諄十亀与 ユ爾寸磨

台湾に渡 った日本語
リ Ъ6… 2

︱ ︱ 痕 跡 と 創生 ︱︱

t、

ことばの痕 跡 簡 月 真
曰バ 亀亀潔 20′ ワ

―――- 36 -― ――

目日日日鳳日円□ ② 現 地 語 の中 への日本 語 要 素 の借 用 →王に名詞 の語彙を
中心とする︶
二 つの言 語 が接 触 し た 場 合 、 0 言 語 維 持 、 口 言 語 シ フ 台
③ 現 地 語 と 日本 語 の接 触 に よ る新 し い言 語 の形 成 ︵
ト 、 0 言 語 誕生 の三 つのタイ プ の言 語 変 化 が生 じ ると 言 湾東部 に存在す る アタヤル語と 日本語 の接触 によ って生
わ れ て いる ︵
ヨ︼●♂a 8o じ。 日本 の植 民 地 統 治 ︵一八九五 宜蘭 クレオールし
まれた ﹁
∼ 一九 四五年︶ に よ って海 を 渡 った 日本 語 は、 台 湾 に お
いて 一〇 〇 年 以 上 の長 き にわ た って現 地 諸 語 と 接 触 し な 植 民 地 統 治 に よ っても た ら さ れ た 日本 語 を 習 得 し た 当
が ら 生 き 続 け てき た が、 そ の接 触 に よ って生 起 し た 言 語 時 の台 湾 の人 々は、 母 語 と 日本 語 と のバ イ リ ンガ ル話 者
現 象 に は、 次 の三種 が あ る。 ① ︶、 ま た 、 日 本 語 か ら 台 湾 諸 語 に 大 量 の語 彙
にな り ︵
を取り入れた ︵ ②︶ 。 こ れ ら は 二 つ の 異 な った 言 語 が 接
、 接 触 の度 合
日本語を
① 現 地 語 と 日 本 語 と のバ イ リ ンガ ル の発 生 ︵ 触 し た 時 に よく 生 じ る現象 であ る。 さ ら に
話す現在 の高年層︶ いが高 く 、 そ の影 響 が語 彙 面 だ け でな く 、 言 語 構 造 全 体
に及 び 、 新 し い言 語 が 形成 さ れ る現 象 も 起 き て いる の で
ある ︵③︶ 。 ① と ② は0 言 語 維 持 、 ③ は 口 言 語 誕 生 の

同日日日日目日□
であ る。 ほ か の言 語 か ら 取 り 入 れ ら れ た単 語 の こと を 借 用 語 と
台 湾 で は 、 アタ ヤ ル語 ︵ タイヤル五 じ ・ア ミ語 ・カ ナ カ 言 う 。 日本 植 民 地 時 代 に、 台 湾 に持 ち 込 ま れ た 新 し い概
ナブ 語 ・カ バ ラ ン語 ・サ イ シ ャ ット 語 ・サ ア ロ ア語 ・サ 念 やも のと と も に、 そ れ ら を 表 す 語 彙 も 導 入 さ れ た 。 日
オ 語 ・サ キ ザ ヤ 語 ・セ デ ック語 ・タ オ ︵
ヤミ︶語 ・タ ロ 本 語 由 来 の借 用 語 は 、台 湾 諸 語 の中 でど のよう に使 わ れ
コ五T ツ オウ語 ・パ イ ワ ン語 。ブ ヌ ン語 ・プ ユ マ語 ・ル て いる のか見 て み よう 。
カ イ 語 と い つた オ ー スト ロネ シ ア語 族 の言 語 ︵
原住民族
諸語︶ や、 間 南 語 、 客 家 語 、 華 語 ︵
北京箋じ な ど の漢 語 臼  音 声 言 語 と 文 字 言 語 か ら の借 用
が話 さ れ て いる。 植 民 地 統 治 時 代 に 日本 語 教 育 を 受 け た 借 用 語 は、 音 声 言 語 か ら 受 容 す る場 合 、 受 け 手 側 の

―――- 37 -― ――
世 代 の間 では 、 母 語 を 異 にす る同 世 代 と の意 思 疎 通 に お 言 語 の発 音 習 慣 に 従 い、 修 正 が 行 わ れ る。 例 え ば 、 ブ
いて、 日 本 語 が リ ンガ フ ラ ン カ ︵ 共通護 じ と し て の役 割 ヌ ン 語 の 目 ヨ ∞・〓ざ ”∞ ・σI c・2ユ ●ご ・び諄 ご ・
簡 二〇 一こ 。 し か し、 話 者 の高 齢 化 に
を 果 た し てき た ︵ Bc8 二 昇 T ご 庁一 8 ・r月 ご ・∽ 〓 記 は いず れ も 日 本
よ って、 こ の言 語 現 象 ︵
①︶は 消 え つ つあ る。
  一方 、 台 語 から,の借 用 語 であ る が 、 そ れ ぞ れ の元 の日本 語 は何 か
湾 諸 語 に取 り 入 れ ら れ た 日本 語 由 来 の借 用 語 ︵②︶は若 分 か る だ ろう か。 こ こ に 挙 げ た 例 の 一を ①、 ﹂を oに 置
い世 代 にも 使 わ れ てお り 、 新 し い言 語 の ﹁ 宜 蘭 ク レオ ー き 換 え て み ると 、 答 え が ほ ぼ見 え てく る。 ﹁運 転 ・結 婚 ・
ル﹂ ︵③ ︶も 次 世 代 に 継 承 さ れ て いる。 本 稿 で は、 こ の 弁 当 ・セ メ ント ・便 所 ・も ん ぺ ・時 計 ・時 計 草 ・包 丁 ・
② と③ の言 語 現 象 に焦 点 を あ て、 台 湾 に お け る 日本 語 の
台湾に渡った 日本語

