肩書き

第1回 北海道発
総合診療医・プライマリケア医のための
リハビリテーション研究会
2014年5月17日
北海道勤医協 総合診療・家庭医療・医学教育センター( GPMEC)
勤医協札幌病院 内科

家庭医療専門医 佐藤健太
dr.kenta.sato@gmail.com

今日お話すること
• 総合医にとってのリハビリ
– 総合医が関わる健康問題
– 研修制度・学会の現状
– ジェネリハ研修の魅力と課題

• 家庭医療専門医
• リハビリテーションフェロー(学会所属、認定医取得予定)
• 医学教育学会員 (医学教育専門家取得予定)
– 初期研修指導医、総合診療後期研修指導医
– 執筆活動・編集委員
• 「異変を訴える患者の”急変前”アセスメント」(在宅看護・介護者向け)
• 家庭医・病院総合医教育コンソーシアム 協力委員
• 雑誌「治療」編集委員

• 臨床現場での臨床研究者 (公衆衛生等で学位取得希望)
• 学会運営
– 元第4期 若手医師部会執行部
– ICT委員会(ホームページ他IT環境整備)
– 知的活性化プロジェクトチーム(学会の理論武装の補佐)

超高齢社会のCommon Problem
• 健康な老いの支援
– 健康の定義
単に疾病または虚弱ではない
ということではない

– ヘルスプロモーション

• 「総合医のためのリハ」の研修方法

• 患者個人の支援
• 地域・仕組みの改善

• 今後の展望

超高齢社会のCommon Problem

超高齢社会のCommon Problem

• 要介護状態者の増加

• 高血圧・糖尿病増加

– 要介護の原因
• 脳卒中・骨折、認知症の増加

• 臓器不全患者の増加
– 高齢化の結果
• 衰弱(疾患なし)が増える
• 生命予後だけではなく、
健康寿命の延長が課題

– 心不全、COPD、腎不全

• 内部障害に対する
リハビリ需要の増加

健康寿命(男70、女73)
平均寿命(男79、女86)
札幌市障害者福祉計画  
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/law/pref_plan/xp480101.html

総合医・リハ医の比較

歴史

規模

プライマリ・ケア
連合学会

リハビリテーション
医学会

78年PC学会
09年PC連合学会
10年専門医第1号

63年学会創設
80年専門医制度発足
96年標榜可能

会員数10948
専門医384(目標2万~10万)
認定医5052
指導医1616

会員数9870
専門医1940(目標4000)
認定臨床医3418
指導責任者982

専門医 19番目の基本領域
研修プログラム170個、3年間
制度

新しい専門医制度では「基本領域」に

18番目の基本領域
研修施設数578、3年間

総合医とリハ医の共通点
• 健康やQOL向上、社会参加を目指す
• 高齢者や障害者を得意とする
• 疾患だけでなく障害や環境もみる
• 治せなくてもできることがある
• 他職種との連携、地域での連携を重視する
• まだまだ専門医数が足りない!

リハ医にとっての総合診療の魅力
• 対応疾患の拡張
– Common Diseaseの的確な診断・治療
– 栄養障害、老年症候群、内部障害

• ICFの拡張

総合医にとってのリハビリの魅力
• 健康増進に関わる役割の拡張
– 患者潜在能力や環境要因の具体的評価
– 有効な運動療法・リハビリ計画
– 「治らない臓器障害」を抱えていても、
なおQOL・機能予後を向上できる

• 多職種連携、多施設連携の拡張
– リハ・介護・福祉関係者との共通言語の獲得
– 回リハ病棟でのシステマティックな多職種連携
– 地域での複数施設にまたがる連携

うまく「いいとこ取り」ができたら…?
• 総合医にとってのメリット
• リハ医にとってのメリット

– 個人要因の分析・介入方法
 (行動科学・ライフサイクルアプローチ・精神医学的評価)

– 環境要因の分析方法

• 地域住民にとってのメリット

(家族関係、地域性)

• フィールドの拡張
– ER・ICU~急性期~回復期~療養、外来、在宅での活躍
– 発病「前」のハイリスク層との接点(特にFrailty)

• 国や医療保険制度にとってのメリット

総合医・リハ医の断絶?

