日本語の数詞の古い姿

7-i_岬 をF
平十た´

雷≡

とばの
のい﹂
謎を解く 安 田 尚道
´

献 に現 わ れ る古 い形 を 示 し 、 そ の上 で 一層 古 い形 を 推 定
― -2-一
V。 1“ ちな -5

す る こと にす る。
日 本 語 の数 詞 は 今 も 昔 も 漢 字 で表 記 さ れ る こと が 多 資 料 の引 用 にあ た って、 濁 点 は 原文 や使 用 し た活 字 翻

く、 実 際 の形 は な か な か姿 を 現 わ さ な いのだ が 確 実 な 刻 のま ま と し 、 勝 手 に補 わ な い。 引 用 文 に お け る ︻
 ︼

用例 を 探 し出 さ な け れば 日本 語 の数 詞 の歴 史 の研 究 は始 内 は 安 田 が 補 った も の。 書 名 の直 前 の洋 数 字 は成 立 年
ま ら な い。 た だ 、 本 稿 では紙 幅 の都 合 で用 例 を多 く は挙
:守

げ ら れ な いの で、 詳 しく は安 田尚 道 ︵
一一〇 一五︶ ﹃
日本 語
2。

武蔵野書院︶を 参 照 し てほ し い。
数 詞 の歴 史 的 研 究﹄ ︵
、 ま た 、 意 味 の上 か ら
日 本 語 の数 詞 に は 、 日本 語 本 来 の大 和 詞 の数 詞 ︵
以下 和 語 数 詞 は 、 語 形 の上 か ら も
、 そ れ ぞ れ に名

和語数詞﹂と呼 ぶ︶と 漢 語 の数 詞 ︵
﹁ 漢語数詞﹂と呼
以下 ﹁ も 、 いく つも の系 列 に分 け る 必 要 があ り
纂´ず
ぶ︶と が あ る。 和 語 数 詞 は さ ら に いく つも の系 列 に分 か 称 を 付 け る こと にす る。
ゝ ︶

漆 れ る が 、 本稿 では 、 こ の和 語 数 詞 の各 系 列 に つ いて、 文 個数詞︶
D ヒト ツ ・フタ ツ ・ミ ッ ツ⋮ ⋮ の系 列 ︵

ミッカ ・ヨ ツカ ︰⋮ の系 列 ︵
・ヽ 日数詞︶ ○そ の や ま ︻=富 士 山 ︼ は こ ゝに た と へは ひ え の山
ヒ ヒ フ
1 ト ッ
・ リ カ
(4)(3)(2)

・フ タ リ ⋮ ⋮ の系 列 ︵
人数 詞︶ ︻=比 叡 山 ︼ を は た ち は か り か さ ね あ け た ら ん ほ と
フー ・ミ ー ⋮ ⋮ の系 列 ︵
唱数 詞︶ し て            ︹ 7 ﹃

9 伊勢物語﹄第9段︺
個 数 詞 の30 0 0 0 0 0は、 個 数
.4 .6 .7 .8 .9 詞 3 ・4 ・
6 ・7 ・8 ・9 か ら 末 尾 の ツを 除 いた も の に ﹁ソヂ を 付

個 数 詞 は 現 代 語 では 、 物 の数 や年 齢 を 数 え る ヒ ト ツ ・ け た 形 であ る が 、 5
0 のイ ソデ だ け は例 外 であ る。
こ のイ
フ タ年ツ ・ミ ツ ツ ・ヨ ツ ツ ・イ ツ ツ ・ム ッ ツ ・ナ ナ ツ ・ ソ ヂ と いう 形 は 一 一世 紀 末 に 生 ま れ た も の で、 さ ら に
ャ ッッ ・コ コノ ツ ・ト ーと 、年 齢 に つ いて のみ用 いる ハ 古 く は イ チ と 言 った ら し い ︵ 、四四九
原田芳起   一九六 一一
タ チ ・ミ ソジ ・ヨ ソジ ・イ ソジ ⋮ ⋮ が あ る が 、 さ ら に 不 ∼四五〇頁︶ 。 な ぜ な ら 、 0 日 は カと 言 っ
5 イ た こと が確 実
定 ・疑 間 のイ ク ツも ﹁数 詞﹂ と し て こ こ に入 れ てお こう o であ る し 、 59
7 ﹃万 葉 集 ﹄ に ﹁五 十 戸 常 ︻= 言 へど ご ︵巻

― -3-―
ミ ソデ ・ヨ ソデ ⋮ ⋮ のデ は古 く は清 音 のチ であ つた ら 4 、
4 ・7 4
6番︶ ﹁五十 寸 手 ︻=生 き てご ︵ 巻12 ・9

2番︶ のよう
し い。 そ れ は、 49 仏 足 石 歌﹄ に
7 ﹃ ﹁弥 蘇 知 ︻ミ ソ チ ご な 借 訓 表 記 が あ る か ら であ る。
と あ る か ら で あ る。 な お、 ミ ツ ツ ・ヨ ツ ツ ・ム ッ ツ ・
個 数 詞 か ら末 尾 の ツ ︵
またはチ/ヂ︶を 除 いた も の ︵

ャ ッツは 、   王 ハ〇 〇年 頃 のキ リ シ タ ン の ロー マ字 資 料 で 数詞語幹︶に は、 助 数 詞 や名 詞 が付 く 。
は促 音 のな いミ ツ ・ヨ ツ ・ム ツ ・ヤ ツと いう 形 であ つた。
助 数 詞 は ヨ ー ロ ッパ 語 に は な いが 、 中 国 語 ・ア イ ヌ
平 安 時 代 ま で遡 ると 、 ヒト ツ ・フタ ツ⋮ ⋮ ト ヲだ け で 語 ・朝 鮮 語 ・ビ ル マ語 。イ ンド ネ シ ア語 な ど に も あ る。
日本語の数詞の古 い姿