石 鹸 / 試 験 ﹂ な の であ る。 ブ ヌ ン語 に は 母 音 が ”・一・﹂
痕 跡 と 創 生 に つ いて述 べ る こと にす る。 の三 つし か な い。 こ のブ ヌ ン語 の音 的 フィ ル タ ーを 通 し
た 結 果 、 日 本 語 の のが ﹂に、 oが cに統 合 さ れ た の であ
る。 日 本 語 で意 味 の弁 別 に 用 いら れ る 音 が ブ ヌ ン語 で
は弁 別 的 でな いた め に起 こ った ﹁過 小 弁 別 の修 正 ﹂ に よ
蛛蜃灘鮮鼈顆以静証謄諄卜軒証打■・

客 家 語 のぶ ぇ 、 饉麟 ヽ 案 離 c の音価は フ ︺、﹂は 〓︶ 。こ
る変 化 であ る。 ま た 、 日本 語 の特 殊 音 の長 音 ・促 音 も ブ
鵠 ことばの痕跡

ヌ ン語 の音 的 フィ ル タ ー にか か る過 程 で落 と さ れ る。 し れ ら は文 字 言 語 か ら受 容 し た も の で、 ま さ に ﹁漢 字 ﹂ が
た が って、 ﹁石 鹸 ﹂ も ﹁試 験 ﹂ も 同 じ く aF一”∞と 発 音 さ 介 在 し た か ら こそ 生 じ た 現 象 であ る。 こ れ ら は 日本 語 か
れ る こと にな る。 た だ し、 鄭 ・顔 ︵ 二〇 一一 こ によ ると、 ら の借 用 と は 気 づ か れ にく いよう であ る。 な お 、 ﹁
便営 ﹂
ブ ヌ ン語 の方 言 に よ って は、 ﹁石 鹸 ﹂ を L江5∞、 ﹁試 験 ﹂ は弁 当 の こと であ る。
aF︼
一●” C はイ の長音を表す︶と 区 別 し て いる
。 逆 に、 日 本 語 か ら の借 用 で は な い の に 日 本 語 由 来 だ
受 け 手 側 の言 語 の発 音 習 慣 に従 って修 正 が施 さ れ る の と 誤 解 さ れ る 語 が あ る。 原 住 民 族 諸 語 の中 で起 き て い
は、 単 純 借 用 で、 先 に見 た ブ ヌ ン語 のほ か に、 アタ ヤ ル る 現 象 で あ る が 、 こ れ も ﹁漢 字 ﹂ の介 在 に よ って生 じ
た も の で あ る。 ブ ヌ ン語 の 庁“層易 ご ﹁郷 公 所 ﹂ ︵ 、
語 や ア ミ語 、 パイ ワ ン語 な ど の原 住 民 族 諸 語 、 間南 語 と 役場 ︶
客 家 語 の漢 語 にも 見 ら れ る。 間 南 語 の LGB計 ﹁ア ル ミ﹂、 、 ア タ ヤ ル語 の 5 o ﹁郷 公 所 ﹂、
庁湧 ﹄﹁公 司 ﹂ 家本社︶
―――- 38 -― ――

電 昭
、 ア ミ 語 の ●一
3︻

留 ﹁サ イ ズ ﹂ 88 S ﹁モー タ ー﹂ F は声門閉鎖音 8
、 ●〇庁”く ﹁留 郊 ﹂ ︵
農協 のよう な組織 ︶ ど湧 ︻

は 〓 を表す︶ 、 客 家 語 の 江3o〓 ﹁気 持 ち ﹂、 〓”いOoど ﹁ハ ﹁累 鋭 講﹂ ︵身分証明書︶ 、一オ〇●∞ ﹁証 蹴 ﹂ ︵
一 結納︶な ど が そ
ン ド ル﹂、o8 σL ﹁オ ー ト バ イ ﹂ 奮 の音価 は F ]
、らは Ξ︶ れ であ る。 こ れ ら の多 く は 、 新 た な 制 度 や概 念 と し て、
な ど は 日本 語 の発 音 を そ れ ぞ れ 間南 語 と 客 家 語 の音 声 的 戦 後 、 国 民 党 政 権 に よ って導 入 さ れ た も の であ る。 し か
特 徴 に変 換 し て いる 例 であ る。 間 南 語 の声 門 閉 鎖 音 を 付 し、 華 語 の発 音 では なく 、 華 語 の漢 字 を 日 本 語 の音 読 み
加 し た り 、 濁 音 の マ]を 清 音 の 7]で置 き 換 え た り す る。 ただし、身 が L と発音とされて い
に し て取 り 入 れ て いる ︵
客 家 語 は 濁音 の 〓]を 持 た な いた め清 音 の 〓 で代 行 さ せ 。 日 本 語 か ら の借 用 と 広 く 認 識 さ れ て は いる が、
る︶  一
て いる。 そ し て、 間 南 語 も 客 家 語 も 日 本 語 の 〓 を 〓 に 種 の疑 似 日本 語 と 言 え るも の であ る。
置 換 し 、 ま た 、 長 音 を 短 音 に し て いる の であ る ︵ 。
注1︶
一方 、 日本 語 の発 音 を 聞南 語 ・客 家 語 的 な 音 に変 え る レ   現 地 語 と の コラボ
のでは な く 、 日本 語 の漢 字 を 間 南 語 音 ・客 家 語 音 で発 音 日 本 語 由 来 の借 用 語 は ま た 、 台 湾 諸 語 と コラボ し て、
す る も のも あ る。 例 え ば 、 間 南 語 の湮ガ 、 健 藍 ヽ 案 離 ヽ いろ いろな姿 で用 いら れ て いる。
0   岸F十日8 げ誡 ﹁気 持 ち +悪 い﹂ ︵
不機嫌だ︶ →口は 庁 こ れ ら は ア ミ語 であ る。 用 例 は 呉 ︵
二〇 一一
こ より 引
の有気音 冒ご、8 は τ︺を表す︶ 用 、 例 の後 の注 釈 は 同辞 書 を 参 考 に筆 者 が つけ た。 0 は
②   庁〓∵8 8 ”一
”口” ﹁気 持 ち +良 い﹂ ︵
上機嫌だ︶ ﹁手 紙 ﹂ 由 来 の 一
﹂5 日﹂に接 頭 辞 o甲 を つけ て動 詞 化 し た
呼称。お年寄り への敬称︶
接 頭 辞 +接 尾 辞 ﹂︵
0   ”8 “∞ ﹁ も の であ る。 さ ら に、 そ の動 詞 形 に接 尾 辞 の あ目が 付 加
さ れ てD のよ う な 電 け oいと いう 依 頼 形 を 派 生 さ せ
詳”8い
こ の三 つは間 南 語 で の例 で、中 華 民 國 教 育 部 含一
〇 一こ て いる。 同 は 接 頭 辞 訂 平 に aコワ 一を 付 し て 5 ︻
”∽︻
●ワ 一
か ら の引 用 であ る。 0 と 0 は 日 本 語 ﹁気 持 ち ﹂ 由 来 の 先 生 にな れ ︶ と いう 命 令 形 を 作 った も の であ る。 0 は

