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E-5 摸擬地層を用いた地中熱交換試験

1. 目的
地中熱利用ヒートポンプ(Ground Source Heat Pump : GSHP)システムでは、浅部地
盤に掘削した地中熱交換井を行い、冷暖房や融雪のための熱エネルギーを供給する。GSHP
システムは省エネルギー効果やヒートアイランド現象抑制効果が高いため、今後一層の普
及が期待されている。
GSHP システムでは、地盤中に地下水が存在する場合、土壌熱伝導率の変化により熱交
換効率が向上する。本実験では川砂を充電した摸擬地層に地中熱交換井モデルを設定し、
異なる土壌含水率下においてサーマルレスポンス試験を行う。試験中は熱交換井を循環す
る熱媒体の温度変化を測定し、地層の熱伝導率を熱媒体温度の経時変化より推定すること
を課題とする。また、土壌含水率による地中熱交換量の変化について検討する。

2. 地中熱ヒートポンプシステム
2-1. システムの概要
GSHP システムでは、図 5‐1 に示す
ように設置対象となる建物や路盤周辺
に深度 50~100m 程度の熱交換井を掘
削し、坑井内に先端が U 字型に密閉し
たポリエチレン管などを地中熱交換機
として設置する。夏期には坑井内に
30~40℃程度の温水を循環して地中よ
り採熱し、冬期には 0~10℃程度の冷水
を循環して地中より採熱する。循環す

る流体は熱媒体と呼ばれる。GSHP シ 図 5-1 GSHP システムの概念図


ステムでは地中との熱交換により生じ
る熱交換井の入口と出口における熱媒体の温度差を利用する。つまり、熱媒体により地中
から抽出された冷温熱は、ヒートポンプを介して冷水や温水となり、冷暖房に使用される。
GSHP システムは大地の恒温性を利用するため、場所を問わず利用でき、また地下水の
くみ上げや地盤との物質交換を行わないので、地下水汚染や地盤沈下などの原因とならず、
地下環境への負荷が極めて小さい。また、GSHP システムは空気熱源ヒートポンプシステ
ムと比べて消費電力が低く抑えられ、省エネルギー効果や二酸化炭素排出量抑制効果が高
い。さらに、本システムは空気熱源ヒートポンプのように大気中に排熱を行わず、地盤と
の熱交換による排熱を行うため、夏期におけるヒートアイランド現象を抑制する効果があ
り、温暖な地域の都市部において特に普及が重要と考えられている。
2-2. サーマルレスポンス試験(Thermal Response Test : TRT)
TRT は地盤の熱物性や熱交換井の能力を推定する地盤調査試験であり、GSHP システム
の最適設計を目的とする。TRT では、一定の熱負荷を与えた温水を熱交換井内に 1 日~2
日程度循環し、循環時における熱交換井の入口と出口における熱媒体温度などを計測する。
TRT で得られる地盤の熱伝導率は岩石や土壌固有の熱伝導率ではなく、熱交換井が接触す
る土壌全体を平均とした「見かけ熱伝導率」である。したがって、GSHP システムの長期
挙動予測では TRT より得られた熱伝導率を用いることにより地中熱交換井の過大設計を避
けることができる。サーマルレスポンス試験の代表的な解析法としては、熱伝導方程式の
厳密解に基づく解析的手法、および有限差分法・有限要素法を用いた数値モデルによる解
析法がある。ここでは、最も一般的に用いられている解析法である Kelvin の線源理論を用
いた作図法を以下に示す。
Kelvin の線源理論より地中熱交換量を一定とした場合の熱交換井での熱媒体温度 T(入
口温度と出口温度の平均値)の経時変化は式(5-1)であらわされる。

