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湯沢町保健医療センター
S4 小林聡史
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定義
「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」
熱中症診療ガイドライン2015
疫学(2013年)
診断 407948人
入院 35571人(全体の8.7%)
死亡者 550人(全体の0.13%)
65歳以上 184834人(全体の45%)
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熱中症診療ガイドライン2015
リスク因子:熱放散、気温順応、十分な水分補給を阻害
65歳以上、15歳未満 身体障害、歩行障害
認知機能障害 身体活動レベル低値
心疾患、肺疾患 鎌状赤血球形成傾向
冷房へのアクセス不良 日中の野外活動
精神疾患 都会生活、高層ビル居住
肥満
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Am Fam Physician. 2011 Jun 1;83(11):1325-1330.
リスク薬剤:熱放散、気温順応、十分な水分補給を阻害
アルコール 利尿薬
α作動薬 麻黄含有製剤
アンフェタミン 下剤
抗コリン薬 安定薬
抗ヒスタミン薬 フェノチアジン
ベンゾジアゼピン 覚醒剤
β遮断薬 甲状腺受容体作動薬
カルシウム拮抗薬 三環系抗鬱薬
コカイン
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Am Fam Physician. 2011 Jun 1;83(11):1325-1330.
診断基準:除外診断
「暑熱環境に居る、あるいは居た後」の症状として、
めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、強い口渇感、
筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、 頭痛、嘔吐、倦怠感、
虚脱感、意識障害、痙攣、せん妄、小脳失調、高体温等の
諸症状を呈するもので、
感染症や悪性症候群による中枢性高体温、甲状腺クリーゼ等、
他の原因疾患を除外したもの
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熱中症診療ガイドライン2015
熱中症診療ガイドライン2015
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労作性exertionalと非労作性non-exertional
労作性:成人に多い。
暑熱環境+運動により発症。
急性であることが多い。
脱水を伴うことが多い。
非労作性:小児や高齢者等に多い。より重症
暑熱環境だが運動はあまりしてない。
比較的緩徐な発症。
必ずしも脱水を伴わない。
熱中症診療ガイドライン2015
合併症 ~暑熱による臓器障害
心血管障害:徐脈、低血圧、不整脈、たこつぼ心筋症
筋障害:横紋筋融解症
腎障害:AKI
肝障害(多くは自然軽快)
神経障害:せん妄、痙攣、昏睡
血液障害:DIC
電解質異常:低/高Na、脱水症、高K、高P、低Ca、
AG上昇代謝性アシドーシス など
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Heat-related illnesses, Dynamed. Updated 2016 Jun 29.
治療の2本柱
合併症管理
主に脱水や電解質の補正。
体温管理:クーリング
深部体温38度未満をできるだけ早く達成する
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外的冷却:水風呂が最も推奨度高い
0.05-0.14℃/minの冷却効果
霧吹き+風
冷水を吹きかけ、風を吹き付ける(うちわや扇風機)
冷却効果不明。
3点冷却
首、腋窩、鼠径部を冷やす
3℃未満の氷水なら0.12-0.35℃/minの冷却効果
水に浸かる
以前はシバリングで熱産生するからNGと言われていた。
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Emergency medicine practice. 2014, vol. 16, no. 8, p. 1–21.
内的冷却:エビデンス不足
冷たい輸液 胃や膀胱洗浄
意外と良いエビデンス やったこと
なし ないです・・・
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Heat-related illnesses, Dynamed. Updated 2016 Jun 29.
Take home message
熱中症とは
「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」
診断は除外診断
重症度を考える上で、労作の有無が有用
合併症評価を必ず行う
治療は合併症の治療とクーリング
外的冷却を用いてクーリング
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参考文献
熱中症診療ガイドライン2015
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