文献:若手家庭医はリハビリテーション領域の臨床能力獲得に関してどのように考えているか:質的研究

総合医のためのリハ研修案
<含まれるもの>
• リハ医学の基本的知識




機能評価、ゴール設定
リハオーダー、リスク管理
各職種の理解、装具・介助具
意見書等記載
EBM

• 家庭医に特徴的なリハ



年齢・疾患の多様性
よくある疾患・障害のリハ
継続性・セッティングを越えて
身体的治療との並行

<含まれないもの>
• リハ診断学
– 電気生理学、病理学
– 運動学、生体力学

• ブロック療法
• 疾患
– 外傷性脳損傷・脊髄
損傷・四肢切断、熱傷
– パーキンソン症候群
以外の神経筋疾患

• 連携
• 学習・動機付け

26名のインタビュー調査
• 卒業大学のリハ講座あり
• 初期研修中リハ科研修あり
• 後期研修中リハ科研修あり

35%
8%(1ヶ月)
0%

• 所属施設にリハ科あり
• 所属施設にリハ専門医いる

69%
8%

文献:若手家庭医はリハビリテーション領域の臨床能力獲得に関してどのように考えているか:質的研究

まとめ
• 総合診療とリハビリはともに身近で必須
– 姿勢、業務内容などの類似

• これからニーズ・規模が増えていく
– 基本領域の専門医、高齢化

• まだまだ断絶がある
– お互いの特性に合わせた歩み寄り

文献:若手家庭医はリハビリテーション領域の臨床能力獲得に関してどのように考えているか:質的研究

今日お話すること
• 総合医にとってのリハビリ
• 「総合医のためのリハ」の研修方法
–リハビリフェローシップの概要
–総合医のリハ研修で得られたもの

• 今後の展望

総合医が習得すべき能力

研修プログラム概要
研修場所:
研修場所
函館稜北病院
勤医協札幌病院
 
目的:
家庭医・総合内科医の診療
地域一般病床や診療所でのプライマリケア
外来や訪問診療での高齢者医療に必要な
リハビリや関連領域に習熟すること

リハフェロー成果 : 症例
• 内科急性期病棟(担当8-12名前後)
– 廃用症候群
– 認知症
– 内部障害
– 終末期ケア

… 多数
… 多数
… 心2、呼吸4、腎2例
… 5例

• 回復期リハビリテーション病棟(3~8名前後)
– 脳血管障害 …10例(変性疾患含む)
– 骨関節疾患 …10例(脊椎・脊髄疾患含む)

私のリハビリ症例
• 脳出血、社会復帰(研修医)
– 若く仕事もバリバリこなす最中の発症
– 障害は軽く軽度の左片麻痺程度
• しかし、完璧には戻らない左上肢機能へのこだわり

– 外出泊をとおして現状や生活の目標の見直し
• 現実の体験、主治医との振り返り、目標具体化とス
タッフでの共有、新たな目標に応じた実践

– 機能回復→日常生活能力向上→病前より高い
キャリアを目指した社会復帰

年間スケジュール
2011/04~09月

準備期間

2011/10/01
2011/10/17~29
2011/11/02

フェローシップ開始
導入研修(函館)
JARM学術集会参加

 

 

2011/11月
 ~2013/3月
2013/04月
2013/05月
 
2014/08月
2015/03月

毎月のリハビリセミナー(回診・カンファ・レクチャー)
毎週の病棟カンファ(Skypeでの指導医参加)
生涯教育研修会等への参加
研修医への指導開始 
プライマリ・ケア連合学会学術集会で研究発表
 医学教育学会での発表も検討中
認定臨床医 受付開始
認定臨床医 筆記試験

