇 な ど の大御 名、
才 病 ヤ マ ト ク }
; レ ヒズノミ ・ カヂ
叉 古 事 記 に は、意 富 夜 麻 登 玖 邇 阿 禮 比賣 命 と 、假 字 に書 る御 名 さ へあ る をや 、
大和と鬱 たるは・かならず翼 憂 霧 とよむγ芝 なり、.
和 名抄 に、鬻 突 智 、叉そ の國 舞
蕁 なる大私響 ・とも 疑 鬆 馨 とあ るをもて知 べし、然 るをつね の謬 、た養 霧 との
ノ
ソ
ヤ マ ト .
ヤ マ ト ノ
!
み い ふ か ら 甌 大 字 の 添 ヘニるを も 、 た 璽 夜 痲 登 と の み よ み 、 ま た 夜 痲 登 と い ふ に 、 か な ら ず 大 字 遂
灘 てか重 と心得 た ゑ ど・みなぴ奮 どなり・餮 ザ窶 と い含 掛、和字 のみ かけり、但 し
ク ミサダメ ノ ノ ノ
.
∼
諸 國 の 名 、 叉 郡 鄰 の 名 、 皆 必 二 字 に 書 べ し と の 御 定 な れ ば 、 畿 内 の國 名 、 叉 そ の郷 名 には 、 必 大
ソヘカキ ナロ ホ ヤ マ み ヨム
字 を 添 書 て 、 意 富 夜 痲 登 と 訓 ぞ 正 し か り け る 、 '㍉
國 號 考 終 曹 .
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、
重 ◆
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か
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甜 憐 鷺 滑 倒 彭 龍 御 慰 劃 露 蠏 ガ 夢.
廊 聟 密 騨 卿 郎 之 戴 締 禊
アメ ツチ ノ ロ キ ハ ミ
ミ
テラ ス タカ ヒカル ビノ ずホ
カミ ノ ミチ ハ コ ノ ミ コチ
天 地 之 極 美 御 照 須 高 ・光 日 大 紳 乃 道 者 ﹁許 能 美 知
翩 御 鵬 知 轡 畔 醸 劃 郎 御 ヂ 之 動 嚇 宀貯 響 遽 商 ﹂
蛎 遽 .
デメ ノ シダ アヲ ヒト クナ ノ アサ ヨヒ ニ ミ カゲ ト ヨ ソ ル ドミ ヂ ロ バ コノ
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天 能 下 青 人 草 乃 朝 夕 迩 御 蔭 登 ㌧
余 曾 ﹂
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﹂ 磁. 傍 灘.禊 寂 鵡 溌 觝 駕、
嘱 之癒 波 ゼ 米 驟 幤 流
アメ ノ シタ クニ ハ 才 状 ケ ド カム ・ ギ ノ ウミ.ナシ .
マセ.ル・ 柔 ヤ シマ 突
天 乃 下 .國 者 意 富 郡 杼 紳 漏 岐 乃 生 成 . 坐 广流 大 八 嶋 國
鴎 禊 之 駑 都 御 囲 鮒 皇 鴎 汝 斯 蘇 バ ヂ 亂 之 卸 κ 逅 淤 密 κ 海
モ・ クニ ノ クニ ノ マ ポ 謎 ラ バ ォホ ヤマト ワガ オ承 キミ ノ キ潔 シ ヲ ス ク ニ
百 國 之 國 之 麻 富 良. 者 大 倭 吾
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大 君 .
﹂乃 所 聞 袁 須 ﹂久 迩
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毛 毛 夜 蘇 登 國 者 阿 禮 .杼 母 日 之 本 乃 一 許 櫨 乃 倭 尓 麻 須 國 波 不 有
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カラ ゴ ヘロ ナホ シ タ マ ヘ ト い オポ ナホ ビ カミ ノ ナホ ビ ヲ ゑ ヒ ノ ミ も マツ レ
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ギ ヤ ム カ フ でロサ ク ジ リ ナカ く ニ カラ ノ ヲシヘゾ ヒト ア シ ク ス ル
伎 毛 牟 加 布 心 佐 玖 士 理 中 中 尓 漢 之 歡 叙 人 阿 斯 久 須 流
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古 須 宜 余 斯 .蘇 我 馬 子 者 天 地 乃 曾 許 比 能 宇 羅 尓 阿 麻 流 罪 人
ク ナ ク ブ レ ウ マ コ ガ ッミモ キ タ メ ズ 弥 サ カ 平 ヲ ビト ノ セ シ ハ ナ 三 ワ ザ
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等 賀 多 波 和 邪 波 蘇 我 .乃 宇 痲 古 尓 罪 淤 登 .
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ヘハ 伽 ノ ル、 ベ ハ .テ ヲ ヘハ ヲ シト マ・ 也 テ ヲ
鷺 、 則 事 理 一也 、 自 ご其 所 レ
分 言 、 則 有 レ理 也 、 有 レ事 也 、 舎 レ事 而 言 レ理 、 雖 レ高 則 放 、 遺 レ理 而
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ヘハ ヲ 也ト ル クルカ 識プシ キマ ヌ ノ . ・ ト シ .
霄 レ事 、 雖 レ實 期 塞 、 遨 乎 祚 代 、 杏 難 レ可 レ迹 、 蘇 我 馬 之 亂 、.舊 典 鳥 有 、 雖 レ有 ご國 史 ↓ 亡 二復 簡 .
犠 梨 ・叢 七逆 隆 藷 .
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レ被 二至 治 之 澤 蝸者 、 數 百 有 餘 載 矣 、 我 遘 幾 殆 ご乎 熄 ハ 是 以 騒 史 小 読 之 所 哺
塾団傳 ↓ 狡 童 俗 子 之 所 霽
スル ル ノ タル ンソク テ ヲ ン ヲ チ ノ ニ テテ
携 入 の 玉 石 混 淆 、眞 僞 相 饂 、眠 之 蚩 々 、悪 能 披 二雲 霧 ↓ 而 覩 二青 天 扁哉 、 至 二於 延 天 之 際 ↓ 曾 有 ニ
ツ ル ヲ ヒ ヲ 鷆 . フ ヲ ニ ー シテ ノ レ ヲ
俊 驚 繍出 鴛 、 好 古 天 授 、 思 探 二溟 海 繭 簡 二金 於 沙 礫 ↓ 棟 二玉 於 殀 錻 ↓ 道 精 而 理 純 、 啓 凋佑 我 後 人 ↓
ス ケ 葦 ノ 也ト レ ノ タル } 踊 二 ・ス
以 正 、 於 レ是 天 地 再 闢 、 日 月 爲 朗 、 其 功 可 レ謂 レ偉 矣 、 維 此 輪 奐 廟 堂 宮 廳 、 既 言 落 成 、 廐 庫 垣
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宇 、 自 有 ご規 矩 在 ↓ 冀 有 二以 拮 据 繭 亦 足 ご以 嘗 サ家 、 抑 叉 有 下襲 ご燕 石 繭 以 賈 二周 人 之 晒 幽者鮎誦鴒
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ウ ク . レテ ノツ ナ ノ ニ . シメみ
ノナ カ ッ晶
齋 鄰 濱 成 所 レ著 神 別 本 紀 一 目 、 古 昔 天 照 大 紳 、 生 二於 淡 路 津 那 之 國 ↓ 而 御 司宇 於 豐 前 那 珂 津 ↓
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フ ヲ ノ ト 昌 ソ ル ノ ノカ 嵩 転 ・ . ルナ カ ツハ. チ ノ ノ ノ也 シ ・ ノシ
稱 二之 豐 之 天 上 ハ 既
崩 、 葬 二 于 伊 豫 國 B 籥 山 一焉
、 謂 那 珂 津 、 印 今仲 津 郡 仲 津 郷 、蓋 豊 葦 原 中 ・
里 省恥 比鄰有二
羅 蟄、
蠢 驫 矣・羅 幣 響 蕘 香嶇 大秘州螽 馨 幅
灘・場肅
武東態 芝 離 詫 需 驀 藝 。
レ毳 也癌 レ
饗 聾 島以撫 隣麁 聾 而聾 ぞ集 畢
矣・夢 斎 瓣 黜 幽
砦 鮮 翰 ん塾栗 熱 幣 世耐下・
鬮霧 蠱 變 ・鳳寧塹 拏
貴 不レ
知慕何鶴・秘輩珍襲不レ
聾 予為レ
吾奐々 .
壁 箏 ・巻駕 風告 ・則阜一
國寥 以隆
K
P
、
茱 胤 郡,
城 繋 葬 .
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ノ ノ ノ イ ヅ ク リ
か な ぴ がた し 、其 故 は、 天 鈿 女 命 の、皇 孫命 は何 處 に到 坐 む と 問 給 へるは 、・
既 に大 和 の京 を ば 出 、
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給 ひ て 、 道 ま で も 、 な ほ い ま だ い つ れ の國 に降 給 ふ べ し と も 、 ゆ く さ き の し ら れ ざ ゆ し に や 、 凡
さ
ビト タビユキ ロ ツ ノ
人 の か り そ め の 放 行 と い へど も 、 さ る う き た る こ と は あ る べ く も あ ら ぬ を 、 ま し て 天 榊 の 御 子 命
ヒ ツギ イデマシ ノ ノ
の 、 天 つ 日 繼 し ろ し め す 始 め の 行 幸 を や 、 叉 大 和 よ り ば 、 日 向 國 は 西 の 方 、、伊 勢 國 は 東 の 方 な る
ミチビラキ げ リ キ
に 、 西 な る 日 向 へ降 り 給 ふ 啓 行 す る 紳 の 、 東 な る 伊 勢 に 到 着 給 へる は ﹂ い か な る た が ぴ そ や 、 そ
儀 シヒゴト .
竜 ノ \ 瓣 者 、 し ぴ て 大 和 の読 を た て む と し て 、 く さ ゐ \ の 強 読 す れ ど も 、 こ れ .
ら いか にと も いぴ
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く ろ め が た か る べ し 、 ま こ と や 辨 の 上 の 文 に 、 天 照 大 御 紳 を 窒 と し 、 大 己 貴 神 を 賢 と し て 、 論 へ、
る こ と あ り 、 い み し き か ら ご 乂 ろ の わ た く し ご と 也 、 漢 國 に て こ そ 、 聖 人 と い ふ 物 を 、 う へ竜 な
タごビト
く た ふ と き も の に は す め れ 、 大 御 紳 た ち の奪 き に く ら べ 奉 ら む に は 、 な ほ 凡 人 な り 、
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殊 に天 照 大 馳
ヨ ミ
御 神 は 、 天 地 と 玉 も に 、 と こ し へに 世 の か ぎ り を 御 照 し ま し く て 、、萬 の國 よ う つ に 、 此 紳 の御
メ グミ
徳 を か ゲつ ぶ ら ず と い ふ こ と な く し て 、 あ る が 中 に も 、 な ら び な く 奪 く ま し ま せ ば 、 か け て も か の
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漢 國 の 聖 人 と い ふ 者 な ど の 、 及 び 奉 る べ き 玉 は に あ ち ず 、 其 位 は る か に へだ ∫ れ る を や 、 大 己 貴
ミイキホヒ が
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紳 の 御 徳 は た 、 聖 人 よ り は る か に ま さ り 給 へ﹁る を 、 ま し て 賢 と し も 定 め 奉 れ る も 、 い と か し こ き 、
み だ り ご と 也 、 そ の う へす べ て 紳 は 、 天 竺 の國 に い は ゆ る 佛 菩 薩 、 も ろ こ し の 國 に い は ゆ る 聖 賢 、
ム コト
な ど 乂 は 、 い た く お も ふ き の異 な る も の な る を 、 儒 佛 の と も が ら の、 か の 佛 ぼ さ ち 聖 人 賢 入 を 、
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た ふ と む に な ら ぴ て 、 紳 を 竜 ﹂ そ の た ぐ ひ に せ む と す る は 瀕 例 の 戎 に へ つ ら へる 、 い や し き 拙 き
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心 に ぞ 有 け る う こ は 上 に い ふ べ か り し を 今 思 ぴ 出 つ る ま 丶に ﹂ こ 乂に は し る せ る 也 、
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至 レ如 下以 二素 懿 鴨 奪 ↓ 稱 爲 串其 父 鉛 則 亦 不 レ知 二物 根 之 實 ↓ 既 害 ご於 國 統 一焉 、 其 害 匪 レ細 、 然 此 ,
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面 足 梍 根 造 化 也 、 同 出 ご父 母 ↓辱稱 二之 兄 弟 ↓
﹂諾 冊 而 可 レ謂 二兄 妹 剛乎 、 瑞 珠 盟 約 有 二邪 読 噛 君 子 深 以
ノ ノ テ . ハ ルヲ ノ メヨリ テ ノ ト ル
爲 レ催 焉 薄 然 彼 輩 、 獪 以 三後 王 後 賢 、 或 有 二昆 季 叔 姪 之 合 ↓ 爲 下我 邦 始 有 二斯 禮 ↓ 而 所 壱弗 レ諱 、
逾 ゆ欲ス テ ノ イフ ルヲ ク テ ント ノ ヲ ニ ニ シ ラバ
下把 二彼 不 レ可 レ道 也 、 不 ︾可 レ読 也 、 以 誣 巾無 上 祚 聖 ね 罪 不 レ容 レ誅 焉 、 當 今 明 在 レ上 、 倫 ⋮ 有 4
デ マナビ ヲ スト ニ ル じ ヘ ルコ ン ニ スル カ ン ユ スルヒカ タヘルノミ リヲ ニ
鷺 下我 爲 二紳 道 や 逹 申古 禮 鍋 而 有 二親 々 相 針 嚇者 恥 在 レ所 レ賞 耶 在 レ所 レ罸 ⋮、耶 、不 三蕾 取 ご 毀 於 大 方 ↓
㎏ ント ノ . ノ ヲ キノ スルコ キ ・ シ ム シ ム ク ル ヲ
而 將 レ啓 二後 人 淫 慝 猥 褻 、 鳥 獸 之 行 ↓ 亦 無 二忌 憚 叫之 甚 、可 レ悪 可 レ悪 、 業 少 識 ご義 理 一者 、 獪 弗 レ取
〃讐 全 " レハ ニ 夛 テ ニ ・ . ノ ヲ ノ !
レ 之 、 投 犠 π豺 虎 ハ 豺 虎 不 ン受 、 投 ⇒鼻 有 北 一之 爲 、 而 反 欲 三相 與 輔 成 翼 戴 、 以 聳 忸 之 觀 聽 ハ果 何 ・
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鵜 騨 何 " 蜘 、 共 他 紛 々 、 不 レ足 レ鼠 、 蕊 下鄭 皇 租 私 二大 惨 ↓ 興 ゼ在 二豊 龍 ↓ 亦 鮎 レ關 訪耀 大 義 ↓ 雖
カラ シテ ツも レ レハ ヲ ス ノ ヲ フニ シ ノ
レ不 レ須 二致 γ力 辨 " 而 彼 輙 兜 二名 贖 ↓,以 塗 ご人 耳 目 ↓ 顧 復 兒 曹 之 吠 聲 侮 レ虚 也 、 母 レ論 二夫 踈 謬 妄 作 ヤ
胤 シ ヲ ルニテセシ スルノ レヲト 、 ヲ トノ ニ ノ
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如 レ是 之 甚 ハ 自 下近 世 先 儒 木 周鐸 古 文 辭 ↓ 狗 以 南徴 二 諸 事 組 ¢ 辭 之 読 上也 勹 海 内 靡 然 從 レ之 、 浸 淫
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、及 ご於 我 學 ハ 更 互 枳 襲 相 競 、 唯 恐 在 レ 後 也 、 惟 夫 歩 趨 之 過 、卒 也 至 二於 舍 レ璧 而 抱 τ匱 焉 、 豈 不 ﹃
ラ ¥ シ ヲ スル ヲ タリ 圭 レ肥 ノ ノ . スト
ぞ産 黄 夫推 隅
歴 年序↓檢嚢 名實ハ似ご
甚可纛 、然七篇書 、蜜 齊 滑王↓前儒獪謂 軻 自萱
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十 翼 之 傳 、 有 ご子 口 ↓ 省 爲 ご紳 尼 所 ジ作 、 紳 武 紀 、 雖 ヒ日 三始 有 二秋 津 洲 之 號 ハ先賢 獪 以 三 一神所ウ
〃ル ト. 、 ト ムト / ノ ヲ , 、 、ノ ノ ヲ ル ト テ ニ ヲ
名 爲 レ確 隔神 代 一書 ,雖 レ日 三奉 劔 、 使 二於 天 葺 根 紳 ↓ 術 以 二素 蠱 鳴 奪 所 サ獻 爲 レ據 、 寧 任 レ目 覩 レ跡 、
笹 慧 響 未レ
有臨 不遍 耋 也・鈍匹 不レ知レ
鵬處 轟 ・畢 ﹃ 藻 疑﹃ 不レ如鯉 書
ムノ ヲ 弘リ ンヤ スト ヲ フ也 ルヲ レ ルニ ヲ シ ヲ ニ . ニ シ ヲ トノ シ
千 古 讀 レ書 斷 案 也 、 豈 云 レ廢 レ之 、 謂 レ不 レ可 レ執 也 ﹂ 唯 其 揆 レ之 以 レ道 、 據 レ之 以 レ物 、 渙 然 氷 釋 、
トメセコ フ じ レ タリト ヲ ハ レム
怡 然 理 順 、 斯 爲 レ得 レ之 、 不 レ然 敗 夫 、
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明和 四丁 亥 歳 冬 十 月
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上 件 、 辨 の全 文 な り 、 辨 者 の姓 名 も あ れ ど 。 こ ﹂に は の ぞ き つ 、 .