F一︲ ● 〓が 庁 T88 に短 縮 さ れ て、 そ れ ぞ れ 間 南 語
38 ︲ さ ら にそ の F ︼
”∽●蓼 一に接 頭 辞 8︲と 接 尾 辞 出く が 同 時

, ,
の形 容 詞 g ■ 咀営 ∞と 共 起 し て形 容 詞 句 が 作 り 出 さ れ に接 続 し て 紹 5 ︼
3一●明 ご薫 ︵先生 になりた い︶と いう 派 生
て いる。 0 は間 南 語 で親 族 名 称 や名 前 に つけ る接 頭 辞 ? 語 を 作 った も の で あ る。 な お 、 3占 ヨ の よ う な 接 辞 の

―――- 39 -― ――
と 日本 語 の接 尾 辞 ﹁さ ん﹂ と を 結 合 さ せ て新 た な 単 語 を 組 合 せ は接 周 辞 と 言 う 。 接 辞 添 加 に よ って様 々な コラボ
形 成 し た も のであ る。 お年 寄 り への敬 称 と し て、 今 でも が演 じ ら れ る のは ブ ヌ ン語 にも 見 ら れ る。 次 のよう であ
よく 使 わ れ て いる。 一。

接 辞 と の コラボ で は、 形 態 論 的 形 式 が発 達 し て いる原
住 民 族 諸 語 に、 よ り 多 彩 な姿 が見 出 さ れ る。 営 ﹁接 頭 辞 ︲女 性 用 ズ ボ ン ー接 尾 辞 ﹂
閣   澪“い日口日も︻
女性用 のズボ ンを穿く︶


o”一庁”8﹂﹁接 頭 辞 ︲手 紙 ﹂ ︵
手紙を書く︶ O  あ一
o あ一一・∞ ﹁ 写真を撮る︶
接 頭 辞 ︲写 真 ﹂ ︵
(7)(6) (5)(4)
台湾に渡った日本語


o”一 oo ﹁手 紙 を 書 く ︲接 尾 辞 ﹂ ︵
庁”8一 手紙を書 いて 0   も”∽
一”∽ 撮 ってく だ さ
ヨ 器 S 混 ﹁撮 る ︱接 尾 辞 ﹂ ︵
くださ い︶ い。︶
S一 一
”∽ ●ワ ﹂﹁ 先生になれ︶
接 頭 辞 ︲先 生 ﹂ ︵ m   ●”口2 L ﹁ もうすぐ︶
接 頭 辞 ︲は や い﹂ ︵
85 一”∽一 ”1 ﹁接 頭 辞 ︲先 生 に な れ ︲接 尾 辞 ﹂
ロワ ︻

先生 になりた い︶ こ れ ら の例 は 鄭 ・顔 ︵ こ か ら引 用 し たも ので
二〇 一一
策鷲■年籍午”諧多曇籍ヽ ■II ●

あ る。 例 の後 の注 釈 は 同辞 書 を 参 考 に筆 者 が つけ た 。 閣 は 日 本 語 由 来 の借 用 語 にも 適 用 さ れ る の であ る。
G● ことばの痕 跡

は 日 本 語 ﹁も ん ぺ﹂ 由 来 の Bc日 に接 周 辞 F 〒 3 が 日本 語 由 来 の借 用 語 は、 日本 語 と は 必 ず しも 同 じ 意 味
付 け ら れ 、 女 性 用 のズ ボ ンを 穿 く,
と いう 派 生 語 が産 出 さ で使 わ れ て いると は限 ら な い。 意 味 変 化 が 生 じ た 語 に は
れ た も の であ る。 0 は 日本 語 ﹁写 真 ﹂ 由 来 の 変器” 一●∞に 例 え ば 次 のよう な も のが あ る。
接 頭 辞 の マ ︲が付 加 さ れ て動 詞 化 さ れ た も の であ る。 こ
の罵∽ 一”∽ヨ 的に さ ら に接 尾 辞 ふ6 ●mを つけ る と 、 ⑩ の 郵便物、郵便局、郵便配達人︶
m   く匡び〓” ﹁郵 便 ﹂ ︵
よう な 依 頼 形 が作 ら れ る。 こ のよう な 、 接 辞 と の コラボ ⑮   ドミ ” ﹁ハイ ヤ ー﹂ ︵
タクヽンー、車︶
は何 も 名 詞 に限 つた こと では な く 、 形 容 詞 ﹁は や い﹂ 由 3〓 ﹁あ っさ り ﹂ ︵
m   ”け 性格がし つこくな い︶
来 の F■ L にも 見 ら れ る。 m は 性 L に未 来 テ ン スを 表 m  ●”丼鉾ご ﹁ハイ カ ラ﹂ ︵
男性 のヘアスタイルの 一種︶
す 接 頭 辞 ヨ ︲が 付 加 さ れ、 ﹁も う,す ぐ ﹂ の意 味 を 表 す も
―――- 40 -― ――

