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日本語能力試験

~歴史、現在の状態、弱点~
ヴァーラステ・モハンマドレザー

テヘラン大学外国語・外国文学学部
目次
はじめに ........................................................................................................... 2

先行研究 ........................................................................................................... 4

第1章 日本語能力試験とは ........................................................................ 5

1.1.歴史 ................................................................................................ 5

1.2.受験級 ............................................................................................ 6

1.3.合格点 ............................................................................................ 7

ぞくせい
1.4.応募者と受験者の属 性 と理由 .................................................... 9

1.5.イランと日本語能力試験 ........................................................... 11

第2章 日本語能力試験の弱点 .................................................................. 12

2.1.試験期間に対する問題 ............................................................... 12

2.2.試験の質問 .................................................................................. 13

第3章 結論 ................................................................................................. 16

今後の研究 ..................................................................................................... 17

参考文献 ......................................................................................................... 18

付録 ................................................................................................................. 19

1
はじめに

学習者の審査は、学習者がどの程課題を理解できたのかを示すか

ら、習得方 法で一つの大事なアスペクトである。これは、その習得方法

を改善するためにも非常に役 立つ。

言語の分野でも、学習者の能力を国際的に審査するの役割は、い

くつか のその言語の母国の政府に命じられた組織によって行われてい

る。たとえば、フランス語 の DELF と DALF という能力試験を Centre

international d'études pédagogiques (CIEP)と 英語の IELTS という試験を

Cambridge Assessment English(CAE)が 行われている。

こうえきざいだんほうじんにほんこくさいきょういく
日本語の場合では、国際交流基金と公益財団法人日本国際教育

しえんきょうかい
支援協会 が日本能力試験(略称は日能試、JLPT)という学習審査試験を

1984 年から行わ れている。国際的にこのテストは一番信頼できる日本

語能力テストである。2009 年ま でに日能試は、一級(簡単)から四級

(難しい)まで、四つのレベルがあったが、そ れ以来、N5(簡単)か

ら N1(難しい)まで、5 つのレベルにかいていされていて、ほと んど

の国では毎年・日本といくつかの他国では年二回受けられる。

2
本論で、まず日本語能力試験とその歴史について説明し、そして

イランに2012年から行われる日本語能力試験を解析し、最後に日本

語能力試験の弱点 ―審査試験・言語能力検定として― 分析する。

3
先行研究

本論で使えた統計や図表は、国際交流基金と日本語能力試験のホ

ームページでアクセスできるデータである。日本語能力試験のサイトは

国際交流基金によって運営されているため、JLPT に関する情報を見つけ

るため、最適な場所だと思う。更に国際交流基金が発表した「海外の日

本語教育の現状」は、日本海外の日本教育の状況、例えば、各国の日本

語を教える機関数や教師数や学習者数を言い渡す。これはイランの日本

語教育状況を分析するため、非常に役立つと思う。

そして、第二章で、Jensen(2013)を使う。これは、受験者

が試験中どのように試験を果たすについての大事な研究だろう。この研

究の結果を使って、様々の日能試の面を解析する。

4
第1章 日本語能力試験とは

日本語能力試験(英語で:Japanese Language Proficiency Test )


は、国際交流基金と公益財団法人日本国際教育支援協会によって行わ
れ、日本語を第二言語に習う人を対象に日本語能力を認定する検定試験
である。日本語能力試験(略称は日能試、JLPT)は、日本と少数の国で
年二回、他国で毎年、7月や12月の最初の日曜日、5つの別の段階、
N1(最高)から N5(最低) までに行われている。JLPT 認定書は期限切
れではない、無効にならず。

1.1.歴史

ひょうじゅん か じゅよう
標 準 化された日本語認証の需要の増加に対応して、最初の日能

試は、4つの段階(一級は最高、4級は最低)、1984年で行い、

7000人がその試験を受けた。2004年で、302千人が40国に

テストを受け、認定率は47%だった。受験者の人数は2008まで

559千人に増加した。

そして2009年(平成21年)の改定の後、N1 から N5 までの

5つの段階になった。「N」は、「Nihongo(日本語)」・「New (新し

い)」を表す。

2017年、81国の中で 887,380 人が受験し、受験者数的に N2

レベルは最も多くの受験者がいた。 [国際交流基金 2017]