𝑞̇ 𝑟
T − 𝑇𝑖 = 2𝜋𝜆 (−𝑙𝑛 2 − 0.2519) (5-1)
𝑠 √𝛼𝑠 𝑡

ただし、𝑇𝑖 は初期地層温度[℃]、𝑞̇ は井戸長さあたり熱交換量[W/m]、𝜆𝑠 は熱伝導率[W/m/K]、


r は井戸半径[m]、𝛼𝑠 は地層の温度伝導率[𝑚2/s]、t は時間[s]を表す。式(5-1)において、熱交
換量一定条件の下で時間とともに変化する変数は時間 t のみであるので、𝑚′ = 𝑞̇ /4𝜋𝜆𝑠 とし
て時間に依存しない項を定数 b にまとめると、式(5-1)は式(5-2)に示すように簡略化される。
T − 𝑇𝑖 = 𝑚′ ln(𝑡) + 𝑏 (5-2)

式(5-2)において𝑚 = 𝑚/ln⁡(10)とす
ると、自然対数が常用対数に変換さ
れ式(5-3)となる。
T − 𝑇𝑖 = 𝑚 log(𝑡) + b (5-3)
′ ′
𝑚 = 𝑞̇ /4𝜋𝜆𝑠 および𝑚 = 𝑚/ln⁡(10)
より、熱伝導率𝜆𝑠 は式(5-4)に示すように
井戸長さあたりの熱交換量𝑞̇ [W/m]と傾
き m[℃/cycle]を用いてあらわされる。
̇
𝜆𝑠 = 0.183𝑞/𝑚 (5-4)
作図法では式(5-3)に基づいて、熱媒体平
均温度の経時変化を示す片対数グラフ 図 5-2 作図法における m の推定

(図 5-2)の傾きより m 値を決定し、式(5-4)より熱伝導率を求める。

3.実験装置の概要
図 5-3 に実験装置の概要図を示す。本装置は、主に地層モデル、熱媒体循環装置、計測制
御装置で構成される。地層モデル内に設置した地中熱交換器モデルに一定の熱負荷を加え
た循環媒体を循環し、地中交換井入口および出口水温、循環流量などを計測する。

図 5-3 実験装置概略図

3-1.地層モデル
図 5-4 に地層モデルの模式図および寸法を示す。模擬地層は内径 400mm、深さ 700mm
の塩化ビニール製の容器内に川砂を充填して構成する。川砂の各物性値は表 5-1 に示す。地
層モデルの側面にはマノメーターを設置しており、模擬地層内の水位を確認することがで
きる。
図 5-4 地層モデルの模式図

表 5-1 川砂の各物性値
孔隙率[%] 44.4
粒径 d50[mm] 0.87
密度[kg/m³] 2587
熱伝導率[W/m/K] 0.3283

3-2.地中熱交換井モデル
本実験では、地中熱交換井モデルとして同軸型地中熱交換器を用いる。図 5-5 に同軸型地
中熱交換器の模式図を示す。また、表 5-2 に地中熱交換井モデルの寸法および材質と熱伝導
率を示す。同軸型地中熱交換器は、内管と底部が閉じられた外管とからなり、熱媒体流体
は外管と内管とのすき間(アニュラス)を通る際に地層と熱交換を行う。内管はアニュラ
ス部の熱媒体と内管内の熱媒体との熱交換を抑えるため熱伝導率の低い材料を用い、外管
はアニュラス部の熱媒体と地層との熱交換を効率良く行うために熱伝導率の高い材料を用
いる。
また、地中熱交換井での地中熱交換量 q[W]は、
q = ρ𝑐𝑝 ∆𝑇𝑄 (5-5)
より算出できる。ここに、ρ:熱媒体の密度[kg/𝑚3]、𝑐𝑝:熱媒体の比熱[J/kg/K]、∆𝑇:熱交
換器出入口での熱媒体の温度差[℃]、𝑄:熱媒体の循環流量[𝑚3/s]である。

図 5-5 同軸型地中熱交換器の模式図

表 5-2 地中熱交換井モデルの寸法および物性
Outer Inner Thermal Material
Diameter[mm] Diameter[mm] Conductivity[W/m/K]