な く 、 Ю の倍 数 の ハタ チ ・ミ ソデ ・ヨ ソデ ⋮ ⋮も 、 色 々 一方 、 ギ リ ヤ ー ク語 ︵
﹁ニブ フ語﹂とも呼び、樺太 やアムー
な 物 の数 、さ ら に鳥 獣 な ど の数 を 数 え る のに用 いら れ た。 ル川河 口で話 される︶ や ツ イ ム シ ア ン語 ︵ カナダ の北西海
岸 で話される︶ で は、 数 詞 に 複 数 の系 列 が あ り 、 数 え る
o耶 麻 鶴 播 爾   鳥 志 賦 柁 都 威 底 ︻
山 川 に  鴛 鷺 二 つ居 対 象 の種 類 ・形 状 に よ つて使 い分 け る。 す な わ ち 、 ギ
て︼                ︹ 0 ﹃
2 日本書紀﹄巻2 5 ・歌謡13
7 1番︺ リ ヤ ー ク 語 で は 1 ∼ 5 の数 詞 に 一 一系 列 あ り 、 6 以 上
の謎を解く

の 数 詞 は 一系 列
服部 健
であ る ︵
tooryn

toorax


tobor


toom
tokyn

日数 詞 には大 き く 分 け て 二 つの用法 があ る す な わ ち
t00r
toor
toor

表 1参
一九 五 五︶ ︵
toor
tox
tox
5

昭じ。 ツ ィ ム シ ア
あとイ ツカで冬休 みが終る。﹂
nuuryn

例、﹁ ︶
日ざ

nuwux

nubor

算 日用法 ︵
nukyr

ン語 でも 七系 列 あ
nurax

nuln
nuur
nuur
nuur

nux
nux

” ”0あ H
る ︵ 8r 暦 日用法 ︵ き ま っは 一月イ ッヵだ。﹂
例、﹁ ︶
4
のこ

も∞8189 ︵大 島
nyakkar nliakkar Zakkar
nieenyn mieenyn ttakkar
をakkar

の 二 つだ が 、 1 日 ︵イチ ニチ ・ツイタチ︶以 外 は 語 形 に区
G自「数」


をiyr

稔   一九八九︶
clbor
をax
20x
'ax

zeer
zem
clrar


別 が な い。 日数 詞 の現 代 東 京 語 の形 と 平 安 時 代 ・奈 良
3

いず れも 、 助 数

時 代 の文 献 に見 え る形 と を 次 の表 2 に示 す
ギ リヤ ー ク語の数詞 (表 記 は一部簡略化 した)

詞 の部 分 と 数 詞 の
■lilx

nllbor
l■ ljax
nliyr
maar
miux

nlllr
min■
merax

ツイ タ チ は 現 代 では ク暦 月 の第 一日″ を 表 わす のみだ
一 -4-一

部 分 と を き れ いに
2


切 り 離 す こと は 困 が、 後 に述 べ る よう に、 古 く は色 々な 用 法 が あ った
niaan

4日︶は 、 こ の促 音 を 含 む 形
nlbor
nlrax
niuX

難 であ る。 極 め て ミ ツカ ︵3日︶・ョ ッカ ︵
niyr
niix

nllr
骨 片、毛髪、樹 木、箸 、紐 、針 、糸 な ど niaX

nlm

、 、
が 本 来 のも の で な いこと は 確 か な の で   一般 に は T ヽ
1

古 い段 階 で数 詞 と
助 数 詞 が融 合 し て 力 ← ミヽッヵ] [ョヵ ← ョ ッヵ] であ ると考 え ら れ て い
し ま つた の であ ろ る。 3 日 は 平 安 時 代 に仮 名 で ミカと 書 いた確 実 な 例 が あ
眼球 、石 、貨 幣、刃物 な ど


0ノ。 る が 、 4 日 の平 安 時 代 の仮 名 書 き 例 は ョウ カと いう ゃ ゃ
、後 に
そ れ では 日本 語 意 外 な 形 であ った。 そ し て実 は こ の ヨ ウ カ こそ が
紙 、布 、肌 着 な ど


の日数 詞 や人数 詞 見 ると お り 、 4 日 の本 来 の形 ら し いの であ る
単 なる数 の列 挙

は ど う であ ろう 6 日 は 、 [ムイ カ ← ム ュカ ] と す る 国 語 辞 典 が あ る
舟、鍋 、皿
獣、鳥、魚

か。 が 、事 実 は逆 であ る。 ムイ カ の確 実 な 例 は 一六 〇 〇年 頃

のキ リ シ タ ン の ロー マ字 資 料 ま でし か遡 れ な いの に対
1

衣服




て、 ム ユカ は 平 安 時 代 の確 実 な 例 があ る。 の項 は仮 名 書 き 例 を 一つも 載 せ な い。 確 実 な 例 が 見 つか
7 日 は、 現 代 の東 京 で は ナ ノ カ が主 で、 ナ ヌカ は ま れ ら な か った の であ ろう 。 関 西 では 現在 でも 老 人 は ナ ヌカ
にし か聞 か れ な い。 ナ ノ カ は新 し い形 ら し く 、 江 戸時 代 の方 を 使 う よう だ か ら 、 関 西 で作 ら れ た 江 戸時 代 以 前 の
ま で の文 献 に は な か な か 見 つか ら な い。 ﹃日 本 国 語 大 辞 文 献 を いく ら 調 べ ても ナ ノ カ の例 を 見 つけ る のは 困 難 で
典﹄ ︵初版︶ で は、 ﹁な ぬ か ﹂ の項 が ﹃ 万葉集﹄ を はじ め あ ろう 。 私 は ﹃ 日本 国 語 大 辞 典   第 二版﹄ の数 詞 語 彙 を
と す る確 実 な 用 例 を いく つも 載 せ る のに対 し 、 ﹁な のか ﹂ 4
担 当 し た が 、 曲 亭 馬 琴 の8
︲ ∼肥 ﹃ 南 総 里 見 八犬 伝 ﹄ に ナ