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辨 の 此 終 り の く だ り 、の 中 に も 、 論 ふ べ き 事 ど も 多 か れ ど 秀 、.す べ て 此 辨 々 は 、 た 夐 天 照 大 御 紳 の
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宮 所 の こ と に あつ かれ るす ぢ を のみ辨 へて、 そ れ より 外 の事 ど も は 、す べ て み な も ら し つ、
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に 仕 へま つ る べ き 心 し ら び を ち か く さ と し た る書 の世 に あ ら ま ぼ し く。
お も ぴ た り し を ち か き こ ろ こ の ふ み を得 た る が い と も / \ 奪 く ぬ で た く 道 の こ 丶ろ を た や す く さ
と り え つ べ く か き し る さ れ た り か エる ふ み の 世 に 埋 も れ た ら む は い と あ た ら し く て こ た び 板 に は
ゑ ら せた るな り あ は 紅 こ の書 をみ む 入 す が ∼∼ し き大 倭 心 を ふり お こし て 君 に つか へま つり 其 君
触
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天 皇 の大 御 心 を 心 と し て か ー-
と み ノ \ も つ か へ給 は む こ と を つと む べ き わ ざ に な む
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天 照 大 御 紳 と 申 す は と こ し へ に 高 天 原 を し ろ し 食 し て 世 の限 り を 御 照 し 坐 ま す 天 津 日 の大 御 榊 に
ま し 坐 せ ば 萬 の 國 女 に あ ら ゆ る 入 も 萬 の 物 竜 此 大 御 神 の御 蔭 を 蒙 ら ず て は 一日 片 時 も あ る 事 え ず
スメォホミ クニ ミマノミコト アマクダリ
さ る は 此 大 御 紳 紳 代 の 始 に 藍 皇 ナ 御 國 に 成 出 坐 し 坐 し 又 其 御 孫 奪 を 天 降 坐 さ し め 給 ひ て天 地 と 共
ヨサ
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スメラキ
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に と こ し へに し ろ し め せ と 事 依 し 御 言 仰 せ て 此 御 國 授 ま つり 給 へれ ば 御 世 御 盤 の天 皇 奪 は 帥 ち 天
・タカミ ム ス ピノオ水カミカミム ス ビノオホカミ
ミ クマ イ ザ ナ ギノオ永カミイ ザ ナ ミノォホカ・
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津 紳 の 御 子 と 申 て 高 御 産 集 日 大 紳 神 産 集 日 大 紳 の御 靈 に よ ら し て 伊 邪 鄭 岐 大 榊 伊 邪 那 美 大 榊 の始
め 給 ぴ て 天 照 大 御 神 の 受 た 嵐)
ち 給 ひ て授 奉 り 給 へ る道 の ま に ノ \ 其 大 御 心 を 大 御 心 と し て 御 み つ
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か ら の狹 意 を 加 へ給 ⋮ はず 行 ぴ給 ぴ治 め給 ふ が故 に融 乍 ら 天 の下 知食 す と そ古 語 に竜 申 し たり け る
是 ぞ 此 ま こ と の 道 の 本 に し あ れ ば 天 の 下 の大 御 寶 竜 ろ ノ \ 幾 萬 代 の 末 の世 ま で も 此 旨 を 心 に し め
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て 立 て も 居 て も 忘 る べ か ら ず 後 の 世 に 外 つ國 の道 々 は あ れ ど も 皆 此 本 を 知 ら ダ て 天 照 大 御 紳 の奪
き御 蔭 を思 はざ る物 に しあ れ ば い かに言 よ く賢 き も實 の理 に は違 ひ て な む あ る を今 有 難 く も 此 御
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國 に し竜 生 れ て斯 る禪 代 の正 し き 傳事 を聞 こ と よ幸 の中 の幸 ぴ な る を お ほ ろ か に思 ぴ 過す べ き事
に はあら ず か へす △ 丶も 此旨 を 心 に し め て 立 ても 居 て竜忘 るま じ き は天 照大 御 紳 の御 蔭 にな む有
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け る斯 て 今 叉 古 に も 類 ま れ な る ば か り 愛 た き 大 御 代 に し も 逢 ぬ る 事 は 叉 幸 の中 の 幸 な らず や 抑 今
アヅマテルカムミオヤノミコ
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の世 の斯 ま で愛 た く 治 り ぬ る 事 は 竜 は ら 東 照 祚 御 組 命 の 天 照 大 御 紳 の大 御 心 を 御 心 志 し て 御 孫 尊
天
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ミ 廷
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中 ご イヤサカ イヤタフト ギヤマ
ろ の御・嚢 へを も て 直 し ま つり 彌 榮 え に 御 榮 え 坐 さ し め 彌 ⋮
酋}み に奪 み敬 ひ奉 リ
ミ イサヲ
給 ぴ て 天 下 を 鎭 め 給 へる 御 功 績 の實 の 道 に 叶 ぴ 給 ひ て 天 地 の 紳 相 ケ つ な ぴ 坐 ま す が 故 也 然 れ ば 此
東 照紳御租命 の矢 照大御紳 の大御心よ美 篝 御儔 しにより て天 の下預り嚇行 は蕗 ふとし菱
サ ケ ギ
國 々 を 別 け 依 し て 其 君 々 に 預 け 置 き 給 へ る 御 政 を 受 繼 給 ふ 國 々 の 今 の 君 々 も 叉 其 本 を尋 ね て 天 照
大 御 祚 の大 御 心 を御 心 と し て彼 御 組 命 の御 お も む け に背 き給 はず 違 ぴ給 はず能 守 り て治 め給 はむ
マガツ ビノカミ アラ
ぞ 實 の 道 に は あ る べ か り け る 斯 て 又 蝸 津 日紳 の 御 心 に 因 て 禪 た ち の 荒 び 坐 す 事 も あ れ ば 世 の中 に
は 必 惡 き 事 も 交 り て何 事 も 正 し き 理 の ま Σに は え あ あ ぬ 物 な り さ れ ど 善 き 悪 蹙 け ち め こ そ あ れ 夫
アナガ 、
竜 みな 神 の しわ ざ に な む有 れば 更 に入 の力 も て忽 に 改 め ら る べ き わざ に はあ ら ぬ を強 ち に竜 て直
さ むと して は中 々 にし ゴ こら かす 事 多 か めり 悪 き 紳 の荒 び 倣紳 代 よ り し て天 照 大 御 紳 高 御 産輿 日
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大 瀞 の御 心 に す ら ま か せ難 き を り あ り し を も て 思 慮 る べ し 然 る を 唐 戎 な ど に は 是 ら の 理 を え し ら
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ざ るが故 に古 よりたよ たぶるに己が鑠 鋸 ︽
も て萬 の事 を定薯 ふ國 のなら はし にて碁 勤
肇 どゑ 異 簒 にか透 豪 いさを 金 むと して莞 の入 の定 め聾 ろ野 いば惡 しと いひてはケ
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ぎ ー に改めー す る程 に碧 に國人 髴 ど のみな ソて豊昌
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つ 乂古 よ り 今 に 至 、
る ま で よ く 定 ま り て 久 し く 治 ま れ る 代 は な ぎ 物 を や 都 て 鸛 中 の事 ば 斯 て は 善 か
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ら ず か く改 めな ば必豊、け む と 思 ぴ 定 め て物 す る事 黄 ぴ の外 によ く は な らず て実 に始 より も惡
く な る事 多 し 久 しく 酬 ぬ る事 は いさ 玉か わ う き も さ し竜覺 えず てあ るを新 に始 む る事 は悪 き 竜善
き も わづ ら ぴ膚 り て瀏 れ ぬ に苦 む わざ ぞ か し叉 目 の煎 に は わ う し と思 は る 乂事 竜 實 には善 き 理 の
有 て 人 し れ ぬ處 に利 あ る事 あ り 善 しと 思 は る ㌔爵蟄意實 に は わ ろ琶 事 わり あ り て 人 知 れず 損 ひあ る
事ありと耄 嘉 き 急 轟 の御心にしあれ腰 人の夢 響 て籃 の葦 悪港 知讐 わざな
る を あ く ま で に叢羂か ら む と し て い さ ㌧か 悪 き塾 竜 改 め 竜 て ゆ か ば 何 慶 物 す と 竜 蠱 る 時 あ る べ
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あらず ζ に善 けれ繕 處 にわろくてがにかく、
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さ てあ るこ そ善 け れ さ りと てば た 善 く 竜 惠 く 竜 成 行 ま にノ\ 見 ぼ なち て しり あ つ かはず
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て貴 き賤 きぼ ど ノ\ に從 ひ て惠 み 給 ぴ撫 給 ひ立 ても 居 て も そ れ卒 け く 安 け く あ ら せむ 事 を ぞ祚 に
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竜乞 所 み自 ら も おも ほ し計 ふ べ かり け る夫 は た紳 の御 ば から ぴ のま にノ\ 彼 東 照 紳 御 組 命 の定 め 丿
お か し 玉御 提 を守 り給 ふ を本 と し て な む をり ノ'\ の有樣 に從 ぴ善 き を擇 び て行 ぴ 給 ふ わざ は有 ベ
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きさ て 獪 定 め が た かあ む 事 は御 卜・も て紳 の御 心 を問 ぴ 給 ふぞ 古 の道 な れ ど も 上 つ代 こそ 人 の心直
く し て萬 の事 は ぴ た ぶ る にし か ま か せ て物 しけ れ 世 降 り て は 人 皆漢 籍 のな ま さ か し ら 心 に のみ成
り て紳 に ま か せ奉 る べき 事 も獪 かた つか た に疑 ぴ のまじ り て其 心 ぴ た ぶ ろな ら ね ば紳 竜受 け 知 り
給 ふこ と ま れ ち に て占 も い たつ 外 事 にな る類 お ほ か めれ ば 今 の世 にし ては 此御 ト の事 は し 竜 必ず
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と も申 し難 く な む あ る さ れど 萬 の事 神 の御 心 は な れ て は えあ ら ぬ物 な れ ば國 内 に坐す 紳 た ち の秕
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祉 を齋 き奉 り給 は む わ ざ ぞあ る が申 に も 專 と あ るべ き物 な りけ る斯 て又 其 君 々 に仕 へま つら む 人
た ち も 上 の件 の始 絡 を よく あ は せ心 得 を り て其 君 の御 行 ぴ御 心 ば へを此 趣 に.
お 竜 む け ま つり て國
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事 を ば 申 行 ぴ 給 ふ
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を忘 れ 私 心 を ま じ へ横 さ ま な る方 にす 瓦め いざ な ひ奉 り て民 を苦 ぬ國 の爲 に竜 上 の爲 にも う し ろ
め た き行 ぴ 有 ら む はま さ に天 照 大 御 榊 の大 御 心 に叶 ぴ な む や も あ な か し こ
し ま ら く も 直 日 の紳 を 忘 ら す な
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ら 大 御 代 は 天 明 と いぴ け る ころ ぴ と り のた ふ れあ り てゆ 乂しと も か し こし と 竜 い はむ か た なき た
は 言 ど も か き は な ち た る 物 あ り け り さ る を そ の と ろ 豐 國 入 藤 原 重 名 京 に も のま な び し て あ り け る
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世 忙 な が く つ た へむ に ぱ う つ し ぴ か め も こ そ お ほ か ら め と な げ き て
こ のた び高 市 何 か し と い ふ わ か山 の ふ みあ き 入 わ か 師藤 垣 内翁 に ご ぴ得 ℃板 に ゑら せ た る は い ζ
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いつ こ の い か な る 人 に か あ ら む 。 近 愚 こ ろ 衝 P發 と い ふ 書 を あ ら 絃 し て 。 み だ り に 大 御 國 の い
にし へを いや し め おと し て。 かけ ま く 竜 いと も か b こき皇 統 を さ へに。 は 買 かり も な く あ ら ぬ '
す ぢ に 論 じ 奉 れ る な ど 。 び と へ に 狂 人 の曇口也 。 故 今 こ れ を 辨 じ て 。 名 つ く る こ と か く の如 し 。
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彼 書 云 上 古 の 世 を 天 神 七 代 地 紳 五 代 と な づ け て 。 こ れ を 紳 代 と い ふ 。 榊 武 紀 に 此 間 を 一百 七 、
十 九萬 二 干 四 百七 十 餘 歳 とす 。 こ の年數 も と よ り論 ず る に た らず 。
リ テ マテ ニ ニ ぬ ギノリ リマシマシ
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此 年 數 は 。 自 二天 祗 降 臨 一
以 逮 ご于 今 一と あ れ ば 。 邇 々藝 命 の天 降 坐 し よ り こ な た 也 。 そ の 上 文 に
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我 天 祗 と あ る も 。 邇 々藝 命 な る に て 知 べ し 。 然 る を 今 七 代 五 代 を 合 せ て の 年 數 の 如 く い へる は 談
オシポミヘノ
な り 。 忍 穗 耳 命 よ り あ な た の年 數 は 。 な ほ い く 百 萬 歳 と い ふ こ と を し ら ず 。 さ て 此 年 數 を 論 ず る
に た ら ず と い ふ は 。甚 し き み だ り 言 な り 。、論 ず る に た ら ざ る こ と 。 何 を 込 て 知 れ る に か い ぶ か し 9
ツタヘゴト アヤシ
す べ て紳 代 の傅 読 はゆ み な 大 に 靈 異 く し て 。 蕁 常 の 事 理 に こ と な る 故 に 。 人 み な 是 を 信 ず る こ ど
鉗 猛 入 砂 五三 九
儒
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錯 狂 人 广 、 諡 四 〇
マゲ
ほンニチ
あ た はず 。 世 々 に こ れ を 解 釋 す る 人 も 。 お の が 心 の ひ く か た に 。 さ ま λc\ い ひ 曲 て 。 ム、臼 の 事 理 、
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カラブミゴヘロ マド
に か な ふ さ ま に論 な す め れ 共 。 そ は み な漢 籍 意 に惑 び た る 私 ご と 也 。 お の が 心 を も て 思 ふ か た に
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マゲ
い び ま げ ば 。 も ろ ノ\ の こ と い か や う に も い び 曲 ら る べ し 。 然 る に 今 論 者 の 如ぎ 健 。 し か い ぴ ま
ル な ラ
ぐ る 事 の 非 な る を 知 故 に 。 ぴ た ふ る に 論 ず る に た ち ず と し て 。,す べ て 紳 代 の 傳 へ を ば 取 ざ る 也 。
ナノ アヤシ
こ れ か の 己 か 心 に ま か せ て い ひ ま ぐ る よ り は っ 少 し ま さ れ る に 似 た れ 、共 。 靈 異 き を 以 て こ れ を 信 ・
σ
カラブミゴ、鑓 スベ
ぜ ざ る は 。 叉 同 し く 漢 籍 意 に ま ど へ る も の 也 。 凡 て か ら ぶ み ご ㌧ろ .は 。 蕁 常 の見 聞 の事 理 に な つ イ
み て幽 小量 な る も の也 ρ い か に と 鼠 に・ ま 、
こあ 理 と いふ も のは・ 黙 は だ騨糞 し く娯 な る
手ヒサ .・バカリシル
魅
物 に し て 。 さ ら に 人 の 小 き 智 を も て 測 識 べ き と こ ろ に あ ら ず 。.
人 のよ く は か り し る 所 は。 わつ か
に そ の衙 分 が 一に も 及 ぶ べ か ら ず ゆ 然 れ ば 此 天 地 の 内 に も 外 に も 。 上 古 に 竜 ゆ く さ き に も 。 思 ぴ
や
の外 な るい か や う の㍍ 舞 き事 のあら む も ・ 灘 鄭 たき わ ざ な る を・漢 國 のな ら ぴ と し て・ 毒 の聖
人 と い ふ も の を 始 め 世 々 のλ み な 。 お の が 心 を も て よ うつ を 思 ひ は か り て。 か く あ る べ 髫 理 ぞ 。
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か く は あ る ま じ き 理 ぞ 巴 定 め て 。 そ の 己 が 定 め 定 る と ご ろ を 理 の 至 極 と 思 ぴ 。 此 理 の 外 は な き こ、
コヘズ
と 鼠心 得 め り 。 そ の 驗 む る と こ ろ と て は 。 書 典 に の す る 所 。 三 千 年 に た ら ざ る 内 の 事 に し て 。 そ
アヒダ
オ リ {
の蘭 に無 き事 は。 天 地 の始 に鳩絡 に 略 決 め て無 き 理 と思 ぴ。 又ぞ の間 の年數 を 。
"い と -
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輯 ご囁
鍬 國曽認
事 と 思 ふ め り 。 天 地 の無 窮 な る あ ぴ だ に と り て は 。 二 千 年 三 千 年 な ど は 。 た 璽 い さ xか のほ ど な
ナ タ
る べ き に 。 其 聞 に 無 し と て 無 き に 定 め む は 。 智 の甚 小 量 な る に あ ら ず や 。 す べ て 入 の 智 は 。 か の
圏
カギリ
聖 人 と い ふ 者 乏 い へ共 。 限 有 て な ぼ え 知 ら ぬ事 は い と 多 き を 。 ま し て そ の 聖 入 に も 及 ば ぬ 入 を や 。
マ ド バ カリ
今 論 者 神 代 の年 數 を 信 ず る こ と あ た は ざ る 竜 。 此 漢 意 に 惑 ぴ お ぼ れ て 。 ま こ と の理 の 測 が た き 事
タ オコ
を 思 は ず 。 天 地 の始 終 の 甚 久 遠 な る べ き こ と を 思 は ざ る よ り 起 れ り 。 或 人 疏 球 國 に ま か り 渡 り て 。
と 玉 の事 共 か た り け る 中 に 、 加 賀 殿 差 申 す 御 大 名 は 。 百 万 石 の 地 を 領 じ 給 ふ 也 と い ぴ け れ ば 。 か
し こ の か し こ き 人 あ ざ わ ら ぴ て 。 日 本 入 の物 語 は み な そ ら こ と な り け り 乏 て 。 聞 ず な り に け り と
スコ
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ぞ 。 心 ば へ のよく似 た る こと な り。 す べ て な ま さ か しく 少 し 智 あ る人 。 漢 ぶ み 心 にう つり ぬれ ば。
い よ ノ \ そ の 智 小 量 に な る を 。 返 り て智 の開 け た る 如 く 思 ふ こ そ を こ な れ 。 も し そ の 小 量 な る か
ら ぶ み ご N ろ を清 ぐ は な れ て 。・ま こ と の 理 は は か り 知 が た き も の ぞ と い ふ こ と を だ に ょ く さ と り
ウタ
ガ ざ アレマセ
な ば 。 紳 代 忙 疑 ぴ は あ る べ か ら ず 。 抑 皇 國 は " 四 海 萬 國 を 照 し 坐 ま す 天 照 大 御 神 の生 坐 る 本 つ御
ミ マノ トホナガ
國 にし て 。.
そ の皇 孫 命 の。天 より 降 り ま し く て 。天 地 と と も に遠 長 く し ろ し めす 御 國 なれ ば 。萬
國 め 元 に し て 。 萬 國 忙 す ぐ れ た る が 故 に 。 天 地 の始 よ り 淋 代 の 事 共 。 い と 詳 に 正 し く 傅 は り 來 て 。
アレ ミ マノ
今 も古 事 記 日 本紀 に の これ り。 外國 は天 照 大 御 紳 の生 ま せ る御國 に あ らず 。 皇 孫 命 の しろ し めす
鉗 狂 入 五四 圃
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錯 狂 人 、 五四 二
劈
御 國 に あ ら ざ る が 故 に 。 は じ め よ り 定 ま れ る 君 だ に な く し て。 惡 祚 と こ ろ を え て あ ら び つ 玉。 國
治 ま り が た く 。 そ の時 寿 か し こ き も の つ よ き 者 あ ら そ ぴ 、
て。 か は る λぴ
丶 君 長 とは な り て。 いと い
と み だ り が は し き か ら 。 天 地 の は ゼ め 紳 代 の事 共 も 。 正 し く 詳 な る傳 読 な ぐ レ て 。 今 ま の あ た り
世 を 照 し 給 ふ a 紳 の始 を ナ ら え 知 り 奉 ら ず 。 た 壁例 の お の れ ノ 丶 が さ か し ら 心 に ま か せ て 。 天 地 、
の 始 を も 萬 の 事 を も 。お し は か り の論 を の み な し て ゆ返 り て そ れ を か し こ き 事 に お.
も へり 。さ る は
正 し く 詳 に こ そ あ ら ね 。 い つ れ の國 に も お のノ \ い さ 製 かつ ,
﹂ 上 古 の傳 読 は 有 て 。 そ の ま こ と の
J
アヤシ
偉 へは 。 いつ れ 竜 奇 靈 き 事 多 く し て 。 榊 代 紀 の 心 ば へ に 似 た り け む を 。 漢 図 な ど に は そ の か た は
ウセ
し の のヒ れ る をも 。 鹽み な 不 經 虚 誕 な り と し て、 と り あ げ ざ り し か ら 。 漸 に失 ゆ き つ 玉 ま れ に な れ
り
る 也 。 殷 の代 な ど ま で は な ほ 上古 の傳 へ を 守 し 事 臨 有 つ と お ぼ し き に 。 周 に 至 り て 周 公 旦 と い ふ
を の こ 。聖 人 と い 依 る 、中 に も 。殊 に邪 智 ふ か く 。ぴ た す ら に さ か し ら を のみ 用 ひ し よ り 。 い よ い
よ世 人 のさ かし ら 心 檜長 せ り。 抑 此 天 地 は。漢 國 人 の つね に いふ な る太 極陰 陽 な ど の如 き 小 理 に
アヤシ
て は。 決 て成 立す ま じ く。 は な は だ靈 異 く 微 妙 な る理 有 て成 立 し た る べけ れ ば 。 紳 代 の事迹 は も
ロ
ポ
と よ り甚 あや し き 事 のみ 多 か る べ き物 也 。 叉 天 地 出來 てよ り 以來 ば。 甚 久 遠 な るべ け れ ば。 紳 武
ラ
紀 に出 た る 年 數 も 何 か は 疑 ふ べ き 。 是 を 虚 妄 也 と し て 取 ざ る は 中 々 に 愚 昧 也 と い ふ べ し 。 外 國 人
ぱ も と よ り 神 代 の 正 し き ま こ と の傳 詮 を し ら ざ る も の な れ ば せ む か た な し 。 あ り が た く も 皇 國 に
は 。 か 乂 る ま こ と の傳 へご と の の こり て 。 皆 人 こ れ を う か 罫 ぴ 知 る こ と な る に 。
﹂
これ を信 ず る こ
と あ た は ず し て 。 か へり て か の外 國 の 風 俗 を か し こ き と と に 思 ひ 信 ず る は 。 い か な る ま ど ぴ そ や 。
ロクフト
コ
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そ の中 に 疑 ぴ な が ら も 。 奪 む と も が ら は 。 な ほ そ の惑 ぴ 淺 き を 。 此 論 者 の如 ぐ 人 よ り す ぐ れ て. か .