Inner Tube 16.0 12.0 0.12 Acryl


Outer Tube 34.0 30.7 16 Stainless
Steel

3-3.熱媒体循環装置および計測制御装置
熱媒体循環装置は、循環ポンプ、ヒーター、タンクなどで構成され、計測制御装置は、
インバータ、サイリスタレギュレータ、温度センサー、流量計、土壌水分センサーなどで、
構成される。また熱媒体には水を用いる。熱媒体の循環流量はインバータによって調整し、
ヒーターの出力はサイリスラレギュータによって調整する。なお地表面から 300mm の位置
に土壌センサーを、また同深度の容器壁面付近に、地中熱交換井からの温度影響を確認す
るための温度センサーを設置している(図 5-3 参照)。
3-4.実験モニタ
図 5-6 に実験モニタの画面を示す。実験
モニタには、地中熱交換井入口・出口水
温、循環流量、ヒーター出力、土壌温度・
含水率が表示され、各データは 2 秒ごと
に更新される。画面右下には実験開始・
停止ボタンがあり、開始ボタンを押すこ
とにより実験の経過時間が表示される。
なお、本実験は水が流れていない状態
でヒーターのスイッチを入れると火災や
装置の破損等が起こる危険があるため注
意すること。また実験モニタの空焚き警
図 5-6 実験モニタ
告が表示された場合は速やかにヒーターの
スイッチを切り、実験担当者に報告すること。

3-5.簡易熱伝導計 KD2 Pro


本実験による見かけ熱伝導率の測定値との比較のため、簡易熱伝導率計 KD2 Pro を用い
て模擬地層の熱伝導率を測定する。本装置は、プローブ型のセンサーを測定試料に設置す
ることによって簡便に熱特性を測定することが可能である。本装置の使用方法については
取扱説明書を参照とする。
4.実験方法および手順
模擬地層内の土壌含水率を変化させて土壌が不飽和の状態と水法話の状態を作り、それ
ぞれの場合における地中熱交換井出入口での熱媒体温度、熱媒体の循環流量から土壌の見
かけ熱伝導率𝜆𝑠 を計算する。以下に実験手順を示す。
1) 計測装置および計測用パソコンの電源を入れ、実験モニタを起動する。
2) タンクに水を入れた後、ポンプのスイッチを入れてポンプ出力調整ダイヤルを最大に
し、地中熱交換井に熱媒体を循環させる。配管内の空気が完全に抜けたら、ポンプ出
力調整ダイヤルを調整して循環流量を焼く 1.5L/min に設定する。
3) データシートに土壌含水率を記入したのち、ヒーターのスイッチを入れ、ヒーター出
力調整ダイヤルを回して出力を焼く 70W に設定する。
4) 実験モニタ右下の実験開始ボタンをクリックし、実験を開始する。
5) 地中熱交換井入口・出口の熱媒体温度、熱媒体の循環流量を 2 分ごとに記録する。ま
た、実験中に簡易熱伝導率計 KD2 Pro を用いて模擬地層の熱伝導率を 3 回測定する。
6) 60 分が経過したら、実験モニタの実験終了ボタンをクリックし、ヒーターおよびポ
ンプのスイッチを切る。
7) 模擬地層内の温度履歴を消すため、装置下部の水抜きバルブを開けた状態で装置上部
から水を注入する。同時にタンク内の水を抜き、水を入れ替えた後にポンプのスイッ
チを入れて地中熱交換井に水を循環させる。
8) 水抜きバルブを閉じ、模擬地層の表面付近まで水を満たした後、4)~6)の手順を行
う。

表 1-2 水の密度
水の密度、ρ
温度(℃)
[g/cm3]
0 0.9999
10 0.9997
20 0.9982
30 0.9957
40 0.9920
50 0.9881

表 5-3 水の比熱
温度(℃) 水の比熱 𝐶𝑝
[J/g・k]
0 4.2174
10 4.1919
20 4.1816
30 4.1782
40 4.1783
50 4.1804