ノカ が あ る のを 見 つけ た の で、 そ れ を 載 せ た。 馬 琴 は江
戸 で生 ま れ 、育 ち 、 暮 ら し 人 であ る。
算 日〕


8 日 は 、 多 く の国 語 辞 典 が 、 [
ヤ カ ← ヤ ウ カ ← ヨー
ヒ1]卜 乙ヒ甲〔
現 代 (東 京 )。 平 安 時 代 ・ 奈 良 時代 の 日数 詞

カ ] だ と し、 用 例 と し て 72 ﹃
︲ 古事 記﹄ ︹上巻︺ や 7 0 ﹃日

モ甲モ甲カ
奈良時代

ト乙ヲカ
巻 2︺を あ げ て き た 。 し か し 、 こ れ ら の ″用
フッヵ

ナヌ カ

本 書 紀﹄ ︹
――

イカ
――

ーー

ーー
ーー

ーー
―一
例 ク の原 文 は いず れ も 漢 字 で ﹁八 日﹂ と 書 か れ て いるも

一 -5-
暦 日〕 ―



の で、 こ れ を 奈 良 時 代 に ど う 訓 読 し た の か は 分 か ら な
算 日〕

トヲカ、トウカ
い。 そ し て、 ﹁八 日 ﹂ に ﹁ヤ カ﹂ と いう 訓 を 付 し た 文 献
ツイ タチ 〔
ヒ トヒ〔
平安時代

ココ ヌカ
は 、 本 居 宣 長 以 前 に は全 く 存 在 し な い の であ る。
イクヵ

フッヵ

ョゥヵ
イッカ
ムユ カ
ナヌ カ
ャ ゥカ

ハ ッヵ
ミソカ
ョソ ヵ

モモ カ
ミカ

イヵ
宣長 は ﹃ 古 事 記﹄ 上 巻 の天 稚 彦 の条 の ﹁如 此 行 定 面日
0 2
八 日夜 八夜 以 遊 也 ﹂ と いう 一節 に つ いて、 7
9 2
算 日〕
暦 日〕
∼8 ﹃古事
日本語の数詞の古い姿

︲ ︲

ナ ノカ、ナ ヌ カ

ミソカ 〔月末〕
記伝 ﹄ で言 ヽ
つ 入 ︾内は版本 で小字 二行割り の部分︶ 。
現代 (東 京)

イチ ニ チ 〔
ツイ タチ 〔
ナ ンニ テ

ココ ノカ
フツカ
ミッカ
ヨ ッカ
イツカ
ム イカ
ヒ ャ ヵ ョャ ョ

ヨー カ

トー カ
ハ ツカ
ャョ ャヒ
o日 八 日夜 八夜 、 八 日 は 八夜 に期 ひた れ ば 、 耶 比 と 訓

100 -―
40 -―
50 -―
べき が如 く な れ ど も 、 猶 耶 加 と 訓 べし 、 ⋮ ⋮ ︽さ て
表2

10
1

30
n

2
3
八 日 は 、 古 今 集 な ど に耶 宇 加 と 見 え 、 常 にも 然 い へ

4
5

7

20
6

8
9
の謎を解く

ど 、 そ は音 便 に て、 耶 を 延 た るも の に て、 古 言 の正 oゃ ︲か [名 ]八日。劃引洲 におな じ。古 語 。 記 ﹁かく
しき 例 に は 非 ず 、 ⋮ ⋮ ︾ お こな ひさだ め て、 ひ やか、 よ やよを あ そび た りき ﹂
電古事記俸﹄十三之巻神代十 一之巻︺
上 田 万 年 ・松 井 簡 治 ︵一九 一五∼ 一 九 一九︶ ﹃大 日本 國
コざ

す な わ ち 、 ﹁ヤ カ ﹂ は 本 居 宣 長 の案 出 し た も のだ った 語 辞 典 ﹄ や大 槻 文 彦 ︵一九 ≡ 一∼ 一九 一
一モ ︶﹃大 言 海﹄ は
の であ る。 宣 長 は、 ど cと いう 母 音 連 続 を 持 つヤ ウ カと 巻 2︺ の原 文 を 引 き 、
のこ

﹃古事 記﹄ ︹ 上巻︺ や ﹃日 本 書 紀 ﹄ ︹
いう 語 は本 来 の形 では な く 、 音 変 化 の結 果 生 ま れ た 新 し ﹁八 日 ﹂ に ヤ カと いう 訓 を 付 す 。 以 後 、 多 く の国 語 辞 典
G自「数」