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1.2.受験級

日能試の認定者の能力程度は次のようにで––ある:

レベル 認定の目安 試験科目と時間

幅広い場面で使われる日本語を 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 110 分、聴


N1
理解することができる。 解 60 分

日常的な場面で使われる日本語

の理解に加え、より幅広い場面 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 105 分、聴


N2
で使われる日本語をある程度理 解 50 分

解することができる。

日常的な場面で使われる日本語
言語知識(文字・語彙)30 分、言語知識(文
N3 をある程度理解することができ
法)・読解 70 分、聴解 40 分
る。

基本的な日本語を理解すること 言語知識(文字・語彙)30 分、言語知識(文


N4
ができる。 法)・読解 60 分、聴解 35 分

基本的な日本語をある程度理解 言語知識(文字・語彙)25 分、言語知識(文


N5
することができる。 法)・読解 50 分、聴解 30 分

[国際交流基金 2017]

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1.3.合格点

合格するために、受験者は合計可能ポイントのだいたい半分を取

得しなければならないの更に、各試験の区分(言語知識・読解・聴解)

の19点(N4 と N5 の言語知識区分以外、その場合 38 点)も渡るべき

である。このように、例えば、聴解で得意がある受験者は読解の19点

を取らないと、合格できない。

言語知識(文
総合得点
字・語彙・文 読解 聴解

法)

0点―18
得点範囲 0点―60点 0 点-60点 0点―60点
0点

N1 100点 19点 19点 19点

N2 90 点 19点 19点 19点

N3 95 点 19点 19点 19点

7
言語知識(文字・

総合得点 語彙・文法)・読 聴解

得点範囲 0 点―180 点 0 点―120 点 0 点―60 点

N4 90 点 38 点 19 点

N5 80 点 38 点 19 点

[国際交流基金 2017]

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ぞくせい
1.4.応募者と受験者の属性と理由

図1

図2

図1から、日能試の応募者は主に大学・大学院生や就業者であるが明ら

かである。日本大学に留学したい学生・日本会社に働きたい職人が N2

や N1 の認定をなければならずので、これは当たり前だろうと思うかも

しれない。しかし、図2を見ると、「大学や大学院に必要(日本で)」

9
を選ぶ人は10%未満であるのが分かれる。一番選んだの受験者の理由

は「自分の実力を知りたい」、二番は「自分の仕事やこれからの就職・

昇給・昇進に役立つ(自分の国で)」である。したがって、ほとんどの

受験者の受験理由は日本に留学・移住することではなくて、自分の能力

を知りたり、自分の国で仕事の環境に伸びたいことである。

10
1.5.イランと日本語能力試験

最初のイランに行われる日能試は2012年12月1日にテヘラ
ン大学外国語・外国文学学部で 76 人が受験した。受験者の数が 2015 年
に 41 人減らした。2017年、受験者数は 85 人に増加した。

国際交流基金の発表した2015年「日本語教育機関調査」の結
こうりょ
果を考慮し、2012年の受験者数はイラン全国の日本語学習者の
31.02%であったが、2015年にこれも18.06%に減らし
た。

本書を書く時、2018年日本語教育機関調査はまだ実施中であ
り、2018年の日本語能力試験のデータはまだ使用できないから、
2018年のイランの日本語学習者数がまだ不明である。

300

250

200

150

100

50

0
2012 2013 2014 2015 2016 2017
イラン全国学習者数 247 227

イランの日能試受験者数 76 52 58 41 70 85

[国際交流基金 2017]

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第2章 日本語能力試験の弱点

世界中の他の学習審査試験はどれも完璧ではない。日本語能力試

験もそのようである。2009年の改定はこの試験を改善するためであ

ったと思うが、まだ様々な問題が見える。筆者はこの問題を2つのグル

ープに分けられている。その2つは、試験期間と試験の質問である。

2.1.試験期間に対する問題

上記の通り、日本語能力試験の普通の期間が 105 分(N5 レベル)