5.実験結果
今回の実験では、図 5-3 に示してある実験装置を利用し、地中熱交換井入口および出口
水温と循環流量を計測した。実験から計測した結果と各計測結果における地中熱交換井入
口と出口水温の平均値を計算した結果を以下の模擬地層を用いた地中熱交換試験データシ
ートに示す。得られた地中熱交換井入口と出口水温の平均値を縦軸に、対数時間を横軸に
プロットしたものを図 5 ー 7 とする。ただし、今回の実験では、不飽和状態および水飽和状
態という 2 つの状態のときに実験を行った。以下に各実験の結果を述べる。
a) 不飽和状態のとき
不飽和状態のときに土壌含水率は 0.289 ㎥/㎥で実験を行った。簡易熱伝導率計 KD2 Pro を
用いて模擬地層の熱伝導率を測定したとき、1 回目 1.000 W/m/K、2 回目 0.844 W/m/K、3
回目 0.844 W/m/K となった。ここから平均を求めたところ 0.896 W/m/K であった。また、
実験測定値は入り口温度、出口温度、平均温度、循環流量の順にそれぞれ
10min の時 22.66℃、22.44℃、22.55℃、1.62L/min
30min の時 27.78℃、27.52℃、27.65℃、1.58L/min
60min の時 31.65℃、31.36℃、31.51℃、1.64L/min
であった。
図 5‐7 より、直線部分の傾きを求めた。また、実験測定値を用いて式(5-5)より熱交
換量を求め、平均することで井戸長さあたりの熱交換量𝑞̇ を求めた。さらに見かけ熱伝導率
を求めた。
図 5‐7 より、直線部分の傾きmは、
34.4−21.5
m=
log 100−log 10
=12.9℃/cycle
と求まった。
10 分の時の熱交換量q10 は平均温度 22.55℃の時以下のように求められる。
表 1-2 より、密度
2.55
𝜌10 = 0.9982 + (0.9957 − 0.9982) × 10

=0.9975625
となり、密度は 0.9976 g/㎤と求まった。
表 5-3 より、比熱
2.55
𝐶𝑝 =4.1816 + (4.1782 − 4.1816) × 10

=4.180733
となり、比熱は 4.1807 J/g・k と得られた。
従って、q = ρ𝑐𝑝 ∆𝑇𝑄 式(5-5)より、

10−3
q10= 0.9976 × 103 × 4.1807 × 103 × (22.66 − 22.44) × 1.56 ×
60

=24.7737
となり、10 分の時の熱交換量q10 は 24.77 W と求まった。
同様に q30、q60 を求めた。その結果、28.51 W、32.96 W という値を求められた。これら 3
つの値を平均すると 28.75W となり、井戸の長さは 530mm(0.53m)より、
井戸長さ当たりの熱交換量𝑞̇ は
28.75
𝑞̇ =
0.53
=54.245283
となり、井戸長さ当たりの熱交換量𝑞̇ は 54.25W/m と得られた。
̇
さらに傾きと井戸長さ当たりの熱交換量、𝜆𝑠 = 0.183𝑞/𝑚 式(5-4)より、見かけ熱伝導
率は、
0.183 × 54.25
𝜆𝑠 =
12.9
=0.7695930233
となり、見かけ熱伝導率𝜆𝑠 は 0.770W/m/K であった。
b) 水飽和状態のとき
水飽和状態のときに土壌含水率は 0.564 ㎥/㎥で実験を行った。簡易熱伝導率計 KD2 Pro を
用いて模擬地層の熱伝導率を測定したとき、1 回目 1.432 W/m/K、2 回目 1.364 W/m/K、3
回目 1.557 W/m/K となった。ここから平均を求めたところ 1.451 W/m/K であった。また、
実験測定値は入り口温度、出口温度、平均温度、循環流量の順にそれぞれ
10min の時 22.76℃、22.57℃、22.67℃、1.54L/min
30min の時 27.20℃、26.89℃、27.05℃、1.59L/min
60min の時 30.61℃、30.30℃、30.46℃、1.58L/min
であった。
図 5‐7 より、直線部分の傾きmは、
33−21.7
m=
log 100−log 10
=11.3℃/cycle
であった。
10 分の時の熱交換量q10 は平均温度 22.67℃の時以下のように求められる。
表 1-2 より、密度
2.67
𝜌10 = 0.9982 + (0.9957 − 0.9982) × 10

=0.9975325
となり、密度は 0.9975 g/㎤と求まった。
表 5-3 より、比熱
2.67
𝐶𝑝 =4.1816 + (4.1782 − 4.1816) × 10