い形 だ と 考 え た の であ ろう 。 し か し宣 長 自 身 も 言 う と
ク が こ のヤ カ を ﹃ 古 事 記 ﹄ あ る いは ﹃日 本 書 紀 ﹄ の ″用
おり 、 ﹃
古 今 和 歌 集 ﹄ に仮 名 書 き のヤ ウ カ が あ る。 例 ″ 付 き で載 せ る こと と な る が 、 ﹃日 本 書 紀 ﹄ の古 写 本
でも 、 ﹁八 日﹂ に ヤ カと いう 訓 を 付 す も のは な い。
○やう か の日 よ め る 9 日 は 、 個 数 詞 の コ コノ ツと の対 比 か ら 、 コ コヌカ よ
― -6-―

5 ﹃

0 古今和歌集﹄ ︵ 3番 ・詞書と
巻 4 ・︲
8 り も コ コノ カ の方 が古 いと 思 わ れ が ち だ が 、 事 実 は そ の

逆 で、 平 安 時 代 に は コ コヌカ の形 し か 見 え な い。
他 にも 平 安 時 代 の数 種 の文 献 に ヤ ウ カ の例 が あ り 、 こ さ て、 日 数 詞 の語 構 成 は 、
  一般 に は 、
の時 代 に ヤ ウ カ の形 が実 在 し た こと は確 実 であ る。
し か し宣 長 の影 響 は 大 き く 、 大 槻 文 彦 ︵一八八九︶ 冒[ 個 数 詞 語幹 + カ
海 ﹄ や 山 田美 妙 ︵一八九 一 こ ﹃日 本 大 辞 書 ﹄ は ﹁やう か ﹂
の項 で、 ″ヤ ウ カ は ﹁や か ノ 延 ﹂ であ る と し 、 ﹁や か ﹂ であ ると 考 え ら れ て いる。 し か し平 安 時 代 の日数 詞 と 個

を も 見 出 し に立 て て いる ︵いずれ も 用 例な し ︶。 数 詞 と を 表 3 のよ う に ロー マ字 書 き に し て並 べ て み れ
ク用 例 付 き で ﹁やか ﹂ の項 を 立 てた のは
ク 落 合 直 文 ︵一 ば 、 そ れ が妥 当 でな いこと は す ぐ に わ か る であ ろう 。
八九八︶ ﹃こと ば の泉 ﹄ が最 初 ら し い。 も し も 日数 詞 が [個 数 詞 語 幹 + 力] であ る のな ら ば 、
大 言 海 ﹄ な ど の説 く 如 く 、 古 く は 2 日 は フタ カ、 7 日

は ナ ナ カ、 2
0 日 は ハタ カ でな く ては な ら な い。 し か し 、
︿1﹀ 算 日 用法 ︵例、﹁
あとイ ツカで冬休みが終る。 ﹂︶
そ のよう な 形 はど の時 代 にも 存 在 しな いの であ る。 例、﹁
︿2﹀ 暦 日 用 法 ︵ き ま つは 一月イ ツカだ。
﹂︶
表 3 に 太 字 で 示 し た 通 り 、 多 く の 日 数 詞 は とS で
終 つて いる が ︵ 4日 のヨウカも そ の 一3 、 な ぜ uと いう こ のう ち ︿2︶ の暦 日 用 法 は 、 以 下 に見 ると お り 、 平
母 音 が あ ら わ れ る のか、 n日 ・5 日以 外 は 通 説 に よ つて 安 時 代 に は さ ら に複 雑 であ った。
は どう し ても 説 明 でき な い。 そう だ と す れ ば 、 む し ろ こ
の uはも と も と あ つた も の、 と 考 え る べき では な いか 。 ︿2 ・1﹀ 日数 詞 の後 に ﹁ノ 日﹂ を 加 え る こと が あ つた
す な わち 、 ク
古 く ﹂F”な る形 態 素 が あ って、 そ れ が 個 もち ろん、加えな いこともあり、 ●を付けた︶
︵ 。
数 詞 語 幹 に付 いた のが 現在 見 る 日数 詞 の祖 型 だ と 考 え

表 4参昭じ。
る の であ る ︵ oむ つき のみ か の 日 お ま へにお ほ せ こと あ るあ ひた に
こ の日 数 詞 に は 、 さ き に 述 べ た よう に、 大 き く 分 け ︹5 ﹃
0 古今和歌集﹄巻 1・ 8番 ・詞書︺

― -7-―
て 二 つの用 法 が あ る。 ●あ ま のか は いは こす な み のた ち ゐ つ ゝあ き のな ぬ か
︲ ﹃
のけ ふを こそ ま て     ︹
5 0番︺
後撰和歌集﹄巻5 ・2


平 安 時 代 の 個 数 詞 と 日数 詞

uka
潅蘇日〕

mo甲 _uka
算 日〕

9 kokOnuka・ *ko乙 kO乙 nO乙 ‐

uka
uka
kokonuka

uka

uka

30 mlsoka← *Inl性 sO甲 ‐
sO甲 ‐

muyuka

mOmoka

uka
tOwOka
nanuka
tuitati〔
日数 詞

mlsoka
futuka

yosOka
youka

2 futuka← *futa‐ uka
yauka
ikuka

fatuka

uka
*Inuyu‐

*tottwo‐
ituka

uka
_■

mika

uka

40 yosoka― *yO乙 ‐
n lkuka← *iku― uka

*nana―
日本語の数詞の古 い姿

100 momoka← *mott
uka
*yo乙 ‐

8 yauka← ya‐ uka
nt。

nll甲 ―
ika

4 日数 詞 の 祖 型

*fata‐
*itu―

50 ika― *i uka
は推 定 形 の 印 )