の であ る。 m と D は タ ロ コ語 、 的 と m は 間 南 語 の例 で あ る。 m
接 辞 添 加 のほ か に、 日本 語 由 来 の借 用 語 は 、 重 複 と い ●”は 郵 便 物 の ほ か に、 郵 便 局 、 郵
﹁郵 便 ﹂ 由 来 の く3 一
う 語 形 成 で複 数 形 を 作 り 出 し ても いる。 便 配 達 人 の意 にも 、﹁ハイ ヤ ー﹂ 由 来 の r”く”は タ ク シ ー
を 含 め車 の総 称 と し て、 使 わ れ て いる。 いず れ も 意 味 の
⑫  一 ●
∽・り ・蓼 一﹁
先生 先 ﹂ ︵
︲ 生 先生たち︶  一方 、 意 味 の縮 小 の変 化
拡 大 と いう 変 化 が生 じ て いる。
0  ∽
〓”∽ 一
・ma ﹁先 ︲先 生 ﹂ ︵
先生たち︶ も 観 察 さ れ る。 m と 岡 のよう な も の であ る。 m は ﹁
あっ
さ り ﹂ 由 来 であ る。 日本 語 では 人 の性 格 や物 事 の状 態 が
こ れ ら は ア ミ 語 で あ る。 ⑫ で は 、 ﹁先 生 ﹂ 由 来 の し つ こ く な いと い う 意 味 で あ る が 、 間 南 語 の 営∽当 は
2●∞2 が 重 複 し て 2● こ 口 一と いう 複 数 形 が 出 来 上 が 人 の性 格 だ け を 指 す 。 m は ﹁ハイ カ ラ﹂ 由 来 であ る。 ,
り 陽 日
る。 0 で は、 第 一音 節 の ∽ ”∞を 反 復 し て部 分 重 複 で複
一 本 語 では し やれ て いる さ ま や そ の人 のこと を 言 う が 、 間
数 形 が 作 ら れ て いる。 両 者 と も ﹁先 生 た ち ﹂ の意 を 表 南語 のF一
F一S は フ ォ ー マ ル で し や れ た 男 性 の髪 型 。
す。 ア ミ語 で は重 複 によ って複 数 形 が作 ら れ る が 、 そ れ 聞 南 語 と の ハイ ブ リ ッド 形 で ”一
庁”一
︸ 8 ﹁ハイ カ ラ頭 ﹂
”け

と も 言う 。
口  一一


呈 m景 観 に み る 日本 語 由 来 の借 用 語
固 有 名 詞 に お い ても 特 に 人 名 に つ い て定 着 し て いる 町 の言 語 景 観 か ら 日 本 語 由 来 の借 用 語 を 拾 って み よ
も の が あ る。 例 え ば 、 ﹁花 ﹂ 由 来 の 国留 ” ︵タロ コ語 ・ア つ。

タヤ ル語 ・7 皇 T ブ ヌン語︶ 、 ﹁菊 ﹂ 由 来 の パ一片﹂ ︵タ ロコ 図 1 の看 板 に は 日 本 語 由 来 の借 用 語 が 二 つ入 って い

T アタヤル証 T ブ ヌン語︶・蚕 ざ ︵で 皇 旧 ︶、 ﹁次 郎 ﹂ 出 来 る が 、 ど れ か が 分 か る だ ろう か。 ﹁甜 不 辣 ﹂ は ﹁て ん ぷ
の 旨ご ︵タ ロコ語 ︶・ド8 ︵アタヤ ル語︶・0︼ ざ ︵アミ語︶・ ら ﹂、 ﹁阿 給 ﹂ は ﹁揚 げ ﹂ な の で あ る. こ れ は 日 本 語 由
N言 c ︵
ブ ヌン語︶な ど と い つた 名 前 が よ く 聞 か れ る。 命 来 の借 用 語 に 華 語 の漢 字 を 当 て て表 現 し た も の であ る。
名 法 に つ いては 、 原住 民 族 そ れ ぞ れ で な る伝 統 が あ る
異 ﹁甜 不 辣 ﹂ は 、 いわ ゆ る薩 摩 揚 げ で、 特 製 の ソー スを つ
が、 例 え ば タ ロ コ人 の場 合 、﹃一 a ヨ ”¨ 曽 と いう 名 前 で け て食 べ る。 ﹁阿 給 ﹂ は 油 揚 げ の中 に味 付 け さ れ た 春 雨
あ れ ば 、﹃﹄ご は 本 人 の名 前 で ヨ ”一日 は 父 親 の名 前 であ を つめ た も の であ る。 いず れも 屋 台 で定 番 の庶 民 の味 で
る。 そ し て、 子 供 が 生 ま れ た 場 合 は 、 子供 の名 前 の後 部 あ る。

― -41-―
に 旨ど が つけ ら れ る こと にな る。 日本 語 の格 助 詞 ﹁の﹂ も 、看 板 やポ スタ ーな ど に よ く
用 いら れ る。 図 2と 図 3 のよう な も の であ る。



鐵 (A109)│
閣 110月 21日 (五 )13:00‐ 15:00

卜,I撃



興新

え考霞家を訳程夢及歩
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壼議人 :彗 選椰藩議番目
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◆ 誡漱国家な象
台湾 に渡 った 日本語

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91■ 114E寧 事責
店 の看板

町の看板



◆女
◆燎
◆ チ




1

図2

図3

図 2 に は 二 つの 日 本 語 の要 素 が 入 って いる。 ﹁の﹂ と シ アな ど を 植 民 地 にし て いた が 、 ク レオ ー ル の発 生 が 報
鵠 ことばの痕跡

﹁十 拉 O K﹂ であ る。 ﹁
十 拉 O K﹂ は ﹁カ ラオ ケ﹂ を 表 し 告 さ れ た のは 、 いま のと こ ろ、 台 湾 で使 わ れ て いる ﹁

