You are on page 1of 1

Table 1

20181101 岩田英哉 もぐら通信

貝殻草の匂ひを嗅ぐと何故人間は贋魚になるのか?

A B C D E F
貝殻草 免疫のある人間の例 備考1 備考2
「ぼく」は「猫に見据えら 貝殻草の夢を見るとは贋魚にな
貝殻草の夢を
1 免疫がない 贋魚 ー れ」ても「なぜか不気味でし り、夢から覚めても贋魚であり
見る
かたがな」くなることはない 続けること
「ぼく」は「猫に見据えられ 安部公房固有の話法「僕の中の
る」と「なぜか不気味でしか 「僕」」。「猫に見据えられ
貝殻草の夢を 贋宝石屋、手品師、
2 免疫がある 贋造者 たがない」 る」と「なぜか不気味でしかた
見ない 「ぼく」
がない」「ぼく」はどちらの
「ぼく」か。

上図で判ることは、贋物になる/であることと贋造者であることの違ひは、貝殻草の匂ひを嗅ひで免疫があるかどうか、即ち夢を見て贋魚になるかど
うかの違ひである。贋造者はこの夢を見ない。とすると、安部公房固有の話法「僕の中の「僕」」にあつて、前者の僕は免疫のある贋造者であり、後
者の「僕」は免疫のない一人称であるといふことになる。とすると「猫に見据えられる」と「なぜか不気味でしかたがない」「ぼく」とは、この話法
にあつて、前者の僕である僕が、後者の「僕」になる事を恐れる「僕」であるといふことになる。この話法については「『デンドロカカリヤ』論(後
篇)」(もぐら通信第54号)を参照のこと。詳述しました。

You might also like