第 II 部

深層ネットワーク:現代的な実践
本書のこのパートでは,実践的な応用の解決に使われる,現代の深層学習の状況をまと
める.

深層学習には長い歴史と多くの野望がある.いくつかの手法は,提案されてはいてもまだ
完全には実を結んでいないし,いくつかの野心的な目標は,まだ実現されていない.このよう
な深層学習の発展途上の分野は,本書の最後のパートで登場する.

このパートでは,既に産業界で広く使われているような,本質的に機能している技術に関す
るアプローチだけに焦点を当てる.

現代の深層学習は,教師あり学習に対して非常に強力な枠組みを提供する.1 つの層の中に
さらに多くの層とユニットを追加することによって,深層ネットワークは複雑化する関数を
表現できる.入力ベクトルから出力ベクトルへの写像で構成され,人間が簡単かつ迅速に実
行できるタスクのほとんどは,十分に大きなモデルと十分に大きなラベル付き訓練事例があ
れば,深層学習で達成することができる.あるベクトルを他のベクトルに関連付けて記述で
きないタスクや,人間でも実行のために熟考する時間が必要なほど難しいタスクについては,
今のところはまだ深層学習で実行できる範囲を超えている.

本書のこのパートでは,現代の深層学習の現実的な応用のほとんどすべてに関わる,中核
となるパラメトリックな関数の近似技術について説明する.まず,そのような関数を表現す
るために使われる順伝播型深層ネットワークモデルの説明から始める.次に,そのモデルの
正則化と最適化のための高度な技術を紹介する.順伝播型深層ネットワークモデルを高解像
度の画像や長い時系列のような大きな入力に対応に拡張するためには,特殊化が必要になる.
ここでは,大規模な画像に拡張するための畳み込みネットワークと,時系列を処理するための
再帰型ニューラルネットワークを紹介する.最後に,深層学習に関する応用の設計,構築,そ
して設定に関わる実践的方法論についての一般的なガイドラインを示し,その応用のいくつ
かを概説する.

これらの章は,深層学習を実装し活用することで,今日ある現実世界の問題を解決したいと
考えている実践者にとって最も重要である.

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