て いる。 ﹁の﹂ は 平 仮 名 で書 か れ て いる が 、 そ れ を ﹁的 ﹂ 蘭 ク レ オ ー ル﹂ のみ であ る。
で発 音 す ると いう 習 慣 が 現 地 で定 着 し て いる。 図 3 は先
日筆 者 の勤 務 し て いる大 学 で行 わ れ た 国家 試 験 ︵
﹁国家考 = 宜蘭クレオールが形成された歴史的背景
國考し に 関 す る講 演 のポ スタ ー であ る。 学
。略して ﹁
試﹂ 宜 蘭 ク レ オ ー ルは宜 蘭 県 の山 間 部 に住 む アタ ヤ ル人 と
生 た ち の ノ ー ト にも 、 華 語 で の文 脈 に ﹁の﹂ が 混 じ って セ デ ック人 に よ って使 わ れ てお り 、 そ の使 用 地 域 は主 に
いる のを 時 々見 か け る。 宜 蘭 県 の南 澳 郷 東 岳 村 ・金 洋 村 ・澳 花 村 お よび 大 同 郷 寒
渓 村 の四 つの村 であ る。 こ の四村 の住 民 た ち は、 も と も
と は 宜 蘭 県 南 澳 郷 の山 奥 に そ れ ぞ れ 分 か れ て住 ん で お
3  日 本 語 が 語 彙 供 給 言 語 の ﹁宣 蘭 ク レ
42 -

り 、 狩 猟 採 集 を 中 心 と し た 生 活 を し て いた。 し か し 、 日
オー ル﹂ 本 植 民 地 当 局 は 一九 一〇 年 代 か ら宜 蘭 地 域 にお いても 集
―――-

次 に、 語 彙 だ け では な く 、 言 語 構 造 全 体 に 日本 語 が か 団 移 住 政 策 を 推 進 し た。 山奥 で暮 ら し て いた 人 々を 、 支
宜 蘭 ク レオ ー ル﹂ に つ いて述 べた い。
か わ って いる ﹁ 配 し やす く す る た め に、 交 通 の便 の い いと こ ろ に集 住 さ
ク レオ ー ルと は言 語 の接 触 に よ って形 成 さ れ た 新 し い せ ると いう 政 策 であ る。 そ の結 果 、 同 じ 地 区 にあ り な が
言語 で、 現 地 の人 々 の母 語 と な って いるも のを 指 す 。 世 ら も 別 々に生 活 し て いた ア タ ヤ ル人 と セ デ ック人 が 同 じ
界各 地 で、 ト クビ ジ ンや ハイ チ ク レオ ー ル、 パ レ ンケ ー コミ ュ ニテ ィ に移 住 さ せ ら れ る こと にな った の であ る。
ロな ど 英 語 、 フ ラ ン ス語 、 ス ペイ ン語 、 ポ ル ト ガ ル語 、 ア タ ヤ ル語 と セ デ ック語 は 、 同 じ く アタ ヤ ル語 群 に属
オ ラ ンダ語 と い った ヨー ロ ッパ の言 語 を ベ ー スと し た ク し ては いるが 、 ほと んど 通 じ合 わ な いく ら いに異 な って
レオ ー ルが使 わ れ て いる。 そ の多 く は 、 主 に植 民 地 にお いる。 ひと つの村 に集 住 さ せ ら れ た アタ ヤ ル人 と セ デ ッ
いて入 植 者 の言 語 が 現 地 の言 語 と 混 じ り 合 って でき たも ク人 は 、 コミ ュ ニケ ー シ ョ ンを と るた め に、
  一九 一〇 年
のであ る。 旧 日本 帝 国 も 台 湾 を は じ め 、 韓 国 、 ミ ク ロネ 代 初 期 に設 置 さ れ た ﹁教 育 所 ﹂ で学 んだ り 日本 人 と の接
触 のな か で身 に つけ たり し た簡 略 な 日本 語 を 互 い のリ ン 年 以 降 、 日本 語 に よ るイ ンプ ツト は絶 た れ 、 古 風 な 日本
ガ フラ ンカと し て使 い始 め た が 、 そ の日本 語 に アタ ヤ ル 語 が そ のま ま 残 った の であ る。 ま た 、 接 触 し て いた 日本
語 の要 素 が 混 じ って ハイ ブ リ ッド な 言 語 が 形 成 さ れ た。 人 の多 く は 西 日本 出 身 だ った こと が 西 日本 方 言 要 素 の使
そ し て、 そ の言 語 を 第 一言 語 と す る世 代 が 生 ま れ 、 そ の 用 を も た ら し た のだ と考 え ら れ る。 日本 統 治 時 代 、 台 湾
後 、 そ れ が ク レ オ ー ル ヘと 発 展 し た のだ と 考 え ら れ る。 在 住 の 日 本 人 の人 口 は 台 湾 全 人 口 の約 五 % を 占 め て い
た が 、 そ のう ち 、 約 七 〇 % が 西 日本 出 身 者 であ った ︵

回   宜 蘭 ク レオ ー ル の言 語 的 特 徴 2︶。
宜 蘭 ク レオ ー ル の音 韻 体 系 や アク セ ント 、 イ ント ネ ー では 、 具 体 例 を 挙 げ な が ら 宜 蘭 ク レオ ー ルは ど のよう
シ ョンは アタ ヤ ル語 と 基 本 的 に同 様 であ る。 語 彙 は アタ な 言 語 構 造 を 持 って いる のか を 検 討 し て み よう 。
ヤ ル語 か ら も 取 り 入 れ て いる が 、多 く は 日本 語 由 来 であ

―――- 43 -― ――
る。 語 順 は アタ ヤ ル語 のV O S ︵ 動詞 ・目的語 ︰王語︶と 0   庁8 ①””■お一●oPo澪9 →﹂の人は私 の夫 です。︶
は 異 な り 、 基 本 的 に 日本 語 と 同 様 のS O V ︵
主語 。目的
T 動詞︶ に な って いる。 文 法 形 式 も 日本 語 か ら 取 り 入
証 は じ め て こ の発 話 を 聞 いた と き に、 ど き つと し た こと
れ たも のが多 い。 た だ し 、 語 彙 も 文 法 体 系 も 、 再 編 成 が が 思 い出 さ れ 。 追
る 究 す る と 、 9 5 雄犬︶
o ●o o■●” ︵
行 わ れ 、 語 彙 供 給 言 語 の日本 語 と は か な り 異 な った 使 い な ど の表 現 も 出 てき た。 な ぜ こ のよう な 使, い方 を す る の
方 に変 化 し て いる。 日本 語 話 者 が 聞 いても 、 アタ ヤ ル語 だ ろう か。 ア タ ヤ ル語 を 見 ると 、 そ の答 え が 見 つか る。
話 者 が 聞 いても ほ と んど 理 解 でき な いほど に変 容 し て い アタ ヤ ル語 に は ︼ 一庁“くと いう 単 語 が あ り 、男 性 のほ か に、
る の であ る。
台湾 に渡 った 日本語