から 170 分(N1 レベル)まで変更可能である。それは低レベル

(N5,N4,N3)に、試験は 3 つの部分(言語知識、読解、聴解)に分けら

れているから、大丈夫かもしれないが、N1 と N2 のレベルにただの二つ

の部分(言語知識と読解(ブレークなし)、聴解)に分けられている。

したがって言語知識と読解の部分のため、受験者が 105 分ぐらいの間で

試験中である。Jensen , Berry , Kummer (2013 年)の結果に基づいて、

試験期間が客観的にパフォーマンス低下とは関係がない。つまり、客観

的見ると、より長い試験が受験者を疲弊させない。しかし、Jensen

(2013 年)に「大規模で困難な試験は学生にとって落胆し、主観的な

認知疲労を助長することが明らかです。」と述べている。すなわち、N1

と N2 レベルの長い試験期間は受験者を落胆し、受験者に疲弊を感じさ

12
せる。この疲弊の感じは、学生の完全な注意が必要である次の聴解の部

分のパフォーマンスに悪い影響を与えるかもしれない。

更に、二つの部分の間の短いブレーク(普通に 15 分)はこの認知

疲労から復すために、日本語能力試験中に食べることや飲むことやトイ

レへ行くことが禁止だから、不足である。

2.2.試験の質問

もちろん、どれも試験でも、学習者を審査するのが目的である。

質問が簡単すぎると、または難しすぎると、学習者の能力を確実に評価

することが不可能になる。質問が多いの場合や十分ではない場合もそう

である。すなわち、試験の質問の質と数は一番大事なことである。日本

能力試験の質問の場合も次の問題が提起できる。

日本語能力試験は学習者の日本語能力を評価する目的があるが、

他の言語能力試験の逆に、会話や作文の部分がない。例えば、IELTS や

DELF を受ける学習者の書くことや会話能力も審査させるが、日能試の場

合には受験者の「話される日本語を理解する」の能力を評価する。これ

は特に英語やフランス語の母語の人に対する、日本語と例え英語の発音

制度が全然違うから、大問題だろう。つまり、N1 の認定をある学習者

は、確実に日本語を読むことや理解することの能力が上級であるが、会

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話や書くことの能力が不明である。したがって、日能試を受ける人の第

一番理由は、上述のとおり、「自分の能力を知りたい」のことであった

が、現在の日能試の状態で「実の自分の能力」を知るは不可能である。

更に、質問は全部択一問題だから、受験者の「文を作る能力」を

評できない。もちろん、択一問題試験を採点することが簡単であるが、

受験者の文を作る能力を評する機会を失う。

最後に、聴解部分の質問は往々受験者を間違えさせる目的がある

の感じをさせる。例えば、次に日本語能力試験2016年12月 N2 レ

ベルの聴解の部分1.5番の質問のテキストである。

「問題:会社で男の人と女の人が話しています。女の人はこれから何をしなけ
ればなりませんか。

男:うちのお茶の葉の品質管理のことで調べてほしいことがあって・・・実は
市場に出る前でよかったんだけど、一部の製品の質が通常より悪いことがわか
ってね。

女:え?そうなんですか?

男:いつもと香りが違っていて。それでうちの部が中心となって可能性のある
ところを調べて原因を特定することになったんだ。

女:そうですか。どこを当たりましょうか?工場からでしょうか?

男:工場の方は気温や湿度などの管理の状況を調べてもらったところ、特に問
題がなかったんだよ。

女:では、生産者側への確認ですか?うちが契約している農家に問い合わせま
しょうか?

14
男:うん、それは生産地に近い支社の担当者が対応することになっているん
だ。それより農家から工場までの輸送は外部に頼んでるだろう?どのように運
んでいたか向こうの会社の担当者に確認してもらいたいんだよ。暑い時期だし
ね。

女:わかりました。あ、うちの倉庫で製品を保存しているうちにってことも考
えられますか?そちらの状況も調べた方がいいでしょうか?