スツ
し こ か ら む と て 。 ぴ た ふ る に 是 を 廢 る は 。 い よ ノ\ ・ ま ど ぴ の甚 し き 也 。 か く 迄 く は し く 辨 じ て 毒 。
クセ ノゾ
千 數 百 年 に し み 付 た る か ら ぶ み 心 の癖 は 。 な ほ す み や か に は 除 こ り が た か る べ け れ ば 。 た ち ま ち
' リ ニ
ゆ
チレ
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に信ず る人 は よ に有 が た か る べけ れ ど 。 人 は いか に かし こきも 智 の かぎ り の有 て。 な ぼ 小き 物 な
バカリシリ
れ ば。 誠 の理 は測 知 が た ぎ物 ぞ と いふ 事 をだ にさ と り な ば。 ま ど ふ こと は 有 ま じ きぞ かし 。 さ て
か の 紳 武 紀 の 天 孫 臨 降 以 來 の年 數 を 、 今 か り に そ の 三 代 に ぴ と し く 分 つ と き は 。 一代 大 よ そ 六 +
ヒ コ ポ ヘ ヂミノ マシマスコ ノ ニ
萬 歳 ば か り に あ た る べ き を 。 古 事 記 に 日 子 穗 々 手 見 命 坐 二 高 千 穗 宮 一伍 佰 捌 拾 歳 と あ る 。 か く の 、
如 く 此 奪 の年 數 の 甚 短 く 。 叉 神 武 天 皇 に 至 り て は い よ ノ \ ち 璽 ま り 給 へ る こ と 。 人 の 疑 ぴ あ る ベ
ス
け れ ど 。 こ れ は 必 然 る べ き 故 の有 ご と 也 。 そ の 子 細 は 古 事 記 傳 に 詳 に い へれ ば 。 こ 曳 に は 畧 き つ.
彳
天 紳 七 代 は各あ み に し て入 躰 なし
カラブミ
人 躰 な き ヒ と 何 を 竜 て 知 れ る に か 。 古 簿 を 信 ぜ ず 。 己 が 心 に お し は か り て か く い ふ は 。 例 の漢 籍
録 狂 入 五 四三
ぐ
導
`
鉗 狂 人 ,
五四四
ヨ ヘロ
意 の俗 脅 也 .
、
地 神 五 代 の始 め は 西 血 の西 漢 の時 に あ た る
ノ
ま つ 地 紳 五 代 と 申 す 事 。 古 書 に 見 え ず ゐ 大 に 違 へる 稱 也 。 其 故 は 。 天 照 大 御 紳 天 之 忍 穗 耳 命 ぱ 。
ノ
ノ
高 天 原 に 坐 ま せ ば 。 天 つ 紳 と 申 す 事 竜 と よ り 論 な し 。 邇 々藝 命 は 此 土 に 天 降 り 給 へ共 。 是 竜 本 天
ノ ブキナヘズノ アレマシ シ
㌦
つ紳 也 。 日 子 穗 々手 見 命 葺 不 合 命 は 此 土 に 生 坐 ぬ れ 共 。 此 二 御 代 を も 天 つ紳 の御 子 と 申 。 天 孫 な
ノ
ヅ
ど 乂こ そ 申 せ 。 地 紳 と 申 せ る ヒ と な し 。 姓 氏 ∵ 録 に 紳 別 の諸 氏、 を 三 に分 て 。 天 紳 天 孫 地 祗 と い へる
ノ
に 。 此 御 代 ノ \ の御 後 を ば 。 天 孫 部 に 收 め て 。 地 祗 に は 牧 め ざ る を 以 て 知 べ し 。'さ れ ば 地 神 五 代
へ
と 申 す 稱 は 。 古 を も 知 ら ざ る 後 世 人 の み だ り に い ひ 出 た る こ と 也 。 こ れ は こ 乂 の論 の趣 意 に あ つ
か ら ざ る 事 な れ ば 。 か く い ふ は 詞 と が め に似 た れ 共 澄 此 論 者 古 意 古 言 を し ら ず 。 古 事 記 日 本 紀 を
ま こ と に ょ く 解 す る こ と あ た ば ず し て 。 上 古 を論 ず る こ と 甚 み だ り な る故 に。 い さ 製 か 驚 か し お
ヘ クラ ノ
く 也 。 此 書 の 趣 す べ て 古 に 眛 き こ と 。 皆 此 類 也 と 知 べ し 。 さ て 天 照 大 御 神 の高 天 原 を し ろ し め し
ハルカ へ
ゆ
初 し は 。 か の 一百 七 十 九 万 餘 歳 よ り な ほ 遙 に 古 の事 に し て 。 其 年 數 は 像 へご と な け れ ば 。 幾 百 萬
厳 と い ふ と と を し ら ず 。 然 る に 今 例 の漢 國 の わ つ か に 夏 殷 の代 な ど よ り こ な た の年 紀 を 立 て 。 と
かく いふ な る小 き説 に な ら ぴて 。 これ をは か ら む とす る は。 いと/ \ お ふけ な く な む 。
丶
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ノ
辰 韓 依秦 の亡 人 にし て.
.素 戔 鳴 奪 は 辰 韓 の圭 な り
此 段 皇 國 を も ろ こ し の秦 の代 よ り 後 の 事 也 と し 。 叉 何 事 も 皆 韓 よ り 起 れ り と す る 。 論 者 の趣 意 の
ス サ ノ ヲノ
本 也 。 然 れ 共 須 佐 之 男 命 を 辰 韓 の圭 と い ふ こ と 。 さ ら に 據 な し 。 因 て 按 ず 惹 に こ れ ぽ 禪 代 紀 に 。
チ
此 紳 新 良 の 図 に 降 り 給 へり し こ と あ る を も て據 と す る な る べ し 。 そ は 新 良 帥 辰 韓 と 心 得 て い ふ め .
れ 共。 ヒ れ大 に誤 れ る と と也 。 抑 須 佐 之思 命 は天 照 大 御 神 の御 弟命 にま レま せば 。 か の慰 ろ こし
ノ
一に て は 。 周 武 王 が 箕 子 を 朝 鮮 に 封 ぜ し時 な ど よ り も 。 數 百 萬 歳 以 前 の瀞 に て ま し 委 せ ば 。 や た く
だ し き辰 韓 の辨 など に は及 ば ざ る事 な れ共 。 姑 く論 者 の意 を立 て いはむ には。 套づ 薪 羅 を辰 韓 と
ツ コ へ
心 得 た る こ と 麁 忽 也 。 そ の よ し は 先 韓 地 の漕 革 を 詳 に し て後 に辨 す べ し 。 抑 今 の朝 鮮 國 は ℃ 古 の
ノ
三 韓 朝 鮮 高 勾 麗 穢 貊 沃 沮 な ど い ふ 國 々 を 混 一し た る 物 に し て 。 三 韓 の地 は 今 の 朝 鮮 の内 の南 方 牛
ツ
分 ば かり 也 。 三韓 と は馬 韓 辰 韓 弁 辰 の 三 にし て 。 馬韓 は 西 に在 て大 也 。辰 韓 は そ の東 にあり て 小
ノ 、
へ 、
也 。 弁 辰 は 辰 韓 の南 に 在 て 是 も 小 也 。 さ て 周 武 王 が 箕 子 を 封 じ た り し 古 の朝 鮮 は 。 三韓 の北 に 在
ノ
て 一小 國 な り し を 。漢 代 の始 ? か た 。燕 の 亡 入 衞 滿 そ の國 を 取 て 。孫 の世 ま で た も ち た る 。此 時 は
カタハラ 、
、 り
や Σ大 に し て 。 傍 な る 高 麗 穢 貊 沃 沮 な ど を も し た が へ た れ 共 。 と れ ら の 國 々 に も 。 別 に 君 長 は 有 。し
な ほ 又南 な る 三韓 は別 に して。 馬 韓 に 五十 よ國 。 辰韓 弁 辰 に お のー + 二國 必 り て。 す べて 七 十
ゆ
鉗 狂 人 五四五
〆
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、
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噂
鉗 狂 人 へ .
'、弔 ・ ■ ' 五 四六
り
餘 の小 國 有 。 さ て 魏 志 に は。 弁 辰 の内 に 二 十 六 國 有 て そ の 名 共 を 擧 た る中 に 斯 盧 國 と い ふ あ り 。
ノ
ト
ノ
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こ れ 新 羅 也 。 北 史 の 新 羅 傳 に 亦 日 二斯 盧 國 頃と い へb 。 故 に唐 晉 に新 羅 弁 韓 苗 裔 也 と い ぴ 。 五 代 史
ハ ノ
にも 新 羅 弁 韓 之 遺 種 也 と い へり 。 然 れ ば 新 羅 は こ れ 弁 辰 の 申 の 一國 に し て 。 辰 韓 に は 非 る こ と 明
ヘ
ノ ノ
ら け し。 然 るを も ろ こし に ても これ を誤 り て 辰 韓 と 心 得 た る 者 あ り。 北 史 に新羅 看 其 先 本 辰韓 種
ノ
也 と い へ る た ぐ ぴ 是 也 。 ヒ は 弁 辰 を 弁 韓 と も 弁 辰 韓 と も い へ る故 に 。 辰 字 に よ り て 辰 韓 と ま ぎ れ
嚇
' , ハ ノ
た る物 也。 又漢 瞽 に は三韓 と いふ名 は見 えず も て。
厂と れ を 辰 國 と い へり 。 後 漢 昔 に も 三 韓 皆 古 之
ハ ノ ド ド ハ ナリ
辰 國 也 と い へり 。 然 る を 魏 志 に 辰 韓 者 古 之 辰 國 也 と い ひ 。 顏 師 古 が 漢 青 の 注 に も 辰 辰 韓 之 國 と い
ノ
へ る。`是 ら も 辰 字 に よ り て ふ と 談 れ る も の 也 。 さ て 斯 羅 は 。 魏 士心に 出 た る 所 は 甚 小 國 と 聞 え て 。
晉 書 に も 其 傳 な く 。 宋 書 魏 習 な ど に も 百 濟 の 傳 は あ れ 共 。 薪 羅 傳 は な し 。 北 史 南 史 に 至 て新 羅 徳
も 有 。 然 れ ば 漸 く に 強 大 に 成 て 。 そ の 比 は 高 麗 百 濟 と 鼎 足 の 如 く 相 並 た り と 見 ゆ 。 日 本 紀 に見 え
た る趣 も 然 也。 か く て後 はも はら 此 三國 を さ し て 三韓 と い ふめ れ 共 。 其 本 は 然 らず 。 其 中 に百濟
を 馬 韓 と す る は 違 は ず 。 薪 羅 を 辰 韓 と す る ば 誤 な る ヒ と 上 に い へ る が 如 し 。 茎 咼麗 を 弁 韓 と す る
り
は 殊 に 違 へり 。弁 韓 は 三 韓 の 中 に も 最 南 に在 。 高 麗 は も と 三韓 と は 別 に し て 。 朝 鮮 穢 貊 な ど を ヘ
アハ
だ て 玉北 方 に あ れ ば 也 。 後 に 漸 く に 大 國 と な り て 。 傍 風 を 多 く 併 せ た れ 共 。 そ の か み 獪 弁 韓 の 地
ゑ サ
は そ の 域 内 に あ ら ざ る を や 。 さ て 三 韓 の 事 。 漢 國 の 代 々 の史 に 記 せ る と こ ろ 。 次 第 に 前 史 の 文 を
心 得 誤 り て ま ぎ ら は し き 事 。 か の弁 辰 と 辰 韓 と を 混 じ た る類 い と 多 し . 見 む 人 よ く せ ず ば誤 り ぬ
獻
べ し 。 今 は そ.
の代 々 の史 共 を 引 合 せ て考 へた る と こ ろ 。 件 の如冖
く 也 。 然 る に論 者 漢 籍 を ば ぴ た す
ニ タ
ら に 信 じ て 。 か く の如 く 誤 のあ 惹 を も え さ と ら ず 。 断 羅 脚 辰 韓 と 心 得 て 。姓 氏 録 な る新 良 の事 を
、
引 合 せ て い へる な ど 皆 謬 也 。 薪 羅 は 弁 韓 に し て 辰 韓 に は 非 る こ と 。 上 件 の 如 く な れ ば 。.
須佐之男
タテ ザ
カタ
命 辰 韓 に は 縁 な し 。 抑 今 論 者 上 古 の傅 説 を 破 診 て 。 新 論 を 立 む と な ら ば 。 そ の本 つ く 所 を よ く 固
め お き て と そ い ふ べ き 事 な る に ゅ そ の 考 へ甚 輕 忽 に し て 。 根 本 と す る 所 に ま つ か く の如 ぎ 相 違 あ
る う へ磯 。 餘 竜 准 へ知 べ き 也 。
ヒ叉 秦 の亡 人 云々 の 丈 は 。 後 漢 書 魏 志 晉 書 等 に 記 せ る ま 玉 な る に 。
ブミ
︾、の木 をぼ考 へた 穿 享 し て。 ヤ婆 後 世 の轟 逾讐 據 て定 め た るは いか ぼ。 た Ψか ら書 レ
モ
だ に あ れ ば 。 何 れ の書 に て も み な た し か な る 物 と 思 へ る に や 。 6
ロシ ラ ギハ ノ ノヨ レ ノ ニ ノ か
㌦
い姓 氏 録 右 京 皇 別 噺 良 貴 彦 波 瀲 武 鷓 鵜 草 葺 不 合 奪 男 稻 飯 命 之 後 也 。 是 出 ご於 漸 良 國 圭 嚇稻飯命
﹂
禺 二於 新 羅 國 手 者 組 合 日 本 紀 不 見 '
姓 氏 録 此 條 板 本 は 誤 有 て 其 義 聞 え ず ゆ お の れ さ 耋 に 古 本 畔一
本 を以 て狡 合 し た り し に。 いつ れ も是
出 の崇 なく・璽 の下 簿 爲國 の三宇有 三 も聾 薪 良興 鴛 ご
図圭 噸
とあり・是 にてよく聞 え
鉗 狂 人 冖 . 、 ・ 、 五 四七
高
軸
●
■
鉗 狂 入 五 四八 囁
ノ ホム ノ
た り。 出 於 の出 字 は 。下 に竜出 於 とあ る述 よ り ま ぎ れ て 上 にも 入 紅 。 叉郎 爲 國 の三字 は。 國 孚 の
ッ 、 才チ ・ ホム
の 二 あ る よ り ま ぎ れ て脱 た る な り 。 も し わ が 古 本 と い ふ を 疑 は 璽 。 其 本 世 間 に 有 琿 ね て 見 べ し 。
寄 て 其 下 の文 は 。 古 本 も 皆 板 本 と 同 じ こ と 也 。 獪 誤 有 べ し 。 こ 玉 う み に い は 里 。 下 の出 於 は 二 字
◇ とも に衍 に三 稻飯薪 良國 王憲 也 と霧 けむ・ かならず かく の如くなら では上文 熹 馨 ず
蘭 え ぬ 事 也 。 此 命 薪 羅 國 へ渡 り 給 へり と お ぼ し き こ と あ り 。 其 よ し 古 事 記 傳 に い へり 。 さ て 論 者
ノ
と れ を こ y に 引 た る は 。 紳 武 天 皇 は 周 惠 王 よ 勧 は る か に後 な り と い ふ 證 に し た る な れ 共 。 件 の如
く 板 本睨 誤 あ り て。 論 者 の意 と 依 反覆 し 距 る事 な れ ば。 惑 ら に か な はず 。 そ 竜 ノ \ 論 者。 何 を な
り 共 引 出 て 。 己 が 詮 を 助 け む と す る 心 の み す Σみ は や れ る か ら 。 い さ 玉 か も 三 韓 に か 玉れ る こ と
シヒ
あ る を ば 。 見 つく る ま Σ に 引 出 て 。 文 .義 の 聞 え ぬ に も 心 つ か ず 。 か や う の疎 漏 あ り て 。 中 々 に 強 醒
ゴ ト め
事 のあ ら は る 玉ヒそ う た てけ れ。 い で板 本 璽誤 な る由 は。 稻 飯命 を葺 不 合奪 の男 と いぴ な が ら。 .
ツ ノ
エマ
た ち ま ち に ま た 出 二於 薪 良 國 圭 噛と 依 い か 璽 。 も し 然 ら ば 葺 不 合 奪 を も 共 匿 薪 良 王 よ り 出 給 ふ と す
タチマツ
る に や 。姓 氏 録 は 。此 論 者 な ど の諡 の麺 く 。 ロ に ま か せ て い ふ べ き 私 の 書 に は あ ら ず 。朝 廷 に進 る
撫
ノ
公 の 書 な る に 。 皐 租 な る 葺 不 合 奪 を。 薪 良 主 よ り 出 給 ふ と し て可 癒 ら む や は 。 叉 稻 飯 命 も し 甎 良
王 よ り出 給 は 黛。 此姓稔 諸 蕃 に こ そ牧 む べ け れ。 いか で か皇 別 には牧 め む。皇 別 に收 た るに 。
厂
騨
武 天 皇 の御 兄 弟 に ま す が 故 也 。
神 ・武 帝 の 辛 酉 元 年 を 周 惠 王 十 七 年 に あ つ れ ど も 周 惠 王 の 時 何 ぞ 辰 馬 の こ 韓 あ ら む
論 者 た 富 溝へ
國 ゆ 書 を の み 據 と し て 。・
三韓 な ど を も み な 周 の代 よ り は 後 の 事 と 思 ふ め れ 共 。 然 ら ざ
る こ と 也 。 漢 國 に て そ の國 あ る こ と を 知 ℃ た る こ そ 。 周 よ り 後 に て も あ ら め 。 其 國 々 は も と よ り
有 て 王 も 有 べ く 。 天 地 の は じ め よ り 數 百 万 歳 の闇 に は 。 い く 度 か 變 易 あ り て 。 國 の 盛 衰 人物 の 有
無 膾 減 な ど 竜 か は る べ し 。 然 れ 共 外 國 ぼ す べ て 上 古 の傳 論 詳 な ち ざ れ ば 。 は る か に 上 代 の 事 共 は 。
な
傳 は ら ざ る ヒ と 多 か る べ く 。 叉 傳 は り た る 事 ど も 乂。 い つ の 代 と い ふ こ と な ど は さ だ か な ら ざ る
しへ
ヘ
べ き を 。 漢 國 の 書 に の ぜ ざ る か ぎ り を ば 。 お し て 皆 後 の事 と し 。 そ れ 脚 り 以 前 に は そ の 國 々 竜 な
か り し 如 く に 思 ふ は 。 例 の い と 小 き 心 也 。 か の辰 韓 の 如 き も 。 周 の 末 秦 の 比 こ そ 。 し ばら く 無 人
へ 、
の境 に て。 秦 の亡 人 の來 て よ り 入物 は有 そめ け め 。 そ れよ り は るか に 古 に はゆ 文 人 物 も 竜 と 乱り
ψ
有 し 竜 濺 が た し ・ た と ひ 辰 韓 は い か に も あ れ ・ 須 佐 之 見 命 の降 り 給 ぴ し は ・ 弁 韓 の薪 羅 な れ ば ・
が
辰 韓 の 始 め に は か 玉 は る ヒ と な し 。 さ て ヒ 玉 に 辰 馬 の 二 韓 と い へる は 。 上 に 引 る東 國 通 鑑 に 。 辰
ニ チ れノ ヲ ス ト
韓 は 常 用 二馬 韓 入 一
作 レ圭 と い へ る 故 に。 馬 韓 の事 を 竜 出 せ る 也 。ヒ れ 叉 晉 書 等 の文 也 。か く て.馬 韓
ぽ
ロ
ノ
を も 周 よ り 後 の事 と す る は 。 か の 東 國 通 鑑 な ど に 。 百 濟 な ど の 始 組 を も 。 漢 代 と す る に よ れ る な
鉗 狂 入 ・ . . 五四九
幽
ゆ
φ
鉗 麗 人 ・
五 五〇
ノ
る べ し 。 然 れ 共 そ の後 世 ま で つ 寮 き た る 黒 の 姶 組 と そ 漢 代 に て 鴫 有 け め 。 そ れ ま り 以 前 ζ も . 漆、
の 先 祺 な ら ぬ 王 は 有 べ し 。 叉 百 濟 は も と は 。 馬 韓 五 十 餘 國 の 内 の 一國 に て こ そ あ れ 。 五 十 ま 図 お
ゆ ノ
の/ 丶 王 は あ る べ き に 。 いつ れ 竜 み な 周 よ り 後 也 と は 何 を も て し ら む ゆ 又 後 漢 書 に 三 韓 皆 是 古 之
也 轟 テ・ ヲ ㌻ ク タリ ニ ノ ノ モ レ ノ ナリ
辰 國 也 馬 韓 震大 共 立 ご其 種 蝋 爲 ご辰 手 盡 手 吋 三 韓 之 地 由其 諸 國 王 先 皆 是 馬 韓 種 入 焉 と も い へ る に よ れ
の
ば 。 も と 三 韓 の總 王 も 有 し 也 。 其 諸 國 の 王 も み な 馬 韓 種 入 に て。 七 十 餘 國 あ り つ る を 。 こ と み \
く 何 れ の 代 よ り 始 ま 葛 と い ふ こ と 知 べ き に あ らず 。 た 璽 百 濟 等 三 國 の始 租 に 准 じ て 。 み な こ と こ
ノ ー シヒゴト
と く漢 杙 よ り始 ま る と せむ は。 強説 な らず や 。
売 寿 商
﹁
五 代 の年 數 知 べ か ら ず と い へ共 。 大 己 貴 命 ぼ 素 戔 欝 尊 の 子 に し て 。 其 子 事 代 圭 命 の女 姫 蹲 鞴
五 十鈴 姫 命 紳 ,
武天 皇 の后 な れ ば。 其 大 概 察 す ぺ し 凡
大 己 貴命 を須 佐 ㌧ 乙男 命 の 御 子 也 と は 。 日 本 紀 に よ り て い へ る な れ 共 。 古 事 記 に よ る に 。 實 は 六 世
オ ヤ \
、
の御 孫 に し て 。 共 聞 五 世 の紳 名 も 一 々見 え た り 。 す べ て 上 古 は 先 租 を ば い く 世 に て も み な 於 夜 と
い へり・ 故 に蟄 を も し 読 り・々︿子 孫 を ば いく 世 に ても 皆 子 と い へり需 々 の天 皇 美 羅 御
子 と申 す にて も知 べ し。 され ば 日 本紀 に須 佐 之 男 命 の子 と あ るも 。 も と 分傳 へは子 孫 の意 にて 有
し なり。
,
さ て 又 五 十鈴 姫命 を事 代 圭 命 の御 女 と いふ も。 紳 武紀 ば か り か い な でに見 て い ぴ ては違
〆
ノ ヤ ヒ ロワ
こ
ナリ かゑ
ふ こ と 也 。 か の姫 命 は 瀞 代 紀 に。 事 代 圭 神 八 尋 鰐 に 化 て 。 三 島 の 溝 磯姫 に逢 て 生 ま せ る 御 子 也 。
・ツシ・ マツ ミ 勾 ナリ
さ れ ば 御 父 は 事 代 圭 紳 の.