夫 、 雄 も 意 味 す る。 こ の ︼
一ドξ が 9oざ に よ つて置 き 換
宜 蘭 ク レ オ ー ル で は、 昭 ”∽鼻 ﹂﹁カ メ ラ ﹂、 F 罵 毯
一 え ら れ 、 発 話 例 のよう な も のが 産 出 さ れ た の であ る。 再
﹁便 所 ﹂、Q ”8●蓼 c ﹁茶 箪 笥 ﹂、 3 ●S く ﹁飯 台 ﹂ な ど 古 語 彙 化 と いう 現 象 であ る。
風 な 日本 語 や 薫 ”L ﹁私 ﹂、 一”ご ﹁足 る ﹂、
R c ﹁お る ﹂、 さ ら に、 ア タ ヤ ル 語 で は 雄 鶏 の こ と を 昔 ”営
否 定 辞 出∞ な ど 西 日 本 方 言 が 使 わ れ て いる。   一九 四 五 lo︼目 的、 雄 豚 を 8ぎ F σ︻ 、
ヽ 庁と 言 い 動 物 に よ って 異
な る ﹁雄 ﹂ の語 を 使 う のだ が、 宜 蘭 ク レオ ー ル では そ れ こ のよう に、 不 規 則 な 形 態 素 の規 則 化 のよう な 、 言 語
G● ことばの痕跡


くあ¨、 〇一
〇庁OpO´ξわ中“●∞、 〇一
〇FO●Oσ一 く”庁レ ムノ。
c言ロ  〇一
〇席〇 体 系 の合 理 化 を 図 ろう と す る動 機 によ る言 語 変 化 は ク レ
と いう 語 の指 示 範 囲 が 日本 語 より も 、 ま た アタ ヤ ル語 よ オ ー ル のみ な ら ず 、 方 言 を 含 め 、 言 語 一般 に広 く み ら れ
り も 広 く 、 意 味 の拡 大 と いう 変 化 が 生 じ て いる。 るも の であ る。 た だ 、 ク レオ ー ル では そ の変 化 の スピ ー
次 に、 動 詞 の活 用 に お け る 規 則 化 の変 化 を 見 て み よ ド が 非 常 に速 く 、 宜 蘭 ク レオ ー ルは 日 本 国 内 の言 語 変 化
う 。 否 定 形 や使 役 形 、 意 志 形 、 命 令 形 に お いて、 日本 語 を 先 取 り す る よう な 変 化 を 起 こし て いる の であ る。
の 一段 動 詞 由 来 の ﹁見 る ﹂ ﹁寝 る ﹂ ﹁起 き る ﹂ ﹁食 べ る ﹂ ま た 、 宜 蘭 ク レオ ー ル では 、 子 供 の言 語 習 得 や日 本 語
な ど が 五 動 と 同 様 の活 を
段 詞 用 す る こと が 観 察 さ れ る。 学 習 者 の習 得 過 程 に よく みら れ る特 徴 が合 理 化 さ れ た 体
例 え ば 、鼻 一﹃ロ ミ ﹁起 き な い﹂、キ 一︻営 ﹁起 き な い﹂、
∞ 系 と し て維 持 さ れ て いる。 例 え ば 、名 詞 修 飾 が そ の好 例
o″い 、 起 き よ う ﹂、 であ る。
8∽ 罵 ご ﹁起 き さ せ る/ 起 こす ﹂ 年 一
8 ﹁
――

o庁︼
お ﹁ 起 き ろ﹂ のよう に な る ︵ 。
- 44 -―

注3︶
これ は 、 ラ行 五段 動 詞 がプ ロト タイ プ と な って、 類 推 彼 女 / 彼 の 家 は 綺 麗 だ 。︶
O   R p 限 に 出 脱 曖 隔 8 くお P ︵
的 平 準 化 が生 じ た 結 果 であ る。 いわ ゆ る 一段 動 詞 の ラ行 、
日 ” ””Fo 阻 曖 籠 浄 蹟 ぽ 脇 ほ 撼 ︻ 0﹃F 穴 フ 学 校 に 新 し
の   一
五段 化 であ る。 日本 各 地 の方 言 に見 ら れ る言 語 変 化 の 一 い先 生 が いる。︶
つと し てよく 知 ら れ て いるも の であ り 、 活 用 形 間 に進 行 ②   に旧卜P陵LFF脇 キF →﹂んな 服 が ほ し い。︶
の遅 速 が あ る こと が報 告 さ れ て いる ︵ 。
小西二〇 一一など︶ の   卿”8 臓 F 瞑 Ⅸ 階 桂 ・F”く”庁C Oオ一 羅 東 へ行 く 人 、
8 ・︵
日本 植 民 地 時 代 に台 湾 で使 わ れ て いた 九 州 方 言 お よ び 台 早 く 起 き ろ。︶
湾 方 言 にも ラ行 五 段 化 の変 化 が 生 じ て いた と の指 摘 も
川見 一九四一じ。 こ こ で注 意 し た いのは、 宜 蘭 ク レ
ある ︵ 用 例 ⑩ は 人 称 代 名 詞 ミの ︵
彼女/彼︶が 8 ︵3 を 介
オ ー ル では ラ行 五段 化 が 否定 形 ・使 役 形 ・意 志 形 ・命 令 し て名 詞 ●躊 ∽
留∞ ︵家︶を 限定 修 飾 した ﹁ 名 詞 十の 十名
形 に及 び 、
  一段 動 詞 の ラ行 五段 化 が ほ ぼ完 了 し て いる こ 詞 ﹂ の構 造 であ る。 こ の規 則 が形 容 詞 ・形 容 動 詞 ・動
と であ る ︵ 。
注4︶ 詞 の名 詞修 飾 にま で適 用 さ れ、 の の 輝”ヽ
”2 8 X3 8
I I
同目日HI 日 H I□
︵新し いの先生︶ 、 い の 庁o●●”●〇ごF“∽ →﹂んな の服︶ 、の
詳c ●oQ 3 ︵ 行く の人︶を 作 り 出 し た 。 ﹁名 詞 +の +名
詞 ﹂ か ら 類 推 し て、 ﹁形 容 詞 + の 十名 詞 ﹂、 ﹁形 容 動 詞 + 本 稿 の前 半 で は 日本 語 由 来 の借 用 語 が 現 地 語 に溶 け 込
の +名 詞 ﹂、 ﹁動 詞 + の +名 詞 ﹂ の規 則 が 生 ま れ た の で み、 ま た 、 現 地 語 と コラボ し て いろ いろな姿 で用 いら れ
あ る。 過 剰 般 化 と いう 現 象 であ る。 こ のよう な変 化 が 現 て いる こと を 見 てき た。 こう し て現 地 の言 語 生 活 に根 付
れ た背 景 に は、 日本 語 自 体 に潜 ん で いる不 合 理 な 文 法 規 いて いる 日本 語 由 来 の借 用 語 であ る が 、 そ の言 い換 え を
則 が あ ると 考 え ら れ る。 日本 語 では 、 名 詞 が名 詞 を 修 飾 提 案 す る意 見 も あ る。
  一方 、 形
す る 場 合 は 、 ﹁の﹂ を 介 さ な け れ ば な ら な い。 近 年 、 原 住 民 族 諸 語 の復 興 政 策 が 推 進 さ れ 、 外 来 の借
容 詞 ・形 容 動 詞 ・動 詞 は そ れ ぞ れ 連 体 形 で名 詞 を 修 飾 す 用 語 を 排 斥 し よう と す る動 き が出 て いる。 次 の例 のよう
る。 ﹁の﹂ を 介 す る 必 要 は な く 、 ﹁新 し い先 生 ﹂ で ﹂ん な に、 中 学 生 向 け の教 科 書 ︵ アタャ ル語 ツオ レ方一 豆 では、