6 muyuka―
tu

7 nanuka←

10 tOwOka←
momo― ti

20 fatuka←
youka←
5 ituka←
30 1111so― di

40 yoso― di
7 nanatu
tu

3 mlka←
9 kokono‐

ti
個 数詞

6 mu‐ tu
n iku― tu
l nt。 _tu

5 itu― tu
3 mi― tu
4 yo‐ tu

8 ya‐ tu

-― ――
towO
2 futa‐

20 fata―
3

10

4
100
50

(キ

の謎を解く

○かく て 八月 にな り ぬ 二日 のよ さ り か た ⋮ ⋮ い つか の の意 味 が あ つた。

日 は つか さ め し と て            ︹
7 ﹃
蜻蛉日記﹄中︺

●二月 の つひ た ち の日あ め のと か な り ⋮ ⋮ 三 日 か た あ イ ] 暦 月 の第 一日。

き ぬと お も ふを お と な し よ う か ︻=4 日 ︼ も さ てく o正 月 つ いた ち に こ れ か れ あ つま れ ると こ ろ に て
日ざ

れ ぬ るを                ︹﹃ 蜻蛉日記﹄ 下︺ あ た ら し き と し のは じ め のう れ し き は ふ るき 人 と ち
あ へるな り け り
のこ

︿2 ・2﹀ 日数 詞 の直 前 に ﹁ツイ タ チ ﹂ を 付 け る こと が ︹3 ﹃
3 兼輔集﹄ ︵ 西本願寺本 ﹃ 三十六人集し︺

G自「数」

あ った。 o又 こ のお と こ正 月 の つ いた ち の日 あ め の いたう ふり
てな か め いた る に           ︹5 ﹃
6 平仲物語﹄第5段︺

〇二月 にな り ぬ ⋮ ⋮ さ て つ いた ち 三 日 のほと にむ ま 時 [口] 暦 月 の始 め の頃 。 上 旬 。 初 旬 。
4 ﹃
は かり に みえ た り               ︹
7 蜻蛤日記﹄下︺ o六 月 にな り ぬ つ いた ち か け てな か あ め いたう す

― -8-一

o ︻
婿 取 り の日取 り を ︼ し はす の つ いた ち 五 日と さ た ︹4 ﹃
7 蜻蛉日記﹄上︺

め た る ほ と は しも 月 の つこも り は か り よ り いそ き 給 ○や よ いの つ いた ち に いてき た み 曰
る の
ふ               ︹ 鴨 ﹃
落窪物語﹄巻2︺ ︹8 ﹃
0 源氏物語﹄須磨︺


6 ﹃

o つ いた ち 四 日 の つと め て     ︹ 栄花物〓

︲ 己 衣 の珠︺
さ き ほ ど の ︿2 ・2︶ の語 法 の ツイ タ チ を 、 現 行 の国
こ の、 日数 詞 の直 前 に ﹁月 立 チ﹂ を 付 け る暦 日表 現 は 上旬 の意︶ の用 例 と す る。 し か し 、
語 辞 典 は 右 の [口] ︵

現代 沖 縄 方 言 ︵沖縄本島 の睡配柾 ・利許旺︺ 渡熟難島 の渡嘉 そ れ な ら ば ﹁つ いた ち の三 日﹂ ﹁つ いた ち の五 日 ﹂ と い
敷村、八重山諸島 の波照間島 の竹富町︶にも あ り 、 清 の冊 封 う 言 い方 が あ っても よ さ そう なも のだ が、実 際 に は な い。


副 使 の徐 保 光 の 7


中 山 伝 信 録 ﹄ ︹
琉球語 ・時令︺にも 見 思う に、 ︿2 ・
2﹀ の言 い方 は、 も と も と は 、
える ︵ 安田 一一 〇 一五、一二三ハ頁∼︶ 。
平 安 時 代 に は 、 ツイ タ チ に 以 下 の [
イ ] [口] の 二 つ ツイ タ チ ︹
上旬 の意 の名 詞 ︺ + 日数 詞
P

では な く 、 字 資 料 に 見 え る も のも 、 表 5 に 見 る 通 り 現 代 と あ ま り 違
わ な い。
月 ︹
主語 ︺ + 立 チ ︹
述 語 ︺ + 日数 詞 キ リ シ タ ン の ロー マ字 資 料 で は 、 4 人 は ヨ ッタ リ が 普
通 で ヨ ニ ン は ま だ あ ま り 使 わ れ な か った 。 3 人 は 漢 語 数
と いう も の で は な か った か ︵ 。 た だ、 そう だ と す
注 1︶ 詞 で サ ン ニ ンと 言 う の に 、 4 人 で ま た 和 語 の ヨ ッタ リ
ると 、 暦 日 の1
0 日 ・0 日 は ﹁ツイ タ チ ︲ト ヲカ ﹂ ﹁ツイ
2 を 用 いる のは
タ チ ︲ハツカ﹂ と 言 った はず であ る が 、 実 際 に は ﹁ツイ ち ょ っと 変 で あ


イチ ニ ン

サ ンニ ン

ロ クニ ン
シチ ニ ン
ハチニ ン
表 5 現代 東京語 とキ リシタンの ローマ字資料の人数表現


タチ ︲ト ヲカ﹂ にあ た る形 が ﹃中 山伝 信 録﹄ と 波 照 間島 る が、 こ れ は、

ニニ ン

よニ ン
ゴニ ン

クニ ン
方 言 に見 え る のみ であ る。

ンユ
ーー
漢 語 数 詞 の ﹁四

キリシタン資料
この日数詞 の直前 に ツイタチを付ける用法は、古典 で 人 ﹂ が ﹁死 人 ﹂


は0 正編︶が下限 であ る。本土 の平安時

9-一
︲ ﹃
栄花物語﹄ ︵ に通 ず ると し て

い くた リ

よつ た り
(和 語数詞は平仮名、漢語数詞 は片仮名で記す)