男:ありがとう。そこは私がやるから。

女:はい。ではすぐ取り掛かります。

女の人はこれから何をしなければなりませんか。」

一見に良い問題だと思うかもしれないが、受験者が一文だけを聞こえな

いと、正しい答えを選ばれないんだろう。このような詳細指向な質問

は、もう使わないようになっている。例えば IELTS 試験で、詳細より、

文脈について質問するべきである。(付録1参考)文脈から質問する

と、受験者はオーディオトラックの一部を聞こえないと、だいたい正し

い答えを察できる。

15
第3章 結論

第 2 章に書かれたに基づいて、日本語能力試験を他の言語能力試

験に比較すると、他試験より、日能試は古いものだと見える。したがっ

て、今の日本語能力試験の状態を改善させるべきである。筆者の意見で

は、このようにすると、日本語学習者をもっと正確に評価するようにな

り、学習者の弱点を分かるようになり、その弱い分野で注意を集中でき

る。更に、これは、まだ日本語の勉強を始めていない人に日本語学習を

促進するのにも役立つ。

16
今後の研究

今後の研究について、筆者は3つのテーマを選ぶほうが良いだと

思う。

第一は、日本語能力試験の問題を、次々分析し、良い又は悪い問

題かを決定することである。これは二つの大問題がある。一つは、良い

質問の定義を決定することである。そして二つは、日能試の問題用紙が

インタネットや図書館で見つかられない。国際交流基金と協力する必要

がある。

第二は、日本語能力のレベルは正確に分けられているかを調べる

のテーマである。例えば、実際に N2 認定を持つ人と N1 認定をある人

は、日本語能力は、聴解・読解・語彙・文法・会話・作文の分野で比較

すると、その能力違いを明らかに見えるか。

第三は、第一章で明らかになったイラン全国の日本語学習者数の

減少の理由が何かである。国際交流基金のレポートに基づいて、日本語

教師の数がイランで増えていたので、なぜ学習者数が減るそうである

か。

17
参考文献

Jensen JL, Berry DA, Kummer TA. 2013. "Investigating the Effects of Exam
Length on Performance and Cognitive Fatigue." PLoS ONE. Accessed 2019.
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0070270#a
bstract0.

国際交流基金. 2017. N1~N5:認定の目安 | 日本語能力試験 JLPT. アクセ

ス日: 2018 年 11 月 12 日. https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html.

—. 2017. Past Test Data | JLPT Japanese-Language Proficiency Test. アクセス

日: 2018 年 11 月 14 日. http://www.jlpt.jp/e/statistics/archive.html.

—. 2017. 得点区分・合否判定・結果通知 | 日本語能力試験 JLPT. アクセ

ス日: 2018 年 11 月 12 日. https://www.jlpt.jp/guideline/results.html.

—. 2017. 目的と沿革 | 日本語能力試験 JLPT. アクセス日: 2018 年 11 月

12 日. https://www.jlpt.jp/about/purpose.html.

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付録

1.IELTS の例えの聴解問題

Speaker: Hello everyone. I’m the counselling administrator here at St. Ive’s College
and I’ve been asked to come and talk to you about our counselling team and the services
that we offer.

We have three professional counsellors here at St. Ives: Louise Bagshaw, Tony Denby
and Naomi Flynn. They each hold daily one-on-one sessions with students, but which
counsellor you see will depend on a number of factors.

If you’ve never used a counsellor before, then you should make an appointment with
Naomi Flynn. Naomi specialises in seeing new students and offers a preliminary session
where she will talk to you about what you can expect from counselling, followed by some
simple questions about what you would like to discuss. This can be really helpful for
students who are feeling a bit worried about the counselling process. Naomi is also the best
option for students who can only see a counsellor outside office hours. She is not in on
Mondays, but starts early on Wednesday mornings and works late on Thursday evenings,
so you can see her before your first class or after your last class on those days.

Louise staffs our drop-in centre throughout the day. If you need to see someone without
a prior appointment then she is the one to visit. Please note that if you use this service then
Louise will either see you herself, or place you with the next available counsellor. If you
want to be sure to see the same counsellor on each visit, then we strongly recommend you
make an appointment ahead of time. You can do this at reception during office hours or by
using our online booking form.

Tony is our newest addition to the counselling team. He is our only male counsellor and
he has an extensive background in stress management and relaxation techniques. We
encourage anyone who is trying to deal with anxiety to see him. Tony will introduce you to
a full range of techniques to help you cope with this problem such as body awareness, time
management and positive reinforcement.

Question: Which counsellor should you see?

Write the correct letter, A, B or C, next to questions 11–14.

A Louise Bagshaw

B Tony Denby

C Naomi Flynn

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11 if it is your first time seeing a counsellor

12 if you are unable to see a counsellor during normal office hours

13 if you do not have an appointment

14 if your concerns are related to anxiety

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