―――- 45 -― ―一
服 ﹂ ﹁行 く 人 ﹂ な ど の名 詞 句 が 作 ら れ る。 こ のよ う な 不 日本 語 由 来 の借 用 語 を 現 地 語 に変 え て いる。
整 合 な 規 則 を 合 理化 し て整 合 性 のあ る規 則 に変 え よう と
す る わ け であ る。 こ れ は 一種 の単 純 化 で、 そ の動 機 と し い   o∽
σ“σ︻﹃﹂ ﹁教 え る ︱本 ﹂ ︵
先生︶
ては、 記 憶 の負 担 を 軽 減 し よう と す る言 語 の経 済 性 が あ ②   ヨドσ”∞”σ一こ ﹁ 学 ぶ ︲本 ﹂ ︵
生徒︶
ると 考 え ら れ る。
、図 は
以 上 見 てき た よう に、 宜 蘭 ク レオ ー ルは、 語 彙 供 給 言 性こ とも ︶
的 は 日 本 語 ﹁先 生 ﹂ 由 来 の X 3 o ︵
語 の日本 語 か ら 形 式 を 取 り 入 れ な が ら 、 再 語 彙 化 な ど ア ﹁生 徒 ﹂ 由 来 の X 8 の言 い換 え であ る。 こ のよう な 言 い
タ ヤ ル語 に よ る影 響 を 受 け る 一方 、 類 推 や経 済 性 が作 用 換 え に対 し ては 、 賛 成 派 が あ る 一方 で、 な じ み がな く 実
台湾に渡った 日本語

し て規 則 化 や過 剰 般 化 、 単 純 化 と い った普 遍 的 な 変 化 を 用性 が 低 いと 主 張 す る反 対 派 も あ る。
生 じ さ せ て編 成 さ れ た 独 自 の体 系 を 持 つ言 語 な の で あ 社 会 的 に優 位 な 華 語 に圧 倒 さ れ て、 原 住 民 族 諸 語 の継
一。
2 承 が危 ぶま れ る な か 、 新 物 。新 概 念 を 表 現 す る に は華 語
の語 彙 を 取 り 入 れ な け れ ば な ら な いと いう ジ レ ン マも 現
、そし 。 、
地 には あ る。 新 しく 入 ってく る華 語 由 来 の借 用 語 オ ー ル の存 在 を 負 の遺 産 と 捉 え る 人 も いる 確 か に そ
鵠 ことばの痕跡

て既存 の日 本 語 由 来 の借 用 語 を ど のよ う に取 り 扱 う か
、 れ を 否 定 す る こ と は で き な い。 そ の こ と も 重 く 受 け 止 め

現地 の苦 悩 はま だ 続 き そう であ る。 な が ら 、 言 語 接 触 研 究 の立 場 か ら いま ま で の欧 米 諸 語
後 半 では宜 蘭 ク レオ ー ル に つ いて紹 介 し た が
、 そ の研 の ケ ー スを 中 心 に 記 述 さ れ て き た 言 語 変 化 と は 異 な った

究 は ま だ 始 ま った ば かり であ る。 世 界 中 のど の言 語 でも 変 化 のあ り 方 を さ ら に 究 明 し て いき た いと 思 う
変 化 は生 じ るも の であ る が 、 そ の変 化 は長 い歳 月 を 経 て
、 注
か ら 完 了 す る のが 一般 的 であ る。 そ れ に対 し て 言 語 接
1  本 稿 で 用 い る 間 南 語 の デ ー タ は 中 華 民 国 教 育 部
触 によ って生 ま れ た ク レオ ー ルは変 化 の スピ ー ド が非 常 ︵二〇 一一︶、客家 語 は客家委 員會 ︵ 二〇 一三︶より引 用。 た
に 速 く 、 変 化 の規 模 も 言 語 体 系 の全 体 に 及 ぶ ほ ど 大 き だ し、声調記号を省 いた。 用例 の後 の注釈 は筆者 が つけたも
のであ る。ま た、 アタヤ ル語 のデー タは簡 ︵一九九七︶ によ
い。 そ のこと も あ って、 ク レオ ー ル の研 究 は 言 語 変 化 の
46 -