=4.1806922
となり、比熱は 4.1807 J/g・k と得られた。
従って、q = ρ𝑐𝑝 ∆𝑇𝑄 式(5-5)より、

10−3
q10= 0.9975 × 103 × 4.1807 × 103 × (22.76 − 22.57) × 1.54 ×
60

=20.33691063
となり、10 分の時の熱交換量q10 は 20.34 W と求まった。
同様に q30、q60 を求めた。その結果、34.21 W、33.95 W という値を求められた。これら 3
つの値を平均すると 29.50W となり、井戸の長さは 530mm(0.53m)より、
井戸長さ当たりの熱交換量𝑞̇ は
29.50
𝑞̇ =
0.53
=55.660377
となり、井戸長さ当たりの熱交換量𝑞̇ は 55.66W/m と得られた。
̇
さらに傾きと井戸長さ当たりの熱交換量、𝜆𝑠 = 0.183𝑞/𝑚 式(5-4)より、見かけ熱伝導
率は、
0.183×55.66
𝜆𝑠 =
11.3
=0.9013964602
となり、見かけ熱伝導率𝜆𝑠 は 0.901W/m/K であった。
模擬地層を用いた地中熱交換試験 データシート
国際資源学部 資源開発環境コース
エネルギー資源工学研究
氏名 ムンフザヤー ホラン
測定日 2017.11.15 共同実験者 檜波田 真吾、水野 尚志

〇測定データ(不飽和状態) 土壌含水率 0.289 ㎥/㎥


Time Inlet Outlet Average Flow Time Inlet Outlet Average Flow
(min) Temp. Temp. Temp. Rate (min) Temp. Temp. Temp. Rate
(℃) (℃) (℃) (L/min) (℃) (℃) (℃) (L/min)
2 19.52 19.39 19.46 1.52 32 28.14 27.84 27.99 1.58
4 20.39 20.21 20.30 1.59 34 28.43 28.24 28.34 1.58
6 21.21 21.02 21.12 1.54 36 28.81 28.54 28.68 1.58
8 21.95 21.76 21.86 1.56 38 29.13 28.84 28.99 1.58
10 22.66 22.44 22.55 1.62 40 29.43 29.16 29.30 1.57
12 23.31 23.09 23.20 1.54 42 29.70 29.41 29.56 1.57
14 23.94 23.71 23.83 1.57 44 29.98 29.69 29.84 1.50
16 24.52 24.28 24.40 1.59 46 30.21 29.92 30.07 1.55
18 25.07 24.83 24.95 1.59 48 30.47 30.17 30.32 1.60
20 25.60 25.34 25.47 1.57 50 30.68 30.41 30.55 1.59
22 26.08 25.83 25.96 1.57 52 30.91 30.62 30.77 1.54
24 26.53 26.27 26.40 1.57 54 31.10 30.81 30.96 1.56
26 26.97 26.70 26.84 1.54 56 31.29 31.00 31.15 1.55
28 27.40 27.12 27.26 1.55 58 31.48 31.19 31.34 1.62
30 27.78 27.52 27.65 1.58 60 31.65 31.36 31.51 1.64

〇計算
直線部分の傾き m 12.9 ℃/cycle
熱交換量 q10 24.77 、q30 28.51 、q60 32.96 W, Average 28.75 W
井戸当たりの熱交換量 𝑞̇ 54.25 W /m
見かけ熱伝導率 λ 0.770 W/m/K