ひと り
代語を当時 の沖縄本島 や波照間島 の人 々が取り入れた、

ふた り
忌まれたため で

――

ーー
波照間島は日本最南端 の有人島 で、那
と は考 え にく いの で ︵ あ る ら し い。 た
、 沖 縄方 言 と 中央 語 と が分
覇市から四七〇キ ロ離れている︶ だ、 ﹃
平家物語﹄

シチ エ ン、 なな ニ ン

クニ ン、 キ ューニ ン
離 す る以前 か ら あ つた語 法 な の であ ろう 。 の 一部 の 写 本 や
平 曲 の写 本 な

ジュー ニ ン
ど に は ﹁四 人 ﹂

なん ニ ン

サ ンニ ン

ロ クニ ン

ハチ ニ ン
日本語の数詞の古い姿

よニ ン
ゴニ ン
﹁四 人 ﹂ ﹁四 人 ﹂

1 ひ と リ ーー
2ふ た リ ーー
人 数 詞 の古 い確 実 な 用 例 は 1人 ・2人 以 外 は極 め て少 と い った 例 が あ

現代東京語
な い。 現代 語 では人 数 表 現 は漢 語 数 詞 が 優 勢 で、 完 全 に り ︵注 2︶、 シ

一一
和 語 数 詞を 用 いる のは 1人 と 2人 だ け ︵n人と4人は和漢 ニ ン が ま つた く
混滑形︶ であ る が 、
  三 ハ〇 〇年 頃 のキ リ シ タ ン の ロー マ 使 わ れ な か った

10
3
4
5
6
7
8
9
n
の謎を解く

ゎ け では な い。
る か ら 、 学 者 が机 上 で作 り あ げ た 擬 古 語 では
1人 と 2人 は 、 キ リ シ タ ン の時 代 か ら 明 治 なく 、実 在
時 代 ま で、 し た も のと 考 え ら れ る。
和 語 数 詞 のヒト リ ・フタ リと 漢 語 数 詞 の
イ チ エン ・ニ ニ 6人 を 和 語 数 詞 で表 現 し た 平 安
ンと が併 用 さ れ た こと が確 認 でき 。 時 代 の 例 が 、 ﹃日 本 書
る 紀﹄ の永 治 二 ︵一一四一こ 年 頃 の訓 に見 え 。
など

3人 は 、 平安 時 代 ま で遡 ると 、 仮 名 で る
ミ タ リと 書 いた
例 が あ る。 し か し 大 部 分 は漢 字 で ﹁三人 コ ェ
のこ

﹂ と 書 か れ てお o鵬 だ 盤 。兄 麻 呂 ・弟 麻 呂 ・御 ミ を
解 ・ル 能 。針 た 口
り 、 サ ン ニンと 音 読 す る こと も 少 な な つ 送
く か た ろう 。 大連       ︹ 4 ︵
G自「数」


日本書紀﹄巻1 図書寮本永治 二年頃点と
4人 も 仮 名 書 き さ れ る こと は稀 であ る が 、
平安 時代 に
は ヨタ リと いう 例 が あ る ︵ ヨツタリの例は見えな い︶。 ﹁室 ﹂ 以 下 ﹁針 ﹂ ま では 人 名 で、 ﹁六 日﹂ は
5 人 を ﹁︲ト リ ﹂ 7 タ リ ﹂ 型 の人 数 詞 で ﹁六 人﹂ の
表 現 し た仮 意。 ﹁ を ﹂ は ヲ コト点 で記 さ れ て いる。 ﹁ム ユ﹂ に
名 書 き 例 は、 平 安 時 代 の仮 名 文 学 に は全 は声 点
――

く 見 え な い。 現 が付 さ れ て いる が 、 こ のム ユだ け で人数
を 表 わ し たと は
- 10 -―
存 の写 本 ・版 本 に よ る 限 り 、 ほ と ん ど
み な 漢 字 で ﹁五 考 え にく い。 こ れ は お そ ら く 、 6人 を 表 わ
人 ﹂ と 書 か れ て いて、 音 読 し た のか す 言 い方 ︵ た
訓 読 し た のかも 分 か とえばム ユノヒト、ある いはム ユヒト︶ の 一部 分 だ
ら な い の であ る が 、 ﹁五 に ん ﹂ と 書 い 6 けを 記 し
た例が 0 5 ﹃天喜 四 たも のであ ろう 。 訓点 資 料 では、 語 形 の 一部
︲ 分 だ け読 み
年 皇 后 宮 寛 子 春 秋 歌 合﹄ の日記 ︵ 歌合 の次第を記した文章︶ 方 を 記 す と い
う こと は よく あ る こと であ る。
に 二例 あ る の で、 当 時 の日常 語 と し てゴ
ニンと いう 漢 語 7人 は 、 [ 個 数 詞 語 幹 + ノ + 人 を 表 わ す 名 詞] と い
数 詞 が使 わ れ て いた こと が わ か る。
う 言 い方 を し た も のが 平 安 時 代 に何 例 かあ る が 、
そ れ では平 安 時 代 に は 5人 を 表 わ す 語 こ の時
和 数 詞 はな か つ 代 に は ナ ナ タ リと いう 形 は 見 え な い。
鶴 辞 餌 りな 黎 諄 許 予 燭 狂 輝 詞
○や のう へにな ゝの法 師 あ り て経 を よ む ⋮
号︶付 き でイ ト リ が 載 って いる。 こ の形 、 ⋮な ゝの法
は ヒ ト リ ・フ 師 た ち ま ち に みえ す
タ リ ・ミ タ リ ・ヨタ リ か ら の類 推 では れ
作 な いも の であ ︹
蜘 ﹃
三宝絵﹄ ︵ 2話︺
東大寺切︶中巻第 1