。 るも のであ る。
メカ ニズ ム の究 明 に大 き く 貢 献 す る 2 そ の人 数 は、多 い順 に、 鹿 児 島 ・熊 本 ・福 岡 ・広 島 ・佐
 一方 では 、 西
台 湾 に お け る宜 蘭 ク レ オ ー ル の存 在 は 、 賀 ・長崎 ・山 口などと な って いる ︵ 皇湾総督官房臨時國勢調
―――-

、 査部 一九 二七︶ 。
洋 諸 国 と 同様 に 日本 が植 民 地支 配 を し た こと の そ の結 、
3  た だ し、 例 え ば 籍げoこ ﹁食 べ る ﹂ で は 否 定 形 に
果 でも あ る。 そ のた めも あ ってか 、 真 正 面 か ら そ れを 論 3 q営 ” のほか に ご序 い、命令形 に ごg お のほ
ひ q讐 ミ 、け

じ る こと が避 け ら れ てき た。 し か し 、 いま や消 え つ つあ か に すぎ も 併 用 さ れ ており、 ラ行 五段化 が 比較 的 遅 い語 も
る こ の言 語 を 記 述 す る こと は、 こ の地 で生 活 を 営 ん でき あ る。
、 、
、 か つ緊 急 の課 4  宜 蘭 ク レ オ ー ル に は 促 音 が 存 在 し な いた め 例 え ば ﹁作
た 人 々 の歴 史 や文 化 の記 録 と し て、 重 要
る ﹂ の過 去 形 は 8 F S、 ﹁行 く ﹂ の過 去 形 は 〓”に な って い
題 であ る。 ま た 、 日本 語 が 語 彙 供 給 言 語 と な った宜 蘭 ク 、
る。 そ のた め 、 過 去 形 にお いて は いわ ゆ る 一段 動 詞 の ラ行
レオ ー ル にお いて、 日本 語 のど の部 分 が ど のよう に変 化 五段 化 が判 断 でき な い。
し て いる のか 、 日本 語 の変 化 の仕 方 、 ひ いては 、 第 二言
参考文献

語 と し て の 日 本 語 学 習 のあ り 方 を 考 え る 際 に も 貴 重 川 見 駒 太 郎 ︵一九 四 二 ︶ ﹁台 湾 に お いて使 用 さ れ る 国 語 の複 雑
、 性︱ 附 、 方 言 の発 生︱ ﹂ 島日本 語 ﹄ 三 ︶
な 材 料 を 提 供 し てく れ る。 歴 史 的 経 緯 か ら し て ク レ
簡 月真 ︵一九九 七︶ ﹃ 教育部 九 五年度委 辮泰 雅族外 末語語 彙蒐
集建置 工作計書期末報告書﹄ ︵ 未 刊行︶

(税 別)
簡 月真 ︵二〇 一一︶ コロ湾 に渡 った 日本語 の現在︱ リ ンガ フラ

70頁
ンカと し て の姿︱﹄ ︵ 明治書院︶

本体 1,200円
四六判。
客 家 委 員會 ︵二〇 一三︶ ﹃ 客 語 認 証 詞彙 資 料 庫﹄ ︵客 家 委 員會 財前 様
言やヽヽヨ一庁一 府富”
一” ﹄o´けヨヽ︶
字体のはなし
小,西 いず み ︵ 二〇 一一︶﹁ 出雲方言 におけ る ﹃一段動 詞 のラ行 盆国圏け
五段化﹄ に関す る覚書 ﹂ 亀論叢 国語教育 学﹄ 二︶
呉明義 ︵ 二〇 一三︶ ﹃阿美 族語辞典﹄ ︵ 南 天書 局︶
墓湾 総督官 房臨 時國勢 調査 部 ︵一九 三七 ︶ ﹃ 昭和 十年 國勢調査
結果表﹄ ︵ 墓湾総督官房臨時回勢調査部︶

書 くものである、 とい う考 え方か ら、
中華 民国教育部 ︵ 二〇 一一︶ ﹃ 墓湾間南 語常 用詞辞典﹄ ︵ 中華 民

家とⅨ 、最 、専門家として語
できるようになる。将来 に向けて、き
旧字体、異体字、拡張新字体など、漢

本書を読み進 めていけば、 自信 を
の漢字の違いや、楷書・行書、明朝体

不思議 について、具体 的に身近な例
●P x〓日し

―――- 47 -一 一―
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用を考えるために欠かせない一冊。
国教育 部 FC ミけ くσに0一暑 & L[ oけ
﹂o
鄭恒雄 ・顔明仁 ︵ 二〇 一三︶ ﹃ 布農語 郡群方言詞典﹄ ︵ 行 政院原
作籠5族丞台貝合日〓諄やヽヽ 92o一ざ●“﹃︼”もo”0´計ョ、げ●●ヽ
H口嗜o●け ヨ︶
‘ヽ〓3ヽ0・∪o●20 ︵ Nooじ ヽミ ヽヽヽsヽミミざヽ 外 s QοヽきR
いヽぶ燻ヽンヽい●〇図冷︶
﹃争 ω一 府12一
”o
謝辞
本稿 の作 成 に当 た り、 借 用語 に関 し ては ブ ヌ ン語 は余 栄 徳

︵り 〓 ∞″[
”∽マ 一↓算 g Ξ ミ ︶先 生 アミ語 は朱 珍 静 ︵
一 ∪洋 8
、 ″じ 先生 ︵いず れ
r”ヨ一o︶先生 タ ロ コ語 は湯愛玉 ︵ >理 Чメ︼
も 国立東華大学民族語言典伝播学系 の教員︶ にご教示 いただ い
台湾 に渡った日本語

た。宜蘭 ク レオー ルの記述 は東岳村 のイ ン フオー マント の方 々
の協力 を得 た。 図 1は国立東華大学学生黄 子軒 が撮影 したも の
であ る。 記 し て感謝 の意を表す。

文字は
きと印


体、




か ん ・げ っしん ム
︵ ロ湾 ・国立東華大学︶

│ま

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