覲 勇 に は あ ら ず 。 後 に 此 神 を 祠 れ る 紳 祗 の騨 籃 の 。 八 尋 鰐 に 化 給 ぴ て の
ノ
御 事 也 つ こ れ を古 事 記 の傳 へに て は 。 三 輪 之 大 物 圭 神 の御 事 と せ る を 合 せ て も 知 ぺ し 。 大 物 圭 と
マツ
廊 す は 三 輪 忙 祠 る御 名 也 。 故 に 三 輪 之 と い へり 。 然 れ ば 大 物 圭 に も あ れ 事 代 主 に も あ れ 。 そ の現
身 に は 非 ず 。 紳 瓧 に ま つれ る 紳 靈 な る こ と 明 ら け し 。 大 和 國 に 事 代 圭 紳 を 調 れ る 紳 就 こ れ か れ 有 、
叉 紳 靈 の身 身 をあ ら は し て女 を 娶 り 。 子 を 盈給 へる之 と 上代 に は例 多 し。 凡 て 紳 に現身 を いふ と。
リ ノ シ
・
後 に 祗 に ま つ る 紳 靈 を い ふ と の か は り 有 ρ た と へば 天 照 大 紳 と は 。 紳 代 紀 の如 く 現 身 を も 申 。 又
ノ
伊 勢 宮 に い つ き ま つ る 紳 靈 を 竜 申 す が 如 し 。 普 通 の 紳 學 者 は。 か や う の く は し き 子 細 を ば え 考 へ
し ら ず し て 。 か の事 代 圭 の御 女 の事 を 盗 。 さ ま み 丶 に 疑 、
へ る事 な れ 共 。 精 密 な る古 學 の眼 を 竜 て
ヘ クラ
・
見 れ ば 。 い と 明 ら か な る 竜 の也 。 こ れ ら は 年 代 の 論 に は 要 な け れ 共 。 論 者 古 に眛 く し て 。 か x る
子 細 を も 尋 ね ず 。 み だ り に 論 ず る 故 に 。 いざ ﹄ か こ れ を 辨 ず る 也 。 年 代 の 事 は 上 に い へる 如 く 。
紳代 垈 世と い へ共。 いとぐ 久鼕 ることなれば。 たと論 武天皇 の后須佐之命 の麟 の御女に
サマタゲ
て も 。 す こし も妨 な き 物 をや。
ノ
\
齢 武 天 皇 元年 辛 酉 は。 後 漢 宣 帝 紳 欝 二年 辛 酉 にし て 云々。 かく の如 く 六百 年減 ぜ ざ れば 三國 .
鉗 狂 人 、 . 五五 幽
㌦
〆 巧
隻 鉗 狂 人 . r 五五二
の年紀 符 合 せず
ミ國 と は新 羅 百 濟 高 麗 を いふ な るべ し。 そ の年紀 は外 に 傷考 ふ べき と ごろ な け れ ば。 三國 史 記 東
國 通鑑 な ど を も て い ふな るべ し。 これ ら の港 こと に後 の物 に し て言 じがを こと 潅 く。 年
紀 な ど も た が へる 事 共 お ほ く て。 古 の事 共 を記 せ るはす べ て據 とす る にた ら ざ る物 な る に。 さ る
事 をも 思 ぴ は か らず し て。 ゆ く り なく 證 據 と した る。 論 者 の淺 見 お し は から れ て あ は れ 也 。 も し
レ レ
此 と 彼 と を 照 し て 正 さ む と な ら ば 。 吾 國 の古 書 と 古 書 と を よ く 考 へ合 せ て こ そ 正 す べ き に 。 其 古
タト 、
書 の考 へは 甚 麁 忽 に し て 。 返 り て 迂 遠 な る 他 國 の 謬 誤 お ほ き 後 世 の書 を 以 て こ れ を 論 ず る は 。 譬
へ驫 の屋根 を凖 として・票 家 の梁 を馨 た紅 凝 む が 如し・ 屋根 は驫 り の物な曇 )と
,
を 。 え さ と ら ぬ し れ も の 乂事 也 。 さ て宣 帝 祚 爵 は 前 漢 な る を 。 後 漢 と い へ る は 傳 寫 の誤 歟 。 さ て
ノ
紳 武 天 皇 元 年 を 。 六 百 年 こ な た へち 穿 め て。 漢 宣 帝 神 爵 二 年 と し 竜 定 め た る は 。 例 の東 國 逋 鑑 に 。
新 羅 の始 祀 の元年 を。 か の宣 帝 の五 鳳 元年 に あ て た る に據 るな るべ し。 五鳳 は祚 爵 の次 の年 號 に
て 。 辛 酉 神 爵 二年 な れ ば也 。 抑 かく の如 く年 を定 め て い へる は。 いと をか し き事 也 。 其 故 は 日本
、 紀 の年 紀 を 用 ぴ ず し て 。 六 百 年 違 へり と す る 程 の も の ﹂。 辛 酉 と あ る を ば 用 ぴ た る は 小 か に 。 か ,
り リ ノ
の 元 年 の か な ら ず 辛 酉 な る べ き こ と は 。 何 に よ り て知 れ る そ や 。 六 百 年 も 違 へる 物 な ら ば 。 辛 酉
角
噺
ワラロ
は い よノ\ おぼ つ かな き事 な らず や。 笑 ふ べ しノ∼、。 さ て論 者 のか く の如 く 定 め た 為年 紀 もつ文
か の須 佐 之 男 命 を薪羅 王也 と い へると 符 合 せず ゆ い か にと いふ にゅ 薪 羅 の始 祗 元 年漢 の五鳳 元年
にあ た ザ。 紳武 帝 の元年 も そ の三年 前 ψ瀞 欝 二年 にあ た ら む に。 帝 の后 の曾 祺 父 な る須 佐 之 男命
柵鷹
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新 羅 王な ら ば 。 か の始 祺 元年 よ り百 餘 年 の前 に有 べし い か 璽つ も し須 佐 之 男 命 は始 租 より 前 の 王
シヒ
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也 と せば 。 そ の年 紀 は 叉何 を 以 て定 めむ 。 然 れ ば 竜 し 強 て此年 紀 を 合 せむ と せば 。獪 百 餘 年 ば か
ぬ
り 竜 こな 海 へち 聖め て。 垂 仁 天皇 の御 代 の末 ご ろ にあ てざ れ ば 合 ざ る也 。.獪 又東 國 邁 鑑 の三國 の
年 紀 は。 論ず べ ぎ も の多 け れ共 。 く だぐ しけ れ ば も ら ル っ。 .
かく のご と く新 し ぎ事 故 史 記 にも朝 鮮 傳 はあ れど も 日 本傳 は な し噸操書 にも なし
ノ
す べ て漢 國 の壓史 に他 国 の偉 を立 た る例 。 お ほ ぐ は 其國 と 通好 し て。 自 國 にあつ か る事 あ るも の
也 。 史 記 に 朝鮮 傳 のあ る も。 自 國 に係 れ る 事 のあ る故 な り。邇 好 ぜず 自 図 にあつ か る事 な き國 々 6
は。 お ほく は傳 を 立 る こと な し。 然 る に果 記 に偉 な し と て。 新 し き事 と 思 ふは 。 いとく 愚 也。
も し然 ら ば 。臭 記 に傳 のな き國 々は。 み な そ れ よ り後 に 出 來 た る にや 笑 ふ ぺし 。 叉漢 書 に は。 別
ノ ロガ
テ ト
、 に仏傳は な 一けれ ど Aも。 樂 一浪一海 由丁嚢制二倭 人 一分賊篇ゴ
百温餘國 一と い へ り 。 後 灘鍵欝に ﹄は 。 倭 凡 百 冖餘 國 自 三武-
帝
セ
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滅 ご朝 鮮 一使 譯 邇 ご於 漢 齢者 三 十 許 國 と い へり 。 漢 武 帝 が 朝 鮮 を ほ ろ ぼ し た る ば 。 か の宣 ・
帝榊 欝 二年
鉗 狂
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人 . 一 五五,
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鉗 鬣 ∼人
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より旱 年ば か豊 要 れば・ 託 ぎ 縲 民天皇より莎 亭 としていふにや・ . ・
.,ピ廻广
、 白覊 軸
視 一
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' 或 記 云 。 瀞 葵 皇 御 母 は玉 依 姫 。葺 不 合奪 の御 子 に はま し ま さず 御年 も萋 夢讐 り は長 じ
、
鱒 給 へり。 薨 箕 泰 伯 の弾田裔 より 山碧さ せ給 ふ . 申略 、後 に [ す 癨 蔆 臭 欝 に饒 速
溝命 長 . . 鄰 を開 、
昏。給 へり 云 幽 神 武 天 皇 の 御 末 は 伸 哀 天 皇 に て 盡 さ せ給 ふ 下 跡 按應紳
天 皇 は い つ く よ り 出 さ せ給 ふ や 。 胎 中 天 皇 い ろ ノ \ 疑 は し く 思 は る る 也
ら
ダ
へ
此 段 な ど は む げ に 淺 は か な る 事 に て 。 論 ず る に 竜 た ら ざ れ 共 。 か け 翫 く も か し こ き 皇 統 の御 事 を昏
よ し も な き す ぢ に い ぴ ま げ 奉 ・り た、
れ、ば 。 見 過 し が た く て い さ 玉 か ご れ を辨 ず る 也 。 ま つ 或 記 云 と
へ
い へ る は 。 實 は 論 看 の僞 り て み つ か ら 造 ザ た る 読 に し て 。 祕 玳 天 皇 災 泰 伯 が 後 也 と い ふ 読 を 信 に
●
せん が た め のたく み也 。 い か に乏 いふ 俺 も し實 に 或 認 な ち ば 。 か な らず 塑 奨 皇 は某 の御 子 也
ぜ
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と 御 父 を も いふ べ し。 も し 御 父 詳 な らず は。爻 そ の よ し を必 いふ べ き 事 也。 然 るに た 蠱 不 合愈
ド ヤ
き う
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の御 子 に は ま し ま さ ず と の み い ひ て 。 ご言 も 御 父 の さ だ は な ぺ て。 ま つ 始 に 御 母 は 玉 依 姫 と の み
い へる 。 僞 作 の 趣 意 あ 必 は な る も の 也 。 ヒ れ 下 の 今 按 に 。 寨 伯 の 芦 裔 此 嶋 に 來 て 。 玉 依 姫 を 娶 て
鵜
と いふ事 を い讐 ため に.、
こ之 は㌘ の御 撰 かり 輩 ひ て・ 黎 の事 は ρ 翕 をま ち て知 る .
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翫・ る や う に 作 り 合 せ た る 也 。 マへ
御 妙(を だ に い か に 孰ハい は ぬ ほ ど な れ ば 。 獨艮ヤの悔
畢な ど 宀
は いふ べぐ も
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あ ら ぬ に 。 苺 不 合 奪 よ り は 長 接 給 へり と い へ る も ゆ 御 從 母 兄 弟 と す る 今 按 を 助 け む ガ た め 也 。 .
叉
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一り 南 海 を凌 ぎ 云 々 と い ぴ て 。 そ の 出 給 ぴ し 地 名 の厭 を 虫 喰 に し た る 竜 。 又 同 乃 く 下 の今
争評・
LL、
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接 の、
琉 球 を 信 に せ む た め 。 叉 其 勃 興 し給 ふ 地 名 蠧 魚 に破 ら れ と い へる も 。 此 虫 喰 の所 に 心 を つけ 嘸
さ せ む た め 也 。 そ の 虫 喰 の 下 に り の字 を置 た る は 。 疏 球 よ り と 有 し り の字 を 0 こ し て 。 虫 の く
ツ
こ ツ
ぴ た る さ ま に 見 せ た 各 也 。 叉 次 に も 今 一虫 喰 を な し た る は 。、た 璽 一に て は 。 も し 入 の疑 ぼ む か と
思 ひ て 。 た ぐ ぴ あ る こ と を 見 せ た る也 。 然 れ ば 此 或 記 は 。 下 の今 按 を 信 に せ む た め の張 本 に 造 り
た ゐ 物 に し て 。 い ふ べ き 事 を い は ず の こ し 置 て。 今 按 を 相 待 て 事 の わ か る 玉 や う に・
だ ぐ み た るも 、
の 也 。 此 た ぐ ひ の爲 り ご と 獪 外 に も み ゆ 。 よ ま む 入 心 す べ し 。 さ て 泰 伯 の 事 は 。 も と 漢 國 の晋 書
の倭入箆 ・締 二竊 慰 を い へるより智 て・ 此方 にても害 より・此からぶみ の論 を信ぜ 0
ノ 葛
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も の も 膚 て 。,姫 民 國 な ど い器 名 を さ へ作 れ り 。 叉 近 世 或 入 は 。 天 照 大 齢 と 申 す は 。.す な は ち 呉
ノ
泰 伯 に て 。 邇 凌 藝 命 の 天 よ り 降 り 給 ふ と い ふ は 。 そ の子 孫 の呉 図 よ り 渡 り 來 給 へる 也 と い ヘレ つ '
す べ て 近 き 世 に は 既 類 の 読 を い ぴ 出 る を 發 明 と 思 へり ひ 自 謂 と は 此 方 σ 入 の み つ か ら い へ る な れ
.カラブミ
ば 。 上 古 よ り 既 傳 へ有 し 事 な ら む と 恩 ふ べ け れ ど 。 す ベ セ 漢 総 に 皇 國 の 事 を い へる は 。 う き た る
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とと多く七て信じが餮 戔 下に委くいふべ曇 世の潔 諭 方 の葦 此方の傘 "
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れ る 故 に つ そ の遶 へる こ と 明 ら か に分 る 玉 を 。 上 古 の事 は 。 此 方 の 事 を。 此 方 の人 も た し か に 知
ら ざ る ゆ ゑ に 。 違 へり や 違 は ず や 窮 ら か な ら ざ る か ら 。 漢 國 の 書 に い へ る こ と を み な 信 ず る 也 。
へ
か の自 謂 と 記 せ ゐ も 。 實 は い か 璽 有 け む 。 さ だ か な ら ぬ こ と な れ 共 。 も し は 西 國 の邊 鄙 め を こ の
へ に
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クフト
,、者 な ど の。 た まく か の國 に ま か り 渡 り し が 。 か の 國 人 に奪 ま れ む た め に 。 僞 り て み だ り に い ぴ '
し 事 竜 有 や し け む 。 と に か く に お ぼ つ か な き こ と 也 つ 抑 泰 伯 は 。 か の國 に て て そ た ふ と ぐ も あ ら
ノ
め 。 西 或 な れ ば 。直 串國 に ては碗 σ奪 、 琶事 か あ ら む 。 然 る を 世 汝 の 人 。 何 事 に つ け て も 漢 國 を み だ ・
、
り に奪 伺 す る心 に て。 孔 丘 が至 徳 と 懐 め た る人 な れ ば。 奪 きも の忙思 ぴて 。 此読 をよ うこ ぶ入 も
オン
・申 古 よ り 有 し 也 。 今 此 論 者 の意 は 。 須 佐 之 勇 命 を 韓 人 也 と い ふ を 根 本 と し て 。 萬 の事 皆 韓 よ り 起
へ
れり とす るも の㌔ 紫 伯 の謦 ふ毳 からぶみ に出た蚕 なれば。轡 こと 態 さに。是 をも
ノ
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引 入 て㎝
諡を作 れ る 也。 ・も し漢 ∼
籍 に 據 て 讒 を 立 む と な ら ば . 倭 依 秦 徐 輻 が 後 也 と い へる こ と ・
も有 。
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と れ は か の 國 に て奪 ま ぬ 人 な る 故 にσ 蕗 方 に て 此 読 は 取 る 人 な げ れ 共 。 論 者 は も とよ り こ と さ ら
に 蟲 國 を い ひ 齢 と 婁 む ど す る も の な れ ば 。 泰 伯 よ り は 此 徐 輻 ぞ 時 代 も か の漢 の 紳 欝 二 年 に 近 く つ .
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は の ノ
叉 海 に 瀦 び て 東 方 に 來 り し 葱 ど 。か 耽 こ れ や と 似 つ か は し か る べぎ に 。ヒ れ を ば 引 入 れ ざ る 幟 。考
勘
、
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へ 竜 ら せ る に や 。 さ れ ど 驫 園 は 。 あ り が た く 蚤 天 照 大 御 瀞 の臺 縫 た る こ と 昭 欧 海 れ ば 。 や 炉 な る
巧蕎 妖 妄 の読 あ り と も。 か ら ぶ み に惑 は ぬ と竜 がら ば 。 あ ざむ か る 乂こ 巴有 べ く 竜 あ ら ぬ物 をや 。 亀
又 かの或記に・神武天皇 の禦 は伸哀 天皇 にて響 せ給 ふ 下略 どい へる・是 にて旻 総誉 僞
ツギ
作 な る こと いよ く あ ら は れ たり 。 も し仲 哀 天皇 に て盡 させ給 ふ と いふ程 なら ば 。 か ならず 應 紳
天 皇 はそ の皇 子 には あ らず と いぴ て。 其 故 を も何 と ぞ いふ べ き 事 な 届 に。 應 神 天 皇 の御 事 を いか
、
に と も い は ざ る は 。 又 か の紳 武 帝 の御 父 を いは ざ る と 同 じ 作 意 に て 。 今 擦 に 胎 申 天 皇 い ろ ノ \ 疑 。
し と い ふ と 相 照 さ む た め の た く み 也 。.應 榊 天 皇 の御 事 は 下 に辨 ず べ し 。 ・
ヱ ヘ ヤ ア サ ミ アムミ ご
海 宮 ム い ふ は 。 疏 球 の惠 李 也 嶋 を い ふ 云 々 日 本 紀 に阿 麻 美 叉 菴 美 に 作 云 々 嶋 の東 北 に 山 あ り 。
アマミガグゲ き
天 孫 嶽 と いふ 。 土 人 い は く 。 此 山 上 古 瀞 人 降 晦 の 地 也 。 故 に嶋 の名 と す と 。 瀞 人 降 臨 と は 則
彦 火 々出 一
見奪 あ 御 事 に て 云 々 太 伯 の 裔 此 紬
嶋 に渡 り 。 冖玉 依 ﹂
姫 を娶 て。 軸 武-
・帝 生 れ さ せ 給 ぴ 云 々 .