﹁F
..

o七 人 のと も お な じ所 にす ま ず ⋮ ⋮な ヽのと も が ら つ 七 賢 人等 も 欲 り せ し は
物 酒 に し あ る ら し ︼
4 ﹃
ど ひ て⋮ ⋮         ︹
8 う つほ物語﹄ ︵ 前田本︶俊蔭︺ 0
9 ︵巻3 ・34番︶
o端 寸 八為   老 夫 之 歌 丹   大 欲 寸   九 児 等 哉   蚊 間 毛
ま た、 9
7 万 葉 集 ﹄ の、
5 ﹃ は し き や し翁 の歌 に お ほ ほ し き 九 児 等 や か
而将 居 ︻
ま け て居 ら む ︼                    ︵
巻1 4
6 ・7

3番︶
o古 之   七 賢 人等 毛   欲 為 物 者   酒 西有 良 師 ︻
古 への
の ﹁七 賢 人 等 ﹂、 ﹁九 児 等 ﹂ を 、 古 写 本 の訓 で は そ れ ぞ
コ コ ノ ノ∼

れ ナ ヽノ カ シ ョキ ヒト ヽモ、 コ ヽノ ヽコラと 読 ん で いる
平 安 時代

ナ ナ ノ∼
ムユ ∼ ?
ヒ トリ
フタリ
ミタ リ
ヨタリ
イ トリ

が、 こ れ ら も 右 と 同 じ表 現 法 に よ って いる。
こ の、 [
個 数 詞 語 幹 + ノ + 人 を 表 わ す 名 詞 ] と いう
言 い方 は沖 縄 の宮 古 方 言 にも あ る。 伊 波 普 猷 ︵一九 一五︶
沢 木 幹 栄 (音 素 表 記 )

に見 え るも の ︵
﹁宮古﹂とだけあり、詳し い地名は不明︶と 、

-11-
kukununupitu
宮古 方 言 と平 安 時 代 の 人数 表 現

misucinupitu
mumunupitu
沢 木 幹 栄 が 一九 七 四年 ご ろ調 査 し安 田 に教 示 し た宮 古 諸

tuutavukiaa
mujunupitu
nananupitu

patanupitu
tuunupitu
Jaanupltu
icinupitu
島 伊 良 部 島 の佐 和 田 のも のと 、 平 安 時 代 のも のと を 表 6
tavukjaa

tuufutaa

mitaa
utaa
futaa

」 に並 べ て示 し ておく 。


沖 縄 では 、 7 ト リ﹂ 7 タ リ﹂ 型 の人 数 詞 が 使 わ れ る

patanupsltu tavky五
のは 4人 ま で であ る点 が平 安 時 代 の言 い方 と や や異 な る
日本語の数詞の古い姿

が、 と も か く 4人 ま た は 5人 のあ た り を 境 目 にし て言 い

100 mumunupsltu
7 nananupsltu
表 わ し方 が大 き く 変 る のは 、 宮 古 方 言 と 中 央 語 と が 分 離

5 itslnupsltu

伊 波普猷
l tavkya
す る 以 前 か ら あ つた こと な の であ ろう 。

8 -―――

-― ――

-― ――

30 -― ――
4 yutal
3 mital
futal

-― ―

11 -
8 人 を ﹁︲ト リ ﹂ 7 タ リ ﹂ 型 の人 数 詞 で表 わ し た 例

12 -
6 -
6
が 平 安 末 期 にあ る。

2

9

21
10

20

のこれどの謎を解く

○ む かし の佛 のやた り の王 し十 六 の沙弥 なと の御 あ
も 六 七 八九 十 ﹂ と いう 漢 字 で記 さ れ た 唱 え 言 が あ り 、 これ
り さまな る へし      ︹ 0
7 Fフ


︲ 鏡∵ すべらぎ下︺ を ﹃釈 日 本 紀﹄ が 訓付 き で引 用 し て いる。
こ の例 は孤例な ので、当時普 通 に用 いられ て いた語 で
はなく、作者 が作り 上げ た擬古語 であ ろう と私 は見 る。
室 町時代 の訓点資料 や江 戸時代 の擬古文 にも、ま れ に
謳 燿ン 灯 簑
イ ツタリ ︵5人Y ムタ リ ︵
6人γ ナ ナタ リ ︵7人︶と い 電澤日本紀﹄巻第十五 ・述義十 一・第十九︺
「数」

う 語 が見え るが、 それらも学者 や作家 が机 上 で作り 上げ
た擬古 語 で、 一般 には使われなか ったと思われ る。 釈 日 本 紀 ﹄ は 一三 世 紀 末 の成 立 だ が 、 こ の ﹁ヒ ト ・

