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アクティベート ・ リーフ No.

623

感 謝の目 エルサ・シクロフスキー

THE EYES OF
GRATITUDE
 私は弱視のせいで視界がぼや いきます。自分の人生が、そんな
け、7 歳の時からメガネを掛けな 不安定な視力の変化に振り回され
ければならず、視力低下を抑える ていることに腹が立ちました。そ
ために、ものを読むことに関して れは、私には見えない身体の中で
は厳しい制限が課せられていまし 起きていて、私がどれだけ視力を
た。夜中に読んではいけない、ま 守ろうとしても、勝手に悪化して
た、正しい姿勢で明るいデスクラ しまうのです。
ンプのある机に座らないかぎり読  身体的成長が止まると視力も落
むことはできない、といったもの ち着いてきたので、毎週の視力治
です。そして、テレビや映画を見 療に行く必要はなくなりましたが、
ることは最小限にしなければいけ 年に数回は検診に行かなくてはい
なかったし、他にも絵画や裁縫、 けませんでした。それでも、私と
手芸といった、目に負担がかかる 両親が味わった苦労を思い起こす
趣味も同様です。 と、この障害がもたらした不安定
 他の子たちがソファーに横た さや苦悩との戦いを通して、視力
わって、読書を楽しんだり、何時 のように生まれつき備わってい
間も楽しそうに漫画を見たりして る基本的な身体機能について感謝
いるのを見ると、皆は何も気にせ することを学ばせてもらったのだ
ず自由に目を使えているのに、ど と分かります。検診で目の調子が
うして私だけ我慢しないといけな 安定しているという結果が出るた
いのだろうと思いました。 びに、私は喜びと感謝の気持ちで
 視力の障害によって孤立感を覚 いっぱいになります。目が安定し、
えた他にも、8 歳から 18 歳まで 適度に読書をしたり絵を描いたり
は、毎週定期的に眼科検診と視力 することが許されるなど、活動の
治療を受けなくてはいけませんで 制限が緩和されるたびに、嬉しく
した。その上、視力が落ちるたび てたまりません。目の障害のせい
にメガネを買い替える必要があり で、他の人なら味わわないような
ましたが、それはかなり頻繁でし 不安や失望が私の人生に入り込み
た。視力が悪化するたびに、視力 ましたが、私の目は、他の人が見
低下を抑えるための姿勢や目の使 過ごしてしまうようなことに喜びを
い方の制限は増し、不安が募って 見られる、感謝の目となりました。

「アクティベート・リーフ」は、英語の「Activated」誌からの記事を翻訳したものです。その他の記事は、ホームページでご覧頂けます。 http://www.activate.jp
© 2018 Aurora Production, Ltd. All Rights Reserved Translated from English Activated Magazine Vol.19 -11 p12 http://www.activated.org

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