海 紳 宮 を琉 球 の事 也 と は。 さ き に或 人 も い ぴ。 叉 封 馬 也 と いふ説 竜有 。,
そもく 海 紳宮 の事 は。
胤
、
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佛 書 扛 も か ら ぶ み に も 。 全 く 似 た る 事 の あ れ ば 。 天 竺 に も 漢 國 に 竜 上 古 よ り 傅 へ有 け む を。 か ら 瀞
國 心 は 例 のな ま さ か しら に てゆ 尋常 の小 理 に なつ み て。 海 底 に別 に これ あ る ヒと を信ず るこ とあ
"
た は ず 。 己 が 心 汝 に ま か せ て附 會 の読 共 を な せ る 也 。 か や う に す こ し づ N の か 玉 り を據 に し て 。 \
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鋤 狂 入 磯 ピ 五 五七
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そ こぞ か し こ ぞ と い は 璽 ゆ い か や う に 竜 い ぴ な さ る エ こ と そ か し 。 今 論 者 天 孫 嶽 紳 人 降 臨 の 地 と 愽
コ
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、
私 ふ を以 て據 とす れ 共。 聯 代 の三世 は鸞 向 図 に坐 ま し 嬉か ば。 そ の間 に 距ま く 琉球 の地 へ・
も行
㌣シ , ・ %ルニ ニ ク ノ
幸 し 事 も 有 て 。 さ 為 傳 へ の あ る 竜 知 が た し 。 叉 か ら ぶ み 弘 簡 録 に 。 琉 球 云 々 據 ご其 慢 .
纉 圏 一云 宋 ・
淳 ,
ク .・風 ハ ノ , シミ ニ ク ル 昌 ハ ノ
煕 ホ,凶 年 舜 天 麟 ご混 舵 輔
舜 天 爲 朝 公 之 男 子 云 々 民 苦 二疾 疫 剛多 依 二英 祺 一 ,
莫 祺 者 天 孫 氏 之 後 也 と い へる
を . 或 人 の読 に 。 爲 朝 公 と い へる は 。
、.邸 鎭 西 八 郎 爲 朝 の事 に し て 。 か 0 國 入 今 に 至 る ま で 。 爲 朝
.の 子 孫 と い ぴ 傳 へ て 。 舜 天 王 と 號 す れ ば 。 莫 組 と い ふ 竜 其 旁 支 に て 。,
主 位 に代 り たり と見 え た り
へ
と b へ 為 は 。、誠 に 然 る べ し 。 爲 朝 も 皇 図 の人 に て皇 孫 の 源 馬 な れ ば 。 天 孫 の後 と い ぴ つた へ て。.
、
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や ・
烈 の天孫 嶽 と い ふ は。 そ ・
の 天 孫 を 祠 れ る 地 な ど に て も 有 べ し 。 さ れ ば か た ノび丶 か の 嶋 に 天 孫 嶽 ⋮
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霧 れ ば と て竜 。か な 皇 ,轟 宮 な蠱 蓋 い か で かな ら む。 又 塗 嘗 本 墾 、をば す ゴ ・と ら
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ず 。 ご とさ ら に是 を い ぴ破 ら、
む と す る も の 玉。 天 孫 と い ふ稱 に つ き て は こ れ を 用 ぴ た る は い か に ? ,
鳶つし 鑓 本 紅 を と ら ぬ 竜 の な ら 慣 つ 茨 孫 と い ふ 稱 を 引潜取 ま じ き 事 な る に 。・
己 が要 ず る事 あ る蒔 は。
を リ ノ へ こ れ を 用 ふ る こ そ 心 豊 た な け れ 。 又 惠 李 惣 嶋 の所 に。 ド
から ぶ み を 多 く 引 た る は輟 の用そ
や 。 共 書 ど 竜 あ ま み 嶋 と い ふ 名 の 證 忙 竜 な ら ず 。.天 孫 嶽 と い ふ 名 の 證 に 急 な ら ず 。 も と よ ひ 海 紳
ご 宮 な る 證 に も な ら ず 。 た ぼ 惠 季 也 嶋 と い ふ 名 を 證 せ る の み な れ ば 。ご y に は 無 釜 の事 な ら ず や ゆ
鯨
ヤ
、
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、
噺
知
さ て 叉 泰 伯 の裔 此 嶋 に渡 り 來 て 云 々 の事 は 。 何 の據 も な き 例 の 妄 論 也 。 天 孫 嶽 た と ひ 玉 依 姫 忙 は 9
が
據 あ る竃 鷺 よ。秦 伯 の裔 に 篇 の縁 かあ る。 みつ から 義 縁 な き事 を。、
.)
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﹄ろ よ 奮 ず墨 る
甲
から。 ・か の 或 記 を 作 り 出 し て。 張 て 縁 を あ ら せ た る物 也 。 さ れ ど 海 神 宮 の事 は 。 此 作 意 に は いと
ノ ひ じ
クヒ
嘗
ま は ひ 逮 き こ と な る に 。 か く 引 入 れ た 惹 は 。 天 孫 嶽 玉 依 姫 を 餌 に し て 。 世 入 を泰 伯 へ喰 つ か せ む
广
た め のたく み 也 。
ニ ク ニ リ ヲ ス ニ ほ
観 髪 文 身 は 昊 越 の 古 俗 也 。 三 才 圖 會 云 。 有 二大 琉 球 小 琉 球 鳳云 々 男 子 去 レ
髭 黥 二于 手 二零々 女 入
ヲ シ ニナス ノ ヲ
以レ 凹
蠻黥 レ首 爲 二龍 蛇 交 嚇云 々 と 。 琉 球 の古 俗 句 呉 と 同 じ 句 呉 の 人 入 來 て 5 つ れ る 風 俗 な る 事 知 、
アう
べ し , 日 本 决 釋 に よ れ ば 。 本 邦 も と 丈 身 の國 な れ ば 。 紳 武 帝 東 征 の 後 。 其 人 入 來 て 。 其 俗 の
う つ る も の な ら む ﹂
ジ
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藝 畢 黥手 塾 といへること・北史鞣 管 襲 彫 に・.
焚 以墨 塾 蕉 ご
蟲蛇之多 耄 "
て
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峯
れ
。 男 子 黥
すへる 事 は 見 え ず 。 三 オ 圃 會 は 此 北 史 等 の文 を と り て 。 麁 忽 に誤 れ る 物 也 ゆ さ て 叉 ・
風 俗 怒 じ け れ に と て 。 弘 呉 よ り 入 來 て ケ つ れ る 證 に は い か で か な ち む 。 國 々・
お のつ から 同 じ風 俗
な る 事 も な ど か な か ら む 。 叉 皇 図 の 上 代 文 身 な り し こ と 。 さ ら に 物 に 見 え ず 。 日 本 决 釋 と い へる 、
は・ か の或 記 のたぐ ひと 麟 ・漢 籍 ば が り に據 て俺 人 の難 ぜ む こと を 恐れ 三 か き Q耄 を作
・鉗 狂 入 . 、 、 三 三 九
、
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り て簍 せ るな り. さ れ ど た し かな ら ぬ後 甚 套 .
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い か 響 ㍗
も い か でノ
か 誰 と す
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ク ノむ 。
畢 寛愚 入 をあ ざ む く ば かり の事 也。 か ら ぶ み に は倭 男 子皆 黥面 文 身 以 ご其 文左 右 大 少 別 二奪 卑 之
ヲ ノ シテ ルマヲ 、ヲ シテ ニ・
ス ヲ ト
差鳳
乏 後 漢 書 に いぴ。 魏 志 にも 今倭 水 人好 三沈 沒 捕 二魚 蛤 一
文レ身 亦 以厭 ご大魚 水禽 崗
後 稍 以爲 レ飾 云 々 、
な ど い へれ ど も。、
信 用 す る にたら ず 。 思 ふ にと れ は 上古 九 州 の海 邊 のあ ま な ど の。 さ る事 せ しが '
ノ 有 し を 見 て語 れ る を。 傳 へ誤 り て かく は認 せ るな るべ し。 大 か た かめ 書 ど も な ど に。 皇 國 の事 を
し る せ る。非 な る事 いと お ほ し。 其 申 にま れく に實 を得 た る事 も ま じ れ る を見 て。 そ れ に准 じ
て 。 非 な る を も 皆 實 な ら む と 思 ふ は い と 愚 也 。 筑 紫 の 僞 僭 の者 に あ ざ む か れ て 。 そ こ を 皇 朝 と 心
得 て記 せる 事 な ど。 お のれ さき に馭戎 慨 言 を著 し て辨 じ た るが如 し。 す べ て他 國 の事 を 記 せ る は,
ウ キ ノ
リ 物
思 ぴ の 外 に 浮 た る こ と の多 き 也 。 代 々 の臭 を こ れ か れ 引 合 せ てつ ご ま か に 考 れ ば 。 前 後 相 違 し て
合 ざ る こ と お ほ く 。 前 史 の非 の後 の臭 に て 見 え た る 竜 有 。 又 そ の 風 俗 な ど は ρ お ほ く は 前 史 に よ
り て 記 せ る 中 に 。 も と 誤 れ る を も 考 へ正 さ で。 其 ま Σ に し る し 。 又 前 史 を 麁 忽 に 見 誤 り て 。 あ ら
ぬ さ ま に記 し 違 へた る な ど も 多 く 。.
叉 よく も 知 れ ざ る事 を。 人 の いふ ま 玉に し るし て。 大 に實 に
た が へる も 有 。 叉 そ の 國 々 へ使 者 のゆ き て 。 ま の あ た り 見 聞 た る と ご ろ を 記 せ る 趣 な る に も 違 へ
る 事 多 し。 そ は そ の使 者 似 復 命 の時 に 僞 は れ る こ と 殊 に 多 く 。 叉 誤 れ る 事 も あ れ ば 也 。 叉 す べ て
慶 漢 図 の史 は 。・
漢 國 を 圭 と τ て 記 せ る物 な る 故 に 。 そ の文 の さ ま に て 他 國 娵 皆 殘 し く し て 漢 國 ひ と
り 奪 げ に 聞 ゆ る こ と 多 し 。 漢 字 を 用 ひ ざ る國 凌 の 王 よ り 膾 れ る 書 な ど は 。 大 か た そ の 意 を得 て。
漢 國 人 の譯 し 書 る な れ ば つ 共 文 漢 國 王 を い み じ く た ふ と み た る 如 く に書 な せ り 。 こ れ ら も 實 に は ・
其 國 々の王 の意 は。 た 璽隣 國 逋 好 のおも む き な り し を も。 お し て朝 賞 の如 く書 な し た る海 ぐ ひそ
一
多 か る べ き 。、す べ て漢 籍 は 。 か や ケ の 所 を よ く 心 得 て 見 ざ れ ば 。 ま ど は さ る 瓦事 お ほ き ぞ か し 。
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叉 ひ た す ら に 虚 妄 な る こ と さ へ有 。.そ の例 を 一 い は ゴ 。 梁 書 南 史 な ど に 扶 桑 と い ふ 図 の億 を 立 た
ノ ニ
リ ニ
る 。 其 國 在 二大 漢 國 東 二 萬 里 一地 在 ご中 図 之 東 一と い ぴ て 。 そ の風 俗 な ど 委 く 記 せ り 。 今 考 る に 。 も
ろ こ し の東 の方 に 。 別 に 大 漢 國 と い ふ べ き 図 も な く 。
、叉 扶 桑 と いふ べ き 國 も あ るこ と な しコ た と
び其 名 は時 代 に より て か は る共 .
..實 に 其 図 あ ら ば 。 今 も あ る べ き に 。.
△、さ る 國 あ る こ と な け れ ば 。
ノ
ノ
こ れ 全 く 盧 妄 な る こ と 論 な し 。 ざ る は 齊 永 元 元 年 其 扶 桑 國 の慧 深 と い ぴ し 僭 の 。 荊 州 に 至 て か た
わ け る 語 の ま N を 記 せ る よ し な り 。 思 ふ に 此 僭 ま こ と は 何 れ の國 の 人 な る か し ら ね ど も 。 古 壷 書
・ ど も に東 方 日 出 の處 に 扶 桑 と い へ る こ と の 有 を 思 ひ よ り て 。 こ れ を 國 の 名 に 作 り 。 そ の 風 俗 な ど
ま こ と し げ に く は し く い つ は り 作 り て 。 お の れ そ の國 よ り 來 れ り と あ ざ む き い へる を 。 虚 實 を よ
く も 察 せ ず し て 記 し た る 物 也 。 か く て後 の 書 ど 竜 に も つぎ ー \ に 記 せ る 程 に 。 つ ぴ に 實 に さ る 國 .
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\あ るや う に 思 ふ め 町 ゆ こ れ そ の 始 ぼ た ㌢ か の 一妄 僣 φ 虚 談 よ り 出た る事 也 ぴ 然 る に そ の 本 を え さ
、
ヒ ら
と ら ず し て 。 皇 國 の 事 歟 琉 球 の 事 か な ど xさ へ思 ぴ よ す る は い と 愚 昧 也 。 す べ、
て漢 國 の史 共 ・
に他
つ
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ソ
,國 の事 を い へ る は 淨 読 の お ぼ き 事 σ 此 一に て も .
お し は か るべ し 。 抑 から ぶ み は か く の如 く う き た
る こ と の 多 か る を 。,
え わ き ま へ さ と ら ず し て。 び た す ら に 是 を 正 し き 物 と 思 ぴ 信 じ て 。 .
か へり て
皇図 の正しき轟 をば髪 はいかなる心そや。但し難 告 く皇図 の書祭 らにくちぶ殺 。 い
た く後 に し てつ、
今 傳 は る と こ ろ。 ふる き も 利銅 養 老 の比 出 來 たり 。殊 に鵞本 紀 な ど は。 か ら書 を 一
取 て書 る文 多 し。 そ れ よ り前 にも 古 書 お ほく 有 つと は見 ゆ れ共 。 それ も 仁徳 履 中 の御 世 以來 に 過 .
ず 。 然 れ ぼそ れ よ り 以 前 の事 を 記 せ る は。 文 字 書籍 のな き世 なれば 信 じ が た し と そ 思 ふ ち む。 然
れ共 これ 臓 た 璽,
一わた り の見 解 に て。 今 少 し至 ら 書 る も の也 。
F其 故 は皇 國 の古 傳 は。 古 語 拾遺 序
に・ 上古 之 世 為 レ有 ごウ︿字 瞬
畳鑾 少 。結 欝 言往行鵜栗 レ忘 と み る如 く・ 斈 な か り し世 に は・
. へ
び
ロ語 を 洛 て 傳 へし 事 σ。 甚 正 し く 詳 に 全 く し て。 中 汝 に書 籍 に か き つ た へた る よ り も ま さ り て 信
ず べ き よ し の有 也 。 か ぐ いぴ ても 獪 むぼ つかな き 事 と 思 ふ めれ 共 。
が ぞ文 宇 を用 ぴ な朮 てコ 何 峯 竜そ
れ に ゆ だ ぬ る 後 の 世 の 心 も て 思 ふ と は 。 大 に た が へ る こ と N知 べ し ¢ 叉 日 本 紀 の文 の事 は 。 お の
一れ 古 事 記 傳 の首 罎 に 委 く 論 ず る が 如 し 。 撰 定 の 意 趣 を よ く 心 得 て 見 る と き は 。 丈 に つ き て 娯 ふ へ
馬
蠧 物 に健 あ ら ず 。 文 は 文 と 別 に 立 お 督 て 。 雷 事 配 と 引∵
曾 せ て 。 雷 意 古 言 を つ ま び ら か に會 得 す る
と 養 は . 瀞 代 の慕 も ま こ と に 謎 が た く 。 口 像 へ の正 し く 實 な り し こ と を 。 お のつ か ら さ と る べ し.
.
そ の時 k 至 ゆ な ば 。 返 り て か ら ぶ み の信 じ が た 唐 轟 竜 。 お のつ か ら さ と ゐ べ し 。 然 れ 共 世 人 い ま
だ や ら ぶ み ご xろ の惑 ぴ を え ま ぬ か れ ず 。 古 事 記 欝 本 紀 を ま こ と に よ く 解 す る こ と あ た は ざ る が
故 に 。 古 緯 を 疑 ひ て.
。 か へり て か ら ぶ み を ば 信 ず る也 け り 。
言 語
本 邦 の 書 藷 。 書 調 共 に異 鄭 よ り 穣 駐 來 る も の 也 。 瀦 翻 に ば 種 々 の.
読 あ れ ど も。 十 に八 九 は上
・古 の韓 訟月韓 誌脆 或 ﹁ は鰰幽 十 の舐鷺の 醜冖 ず る湘 もの也 。 、
シマ
、 .
す べ て 此 論 者 の 心 は 。 は る か の 上 代 に は ご 蕗 榔 國 に は 入 愁 な く て 。 い は ゆ る 無 入 嶋 の如 く な り し
を 。・韓 よ り 移 り 來 て後 に 。 入 んな笛 來 海 り と 思 ふ に や 、 叉 入 は 竜 と よ り 有 な が ら ゆ 韓 漢 と 往 來 せ ざ ・
ド
リ し以 前 は。 す べ て物 竜 い はず 。 癢 のご とく にて 有 し 事 と 思 ふ に や。 も しも と よ り 入 あ らば 其 入
ゆ
み な 物 い は ず に は 居 ま じ け れ ば 。 お のつ か ら の蓄 語 あ 弓 し 事 論 な し 。 然 る に 今 言 語 は み な 異 邦 よ
がぬガト
り う つ り 來 れ り と は 。 い か な る 張 言 そ や 。 又 書 と は 漢 字 音 を い ふ歟 ゆ 掌 脅 は も と よ り 外 國 よ り 來
れ る こと論 な し。 さ れ ど 上古 ﹁
に は 孚 書 の 言 は あ る こ と 豫 し . 欝 に 字 書 を ま じ ふ る は 後 の事 也 。 又
欝⋮
狸 ・
人 . .
・ 、
五山
ハ一二
嶋
呶
⋮
餌
慰甲 入 .
.
..
、
五ふ
ハ四
荊 と は皇國 喬 を いふ歟 。 皇 國 書 ぱ 瀞 代 の始 よ り お のつ かも の皇 國書 にし で。'其 め で たく 妙 な る事 。
さ ら に諸 の費 覊 謙 と 同 H に論 ず べ き にあ 弧ず ρ 但 し韓 國 と 牲來 はじ ま φ て 以來 は。 數 干言 の中 に
は ま れ ノ\ 三 韓漢 の戎 霄 のう つり た るも 無 遭 には あ らず 。 論 者 のこ 玉に擧 た る數 言 の中 に も。 全
く 漢 字 晋 な る竜韓 語 な る臨。 な き に はあ ら ざ れ 共 。 其餘 多 く は 竜 と より の皇 國言 な る を。 し ひ て
り
皆 韓 語 な り と い へるも の也。 た と ぴ ま れ には さ る こと有 乏 も。 そ のま れ な る を引 出 て證 と し て。
比⊥冒萬 語 み な然 也 と せむ は牽 強 に あら ず や 。 殊 に ご 玉 に幽 せ る言 ど もめ 〃
説 は。 鹿 を馬 也 と い へり
し よ り も甚 し、 叉 歎 千 耆 の中 には 。他 國 と お のつ から 似 海 るも 同 じ き も な ど か まじ ら ぎ ら む 。 又
嵐韓 の國 姦 ・多 く皐図 に服屬 し て旁 れば・ つね経 來しげく・たがぴ に此方 にも勢 にも久
しく と 璽 まり農 驚り し 入 臨 多 かり し か ぱ 。言 語 の み なら ず 。 衣 服 器 財 風 俗 菰 ど も。 此 方 より彼 方
〆丶う つ り 駑 ろ 竜 多 し と 見 ゆ.