〇簡易熱伝導率計
1st: 1.000 、2nd: 0.844 、3rd 0.844 W/m/K
Average: 0.896 W/m/K
〇測定データ(水飽和状態) 土壌含水率 0.564 ㎥/㎥
Time Inlet Outlet Average Flow Time Inlet Outlet Average Flow
(min) Temp. Temp. Temp. Rate (min) Temp. Temp. Temp. Rate
(℃) (℃) (℃) (L/min) (℃) (℃) (℃) (L/min)
2 20.03 19.92 19.98 1.59 32 27.52 27.23 27.38 1.55
4 20.81 20.64 20.73 1.60 34 27.84 27.55 27.70 1.52
6 21.51 21.31 21.41 1.56 36 28.16 27.84 28.00 1.51
8 22.16 21.97 22.07 1.55 38 28.31 28.10 28.21 1.51
10 22.76 22.57 22.67 1.54 40 28.67 28.35 28.51 1.57
12 23.35 23.12 23.24 1.59 42 28.90 28.58 28.74 1.51
14 23.88 23.62 23.75 1.54 44 29.11 28.80 28.96 1.56
16 24.41 24.15 24.28 1.52 46 29.34 29.03 29.19 1.51
18 24.88 24.60 24.74 1.51 48 29.56 29.22 29.39 1.56
20 25.32 25.04 25.18 1.57 50 29.75 29.43 29.59 1.55
22 25.72 25.45 25.59 1.62 52 29.92 29.60 29.76 1.56
24 26.15 25.85 26.00 1.54 54 30.13 29.79 29.96 1.56
26 26.41 26.21 26.31 1.55 56 30.28 29.96 30.12 1.63
28 26.87 26.57 26.72 1.53 58 30.47 30.13 30.30 1.51
30 27.20 26.89 27.05 1.59 60 30.61 30.30 30.46 1.58

〇計算
直線部分の傾き m 11.3 ℃/cycle
熱交換量 q10 20.34 、q30 34.21 、q60 33.95 W, Average 29.50 W
井戸当たりの熱交換量 𝑞̇ 55.66 W /m
見かけ熱伝導率 λ 0.901 W/m/K

〇簡易熱伝導率計
1st: 1.432 、2nd: 1.364 、3rd 1.557 W/m/K
Average: 1.451 W/m/K

〇参考
熱交換量 q = ρ𝑐𝑝 ∆𝑇𝑄
̇
見かけ熱伝導率 𝜆𝑠 = 0.183𝑞/𝑚
6.考察
以下、実験結果を基に考察を行う。
1)土壌含水率によって土壌の見かけ熱伝導率が変わる要因は何か。
熱伝導率とは、厚さ 1m の板の両端に 1℃の温度差がある時、その板の 1m2 を通して、1
秒間に流れる熱量である。本実験では川砂を充電した摸擬地層に地中熱交換井モデルを設
定し、異なる土壌含水率下において実験を行った。含水率は不飽和の時では 0.289 ㎥/㎥お
よび水飽和状態の時では 0.564 ㎥/㎥であった。不飽和状態のとき空気で埋められていた土
の中の空隙が、水飽和状態では水で埋められる。空気の熱伝導率は 0.0241W/m/K で、水は
0.582W/m/K であり、水は空気の約 24 倍熱を伝えやすい。そのため、水飽和状態のほうが
熱をよく伝導できるため見かけ熱伝導率が高くなる。
2)土壌内に地下水の流れが存在する場合、見かけ熱伝導率がどのように変化するか。
実験結果として水飽和状態のときに傾きが不飽和状態のときより小さくなった。よって、
式(5-4)より、見かけ熱伝導率が高くなる。また、地下水流れの存在する場所では地下
温度の上昇が生じにくい。つまり、熱伝導率は水の流れに応じて大きくなる。
3)実験結果と簡易熱伝導率系の測定値は同等の値を示しているか。値が異なる場合、そ
の要因として何が考えられるか。
本実験では不飽和状態のときの見かけ熱伝導率は 0.770W/m/K、簡易熱伝導率計は 0.896
W/m/K で、飽和状態の時見かけ熱伝導率は 0.901W/m/K、簡易熱伝導計は 1.451 W/m/K と
なり値は異なった。値が異なった要因として、測定条件の影響が考えられる。熱媒体循環
装置では触れている部分全体を使い測定を行っているが、簡易熱伝導計は針が刺さってい
る部分しか測定できない。そのため、簡易熱伝導計の針の刺さっている部分には空気が多
いことや水が多いことまたは水が少ないことや空気が少ないことなど、刺す場所によって
結果に影響を与えると考えられる。

7.参考文献
・“熱伝導率”
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/netuworld/seisitu/ritu.html(2017.11.20)