私のリハビリ症例
• 脳塞栓、嚥下障害、心不全
– 不安定な心不全
• 身体診察での評価と微細な薬剤調整

– 繰り返す誤嚥性肺炎
• 歯科往診、歯科衛生士の口腔ケア指導、全職種口腔
ケア、STの嚥下訓練・嚥下造影、薬剤調整、胃瘻造設

– 右完全麻痺、高度失語
• 左上下肢の訓練、家族介護負担軽減、本人の人柄・
家族の意向等を配慮して目標再設定

私のリハビリ症例
• 脊椎カリエス、拘束性呼吸障害、HOT

私のリハビリ症例
• COPD、CHF、不明熱経過観察中の息切れ進行

– 自宅生活不能、施設入所やBiPAP検討入院

– 診察でCOPDは安定、うっ血もない、起立性低血圧あり
– 身体診察でるいそうあり

– 呼吸リハ、下肢筋力訓練、栄養療法、電解質補
正や処方の適正化
– 急性期→回リハの2ヶ月で劇的に回復

– 塩分制限食解除、ラコール200ml/日追加
– テオフィリン、利尿剤中止
– 1ヵ月後1kg増、「すこしいいかも、つづけたい」
– 2ヵ月後2kg増、「元気になってきた、買い物できている」
– 4ヵ月後3kg増、「もう困ってない、息切れもない」

– 今も元気に、時に酸素を外して遊びまわっている

リハフェロー成果 : 知識
• 頭部画像検査読影と神経心理学評価
• 高齢者肺炎の、嚥下を含めた全身管理
• 慢性臓器障害患者の内部障害
• 急性疾患後廃用症候群の予防と早期介入

リハフェロー成果 : 技術
• 病歴聴取
– 高齢者総合機能評価(CGA)+ICFの視点

• 身体診察
– リハ・栄養+老年+神経内科・整形外科視点

• リハビリテーション栄養
• 各職種の役割、潜在能力
• 介護制度、装具・補助具、地域連携

リハフェロー成果 : 態度

• 介入
– ボトックスのwebセミナー受講
– 装具や補助具の適応判断、不具合評価

リハフェローシップ成果:病院の質改善

• 診察・回診で、患者に動いてもらい、体に触
れるようになった

• 多職種協働、リハビリテーション栄養学習会

• 本人のQOLや社会復帰を念頭においたゴー
ル設定・計画立案ができるようになった

• 回リハ病棟、リハ栄養研究

• 他職種の専門性を理解・尊敬でき、共通言語
でコミュニケーションできるようになった
• セラピスト・MSW丸投げがなくなった




– 経口摂取再開早期化
– 口腔ケアや食事姿勢・介助方法改善
– 栄養評価のルーチン化、NST検討症例の激増

誤嚥性肺炎・褥創発生率激減
在院日数短縮、自宅退院率改善
廃用症候群へのリハ処方増加(19→41件/月)
入院からリハ処方までの日数短縮 (17.8日→2.1日)

リハフェローシップ成果:地域の質改善

リハフェローシップ成果:医学教育

• まだ未達成

• 毎月の遠隔カンファレンス

• 在宅患者の定期検査+リハ栄養入院は失敗

• 隔月のリハセミナー

– Skypeで函館・札幌・釧路をつないでケースカンファ
→JPCA北海道地方会で紹介予定

• 後期研修医の往診症例について、老年・リハ
視点でのフィードバックは開始

– 病棟ラウンド、ケースカンファ、レクチャー

• 内科初期研修医に対するリハビリ効果への曝露
• 総合診療後期研修医の増加( 0→1→5→7名)
– 回リハ研修追加希望者も2名

• 他職種の変化
– 病棟カンファでのリハ・栄養士などの発言増加
– 医師⇔リハの相互学習企画

リハフェローシップ成果:臨床研究

2014年5月9日
第5回日本プライマリ・ケア学会学術大会
日野原賞候補演題 H-4 

• リハスタッフの研究活動
– 回リハ患者のMNA-SFによる栄養状態評価
→全例でのルーチン評価とNST介入の仕組みに

– 慢性呼吸器疾患でのSPPB評価?