る に. そ れ ら をす ら 返 サ て彼 よ り此 に移 れ る物 とす るは。 深 く 思 はざ
やが
る ぴ が と と な り 。 但 し 其 飆 を 竜 し ぴ で 彼 を 本 也 と い ぴ 曲 る ぞ 論 者 の 趣 意 獄 り け る。 抑 皇 國 は 。.文
字 を 始 巴 し て 。駕
後、に は 天 下 の制 度 ま で お ぼ く か ら 様 を 用 ひ 給 ぴ 。 人 の 心 さ へ こ と ム \ く か ら ヒ な
オサ
ゆ ぬ る 故 に 。 上 古 に い ま だ う つら ず な ら は ざ り し 以 前 の事 ま で 。 こ と み \ く 後 の 格 を 以 て推 む と
ナ る依・ から ぶみ爨 の縦也・ 芭 異國ピ似 たるご毒 あ る竃 て・ 套 か犯 ならび て移 れる
物 ぞ と いは 貸。 鳥 獸草 木 のた ぐ ぴ も同 じ き が多 く 。 又 人 の形 も 頭 面 手足 目 口耳鼻 ま で全 く同 じ き
.は。 これら 竜竜 と漢 に な ら ぴ て作 れ る物 と せむ 歟 。 叉人 竜 そ の始 はか ら 人 0來 た るが漸 に多 く な
れる也・驫 篭 と繁 と よりゐて來たる也・草す か齒 の齧を婁 ひろめたる也舞 鰹
で
む と す る 歟 。 山 川 な ど は い か に 。﹂
こ れ も も と か の國 よ り 船 に の せ て は こ び 竜 て 來 し 也 と い は む か
わら ふ べ しく 。 殊 に冒 語 は 。 萬 國 お の ノ \ 異 に し て 。 そ の つ か ぴ や ・
9。も 叉各 異 な るも の也。 そ
. ツ ツ ク イハ スル "
の 例 を ご 幅い は ぼ 。 皇 國 に て は 。 形 を 見 る 。 磬 を 聞 。 言 ず 震 こ と 無 し な ど 玉 い ふ を ゆ
、漢 國 に て は 。.
見髷 聾 不言 無 爲 とや う に・鉢 用 を さ か さ ま に い へ.
り ・モ隊 言 み氈 肇 賢 ・ 其 外 も 異 な る こと
多 嚢 。 ヒ れ に 准 へ,
て 知 べ く 。 又 餘 の國 々 の言 竜 。 お のノ 丶 異 な る ヒ と 准 へて し る べ し コ こ れ 言 諦 も
は そ の國 々 の 樹 、然 の事 に し て 。 他 よ レ な ら は ざ る 明 證 也 。 か 玉 る こ と 他 國 に な ら ぴ て 。 本 の い ぴ ..
カブ
ヤ
ゆ
ざ ま を 改 め 變 る こ と を得 べ け む や は 。 も し 他 画 の入 皇 國 に う つ り 來 て 。 雜 居 す る と き は 。 其 人 ②
耆 語 皇 國 書 に ヒ そ う つ れ 。.
皇 國 霄 の そ の入 の霄 に う つ。
る物 には あ らず 。 上件 の子細 ど 竜 を も考 へ
、ず 。 大 た 塁 よ そ に 論 じ て 。 人 を ま ど は さ む と す ,
る は いと を こ也 か し。
姓 民 、
・
'
國 朝 諸 姓 。 其 元 三韓 、
の官 名 及 其 書 語 に 出 る 竜 の 多 も 。 是 叉 上 古 此 邦 に て 酪 。 韓 の官 職 を 用 か .
鉗 狸 人 , ー 、 厂 五六 五 嘲
サ
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丶 窃 噸
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も
り
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鑠 狂 人 .
、
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竃六 六
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ら 為 玉 一證 と す べ し 。
,
諸氏、 の中 に 。 韓 図 よ り 移 り 來 た る 人 典 の 子 孫 の姓 尸 は 。 や が て そ の 本 國 の官 職 な ど を と ら れ た る・ .
"〆
も な き に あ ら ざ れ 共 ▼。 も と よ り の 皇 朝
﹁
の 人 の姓 尸 は 。 み な ﹁
本よ 砂 ・鏖 瞬門の 地 名 叉 は そ の職 な ど に よ・
ご コ じ コ タ ウ
リ た る 物 に し て 。 韓 の官 名 た ど に よ れ る も の 有 こ と な し 。 然 る に 是 を お ぼ く 韓 よ り 出 た り と 思 ふ 哂
ヘ シ辷ゴ卦 , 勇 バ,ネ
獣 。 例 の古 に 昧・き 故 歟 。 ば た 張 書 鰍 。 さ て と 乂 に擧 た. る臣 蓮 縣 主 直 簿 の類 は 擁 婆 藤 蠹 。 ζ れ 外 國
鑄 無き物にて、鸛べ拳 なき整 ・呆 紀に讐 れ驚 娃と課れたれ共・姓と鱗 摺なる鞠穐
醇
後世に覧 審 簸 で・讐 駕て駄 佐伯耄 の兜 慰 るは篆 で ・、
さ嘉 波諞 み 蜘 よ ρ
り 皇 図 の言 に し て 。 各 一其 毳 あ る事 な る を 。 例 の み な 韓 鱶 の・官 名 に あ て む とせ る。 いど ノ 丶 廷 懿 な
ヅ に
る 附 倉 に し て 。 一も 似 つ か は し き こ と な し 嶝 誰 か 是 を 信 せむ 。 叉 宿 瀰 の覊 は 。・
釋 に い べるご と く ﹁
.
薙
燦 叉皐 芝 斧 と卑 御各も これかれ宿・ これ らも奎 よりみ螽 釁 目鴬 穴 動 ど を對
ゴ
ゆ
エ
ベ ℃ い ふ 例 聴 言 に 多 く 。兄 と 、 い
ゴふ 稱 も つ ね に 多 し 。 い か で か 偽 嵩圏 に な ら へ り と せ む 。、
そ の う へ高 麗
か ノ
の大兄少兄 の事は。もと爨 房 かの國 の葎 。蕃 名蜜 藹 奢太奚 兄党 之蠶 森 ぴ。輩 に
`
は官有i禽 盧太大 兄大兄 小曇 々馬+二笋 と い へれはゆ大兄 の上靄 奚 奢讌
餐 大對慮太克
. 穐
な ど いふ有 也。 然⋮ る を 蠱 國 に し て皇 太 子 皇 予 な ど の 御 名 に 。 そ の謁 奢 等 ,
の奪 嚢 を と ち ず し て 。.
甑㌧
次
剛
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ン
家 な る 卑 き 大 兄 の 稱 を な ら ひ 取 給 ふ べ き や う な し β 高 麗 の 官 名 は お の つ か ら
同 じ き か 。 叉 は こ な 、
た の 稱 を と れ る に 竜 あ ら む か し 。 ,
' "
國 へ 號 . ' 、 . 、 拠
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r 呂 本 の 號 。.西 士 の 書 に 考 ふ る に 。 唐 以 前 の 書 に 見 あ た ら ず 。 云 々 日 本 紀 を 始 め 上 古 日 本 の 宇
の
ロ
ノ
を用 .
蠡 。 み な 邉認 な る こ と知 べ し 、 ' , ー . 駿
の
既 論 に ま こ と に さ る ζ と 也 。 但 し か 玉 る 事 ま で 。 た 璽 西 土 の 書 を の み 考 へて 。 此 方 の古 書 に考 へ
、 礎 ●
ざ るは いか に。 古 事 記 に 醤本 と いふ 字 な き う へは。他 を尋 ぬ る には 及 ば ぬ事 也 。 叉 唐 以 前 と い へ
耄 彊 へりゃ隋以前と 髦 いふべけれ・,
麿 書商 は・ 呆 と あ毎 鸛 號 の皐 はよ さき
ヘ
ロ
を
に 網 號 考 一卷 あ り 。 論 者 の如 く 右 に 昧 ぎ 考 へに て は 。 詳 な る こ と は 知 べ 唐 と こ ろ に あ らず 。 鳳
倭 大 倭 大 洳 養 徳 み な や ま と N訓 ず 云 々。 養 徳 と 書 し よ り 考 ふ れ ば 。 や ま と は 倭 奴 の 轉 語 な る ・ 〆
・ こ と 必 せ り 。 ﹁'
﹁
、
姦
ノ
大 倭 ∴八和 な ど 曳書 る を ば 9 お ﹂ほ や ま と 曳よ む 事 也 。 た 夐 や ま と 義 い ふ に。.
大 宇 を 加 へ て か け る例
汝 し 。 然 る を こ れ 砂 を 竜 や ま と Y訓 ず と い へ み は 。 例 の赤 に く ら き な り 。 さ て 倭 和 等 の 宇 の事 も 。
國 號 考 に 委 く い へり 。 や ま と を養 徳 と 書 れ し は 。 聖 武 天 皇 の 御 時 た 璽 し ば ら く の 間 の事 に て 。 そ
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鐙 狂 八 .
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鉗 狂 入 -、
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の 始 絡 續 日 本 紀 に見 え た り 。 是 は た 璽 膏 の似 た る美 字 を 撰 て 。 改 め ら れ 死 る に こ そ あ れ 。 い か で 、
渉嚢 の轉語 な喜 。美號 を立むとして.倭奴 など い翕 を暑 はむ物 かは。此論 なとは。聖武
天 皇 の 御 代 に あ ら た に 撰 ば れ た る 字 な る こ と を も 考 へし ら ず し て 。 例 の み だ り に い へる も の 也 。
弊
又 倭 奴 の事 も 。 費 よ り 大 に 誤 り 來 れ り 。 そ の よ し は 馭 戎 慨 言 に 辨 ず 。
ル
木 あ る を 竜 て 木 の國 。 火 あ る を 竜 て 火 の國 と い ふ 類 は 古 か る べ し 。 其 餘 斷 號 古 害 障 見 え た る
は 。 後 世 名 つ げ て 追 認 し た 惹物 也 。 始 よ り 此 名 あ る に あ ち ず 。 按 伊 弉 忍 穗 共 に 居 西 于 の轉 ず
る 竜 のなり 云 々. ・ . .
ゆ
天 下 諸 國 の名 叉 郡 郷 等 の名 。 いつ れ も 皆 い と ふ る し 。 た 璽 其 丈 宇 は 後 に つ け た る 物 に し て 。 正 字
も 有 。 書 を か れ る も 有 。 訓 を 借 れ る も 有 て 種 々也 。 其 申 に 字 晋 を 借 用 ぴ た る や う 。 地 名 は .
一種 の
カ ナ
格 あ り 。 す べ て 地 名 に 字 習 を 用 ぴ 充 る は 。 み な 假 字 に し て 。 宇 に 意 は な き こ と 也 。 然 る に 論"
者 の
へ
ツ ま
い ふ と こ ろ は 。 漢 國 の例 の如 く 。 名 と 字 巴 を ↓に 心 得 た る に や 。 そ の字 を さ し て 名 と い へ る は 。
一
ノ ゆ ノ コ キ ノ ヒノ ク ハ
皇 國 の古 書 に 昧 き こ ど 也 。 木 國 火 國 の如 き も 。 後 に は 紀 俘 國 肥 國 と 書 に は あ ぢ ず や 。 こ れ ら に て
も 。 本 の 名 と 字 と は 別 な る物 に し て 。 名 は 字 に は か 製は ら ぬ こ と を さ と る べ し 。 さ れ ば 餘 の國 名
ノ
ノ
も み な 字 は 後 の追 記 な れ ど も 。 名 は 本 よ り 有 て 古 き こ と 。 此 紀 國 肥 國 に 准 じ て 知 べ し 。 こ れ ら 依
ぴ
へ
い とよく分れな 事なるに、
猛 えわきま へしら ぬにや。 か へすー 拒 べちき 芝 璽 掻 弉悪 .
靴
穗 云 々 な ど は 。 い ふ に 竜 た ら ぬ を こご と 也 。 始 よ り し て い く 度 か 此 居 西 子 を 引 出 て ゆ 汁 に 竜 茱 に
﹂
も 肴 に も用 ひ 喪 る こそ 。か とも ノ\ を かし け れ"
ρ 、 . .广 ..
容 .飾 .. ,
・
ダ
上 世 丈 身 黒 齒 被 髪 す 哉 々。`交 身 いつ れ の侍 に 禁 ぜ ら れ帰
し を 知 らp
ア。 履 中 紀 に よ れ ば 。 應 紳 仁
徳 の朝 に 止 め も れ し な ら む 巾
噛
・ .
ぶ
上 世 男 黒 齒 の 事 所 見 な し 。 か ら ぶ み 叉 後 世 の書 に い へる ば 。 據 と す る に た ら ず 。 被 髮 の 事 は ぐ さ
ぐ さ 考 へ有 。 事 長 く 又 こ 製 に 緊 要 の 論 に も あ ら ざ れ ば 畧 し つ。 黥 面 文 身 の 事 は 上 に 就 に 辨 し た り 。
、
農 巾紀 によれば云々と は。黥面 の事 なるべし。彼紀 に桑 身 の事 は考 ふべき事なしつ黥 面 の事嬬
阿鐘 孳 薨 罪を宥 め轅 、
君.專 叉鰯 腓 騨 響 ・蔭 島 に箭 弉 論帥 纔 ませ給 へるに
メ ナク
ヤメ
よ り て 。 飼 薬 を 黥 こ と を 止 給 ぴ し 事 。 履 中 紀 にも 見 え た り 。、
℃ れ ち を い ふ な る べ し 。さ れ ど 七 れ
ら の事 は 返 り て 。、上 古 よ り 默 面 す る ℃ と 無 か り し 證 と こ そ す べ け れ 。 い か に と い ふ に 。 も し 黥 す
董 上吏 りなべ てめ風簍 らば。霙 に行 鯵 。べ叢 ど 畫 ぎ罪 を。、
.}れ に交 給 ふべ遵 あ
ら ず 。 た と ぴ 既 に 應 紳 仁 徳 の御 世 に 止 ら れ た レ 共 。 そ れ は 獪 い と 近 き 事 な れ ば 。 上 古 よ り の
.
風 俗 ・
鉗 狂 入 ・ . 、 轍 ・ 五 六 九
丶
一
、
⇔
'
穐
鉗 狂 人 . 五 七〇
ノ
を。 入 は さ のみ 耻 辱 と も 思 ふ まじ け れ ば 也 。 又 上古 よ り近 代 ま で の風 俗 な ら む に は。 併 弉 諾 神 や
ヵ ツ
か で か 其 氣 を に く み 給 は む 。 然 れ ば 此 二 の事 を も て 。 黥 は 上 古 の風 俗 に は あ ら ざ り し 事 を さ と る
べ し 。 飼 ・部 を 黥 せ し は 。 別 に ゆ ゑ 有 し 事 な る べ し 。
'
%
♪
宀
衣 服
・ ' . . ㌦ ,
,
上 古 衣 服 た 璽 干 早 あ る の み 。 千 早 の製 一條 の布 を 用 び て 。 そ の 債 幅 の中 冊 を 裂 て 。 頭 を 出 し 。
蕎 端 を以 て結束す・ 小髴 子パ 階 に篷 を着 し誓 と見え たり・
予早 と い ふ服 は古 書 に見 えた る とと な し。 然 る を 上古 に これ を着 し た り と いふ は。 例 の論 者 の妄
溌也。養 和名抄に本朝惑 溺.晦 畿 知 裟 拠 詳と殳 たり・ 未詳とは・此護 には籌
ロ な
ヨメ
ダ
に も 何 に も 見 え ざ る 故 に い塵ふ歟 。 叉 ち は や と 訓 る を 疑 ぴ た る か ゆ じつ れ に ま れ 此 物 ぱ
。 今 論 者 の
醇
イヒ
い ふ が 如 き 物 に は あ ら ず 。 天 武 紀 に は 襷 を ま へも と よ め り 。 前 裳 の 謂 な る べ し 。 但 し 是 を も ち∴眠
ヨ
ム
・ ・ . オ リ
ヘ ビ
や と 訓 べ き か 。 さ だ か な ら ず 。 申 古 以 來 巫 靦 の 着 す る 千 早 と い ふ 物 に 。 上 古 の意 須 比 め 遺 製 に し
カバ オ ス ヒ
ぬ
て。 そ の着 法 な ど は 變 れ る 也 。 意 須 比 の事 な ど 。 論 者 は 夢 に も 知 ち ぬ な る べ し 。 さ て 上 古 の衣 は
章 のみ也 嘉 へるは・例 のからぶみに男舂 以{
積 蛉 繋 相婆 入轟鵡二
單観 崩
駕レ鵬而着 レ
之と
緲
タ
い へる を 據 と し て 。 是 を 着 し た る 躰 。 甚 見 苦 し き 圖 を 薪 作 し て 。 千 早 の 製 也 と い へ る。 皆 強 て 皇
'
丶
◎
國 をいやしめおとさむ奮 の妄読 也・ ちはや は襲 に芒 服と見ゆ れば・本製籃 かく の袈 惣 阜
鋤
ノ
む や。 抑 論 者 須 佐 之 男 命 は撃 へ 紳 武 帝 の御 父 は呉 泰 伯 が裔 志 い へる に。 そ の御 子 た ち は何 と て
ツ
韓 衣呉 衣 を ば廢 て。裸 躰 同前 の千早 のみ を着 給 ハ
、る 肆 や 。 竜 し 韓 臭 の風 う つり な ば 。
广そ のか み よ
南 韓 衣糞 衣 も有 べ動 難 諺 に彫 のわばぬと いふ焼 論 者 の事也けり。又小擬 薦 へ竜.
こ れ を 着 て 行 た ゆ と い・
ふ も 。 下 文 に 應 紳 天 皇 の 時 よ り 君 臣 始 め て韓 衣 を 潜 た り と い ふ と 。 自 語 た .
、广
ち ま ち 相 違 せ り い か 璽 。 妹 子 が 隋 に ま か り し は 。 推 古 帝 の 十 四 年 也 。 そ れ よ り ま へ十 一
,年 に。 十 。
8
二 階 の 冠 を さ へ製 ぜ ら れ た る に 。 い か で か 論 者 の い ふ 千 早 の ご と き 物 の み を着 せ て。.異 國 へ は 逡
す べきぞ・ これ繕 書 に男子衣蝸
圃爺 藕 狹 小云螽 亦無 冠 云々塾レ
甓 手飜 急 毒 へるを9
蜘
心得 た が へて い ふな る べし 。
カソ
後 世 千 早 に謬 繰 の 字 を 用 ふ 。 千 早 を 着 た る 背 の 躰 。 た す き を か け た る 如 き 故 に 假 用 る な ら む
の コ
云 々 千 早 振 神 代 乏 い ふ 此 事 な り ﹁
.
コ
和参 に知 波 夜 と あ るは ・ 鞨 斈 の訓 に し 三 響 は別 な る をつ た書 を かけ た る如 き 故 にと は。" 晦
大 な る相 違 也 。 す べ て 論 者 の論 か く の如 き 疎 漏 多 し 。 心 を つ く べ し 。 又 千 早 ふ る 神 代 と は 此 事 也
の 鳳
と い へる は・ 腹 を を へて簫 べ し・ 何 を な り寿 出 て證 捲 せむ与 る か ら・ を る響 事 を・
驚
鉗 狂 入 . . -、 . .噛 . 瀧七 {
ゆ
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姨 津
、
弾
や ○
噺
鉗 狂 人 ・ .
.
