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4 『湖からのメッセージ』で、自然を大切にする心を育む(4年)

( 未 来 を 拓 く ∼ 輝 く 熊 本 市 の 心 ∼ 熊 本 市 教 育 委 員 会 編)
《ねらい 自然のすばらしさや不思議さに気づき、進ん
で自然を大切にしようとする態度を育てる》
3 − (1 )

(1) 資料のあらすじ

本資料は、人間が快適な生活を追求していった結果、環境が悪化し
てきた江津湖の現状を、そこで暮らす生き物たちからの人間へのメッ
セージという形で表したものである。
絶滅の危機に瀕している天然記念物のスイゼンジノリ、メダカ、水
草といった生き物たちは、人間の身勝手さから環境が悪化してきた江
津湖を憂いていた。そんな折り、自分たちのことを考えてお世話をし
て く れ る お じ さ ん や 、進 ん で 美 化 作 業 に 取 り 組 む 人 々 の 存 在 に 気 づ き 、
安堵の気持ちを持つという内容である。

(2) 指 導 の ポ イ ン ト
ポイント 1(主題のとらえ方)

この資料は、熊本市の道徳教育推進委員会で、私自身が作成した資
料である。当初、絶滅の危機に瀕している天然記念物のスイゼンジノ
リを登場人物の中心にして、人間の身勝手さを浮き彫りにし、自然保
護 を 訴 え る 内 容 に し よ う と 考 え て い た 。 そ こ で 、 20 数 年 間 ボ ラ ン テ ィ
アでスイゼンジノリ保護区を世話をし続けている安部さんを取材した。
と こ ろ が 、 安 部 さ ん の 口 か ら 出 る 言 葉 は 、「 私 た ち は 自 然 に 生 か さ れ
て い る ん で す よ 」「 人 間 は 自 然 の 一 部 で あ る と い う こ と で す 」 と い っ
たものだった。重みのある言葉に感動し、江津湖の自然のすばらしさ
や、人間のよさを全面に出そうと考えた。自然と共に生活していくよ
さを実感すること。それが自然愛護につながっていくことになる。

ポイント 2(活動の位置づけ)

活動 1 ・子どもたちは、江津湖で水遊び(見学旅行)をした経
験を持っている。また、家族で訪れたり、花火大会を
見に行ったりしている。そこで、実際に江津湖で拾っ
て き た 石 に 触 れ ( 実 物 に 触 れ る 活 動 )、 江 津 湖 の 思 い
出を想起させて資料に入る。 (導入)
活動 2 ・子どもたちは、夏休みを目前に控えている。そこで、
夏休みに出会った自然のよさを絵手紙(暑中見舞い)
にしてみようと投げかける。 (終末)

(3) 指 導 の 実 際
導入では、江津湖で拾ってきた石をさわる
ことで、江津湖の思い出を想起させ、資料に
入っていった (活動1)
T この石を見てください。どこの石だろう
C 海
C 川
T 実は、先生と一緒に行った場所の石です
( こ の 学 年 は 、1 ・ 2 年 の 時 に 担 任 し て い る )
C わかった、江津湖だ
T そうです。みんなと水遊びをした江津湖
の石です。思い出した?
石を配りますから。さわってみて感想を (実物に触れる活動)
聞かせてください。
C 水がとてもきれいだった
C 水がきれいで虹がかかっていた
C いろんな生き物もいたよ
展開前段では、自然を大切に思う人々の気持ちに共感させるとともに、心ある人た
ちの存在に気づいたときの生き物たちの安堵の気持ちを中心に扱った。
T 生き物たちが「ほっと胸をなでおろした」のは、どんな気持ちからでしょう
C よかった。また楽しくくらせる
C 人間の中にも、いい人がいるんだな
C もっと自然のことを考えてくれる人たちが増えてほしいな
後段では、これまでの自分を振り返らせた。
T 生き物に優しく接したり、自然を大切にする活動をしたことはありませんか。ま
た、できなかったことはありませんか。そのときの気持ちはどうでしたか
C クリーン作戦の時、しっかり頑張りました。きつかったけど、すっきりしました
C 一人一鉢の水やりを忘れたことがありました。これからは頑張ろうと思います
C 家で飼っている犬の世話を頑張っています。毎日の散歩が大変だけど
C 学校のニワトリの餌やりや、鶏小屋の掃除をしています。汚いと思ったりするけ
どきれいになるとうれしいです
といった意見が聞かれた。そこで終末では、夏休みに見つけた自然のよさや、自然は
大切だなと思ったことなどを絵手紙にしようと投げかけた。 (活動2)
《夏休み中に、学校に届けられた絵手紙》 九月に展覧会を実施

(4) 考 察
自然は、人に働きかけてくる。自然を目にし、ふれ合うことによって生き方に刺激
を感じるような感性を持ってほしい。そんな願いで、主題をとらえた。そこで、2つ
の活動を考えた。1つは、実際に自然にふれる活動。2つは、目前に迫った夏休みに
自然と改めてふれ合う意欲を持たせる活動。休み明けに届いた葉書には、自然の中で
心を開き、様々な思いを膨らませた子どもたちの姿があった。