フタ ・ミ ・ヨ ・イ ツ ・ム ユ ・ナ ナ ・ヤ ・コ コノ ・ト ラ﹂
鵠 ︲ ︲ ︱ ︱ ︱
同 昌 闇 日
先 代 旧 事 本 紀 ﹄ 成 立 当 時 のも のな のか 、 あ
と いう 訓 が ﹃
0 日 同 国
︲ ︲ ︲ ︱ ︲ る いは ﹃ 釈 日本 紀 ﹄ の時 代 のも のな のか は 決 定 でき な い - 12 -
唱 数 詞 と は 、 ﹁ヒ ー ・フー ・ミ ー ・ヨー ⋮ ⋮ ﹂ の よう が 、 と も かく 、 唱 数 詞 の 1∼ 9 は古 く は個 数 詞 語 幹 と 同
に、 物 の数 を 口 で唱 え な が ら 数 え ると き の数 詞 。 今 は 1 じ形 ︵6を除く︶ であ つた こと が わ か つた 。
∼01 し か 用 いな いが 、 平 安 時 代 に は 1
0 の倍 数 ︵0 ・0 . こ の唱 数 詞 は 、 物 の数 を 数 え る ほ か に、 お手 玉 遊 び の
1 2
0 .0︶ の例 が あ る。
3 4 よう に早 口 で数 を 数 え る場 合 にも 用 いる。
お手 玉 遊 び に似 た 、 小 石 を 用 いた ﹁ひ ふ﹂ と いう 遊 び
o ︻
碁 の目 の数 を ︼ お よ ひを か ゝめ てと を は た みそ よ が古 く あ つた よう で、 ﹃ 名 語 記﹄ に以 下 の記 事 が あ る。
そ な と か そ ふ る さ ま いよ のゆけ た も た と ノ<ヽ
︱し か る
8 ﹃
ま しう み ゆ                   ︹


︲ 源氏物語﹄空蝉︺ 二 三 四 五 六 七 八九 十 ヲヒ フトテ手 二石 フタ ツフモiア

カ ー

ハリ /ヽ タ マニト ル ニヒ フミ ヨ イ ム ナ ヤ コト トイ

先 代 旧事 本 紀 ﹄ ︵
平安時代初期成立︶に は ﹁一二 三 四 五 ル ハハヤ カ ノ 一ョリ十 マ一
フ 真 貴 ノ名 ・
ァ 侍 ヘリ ケ リト

推 セ ラ レ タ リ   ソレ ヲヒト フタ トモイ ヒ ヒト ツ  フタ と いう のは 、 いず れ も 私自 身 にと っても 意 外 な も のだ っ
ツトモイ ヘル故 ハ算 ノ位 ・ 手 侍 ヘリ ケ ル也 た。 も ち ろ ん、 私 の結 論 に賛 成 で き な い方 も あ ろう が 、



2 ﹃
︲ 名語記﹄巻第 4 ・35丁︺ そ の場 合 も 、 私 が 示 し た 用 例 を 出 発 点 と し て ほ し い。
名 語 記 ﹄ は 一二 六 九 年 の成 立 で、 こ の こ ろ す で に、
﹃ 注
特 に は や く 唱 え る 際 に は ﹁ヒ ・フ ・ミ ・ヨ ・イ ・ム ・ 1  本来 は 一語 ではな い ﹁ツキ ︲タチ﹂も、 元 々の語構成 が忘
れ去 られ、名 詞とし ての ツキ タチが ツイ タチ に変化 した のに
ナ ・ヤ ・コ ・卜 ﹂ と 唱 え る こ と が あ つた こ と が わ か つ
引 かれ て ツイ タチと いう 形 にな ってしま った のであ ろう。
た。 2  具体例を 一つだけ挙げ ておく。
0 ∼ 0も 個 数 詞 語 幹 に 一致 す
唱 数 詞 の語 形 は 1∼ 9も 2 ﹁二條 猪 の熊 な る所 に て 。四 人 討 と り 二人 生 ど り に し て﹂

るが、 ム ユ ︵6︶だ け は例 外 で、 個 数 詞 か ら導 け な い。 ﹁平家正節﹄ 釜目洲文庫本︶巻 4上 ・信連合戦︺

―――- 13 -― ――
厖麟諏聯
︵一九 一五︶﹁琉球 語 の数詞 に ついて﹂ ︹矢袋喜 一 ﹃

球古末 の敷學﹄、宝文館︺
大島稔 ︵一九 八九︶ ﹁ツィムシ アン語﹂ ︹ 亀 井孝 ほか ﹃
言語学大
本 稿 に記 し た 日本 語 数 詞 の古 い姿 、 す な わ ち 、
鼈 げ 導 瑾 乳 潮薦 靡 岬 驀 墓 牌
ξ 詰 話 郎

a日数 詞 の古 い語 形 ︵ 個数詞語幹 に と訂 が付 いた︶ 。 ﹃泄堺奮語概説﹄ 下巻、研究社辞書 部︺

原 田芳起 ︵一九 六 二︶ ﹃ 平安時代文 学語彙 の研究﹄、 風間書房
的 人 数 は 6 人 以 上 は ﹁︲ト リ ﹂ ﹁︲タ リ ﹂ 型 で表 わ さ
安 田尚道 ︵ 二〇 一五︶ ﹃ 日本語数 詞 の歴史的 研究﹄、武蔵 野書 院
日本語の数詞の古い姿

ず [
個 数 詞 語 幹 十 ノ + 人 を 表 わ す名 詞 ] と 言 っ ωo”´ ﹃ヽ
”●N︵QHP︶﹃
︸ 口”o﹂げo●庁o﹂>■︼
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”●r”
●”〓””o∽
た。 ﹁”〓こ ︹Ooくo﹃●日o口け﹁﹃〓一F”OBopくヽ ”
∽〓●ざ●︺

c暦 日 は 元 来 ﹁ツイ タ チ ○ 力 ﹂ の よ う に 言 った 。
︲ やすだ 。なお みち 主
︵ 目山学院大学名誉教授 ︶
同 6 は 日数 詞 ・人 数 表 現 ・唱 数 詞 に ム ユと いう 形 が 現
わ れ る。

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