・ 、 五 七、ニ
■
フバ
リ セ
り
ロ
チ ノ
さ へかふ 也コ 袖 あ ら ば こそ 振 もす べ け れ。 圖 の如 く に て は何 をふ り し に か。 か へす ー わらふべ
し.さて催 密 て論春の此段の読 暃 磐 ン
嘉 譲 む・抑馨 紳代より鑾 の變 は供神 , の
物 をとりまかなふ入 の掛 る物にし て。古語 に忌部 の霧 に謙 ボ かけとい、
ひ、靦 詞 に海 響
俘 の聾 いび。景行紀 に欝 薦 の。蒲 をもて藩 亡 て・野 作 も 遯ザ レ嚢 ど箆 美 り- 蜘
軸
今 の世に 竜食物 をとり桑 なふ者 分ヒれをかく 惹。
.同 じ事 也。 されは是 はそ の供紳物食 物 に・袖
の蠍 む 量 蠱 り恐れ
ダ 、 て.磐 を げ束ナ るため 勧 る物也・ もし論者 のいふ所 の覃 の如表
ボ
タスキ
な ら む に は 。 袖 な け れ ば 襷 を か く べ丶
き 由 な し 。 是 に て 土 古 の 衣 に 袖 も 有 し 喜▼
を知 べ し。
叡 薦 寺 緯 起 紅 葬 禮 の古 圖 あ り 。 其 地 を 掘 グ 又 墓 を 治 む る 入 。 干 早 を .着 た る あ り 。 其 躰 後 漢 書 .
魏 志 晉 書 等 に いふ と こ ろ のご と し。
ヒ隆 章 ぷ ぴて、房 衣服 のさ嘗 したるは例 の撃 と也・.
辷れはた墓 地鑑 と三 毒 、
緩 れむ窶 邏 て。 こど習 籍 懐 蠱 き物藩 凄 。なるべし・今程 とて毳 の蠏を聾 騰な
ど は 。 か く の 如 き さ ま な る を 。.是 ま 涜 今 の 世 め 癒 べ
'て の 衣 服 の 例 と し て 可 な ら む や 、 は 。
'
ゑザ
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ヤ
應糴 御宇嬖 二入を貢 ぜしより。始 暑 臣韓 衣 を着 たり。然 れぎ 庶人 窒 りては裸形 な
り.
しと そ .
㌦ 層
、
、
.
量 -
、
噺
r
.
縫 女 を 貢 ぜ し は ゆ 物 縫 ふ 事 の 巧 な る 女 を め さ れ し 也 。 こ れ よ り 以 前 に 裁 縫 の制 な か り し に は あ ら
ず 。 此 後 雄 暑 帝 の十 四 年 に 鼠⋮・
。 梟 國 よ り 衣 縫 女 を 貢 じ 距 吻 ゆ こ れ を 以 て 應 紳 帝 の 御 時 の も 。、
裁縫
の始 め に は あ ら ざ り し 事 を 准 へ知 べ し 。 も と よ り 此 方 に 竜 有 な が ら 。・獪 ま され るが あ れば 。 韓 よ
ノ リ
り め 寄 れ し こ と は 。 此 外 の 事 に 竜 例 有 也 。,
海 束 諸 國 記 と い ふ 朝 鮮 の書 に。 皇 國 の 事 共 を い へる 。
チ ス ヲ
天 皇 代 序 の申 に 。 應 祕 天 皇 十 四 年 始 制 二衣 服 一と 謁 せ る も 。 此 縫 女 の 來 り し 事 を 誤 り て い辱
へる 也 ひ
既 天 皇 代 序 倣 す べ て 。 後 世 の年 代 記 や う ・
の俗 書 を 取 て 記 せ る も の 也 。 さ て こ 玉 に 應 神 天 皇 の御 時
よ U 始 て韓 衣 を着 た り と い ふ 竜 。 後 に 唐 服 を 用 ぴ ら れ 七 に 准 へて 。 お し は か り に い へ る 物 に て 。
何 の據 も な き こ と 也 。 日 本 决 釋 と て 引 る は 。 か の 或 記 の た ぐ ぴ と ヒ そ 聞 ゆ れ 。
.
'
噛河 内 國 石 河 郡 山 中 古 塚 に 土 物 一牧 を 堀 患 す 。 其 躰 左 袵 狹 袖 左 の頻 し ︹
岡有︺
土 物 の た ぐ ぴ は 。 た 璽 入 の大 よ そ の 形 を 造 れ る ま で に て 。 衣 服 な ど の こ ま か な る ざ 濠 x で 。 ぐ ばじ
カミビナ
・し く は 邊 り わ く べ き に あ ら ざ れ ば 。 證 と す る に た ら ず 。 △、の世 と て も 紙 雛 な ど い ふ 物 を 見 よ 。 衣
へ
服 の さま 甚麁 に し て。 袖 だ に な き をや 。古 の土 物 も思 ぴや るべ し 。 さ れ ど こ 玉に擧 た る膕 を見 る
カレ
に。 ま こと に 上古 の衣 服 の大 よ そ のさ ま は。是 にぞ 似 たら む 。 但 し裁 縫韓 服 に似 たり と て 。 必彼
を 取 れ り と す る は 非 也 。 す べ ズ 衣 服 の さ ま は 。 い つ れ の斷 も 大 躰 は 似 た る 物 な れ ば 。 お のつ か ら
鉗 灘 人 一 . ・ 五竜 三
一
、
轟弔
/辱
:
6
.
、
鉗 狂 人 卩 ・ 蕊七四
韓 と似 た る事 も有 ぺ し。 叉韓 吾 に な ら へる事 も 有 べ し。 いか で か ︼偏 には いふ ぺ か らむ 。 首 飾 の
專 も是 匿同 じ 。さ て左 袵 の事 は 。か の河 内 國 の土 物 のみ な らず 。所 々 の石人 など も 。古 く見 ゆ る は
メテ ム ノ ヲノニ な ヲ
多 く 左 袵 な る を。 績 日本 紀 に養 老 三 年 二 月初 令 ご天 下 百姓 右 ツ襟 と あ ると 合 せ て思 へば 。 こ れ より
以前 は。 庶 人 はみ な左 袵 なり し事 疑 ひ な し。 抑 衣服 の嗣 令 は。 捨 古 天皇 の御 時 より 見 え て。 御 僅
御世 を経 て次 第 に漢 國 の制 に なり ℃ .
、持 統 天皇 の御僅 に百 姓 の服 制 慰 有 し に。 其 後 養 老 に至 るま
でゅ 左 袵 を ば 改 めら れ ざ りし 事 は故 あ るべ し 。是 に よ り て 思 ふ に。漢 図.
は 右 袵 に し て。 左 袵 を ば
夷狄 の風 と いや しむ る事 な れ 共。 よ く 想 へば實 には いつ れ を よ し共わ う し共 定 む べ き事 に あ らず㎏
さ れ ど も し萬 國 み な左 篭 なら ば。 か な らず 左 袵 にて 宜 し 壹 理 あ るこ と な る べ し。 諸 の異國 の服 み
へ
な 左袵 歟 。 叉本 よ り膚 袵 の國 も あ る歟 。 あ ま ね く は知 ら ね 共 。 他國 は いか に も あ れ。 皇 國 の古 左
袵 なり し か ら は。 こ れ皇 租 大 紳 の定 め お き給 へる 正 し遶 制 にし て。 かな らず 然 るべ き 遘 理 有 け る
こと明 ら け し ゅ か く て も し萬 國 み な左 衽 なら む には。 其 中 に た 璽 一國 のみ 別 に右 袵 な る べ 、
琶よ し
なけ れば 。漢 図 も 共 に上 代 は左 袵 なり け む を。 聖 入 の智衛 に て。・
ぴ とり 右 袵 に改 め て 。 他國 と異
な るけ ち め を なし て。 己 が國 は中 國 也 。 他 國 は夷 狄 也 と いふ し る し と なし た る物 な るべ し。 然 れ
共 中 國 は右 袵 夷 狄 は左 鞭 と分 るぺ き ゆ ゑ は な 豊事 なれ ば。 いか で か是 に か・
玉は るべ き 。す べ て か
の國 の聖 人 と い ふも のは 。 か や う の薪 作 を なし て 。 天 下後 世 をあ ざ む け るたぐ ひ いと 多 し。 然 る
を後 人 そ の右 袵 な るを以 て。 誠 に申 國 なる し るし そ 患 ひた増 ぶ から。 後 に は か の画 の風 を し
た ぴ な ら ぴ て。 右 袵 に改 め た る幗 々も 有 べ し 。皇 國 も か の養 老 の時 に改 め ら れ て。 今 は千 有餘 年
右 袵 に なれ た る故 に。 今 の世 の 心 に て は。左 袵 は いか に も夷 狄 の風 に て。 正 し か る まじ き 事 と 思
ふ めれ ど も。 左 袵 に なれ な ば叉 右 袵 を い か fと 思 ふ べ し。・
實 には 何 れ を 正 し共 。 人 の心 も て 定 む
べ き にあ らず 。 何 事 劉皇 祗 大 祚 の是 め お き給 ぺ る皇 國 の制 こそ ま こ と に 正 し き に はあ り け れ。 古
の羅 を耻 の如 - にお ゑ めゑ 。裔 に へつら へる讐 の心也 . .
`
喪 葬
此 段 み な無稽 の読 也 。 ことム\ く論 辨 あれ 共 。 あ ま り 享長 く な れ ば。 こ 滋に 蔵默 し つ。 其 読 を聞
ぶ
む と なら ば 。 さ ら に問 へ。 答 ふ べ し。
爆
祭 記 9
天 照 大 紳梭 を 以で 身 を傷 崩 じ 給 ふ。 石 窟 陵彜 の前 に於 て 。 天 釧 女体 優 を な町 これ ス辰 韓
・よ 齢 傳 る 巫 を し て 祚 を 祭 ら し む る 古 俗 也 。 、
梭 に 御 身 を 傷 ひ て 祕 ざ り ま し xは 。 欄 畦 幻 奪 な る を ¢ 天 照 大 紳 と は い か 獄 。 か く の 如 く 古 傳 を 私
岬 ! - 、
鉗 狂 人 . ' 五七 五
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閥
一 悼
鉗 狸 入 ' 五圭 ハ
1『
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に亂 り て いば 璽。 何 事 か いは れ ぜ ら む。 ヌ 天照 大 御 神 のし ば ら く さ ル ヒも り 坐 ま し 玉石窟 を 。陵
¶
也 ウンニ チ
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豐 一
と は か か 璽 。'そ も ノ \ 此 大 御 祚 は す な は ち 今 旧 ま の あ た り 天 に ま し ノ \ て 、 四 海 萬 図 を 照 し 給
自
早
トコ
ゑ
ふ 臼 の大 御 紳 に ま し ノ \ て 。 常 し へに ま し ま す 事 。,
辨 をま たず 。 古 傳 昭 々 た る物也 つ 然 る に近 世
ぬ
朋
楠
癒 ま さ か し き學 者コ 例 の から ぶ み 分小理 に なつ み て 。
憎
舳
pこ れ を 信 ず る こ と あ た はず 。 た 凝 此 國 土 に
帛
- 噌
在 し 上 古 の 入 ぞ と 思 ふ か ら 。 く さ λび
V 臆 度 の 妄 詮 を い ひ 。 や 玉 も す れ ば 崩 御 と 申 し 。 御 陵 の事 を
兜
論 ず る は 。 い と も か し こ く ゆ Nし き 狂 蓄 也 。 も し 此 大 御 紳 崩 御 ま し ま さ む に は 。 天 地 は 黒 闇 と な
り て。 た ち ま ち 此世 はほ ろ び う せ ぬ べ き も の逢や つ あ な か 七 こぐ 。文 天 鈿 女 の俳優 を。 辰 韓 よ
り 億 ふ る 古 俗 也 と 依 。 例 の牽 強 の甚 し き 。 ⋮
辨 を ま た ぶラ。
蘿 を比毛農 と訓ず るは・ もと新羅 の辭 にし萄 それ禽 て用 るも の也・.
嬢 鑿 昆 毛呂
ノ へ
岐 也 。 天 日 槍 が 携 來 た る熊 紳 籬 も 。 そ の 父 租 の 圭 な る ヒ と 知 べ し 。
の
む む
積 敕 韓 音 比毛 呂 岐 也 と は 。例 のざ ら に燦 なき こと 也 ゆ ヒ ムと ヒ モと通 じ 。,レと ロと 通ず るか ら 思
ぴ よ れ る妄 論 也 。 す べ て 論 者 の附 愈 み な かく の如 し。 か 玉る と 乏 を い ぴて . 世 の愚 人 を ま ど は さ
む とす る 心 は。 いと ノ\ あ さ ま し。 熊 紳 籬 の事 は 。 往年 或 人 此 名 を疑 ぴ て問 へるに。 答 へた る考
へ有 。聞 む 乏思 ふ人 は別 に問 べ し。
ノ
磐 境 は墓 を い ふ 也 。 云 々 磐 境 の宇 の習 波 安 加 な れ ば 。 又 つ ひ に 墓 亭 の 訓 と な れ り 。
轡
、
ノ
叉 例 の妄 読 也 。 こ れ 下 夊 に 引出 た る古 事 記 の婆 汝 迦 木 を 。 張 て 墓 の 木 の義 と せ む とて 。恵 ひ よ れ
り む
む
む む
む
つ
む
む
む
む
る 附 會 也 。 そ は イ ハサ カ の
﹁
イ ハ を 上 畧 す れ ば ハと な り 。 サ カ の サ は ア と 横 通 の晋 な る か ら 妄 に 己
れ を磐 境 の字晋 と い ひ な して・
。 愚 人へ
を あ ざ む け る も の也 。 少 し も 知 識 あ ら む 人 。 か エる 淺 は か な
る 讒 を 誰 か は 信 ぜ む 。 .
.
广
天 照 大 紳 御 陵 。 日 本 紀 以 下 に 見 へず 。 按 に當 時 天 照 大 淋 皇 居 大 和 國 高 市 郡 に あ る こ と 日 本 紀
に 依 て 知 べ し 。 然 れ ば 葬 り 奉 れ る 地 も 。 他 國 にあ ら ざ る こ と 知 べ し 。 和 州 の事 記 せ る 物 に 。
、.
ノ ク カグ
天香 山 を天 隱 山 と も書 に よれ ば。 天 の隱 れ の山 に て。 天照 大 神 の御陵 た る こ と知 べし 。 續 古
今 集 に讃 々 紳 武 ﹂
紀 に云々 、
紳 別 記 と い ひ て 近 世 僞 作 せ る 轡 に 。 天 照 大 榊 の都 は 豊 前 國 也 と い へる を 。 或 入 天 祕 都 城 辨 と か ふ
書 を著 し。 これ を破 し てp 大 神 の都 は 大 和國 也 と レひ て。 種 々其 證 を擧 た る を。 お のれ 又其 非 を
ゆ
ね
辨 じ て 。 天 祗 都 城 辨 々 と な づ け て 一卷 有 。 今 論 者 の い ふ と こ ろ 。 多 く か の 或 人 の読 に類 せ る 故 に 9
ザ
婚
今 く は し く は辨 ぜ ず 。 此 大 御 紳 に 御 陵 の事 を い ふ が 非 な る よ し 竜 委 し く 辨 々 に い へり .
.又大 和 に
斑 市 郡 夊 天 香 山 あ る こ と は 。 天 上 な る高 市 香 山 を 擬 し た る 名 也 。 そ も ノ \ 大 和 國 は後 に 皇 居 た る 亀
鉗 狂 入
﹁
五七 七
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欄
籌
墾 よ、
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鋤 狂 人 '
五七 み
べ き 事 。 紳 代 よ り 幽 契 あ り し 趣 9 往 々 に見 え た れ ば 。 天 香 山 な ど は 。 紳 武 天 皇 以 前 よ り 既 に 此 名
ク リ カクル む カグヤマ む
有 と 見 え た り 。 又 香 山 を隱 山 と 書 事 。 古 書 に は さ ら に 無 き こ と 也 。 隱 の ク は 清 普 香 山 の グ は 濁 晋
に て 。 か や う の清 濁 も 古 言 は 精 嚴 な る を 。 混 淆 し て い ふ は後 世 の 俗⋮
解 也 。 η︿續 古 今 仙
篆 の寄 を引 た
る 慧 鵡 こ と に を さ な し 。 後 世 の寄 は 竜 と よ 嫉 か や う の事 の 證 ど す る に た ら ざ る う へ に 。 此 嵜 の 意
は 。,
風 土 記 に 此 山 天 上 よ り 降 れ り と あ る を よ め る に こ そ あ れ 。 又 神 武 紀 に 云 々 の事 の如 き は 。 天
トお 靈 蔽 を 擬 し た る 山 な る が 故 也 。
和 ﹁
歌
ノ
按 に 八 雲 の 詠 素 戔 鳴 奪 の 御 詞 な れ ば 。 二 十 一字 と も に
厂
辰韓 の辭 な る て と知 べ し 云々 王仁 難 波
津 の哥 も是 に同 じ く。 難 波 津 にと いふ は、 此 邦 の地 名 。 険 や こ の花 以下 は。 み 奢 濟 の詞 な
把る こ と 知 べ し 。 さ れ ば 文 字 の 多 寡 に ょ ら ず 。 幕 は 韓 の 古 俗 な る こ と 明 ら か 也 。
齢 誉 鱗 ず るにも及響 甚 し蟲 雀 とは・ た墾 よく心得 つべし・但 しなには つの哥 餮
世 に 王 仁 が 作 と い ふ に つ き て は 。 い さ 乂 か 疑 ぴ を な す 人 も あ ら む か。 か の寄 は 王 仁 が 作 に は あ ら 丶
ず 。 後 の 人 あ 作 な る こ と 疑 ひ な も 。 す べ て 哥 は 。 意 竜 詞 も 。 そ の時 代 ノ \ の ふ り 有 て 。 あ ら そ ひ
ゆ
が た き 物 な る に 。 此 寄 は 決 し て 應 祚 仁 徳 の御 世 な ど の 風 調 に あ ら ず 9 は る か に後 の ロ つ ぎ な れ ば
丶
也 。 か の高 き 屋 に の ぼ り て 見 れ ば と い ふ 苺 は 。 延 喜 の御 時 日 本 紀 竟 宴 の。 時 李 大 臣 の 寄 の す こ し
訛 れ る 物 な る を 。 仁 徳 天 皇 の 御 製 也 と い ぴ 傳 へた ゐ た ぐ ぴ に て 准 へ知 べ し 。 た と ひ 王仁 が 寄 にも・
せ よ 。 皇 朝 に、參 り て 三 、十 年 に も 及 び し こ ろ の事 な れ ば . こ Σ の 語 言 を も よ く な ら ひ 得 て よ み た リ
ワタクシゴト
と せ む も 何 事 か あ ら む 。 又 須 佐 之 男 命 を韓 人 也 と い ふ も 。 も と よ 毎 論 者 の 私 事 に て 。 さ ら に據
も なき 事 な れ ば。 八 雲 の詠 辰 韓 の詞 也 と いふ も。 辨 を費 す にた らず 。
國 愛
ツ ら
日 本 紀 を よ む に は 。・ 先 此 國 の 事 は 辰 馬 の こ 韓 よ り ぴ ら け ゐ か た は ら 弁 韓 の事 も 相 ま じ は る と
心得。 そ れ を わす れず し て よま ざ れ ば解 し が た し。 云々
O
此 數 言 に て 論 者 全 躰 の 惑 ひ を み つ か ら 顯 ば し た り 。 こ & に を か し き た と へあ り 。 富 士 出 の 上 よ サ
・望 め ば 。 朝 日 の出 る さ ま 。 阿 轗⋮
陀 如 來 三奪 の御來 迎 なり とて 。 か の山 に のぼ る人皆 まち 拜 む こと
,
也 。 此 俗論⋮
に ま ど へる 入 の 目 に は 。 い か に も か の 三 佛 の 形 の 畠如 く 一
見 ゆ る 也 。 今 の論 者 2 見 私 こ れ
榊
恥
に同 じ 。 日本 紀 を こ とさ へく 三韓 の御 來迎 也 と 心得 て見 る故 に。 こ とλび丶 く 三韓 の御 來 迎 と 見 ゆ
へ
る は 。 ま こ と に然 る べ き こ と 也 。 日 本 紀 す べ て 漢 .