一般内科病棟患者における、

入院時栄養評価(
)と
入院時栄養評価(MNA-SF)
臨床的転帰に関する前向きコホート研究

• 医師の研究活動
– 一般内科・急性期病棟における、栄養状態と臨
床転帰との関連に関する前向きコホート研究
佐藤 健太
→プライマリケア連合学会学術集会での日野原賞受賞
北海道勤医協 総合診療・家庭医療・医学教育センター( GPMEC)
北海道勤医協札幌病院 内科

結果③
評価結果
結果③ MNA-SF評価結果
目的 

中小規模病院の
(臓器別ではない)一般内科病棟
(年齢・疾患を区別しない)全入院患者で
「MNA-SF」による栄養評価と
臨床的転帰との関係を検討する 

日本の多忙な臨床現場でも
日常的に実施可能かどうかも確認する
単位:%

結果⑤
結果⑤ 死亡率、急変発生率

結果⑩
結果⑩ 現実性
      (急変=感染症、臓器不全、せん妄、転倒、癌診断の合計)

MNA-SF 

栄養良好 At risk 低栄養 p値

死亡発生数(件)
 累積死亡率  (%)
 累積死亡率   (%)
 死亡発生率
   (件/1000
   (件/1000人日
/1000人日)
人日)

急変発生数(
急変発生数(件)
 累積急変発生率    
           (%)
            (%)
 急変発生率
       (件
(件/1000人日)
/1000人日)

0

1

9 p=0.046*

0

0.02

0.10

0

1.4

6.9

0

13

0

0.20

0.43

0

18.0

30.1

栄養評価の実施率
医師  :MNA-SF 実施率 100%

他職種:体重測定率 96.0%
%、BMI測定率 84.2%

Relative risk=
9.4(95%CI 0.8-49.2) 

所要時間の問題
週1回、1~2時間程度
約60~120分 ÷ 30床 ≒ 2~4分/件
2~4分 件(先行研究通り)

39 p=0.018* 

Relative risk=
2.1(
(95%CI 1.2-3.6 )

システムの問題
他職種ルーチン評価(転倒リスク・ADL・栄養)データのみで
評価可能だった
電子カルテ上自動計算できるシステムは未確立

件/1000人日 ≒ 件/30床×30日 ≒ 病棟×月
*At risk群と低栄養群の2群間で、Fisherの正確確率検定

今日お話すること

佐藤個人の活動予定

• 総合医にとってのリハビリ

• MNA-SF研究の論文化

• 「総合医のためのリハ」の研修方法

• リハビリ認定臨床医取得

• 今後の展望
– 佐藤個人の予定
– 総合医のためのリハ研修の展望

– 北海道の地域・一般病院から全国・世界へのエビデンス発信!

– 将来の「ジェネリハ キャリア」のロールモデルとして

• 現場での実践と指導の追及
– 病院のかかわるすべての患者、周辺地域のすべての住民へリハビリ
テーションの恩恵を
– カンファ・セミナーの継続
– 総合診療後期研修医のうち、希望するものにリハ研修の提供

ジェネリハ研修の展望
• 総合医・リハ医それぞれの、後期研修制度・魅力あ
る研修内容の確立が第一歩!
• 総合医のためのリハ、リハ医のための総合診療研
修環境の提案
– このフェローシップが、この研究会がモデルに!
– 相互の認定医を取るメリット・方法の明確化

• 学会レベル・地域組織レベルの交流を
– JPCA学術大会でのリハ学会協働企画
– リハ学会でも!
– 北海道地方会でも!

今後の関連イベント
• 研究会の第2回



年度内には、どこかで・・・
ブログつくりました http://generalist-rehabilitation-in-hokkaido.blog.jp/
メーリングリストも作ります
問い合わせ先: satu-ikyoku@kin-ikyo.or.jp 、011-811-2246(代表)

• フェローシップ関連企画
– 7月12日(土) 
– 8月16日(土) 

勤医協リハビリセミナーin釧路
勤医協リハビリセミナーin札病

• リハ学会企画



6月5~7日in名古屋
6月14~15日in福岡
8月2日in品川
今年度修了

学術大会
急性期病棟におけるリハビリテーション医師研修会
臨床研修医等医師向けリハビリテーション研修会
一般医家に役立つリハビリテーション医療研修会

• リハ栄養研究会企画
– 6月28日(土) リハ栄養合宿in小樽

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