アクティベート ・ リーフ　No.

581

なぜ、船の中で食べないの？
あなたもやっていませんか？ もったいない生き方を・・・

築紫　裕子

こ
れはまだ飛行機などなく、外国に行くには船を 最近ある牧師がこのストーリーを引き合いに出して、多
利用していた時代のお話です。ある街に貧しい くの信仰者はこの青年のようだと語ったのです。それは
青年がいました。遠い外国の地に行って、いろいろな 私にとって、自分の信仰の在り方を深く見つめなおすきっ
ことを学び、自分の夢を叶えたいと考えていましたが、 かけとなりました。
渡航できるほどのお金は、どんなに働いても貯まりま 　イエス・キリストを心に受け入れた時、私たちは天国
せん。 行きのチケットを受け取りました。それは、恵み深い天
　そんな時、裕福な叔父が費用を出してくれることに の神様からのプレゼントです。神様は、私たちが将来天
なりました。彼自身、若かった頃に同じような夢を抱 国に来て一緒に住めることを望んだので、そのチケット
いていたものの叶えられなかったので、甥に自分の夢 を下さいました。でも、それは天国の入場券であるだけ
を託したいと思ったのでした。青年は心から感謝し、 ではなく、途中の旅路での必要も提供してくれるパッケー
叔父が買ってくれたチケットを手に船に乗りこみま ジ・ツアーのチケットなのです。
した。 　なぜ 神様はそんなに良い待遇をしてくださるのでしょ
　ところが、船の中は、今までの生活とは別世界。皆 うか？　それは、イエス・キリストを救い主として心に
きれいに着飾って、毎朝毎晩美味しそうなご馳走を食 受け入れたその瞬間、私たちが神様の家族の一員となっ
べています。彼は思いました。『僕にはこんな豪勢な たからです。神様は、信じる者全員をご自分の子として
食事代を払う余裕は無い。新しい国で生活していくた 受け入れ、子として世話したいと思われているのです。
めにもお金が必要だ。』
　そこで、一人寂しく、持ち込 　そんなシンデレラ・ストーリーのような話があるはず
んだわずかな食料を少しずつ船室で食べていました。 ないと思う方もいるかもしれませんが、聖書には、その
　でも目的地の港に到着する日、最後の一日ぐらいは ことについて幾つもの約束が書かれています。
ご馳走を食べようと船内のレストランに行きました。
入り口でいくらかかるのか尋ねた青年は、その答に返 「しかし、彼（イエス）を受けいれた者、すなわち、そ
す言葉もありませんでした。 の名を信じた人々には、彼は神の子となる力を与えた
　
「船内でのお食事代は全てチケット代に含まれてお のである。」　
ります。」 － 聖書　ヨハネの福音書 1 章 12 節
　この言葉が何度も耳の中で鳴り響きます。青年は愕
然として立ち尽くすばかりでした。彼はそうとは知ら 「というのは、彼（イエス）によって、わたしたち両方
ず、ずっと一人粗末な食事をしていたのです。なんと の者が一つの御霊の中にあって、父（神）のみもとに近
もったいない話なのでしょう。 づくことができるからである。そこであなたがたは、
もはや異国人でも宿り人でもなく、聖徒たちと同じ国
　でも、この青年がしたことが、今のあなたの状態と 籍の者であり、神の家族なのである。」　
同じだとしたら・・・？　どういうことでしょうか？ － 聖書　エペソ人への手紙　2 章１８-１９節
　だからといって、全てが自動的に与えられるわけで
はありません。そんなことをしたら、私たちは甘やか
された子どもとなってしまいます。ある程度大きくなっ
た子どもに、お父さんが何でもかんでも好きなだけ買
い与えたとしたらどうなるでしょう。きっとその子は、
お願いすらしなくても、何でも自動的にもらえるのが
当たり前だと考え、感謝もせず、大切に使うことも学
ばないことでしょう。
　それとは逆に、何か必要なものがあるたびに、「お父
さん、これこれのために、このくらいのお金が必要な
んだけれど、少し出してもらえないかな」と尋ね、そ
の結果、お父さんがそのためのお金を出してくれたと
したらどうでしょう。その子は感謝し、手に入れたも
のも大切に扱うことでしょう。また、お父さんが自分
を応援してくれていると感じるはずです。
　もちろん、神様がいつも最初からすべてのリクエスト
に応じてくれるとは限りません。そうすることがその子
のためにならない場合には、わざと待たせることもあれ
ば、最初から全部与えるのではなく、まずは一部を与
え、残りは「お前が頑張った後にあげよう」となるか
もしれません。そうやってその子の成長を促すのです。
　また、神様は、受け取る私たちの側に、いくつかの
条件を設けています。イエス・キリストご自身がこう
説明しています。
「だから、何を食べようか、何を飲もうか、あるいは
何を着ようかと言って思いわずらうな。これらのも
のはみな、異邦人が切に求めているものである。あ
なたがたの天の父（神）は、これらのものが、ことご
とくあなたがたに必要であることをご存じである。
まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、
これらのものは、すべて添えて与えられるであろう。」
－ 聖書 マタイの福音書　6 章 31-33 節
「あなたが たが わたし（イエス）につながっており、
わたしの言葉があなたがたにとどまっているならば、
なんでも望むものを求めるがよい。そうすれば、与
えられるであろう。」
－ 聖書　ヨハネの福音書 15 章 7 節
「今までは、あなたがたはわたしの名（イエスの名）
によって求めたことはなかった。求めなさい、そう
すれば、与えられるであろう。そして、あなたがた
の喜びが満ちあふれるであろう。」
－ 聖書　ヨハネの福音書 16 章 24 節
　このように、天の父は私たちのすべての必要を満た
すつもりでおられますが、多くの場合、いくつかの条
件をつけています。また、どのような方法で、どんな
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タイミングで与えようと計画しているかは、地上にい
る私たちにはわかりません。だから、神様が人生全体
を見通して、最善の方法でしてくださると信じ、その
知恵に信頼しなければならないのです。
　でも一番残念なのは 、 神様が 全てを用意してパッ
ケージのチケットをくださったのに、私たちが自分のす
べきことをしないがゆえに、約束されている祝福に預
かれないままでいることです。 チケットを持っていて
も、部屋から出てレストランに行き、食事を頼まなけ
れば、何も食べることができません 。 また、レストラ
ンには営業時間があるので、そういう条件にも注意を
払う必要があります。
　つまり、天国に到着することはできても、天国に至
るまでの旅路が豊かで幸せなものになるのかどうかは、
チケットをどう使うかにかかっているということです。
チケットには、物質的な必要から、保護や癒し、心の
喜びや平安というような霊的な必要まで、道中で必要
なすべてが含まれています。
　ですから、イエスを心に受け入れ神の子となった人
は、もっと確信を持って、せっかくプレゼントされた
この素晴らしいチケットを有効に使う必要があるので
はないでしょうか。聖書の中には、イエスを信じる人
たちに与えられた数々の素晴らしい約束があります。
それは、私たちの一生を豊かなものとすべく用意され
た祝福の数々なのです。それを十分に活用するために
も、神様からの契約書である聖書をじっくり読んでみ
てはどうでしょうか。
「私が獄につながれ、ただ一冊の本を持ちこむ
ことを許されるとしたら、私は聖書を選びます。」
－ ゲーテ
「聖書に精通することは、大学教育にまさる価
値がある。」
－ ルーズベルト
「いかなる世界史におけるよりも、聖書の中に
はより確かな真理が存在する。」
－ ニュートン
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