意 の潤色 多 く。 怨首 に古 天 地未 劇割云 々 の た ぐ ぴ
は 。全 く漢 籍 を と れり と いふ こと な ど は. 誰 か こ れ を知 ら ざ らむ 。 此 類 の事 にょり て疑 ぴ を なす
鍬 狂 人 一
五七 九
'
の
鶏侘蘿 薗1尸
嘩
鉗 狂 人 ・
五 八○
は 。 普 通 の 學 者 の 見 解 に し て 。 め づ ら し か ら ず 。馳又 か ら ぶ み と 心 ば へ の似 た る 事 あ る に ょ り く 疑
は
ふ も 。 い ま だ し き こ と 也 コ お の つ か ら 似 た る事 竜 符 合 ぜ る 事 も な ど か な か ら む 。 似 た る を 馬 て 疑
、 ぬ
が は ば 。 佛 書 に は 蕕 よ く 似 た る こ と 共 多 き を や 。 す べ て古 嘗 古 意 を 詳 に 明 ら め て 。 古 事 記 と 相 照
し て よ く 見 る乏 き は 。 う た が ふ べ き 事 竜 な く 。 解 せ ず と い ふ
、
こと な し。.
然 る に論 者 三韓 よ り趨 る
と 見 ざ れ ば 解 し が た し と 思 ふ は 。 古 書 に昧 く し て 。 古 言 古 意 を 明 ら む 為 て と あ た は ず 。 た 父漢 意
に な づ め る先 輩 の 註 釋 に つ き て 見 る 故 に 。 こ と ノび丶 く 疑 ひ 有 て解 し が た き か ら 。 萬 の熱 韓 よ り ひ
ゆ
タチ
ら け た り と 心 得 た る 也 。 か 鴎 て いつ く 迄 竜 其 論 を 立 と ほ 寄 む と す る か ち コ さ ま み 丶 牽 強 附 會 の 説
を な し て 。 み つ か ら 覺 え ず 愚 人 も 笑 ふ べ き ほ ど の淺 は か な る 事 共 を さ へ い ふ 忙 至 れ り 。 叉 す べ て
隔
サキ
神 代 の事 を 疑 ふ も 。 み な 漢 籍 の 小 理 に 溺 れ て 。 お の が 小 きさ か し ら 心 を 先 . とす るが故 也 。
.齔 漢 籍
9
勢
クセ
の 癖 を清 く は な れ て 。 一た び 古 學 に 入 て 古 嘗 古 意 に 明 ら か な ち ば 。 お のつ か ら 疑 ぴ は み な 晴 ぬ べ
き 物 を や ◎
幽
ド:
・
古冖事 記 の序 に}
入・武 帝 云 々 .
冖
内 、
㌧
是は4
、偽こ と に あ た れ る論 也 。 然 れ 共 論 者 の と れ る 意 と は い さ 玉か 異 也 。 其 よ し は 古 事 詑 徳 第 二 卷
に い へるを考 へて知 ぺ し。 又序 に かく の如 き詔 命 のあ る を以 て。 此記 の正 實 にし て 虚
'僞 な き 事 を
證 す べ し。
ρ ノ ス ノ ト
姓 氏 録 序 に 云 々 三韓 蕃 賓 稱 ユ蹴 本 之 瀞 胤 嚇云 々
へ
此 丈 の 意 は 。 古 茲韓 よ り 歸 化 せ し 人 の 子 孫 の . 先 薀 を 僞 り て 。 皇 國 の 神 の 御 末 ぞ と い ぴ な せ る ま
ぎ れ の有 し を いふ也 。 然 るを 論 者 これ を蓮 にと の な して。 さ や 5 の まぎ れ のあ るも。 も と 須 佐 之
.
男 命 の韓 の 人 な る こ と を。 掩 ぴ か く す よ り 起 れ り と い へる 。 例 の 強 ご と 也 。 叉 論 者 の 慧 の 如 き は 。
須 佐 之 男 命 を 鐵 本 紀 に 記 さ れ た る 如 く 刈 竜 と よ り 此 國 の紳 .
と し て 。 新 羅 へ渡 り 給 ぴ て 。 か の 國 に
い ま せ る聞 の子孫 と し て も 同 じ事 な れ ば。 も と辰韓 より 出給 ふ と い ふ證 據 には 少 し 竜な ら ぬ事 な
る をや 。 .
卩
應.
紳 帝 の所 出 を かく し 云 々
此 天 皇 の 所 出 を か く し た る事 。 何 の 書 に も い ま だ 見 あ た ら ず 。 古 事 記 に も 匂 本 紀 に 竜 伸 哀 天 皇 の
ノ
御 子 也 と い ふ こ と は い と 明 ち か也 。 然 る に 論 者 今 か く い ふ は 。 上 の皇 統 條 に 。 此 帝 の御 事 を い ろ
カク
い ろ 疑 は し と い へれ ば 。 仲 哀 天 皇 の御 子 と あ る 盈 僞 に て、 實 の 御 父 を 隱 し た り と い ふ こ と な る べ
し 。 抑 此 天 皇 。 仲 哀 天 皇 の 御 子 に あ ら ず と い ふ 事 は 。 近 世 あ る 狂 儒 臨 種 々 い へり 。 す べ て か ら ぶ
み に お ぼ れ て 。 ひ 疫 す ら 彼 國 を 奪 く せ む と 思 ふ と 臨 が ち 。 蓍 皇 統 の紳 代 よ り つ 夐 か せ 給 ふ 事 を 妬
・錯 狂 人
几
伽 五八 一
b
㌦
り
丶
針 `狂 人 ・
. ﹁ . 五八二
み
、 て 。 何
事 を
な り 共 見 出 て 。ご
タク
甲し ぴ て い ぴ 破 ら む とす る 心 か ガ 。・か 丶 る邪 読 を も 巧 み 掛 せ る 也 。 ノ
そ は 日 本 紀 に 仲 哀 天 皇 は 九 年 暮 二 月 五 日 に崩 給 ふ 。 ま つ 此 俄 に 崩 給 ふ を邪 読 の疑 ぴ の 始 め と ず 。
ウムガツキ ゲ
さ て そ の 九 月 に 皇 后 開 驫 と あ れ ば 。 此 御 懐 姙 は 八 年 の + 二 月 よ り の 御 事 な る に 。 應 聯 帝 の、
御 誕 ,
生 ば 十 二 月 十 四 日 な れ ば 。 十 三 箇 月 に あ た れ 砂 。 又 か ら ぶ み 後 漢 書 魏 志 な ど に。 此 皇 后 の御 事 を
メ セ トシ ノ ジぴ ク テ ヲ ハス ヲ テ ニ ニ テヘ ト シ ルマ ル テ シ フ
年 長 不 レ嫁 事 二鬼 紳 道 劇能 以 レ妖 惑 レ衆 於 レ是 共 立 爲 レ王 侍 婢 千 入 少 二有 レ見 者 一唯 有 ご男 子 一入 冨
.給 二飲 .
食 購
フ
ヲ
、
徳 ご辭 語 蝋と い へ るP こ の男 子 一入 を 疑 は し と い ふ 據 と す る か 。 大 か た こ れ ら の 外 に 疑 は し と い ふ 、
の
ノ
パ
う ﹁
` べ き も の な し 。 抑 御 父 天 皇 の俄 に 崩 給 ぴ し に 。 紳 の 御 と が め に よ れ り 。 叉 懐 妊 十 三 箇 月 に し て 生
る 玉は 。 今 も あ る事 に てコ め づ ら し か ら ず ℃ 殊 に 此 時 の 御 事 は 何 事 も み な 。 祚 の こ と な る 御 は か
ス リ トシ ノ
あ ぴ な れ ば。 さら に凡 人 のう. へ を 竜 て と か く 申 べ き に あ ら ず 。 然 る を か の漢 籍 ど も に。 事 篤鬼 紳
ヲ ソ ハス ヲ アヤシ
道 一能 以 レ妖 惑 レ衆 な ど 玉 い へ る は。 或 狄 の人 た ゴ尋 常 の小 理 に なつ み て。 皇 神 の道 の靈 異 き 二と
篭 へ .
わ り を し ら ざ る が 故 に 。 此 皇 后 の神 の御 歡 に し た が ぴ て。 齋 祀 を お ご そ か に し 給 ぴ 。 さ ま ゐ\ 蠱
ヘ セ へ
異 有 し 御 事 な ど を ゆ ほ め か に徳 聞 て あ や し み 思 へ る な り 。 又 か の 侍 婢 干 入 云 々 め 女 王 は 。 筑 紫 の
め
僞 僭 の 者 の し わ ざ な る を 。"魏 の 使 そ れ に あ ざ む か れ た る な れ ば 。 男 子 一入 云 々も 論 に た ら ぬ事 也 、
此 事 われ さ き に齦戎 慨 言 に委 く 辨 ぜ りゅ び ら き見 て さと るべ
﹂
し 。 さ れ ば 鷹 祚 天 皇 仲 哀 天 皇 の御 .
才
舮
ぎ
に ま b・
ます こと 。 何 の疑 は し 髫事 かあ る。 も し これ を し ひ て疑 は しと いは 穿。 天 下古 今 の入 の父。
●
み な う た が は し と い ふ べ し ㌘ . 臼
.
ハ へ
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素 戔 鳴⋮写 は 辰 韓 よ り 渡 軌 給 ふ 故 に 。 漸 羅 を 父 母 の線 の図 と い ふ
(ムト 呂
ノ.二 . ノ 慧 ミ ダ
こ れ は 紳 代 紀 に。 吾 欲 レ 從 弟 母 於根 國 剛と 此 神 の の給 べ る 事 也 つ 根 國 と い ふ は 夜 見 の 國 の事 に て 。
躱 勢 命 のまします故 に・・
從鳳 と のたま へ馬 顧事記 に高 じく嬬剛 ぎ そあれ・父母 の國
と の た ま へる 事 は 。、
何 の書 忙竜 見 え ざ るを。 織 ば かり の亂 と いぴ ては。 八 の信 ず まじ き を恐 れ て・
ノ ロ クハ
ノ
私 に 父 宇 を 加 へて ま ぎ ら か ぜ る 巧 こ そ を こ な れ 。 そ の う (
、も し 根 國 と い ふ が 新 羅 に し て 。 此 紳 其
國 より渡 り給 へ耄 とを奮 かくす物ならば・ 欝 とも謦 るべぎ にあらず9况や螽 國 とはい
か で か 記 さ れ む 。 か や う の 事 共 を 轟 く も 思 ぴ は か ら ず し て 。 み だ り に い へる 故 に 。 皆 し ぴ ご と な
る こ と の あ ら は る 、ぞ か し 。一
こ れ ら の こ 乏 は 。 書 を 渠 む 入 の 眼 高 か ら ざ れ ば 。 共 に談 じ が た ぐ 、 癡 入 の 前 に夢 ﹁
を とぐ が 如
し 。 、 广 , 广 ・
嘛
こ れ 又 近 代 普 通 の學 者 の 常 ,の見解 也。 ぴ たす ら 強 て皇 國 を いや し め お とす を眼 高 し と 心得 た る は.
ヒキ も じ
返 り て 根 も 心 も 卑 く し て 漢 籍 に お ぼ れ 惑 へる 故 也 。 今 一暦 蹤 を 高 く し て見 よ 。 そ の 非 を さ と る べ
广
鍬 狂 人 "
.
. 五 八三
ρ
針 狂 .人・
、
竃八四
し。 わ が古 學 の眼 を以 て見 れ ば。 外國 はす べ て 天竺 も 漢國 もと一
韓 港其 徐 の國 々も。 み な 少名 毘 古
ノ
那 瀞 の伺 事 を も 始 め 給 へる 物 と こ そ 思 ば る れ 。 さ れ ば 漢 國 に て と と ゐ \ し く い ふ な る 伏 羲 神 農 黄
テ
帝髴 舜 な ど も 。 そ の 本 は み な 此 紳 よ り ぞ 出 つ ら む を 。 か の 國 な ど 蔦 は 瀞 代 の 傳 読 を 失 ぴ て 。 今 に
身
至 る ま で。 こ の 始 め を し ら 轟 こ そ い と ほ し け れ 、 此 事 は 獪 く は し き 瀞 へ有 て い ふ も の也 。 さ れ ど
ノゾ ノ
と に か く に か ら ぶ み の ま ど ひ の除 こ ら ぬ 人 に は 。 ま こ と に 癡 人 前 に夢 を と く が ご と く に な む 。
天明 五 年 乙 巳 十 二月 、
. ﹂伊 勢 人 本 居 宣 長
'
、
水 草 のう への 物 語
齢
今 は む か し 。 あ め つち の 池 と て。 い と 大 き な る 池 の ほ と り に 。 夏 め こ ろ 夕 つ か た 人 々 よ 勢 あ ひ て 。
何 く れ と む か し 今 の 物 が た り し つ 乂。 す f み ゐ け り 。 中 に 年 お い た る 。 む か し そ の 池 は り し ほ ど
よ り始 め よく しり 居 て。 五 十年 ば か り にも や 成 ぬら む。 そ の をり は と あ りき か 玉り き。 卅 年 あ ま
り さ き に は 冬 い み じ く 寒 く て。 此 池 こ と ん丶 く に こ ほ り わ た り て 。 そ の ひ の う へを 入 の か よ ひ あ
り き し 事 も 有 き 。 そ の後 叉 み な 月 ば か り に 久 し く ひ で り の し た り し 年 は 。.水 の こ り な く か れ に し
そ か し な ど 。 と し 久 し く な り ぬ る 事 共 を 。 い と よ く お ぼ え ゐ て か た ろ 。 池 の面 に は み 草 ど も さ ま
ざ ま い と し げ か る申 に 。 ま な び 草 と て よ に め で た き 物 に す な る草 の 。 も の よ り こ と に め に た ち て。
オ ビ 、
こ N か し こ に 生 ま じ り て 。 ヒ ェち よ げ に さ か え た る 。 夕 露 の 玉 の ぴ か り に も て は や さ れ て 。 い と
す 璽 し く お も し ろ く 見 む た さ る 玉 を 。 東 の か た の み ぎ は に ち か き 一本 な む 。 こ よ な く か じ け て ﹂
い
と ま ば ら に。 西 の かた な るが ぴろ ご り き た る に おし け たれ て。 をれ ふし な ど し た る く き の本 よ り。
ま だ い と ち ひ さ き わ か 葉 の 、 ぴ と つ ふ た つ水 の う へ に ば つ か に 見 え た る を . と の翕 め と 穿 め て。
鉗 狂 人 (水 草 のう への物 語 ) 五 八 五
■
噛
鉗狂 人 (
水 草 のう への物 語) 込 八六
大 か た此 池 に まな び ぐ さ と て か く い と しげ く は お ひ に てあ れ ど も。 ま さ しき は こ のめ ぐ み そ めた
ン
る 。 一本 の中 の わ か 葉 の み こ そ あ れ 。 い と よ く 似 て ば あ め れ ど も 。 に し の かた な る は み な じ ち の
マ ナビグナ
に は あ ら ず な む あ る 。 ま さ し き 學 草 はコ ま こ と ば な と て ρ よ に す ぐ れ た る 花 な む 舜
、﹂く を 。 と し .
こ
ノ
ろ 池 の 水 ぬ る み た る け に や 。 た え て さ かず な り ぬ る を 。 こ の若 葉 の か く 生 出 そ め つ る は . 水 も 寒
く な り て。 いま 又花 さ き ぬ べき に こそ は 有け れ。 む かし 此 た ね ど 慰 ま きそ め し もつ ま ろ ば よ く し ﹀
れ る を や な ど 。こ ま か に か た る 。か く いふ お き な が 名 は 。か み ょ の み ふ み と そ いぴ け る 。や う ノ\
暮 ゆ く ま 乂 に 。 ほ た る ど も ぴ か り 出 て と び ち が ひ 。 こ 丶 か し こ 水 草 の う へに も し げ く 見 え た る 中
に 。 か の か じ け た る 一本 のま な び 草 の 中 な る 若 葉 の は し に 。 た 夐 ぴ と つす が り ゐ た る 。 名 は 大 や
ま と の ま さ 彦 。 い と ち ひ さ く か ひ た げ な る つ ら づ ゑ を ρき て 。 此 物 が た り をん
き 玉いり を り。 叉西
のか た に ぴろ ご り た る う き蕃 も には・ いと みま た ゐた る中 に・ か らぞ う の狸 席 評 と い ふ・ 此
東 な る わ か ば の う へに と び う つ り 來 て い ふ や う 。 ま う と は い と 淘 う か な る も の か な 。 あ の翁 が 物
語 は。 み な そ らご と に こそ あ れ。 人 の い のち ょ。 われ らが よ に なず ら へて思 ふ に。 い か に長 く と
!
竜 一と せ の ほ ど に は よ も 過 じ を 。'
五 十年 に も成 ぬら む な ど と て。 此 池 のは じ め の事 を し も。 見 た
り け む や う に か たり なナ こ と。 叉 こほ り と いふ物 のゐ て。 此 水 の上 を ふ み あ りき つるな ど。 す べ
言
一 一単
屮
㌦
で さ る こと わり あ るべ く もあ らず 。 叉 花 さ く ま こと のま な び草 は。 此 まう とが ゐ る わ か葉 ぞ と い
へ ゆ
ふな るも 。 も は ら う け と ら れず 。 わ れ ら が ゐ る西 の こそゆ く きも葉 も一
こよな ぐ う る は しく さ か え
ン
で は あ な れ と い へ ば 。 げ に い と あ や し く め づ ら か な る事 と は わ れ も き け ど 。 入 と い ふ も の 。 こ よ
ン
なく 命 のな が エな るも の とし きけ ば。 五 十年 あ な た の こと。 かな らず し る まじ 共 さ だ め が たく な
む 。 又 さ ば か り ぴ さ し 唐 よ 乂 を へに け む ほ ど に は 。 さ ま で め づ ら か な る事 共 も 。 な ど か な から
む 。 わ れ ら い と は か な き い の ち に て 。 春 秋 を だ に し ら ぬ み の 。 お ふ け な く い か で か は 人 のう へを
嬢 た は や す く お し は か り し る べ き と い ふ に 。 述 ま % う ち わ ら ひ て。 さ ば こ の 池 の う ち に 。 睡 ア
こ々、
春 の ほ ど よ り う ま れ 出 て。 命 長 き も の は あ れ 。 い で か た ら ぴ 來 て 此 事 さ だ め む と い へ ば 。 か た ヘ
カンケイシ
セイケン
な る み く さ の かげ よ り。 漢 經 史 あ ざ な は 聖賢 と か い ふ。 お と な ー しげ な る蛙 と び出 來 て。 あ な
か ま た ま へ。 な に ご と も お の れ よ く し れ り 。 此 み ぎ は に む か し 物 語 す な る 人 ど も ば 。 此 ほ ど 暑 く
な り て こ そ 。 す 璽 み に と て 此 わ た り に は ほ の め く な れ 。 い に し う づ き のと ろ ま で ば 。 さ ら に人 と
も
いふも の見 え ざ り し物 を。 去 年 より あ な た の こと 憤 い か でか し らむ 。 こ のま なび 草 の たね ま き そ
め し 世 の 事 な ど 。 し り が ぼ に か た る こ そ い と を こ な れ 。 す べ.
て 此 池 の 水 く さ ど も は 。 いつ れ も い
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れ も こ の春 お の が い と き 蔵 か り し・
ぼ ど に こ そ つ のぐ み そ め し か 。 そ れ よ り あ な た に な で ふ 草 葉
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鉗狂人 (
水 草 のう へ角物 語 ) .
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五 八七
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鉗 狂人 (水 草 のう への物 語) 五 八八
か は あ ら む な ど 。 こ と お ほ く い と か し か ま し く 鳴 つ 愛 く る を 。 み、
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お ぴ そ め し 根 ざ し も し ら で ま な び 草 末 葉 の う へを 何 か あ ら そ ふ 。、
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はつ の た と ぴ は し も 。 こ と ふ り に た れ ど 。 を か し く お も ぴ 出 ら る 玉ま 嵐 に 。 筆 の つ い で 二 ひ ら 蕊
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昭 和十 九 年 八 月 一日 印 刷 龠 會 費 參 圓
欄別齢爲鰍 貳 拾 四 錢
昭 和十 九 年 八 月十 日 第 一刷 發 行
合 計 參 圓 貳 拾 四錢
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編纂 者 村 岡 ・
典 嗣
三京東)購 印 冠 興 梼
版 會 承 認 い.280216號
發行者 岩 波 茂 ,雄
10000部
東京都紳田區錦町三丁目十 一
番地
印刷者 白 非 赫 太
本 製 倉 板(六
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東京都紳 田區 一ツ 橋 二 丁 目 三 番 地
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發 行 所 岩 波 書 店
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